JP3666678B2 - コントロールボックスの開閉装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、建設機械等の運転席側方に配設され、各種操作レバーを有するコントロールボックスの開閉装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
建設機械、例えば油圧ショベルにおいては、運転席の左右にアームレストを兼ねたコントロールボックスが配設され、これら左右のコントロールボックスの前端に設けられたジョイスティック(以下作業機操作レバーという)を前後左右に動かすことによって作業機のブーム、アーム、バケット等をそれぞれ駆動し、あるいは上部旋回体を左右方向に旋回させることができる。また、運転席の前方には油圧ショベルの走行とステアリング操作に必要なレバー、ペダル等が設けられている。従って、運転席周辺のスペースは狭く、特に前記コントロールボックスに設けられた作業機操作レバーが運転席シートの左右上方に突出しているため、オペレータが建設機械に乗降する際に通り抜けの邪魔になって乗降しにくい。
【0003】
上記構造の建設機械等における乗降性を向上させるため、従来から各種の改良が行われてきた。例えば実開平2−47251号公報によれば、図4(a)に示すように、コントロールボックス4の後部を1本の連結ピン14で傾動自在に枢着すると共に、摺動架台1と前記コントロールボックス4との間に傾動力付与装置15とロック装置とを配設し、乗降の際にコントロールボックスを後方に跳ね上げてオペレータが通り抜けし易いようにしている。また、実開平4−117055号公報によれば、ロックレバーを操作すると、作業機の作動をロックする安全ロック装置が作動する。これと連動して図4(b)に示すように、等辺四節リンク16、17が揺動し、コントロールボックス4を後方に平行移動させることによって乗降時のスペースを広げている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記実開平2−47251号公報によるコントロールボックスの開閉装置では、回動中心が1箇所であるため、コントロールボックスの前端を十分に高く跳ね上げないと、乗降時に通り抜けの容易なスペースを得ることができない。しかしながら、前記コントロールボックス4の傾動角を大きくすると傾動力付与装置15が著しく伸長し、傾動力付与装置15に圧縮スプリング機構を用いた場合はコントロールボックス4を乗降時位置から通常作業位置に戻すときに多大な力を加えなければならないので、実用的とはいえない。また、圧縮スプリング機構の基端部を連結ピン14に近づけると前記機構の長さ変化量は小さくなるが、はね上げ力が著しく低下してしまう。
【0005】
また上記実開平4−117055号公報のように、等辺四節リンクを用いてコントロールボックスを前後方向に平行移動させる構造では、乗降時位置におけるコントロールボックス後端突出量が大きいため、コントロールボックスの後方に十分な空間を設けておかなければならない。このことは運転席後方の無駄なスペースが増大することになり、好ましくない。
【0006】
本発明は上記従来の問題点に着目してなされたもので、建設機械等における乗降性を向上させるため、オペレータの乗降時に十分に通路幅を広げることができ、かつ乗降時位置と通常作業位置との切り換えが容易なコントロールボックスの開閉装置を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係るコントロールボックスの開閉装置は、運転席の側方にあって建設機械等の操作レバーを備えたコントロールボックスにおいて、シャーシとコントロールボックスとが前後のリンクにより揺動自在に連結され、前後のリンクのうち一方のリンクが他方のリンクより長い不等辺四節リンクを形成し、コントロールボックスと前後のリンクの一方のリンクとの間にコントロールボックスを上方に付勢するスプリング機構を設けることを特徴とし、さらにまた、コントロールボックスの通常作業位置と乗降時位置とにそれぞれコントロールボックスを固定するロック機構を設けることを特徴としている。
【0008】
【作用】
上記構成によれば、シャーシとコントロールボックスとを不等辺四節リンクで連結し、コントロールボックスと一方のリンクとの間にスプリング機構を設けたので、このスプリング機構を作動させるとコントロールボックスは傾きながら跳ね上げられ、運転席の前後方向に沿って変位する。そして、跳ね上げ量が小さくてもコントロールボックス前端の前後方向移動量は大きくなり、運転席側方に間口の広い乗降用通路を得ることができる。これに対してコントロールボックス後端の前後方向移動量は小さい。また、コントロールボックスを通常作業位置または乗降時位置に固定するロック機構を設けたので、コントロールボックスを常にいずれかの位置に固定させておくことが可能である。
【0009】
【実施例】
以下に、本発明に係るコントロールボックスの開閉装置の実施例について、図を参照して説明する。図1はコントロールボックスの開閉装置の第1実施例を示す側面図で、建設機械等の稼動時における状態、即ち通常作業位置を示している。建設機械等のシャーシ上に前後方向に摺動自在に摺動架台1が設けられ、この摺動架台1上に図示しない連絡部材を介して運転席2が取着され、その左右に作業機操作レバー3を備えたコントロールボックス4が設けられている。コントロールボックス4は、前側の第1リンク5が後側の第2リンク6より長い不等辺四節リンクを介して摺動架台1に連結されている。また、第1リンク5の中間部とコントロールボックス4とは圧縮コイルスプリング7で連結されている。圧縮コイルスプリング7は、第1リンク5とコントロールボックス4の底面とのなす角度を押し広げようとして、コントロールボックス4を上方に付勢している。
【0010】
コントロールボックス4と第1リンク5とを連結する連結ピン8には、コントロールボックス4の前方に突出するレバー9の基端部が取り付けられている。このレバー9は釣り針状に湾曲した形状を有し、基端部に近いほぼV字状の湾曲点から突出するブラケットにローラ10が回転自在に取着されている。摺動架台1にはプレート11が立設され、前記ローラ10はプレート11に設けられたガイド溝11aに沿って滑動することができる。ガイド溝11aは、コントロールボックス4と共に、レバー9が後上方に変位するときローラ10が滑動する軌跡に沿った曲線形状を有し、上下両端にローラ10の滑動を抑止するロック部11b、11bを備えている。また、レバー9の基端部とコントロールボックス4の前面内側との間には引張コイルスプリング12が取り付けられ、レバー9を下向きに付勢している。更に、レバー9の基端部近傍と第2リンク6と間にはルーススプリング13が取り付けられている。
【0011】
運転室の左側に乗降用ドアを有する建設機械の場合、稼動時には図1に示すようにローラ10がプレート11に設けられたガイド溝11aの下側のロック部11bに係合されることにより、運転席左側のコントロールボックス4を通常作業位置に固定している。通常作業位置における左側のコントロールボックス4は、右側のコントロールボックスと同様に上面が水平に保持される。
【0012】
図2は、コントロールボックスを通常作業位置から乗降時位置に切り換える際のコントロールボックス4の動きを示す説明図である。尚、図2において、圧縮コイルスプリング7以外の各スプリング12、13の記載を省略してある。オペレータが建設機械から降りる際にレバー9を引き上げると、図2(a)に示すように、ローラ10が下側のロック部11bから外れる。また、レバー9を引き上げたとき、図示しない安全ロック装置が作動し、例えば作業機の作動はロックされる。
【0013】
ローラ10が下側のロック部11bから外れた後、レバー9を更に引き上げると、図2(b)に示すようにコントロールボックス4は圧縮コイルスプリング7の張力に付勢されて容易に後上方に移動するが、第1リンク5は第2リンク6より長いので、コントロールボックス4は前端に対して後端が次第に下がっていく。この間、ローラ10はプレート11のガイド溝11aに沿って上方に滑動する。これに伴って図示しない前記ルーススプリング13は次第に圧縮される。そして、ローラ10がガイド溝11aの上端に到達すると、図示しない圧縮された前記ルーズスプリング13の張力が、レバー9を介してローラ10に作用し、図2(c)に示すようにローラ10を上側のロック部11bへ押し付け、コントロールボックス4を乗降時位置に固定する。
【0014】
コントロールボックス4を上記のように後上方に跳ね上げた場合、運転席の左側に生じる通路の幅は、コントロールボックス4の跳ね上げ量が少ないにもかかわらず、コントロールボックス4の回動中心を1箇所とした従来の建設機械に比べて広くなり、オペレータの通り抜けが容易になる。また、通常作業位置から乗降時位置に切り換えたときの圧縮コイルスプリング7の長さの変化は僅かであるので、乗降時位置から通常作業位置に戻す場合の圧縮力も小さくてよく、切り換え操作がし易い。更に、等辺四節リンクやスライド式のコントロールボックスを備えた従来の建設機械よりも運転席後方へのコントロールボックスの突出量が小さいので、コントロールボックスを移動させるために、予め運転席後方に設けておくスペースを縮小することができる。
【0015】
摺動架台1とコントロールボックス4との間に介在させる不等辺四節リンクは、前側の第1リンク5が後側の第2リンク6より長いものに限定されることはない。図3は、乗降時におけるコントロールボックス4の前端の水平方向移動量を同一とした場合の第1実施例と第2実施例とを比較して示した模式図で、図3(a)は前述した第1実施例、図3(b)は第1リンク5を第2リンク6よりも短くした第2実施例である。第2実施例でも、図3(b)に示す通り、第1実施例と同等の通路幅が得られる。
【0016】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、シャーシと、コントロールボックスと、前後のリンクとを不等辺四節リンク式構成としたので、コントロールボックスの跳ね上げ量が小さくてもオペレータの乗降時におけるコントロールボックス前端の後方への移動量が大きくなり、建設機械等における乗降性を著しく向上できる。そして、乗降時位置から通常作業位置に戻す際に大きな操作力を必要としないので、コントロールボックスの位置切り換えを極めて容易に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るコントロールボックスの開閉装置の側面図である。
【図2】通常作業位置から乗降時位置に切り換える際のコントロールボックスの動きを示す説明図で、(a)はロック機構を外した状態、(b)は跳ね上げ過程、(c)は乗降時位置に固定した状態を示す説明図である。
【図3】本発明の第1実施例と第2実施例との比較説明図で、(a)は第1実施例、(b)は第2実施例を示す。
【図4】従来技術によるコントロールボックスの開閉装置の説明図で、(a)は1点支持方式、(b)は平行リンク方式を示す。
【符号の説明】
1 摺動架台
2 運転席
3 作業機操作レバー
4 コントロールボックス
5 前側の第1リンク
6 後側の第2リンク
7 圧縮コイルスプリング
9 レバー
10 ローラ
11 プレート
11a ガイド溝
11b 上下ロック部。
Claims (2)
- 運転席の側方にあって建設機械等の操作レバーを備えたコントロールボックスにおいて、シャーシとコントロールボックスとが前後のリンクにより揺動自在に連結され、前後のリンクのうち一方のリンクが他方のリンクより長い不等辺四節リンクを形成し、コントロールボックスと前後のリンクの一方のリンクとの間にコントロールボックスを上方に付勢するスプリング機構を設けたことを特徴とするコントロールボックスの開閉装置。
- コントロールボックスの通常作業位置と乗降時位置とにそれぞれコントロールボックスを固定するロック機構を設けたことを特徴とする請求項1記載のコントロールボックスの開閉装置。
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Family
ID=12229735
Family Applications (1)
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JP02775195A Expired - Fee Related JP3666678B2 (ja) | 1995-01-25 | 1995-01-25 | コントロールボックスの開閉装置 |
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1995
- 1995-01-25 JP JP02775195A patent/JP3666678B2/ja not_active Expired - Fee Related
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