JP3898376B2 - 車両用灯具 - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本願発明は、灯具取付開口部を有する車体側パネルに取り付けられる車両用灯具に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
フォグランプやリヤフォグランプ等の車両用灯具は、灯具取付開口部を有するバンパ等の車体側パネルに取り付けられることが多い。そして、従来このような灯具においては、図５に示すように、灯具２を灯具取付開口部２００ａに挿入するとともに該灯具２の左右両端部に形成されたブラケット部２ａを車体側パネル２００に当接させた状態で、両ブラケット部２ａを締結スクリュウ４で車体側パネル２００に固定することにより、灯具２の車体側パネル２００への取付けが行われるように構成されている。同図においては、車体側パネル２００における灯具取付開口部２００ａの左右両側近傍部位にグロメット挿着孔２００ｂが形成されており、これら各グロメット挿着孔２００ｂに挿着されたグロメット６に対して締結スクリュウ４を固定するようになっている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の車両用灯具２においては、これを車体側パネル２００に取り付けるために車体側パネル２００にグロメット挿着孔２００ｂを形成する必要があるので、その分だけ車体側パネル２００の強度が低下してしまうという問題がある。また、灯具２の前面レンズ８の表面（意匠面）が車体側パネル２００の表面に対して大きく突出してしまうため、車体側パネル２００における灯具取付部周辺の見映えが良くない、という問題がある。
【０００４】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、灯具取付開口部を有する車体側パネルに取り付けられる車両用灯具において、車体側パネルの強度およびその灯具取付部周辺の見映えを低下させることなく車体側パネルへの取付けを行うことができる車両用灯具を提供することを目的とするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、車両用灯具をランプユニットとこれを車体側パネルに取り付けるユニット取付具とを備えた構成とした上で、そのユニット取付具の構成に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【０００６】
すなわち、本願発明に係る車両用灯具は、
灯具取付開口部を有する車体側パネルに取り付けられる車両用灯具であって、
光源バルブと、この光源バルブを支持するランプボディと、このランプボディの前方側に設けられた前面レンズとを有してなるランプユニットと、このランプユニットを上記灯具取付開口部に挿入した状態で上記車体側パネルに取り付けるユニット取付具と、を備えてなる車両用灯具において、
上記ユニット取付具が、上記灯具取付開口部の開口縁形状に沿って上記ランプユニットを包囲するように形成された枠状部および該枠状部の前端部に形成された外折れフランジ部を有してなる内ブラケットと、この内ブラケットの枠状部を包囲する枠状部および該枠状部の前端部に形成された外折れフランジ部を有してなる外ブラケットとからなり、
上記内ブラケットの外折れフランジ部と上記外ブラケットの外折れフランジ部とで上記車体側パネルを前後両側から挟持した状態で、これら両ブラケットを上記ランプユニットと共に締結スクリュウで締結することにより、上記ランプユニットの上記車体側パネルへの取付けが行われるように構成されており、
かつ、上記内ブラケットの外折れフランジ部と上記外ブラケットの外折れフランジ部とで上記車体側パネルを前後両側から挟持したとき、これら両ブラケットが互いにランス係合するように構成されている、ことを特徴とするものである。
【０００７】
上記内ブラケットおよび外ブラケットの「外折れフランジ部」とは、枠状部から外周側に折れ曲がるように形成されたフランジ部を意味するものである。これら各ブラケットの「外折れフランジ部」は、枠状部の全周にわたって形成されたものであってもよいし、その一部に形成されたものであってもよい。
【０００８】
【発明の作用効果】
上記構成に示すように、本願発明に係る車両用灯具は、そのランプユニットを車体側パネルに取り付けるためのユニット取付具を備えており、このユニット取付具における内ブラケットの外折れフランジ部と外ブラケットの外折れフランジ部とで車体側パネルを前後両側から挟持した状態で、両ブラケットをランプユニットと共に締結スクリュウで締結することにより、ランプユニットの車体側パネルへの取付けが行われるように構成されているので、車体側パネルに従来のような締結スクリュウ固定用の孔を形成する必要がなく、また、ランプユニットの前面レンズの表面（意匠面）を車体側パネルの表面から大きく突出させることなく車体側パネルに取り付けることができる。
【０００９】
したがって、本願発明によれば、灯具取付開口部を有する車体側パネルに取り付けられる車両用灯具において、車体側パネルの強度およびその灯具取付部周辺の見映えを低下させることなく車体側パネルへの取付けを行うことができる。しかも、本願発明においては、内ブラケットの外折れフランジ部と外ブラケットの外折れフランジ部とで車体側パネルを前後両側から挟持したとき、これら両ブラケットが互いにランス係合するように構成すれば、ランプユニットを車体側パネルに取り付ける際、ランス係合により両ブラケットを仮固定することができるので、締結スクリュウによる締結作業を容易に行うことができ、これにより車両用灯具の車体側パネルへの取付作業性を高めることができる。
【００１０】
上記構成において、ランプユニットは、ユニット取付具により車体側パネルへの取付けが行われる際すでにランプユニットとしての組付けが完了したものであってよいことはもちろんであるが、そのランプボディと前面レンズとが、車体側パネルへの取付けに用いられる締結スクリュウによる締結の際同時に締結される構成とすれば、灯具組付工数を低減することができる。
【００１１】
また、上記構成において、前面レンズの表面を内ブラケットまたは外ブラケットの外折れフランジ部の表面と略面一となるように形成すれば、ランプユニットを車体側パネルの表面形状に沿って配置することができ、これにより車体側パネルの灯具取付部周辺の見映えを一層向上させることができる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【００１４】
図１は、本願発明の一実施形態に係る車両用灯具１０を示す正面図であり、図２および３は、そのII-II 線およびIII-III 線断面図である。
【００１５】
これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用灯具１０は、横長略矩形状の灯具取付開口部１００ａを有する車体のリヤバンパ１００（車体側パネル）に取り付けられるリヤフォグランプである。
【００１６】
この車両用灯具１０は、ランプユニット１２と、このランプユニット１２を灯具取付開口部１００ａに挿入した状態でリヤバンパ１００に取り付けるユニット取付具１４とからなっている。
【００１７】
ランプユニット１２は、光源バルブ１６と、この光源バルブ１６を支持するランプボディ１８と、このランプボディ１８の前方側（灯具としての前方側であって車両としては後方側。以下同様）に設けられた前面レンズ２０と、これらランプボディ１８および前面レンズ２０間に介装されたシートパッキン２２とからなり、締結スクリュウ２８によりユニット取付具１４に固定されるようになっている。
【００１８】
前面レンズ２０の左右両端部には、該前面レンズ２０のレンズ本体部２０ａよりも後方に位置するようにして取付フランジ部２０ｂが形成されており、ランプボディ１８の左右両端部には、取付フランジ部２０ｂにシートパッキン２２を介して当接する取付フランジ部１８ａが形成されている。これらランプボディ１８および前面レンズ２０の取付フランジ部１８ａ、２０ｂには、締結スクリュウ２８を挿通させる挿通孔１８ｂ、２０ｃが形成されている。
【００１９】
なお、ランプボディ１８の前端面における左右方向一端部および前面レンズ２０の内面における左右方向他端部には、逆付け防止ボス１８ｃおよび逆付け防止リブ２０ｄが形成されており、これらによりランプボディ１８に対して前面レンズ２０が左右逆向きで組み付けられてしまうのを未然に防止するようになっている。
【００２０】
ユニット取付具１４は、内ブラケット２４と外ブラケット２６とからなっている。
【００２１】
内ブラケット２４は、灯具取付開口部１００ａの開口縁形状に沿ってランプユニット１２を包囲するように形成された枠状部２４ａと、この枠状部２４ａの前端部に形成された外折れフランジ部２４ｂと、枠状部２４ａの後端部に形成された内折れフランジ部２４ｃとからなっている。一方、外ブラケット２６は、内ブラケット２４の枠状部２４ａを包囲する枠状部２６ａと、この枠状部２６ａの前端部に形成された外折れフランジ部２６ｂと、枠状部２６ａの後端部に形成された内折れフランジ部２６ｃとからなっている。
【００２２】
本実施形態に係る車両用灯具１０においては、内ブラケット２４の外折れフランジ部２４ｂと外ブラケット２６の外折れフランジ部２６ｂとでリヤバンパ１００を前後両側から挟持した状態で、これら両ブラケット２４、２６をランプユニット１２と共に締結スクリュウ２８で締結することにより、ランプユニット１２のリヤバンパ１００への取付けが行われるように構成されている。
【００２３】
内ブラケット２４の内折れフランジ部２４ｃには、締結スクリュウ２８と係合する係合孔２４ｄが形成されており、外ブラケット２６の内折れフランジ部２６ｃには、締結スクリュウ２８を螺合固定するタップ穴２６ｄが形成されている。そして、ランプユニット１２をリヤバンパ１００に取り付ける際には、内ブラケット２４の内折れフランジ部２４ｃと外ブラケット２６の内折れフランジ部２６ｃとを重ね合わせ、さらにランプボディ１８および前面レンズ２０の取付フランジ部１８ａ、２０ｂを重ね合わせた状態で、締結スクリュウ２８を取付フランジ部１８ａ、２０ｂの挿通孔１８ｂ、２０ｃおよび内折れフランジ部２４ｃの係合孔２４ｄを介して内折れフランジ部２６ｃのタップ穴２６ｄに螺合固定するようになっている。
【００２４】
外ブラケット２６の外折れフランジ部２６ｂは、その表面が前面レンズ２０のレンズ本体部２０ａの表面と略面一になるように形成されており、内ブラケット２４の外折れフランジ部２４ｂは、外ブラケット２６の外折れフランジ部２６ｂに対してリヤバンパ１００の略板厚分だけ前方側に位置するように形成されている。
【００２５】
内ブラケット２４の枠状部２４ａにおける上面壁および下面壁の左右方向略中央部にはランス２４ｅが形成されており、外ブラケット２６の枠状部２６ａにおける上面壁および下面壁の左右方向略中央部にはランス２４ｅと係合するランス係合孔２６ｅが形成されている。各ランス２４ｅは、平面視においてコ字状に形成されており、後方へ向けて下り斜面状になるように形成されている。一方、各ランス係合孔２６ｅは、各ランス２４ｅよりもやや左右幅の広い矩形孔として形成されている。そして、これら１対のランス２４ｅおよびランス係合孔２６ｅは、内ブラケット２４の外折れフランジ部２４ｂと外ブラケット２６の外折れフランジ部２６ｂとでリヤバンパ１００を前後両側から挟持したとき互いにランス係合するように構成されている。
【００２６】
外ブラケット２６の外周面には複数の補強リブ２６ｆが形成されており、これにより両ブラケット２４、２６の外折れフランジ部２４ｂ、２６ｂによるリヤバンパ１００の挟持を確実に行い得るようになっている。
【００２７】
図４は、車両用灯具１０をリヤバンパ１００に取り付ける際の様子を示す平面図である。
【００２８】
図示のように、ランプユニット１２をリヤバンパ１００に取り付ける際には、まず、ランプボディ１８および前面レンズ２０の取付フランジ部１８ａ、２０ｂと内ブラケット２４の内折れフランジ部２４ｃとを重ね合わせて、締結スクリュウ２８を取付フランジ部１８ａ、２０ｂの挿通孔１８ｂ、２０ｃを介して内折れフランジ部２４ｃの係合孔２４ｄに係合させ、該係合孔２４ｄから締結スクリュウ２８の先端部を僅かに突出させる。
【００２９】
そして、この状態で、内ブラケット２４の枠状部２４ａをリヤバンパ１００の灯具取付開口部１００ａに車両外側から挿入し、その外折れフランジ部２４ｂをリヤバンパ１００における灯具取付開口部１００ａの周辺部位に当接させる。
【００３０】
次に、この内ブラケット２４に対して、外ブラケット２６の枠状部２６ａを車両内側から被せるようにして装着し、その外折れフランジ部２６ｂをリヤバンパ１００における灯具取付開口部１００ａの周辺部位に当接させる。このとき、内ブラケット２４の各ランス２４ｅが外ブラケット２６のランス係合孔２６ｅにランス係合し、両ブラケット２４、２６はリヤバンパ１００を挟持した状態で仮固定される。
【００３１】
その後、１対の締結スクリュウ２８を、外ブラケット２６の内折れフランジ部２６ｃのタップ穴２６ｄに螺合させて固定することにより、内ブラケット２４の外折れフランジ部２４ｂと外ブラケット２６の外折れフランジ部２６ｂとでリヤバンパ１００を前後両側から挟持するとともに、ランプユニット１２を両ブラケット２４、２６に固定し、これによりランプユニット１２のリヤバンパ１００への取付けが行われる。
【００３２】
以上詳述したように、本実施形態に係る車両用灯具１０は、そのランプユニット１２をリヤバンパ１００に取り付けるためのユニット取付具１４を備えており、このユニット取付具１４における内ブラケット２４の外折れフランジ部２４ｂと外ブラケット２６の外折れフランジ部２６ｂとでリヤバンパ１００を前後両側から挟持した状態で、両ブラケット２４、２６をランプユニット１２と共に締結スクリュウ２８で締結することにより、ランプユニット１２のリヤバンパ１００への取付けが行われるように構成されているので、リヤバンパ１００に従来のように締結スクリュウ固定用の孔を形成する必要がなく、また、ランプユニット１２の前面レンズ１８の表面（意匠面）をリヤバンパ１００の表面から大きく突出させることなく該リヤバンパ１００に取り付けることができる。
【００３３】
したがって、本実施形態によれば、リヤバンパ１００の強度およびその灯具取付部周辺の見映えを低下させることなく車両用灯具１０をリヤバンパ１００に取り付けることができる。
【００３４】
しかも、本実施形態においては、ランプユニット１２を構成するランプボディ１８と前面レンズ２０とが、リヤバンパ１００への取付けの際に用いられる締結スクリュウ２８によって同時に締結されるようになっているので、灯具組付工数を低減することができる。
【００３５】
また、本実施形態においては、前面レンズ２０のレンズ本体２０ａの表面が外ブラケット２６の外折れフランジ部２６ａの表面と略面一となるように形成されているので、ランプユニット１２がリヤバンパ１００の表面形状に沿って配置されることとなり、これによりリヤバンパ１００の灯具取付部周辺の見映えを一層向上させることができる。なお、前面レンズ２０のレンズ本体２０ａの表面を内ブラケット２４の外折れフランジ部２４ａの表面と略面一となるように形成した場合においても、ランプユニット１２がリヤバンパ１００の表面形状に沿って配置されるので、同様の作用効果を得ることができる。
【００３６】
さらに、本実施形態においては、内ブラケット２４の外折れフランジ部２４ｂと外ブラケット２６の外折れフランジ部２６ｂとでリヤバンパ１００を前後両側から挟持したとき、これら両ブラケット２４、２６が互いにランス係合するように構成されているので、ランプユニット１２をリヤバンパ１００に取り付ける際、ランス係合により両ブラケット２４、２６を仮固定することができる。このため、締結スクリュウ２８による締結作業を容易に行うことができ、これにより車両用灯具１０のリヤバンパ１００への取付作業性を高めることができる。
【００３７】
また、本実施形態においては、前面レンズ２０の取付フランジ部２０ｂが、該前面レンズ２０のレンズ本体部２０ａよりも後方に位置するようにして形成されているので、締結スクリュウ２８の頭部がレンズ本体部２０ａから突出して見映えを損なってしまうのを未然に防止することができる。
【００３８】
本実施形態においては、締結スクリュウ２８による締結が車両用灯具１０の左右両端部において行われるように構成されているが、少なくとも１箇所において締結スクリュウ２８による締結が行われていれば、これ以外の配置で締結スクリュウ２８による締結を行うようにしてもよい。
【００３９】
また、本実施形態においては、車両用灯具１０がリヤフォグランプである場合について説明したが、それ以外の標識灯やフォグランプ等の前照灯においても、本実施形態と同様の構成を採用することにより本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【００４０】
さらに、本実施形態においては、車体側パネルがリヤバンパ１００である場合について説明したが、車体側パネルが車体パネル自体である場合においても、本実施形態と同様の構成を採用することにより本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本願発明の一実施形態に係る車両用灯具を示す正面図
【図２】図１のII-II 線断面図
【図３】図１のIII-III 線断面図
【図４】上記車両用灯具をリヤバンパに取り付ける際の様子を示す平面図
【図５】従来例を示す、図２と同様の図
【符号の説明】
１０ 車両用灯具
１２ ランプユニット
１４ ユニット取付具
１６ 光源バルブ
１８ ランプボディ
１８ａ、２０ｂ 取付フランジ部
１８ｂ、２０ｃ 挿通孔
１８ｃ 逆付け防止ボス
２０ 前面レンズ
２０ａ レンズ本体部
２０ｄ 逆付け防止リブ
２２ シートパッキン
２４ 内ブラケット
２４ａ、２６ａ 枠状部
２４ｂ、２６ｂ 外折れフランジ部
２４ｃ、２６ｃ 内折れフランジ部
２４ｄ 係合孔
２４ｅ ランス
２６ 外ブラケット
２６ｄ タップ穴
２６ｅ ランス係合孔
２６ｆ 補強リブ
２８ 締結スクリュウ
１００ リヤバンパ（車体側パネル）
１００ａ 灯具取付開口部
【発明の属する技術分野】
本願発明は、灯具取付開口部を有する車体側パネルに取り付けられる車両用灯具に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
フォグランプやリヤフォグランプ等の車両用灯具は、灯具取付開口部を有するバンパ等の車体側パネルに取り付けられることが多い。そして、従来このような灯具においては、図５に示すように、灯具２を灯具取付開口部２００ａに挿入するとともに該灯具２の左右両端部に形成されたブラケット部２ａを車体側パネル２００に当接させた状態で、両ブラケット部２ａを締結スクリュウ４で車体側パネル２００に固定することにより、灯具２の車体側パネル２００への取付けが行われるように構成されている。同図においては、車体側パネル２００における灯具取付開口部２００ａの左右両側近傍部位にグロメット挿着孔２００ｂが形成されており、これら各グロメット挿着孔２００ｂに挿着されたグロメット６に対して締結スクリュウ４を固定するようになっている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の車両用灯具２においては、これを車体側パネル２００に取り付けるために車体側パネル２００にグロメット挿着孔２００ｂを形成する必要があるので、その分だけ車体側パネル２００の強度が低下してしまうという問題がある。また、灯具２の前面レンズ８の表面（意匠面）が車体側パネル２００の表面に対して大きく突出してしまうため、車体側パネル２００における灯具取付部周辺の見映えが良くない、という問題がある。
【０００４】
本願発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、灯具取付開口部を有する車体側パネルに取り付けられる車両用灯具において、車体側パネルの強度およびその灯具取付部周辺の見映えを低下させることなく車体側パネルへの取付けを行うことができる車両用灯具を提供することを目的とするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本願発明は、車両用灯具をランプユニットとこれを車体側パネルに取り付けるユニット取付具とを備えた構成とした上で、そのユニット取付具の構成に工夫を施すことにより、上記目的達成を図るようにしたものである。
【０００６】
すなわち、本願発明に係る車両用灯具は、
灯具取付開口部を有する車体側パネルに取り付けられる車両用灯具であって、
光源バルブと、この光源バルブを支持するランプボディと、このランプボディの前方側に設けられた前面レンズとを有してなるランプユニットと、このランプユニットを上記灯具取付開口部に挿入した状態で上記車体側パネルに取り付けるユニット取付具と、を備えてなる車両用灯具において、
上記ユニット取付具が、上記灯具取付開口部の開口縁形状に沿って上記ランプユニットを包囲するように形成された枠状部および該枠状部の前端部に形成された外折れフランジ部を有してなる内ブラケットと、この内ブラケットの枠状部を包囲する枠状部および該枠状部の前端部に形成された外折れフランジ部を有してなる外ブラケットとからなり、
上記内ブラケットの外折れフランジ部と上記外ブラケットの外折れフランジ部とで上記車体側パネルを前後両側から挟持した状態で、これら両ブラケットを上記ランプユニットと共に締結スクリュウで締結することにより、上記ランプユニットの上記車体側パネルへの取付けが行われるように構成されており、
かつ、上記内ブラケットの外折れフランジ部と上記外ブラケットの外折れフランジ部とで上記車体側パネルを前後両側から挟持したとき、これら両ブラケットが互いにランス係合するように構成されている、ことを特徴とするものである。
【０００７】
上記内ブラケットおよび外ブラケットの「外折れフランジ部」とは、枠状部から外周側に折れ曲がるように形成されたフランジ部を意味するものである。これら各ブラケットの「外折れフランジ部」は、枠状部の全周にわたって形成されたものであってもよいし、その一部に形成されたものであってもよい。
【０００８】
【発明の作用効果】
上記構成に示すように、本願発明に係る車両用灯具は、そのランプユニットを車体側パネルに取り付けるためのユニット取付具を備えており、このユニット取付具における内ブラケットの外折れフランジ部と外ブラケットの外折れフランジ部とで車体側パネルを前後両側から挟持した状態で、両ブラケットをランプユニットと共に締結スクリュウで締結することにより、ランプユニットの車体側パネルへの取付けが行われるように構成されているので、車体側パネルに従来のような締結スクリュウ固定用の孔を形成する必要がなく、また、ランプユニットの前面レンズの表面（意匠面）を車体側パネルの表面から大きく突出させることなく車体側パネルに取り付けることができる。
【０００９】
したがって、本願発明によれば、灯具取付開口部を有する車体側パネルに取り付けられる車両用灯具において、車体側パネルの強度およびその灯具取付部周辺の見映えを低下させることなく車体側パネルへの取付けを行うことができる。しかも、本願発明においては、内ブラケットの外折れフランジ部と外ブラケットの外折れフランジ部とで車体側パネルを前後両側から挟持したとき、これら両ブラケットが互いにランス係合するように構成すれば、ランプユニットを車体側パネルに取り付ける際、ランス係合により両ブラケットを仮固定することができるので、締結スクリュウによる締結作業を容易に行うことができ、これにより車両用灯具の車体側パネルへの取付作業性を高めることができる。
【００１０】
上記構成において、ランプユニットは、ユニット取付具により車体側パネルへの取付けが行われる際すでにランプユニットとしての組付けが完了したものであってよいことはもちろんであるが、そのランプボディと前面レンズとが、車体側パネルへの取付けに用いられる締結スクリュウによる締結の際同時に締結される構成とすれば、灯具組付工数を低減することができる。
【００１１】
また、上記構成において、前面レンズの表面を内ブラケットまたは外ブラケットの外折れフランジ部の表面と略面一となるように形成すれば、ランプユニットを車体側パネルの表面形状に沿って配置することができ、これにより車体側パネルの灯具取付部周辺の見映えを一層向上させることができる。
【００１３】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本願発明の実施の形態について説明する。
【００１４】
図１は、本願発明の一実施形態に係る車両用灯具１０を示す正面図であり、図２および３は、そのII-II 線およびIII-III 線断面図である。
【００１５】
これらの図に示すように、本実施形態に係る車両用灯具１０は、横長略矩形状の灯具取付開口部１００ａを有する車体のリヤバンパ１００（車体側パネル）に取り付けられるリヤフォグランプである。
【００１６】
この車両用灯具１０は、ランプユニット１２と、このランプユニット１２を灯具取付開口部１００ａに挿入した状態でリヤバンパ１００に取り付けるユニット取付具１４とからなっている。
【００１７】
ランプユニット１２は、光源バルブ１６と、この光源バルブ１６を支持するランプボディ１８と、このランプボディ１８の前方側（灯具としての前方側であって車両としては後方側。以下同様）に設けられた前面レンズ２０と、これらランプボディ１８および前面レンズ２０間に介装されたシートパッキン２２とからなり、締結スクリュウ２８によりユニット取付具１４に固定されるようになっている。
【００１８】
前面レンズ２０の左右両端部には、該前面レンズ２０のレンズ本体部２０ａよりも後方に位置するようにして取付フランジ部２０ｂが形成されており、ランプボディ１８の左右両端部には、取付フランジ部２０ｂにシートパッキン２２を介して当接する取付フランジ部１８ａが形成されている。これらランプボディ１８および前面レンズ２０の取付フランジ部１８ａ、２０ｂには、締結スクリュウ２８を挿通させる挿通孔１８ｂ、２０ｃが形成されている。
【００１９】
なお、ランプボディ１８の前端面における左右方向一端部および前面レンズ２０の内面における左右方向他端部には、逆付け防止ボス１８ｃおよび逆付け防止リブ２０ｄが形成されており、これらによりランプボディ１８に対して前面レンズ２０が左右逆向きで組み付けられてしまうのを未然に防止するようになっている。
【００２０】
ユニット取付具１４は、内ブラケット２４と外ブラケット２６とからなっている。
【００２１】
内ブラケット２４は、灯具取付開口部１００ａの開口縁形状に沿ってランプユニット１２を包囲するように形成された枠状部２４ａと、この枠状部２４ａの前端部に形成された外折れフランジ部２４ｂと、枠状部２４ａの後端部に形成された内折れフランジ部２４ｃとからなっている。一方、外ブラケット２６は、内ブラケット２４の枠状部２４ａを包囲する枠状部２６ａと、この枠状部２６ａの前端部に形成された外折れフランジ部２６ｂと、枠状部２６ａの後端部に形成された内折れフランジ部２６ｃとからなっている。
【００２２】
本実施形態に係る車両用灯具１０においては、内ブラケット２４の外折れフランジ部２４ｂと外ブラケット２６の外折れフランジ部２６ｂとでリヤバンパ１００を前後両側から挟持した状態で、これら両ブラケット２４、２６をランプユニット１２と共に締結スクリュウ２８で締結することにより、ランプユニット１２のリヤバンパ１００への取付けが行われるように構成されている。
【００２３】
内ブラケット２４の内折れフランジ部２４ｃには、締結スクリュウ２８と係合する係合孔２４ｄが形成されており、外ブラケット２６の内折れフランジ部２６ｃには、締結スクリュウ２８を螺合固定するタップ穴２６ｄが形成されている。そして、ランプユニット１２をリヤバンパ１００に取り付ける際には、内ブラケット２４の内折れフランジ部２４ｃと外ブラケット２６の内折れフランジ部２６ｃとを重ね合わせ、さらにランプボディ１８および前面レンズ２０の取付フランジ部１８ａ、２０ｂを重ね合わせた状態で、締結スクリュウ２８を取付フランジ部１８ａ、２０ｂの挿通孔１８ｂ、２０ｃおよび内折れフランジ部２４ｃの係合孔２４ｄを介して内折れフランジ部２６ｃのタップ穴２６ｄに螺合固定するようになっている。
【００２４】
外ブラケット２６の外折れフランジ部２６ｂは、その表面が前面レンズ２０のレンズ本体部２０ａの表面と略面一になるように形成されており、内ブラケット２４の外折れフランジ部２４ｂは、外ブラケット２６の外折れフランジ部２６ｂに対してリヤバンパ１００の略板厚分だけ前方側に位置するように形成されている。
【００２５】
内ブラケット２４の枠状部２４ａにおける上面壁および下面壁の左右方向略中央部にはランス２４ｅが形成されており、外ブラケット２６の枠状部２６ａにおける上面壁および下面壁の左右方向略中央部にはランス２４ｅと係合するランス係合孔２６ｅが形成されている。各ランス２４ｅは、平面視においてコ字状に形成されており、後方へ向けて下り斜面状になるように形成されている。一方、各ランス係合孔２６ｅは、各ランス２４ｅよりもやや左右幅の広い矩形孔として形成されている。そして、これら１対のランス２４ｅおよびランス係合孔２６ｅは、内ブラケット２４の外折れフランジ部２４ｂと外ブラケット２６の外折れフランジ部２６ｂとでリヤバンパ１００を前後両側から挟持したとき互いにランス係合するように構成されている。
【００２６】
外ブラケット２６の外周面には複数の補強リブ２６ｆが形成されており、これにより両ブラケット２４、２６の外折れフランジ部２４ｂ、２６ｂによるリヤバンパ１００の挟持を確実に行い得るようになっている。
【００２７】
図４は、車両用灯具１０をリヤバンパ１００に取り付ける際の様子を示す平面図である。
【００２８】
図示のように、ランプユニット１２をリヤバンパ１００に取り付ける際には、まず、ランプボディ１８および前面レンズ２０の取付フランジ部１８ａ、２０ｂと内ブラケット２４の内折れフランジ部２４ｃとを重ね合わせて、締結スクリュウ２８を取付フランジ部１８ａ、２０ｂの挿通孔１８ｂ、２０ｃを介して内折れフランジ部２４ｃの係合孔２４ｄに係合させ、該係合孔２４ｄから締結スクリュウ２８の先端部を僅かに突出させる。
【００２９】
そして、この状態で、内ブラケット２４の枠状部２４ａをリヤバンパ１００の灯具取付開口部１００ａに車両外側から挿入し、その外折れフランジ部２４ｂをリヤバンパ１００における灯具取付開口部１００ａの周辺部位に当接させる。
【００３０】
次に、この内ブラケット２４に対して、外ブラケット２６の枠状部２６ａを車両内側から被せるようにして装着し、その外折れフランジ部２６ｂをリヤバンパ１００における灯具取付開口部１００ａの周辺部位に当接させる。このとき、内ブラケット２４の各ランス２４ｅが外ブラケット２６のランス係合孔２６ｅにランス係合し、両ブラケット２４、２６はリヤバンパ１００を挟持した状態で仮固定される。
【００３１】
その後、１対の締結スクリュウ２８を、外ブラケット２６の内折れフランジ部２６ｃのタップ穴２６ｄに螺合させて固定することにより、内ブラケット２４の外折れフランジ部２４ｂと外ブラケット２６の外折れフランジ部２６ｂとでリヤバンパ１００を前後両側から挟持するとともに、ランプユニット１２を両ブラケット２４、２６に固定し、これによりランプユニット１２のリヤバンパ１００への取付けが行われる。
【００３２】
以上詳述したように、本実施形態に係る車両用灯具１０は、そのランプユニット１２をリヤバンパ１００に取り付けるためのユニット取付具１４を備えており、このユニット取付具１４における内ブラケット２４の外折れフランジ部２４ｂと外ブラケット２６の外折れフランジ部２６ｂとでリヤバンパ１００を前後両側から挟持した状態で、両ブラケット２４、２６をランプユニット１２と共に締結スクリュウ２８で締結することにより、ランプユニット１２のリヤバンパ１００への取付けが行われるように構成されているので、リヤバンパ１００に従来のように締結スクリュウ固定用の孔を形成する必要がなく、また、ランプユニット１２の前面レンズ１８の表面（意匠面）をリヤバンパ１００の表面から大きく突出させることなく該リヤバンパ１００に取り付けることができる。
【００３３】
したがって、本実施形態によれば、リヤバンパ１００の強度およびその灯具取付部周辺の見映えを低下させることなく車両用灯具１０をリヤバンパ１００に取り付けることができる。
【００３４】
しかも、本実施形態においては、ランプユニット１２を構成するランプボディ１８と前面レンズ２０とが、リヤバンパ１００への取付けの際に用いられる締結スクリュウ２８によって同時に締結されるようになっているので、灯具組付工数を低減することができる。
【００３５】
また、本実施形態においては、前面レンズ２０のレンズ本体２０ａの表面が外ブラケット２６の外折れフランジ部２６ａの表面と略面一となるように形成されているので、ランプユニット１２がリヤバンパ１００の表面形状に沿って配置されることとなり、これによりリヤバンパ１００の灯具取付部周辺の見映えを一層向上させることができる。なお、前面レンズ２０のレンズ本体２０ａの表面を内ブラケット２４の外折れフランジ部２４ａの表面と略面一となるように形成した場合においても、ランプユニット１２がリヤバンパ１００の表面形状に沿って配置されるので、同様の作用効果を得ることができる。
【００３６】
さらに、本実施形態においては、内ブラケット２４の外折れフランジ部２４ｂと外ブラケット２６の外折れフランジ部２６ｂとでリヤバンパ１００を前後両側から挟持したとき、これら両ブラケット２４、２６が互いにランス係合するように構成されているので、ランプユニット１２をリヤバンパ１００に取り付ける際、ランス係合により両ブラケット２４、２６を仮固定することができる。このため、締結スクリュウ２８による締結作業を容易に行うことができ、これにより車両用灯具１０のリヤバンパ１００への取付作業性を高めることができる。
【００３７】
また、本実施形態においては、前面レンズ２０の取付フランジ部２０ｂが、該前面レンズ２０のレンズ本体部２０ａよりも後方に位置するようにして形成されているので、締結スクリュウ２８の頭部がレンズ本体部２０ａから突出して見映えを損なってしまうのを未然に防止することができる。
【００３８】
本実施形態においては、締結スクリュウ２８による締結が車両用灯具１０の左右両端部において行われるように構成されているが、少なくとも１箇所において締結スクリュウ２８による締結が行われていれば、これ以外の配置で締結スクリュウ２８による締結を行うようにしてもよい。
【００３９】
また、本実施形態においては、車両用灯具１０がリヤフォグランプである場合について説明したが、それ以外の標識灯やフォグランプ等の前照灯においても、本実施形態と同様の構成を採用することにより本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【００４０】
さらに、本実施形態においては、車体側パネルがリヤバンパ１００である場合について説明したが、車体側パネルが車体パネル自体である場合においても、本実施形態と同様の構成を採用することにより本実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本願発明の一実施形態に係る車両用灯具を示す正面図
【図２】図１のII-II 線断面図
【図３】図１のIII-III 線断面図
【図４】上記車両用灯具をリヤバンパに取り付ける際の様子を示す平面図
【図５】従来例を示す、図２と同様の図
【符号の説明】
１０ 車両用灯具
１２ ランプユニット
１４ ユニット取付具
１６ 光源バルブ
１８ ランプボディ
１８ａ、２０ｂ 取付フランジ部
１８ｂ、２０ｃ 挿通孔
１８ｃ 逆付け防止ボス
２０ 前面レンズ
２０ａ レンズ本体部
２０ｄ 逆付け防止リブ
２２ シートパッキン
２４ 内ブラケット
２４ａ、２６ａ 枠状部
２４ｂ、２６ｂ 外折れフランジ部
２４ｃ、２６ｃ 内折れフランジ部
２４ｄ 係合孔
２４ｅ ランス
２６ 外ブラケット
２６ｄ タップ穴
２６ｅ ランス係合孔
２６ｆ 補強リブ
２８ 締結スクリュウ
１００ リヤバンパ（車体側パネル）
１００ａ 灯具取付開口部
Claims (3)
- 灯具取付開口部を有する車体側パネルに取り付けられる車両用灯具であって、
光源バルブと、この光源バルブを支持するランプボディと、このランプボディの前方側に設けられた前面レンズとを有してなるランプユニットと、このランプユニットを上記灯具取付開口部に挿入した状態で上記車体側パネルに取り付けるユニット取付具と、を備えてなる車両用灯具において、
上記ユニット取付具が、上記灯具取付開口部の開口縁形状に沿って上記ランプユニットを包囲するように形成された枠状部および該枠状部の前端部に形成された外折れフランジ部を有してなる内ブラケットと、この内ブラケットの枠状部を包囲する枠状部および該枠状部の前端部に形成された外折れフランジ部を有してなる外ブラケットとからなり、
上記内ブラケットの外折れフランジ部と上記外ブラケットの外折れフランジ部とで上記車体側パネルを前後両側から挟持した状態で、これら両ブラケットを上記ランプユニットと共に締結スクリュウで締結することにより、上記ランプユニットの上記車体側パネルへの取付けが行われるように構成されており、
かつ、上記内ブラケットの外折れフランジ部と上記外ブラケットの外折れフランジ部とで上記車体側パネルを前後両側から挟持したとき、これら両ブラケットが互いにランス係合するように構成されている、ことを特徴とする車両用灯具。 - 上記ランプボディと上記前面レンズとが、上記締結スクリュウによる締結の際同時に締結されるように構成されている、ことを特徴とする請求項１記載の車両用灯具。
- 上記前面レンズの表面が、上記内ブラケットまたは外ブラケットの外折れフランジ部の表面と略面一となるように形成されている、ことを特徴とする請求項１または２記載の車両用灯具。
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