JP3897389B2 - 光電変換装置の駆動方法及び光電変換装置 - Google Patents

光電変換装置の駆動方法及び光電変換装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光電変換装置及びその駆動方法に関し、例えばファクシミリ、デジタル複写機あるいはX線撮像装置等の画像情報を読み取るために好適な二次元に読取画素が配置された光電変換装置及びその駆動方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ファクシミリ、デジタル複写機あるいはX線撮像装置等の読み取り系としては縮小光学系とCCD型センサを用いた読み取り系が用いられていたが、近年、水素化アモルファスシリコン(以下、a−Siと記す)に代表される光電変換半導体材料の開発により、光電変換素子及び信号処理部を大面積の基板に形成し、情報源と等倍の光学系で読み取るいわゆる密着型センサの開発がめざましい。特にa−Siは光電変換材料としてだけでなく、薄膜電界効果型トランジスタ(以下TFTと記す)としても用いることができるので光電変換半導体層とTFTの半導体層とを同時に形成することができる利点を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、2次元で多数画素を有する光電変換装置では、部分的な面積を読み出したい場合は、全ライン(駆動線)を駆動即ち全画素を駆動し、全画素の出力を読み取った後、必要となるある面積に対応する信号出力を抽出するという信号処理が必要となる。その為、不必要な駆動線を駆動する時間及び不必要な信号出力を読み取る時間がかかるという不都合が生じる。
【0004】
この問題は、特に光電変換装置がX線撮像装置に用いる場合のように、大面積で高精細画素を有する場合、更に言うならば、X線撮像装置にX線を連続的に照射しながら画像を見る場合のように、高精細で高画素数の情報をいわゆる動画として得る場合の処理時間、及びX線撮影では、撮像する場合に、照射X線量が増えるということで問題になる。
【0005】
(発明の目的)
本発明は、複数の光電変換素子を2次元に配列した光電変換装置において、信号読取りを高速に行ない得る光電変換装置及びその駆動方法を提供することを目的とする。
【0006】
又、本発明の目的は、複数の光電変換素子を配列した光電変換装置において、部分的な面積の光電変換素子の信号を読み出したい場合(以下、トリミングという)に、不必要な駆動線を駆動する時間及び不必要な信号出力を読み取る時間がかからない光電変換装置を実現することにある。
【0007】
また、本発明はX線照射量の少ないX線撮像装置、すなわち、より高感度読取りが可能な光電変換装置及びその駆動方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、基板上に光電変換素子を含む画素が2次元に複数配置され、X方向の複数の前記画素を駆動するための駆動線が前記X方向と異なるY方向に複数配置され、前記Y方向の複数の前記画素からの信号を読み出すための信号線が前記X方向に複数配置され、前記駆動線に印加される制御信号により選択された前記X方向の複数の画素からの電荷を、前記X方向に配置された複数の信号線に転送する光電変換装置の駆動方法において、
複数の前記駆動線のうち任意の駆動線のみに順次前記制御信号を印加し、残りの駆動線の全てに、前記任意の駆動線とは異なるタイミングで一括して前記制御信号を印加する光電変換装置の駆動方法を提供するものである。
【0009】
また本発明は、基板上に光電変換素子を含む画素が2次元に複数配置され、X方向の複数の前記画素を駆動するための駆動線が前記X方向と異なるY方向に複数配置され、前記Y方向の複数の前記画素からの信号を読み出すための信号線が前記X方向に複数配置され、前記駆動線に印加される制御信号により選択された前記X方向の複数の画素からの電荷を、前記X方向に配置された複数の信号線に転送する光電変換装置の駆動方法において、
複数の前記駆動線のうち任意の駆動線のみに順次前記制御信号を印加し、残りの複数の駆動線は、前記任意の駆動線とは異なるタイミングで二以上の駆動線に同時に前記制御信号を印加する光電変換装置の駆動方法を提供するものである。
【0010】
また本発明は、基板上に光電変換素子を含む画素が2次元に複数配置され、X方向の複数の前記画素を駆動するための駆動線が前記X方向と異なるY方向に複数配置され、前記Y方向の複数の前記画素からの信号を読み出すための信号線が前記X方向に複数配置され、前記駆動線に印加される制御信号により選択された前記X方向の複数の画素からの電荷を、前記X方向に配置された複数の信号線に転送する光電変換装置において、
複数の前記駆動線に制御信号を印加する印加手段と、複数の前記駆動線のうち任意の駆動線のみに順次前記制御信号を印加し、残りの駆動線の全てに、前記任意の駆動線とは異なるタイミングで一括して前記制御信号を印加するように、前記印加手段を制御する制御手段とを有する光電変換装置を提供するものである。
【0011】
また本発明は、基板上に光電変換素子を含む画素が2次元に複数配置され、X方向の複数の前記画素を駆動するための駆動線が前記X方向と異なるY方向に複数配置され、前記Y方向の複数の前記画素からの信号を読み出すための信号線が前記X方向に複数配置され、前記駆動線に印加される制御信号により選択された前記X方向の複数の画素からの電荷を、前記X方向に配置された複数の信号線に転送する光電変換装置において、
複数の前記駆動線に制御信号を印加する印加手段と、複数の前記駆動線のうち任意の駆動線のみに順次前記制御信号を印加し、残りの複数の駆動線は前記任意の駆動線とは異なるタイミングで前記残りの複数の駆動線のうちの二以上の駆動線に同時に前記制御信号を印加するように、前記印加手段を制御する制御手段とを有する光電変換装置を提供するものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
先ず、本発明に適用可能な光センサ素子の一例について説明する。
【0024】
図14(a)〜図14(c)は、夫々光センサの構成を示す図であり、図14(a)、図14(b)は二種類の光センサの層構成を示し、図14(c)は共通した代表的な駆動方法を示している。図14(a)及び図14(b)共にフォト・ダイオード型の光センサであり、図14(a)は、PIN型、図14(b)はショットキー型と称されている。図14(a)及び図14(b)中、1は少なくとも表面が絶縁性の基板、2は下部電極、3はp型半導体層(以下p層と記す)、4は真性半導体層(以下、i層と記す)、5はn型半導体層(以下n層と記す)、6は透明電極である。図14(b)のショットキー型では下部電極2の材料を適当に選び、下部電極2からi層4に電子が注入されないようショットキーバリア層が形成されている。図14(c)において、10は上記光センサを記号化して表わした光センサを示し、11は電源、12は電流アンプ等の検出部を示している。光センサ10中Cで示された方向は図14(a)及び図14(b)中の透明電極6側、Aで示された方向が下部電極2側であり、電極11はA側に対しC側に正の電圧が加わる様に設定されている。
【0025】
ここで動作を簡単に説明する。図14(a)及び図14(b)に示されるように、矢印で示された方向から光が入射され、i層4に達すると、光は吸収され電子とホールが発生する。i層4には電源11により電界が印加されているため電子はC側、つまりn層5を通過して透明電極6に移動し、ホールはA側つまり下部電極2に移動する。よって、光センサ10に光電流が流れたことになる。また、光が入射しない場合、i層4で電子もホールも発生せず、また、透明電極内6のホールはn層5がホールの注入阻止層として働き、下部電極2内の電子は図14(a)のPIN型ではp層3が、図14(b)のショットキー型ではショットキーバリア層が、電子の注入阻止層として働き、電子、ホール共に移動できず、電流は流れない。したがって光の入射の有無で電流が変化し、これを図14(c)の検出部12で検出すれば光センサとして動作する。
【0026】
しかしながら、上記構成の光センサで充分SN比が高く、低コストの光電変換装置を実際に生産するのは簡単ではない。以下その理由について説明する。
【0027】
第一の理由は、図14(a)のPIN型、図14(b)のショットキー型共に2カ所に注入阻止層が必要なところにある。図14(a)のPIN型において注入阻止層であるn層5は電子を透明電極6に導くと同時にホールがi層4に注入するのを阻止する特性が必要である。どちらかの特性を逸すれば光電流が低下したり、光が入射しない時の電流(以下「暗電流」と記す)が発生、増加することになりSN比の低下の原因になる。この暗電流はそれ自身がノイズと考えられると同時にショットノイズと呼ばれるゆらぎ、いわゆる量子ノイズを含んでおりたとえ検出部12で暗電流を差し引く処理をしても、暗電流に伴う量子ノイズを小さくすることはできない。通常この特性を向上させるためi層4やn層5の成膜の条件や、作成後のアニールの条件の最適化を図る必要がある。しかし、もう一つの注入阻止層であるp層3についても電子、ホールが逆ではあるが同等の特性が必要であり、同様に各条件の最適化が必要である。通常、前者n層の最適化と後者p層の最適化の条件は同一でなく、両者の条件を同時に満足させるのは簡単ではない。つまり、同一光センサ内に二カ所の相対する特性の注入阻止層が必要なことは高SN比の光センサの形成を難しくする。これは図14(b)のショットキー型においても同様である。また図14(b)のショットキー型においては片方の注入阻止層にショットキーバリア層を用いている。これは下部電極2とi層4の仕事関数の差を利用するもので、下部電極2の材料が限定されたり、界面の局在準位の影響が特性に大きく影響する。従って、これら条件の全てを理想的に満足させるのは簡単ではない。また、さらにショットキーバリア層の特性を向上させるために、下部電極2とi層4の間に100オングストローム前後の薄いシリコンや金属の酸化膜、窒化膜を形成することも報告されている。これはトンネル効果を利用し、ホールを下部電極2に導き、電子のi層4への注入を阻止する効果を向上させるもので、やはり仕事関数の差を利用している。このため下部電極2の材料の限定は必要である。また電子の注入の阻止とトンネル効果によるホールの移動という逆の性質を利用するため酸化膜や窒化膜は100オングストローム前後と非常に薄いところに限定され、かつ、厚さや膜質の制御は難しく生産性を上げることは簡単ではない。
【0028】
また、注入阻止層が2カ所必要なことは生産性を低下させコストアップの要因となる。これは注入阻止層が特性上重要な為2カ所中1所でもゴミ等で欠陥が生じた場合、光センサとしての特性が得られないからである。
【0029】
第二の理由を図15を用いて説明する。図15は薄膜の半導体膜で形成した電界効果型トランジスタ(TFT)の層構成を示している。TFTは光電変換装置を形成するうえで制御部の一部として利用することがある。図中図14と同一なものは同番号で示してある。図15において、7はゲート絶縁膜であり、60は上部電極である。形成法を順を追って説明する。絶縁基板1上にゲート電極(G)として働く下部電極2、ゲート絶縁膜7、i層4、n層5、ソース、ドレイン電極(S、D)として働く上部電極60を順次成膜し、上部電極60をエッチングしてソース、ドレイン電極を形成し、その後n層5をエッチングしてチャネル部を構成している。TFTの特性はゲート絶縁膜7とi層4の界面の状態に敏感で通常その汚染を防ぐために同一真空内で連続に堆積する。
【0030】
光センサをこのTFTと同一基板上に形成する場合、この層構成が問題となりコストアップや特性の低下を招く。この理由は図14に示した光センサの構成が、図14(a)のPIN型が基板側から順に電極/p層/i層/n層/電極、図14(b)のショットキー型が基板側から順に電極/i層/n層/電極という構成であるのに対し、TFTは基板側から順に電極/絶縁膜/i層/n層/電極という構成で両者が異なるからである。これは各成膜を同一プロセス順で形成できないことを示す。つまり、プロセスの複雑化による歩留まりの低下、コストアップを招く。また、i層/n層を共通の工程で同時に形成するにはゲート絶縁膜7やp層3のエッチング工程が必要となる。これは、先に述べた光センサの重要な層である注入阻止層のp層3とi層4が同一真空内で連続的に成膜できなかったり、TFTの重要なゲート絶縁膜7とi層4の界面がゲート絶縁膜のパターンニングのためのエッチングにより汚染される可能性を意味するとともに、特性の劣化やSN比の低下の原因となり得る。
【0031】
また、前述した図14(b)のショットキー型の特性を改善するため下部電極2とi層4の間に酸化膜や窒化膜を形成する場合は膜構成の順を同一とすることができる。しかしながら先に述べたように酸化膜や窒化膜は100オングストローム前後とする必要がありゲート絶縁膜と共用することはできない。図16にゲート絶縁膜とTFTの歩留まりについて、我々が実験した結果の一例を示す。ゲート絶縁膜厚が1000オングストローム以下で歩留まりは急激に低下し、800オングストロームで歩留まりは約30%、500オングストロームで歩留まりは0%、250オングストロームではTFTの動作すら確認できなかった。トンネル効果を利用した光センサの酸化膜や窒化膜と、電子やホールを絶縁しなければならないTFTのゲート絶縁膜を共用化することが通常できないことはデータが示している。
【0032】
またさらに、図示していないが電荷や電流の積分値を得るのに必要となる素子である容量素子(以下「コンデンサ」と記す)を光センサと同一の構成でリークが少ない良好な特性のものを作るのは難しい。コンデンサは2つの電極間に電荷を蓄積するのが目的なため電極間の中間層には必ず電子とホールの移動を阻止する層が必要であるのに対し、従来の光センサは電極間に半導体層のみまたは、電子又はホールが移動可能な層を利用しているため熱的にリークの少ない良好な特性の中間層を得るのは難しいからである。
【0033】
このように光電変換装置を構成するうえで重要な素子であるTFTやコンデンサとプロセス的にまたは特性的にマッチングがよくないことは複数の光センサを二次元に多数配置し、この光信号を順次検出するようなシステム全体を構成するうえで工程が多くかつ複数になるため歩留まりを上げることは簡単ではなく、低コストで高性能多機能な装置を作るうえで問題になると考えられる。
【0034】
次に、上記問題点を解決する光センサの一例を有する光電変換装置について説明する。
【0035】
図17は光電変換装置の一例を示す全体回路図、図18(a)は該光電変換装置の1画素に相当する各構成素子の一例を説明するための模式的平面図、図18(b)は図18(a)のA−B線における模式的断面図である。図17において、S11〜S33は光電変換素子で下部電極側をG、上部電極側をDで示している。C11〜C33は蓄積用コンデンサ、T11〜T33は転送用TFTである。Vsは読み出し用電源、Vgはリフレッシュ用電源であり、それぞれスイッチSWs、SWgを介して全光電変換素子S11〜S33のG電極に接続されている。スイッチSWsはインバータを介して、スイッチSWgは直接にリフレッシュ制御回路RFに接続されており、リフレッシュ期間はスイッチSWgがonするよう制御されている。1画素は1個の光電変換素子とコンデンサ、およびTFTで構成され、その信号出力は信号配線SIGにより検出用集積回路ICに接続されている。この光電変換装置は計9個の画素を3つのブロックに分け1ブロックあたり3画素の出力を同時に転送しこの信号配線SIGを通して検出用集積回路ICによって順次出力に変換され出力される(Vout)。また1ブロック内の3画素を横方向に配置し、3ブロックを順に縦に配置することにより各画素を二次元的に配置している。
【0036】
図中破線で囲んだ部分は大面積の同一絶縁基板上に形成されているが、このうち第1画素に相当する部分の模式的平面図を図18(a)に示す。また図中破線A−Bで示した部分の模式的断面図を図18(b)に示す。S11は光電変換素子、T11はTFT、C11はコンデンサ、およびSIGは信号配線である。この光電変換装置においてはコンデンサC11と光電変換素子S11は特別に素子を分離しておらず、光電変換素子S11の電極の面積を大きくすることによりコンデンサC11を形成している。これは光電変換素子とコンデンサが同じ層構成であるから可能なことでこの光電変換装置の特徴でもある。また、画素上部にはパッシベーション用窒化シリコン膜SiNとヨウ化セシウム等の蛍光体CsIが形成されている。上方よりX線(X−ray)が入射すると蛍光体CsIにより光(破線矢印)に変換され、この光が光電変換素子に入射される。
【0037】
次に図17と図19によって上述した光電変換装置の動作について説明する。図19は図17の動作の一例を示すタイミングチャートである。
【0038】
はじめにシフトレジスタSR1およびSR2により制御配線g1〜g3、s1〜s3にHiが印加される。すると転送用TFT・T11〜T33とスイッチM1〜M3がonし導通し、全光電変換素子S11〜S33のD電極はGND電位になる(積分検出器Ampの入力端子はGND電位に設計されているため)。同時にリフレッシュ制御回路RFがHiを出力しスイッチSWgがonし全光電変換素子S11〜S33のG電極はリフレッシュ用電源Vgにより正電位になる。すると全光電変換素子S11〜S33はリフレッシュモードになりリフレッシュされる。つぎにリフレッシュ制御回路RFがLoを出力しスイッチSWsがonし全光電変換素子S11〜S33のG電極は読み取り用電源Vsにより負電位になる。すると全光電変換素子S11〜S33は光電変換モードになり同時にコンデンサC11〜C33は初期化される。この状態でシフトレジスタSR1およびSR2により制御配線g1〜g3、s1〜s3にLoが印加される。すると転送用TFT・T11〜T33のスイッチM1〜M3がoffし、全光電変換素子S11〜S33のD電極はDC的にはオープンになるがコンデンサC11〜C33によって電位は保持される。しかしこの時点ではX線は入射されていないため全光電変換素子S11〜S33には光は入射されず光電流は流れない。この状態でX線がパルス的に出射され人体等を通過し蛍光体CsIに入射すると光に変換され、その光がそれぞれの光電変換素子S11〜S33に入射する。この光は人体等の内部構造の情報が含まれている。この光により流れた光電流は電荷としてそれぞれのコンデンサC11〜C33に蓄積されX線の入射終了後も保持される。つぎにシフトレジスタSR1により制御配線g1にHiの制御パルスが印加され、シフトレジスタSR2の制御配線s1〜s3への制御パルス印加によって転送用TFT・T11〜T33のスイッチM1〜M3を通してv1〜v3が順次出力される。同様にシフトレジスタSR1、SR2の制御により他の光信号も順次出力される。これにより人体等の内部構造の二次元情報がv1〜v9として得られる。静止画像を得る場合はここまでの動作であるが動画像を得る場合はここまでの動作を繰り返す。
【0039】
上述した光電変換装置では光電変換素子のG電極が共通に接続され、この共通の配線をスイッチSWgとスイッチSWsを介してリフレッシュ用電源Vgと読み取り用電源Vsの電位に制御している為、全光電変換素子を同時にリフレッシュモードと光電変換モードとに切り換えることができる。このため複雑な制御なくして1画素あたり1個のTFTで光出力を得ることができる。
【0040】
また、上述した光電変換装置では9個の画素を3×3に二次元配置し3画素ずつ同時に、3回に分割して転送・出力したがこれに限らず、例えば縦横1mmあたり5×5個の画素を2000×2000個の画素として二次元的に配置すれば40cm×40cmのX線検出器が得られる。これをX線フィルムの代わりにX線発生器と組み合わせX線レントゲン装置を構成すれば胸部レントゲン検診や乳ガン検診あるいは躯体の非破壊検査に使用できる。するとフィルムと異なり瞬時にその出力をCRTなどの画像出力機で映し出すことが可能で、さらに出力をディジタルに変換しコンピュータで画像処理して目的に合わせた出力に変換することも可能である。また光磁気ディスクに保管もでき、過去の画像を瞬時に検索することもできる。また感度もフィルムより良く人体に影響の少ない微弱なX線で鮮明な画像を得ることができる。
【0041】
図20、図21に2000×2000個の画素を持つ光電変換装置の実装の一例を示す模式的平面図を示す。2000×2000個の検出器を構成する場合、図17で示した破線内の素子を縦・横に数を増やせばよいが、この場合、制御配線g1〜g2000と2000本になり信号配線SIGもsig1〜sig2000と2000本になる。またシフトレジスタSR1や検出用集積回路ICも2000本の制御・処理をしなければならず大規模となる。これをそれぞれ1チップの素子で行うことは1チップが非常に大きくなり製造時の歩留まりや価格等で不利である。そこで、シフトレジスタSR1は例えば100段ごと1個のチップに形成し、20個(SR1−1〜SR1−20)を使用すれば良い。また検出用集積回路も100個の処理回路ごと1個のチップに形成し、20個(IC1〜IC20)を使用する。
【0042】
図20には左側(L)に20チップ(SR1−1〜SR1−20)と下側(D)に20チップ実装し、1チップあたり100本の制御配線、信号配線を各々ワイヤーボンディングでチップと接線している。図20中破線部は図17の破線部に相当する。また外部への接続は省略している。また、SWg、SWs、Vg、Vs、RF等も省略している。検出集積回路IC1〜IC20からは20本の出力(Vout)があるが、これらはスイッチ等を介して1本にまとめたり、20本をそのまま出力し並列処理すればよい。
【0043】
図21には別の例を示す。左側(L)に10チップ(SR1−1〜SR1−10)と右側(R)に10チップ(SR1−11〜SR1−20)と上側(U)に10チップ(IC1〜10)、下側(D)に10チップ(IC11〜20)を実装している。この構成は上・下・左・右側(U、D、L、R)にそれぞれ各配線を1000本ずつに振り分けているため、各辺の配線の密度が小さくなり、また各辺のワイヤーボンティングの密度も小さく、歩留まりが向上する。配線の振り分けは左側(L)にg1,g3,g5,…,g1999、右側(R)にg2,g4,g6,…,g2000とし、つまり奇数番目の制御線を左側(L)、偶数番目の制御線を右側(R)に振り分ける。こうすると各配線は等間隔に引き出され配線されるので密度の集中なく歩留まりが向上する。また、上側(U)下側(D)への配線も同様に振り分ければよい。
【0044】
また、図示していないが別の例として配線の振り分けは左側(L)にg1〜g100,g201〜g300,…,g1801〜g1900、右側(R)にg101〜g200,g301〜g400,…,g1901〜g2000を振り分け、つまり、1チップごと連続な制御線を振り分け、これを左・右側(L・R)交互に振り分ける。こうすると、1チップ内は連続に制御でき、駆動タイミングが楽で回路を複雑にしなくてよく安価なものが使用できる。上・下側(U・D)についても同様で、連続な処理が可能で安価な回路が使用できる。
【0045】
また図20、図21共に1枚の基板上に破線部の回路を形成した後、その基板上にチップを実装してもよいし、別の大きな基板上に破線部の回路基板とチップを実装してもよい。また、チップをフレキシブル基板上に実装して破線部の回路基板に貼り付け接続してもよい。
【0046】
またこのような非常に多くの画素をもつ大面積の光電変換装置は各素子を共通な膜で同時に形成することで工程数が少なく、簡易的な工程ですむため高歩留まりが可能で低コストで大面積・高性能の光電変換装置の生産を可能としている。また、コンデンサ及びTFTと光電変換素子とが同じ画素内で構成でき、実質上素子を半減することが可能でさらに歩留まりを向上できる。
【0047】
以上説明したように、上記光電変換装置によれば、光電変換装置内の光電変換素子は、注入阻止層が一カ所のみで光の入射量を検出することができ、プロセスの最適化が容易で、歩留まりの向上が図れ、製造コストの低減が可能で、SN比の高い低コストの光電変換装置を提供することができる効果がある。また、基板上に第一の電極層/絶縁層/光電変換半導体装置をこの順で有する構成においてトンネル効果や、ショットキーバリアを利用していないため、電極材料は自由に選択でき、絶縁層の厚さやその他の制御も自由度が高い。
【0048】
また同時に形成する薄膜電界効果トランジスタ(TFT)等のスイッチ素子または/および容量素子とはマッチングが良く、同一膜構成のため共通な膜として同時に形成可能で、かつ光電変換素子、TFT共に重要な膜構成は同一真空内で同時に形成可能であり、さらに光電変換装置を高SN化、低コスト化することができる。またコンデンサも中間層に絶縁層を含んでおり良好な特性で形成でき複数の光電変換素子で得られた光情報の積分値を簡単な構成で出力できる高機能の光電変換装置が提供できる。また低コストで大面積・高機能・高特性のファクシミリやX線レントゲン装置を提供できる。
【0049】
いずれにせよ、光センサー(光電変換素子)を2次元に多数配置した光電変換装置においてはより高速に必要な情報を得られることが重要である。
【0050】
そのための一つの方法としては、基板上に2次元的に配列された複数の光電変換素子をX方向の駆動線を順次スキャンしY方向の信号線に信号電荷を転送し、順次信号を読み出す光電変換装置において、上記複数の光電変換素子の任意の上記駆動線のみを順次スキャンし、残りの上記駆動線は、前記任意の駆動線とは異なるタイミングで同時に駆動して信号電荷を転送することである。
【0051】
また、上記複数の光電変換素子の任意の上記駆動線のみを順次スキャンし、残りの上記駆動線は、前記任意の駆動線とは異なるタイミングで同時に駆動して信号電荷を転送してもよい。
【0052】
このように、不必要な駆動線は、順次駆動せずに同時に駆動してしまうことで、駆動する時間及び不必要な信号出力を読み取る時間を削除できる。結果的に必要な部分の信号読み出しを高速で行うことが可能となる。この為、特に光電変換装置をX線撮像装置に用いる場合、更に言うならば、X線撮像装置にX線を連続的に照射しながら画像を見るいわゆる動画を撮像する場合に、照射X線量を減らすことが可能となり医療的にもまた環境的にも多大な効果をもたらすと考えられる。
【0053】
又、不必要とする光電変換素子の両端の電位を同時に短時間で初期値に戻すことにより、全ての光電変換素子のセンサ特性を等しくすることが可能となり、その結果得られる情報の信頼性の高い光電変換装置を得ることが可能となる。
【0054】
また、別の方法としては、基板上に2次元的に配列された複数の光電変換素子をX方向の駆動線を順次スキャンしY方向の信号線に信号電荷を転送し、順次信号を読み出す光電変換装置において、必要となる任意の駆動線のみを順次スキャンし、残りの駆動線は信号電荷を転送する為には駆動しないことである。
【0055】
こうした場合も、不必要な駆動線を駆動する時間及び不必要な信号出力を読み取る時間を削除できる為、結果的に必要な部分の信号読み出しを高速で行うことが可能となるように作用する。したがって先述したのと同様に、特に光電変換装置をX線撮像装置に用いる場合、更に言うならば、X線撮像装置にX線を連続的に照射しながら画像を見るいわゆる動画を撮像する場合に、照射X線量を減らすことが可能となり医療的にも環境的にも多大な効果をもたらすと考えられる。
【0056】
ところでX線撮像装置では、前述したように、X線源から医療患者のような被分析対象(被検体)を通してX線ビームを投射する。X線ビームが被検体を通過した後、通常イメージ増倍管によりX線像を可視光像に変換し、ビデオカメラにより可視光像からアナログビデオ信号を作成し、モニタに表示するという方法も知られている。この場合、アナログビデオ信号を作成するので、自動輝度調節および画像強調のための画像処理がアナログ領域で行われる。
【0057】
そして上述したような高分解能の固体X線検出器には一ラインに3000〜4000個の、フォトダイオードなどに代表される検出素子を用いた2次元アレー(以下、「検出素子アレー」または「検出器アレー」ともいう)を有する。各素子は検出器に投射されるX線像の画素輝度に対応する電気信号を作成する。各検出素子からの信号は個別に読出されてディジタル化され、その後で画像処理、記憶および表示される。
【0058】
固体検出素子アレーは、検出素子にセットされたバイアス電荷が、トランジスタ電流漏洩により、また一般に「暗電流」として知られる機構により、部分的に放電される場合がある。暗電流および電流漏洩の影響による電荷空乏は、画像信号のオフセットを生じる。これらの電流によって除去される電荷の量は一定でないので、信号オフセットが変動し、検出器出力に不確定要素が加わることになる。
【0059】
これらの電流によって検出素子から除去される電荷の量は、検出素子のバイアスリセットから検出素子の電荷検知までの時間の長さの関数である。従って、これらの電流の影響を最小限にするためには、検出素子アレーの素子の読出しに必要な時間を最小限にすることが望ましい。一方、回路により検出器信号に加わる電気雑音を小さくするために、画像信号処理回路の帯域幅を小さくし、読出し期間を大きくすることも望ましい。
【0060】
ところで、行列形式の光検出器アレーでは、行方向または列方向に相当する対向する2つの辺(すなわち周辺部)のうちの一方から他方へと一様に単調に検出素子の読出しがなされている。
【0061】
しかし、多くの場合、撮影者あるいは観察者の最も関心のある画像領域は撮像領域の中心部であり、この部分の画質を最も向上させることが望まれる。さらに、高分解能光検出素子アレーの場合、特に上記関心領域に対応する検出素子のみを用いての撮像を行い撮像速度を向上させることも望まれる。
【0062】
そこで、撮像者の最も関心のある画像部分の画質の劣化を小さくする画像データ読出しを行なえるようにすることはより好ましいことである。
【0063】
たとえば、受光要素を行列形式で配列した光電変換装置から画像データを読出す時に、
a)光電変換装置中の所望の行範囲及び所望の列範囲の受光要素により形成される領域を撮影者の関心領域として決定するステップ、
b)前記関心領域の行方向の1組の対向する辺のうちの一方側から少なくとも1つの行の受光要素の信号を検知するステップ、
c)前記関心領域の行方向の1組の対向する辺のうちの他方側から少なくとも1つの行の受光要素の信号を検知するステップ、
d)既に検知された行を除いて、前記関心領域の中心部の行の受光要素の信号が検知されるまで、ステップb及びステップcを交互に繰り返すステップ、
を有することで関心部の画質をより高画質に得ることができる。
【0064】
あるいは、受光要素を行列形式で配列した光電変換装置から画像データを読出す時に、
a)光電変換装置中の所望の行範囲及び所望の列範囲の受光要素により形成される領域を撮影者の関心領域として決定するステップ、
b)前記関心領域の中心部の少なくとも1つの行の受光要素の信号を検知するステップ、
c)既に検知された行の両側のうちの一方側に隣接する少なくとも1つの行の受光要素の信号を検知するステップ、
d)既に検知された行の両側のうちの他方側に隣接する少なくとも1つの行の受光要素の信号を検知するステップ、
e)既に検知された行を除いて、前記関心領域の行方向の1組の対向する辺の行の受光要素の信号が検知されるまで、ステップc及びステップdを交互に繰り返すステップ、
を有することで関心部の画質をより高画質に得ることができる。
【0065】
また、別の方法としては、受光要素を行列形式で配列した光電変換装置であって各列の受光要素の少なくとも一部の信号をスイッチ素子を介して共通の列出力線から取り出す様にした光電変換装置を駆動する時に、
a)光電変換装置中の所望の行範囲及び所望の列範囲の受光要素により形成される領域を撮影者の関心領域として決定するステップ、
b)前記関心領域の行方向の1組の対向する辺のうちの一方側から少なくとも1つの行の受光要素に対応するスイッチ素子を駆動して列出力線へと信号を取り出すステップ、
c)前記関心領域の行方向の1組の対向する辺のうちの他方側から少なくとも1つの行の受光要素に対応するスイッチ素子を駆動して列出力線へと信号を取り出すステップ、
d)既に検知された行を除いて、前記関心領域の中心部の行の受光要素に対応するスイッチ素子が駆動されるまで、ステップb及びステップcを交互に繰り返すステップ、
を有することで関心部の画質を劣化されることなく情報を得ることができる。
【0066】
あるいはまた受光要素を行列形式で配列した光電変換装置であって各列の受光要素の少なくとも一部の信号をスイッチ素子を介して共通の列出力線から取り出す様にした光電変換装置を駆動する時に、
a)光電変換装置中の所望の行範囲及び所望の列範囲の受光要素により形成される領域を撮影者の関心領域として決定するステップ、
b)前記関心領域の中心部の少なくとも1つの行の受光要素に対応するスイッチ素子を駆動して列出力線へと信号を取り出すステップ、
c)既に検知された行の両側のうちの一方側に隣接する少なくとも1つの行の受光要素に対応するスイッチ素子を駆動して列出力線へと信号を取り出すステップ、
d)既に検知された行の両側のうちの他方側に隣接する少なくとも1つの行の受光要素に対応するスイッチ素子を駆動して列出力線へと信号を取り出すステップ、
e)既に検知された行を除いて、前記関心領域の行方向の1組の対向する辺の行の受光要素に対応するスイッチ素子が駆動されるまで、ステップc及びステップdを交互に繰り返すステップ、
を有することで関心部の画質を劣化させることなく情報を得ることができる。
【0067】
また、受光要素を行列形式で配列した光電変換装置であって各受光要素に対応して信号電荷蓄積部と該信号電荷蓄積部からの信号取り出し経路中に介在するスイッチ部とを有してなる光電変換装置において、
光電変換装置中の所望の行範囲及び所望の列範囲の受光要素により形成される領域を撮影者の関心領域として決定する関心領域決定手段と、該関心領域決定手段の出力に基づいて前記光電変換装置の駆動信号を生成する駆動手段とを備えており、
該駆動手段は、前記光電変換装置を前記関心領域の周辺部の行から中心部の行に向かって順に前記スイッチ部を駆動して前記信号電荷蓄積部の電荷をリセットし、露光後に前記光検出器アレーを前記関心領域の中心部から周辺に向かって順に前記スイッチ部を駆動して前記信号電荷蓄積部の信号電荷読出しを行うように、前記光検出器アレーの駆動信号を生成するようにした光電変換装置によって関心領域の良好な読取りを行なうことができる。
【0068】
なお、読取指令を検出する読取指令検出手段と、該読取指令検出手段の出力に基づいて前記駆動手段を制御する制御手段とを備え、該制御手段は前記読取指令検出手段の出力に基づき前記リセット、該リセット終了後の露光及び該露光後の前記信号電荷読出しを行うように前記駆動手段を制御するようにしてもよい。
【0069】
また、前述したようにたとえばX線照明手段から照射されたX線を可視光に変換するような波長変換手段を有しており、該変換手段から発せられる可視光を前記光検出器アレーにより検出する様にしてもよい。
【0070】
前記駆動手段は、前記光電変換装置を前記関心領域の周辺部の行から中心部の行に向かって順に前記スイッチ部を駆動して前記信号電荷蓄積部をリフレッシュするように、前記光検出器アレーの駆動信号を生成するようにしても良い。
【0071】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光電変換装置を説明するための概略的回路図であり、図2は、その動作の一例を示すタイミングチャートである。
【0072】
ここで、実施形態1の動作説明を、図1及び図2を用いて行う。
【0073】
はじめにシフトレジスタSR1およびSR2により制御配線g1〜g3、s1〜s3にHiが印加される。すると転送用TFT・T11〜T33とスイッチM1〜M3がonし導通し、全光電変換素子S11〜S33のD電極はGND電位になる(積分検出器Ampの入力端子はGND電位に設計されているため)。
【0074】
同時に、リフレッシュ制御回路RFがHiを出力しスイッチSWgがonし全光電変換素子S11〜S33のG電極はリフレッシュ用電源Vgにより正電位になる。すると全光電変換素子S11〜S33はリフレッシュモードになりリフレッシュされる。
【0075】
つぎにリフレッシュ制御回路RFがLoを出力しスイッチSWsがonし全光電変換素子S11〜S33のG電極は読み取り用電源Vsにより負電位になる。すると全光電変換素子S11〜S33は光電変換モードになり同時にコンデンサC11〜C33は初期化される。この状態でシフトレジスタSR1およびSR2により制御配線g1〜g3、s1〜s3にLoが印加される。すると転送用TFT・T11〜T33のスイッチM1〜M3がoffし、全光電変換素子S11〜S33のD電極はDC的にはオープンになるがコンデンサC11〜C33によって電位は保持される。
【0076】
しかし、この時点ではX線は入射されていないため全光電変換素子S11〜S33には光は入射されず光電流は流れない。この状態でX線がパルス的に出射され人体等を通過し蛍光体CsIに入射すると光に変換され、その光がそれぞれの光電変換素子S11〜S33に入射する。この光は人体等の内部構造の情報が含まれている。この光により流れた光電流は電荷としてそれぞれのコンデンサC11〜C33に蓄積されX線の入射終了後も保持される。
【0077】
ここまでの動作は前述した動作と同じである。しかしながら実施形態1においてはS11〜S33までのすべての光電変換素子の出力信号を必要とせず、部分的な光電変換素子の出力信号のみを必要とする場合、すなわちトリミングを行う時の駆動方法ではこの後の駆動方法が異なるのである。
【0078】
実施形態1においては、一つの例として光電変換素子S21、S22、S23の出力信号のみを読み出す場合を以下に示す。
【0079】
図1に示すように、シフトレジスタSR1及びシフトレジスタSR2を制御する制御回路Aに所望の素子に係わる制御配線、すなわち制御配線g2、及び制御配線s1〜s3を入力することにより、シフトレジスタSR1により制御配線g2にHiの制御パルスが印加され、シフトレジスタSR2の制御配線s1〜s3への制御パルス印加によって転送用TFT・T21〜T23及びスイッチM1〜M3を通してv1〜v3が順次出力される。
【0080】
そしてこの場合、必要でない光電変換素子S11〜S13及びS31〜S33の出力信号を転送するg1、g3へのHiの制御パルスは、g2パルスがHiになった後に、同時に印加する。これにより、制御パルスを順次印加して駆動する方法に対して短時間で不要な信号電荷を転送して初期状態にすることができる。すなわち、不必要とするS11〜S13及びS31〜S33の光電変換素子の両端の電位を同時に短時間で初期値に戻すことによりS11〜S33全ての光電変換素子のセンサ特性を等しくすることが可能となる。その結果非読取り画素の状態に左右されずに常に信頼性の高い光電変換情報を得ることが可能となる。
【0081】
その後、シフトレジスタSR2の制御配線s1〜s3への制御パルスの印加によって、スイッチM1〜M3を通してv4〜v6が順次出力されるがv4〜v6の出力は特に必要とされない。
【0082】
これにより、人体等の内部構造のこの場合に必要とする二次元情報がv1〜v3として得られる。静止画像を得る場合はここまでの動作であるが動画像を得る場合はここまでの動作を繰り返す。
【0083】
このような制御を可能とするため、本実施形態では、図1に示すような、シフトレジスタSR1及びSR2を制御できる制御回路Aを配置してある。この制御回路Aは、具体的には、シフトレジスタSR1を指定された任意のアドレスからスタートさせ、指定された任意のアドレスでストップさせることが可能な信号を出す。また、同様に、制御回路Aは、SR1を駆動したアドレスの数に応じて、SR2のアドレス及び繰り返し数を決定するスタート及びストップ信号を出す。これにより、必要とする光電変換素子の出力信号を得ることが可能となる。このような制御回路は、入力されるセンサのビット番号を認識し、判断することが可能な回路であり、論理回路により構成されるが、最近では、マイコンを用いた回路で構成することができる。
【0084】
本例の光電変換装置では9個の画素を3×3に二次元配置し、その中の3画素のみを1度転送・出力したが、トリミングの方法としては必要となる任意の複数の駆動線をシフトレジスタによって順次駆動することができる。
【0085】
ここでは、基板上に2次元的に配列された複数の光電変換素子をX方向の駆動線を順次スキャンしY方向の信号線に信号電荷を転送し、順次信号を読み出す光電変換装置において、必要となる任意の駆動線のみを順次スキャンし、残りの駆動線は信号電荷を転送する為には駆動しない。このような光電変換装置は、不必要な駆動線を駆動する時間及び不必要な信号出力を読み取る時間を削除できる為、結果的に必要な部分の信号読み出しを高速で行うことが可能となる。
【0086】
この為、特に光電変換装置をX線撮像装置に用いる場合、更に言うならば、X線撮像装置にX線を連続的に照射しながら画像を見るいわゆる動画を撮像する場合は実質的にセンサ感度が上がったことと同じになるので(削減された時間を露光にあてられるため)、照射X線量を減らすことも可能となり医療的にも環境的にも多大な効果をもたらす。
【0087】
又、不必要とする光電変換素子の両端の電位を同時に短時間で初期値に戻すことにより、全ての光電変換素子のセンサ特性を等しくすることが可能となり、その結果信頼性の高い光電変換装置を得ることが可能となる。
【0088】
なお、前記光電変換素子は、基板側から順に、第一の電極層、第一の型のキャリア及び前記第一の型のキャリアとは正負の異なる第二のキャリア双方のキャリアの通過を阻止する第一の絶縁層、非単結晶の光電変換半導体層、第二の電極層、及び前記第二の電極層と前記光電変換半導体層の間にあって前記光電変換半導体層に第一の型のキャリアの注入を阻止する注入阻止層を有するものを使用した。
【0089】
また、リフレッシュモードでは前記第一のキャリアを前記光電変換半導体層から前記第二の電極層に導く方向に前記光電変換素子の各層に電界を印加し、
光電変換モードでは前記光電変換半導体層に入射した光により発生した前記第一の型のキャリアを前記光電変換半導体層内に留まらせ前記第二の型のキャリアを前記第二の電極層に導く方向に前記光電変換素子の各層に電界を印加し、
前記光電変換モードにより前記光電変換半導体層に蓄積される前記第一の型のキャリアもしくは前記第二の電極層に導かれた第二の型のキャリアを光信号として検出するように、スイッチ素子を制御する制御部、電源部および検出部を設けた。
【0090】
同様に、前記スイッチ素子は基板側から順にゲート電極層、第二の絶縁層、非単結晶の半導体層、前記半導体層のチャネル領域となる部分を隔てた一対の第一および第二の主電極層、および前記主電極層と前記半導体層との間にオーミックコンタクト層を有するものを使用した。
【0091】
なお、前記光電変換半導体層および前記半導体層の少なくとも一部は水素化アモルファスシリコンとした。
[第2の実施形態]
本例は、図1に示す光電変換装置の等価回路において、図2のタイミングチャートでトリミングを行う場合の駆動方法と図19に示す全画素で読み取る場合の駆動方法を切り替えて駆動する例である。
【0092】
このような光電変換装置においては、必要に応じ全画素での読み取り又は部分的な読み取りを切り替えて選択でき使い勝手が良い。
【0093】
また、このような制御を可能とするため、本実施形態では、第1の実施形態と同様に、シフトレジスタSR1及びSR2を制御できる制御回路Aを配置する。制御回路Aに、トリミングを行なう場合の、必要とする出力信号の名称の入力、及び全画素を読み取る場合の必要とする全画素出力信号の名称の入力を行なうことにより、必要に応じて部分的な読取り、又は全画素での読取りを切り替えて選択することが可能となる。
【0094】
もちろん、全画素読取りとトリミングを交互に、あるいは必要に応じて切換えて行なうことで、トリミング部の周囲を読取りながら関心領域を高精細な動画情報として得ることができる。
【0095】
このことは、トリミング部の周囲の情報は充分な動画とはならない場合があるが、必要部位である関心領域を容易にかつ確実に行なうことができる。
[第3の実施形態]
本例においては、一つの例として図1に示される光電変換装置の光電変換素子S21、S22、S23の出力信号のみを読み出す場合の別の一例を以下に示す。尚、光電変換されて電荷が蓄積されるまでは実施形態1と同様に駆動される。また、光電変換装置の構成も基本的に同じものを使用し得る。
【0096】
蓄積された電荷はシフトレジスタSR1により制御配線g2にHiの制御パルスが印加され、シフトレジスタSR2の制御配線s1〜s3への制御パルス印加によって転送用TFT・T21〜T23及びスイッチM1〜M3を通してv1〜v3として順次出力される。そしてこの場合、必要でない光電変換素子S11〜S13及びS31〜S33の出力信号を転送するg1、g3へのHiの制御パルスは印加されない。
【0097】
このことを図3のタイミングチャートに示す。図示されるように、制御配線g1〜g3は、X線照射による露光後に全てが駆動されるわけでなく、読取りたい領域に該当する制御配線g2のみが駆動される。他の制御配線g1とg3は駆動されない。
【0098】
図3では制御配線g1とg3も駆動される部分がある。しかしながらこの駆動のタイミングには制御配線g2も駆動されている。つまり、制御配線g1とg3は初期化のために駆動される。これによって、常に安定した特性で関心領域の情報を得ることができる。
【0099】
このような制御を可能とするため、本実施形態では、図1に示すような、シフトレジスタSR1及びSR2を制御できる制御回路Aを配置してある。この制御回路Aは、具体的には、シフトレジスタSR1を指定された任意のアドレスからスタートさせ、指定された任意のアドレスでストップさせることが可能な信号を出す。また、同様に、制御回路Aは、SR1を駆動したアドレスの数に応じて、SR2のアドレス及び繰り返し数を決定するスタート及びストップ信号を出す。これにより、必要とする光電変換素子の出力信号を得ることが可能となる。このような制御回路は、入力されるセンサのビット番号を認識し、判断することが可能な回路であり、論理回路により構成されるが、最近では、マイコンを用いた回路で構成することができる。
【0100】
このように、制御回路AによりシフトレジスタSR1及びSR2を制御し、駆動することにより、人体等の内部構造のこの場合に必要とする二次元情報がv1〜v3として得られる。静止画像を得る場合はここまでの動作であるが動画像を得る場合はここまでの動作を繰り返す。
【0101】
本例では光電変換装置では9個の画素を3×3に二次元配置し、その中の3画素のみを1度転送・出力したが、トリミングの方法としては必要となる任意の複数の駆動線をシフトレジスタによって順次駆動することができる。
【0102】
このように、本例では、基板上に2次元的に配列された複数の光電変換素子をX方向の駆動線を順次スキャンしY方向の信号線に信号電荷を転送し、順次信号を読み出す光電変換装置において、必要となる任意の駆動線のみを順次スキャンし、残りの駆動線は信号電荷を転送する為には駆動しないようにしている。このようにすることで、不必要な駆動線を駆動する時間及び不必要な信号出力を読み取る時間を削除できる為、結果的に必要な部分の信号読み出しを高速で行うことが可能となる。この為、特に光電変換装置をX線撮像装置に用いる場合、更に言うならば、X線撮像装置にX線を連続的に照射しながら画像を見るいわゆる動画を撮像する場合には、単位時間あたりの撮影回数を同じにすれば露光時間を長くすることができるので、実質的に高感度化が果せたのと同じことにより、照射X線量を減らすことが可能となり医療的にも環境的にも多大な効果をもたらす。
[第4の実施形態]
本例では、実施形態3で説明した光電変換装置を用いて、図3のタイミングチャートでトリミングを行う場合の駆動方法と図19に示す全画素で読み取る場合の駆動方法を切り替えて駆動した。
【0103】
本例の場合も実施形態2と同様に、必要に応じ全画素での読み取り又は部分的な読み取りを切り替えて選択でき使い勝手が良いものであった。
【0104】
このような制御を可能とするため、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、シフトレジスタSR1及びシフトレジスタSR2を制御できる制御回路Aを配置する。制御回路Aに、トリミングを行なう場合の必要とする出力信号の名称の入力及び、全画素を読み取る場合の必要とする全画素出力信号の名称の入力を行なうことにより、必要に応じて部分的な読取り又は全画素での読取りを切り替えて選択することが可能と成る。
【0105】
もちろん、本例においても実施形態2と同様な交互読取りによる動画読取動作することで同様な効果を得ることができる。
[第5の実施形態]
図4を用いて、本例の画像信号読出方法である光電変換装置の駆動方法及び該駆動を行ない得る光電変換装置を利用したX線撮像システムの一例を説明する。
【0106】
もちろん、このシステムは前出の実施形態にももちろん適用し得るものである。
【0107】
図4において、101はX線室であり、102はX線制御室であり、103は診断室である。これにより、X線撮像システムが構成される。尚、診断室103を除いてX線撮像システムを構成し、103を該X線撮像システムに接続されたLANとすることもできる。
【0108】
本X線撮像システムの全体的な動作はシステム制御部110によって支配される。システム制御部110の機能は、主に以下に述べるものである。まず、操作者インターフェース111を介して撮影操作者105からの指示を受ける。操作者インターフェース111には、ディスプレイ上のタッチパネル、マウス、キーボード、ジョイスティック、フットスイッチなどがある。指示内容は、撮影条件(静止画、動画、X線管電圧、管電流、X線照射時間など)および撮影タイミング、画像処理条件、被検者ID、取込画像の処理方法などがある。そして、システム制御部110はX線撮影シーケンスを司る撮像制御部112に、撮影操作者105の指示に基づいた撮影条件を指示し、データを取り込む。すなわち、撮像制御部112は、システム制御部110の指示に基づき、X線発生装置120、撮像用寝台(被検査体配置台)130、X線検出器140を駆動して画像データを取り込み、画像処理部150に転送し、その後、操作者指定の画像処理を施してディスプレイドライブ回路151を介してディスプレイ160に表示し、同時に基本画像処理データを外部記憶装置161に保存する。さらに、システム制御部110は、撮影操作者105の指示に基づいて、再画像処理や再生表示、ネットワーク(LAN)上の装置への画像データの転送及び該画像データの保存、ディスプレイ表示、フィルムへの印刷などを行う。
【0109】
次に、信号の流れを追って順次説明を加える。
【0110】
X線発生装置120はX線管球121とX線絞り123とを有する。X線管球121は、撮像制御部112により制御される高圧発生電源124によって駆動され、X線ビーム125を放射する。X線絞り123は、撮像制御部112により駆動され、撮像領域の変更に伴い不必要な領域へのX線照射を行わないようにX線ビーム125を整形する。X線ビーム125はX線透過性の撮影用寝台130の上に横たわった被検体(被検査体)126に向けられる。撮影用寝台130は、撮像制御部112の指示に基づいてX線ビーム125の照射方向と直交する2次元方向に駆動される。X線ビーム125は、被検体126および撮影用寝台130を透過した後にX線検出器140に照射される。
【0111】
X線検出器140は、グリッド141、シンチレータ(蛍光体)142、光電変換素子アレー(光検出アレー)143、X線露光量モニタ144および駆動回路145を有する。グリッド141は、被検体126を透過することによって生じるX線散乱の影響を低減する。グリッド141は、X線低吸収部材とX線高吸収部材とから成り、例えば、AlとPbとのストライプ構造をなしている。そして、光検出器アレー143とグリッド141との格子比の関係によりモワレが生じないように、X線照射時には撮像制御部112の指示に基づいてグリッド141を振動させる。シンチレータ142では、エネルギーの高いX線によって蛍光体の母体物質が励起され(吸収)され、再結合する際の再結合エネルギーにより可視領域の蛍光が得られる。その蛍光は、CaWO4 やCdWO4 などの母体自身によるものや、CsI:TlやZnS:Agなどの母体内に付活された発光中心物質によるものがある。このシンチレータ142に隣接して光検出器アレー143が配置されている。この光検出器アレー143は、光子を電気信号に変換する。X線露光量モニタ144はX線透過量を監視するためのものである。X線露光量モニタ144は、結晶シリコンの受光素子などを用いて直接X線を検出するものでもよいし、シンチレータ142からの光を検出するものでもよい。一例として、光検出器アレー143を透過した可視光(X線量に比例)を光検出器アレー143の基板上に成膜されたアモルファスシリコン受光要素子で検知するものが挙げられる。X線露光量モニタ144での検知信号は撮像制御部112に送られ、これに基づき撮像制御部112は高圧発生電源124を駆動してX線を遮断あるいは調節する。駆動回路145は、撮像制御部112の制御下で、光検出器アレー143を駆動し各検出素子から信号を読出す。光検出器アレー143および駆動回路145については後で詳述する。
【0112】
X線検出部140からの画像信号(画像データ)は、X線室101からX線制御室102内の画像処理部150へ転送される。この転送の際、X線室101内ではX線発生に伴ってノイズが発生しやすく、画像データがノイズのために正確に転送されない場合が有るため、転送路の耐雑音性を高くするのが好ましい。誤り訂正機能を持たせた伝送系を用いたり、その他、例えば差動ドライバによるシールド付き対より線や光ファイバによる転送路を用いたりすることが望ましい。画像処理部150では、画像データの補正、空間フィルタリング、リカーシブ処理などをリアルタイムで行う。その他、階調処理、散乱線補正、DR圧縮処理などを行うことも可能である。処理された画像はディスプレイ160に表示される。またリアルタイム画像処理と同時に、データの補正のみ行われた基本画像は高速記憶装置161に保存される。高速記憶装置161としては、大容量、高速かつ高信頼性を満たすデータ保存装置が望ましく、例えば、RAID等のハードディスクアレー等が望ましい。
【0113】
また、操作者105の指示に基づいて、高速記憶装置161に蓄えられた画像データは外部記憶装置に保存される。その際、画像データは所定の規格(例えば、IS&C)を満たすように再構成された後に、外部記憶装置に保存される。外部記憶装置は、例えば、光磁気ディスク162、LAN上のファイルサーバ170内のハードディスクなどである。本X線撮像システムは、LANボード163を介して、LAN103に接続することも可能であり、HISとのデータの互換性を持つ構造を有している。LANには、複数のX線撮像システムを接続することは勿論のこと、画像を動画・静止画表示するモニタ174、画像データをファイリングするファイルサーバ170、画像をフィルムに出力するイメージプリンタ172、複雑な画像処理や診断支援を行う画像処理用端末173などが接続される。本X線撮像システムは、所定のプロトコル(例えば、DICOM)に従って、画像データを出力する。その他、LANに接続されたモニタを用いて、X線撮影時に医師によるリアルタイム遠隔診断が可能である。
【0114】
図5は光検出器アレー143の一例として4つの検出素子の部分(4画素分)を示す模式的平面図であり、図6はそのA−B断面図である。
【0115】
各検出素子は光電変換素子401とスイッチング素子402とを有する。図5中のハッチング部はシンチレータ141からの蛍光を受光する光電変換素子401の受光面である。光電変換素子401での光電変換により得られた信号電荷はスイッチング素子402を介して処理回路側へ転送される。708はスイッチング素子402を制御するコントロール線であり、709は処理回路へ結線される信号線である。710は光電変換素子にバイアスを与える電源ラインである。また、720は光電変換素子401とスイッチング素子402を接続するためのコンタクトホールである。
【0116】
次に、光電変換素子及びスイッチング素子を含む検出素子の形成方法の一例を説明する。
【0117】
まず、絶縁基板400上にスパッタ法や抵抗加熱法によりクロム(Cr)を蒸着して第1の金属薄膜層721を約500オングストローム厚に形成し、フォトリソグラフィーによりパターニングして必要なエリアをエッチングする。この第1の金属薄膜層721は、光電変換素子401の下部電極及びスイッチング素子402のゲート電極となる。次に、CVD法により、同一真空内でa−SiNx(725)、a−Si:H(726)、n+ 層(727)をそれぞれ2000、5000、500オングストロームづつ順次堆積させる。これらの各層は、それぞれ光電変換素子401の絶縁層/光電変換半導体層/ホール注入阻止層となり、そして、それぞれスイッチング素子(TFT)402のゲート絶縁層/半導体層/オーミックコンタクト層となる。また、第1の金属薄膜層721と第2の金属薄膜層722のクロス部(図5の730)との絶縁層としても利用される。各層の膜厚は、上記厚さに限らず検出素子として使用する電圧、電荷、シンチレータからの入射蛍光量等により最適に設計される。少なくとも、a−SiNx層725は、エレクトロンとホールとが通過できず、また、TFT402のゲート絶縁膜として十分機能できる様に、500オングストローム以上が望ましい。
【0118】
以上の各層を堆積した後、コンタクトホール(図5の720)となるエリアをRIEまたはCDEなどでドライエッチングし、その後、第2の金属薄膜層722としてアルミニウム(Al)をスパッタ法や抵抗加熱法で約10000オングストローム堆積させる。さらに、フォトリソグラフィーによりパターニングし不必要なエリアをエッチングする。この第2の金属薄膜層722は、光電変換素子401の上部電極、スイッチングTFT402のソース・ドレイン電極、その他の配線等となる。また、第2の金属薄膜層722の成膜と同時に、コンタクトホール部で上下の金属薄膜層(第1及び第2の金属薄膜層721,722)が接続される。更に、TFT402のチャンネル部を形成するために、ソース電極・ドレイン電極間の一部をRIE法でエッチングし、その後、不必要なa−SiNx層、a−Si:H層、n+ 層をRIE法でエッチングすることにより、各素子が分離される。これにより、光電変換素子401、スイッチングTFT402、他の配線類(708,709,710)、コンタクトホール部720が形成される。
【0119】
図6の断面図においては、2画素分のみしか図示されていないが、多数の画素分が同時に絶縁基板400上に形成されることは言うまでもない。最後に耐湿性向上の目的として、各素子、配線類をたとえばSiNx(シリコン原子と窒素原子を有する非晶質材料)のパッシベーション膜(保護膜)410で被覆する。
【0120】
以上説明した通り、光電変換素子401、スイッチングTFT402及び配線類が、同時に堆積された共通の第1の金属薄膜層、a−SiNx層、a−Si:H層(シリコン原子を母体とし水素原子を有する非晶質材料の層)、n+ 層(たとえばシリコン原子を母体とし、水素原子と、燐原子またはヒ素原子を有する非晶質材料の層)及び第2の金属薄膜層を適宜エッチングするのみで形成される。また、光電変換素子内には注入阻止層が1ケ所しかなく、かつ、他の層と同一真空槽内で形成される。
【0121】
次に、光電変換素子401単体のデバイス動作について説明する。
【0122】
図7は、光電変換素子401のエネルギバンド図であり、図6の各層の厚さ方向の状態を表している。図7(a)及び図7(b)は、それぞれリフレッシュモードおよび光電変換モードの動作状態を表している。721はCrで形成された下部電極(以下「G電極」と記す)である。725は電子及びホールの通過を阻止するSiNxで形成された絶縁層であり、その厚さはトンネル効果によっても電子及びホールが移動できないほどの厚さである500オングストローム以上に設定される。726は水素化アモルファスシリコンa−Si:Hの真性半導体i層で形成された光電変換半導体層であり、727は光電変換半導体層726へのホールの注入を阻止するa−Siのn層の注入阻止層であり、722はAlで形成された上部電極(以下「D電極」と記す)である。D電極はn層を完全には覆っていないがD電極とn層との間では電子の移動が自由に行われるため、D電極とn層との電位は常に同電位であり、以下の説明ではそれを前提としている。光電変換素子にはD電極及びG電極への電圧の印加の仕方により、リフレッシュモードと光電変換モードという2種類の動作状態がある。
【0123】
リフレッシュモードでは、図7(a)に示されている様に、D電極にG電極に対して負の電位が与えられており、i層726中の黒丸で示されたホールは電界によりD電極に導かれる。同時に白丸で示された電子はi層726に注入される。このとき、一部のホールと電子とはn層727及びi層726において再結合して消滅する。十分に長い時間この状態が続けば、i層726内のホールは該i層726から掃き出される。
【0124】
このリフレッシュモード状態から光電変換モード状態にするには、図7(b)に示されている様に、D電極にG電極に対して正の電位を与える。すると、i層726中の電子は瞬時にD電極に導かれる。しかし、ホールはn層726が注入阻止層として働くため該i層726に導かれることはない。この状態で、i層726に光が入射すると、光は吸収され電子・ホール対が発生する。この電子は電界によりD電極に導かれ、ホールはi層726内を移動しi層726と絶縁層725との界面に達する。しかし、ホールは絶縁層725内へは移動できないため、i層726内の絶縁層725との界面に集中する。このため、素子内の電気的中性を保つ様に、G電極から電流が流れ出る。この電流は、光により発生した電子・ホールに対応しているため、入射した光に比例する。ある期間、図7(b)の光電変換モード状態を保った後、再び図7(a)のリフレッシュモード状態にすると、i層726に溜っていたホールは前述のようにD電極に導かれ、同時にこのホールに対応した電流が流れる。このホールの量は光電変換モード期間に入射した光の総量に対応する。この時、i層726内に注入される電子の量に対応した電流も流れるが、この量はおよそ一定であるため、差し引いて検出すればよい。つまり、光電変換素子は、リアルタイムに入射する光の量を出力すると同時に、ある期間に入射した光の総量を出力することもできる。
【0125】
ところで、何等かの理由により光電変換モードの期間が長くなったり、入射する光の照度が強い場合、光の入射があるにもかかわらず電流が流れないことがある。これは、図7(c)に示されている様に、i層726内にホールが多数留まり、このホールのためi層726内のホールと発生した電子とが再結合してしまうからである。この状態で、光の入射状態が変化すると、電流が不安定に流れることもあるが、再びリフレッシュモードすればi層726内のホールは掃き出され、次の光電変換モードでは再び光に比例した電流が流れる。
【0126】
また、前述の説明において、リフレッシュモードでi層726内のホールを掃き出す場合、全てのホールを掃き出すのが理想であるが、一部のホールを引き出すだけでも効果は有り、前述と等しい電流が得られ、問題はない。つまり、次の光電変換モードでの検出機会において、図7(c)の状態になっていなければよく、その様にリフレッシュモードでのD電極のG電極に対する電位、リフレッシュモードの期間および注入阻止n層727の特性を決めればよい。また、更にリフレッシュモードにおいてi層726への電子の注入は必要条件ではなく、D電極のG電極に対する電位は負に限定されるものではない。ホールが多数i層726に留まっている場合には、たとえD電極のG電極に対する電位が正であっても、i層726内の電界はホールをD電極へと導く方向に加わるからである。注入阻止n層727の特性も同様に電子をi層726に注入できることが必要条件ではない。なお、この光電変換素子の説明は基本的に前出の実施態様に適用される。
【0127】
次に、図8及び図9を用いて、X線撮像装置における1画素分の検出素子の動作について説明する。
【0128】
図8は、1画素分の光電変換素子401およびスイッチングTFT402を含んだ等価回路であり、図9はその動作を表すタイミングチャートである。前述のとおり、本検出素子には2つのモード(リフレッシュモード/光電変換モード)がある。リフレッシュモードとは光電変換素子401を初期化するためのモードであり、光電変換モードとは主に受光した光を電荷として蓄積するモードである。
【0129】
さて、電源投入直後に、光電変換素子401を初期化するためにリフレッシュモードへ移行する。701はバイアス電源であり、モード(リフレッシュモード/光電変換モード)に対応した電圧を印加する。リフレッシュモードでは、このバイアス電源701をリフレッシュモード用のある電圧値Vrに設定した状態で、スイッチングTFT402のゲート730にVghを印加し、TFT402をONする。同時にリセット用スイッチング素子705をONする。これにより光電変換素子401のD電極がVrに、G電極がリセット用電源707のバイアスVBTにセットされる(Vr<VBT)。
【0130】
所定時間経過後、リフレッシュモードから光電変換モードへ移行する。その際には、バイアス用電源701を光電変換モード用の電圧値Vsに設定し、スイッチングTFT402をOFFする。この時、リセット用スイッチング素子705も同時にOFFする。この直後から401内のC1及びC2に電荷蓄積が開始される。
【0131】
リフレッシュモードから光電変換モードへ移行した直後には、光電変換部の暗電流Idが大きい。この暗電流の影響を抑えるため、光電変換モードへ移行後所定時間経過時に光電変換素子401内のG電極を再びVBTにセットする。すなわち、バイアス電源701電圧をVsに維持したまま、リセット用スイッチング素子705をONして、容量素子713をVBT電位とし、その後リセット用スイッチング素子705をOFFする。次に、バイアス電源701電圧をVsに維持したまま、スイッチングTFT402をONすることにより、光電変換素子401内のC1をリセットする。所定時間の後に、スイッチングTFT402をOFFした時から光電変換素子401内C1に信号電荷の蓄積が開始される。
【0132】
この後、X線発生装置120からX線125が照射(曝射)され、被検体126とグリッド141を透過したX線はシンチレータ142により光電変換素子401の感度域(例えば、波長λ=550nm)にエネルギー変換され、さらに光電変換素子401により光電変換される。光電変換素子401を構成するa−SiNx絶縁層725及びa−Si:H光半導体層726は誘電性を有するため、光電変換素子401は容量素子として機能し、信号電荷を光電変換素子401内C1に蓄積する。
【0133】
X線照射後、TFT402をONさせ、光電変換素子401内C1から蓄積電荷信号を容量素子713に転送する。実際には、容量素子713からC1に電子が流入することになる。容量素子713は、特に図5上に素子として形成されているわけではなく、TFT402の上下電極間の容量や信号線709とゲート線708のクロス部730等で必然的に形成されている。もちろん、素子として設計し、別途作り込んでもよい。
【0134】
以上の動作が、電源供給やTFT402の制御を除いて、絶縁基板上に形成されたアモルファスイデバイス(素子)にて行われる。
【0135】
その後、容量性素子713の信号電位信号は前置増幅器721により10〜100倍に増幅され、後段のサンプルホールド部750に、図9に示されるタイミングでホールドされる。増幅器の倍率は測定中は固定で、操作者の撮影目的に応じてシステム制御部110の指示に基づき切り替えられる。この前置増幅器721とサンプルホールド部750の部分は電流電圧変換回路を用いても良い。上述のようにサンプルホールド部750を設け、サンプルホールド部以降に信号を出力しつつ、光電変換素子401では、信号電荷蓄積、容量素子713に電荷転送を同時に行う。このようにパイプライン処理を行うことにより、1素子あたりの駆動速度を向上させている。サンプルホールド部750の出力はアナログマルチプレクサ751を介して増幅器752(752−1、752−2、752−3)に接続されている(アナログマルチプレクサ751の駆動などについては2次元駆動を説明する際に述べる)。増幅器752は3系統(−1、−2、−3)あり増幅率はそれぞれ×1、×2、×4である。この増幅器752−1、752−2、752−3は、それぞれA/D変換器760(760−1、760−2、760−3)に接続されている。A/D変換器760は、アナログマルチプレクサ751の信号が確定されている間にA/D変換を完了させ、A/D変換器760への入力信号のオーバーフロー信号を元に有効なA/D変換出力を−1、−2、−3の中から選択し、A/D変換器760のオーバーフロー信号と併せて、A/D変換出力を後段の画像処理部150に出力する。このA/D変換器の構成によって、3つのA/D変換器は1つの自動レンジ変換機能をもったA/D変換器として機能する。
【0136】
さて、再び光電変換素子401内C1の信号電荷(前回TFTゲート730をOFFしてから蓄積された信号電荷)を読み出すには、ゲート730をOFFした状態でリセット用スイッチング素子705をONして容量性素子713をVBTにリセットする。この状態にした後、リセット用スイッチング素子705をOFFし、さらにTFT402のゲート730をONする。これにより、前回TFT402がOFFされてから、今回ONされるまでの間に照射されたX線量に応じた信号電荷が容量素子713に出力される。以後は、前述の容量性素子713からの信号の読みだし操作を繰り返すことにより、続けて信号を読出すことができる。
【0137】
信号読出しを続けると光電変換素子401内C2が飽和状態になるので、所定間隔で光電変換モードからリフレッシュモードへ移行し、光電変換素子401内C2の蓄積電荷(正孔)を掃き出してリフレッシュする必要がある。以上の動作を繰り返すことによって、信号の読出しを行う。
【0138】
さらに、より高S/Nで電荷信号を取り込むために、暗電流によるオフセット誤差の補正を行っても良い。この光電変換素子401の暗電流は時間の関数として指数的に減少することが分かっており、これにより、前述の信号読出しを行った直後にもう一度、所定時間後にX線照射を行わないで信号の読出し操作を行う。これによって得られた信号は暗電流によるオフセットに対応しており、この値と電荷蓄積時間、リフレッシュ動作からの経過時間とから、直前に読出したX線照射量信号を含む読出し値の暗電流オフセット補正を行うことが可能である。1回の静止画を撮像する場合は、画像データを画像処理部150内のRAMなどに取り込んだ後にソフト処理によりデータ補正をすることが可能である。動画の場合は、例えば、所定の蓄積時間毎にX線照射信号を含む読出しと暗電流値の読出しとを繰り返し、それぞれをRAMに記憶させたのち、ハード的にディジタル減算を行ってオフセット補正を行う等の方法がある。
【0139】
次に、図8で示された検出素子を具体的に2次元に拡張して構成した場合における光電変換動作について述べる。図10は光電変換素子を2次元に配列した光検出器を表した等価回路図であり、図11はその動作を示すタイミングチャードである。
【0140】
光検出器アレー143は、2000×2000〜5000×5000程度の検出素子(画素)含んで構成され、アレー面積は200mm×200mm〜500mm×500mm程度である。図10において、光検出器アレー143は4096×4096の画素から構成され、アレー面積は430mm×430mmである。よって、1画素のサイズは105μmである。1ブロック内の4096画素を横方向にライン状に配置し、4096ラインを順に縦に配置することにより、各画素を2次元的に配置している。
【0141】
上記の例では4096×4096画素の光検出器アレーを1枚の基板上に形成しているが、4096×4096画素の光検出器アレーを2048×2048個の画素を持つ4枚の光検出器アレーで構成することもできる。この様に分割して製作することにより、歩留まりが向上するなどの利点がある。
【0142】
前述の通り、1画素は1個の光電変換素子401とスイッチングTFT402とで構成される。401−(1,1)〜401−(4096,4096)は前述の光電変換素子401に対応するものであり、下部電極をG、上部電極をDで示している。402−(1,1)〜402−(4096,4096)はスイッチングTFT402に対応するものである。2次元光検出器アレーの各列の光電変換素子401−(m,n)のG電極は、対応するスイッチングTFT402−(m,n)のソース・ドレイン導電路により、その列に対する共通の列信号線(Lc1〜4096)に接続されている。例えば、列1の光電変換素子401−(1,1)〜(1,4096)は第1の列信号配線Lc1に接続されている。
【0143】
各行の光電変換素子401のD電極は共通にバイアス配線Lbを通して前述のモードを操作するバイアス電源701に接続されている。各行のTFT402のゲート電極は行選択配線(Lr1〜4096)に接続されている。例えば、行1のTFT402−(1,1)〜(4096,1)は行選択配線Lr1に接続される。行選択配線Lrはラインセレクタ部810を通して撮像制御部112に接続されている。ラインセレクタ部810は例えばアドレスデコーダ811と4096個のスイッチ素子812とから構成される。この構成により任意のラインLrnを読出すことが可能である。ラインセレクタ部810は、最も簡単には単にシフトレジスタによって構成することも可能である。
【0144】
列信号配線Lcは撮像制御部112により制御される信号読出し部820に接続されている。信号読出し部820の例は、1画素単位について上記図8に関し既に述べたものと同様である。
【0145】
撮像装置では、4096×4096個の画素を4096個のライン(Lrに対応:図10中の横方向の行)に分け、1行分の4096画素の出力を同時に転送し、列信号配線Lcを通し、前置増幅器721−1〜4096、サンプルホールド部750−1〜4096を通して、アナログマルチプレクサ751によって順次A/D変換器760へと出力される。図10では、あたかもA/D変換器760が1つで構成されているように表されているが、4〜32の系統で同時にA/D変換を行うこともできる。これによれば、アナログ信号帯域やA/D変換レートを不必要に大きくすることなく、画像信号の読取り時間を短くすることができる。蓄積時間とA/D変換時間とは密接な関係にあり、電荷転送中にX線を照射すると正常な画像が得られないので、蓄積時間よりも全ての画素のA/D変換に要する時間は必ず長くなる。蓄積時間が長くなると、暗電流による蓄積電荷のノイズ等が増加する。しかし、高速にA/D変換を行うとアナログ回路の帯域が広くなり所望のS/Nを達成することが難しくなる。従って、A/D変換速度を不必要に速くすることなく、画像信号の読取り時間を短くすることが要求される。そのためには、多くのA/D変換器760を用いてA/D変換を行えばよいが、A/D変換器760の数が多くなりすぎるとコスト高となる。よって、上述の点を考慮して適当な値を選択するのが好ましい。
【0146】
X線の照射時間はおよそ10〜500msecであるので、1画面の取込み時間あるいは電荷蓄積時間を100msecのオーダーあるいはやや短めにすることが好ましい。例えば、100msecで画像を取込むために、アナログ信号帯域を50MHz程度にし、例えば10MHzのサンプリングレートでA/D変換を行うと、最低でも4系統のA/D変換器760が必要になる。本撮像装置では16系統で同時にA/D変換を行う様にするのが好ましい。
【0147】
図11において、電源投入直後、あるいは光電変換素子401内C2の蓄積電荷が飽和する前に、光電変換素子401を初期化するためにリフレッシュモードへ移行する。光電変換素子1画素の動作について述べたと同様に、撮像制御部112はバイアス配線Lbをリフレッシュモード時のバイアス値Vrにし、まず、第1行の転送用スイッチングTFT402−(1,1)〜−(4096,1)及びリセット用スイッチング素子705をONすることにより、第1行の光電変換素子401−(1,1)〜−(4096,1)のG電極はVBTに、D電極はVrにリフレッシュされる。その後、撮像制御部112はバイアス配線Lbを光電変換時のバイアス値Vsにし、第1列〜第4096列の列信号配線Lc1〜4096をリセット用電源707から開放にし、転送用スイッチングTFT402−(1,1)〜−(4096,1)をOFFする。次に、同様に第2行以下の光電変換素子401をリフレッシュする。第4096行までの全ての光電変換素子401−(1,4096)〜−(4096,4096)をリフレッシュし終えた時点で、光検出器の2次元に拡張した場合のリフレッシュモードを終了し、光電変換モードへと移行する。なお、前述の例では、光電変換素子401を第1行から第4096行へリフレッシュしたが、撮像制御部112の指示により任意の順番でリフレッシュを行うことが可能である。また、全てのTFT402を同時にONして、全ての光電変換素子401(1,1)〜−(4096,4096)をリフレッシュすることも可能である。
【0148】
さて、リフレッシュ動作直後には、光検出素子402内ノイズ電荷が大きいので、これを基準電位にリセットする。光電変換素子1画素の動作について述べたと同様に、バイアス配線を光電変換モードのバイアス値Vsのままにし、転送用スイッチングTFT402−(1,1)〜−(1,4096)をONし、第1列の光電変換素子のG電極をVBTにリセットし、TFT402−(1,1)〜−(1,4096)をOFFする。次に、第2列以下、この動作を順次繰り返し、全ての画素のリセットを行う。以上の動作はアモルファス素子800にとっては信号電荷の読出し操作と同じであり、信号電荷を取込んでA/D変換を行うのか或いはこれらを行わないのかの差しかない。この各TFT402を選択するがA/D変換を行わないリセット操作を以後「空読み」と呼ぶ。この空読み動作中で、全てのTFT402−(1,1)〜−(4096,4096)を同時にONにすることは可能であるが、この場合には読出し準備完了的に信号配線電位がリセット電圧VBTから大きくずれることとなり、高S/Nの信号を得ることが難しい。また、前述の例では、行選択配線Lrを1から4096へリセットしたが、撮像制御部112の指示により任意の順番でリセットを行うことが可能である。また、それぞれの光電変換素子401ではTFT402をOFFした時刻から電荷蓄積が開始されるので、光電変換素子402毎に電荷蓄積開始時刻が異なる。
【0149】
図11において730′に示したパルス列は1つのパルスが1列のTFTをONにしていることを模擬的に表している。この1つの列パルスに対応するアナログマルチプレクサ751の出力(図10のB点)を模擬的に図11中でBに表している。Bに示されている通り、1つの列パルスに対してアナログ出力が4096のパルス列として出力される。実際には、1つの列出力あたり16系統による読出しであるので、16パルス信号が同時に出力され、256のパルス列をA/D変換することになる。
【0150】
さて、全光電変換素子401の空読み終了後、撮影者105からの撮影開始の指示があるまで所定時間間隔でこの空読み動作を繰返し、さらに長い所定時間間隔でリフレッシュ動作を繰返す。撮影者105からの撮影開始の指示を受けると、撮影制御部112は空読み動作の終了を待ってX線を被検体126に曝射する。被検体126を透過したX線ビーム125は、シンチレータ142により可視光に変換され、光電変換素子401に吸収されると同時に、光検出器アレー143を透過した可視光は光量モニタ144によって検出される。その検出された信号を元に撮影制御部112は適正X線曝射量に達する時点でX線曝射を終了する。
【0151】
X線曝射終了後、光電変換素子401内の信号電荷を読出す。まず、空読みと同様に光電変換素子アレーのある行のTFT402(例えばTFT402−(1,1)〜−(4096,1))をONし、蓄積電荷信号を信号配線Lc1〜4096に出力する。列信号配線Lc1〜4096から1列づつ4096画素分の信号を同時に読み出す。信号配線Lcのリセット動作を行った後、次に、異なる行のTFT402(例えばTFT402−(1,2)〜−(4096,2))をONし、蓄積電荷信号を信号配線Lc1〜4096に出力する。列信号配線Lc1〜4096から1行の4096画素分の信号を同時に読み出す。この動作を全ての行について順次繰り返すことにより、すべての画像情報を読出す。
【0152】
さて、X線曝射による信号電荷を読出した後に、その際の信号電荷に含まれる暗電流などの影響を補正するために、X線曝射を行わずに信号電荷を読込む。この値を利用して、X線曝射時の画像信号を補正することが可能である。これは次の様にして行うことができる。
【0153】
すなわち、上記動作中、各センサの電荷蓄積時間はリセット動作が完了した時、即ち空読み時のTFT402をOFFしてから、次に電荷読み出しが行われるためにTFT402がONするまでの間である。よって、各行選択配線Lr毎に蓄積時間・時刻が異なる。通常の動作時は、蓄積時間が異なると補正が複雑になるため、X線曝射画像取込みと補正用画像取り込みとの蓄積時間が等しくなるように撮像制御部112は光検出器アレー143を駆動する。例えば、行1の蓄積時間はT1であり、行4096の蓄積時間はT2である。蓄積の時刻は異なるが、T1とT2とは同一となるように駆動される。
【0154】
勿論、高分解能の画像情報が必要でない場合や、画像データ取込み速度を速くしたい場合には、すべての画像情報を常に取込む必要はなく、操作者の撮影方法の選択により、撮像制御部112は、間引き、画素平均、領域抽出を行う。
【0155】
間引きを行うには、まず、行選択配線Lr1を選択し、列信号配線Lcから信号を出力する際に、例えばLc(2n−1)(n:自然数)をn=1から1ずつ増加させるように1列おきに選択して1行の画像信号を画像処理部150に転送する。次に、行を選択する際、行選択配線Lr(2m+1)(m:自然数)のmを1から1つづつ増加させて、1行おきに行の信号を読出す。この例では画素数を1/4に間引いたことになるが、撮像制御部112の指示に従い、1/9、1/16などに画素数を間引くことができる。
【0156】
また、画素平均を行う場合には、上述の動作中、行選択配線Lr(2m−1)とLr(2m)とに同時にVghを印加することにより、TFT402−(2n,2m−1)とTFT402−(2n,2m)とが同時にターンオンし、列方向の2画素のアナログ加算を行うことが可能である。この画素加算は2画素に限られることはなく、列信号配線Lr方向の3以上の画素のアナログ加算を容易に行うことができる。更に、行方向の加算は、A/D変換出力後に隣り合う列(Lc(2n)とLc(2n+1))の信号をディジタル加算することにより実現できる。これにより、上述のアナログ加算と合わせて、2×2の正方形画素の加算値を得ることができる。これにより、照射されたX線を無駄にすることなく、高速にデータを読出すことが可能である。当然、2×2以外のマトリックスで加算平均することも可能であり、撮像制御部112の指示に基づき、3×3、4×4などのマトリックスで画像を高速に取込む様にすることもできる。
【0157】
領域抽出は、読出しを行う総画素数を減らして高速化を目指す方法であり、画像の取込領域を制限することにより実現される。これは、撮影者105が必要な領域を操作者インターフェース111から入力し、それに基づいて撮像制御部112は、データ取込範囲を変更して二次元検出器アレー143を駆動する。
【0158】
上述の駆動の例として、高速取込モードでは1024×1024の画素を30F/Sで取り込む。この場合、2次元検出器アレー143の全領域に亘って撮像する場合では4×4画素の加算処理を行うことにより画素数を1/16に間引き、最も小さい範囲で撮像する場合では1024×1024の領域で間引きなしで撮像する。このように撮像することで、ディジタルズーム画像が得られる。
【0159】
次に関心領域について説明する。まず、図12を用いて本X線撮像装置の撮像領域の設定法について述べる。
【0160】
図12中、901は動画表示用ディスプレイ、902はそのディスプレイドライブ回路、同様に905は静止画表示用ディスプレイ、906はそのディスプレイドライブ回路である。
【0161】
撮像領域やX線照射を撮像者が指示するためのインターフェース111として、撮像位置操作レバー911、撮像サイズ選択スイッチ912、撮像ズーム・ワイドレバー913、手動X線絞りレバー914、透視開始スイッチ915、透視像拡大スイッチ916、高精細画像撮影スイッチ917などがある。
【0162】
撮像位置操作レバー911は撮像領域の中心位置を操作するためのものである。システム制御部110は、このレバー911の指示が光検出器アレー143の範囲内であれば、撮像寝台130を移動させずにX線絞り123のみを移動してX線照射位置を変化させる。指示が光検出器アレー143外かつ撮影寝台130を動かして対応できる場合には、撮影寝台130を移動させる。この際、X線絞り123も同時に移動させて、検出器アレー143の中心とX線照射の中心とを合わせる。
【0163】
撮像サイズ選択スイッチ912は撮像領域の大きさを選択するためのものであり、たとえば以下の
Figure 0003897389
の3つの撮像可能サイズのうちから選択可能である。このうちの1つを撮像者105が選択すると、システム制御部110の指示に基づいて、まず、撮像寝台130を移動させて、検出器アレー143の中心とX線照射の中心とを合わせる。その後に、X線絞り123を作動させてX線の照射領域を設定通りの撮影サイズになるように調節する。同時に、システム制御部110は光検出器アレー143の駆動回路145が設定領域の画像を取込むように指示を出す。
【0164】
撮像ズーム・ワイドレバー913は、撮影者105の操作に従い、撮像領域をほぼ任意に変更可能である。先に説明した撮像サイズ選択スイッチ912による設定は一時的なものであり、この撮像ズーム・ワイドレバー913の設定により画像取込領域を任意に設定する。画像取込領域の変更の際、撮像サイズ選択スイッチ912で設定可能な領域を跨いで領域が変化する場合には、その跨ぐ部分で光検出器アレー143上の透視撮影時の空間分解能が自動的に変化する。すなわち、以下に示すように分解能を自動的に変化させる:
Figure 0003897389
これは、駆動回路145の駆動方法を変化させることにより、分解能1/4の際には4×4の画素を、分解能1/3の際には3×3の画素を、分解能1/2の際には2×2の画素を、それぞれ加算平均することによって行われる。当然、多くの画素を加算平均することにより、分解能が低下する代わりに、表示1画素あたりの感度は向上する。
【0165】
手動X線絞りレバー914は、撮像サイズ選択スイッチ912または撮像ズーム・ワイドレバー913によって設定された領域外の不要な部分へのX線照射を抑えるため、あるいは、フレアなどの強い光が光検出器アレーに入らないようにするために、撮影者105が操作する。この手動X線絞りレバー914により、撮影者105はX線絞り123を直接操作することが可能である。ただし、撮像サイズ選択スイッチ912または撮像ズーム・ワイドレバー913で設定された領域よりも広い範囲を照射することにはならないようにシステム制御部110によってX線絞り123の調節範囲は制限されている。
【0166】
透視開始スイッチ915は、透視X線照射を撮影者105が指示するためのものであり、フットスイッチを用いることができる。透視開始スイッチ915により透視撮影の開始が指示されると、撮像制御部112はX線露光量モニタ144からの出力を元に自動的にX線発生条件を調整し、透視撮影を行う。
【0167】
透視像拡大スイッチ916は、透視観察中に、撮像エリアの中心部の解像度を高めて観察したい時に選択することにより、中心部の分解能を向上させた拡大像を表示するためのものである。透視時には高速に撮像するために空間分解能を落としているが、この透視像拡大スイッチ916の選択時には、システム制御部110の指示に基づき、空間分解能を最良の状態にしつつ撮像エリアを小さくして、あたかも拡大された像を動画用ディスプレイ901に表示すると同時に、X線絞り123も撮像エリアに合わせた大きさに設定される。この選択が解除されると、撮像領域およびX線絞り123は元の設定に戻り、そのまま透視を続ける。
【0168】
高精細画像撮影スイッチSW917は、透視撮影中に所望のタイミングで高精細画像を取込む際に選択する。このスイッチは、通常、撮像位置操作レバー911上に配置されている。高精細画像撮影スイッチ917により静止画の取込が指示されると、予め設定しておいた静止画撮影用のX線発生条件でX線が被検体126めがけて照射され、高精細な静止画像が取込まれ、画像処理部150で処理がなされた後に静止画用ディスプレイ905に表示される。静止画の取込動作中の間、動画表示用ディスプレイ901には、高精細画像撮影スイッチ917が押される直前の透視画像がフリーズされている。
【0169】
以上のような構成を用いて画像取込領域が決定される訳であるが、所望の行範囲及び所望の列範囲を関心領域の最も簡単な設定は、画像取込領域と関心領域とを同一と定義づけることである。この場合は、撮像サイズ選択スイッチ912または撮像ズーム・ワイドレバー913により関心領域が決定される。撮像領域は、システム制御部110が把握している光検出器アレー143の中心座標および撮像領域の座標を基準に画像の取込を行う。また、X線照射領域を関心領域と定義づけることも可能である。この場合は、X線絞り123の位置をシステム制御部110が把握しているので、X線照射領域の中心座標および照射領域は簡単な計算により求められる。システム制御部110は、駆動回路145に指示して、その座標を基準として画像取込みを行う。画像の取込手順の具体例は後述する。その他、動画表示用ディスプレイ901上でマウス等のポインタを用いて、撮影者105が直接関心領域の中心を指示するような構成にしてもよいし、撮影者105によってマーキングされた領域の特徴を抽出してマーキングされた部位が常に透視画像の中心に来るように自動的にX線絞り123や撮影寝台130を制御して、関心領域の中心を常に撮像領域の中心として駆動回路145を駆動することも可能である。
【0170】
図13を用いて、実際の画像取込手順の一例について説明する。
【0171】
光検出器アレー143において、TFT402の行選択配線Lr方向をX軸、列信号配線Lc方向をY軸として画素の座標を(x,y)で表す。図13では、光検出器アレー143の上部にA/D変換器760などの信号読み出し部820、右にラインセレクタ部810が配置されており、X線は紙面の表面から裏面方向に照射されているものとする。この時に、図に示すよう右上を(1、1)とし、左下を(4096、4096)とする。
【0172】
撮像位置操作レバー911により撮像可能領域200の中心が(1750、2250)に設定され、撮像ズーム・ワイドレバー913により撮像可能領域200が(500、1000)〜(3000、3500)に設定されている。さらに、手動X線絞りレバー914によりX線照射領域210が(500、2000)〜(3000、3500)に設定されている。今、撮影者105の関心領域はX線照射領域210に一致していると定義付けする。この時、関心領域210の中心は(1750、2750)、そして、関心領域は4096×4096の領域の3/4×3/4以下で1/2×1/2以上なので、前述の通り透視撮影時には3×3の画素を加算平均する。よって、図13の透視撮影時の読出し行の読込み手順は以下に示すようになる。併せて、選択領域のY軸が(m+1)行〜(m+n)行に亘る場合[但し、nは6の倍数]の透視画像取込みの駆動例も併記する:
<読出し順序>
読出し順序Aと選択される行(2001〜3500行の場合)B及び選択される行[(m+1)〜(m+n)行の場合]Cとの関係は次のとおり
Figure 0003897389
【0173】
さて、透視撮影中に高精細画像撮影スイッチ917により高精細画像の取込みが指示されると、透視画像取込みを中断するとともに、動画表示用ディスプレイ901の画像をフリーズする。そして、X線照射領域210の高精細画像取込みの駆動ルーチンに移る。まず、光検出器アレー143をリフレッシュモードに移行してリフレッシュを行う。次に、X線照射領域210の周辺部から中心部に向かう駆動方向で光検出器アレー143を初期化する。これは、前出の空読み動作である。その駆動例を、以下に示す:
Figure 0003897389
空読み動作を複数回(2〜3回)行った後に、静止画取込み用の設定でX線を曝射する。X線曝射終了後、X線照射領域210の中心部から周辺部へと向かう駆動方向の駆動順序で画像信号を読出す。その具体例を、以下に示す:
Figure 0003897389
この読込み動作完了後、直ちに透視画撮影モードに移行する。
【0174】
上述のように読出しの駆動を行うことにより、高精細画像の関心領域の中心部の信号電荷蓄積時間を最小にすることができ、暗電流によるノイズの影響を抑えることができる。
【0175】
もちろん、本例の関心領域外については実施態様例1及び3で説明したように、同時に一括読出ししてもよいし、読出しを行なわないで初期化してもよい。
【0176】
また、一括読出しは非読取り領域を全て同時に行なう以外にいくつかに分割して読み出してもよく、あるいは、読み取り領域を読出した後、読み取られた領域を含めてあらためて全画素を一括して読み出すようにしても良い。
【0177】
【発明の効果】
上記説明したように、本発明によれば、複数の光電変換素子を2次元に配列した光電変換装置においても信号読み取りを高速に行なうことが可能になる。
【0178】
また、本発明によれば、不必要な駆動線を順次駆動する時間及び不必要な信号を出力を読み取る時間を削除でき、結果的に必要な部分の信号読み出しを高速で行うことが可能となる。
【0179】
また、本発明によれば不必要とする光電変換素子の両端の電位を同時に短時間で初期値に戻すことにより、全ての光電変換素子のセンサ特性を等しくすることが可能となり、より信頼性の高い光電変換情報を得ることが可能となる。
【0180】
又、発明によれば、トリミングを行う場合の駆動方法と全画素で読み取る場合の駆動方法を切り替えて駆動することにより、必要に応じ全画素での読み取り又は部分的な読み取りが選択でき、使い勝手が良い装置を提供できる。
【0181】
加えて、本発明によれば、光検出器アレーを用いた画像読取装置の駆動(画像データ読出)において、まず、関心領域を設定し、そして、その関心領域に対して光検出器アレーの駆動を適切に選択することができる。
【0182】
また、本発明によれば、特に、高精細画像データの読出において、関心領域の周辺部から中心部に向かって順次光電変換素子をリセットし、中心部から周辺部に向かって画像情報を取出す様にしたことにより、中心部の信号電荷蓄積時間を周辺部の信号電荷蓄積時間より短くすることができる。また、これにより、蓄積時間とともに増加するノイズの影響を抑え、関心領域の中心部のS/Nの向上を図ることができる。
【0183】
更に本発明によれば特に光電変換装置をX線撮像装置に用いる場合、更に言うならば、X線撮像装置にX線を連続的に照射しながら画像を見るいわゆる動画を撮像する場合に、照射X線量を減らすことが可能となる。従ってX線などの放射線が照射される被検体や装置の操作者及び環境に対して影響を少なくすることができる。
【0184】
以上の実施形態はX線撮像に関するものであるが、本発明はこれに限定されるものではなく、XYアドレス駆動方式の光検出器アレーを用いたものであれば、同様に適用することができる。特に、本発明は受光部に対応する光電変換素子が信号電荷蓄積部と信号取り出し経路中のスイッチ部とを有するものであって、電荷蓄積時間と共にS/N低下などの光電変換特性劣化を生ずることがある光検出器アレーを用いたものに適用した場合に、その光電変換特性の向上に大きな効果を発揮する。
【0185】
また、本発明は、上述した実施形態及び説明に限定されるわけではなく、本発明の主旨の範囲内において適宜変形及び組合せが可能であるのはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】光電変換装置の一例を説明するための概略的等価回路図である。
【図2】図1に示される光電変換装置の駆動の一例を説明するためのタイミング図である。
【図3】図1に示される光電変換装置の駆動の一例を説明するためのタイミング図である。
【図4】2次元の光電変換装置を有するX線撮像システムの一例を説明するための概略的システム構成図である。
【図5】光電変換素子の画素構造の一例を説明するための模式的平面図である。
【図6】光電変換素子の画素構造の一例を説明するための模式的断面図である。
【図7】(a)乃至(c)は光電変換素子の動作の一例を説明するため模式的エネルギーバンド図である。
【図8】1つの光電変換素子の駆動の一例を説明するための概略的等価回路図である。
【図9】光電変換装置の駆動の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【図10】光電変換素子の一例を説明するための概略的等価回路図である。
【図11】光電変換装置の駆動の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【図12】関心領域を選択する一例を説明するための概略的システム構成図である。
【図13】関心領域を説明するための概念図である。
【図14】(a)及び(b)は夫々光電変換素子の一例を説明するための模式的断面図、(c)は(a)又は(b)の光電変換素子の概略的駆動回路を説明するための等価回路図である。
【図15】TFT(薄膜トランジスタ)の一例を説明するための模式的断面図である。
【図16】TFTのゲート絶縁膜の厚さと歩留りとの関係の一例を説明するためのグラフである。
【図17】2次元に配された光電変換素子を有する光電変換装置の概略的等価回路図である。
【図18】(a)は光電変換装置の一画素の一例を説明するための模式的平面図、(b)は(a)に示される画素を切断した場合の模式的切断面である。
【図19】図17に示される光電変換装置の駆動の一例を説明するためのタイミングチャートである。
【図20】夫々読取り領域と、駆動ICの配置の一例を説明するための模式的平面図である。
【図21】夫々読取り領域と、駆動ICの配置の一例を説明するための模式的平面図である。
【符号の説明】
S11〜S33 光電変換素子
T11〜T33 転送用TFT
C11〜C33 コンデンサ
M1〜M3 スイッチ
RF リフレッシュ制御回路
SR1,SR2 シフトレジスタ
SWg スイッチ
SWs スイッチ
Vg リフレッシュ用電源
Vs 読み取り用電源
g1〜g3 制御配線
s1〜s3 制御配線

Claims (18)

  1. 基板上に光電変換素子を含む画素が2次元に複数配置され、X方向の複数の前記画素を駆動するための駆動線が前記X方向と異なるY方向に複数配置され、前記Y方向の複数の前記画素からの信号を読み出すための信号線が前記X方向に複数配置され、前記駆動線に印加される制御信号により選択された前記X方向の複数の画素からの電荷を、前記X方向に配置された複数の信号線に転送する光電変換装置の駆動方法において、
    複数の前記駆動線のうち任意の駆動線のみに順次前記制御信号を印加し、残りの駆動線の全てに、前記任意の駆動線とは異なるタイミングで一括して前記制御信号を印加する光電変換装置の駆動方法。
  2. 基板上に光電変換素子を含む画素が2次元に複数配置され、X方向の複数の前記画素を駆動するための駆動線が前記X方向と異なるY方向に複数配置され、前記Y方向の複数の前記画素からの信号を読み出すための信号線が前記X方向に複数配置され、前記駆動線に印加される制御信号により選択された前記X方向の複数の画素からの電荷を、前記X方向に配置された複数の信号線に転送する光電変換装置の駆動方法において、
    複数の前記駆動線のうち任意の駆動線のみに順次前記制御信号を印加し、残りの複数の駆動線は、前記任意の駆動線とは異なるタイミングで二以上の駆動線に同時に前記制御信号を印加する光電変換装置の駆動方法。
  3. 請求項1又は2に記載の光電変換装置の駆動方法において、前記残りの駆動線の全て又は二以上の駆動線の前記光電変換素子の両端の電位を同時に初期値に戻す光電変換装置の駆動方法。
  4. 請求項1又は2に記載の光電変換装置の駆動方法において、前記任意の駆動線及び前記残りの駆動線に前記制御信号が印加され、全画素から前記Y方向の複数の信号線に信号電荷が転送された後、全画素に対応して初期化するために、前記複数の駆動線すべてに前記制御信号を印加する光電変換装置の駆動方法。
  5. 請求項1又は2に記載の光電変換装置の駆動方法において、前記任意の駆動線に順次前記制御信号を印加し前記複数の信号線に信号電荷を転送するモードと、前記複数の駆動線に順次前記制御信号を印加し前記複数の信号線に信号電荷を転送するモードを有する光電変換装置の駆動方法。
  6. 請求項記載の光電変換装置の駆動方法において、前記2つのモードは交互に行なわれる光電変換装置の駆動方法。
  7. 請求項1又は2に記載の光電変換装置の駆動方法において、前記任意の駆動線は複数選択され選択された複数本の駆動線は内側に配置された駆動線から外側に配置された駆動線へと順に前記制御信号が印加される光電変換装置の駆動方法。
  8. 請求項1又は2に記載の光電変換装置の駆動方法において、前記任意の駆動線は複数選択され、初期化のために、選択された複数本の駆動線は外側に配置された駆動線から内側に配置された駆動線へと順に前記制御信号が印加される光電変換装置の駆動方法。
  9. 請求項7記載の光電変換装置の駆動方法において、前記選択された複数本の駆動線において内側に配置された駆動線から外側に配置された駆動線へと順に前記制御信号が印加される前に、初期化のために、前記選択された複数本の駆動線は外側に配置された駆動線から内側に配置された駆動線へと順に前記制御信号が印加される光電変換装置の駆動方法。
  10. 基板上に光電変換素子を含む画素が2次元に複数配置され、X方向の複数の前記画素を駆動するための駆動線が前記X方向と異なるY方向に複数配置され、前記Y方向の複数の前記画素からの信号を読み出すための信号線が前記X方向に複数配置され、前記駆動線に印加される制御信号により選択された前記X方向の複数の画素からの電荷を、前記X方向に配置された複数の信号線に転送する光電変換装置において、
    複数の前記駆動線に制御信号を印加する印加手段と、複数の前記駆動線のうち任意の駆 動線のみに順次前記制御信号を印加し、残りの駆動線の全てに、前記任意の駆動線とは異なるタイミングで一括して前記制御信号を印加するように、前記印加手段を制御する制御手段とを有する光電変換装置。
  11. 基板上に光電変換素子を含む画素が2次元に複数配置され、X方向の複数の前記画素を駆動するための駆動線が前記X方向と異なるY方向に複数配置され、前記Y方向の複数の前記画素からの信号を読み出すための信号線が前記X方向に複数配置され、前記駆動線に印加される制御信号により選択された前記X方向の複数の画素からの電荷を、前記X方向に配置された複数の信号線に転送する光電変換装置において、
    複数の前記駆動線に制御信号を印加する印加手段と、複数の前記駆動線のうち任意の駆動線のみに順次前記制御信号を印加し、残りの複数の駆動線は前記任意の駆動線とは異なるタイミングで前記残りの複数の駆動線のうちの二以上の駆動線に同時に前記制御信号を印加するように、前記印加手段を制御する制御手段とを有する光電変換装置。
  12. 請求項10又は11に記載の光電変換装置において、前記光電変換素子は、
    第一の電極層、
    第一導電型のキャリア及び前記第一導電型のキャリアとは正負の異なる第二導電型のキャリア双方のキャリアの通過を阻止する第一の絶縁層、
    非単結晶の光電変換半導体層、
    第二の電極層、
    及び前記第二の電極層と前記光電変換半導体層の間にあって前記光電変換半導体層に第一導電型のキャリアの注入を阻止する注入阻止層、を順に有する光電変換装置。
  13. 請求項10又は11に記載の光電変換装置において、前記光電変換素子において、
    リフレッシュモードでは前記第一導電型のキャリアを前記光電変換半導体層から前記第二の電極層に導く方向に前記光電変換素子の各層に電界を印加し、
    光電変換モードでは前記光電変換半導体層に入射した光により発生した前記第一導電型のキャリアを前記光電変換半導体層内に留まらせ前記第二導電型のキャリアを前記第二の電極層に導く方向に前記光電変換素子の各層に電界を印加し、
    前記光電変換モードにより前記光電変換半導体層に蓄積される前記第一導電型のキャリアもしくは前記第二の電極層に導かれた第二導電型のキャリアを光信号として検出するように、スイッチ素子を制御する制御部、電源部および検出部を有する光電変換装置。
  14. 請求項13記載の光電変換装置において、前記スイッチ素子は、ゲート電極層、第二の絶縁層、非単結晶の半導体層、前記半導体層のチャネル領域となる部分を隔てた一対の第一および第二の主電極層、および前記主電極層と前記半導体層との間にオーミックコンタクト層を有する光電変換装置。
  15. 請求項14記載の光電変換装置において、前記光電変換素子と前記スイッチ素子の
    前記第一の電極層と前記ゲート電極層、
    前記第一の絶縁層と前記第二の絶縁層、
    前記光電変換半導体層と前記半導体層、
    前記第二の電極層と前記主電極層、
    および前記注入阻止層と前記オーミックコンタクト層が、
    それぞれ共通の膜で構成された光電変換装置。
  16. 請求項10又は11に記載の光電変換装置において、前記光電変換半導体層および前記半導体層の少なくとも一部が水素化アモルファスシリコンである光電変換装置。
  17. 請求項10又は11に記載の光電変換装置において、前記制御手段は、前記複数の光電変換素子の全部から信号電荷を転送する状態と、前記任意の駆動線により信号電荷を転送制御がされる光電変換素子から信号電荷を転送する状態とを、切り替える光電変換装置
  18. 請求項10又は11に記載の光電変換装置において、前記光電変換素子上に蛍光体を配置した光電変換装置。
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