JP4389347B2 - 演算機能付き撮像素子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型・軽量に構成された撮像素子に係り、特に、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor:相補性金属酸化膜半導体)などの半導体製造技術を用いて実現される演算機能付きの撮像素子に関する。
【0002】
更に詳しくは、本発明は、充分な画素数と小さな画素サイズとを実現した演算機能付きの撮像素子に係り、特に、オンチップ・カラーフィルタによりカラー画像の撮影が可能な撮像素子に関する。
【0003】
【従来の技術】
昨今の半導体製造技術の急速な進歩とも相俟って、比較的安価な撮像素子が入手可能となってきた。この結果、携帯電話やPDA(Personal Digital Assistant)などの携帯端末において、小型のカメラを付属あるいは搭載した機器が開発され、市場に流通し始めている。ところが、これらの携帯端末は、小型軽量を特徴とするので、搭載されるカメラも小型軽量でなければならない。また、携帯型機器は、一般にバッテリ駆動式であるため、機器本体自体も付属・搭載部品も、低消費電力であることが求められる。
【0004】
一般的に、カメラと言えばCCD(Charge Coupled Device:電荷結合素子)センサを用いたものを思い浮かべることができる。CCDとは、MOS(Metal Oxide Semiconductor)型電極をチェーンのように配設して構成される集積回路のことであり、半導体表面の電荷をある電極から次の電極へと順次転送する機能を利用して、撮像した画像データを出力するようになっている。ところが、CCDセンサは電源電圧が複数必要、消費電力が比較的大きいといった点から上記のような用途には向いているとは言い難い。
【0005】
他方、カメラあるいは撮像素子として、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor:相補性金属酸化膜半導体)イメージ・センサは、次世代のイメージセンサとして注目を浴びている。特に、センサ上に画像処理を行う演算機能を持たせた、いわゆる「スマートセンサ」は、ゲーム用からセキュリティ用途にまで幅広く利用されるものとして期待が持たれている。
【0006】
CMOS技術を用いて実装されるこのタイプのイメージ・センサであれば、小型・軽量化や、低消費電力などの仕様を満足させることができる。また、イメージ・センサと同一のチップ上に、CMOS技術で実現できる様々な回路部品を集積することができる。特に、センサ上の各画素におけるフォト・ダイオード出力をノイズ除去並びにゲイン補正を経た後、アナログ値からデジタル値に変換して、さらにはデジタル信号のまま画像処理を行うといった機能を持たせたCMOSイメージ・センサに関する報告もいくつかなされている。
【0007】
CMOSイメージ・センサに関する特集記事としては、例えば、「ディジタル画像処理機能を持ったCMOSイメージセンサ」(映像情報メディア学会誌Vol.53,No.2,pp.172〜177,1999)が挙げられる。
【0008】
また、具体的な撮像素子の例としては、"An Artificial Retina Chip with Current-Mode Focal Plane Image Processing Functions"(Eiichi Funatsu, et al,IEEE Trans. Electron Devices, Vol.44, No.10, Oct. 1997) や、藤本他著「動体検出機能搭載CMOSイメージャの開発」(IPU99-62,1999)、石渡他著「3次元ジェスチャ認識用CMOSイメージセンサ」(映像情報メディア学会技術報告,Vol.23,No.30,1999)などが挙げられる。
【0009】
これらのスマートセンサは、画素毎(画素並列型)、あるいは画素が並んだ列毎(列並列型)に記憶部や演算部を持ち、被写体の明るさを受光しながら何らかの演算を行い、高速に所望の処理を完了するという共通の特徴を持っている。
【0010】
しかしながら、本出願に先行する技術の多くは、スマートセンサに演算処理機能を持たせるために、画素内に複雑な回路を実現して結果として画素数の低下を招いてしまうという弊害があった。
【0011】
一方、演算機能を列毎に配置した列並列型撮像素子の多くは、画素数は通常のイメージセンサと同等ではあっても、機能を限定しており(例えばADコンバータ動作のみ等)、必ずしも充分な演算が行えないという欠点があった。
【0012】
さらに、撮像素子のカラー化という点では、後者の列並列型撮像素子の場合は、画素サイズも小さく、オンチップ・カラーフィルタ(OCCF)により実現できるが、あくまでも機能が限られている。また、前者の画素並列型の撮像素子では、そもそも画素数が少なく、カラー化によるさらなる解像度の低下が懸念されるために、カラー化はほとんど検討されていないのが実情である。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor:相補性金属酸化膜半導体)などの半導体製造技術を用いて小型・軽量に構成された、演算機能付きの優れた撮像素子を提供することにある。
【0014】
本発明の更なる目的は、充分な画素数と小さな画素サイズとを実現した、演算機能付きの優れた撮像素子を提供することにある。
【0015】
本発明の更なる目的は、オンチップカラーフィルタによりカラー画像の撮影が可能な演算機能付きの優れた撮像素子を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を参酌してなされたものであり、その第1の側面は、それぞれ被写体の明るさを電気信号に変える受光部と該受光部出力を増幅する画素内増幅部と該画素内増幅部から画素外へ信号を読み出す読出し部とからなる複数の画素と、
各画素から読み出された信号を増幅する画素外増幅部と、
各画素から読み出された信号を記憶する複数の記憶部と、
1以上の記憶部から読み出された信号を演算する演算部と、
前記演算部による演算結果に応じて書き込み動作を行い、前記画素の信号レベルに応じたデジタルデータ信号を記憶するデジタル・メモリと、
デジタル・メモリ出力を外部に出力する出力部と、
前記各部の駆動を制御する駆動制御部とを具備し、
前記駆動制御部は、前記演算部に供給する駆動パルスの組み合わせ及びそのタイミングによって前記演算部における演算内容を決定することを特徴とする演算機能付き撮像素子である。
【0017】
本発明の第1の側面に係る演算機能付き撮像素子において、前記演算部及び/又は前記画素外増幅部は、複数の画素間で共有してもよい。
【0019】
また、前記駆動制御部は、同じタイミングで検出した2個以上の画素読み出し信号を1つの記憶部に記憶させる駆動制御モードを有してもよい。
【0020】
また、前記駆動制御部は、各タイミングで検出した各画素の読み出し信号をそれぞれ別の記憶部に記憶させるとともに、各記憶部から読み出された信号に基づいて同じ画素におる画素読み出し信号の時間軸に沿った比較処理を前記演算部に行わせる第1の駆動制御モードを有してもよい。この結果、演算機能付き撮像素子は、被写体の明るさの変化を演算して外部出力することができる。
【0021】
また、前記駆動制御部は、さらに、各タイミングで検出した2個以上の画素読み出し信号をそれぞれ同じ記憶部に記憶させるとともに、各記憶部から読み出された信号に基づいて該2個以上の画素における画素読み出し信号の時間軸に沿った比較処理を前記演算部に行わせる第2の駆動制御モードを有してもよい。
【0022】
第2の駆動制御モード下では、被写体の明るさが低過ぎたり、あるいは、被写体の明るさを光電変換するサンプリング間隔が短過ぎて、単一の画素では出力が小さくノイズの影響を受け易いような場合であっても、隣接する複数の画素の信号を1つにまとめて処理することによって、低出力を補い、感度の低下を回避することができる。この結果、演算機能付き撮像素子は、ノイズの影響を受けずに演算を正しく実行することが可能となる。他方、充分な被写体の明るさが得られる場合には、上記の第1の駆動制御モードによって、一つ一つの画素で独立して演算処理するように動作せしめて、撮像素子の解像度の低下を回避することができる。
【0023】
また、前記駆動制御部は、ある画素の基準信号レベルに相当する画素読み出し信号を1つの記憶部に記憶させるとともに、該画素の被写体の明るさに相当する画素読み出し信号を他の記憶部に記憶させ、各記憶部から読み出された画素読み出し信号に基づいて基準信号レベルと被写体の明るさを前記演算部において比較処理せしめる駆動制御モードを有してもよい。このような動作モード下では、演算機能つき撮像素子は、アナログ量である被写体の明るさをデジタル量に変換した撮像画像を外部出力することができる。
【0024】
また、演算機能付き撮像素子の各画素に対して、例えば、M(マゼンダ)、C(シアン)、G(グリーン)、Y(イエロー)などの各色のオンチップ・カラーフィルタを交互に配置してもよい。このような場合、前記駆動制御部は、ある画素の基準信号レベルに相当する画素読み出し信号を1つの記憶部に記憶させるとともに、該画素の被写体の明るさに相当する画素読み出し信号を他の記憶部に記憶させ、各記憶部から読み出された画素読み出し信号に基づいて基準信号レベルと被写体の明るさを前記演算部において比較処理せしめることによって、演算機能付き撮像素子は、MCGY系の色空間からなるカラー撮像画像を外部出力することができる。
【0025】
また、演算機能付き撮像素子の各画素に対して、オンチップ・レンズを配置してもよい。このような場合、各画素における光の集光度を高めることができるので、演算機能付き撮像素子がいずれの駆動制御モードで動作する場合であっても、その感度を向上させることができる。
【0026】
また、本発明の第2の側面は、それぞれ被写体の明るさを電気信号に変える受光部と該受光部出力を増幅する画素内増幅部と該画素内増幅部から画素外へ信号を読み出す読出し部とからなる複数の画素が配列された画素エリアと、
各画素毎に2以上の記憶部が配置されたアナログ記憶エリアと、
各画素から読み出された信号を増幅する画素外増幅部並びに1以上の記憶部から読み出された信号を演算する演算部が配置された演算エリアと、
前記演算部による演算結果に応じて書き込み動作を行い、前記画素の信号レベルに応じたデジタルデータ信号を画素毎に記憶する複数のデジタル・メモリが配設されたデジタル記憶エリアと、
デジタル・メモリ出力を外部に出力する複数の出力部が配設された出力エリアと、
を具備することを特徴とする演算機能付き撮像素子である。
【0027】
例えば、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor:相補性金属酸化膜半導体)などの半導体製造技術を用いることで、上記の各エリアを単一の回路チップ上に実装することができる。
【0028】
本発明の第2の側面に係る演算機能付き撮像素子において、画素エリアでは、所定数の隣接画素が基本動作単位として駆動するようにしてもよい。
【0029】
また、前記演算部及び/又は前記画素外増幅部は複数の画素間で共有するようにしてもよい。
【0030】
また、前記演算部に供給する駆動パルスの組み合わせ及びそのタイミングによって前記演算部における演算内容を決定する駆動制御部をさらに備えてもよい。この駆動制御部は、例えば、同じタイミングで検出した2個以上の画素読み出し信号を1つの記憶部に記憶させる駆動制御モードを有することができる。
【0031】
また、前記駆動制御部は、各タイミングで検出した各画素の読み出し信号をそれぞれ別の記憶部に記憶させるとともに、各記憶部から読み出された信号に基づいて同じ画素におる画素読み出し信号の時間軸に沿った比較処理を前記演算部に行わせる第1の駆動制御モードを有してもよい。このような動作モード下では、演算機能付き撮像素子は、被写体の明るさの変化を演算して外部出力することができる。
【0032】
また、前記駆動制御部は、各タイミングで検出した2個以上の画素読み出し信号をそれぞれ同じ記憶部に記憶させるとともに、各記憶部から読み出された信号に基づいて該2個以上の画素における画素読み出し信号の時間軸に沿った比較処理を前記演算部に行わせる第2の駆動制御モードを有してもよい。この動作モード下では、被写体の明るさが低すぎたり、あるいは、被写体の明るさを光電変換する時間間隔が短く、単一の画素では出力が小さくノイズの影響を受け易いような場合であっても、隣接する複数の画素の信号を1つにまとめて処理することによって、低出力を補い、感度の低下を回避することができる。この結果、演算機能付き撮像素子は、ノイズの影響を受けずに演算を正しく実行することが可能となる。
【0033】
また、前記駆動制御部は、ある画素の基準信号レベルに相当する画素読み出し信号を1つの記憶部に記憶させるとともに、該画素の被写体の明るさに相当する画素読み出し信号を他の記憶部に記憶させ、各記憶部から読み出された画素読み出し信号に基づいて基準信号レベルと被写体の明るさを前記演算部において比較処理せしめる駆動制御モードを有してもよい。この動作モード下では、演算機能つき撮像素子は、アナログ量である被写体の明るさをデジタル量に変換した撮像画像を外部出力することができる。
【0034】
また、本発明の第2の側面に係る演算機能付き撮像素子の各画素に対して、例えば、M、C、G、Yなどの各色のオンチップ・カラーフィルタを交互に配置してもよい。このような場合、前記駆動制御部は、ある画素の基準信号レベルに相当する画素読み出し信号を1つの記憶部に記憶させるとともに、該画素の被写体の明るさに相当する画素読み出し信号を他の記憶部に記憶させ、各記憶部から読み出された画素読み出し信号に基づいて基準信号レベルと被写体の明るさを前記演算部において比較処理せしめることによって、演算機能付き撮像素子は、MCGY系の色空間からなるカラー撮像画像を外部出力することができる。また、M、C、G、Yの各カラーフィルタが搭載された一組の隣接画素を画素エリアにおける基本動作単位として扱ってもよい。
【0035】
また、演算機能付き撮像素子の各画素に対して、オンチップ・レンズを配置してもよい。このような場合、各画素における光の集光度を高めることができるので、演算機能付き撮像素子がいずれの駆動制御モードで動作する場合であっても、その感度を向上させることができる。
【0036】
【作用】
本発明に係る撮像素子は、通常の画像取得用撮像素子と同等面積の画素からなる光学エリアを有しているが、さらに複数の画素に共通の演算処理回路を持たせることによって、被写体の明るさが暗い場合、若しくは被写体の明るさを光電変換する時間が短い場合は、複数の画素の信号を同時に利用することによって明るさを補うことで感度の低下を避けることができる。この結果、ノイズの影響を受けずに被写体の明るさに基づく演算を正しく実行することが可能となる。
【0037】
他方、被写体から充分な明るさが得られる場合には、一つ一つの画素を独立して演算に用いることによって、解像度の低下を避けることが可能となる。
【0038】
本発明に係る撮像素子は、画素数が充分に多いので、オンチップ・カラーフィルタを採用することによって、容易にカラー化が可能である。また、本実施例に係る撮像素子は、画素サイズが小さいので、オンチップ・レンズによって光の集光度を高めることができ、感度アップが可能である。
【0039】
また、本発明に係る撮像素子では、演算部における演算内容を、外部から与える駆動パルスの組み合わせ及びそのタイミングに応じて自由に変更することができる。したがって、単一の演算機能のみを持つ撮像素子には不可能であったさまざまな機能を単一の撮像素子上で実現することが可能となる。
【0040】
本発明のさらに他の目的、特徴や利点は、後述する本発明の実施例や添付する図面に基づくより詳細な説明によって明らかになるであろう。
【0041】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の実施例を詳解する。
【0042】
図1には、本発明の実施例に係る撮像素子の構成を模式的に示している。同図に示すように、撮像素子は、画素エリアと、アナログ記憶エリアと、演算エリアと、デジタル記憶エリアと、出力エリアとで構成される。例えば、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor:相補性金属酸化膜半導体)などの半導体製造技術を用いることで、これらの機能モジュールを単一の回路チップ上に実装することができる。以下、撮像素子内の各部について説明する。
【0043】
画素エリア10内には、横方向にM個、縦方向にN個の画素11が2次元的に配列されている。図示の通り、横方向に隣り合う2列の画素の出力信号は1本の垂直信号線101を共有し、各垂直信号線101の終端には画素外増幅部31が接続されている。
【0044】
アナログ記憶エリア20内には、横方向にM/2個、縦方向にN/2個の記憶部21が2次元的に配列されている。図示の通り、縦に並んだN/2個の記憶部21は、1本の垂直増幅信号線102を共有し,各垂直増幅信号線102の終端には対応する前述の画素外増幅部31が接続されている。また、垂直増幅信号線102は、演算エリア30内の演算部32にも接続されている。但し、1つの記憶部21には,複数のアナログ・メモリが内蔵されているものとする。
【0045】
演算エリア30内には、画素外増幅部31と演算部32がそれぞれM/2個ずつ配置されている。各画素外増幅部31の入力には、画素エリア10からの対応する垂直信号線101がそれぞれ接続されている。また、各画素外増幅部31の出力は、垂直増幅信号線102を介して、対応する演算部32とアナログ記憶エリア20内の記憶部21に接続されている。一方、演算部32の出力は、演算出力信号103として、デジタル記憶エリア40内の複数のデジタル・メモリ41によって共有されている。
【0046】
デジタル記憶エリア40内には、M×N個のデジタル・メモリ41が、画素11に対応して2次元的に配列されている。各演算部32が出力する演算出力信号103は、対応するデジタル・メモリ41のライト・イネーブル信号として作用している。デジタル・メモリ41の入力には,撮像素子内部あるいは外部から供給されるデジタル信号(後述)が接続されており、前述のライト・イネーブル信号に従って書き込まれるようになっている。また、縦方向に1列に並んだN個からなるデジタル・メモリ41の出力は、そのビット数に応じた幅のデジタル信号線であるメモリ・バス104を共有している。各メモリ・バス104は、出力エリア50内の対応する出力部51に接続されている。
【0047】
出力エリア50内では、出力部51がM個並設されている。各出力部51の入力にはデジタル記憶エリア40内の対応するデジタル・メモリ41の出力であるメモリ・バス104が接続されている。また、各出力部51の出力は、デジタル列出力105となっている。このデジタル列出力105のデータ幅は、必ずしもメモリ・バス104のデータ幅と同じである必要はなく、出力部51での処理内容に応じたビット幅にすることができる。
【0048】
図1に示した撮像素子では、M×N個の画素11が画素エリア10内にまとめて配置してあり、しかも画素11内部には特別な演算回路を保有しない構成となっている。このような回路構造を採用することによって、画素サイズを通常のイメージ・センサすなわちCCD等と同程度にすることができる。その結果、同程度の数の画素(解像度)を持ち、なおかつ演算機能を搭載した撮像素子を実現することができる。
【0049】
図2には、図1に示した撮像素子構造から、基本動作単位を抜粋して図解している。ここで言う基本動作単位は、4個の画素と、1本の垂直信号線と、1個の画素外増幅部と、1個の記憶部と、1本の垂直増幅信号線と、1個の演算部と、4個のデジタル・メモリと、2個の出力部とで構成される。
【0050】
また、図3には、単位画素の構成例を、図4には、単位画素に対応するアナログ記憶部の構成例を、それぞれ示している。
【0051】
図2〜図4に示す例において、基本動作単位における画素数を4個とした場合の1つの用途は、単板式カラー撮像素子のカラーフィルタを採用することを想定しているからである。すなわち、例えば補色フィルタを用いる場合、4個の画素は、それぞれマゼンダ(M),グリーン(G),シアン(C),イエロー(Y)のカラー・フィルタに対応している。あるいは、原色フィルタを用いる場合には、4個の画素は、それぞれレッド(R),グリーン(G1),ブルー(B),再びグリーン(G2)のカラーフィルタに対応させてもよい。
【0052】
また、基本動作単位となる画素数を4個(又は複数個)とした場合の他の用途として、このように複数の画素をまとめて処理できる構造にしておくことで、例えば、そもそも被写体の明るさが低かったり、光の蓄積時間が短くて1個の画素から得られる信号が弱い場合であっても、複数の画素信号を同時に利用することによって、信号レベルの低下を避けることが可能となる。
【0053】
以下、図3及び図4を適宜参照しながら、図2に示す基本動作単位の構造及び動作特性について詳解する。
【0054】
各色のカラーフィルタに割り当てられた4個の画素11は、共通の垂直信号線101に接続されている。図3に示すように、各画素においては、被写体の明るさに応じた入射光が蓄積時間中に受光部12で光電変換された後、画素内増幅部13及び読出し部14を通って、この垂直信号線101に順次出力されるようになっている。
【0055】
各画素11の動作は、画素内増幅部13に供給されているリセット・パルス112(φRST)、受光部12に供給されている転送パルス113(φPTX)、読出し部14に供給されている画素信号読出しパルス114〜117(φRD_G,φRD_M,φRD_C,φRD_Y。但し、φRD_G以外は図3には図示されていない)によって制御される。さらに、画素内増幅部13には、そのリセット・レベルを設定するリセット電圧111(VRST)が供給されている。
【0056】
本実施例では、リセット・パルス112(φRST)と転送パルス113(φPTX)は基本動作単位となる4個の画素間で共通とし、4個の画素における光の蓄積タイミングが一致するようになっている。すなわち、基本動作単位となる4個の画素の間では、各々の画素内増幅部13が、リセット・パルス112(φRST)によってリセット電圧111(VRST)で決まるリセット・レベルに同時にリセットされた後、転送パルス113(φPTX)を印加することによって、受光部12において光電変換された信号がそれぞれの画素内増幅部13へ同時に転送されるようになっている。ある1つの転送から次の転送までの時間間隔が画素における光の蓄積時間となる。
【0057】
画素11の内部で転送された信号は、画素信号読出しパルス(例えば、Gの画素に対してはφRD_G)が印加されて初めて、画素11の外部、より具体的には垂直信号線101によって画素外増幅部31へ伝わるようになっている。
【0058】
再び図2に戻って説明する。垂直信号線101は、その終端が画素外増幅部31に接続されている。画素外増幅部31は、基本動作単位となる各画素11からの出力信号が後続の処理に必要なレベルにまで増幅するようになっている。画素外増幅部31には、増幅部読出しパルス137(φCRD)が与えられており、先述の4つの画素信号読出しパルス114〜117(φRD_G,φRD_M,φRD_C,φRD_Y)に同期して各画素11からの出力信号が画素外増幅部31へ送り込まれ、増幅されるようになっている。画素外増幅部31の出力は、垂直増幅信号線102に接続されており、ここで増幅された信号は記憶部21並びに演算部32に出力される。
【0059】
記憶部21内部には、1つの画素につき2個、すなわち基本動作単位では計8個のアナログ・メモリ22が配置されている。各々のアナログ・メモリ22は垂直増幅信号線102を共有しており、後述する制御信号の規則に従って、増幅された信号を記憶したり、記憶しておいた信号を読み出したりすることができる。
【0060】
ここで、図4を参照しながら、アナログ・メモリ22について説明する。
【0061】
8個のアナログ・メモリ22は、2個ずつが1つの画素に対応している。すなわち、G,M,C,Yの各画素に対応して、アナログ・メモリ1G及び2G、1M及び2M、1C及び2C、1Y及び2Yが配置されている。また、各アナログ・メモリ22には、アナログ・メモリ読出しパルス121〜128(φAMR_1G,φAMR_2G,φAMR_1M,φAMR_2M,φAMR_1C,φAMR_2C,φAMR_1Y,φAMR_2Y)、並びに、アナログ・メモリ書き込みパルス129〜136(φAMW_1G,φAMW_2G,φAMW_1M,φAMW_2M,φAMW_1C,φAMW_2C,φAMW_1Y,φAMW_2Y)がそれぞれ与えられている。
【0062】
アナログ・メモリ読出しパルスが印加されたアナログ・メモリ22からは、垂直増幅信号線102を介して信号を読み出される。また、アナログ・メモリ書き込みパルスが印加されたアナログ・メモリ22には、垂直増幅信号線102に現れている信号を記憶することができる。
【0063】
再び図2に戻って説明する。
【0064】
垂直増幅信号線102は、アナログ・メモリ22とともに、演算部32にも接続されている。アナログ・メモリ22に記憶され、又は読み出された信号を、後述する制御信号に従って演算部32へ伝えることができる。
【0065】
演算部32では、アナログ・メモリ22から入力された読出し信号を演算するとともに、該演算結果を演算出力信号103として出力し、その出力信号は各画素に対応するデジタル・メモリ41のライト・イネーブル信号として作用する。演算部32には、演算パルス138(φOP)並びに演算読出しパルス139(φPRD)が与えられている。そして、演算部32は、演算パルス138(φOP)が印加されている期間に入力された2つの信号の大小比較を行い、演算読出しパルス139(φPRD)が印加されている間に、その比較結果を、例えばロー又はハイ・レベルの演算出力信号103として出力するようになっている。
【0066】
本実施例では、1画素につき1個のデジタル・メモリ41が用意されている。各デジタル・メモリ41のビット数は、処理する信号に最適な数を設定され(例えば、16ビット)、そのビット数に相応するビット幅のデジタル・データ入力信号141(DATA_IN)が接続されている。このデジタル・データ入力信号141は、撮像素子内部のデジタル回路で発生された信号でもよいし、撮像素子外部から供給される信号であってもよい。
【0067】
各画素に対応したデジタル・メモリ41には、チップ選択信号142〜145(φCS_G,φCS_M,φCS_C,φCS_Y。但し、φCS_G以外は図2には図示されていない)が与えられており、チップ選択信号によって選択されたデジタル・メモリ41のみが書き込み若しくは読出し動作が可能となる。また、デジタル・メモリ41の出力は、そのメモリ・ビット数に応じたビット幅を持つデジタル信号線すなわちメモリ・バス104経由で出力部51に接続されている。
【0068】
演算部32からの演算出力信号103がライト・イネーブル信号となっているので、ライト・イネーブル信号が印加されているときには、チップ選択信号によって選択されているデジタル・メモリのみに、撮像素子内部もしくは外部から供給されるデジタル・データ入力信号141(DATA_IN)が記憶されるようになっている。他方、デジタルメモリ41へのライト・イネーブル信号が印加されていないときには、チップ選択信号が印加されたデジタル・メモリ41に記憶されていた信号がメモリ・バス104に読み出され、出力部51へ伝送されるようになっている。
【0069】
出力部51では,後述する制御信号に同期して、画素毎のデジタル出力を撮像素子の外部へ出力するようになっている。すなわち、図示の通り、出力部51は垂直に並んだ画素の基本単位の個数だけ並設されている。各出力部51には、デジタル・メモリ出力パルス151(φPOUT)が逐次的に与えられており、該入力に同期して、対応するデジタル・メモリ41からメモリ・バス104を介して読み出された信号が、出力部51を通してデジタル列出力105として、撮像素子の外部へデジタルの画素信号となって出力される。
なお、画像11,記憶部21,画素外増幅部21,演算部32等を動作させるためのパルスは駆動制御部(図示せず)から供給されて、この駆動制御部によって各部の駆動が制御される。
【0070】
次いで、図5を参照しながら、図2の基本動作単位における動作タイミングについて説明する。
【0071】
一般に、光強度の時間的な変化をできるだけ高速に演算するためには、光の蓄積時間はできるだけ短い方がよい。しかしながら、蓄積時間が短くなると、1回の演算で利用する1つの画素から得られる光電変換された信号は当然弱くなるので、その分だけ演算過程でノイズの影響を受け易くなる。本実施例に係る撮像素子によれば、このような蓄積時間の短い状態での演算を行う場合には、後述するように、複数の(すなわち基本動作単位となる)画素の出力信号を同時に利用することによって、単体の画素の信号だけを用いる場合よりも信号量を増やし、ノイズの影響を低減することが可能となる。
【0072】
本実施例に係る撮像素子は、モードAからモードDまで4通りの動作モードで駆動することができる。これら4つの動作モードは、アナログ・メモリ22への信号記憶動作ならびに読出し動作を逐次的に行い、結果として時間軸に沿った一種の微分処理を連続して行うことを可能とするものである。以下、各動作モードについて説明する。
【0073】
モードA:
モードAでは、まず、画素読出しパルスφRD_M(115)とφRD_C(116)を印加することによって画素Mと画素Cから信号を読み出し、さらにアナログ・メモリ書き込みパルスφAMW_1M(131)を印加することによってこれら読み出し信号を画素Mに対応するアナログ・メモリ1Mに記憶する。
【0074】
続いて、同じくモードAの期間内で、画素読出しパルスφRD_G(114)とφRD_Y(117)を印加することによって画素Gと画素Yから信号を読み出し、さらにアナログメモリ書き込みパルスφAMW_1G(129)を印加することによってこれら読み出し信号を画素Gに対応するアナログ・メモリ1Gに記憶する。
【0075】
上記の動作においては、増幅部読出しパルス137(φCRD)を、画素読出しパルス114〜117(φRD_G,φRD_M,φRD_C,φRD_Y)と同時に印加することで、画素外増幅部31で増幅された信号が、垂直増幅信号線102を経由して対応するアナログ・メモリ22に記憶されるようになっている。
【0076】
さらに続いて、アナログ・メモリ読出しパルスφAMR_2M(124)、φAMR_1C(125)、φAMR_2G(122)、φAMR_1Y(127)を印加することによって、画素Mに対するアナログ・メモリ2M、画素Cに対するアナログ・メモリ1C、画素Gに対するアナログ・メモリ2G、そして画素Yに対するアナログ・メモリ1Yに記憶されていた各信号を同時に読み出すとともに、演算パルスφOP(138)を印加することによって、それらの信号を一括して演算部32に入力する。
【0077】
そして今度は、アナログ・メモリ読出しパルスφAMR_1M(123)、φAMR_2C(126)、φAMR_1G(121)、φAMR_2Y(128)を印加することによって、画素Mに対するアナログ・メモリ1M、画素Cに対するアナログ・メモリ2C、画素Gに対するアナログ・メモリ1G、そして画素Yに対するアナログ・メモリ2Yに記憶されていた各信号を同時に読み出して、これらを一括して演算部32に入力する。
【0078】
このとき、演算部32では、最初に一括して入力された4つの信号の合計と後で一括して入力された4つの信号の合計を比較した結果を、演算読出しパルスφPRD(139)が印加されている期間に、デジタル・メモリ41のライト・イネーブル信号として演算出力信号103を出力する。
【0079】
そして、デジタル・メモリ41を選択するチップ選択信号としてφCS_M(143)が印加されているので、上記演算結果としては、ライト・イネーブル信号に応じて、画素Mに対応するデジタル・メモリ41にデジタル・データ入力信号141が記憶される。
【0080】
モードB:
モードBでは、まず画素読出しパルスφRD_M(115)とφRD_C(116)を印加することによって画素Mと画素Cから信号を読み出し、さらにアナログ・メモリ書き込みパルスφAMW_2M(132)を印加することによってこれら読み出し信号を画素Mに対応するアナログ・メモリ2Mに記憶する。
【0081】
続いて、同じくモードBの期間内で、画素読出しパルスφRD_G(114)とφRD_Y(117)を印加することによって画素Gと画素Yから信号を読み出し、さらにアナログ・メモリ書き込みパルスφAMW_2G(130)を印加することによってこれら読み出し信号を画素Gに対応するアナログ・メモリ2Gに記憶する。
【0082】
この動作モード下でも、増幅部読出しパルス137(φCRD)を、画素読出しパルス114〜117(φRD_G,φRD_M,φRD_C,φRD_Y)と同時に印加することで、画素外増幅部31で増幅された信号を、垂直増幅信号線102を経由して対応するアナログ・メモリ22に記憶するようになっている。
【0083】
さらに続いて、アナログ・メモリ読出しパルスφAMR_1C(125)、φAMR_2C(126),φAMR_1Y(127),φAMR_2Y(128)を印加することによって、画素Cに対するアナログ・メモリ1C、アナログ・メモリ2C、画素Yに対するアナログ・メモリ1Y、並びにアナログメモリ2Yに記憶されていた信号を同時に読み出して、演算パルスφOP(138)を印加することによって、それらの信号を一括して演算部32に入力する。
【0084】
そして今度は、アナログ・メモリ読出しパルスφAMR_1M(123)、φAMR_2M(124)、φAMR_1G(121)、φAMR_2G(122)を印加することによって、画素Mに対するアナログ・メモリ1M並びにアナログ・メモリ2M、画素Gに対するアナログ・メモリ1G並びにアナログ・メモリ2Gに記憶されていた各信号を同時に読み出して、これらを一括して演算部32に入力する。
【0085】
このとき、演算部32では、最初に一括して入力された4つの信号の合計と後で一括して入力された4つの信号の合計を比較した結果を、演算読出しパルスφPRD(139)が印加されている期間に、デジタル・メモリ41のライト・イネーブル信号として演算出力信号103を出力する。
【0086】
そして、デジタル・メモリ41を選択するチップ選択信号として、やはりφCS_M(143)が印加されているので、上記演算結果として、ライト・イネーブル信号に応じて、画素Mに対応するデジタル・メモリ41にデジタル・データ入力信号141が記憶される。
【0087】
モードC:
モードCでは、まず画素読出しパルスφRD_M(115)とφRD_C(116)を印加することによって画素Mと画素Cから信号を読み出して、さらにアナログ・メモリ書き込みパルスφAMW_1C(133)を印加することによってこれら読み出し信号を画素Cに対応するアナログ・メモリ1Cに記憶する。
【0088】
続いて、同じくモードCの期間内で、画素読出しパルスφRD_G(114)とφRD_Y(117)を印加することによって画素Gと画素Yから信号を読み出して、さらにアナログ・メモリ書き込みパルスφAMW_1Y(135)を印加することによってこれら読み出し信号を画素Yに対応するアナログ・メモリ1Yに記憶する。
【0089】
この動作モード下でも、増幅部読出しパルス137(φCRD)を、画素読出しパルス114〜117(φRD_G,φRD_M,φRD_C,φRD_Y)と同時に印加することで、画素外増幅部31で増幅された信号を、垂直増幅信号線102を経由して対応するアナログ・メモリ22に記憶するようになっている。
【0090】
さらに続いて、アナログ・メモリ読出しパルスφAMR_1M(123)、φAMR_2C(126)、φAMR_1G(121)、φAMR_2Y(128)を印加することによって、画素Mに対するアナログ・メモリ1M、画素Cに対するアナログ・メモリ2C、画素Gに対するアナログ・メモリ1G、そして画素Yに対するアナログ・メモリ2Yに記憶されていた信号を同時に読み出して、演算パルスφOP(138)を印加することによって、それらの信号を一括して演算部32に入力する。
【0091】
そして今度は、アナログ・メモリ読出しパルスφAMR_2M(124)、φAMR_1C(125)、φAMR_2G(122)、φAMR_1Y(127)を印加することによって画素Mに対するアナログ・メモリ2M、画素Cに対するアナログ・メモリ1C、画素Gに対するアナログ・メモリ2G、そして画素Yに対するアナログ・メモリ1Yに記憶されていた各信号を同時に読み出して、一括して演算部32に入力する。
【0092】
このとき、演算部32では、最初に一括して入力された4つの信号の合計と後で一括して入力された4つの信号の合計を比較した結果を、演算読出しパルスφPRD(139)が印加されている期間に、デジタル・メモリ41のライト・イネーブル信号として演算出力信号103を出力する。
【0093】
そして、上記の演算結果により、チップ選択信号143(φCS_M)を印加することによって、ライト・イネーブル信号に応じて、画素Mに対応するデジタルメモリ41にデジタル・データ入力信号141が記憶される。
【0094】
モードD:
モードDでは、まず画素読出しパルスφRD_M(115)とφRD_C(116)によって画素Mと画素Cから信号を読み出し、さらにアナログ・メモリ書き込みパルスφAMW_2C(134)を印加することによってこれら読み出し信号を画素Cに対応するアナログ・メモリ2Cに記憶する。
【0095】
続いて、同じくモードDの期間内で、画素読出しパルスφRD_G(114)とφRD_Y(117)によって画素Gと画素Yから信号を読み出し、さらにアナログ・メモリ書き込みパルスφAMW_2Y(136)を印加することによってこれら読み出し信号を画素Yに対応するアナログメモリ2Yに記憶する。
【0096】
この動作モード下でも、増幅部読出しパルス137(φCRD)を、画素読出しパルス114〜117(φRD_G,φRD_M,φRD_C,φRD_Y)と同時に印加することで、画素外増幅部31で増幅された信号を、垂直増幅信号線102を経由して対応するアナログ・メモリ22に記憶するようになっている。
【0097】
さらに続いて、アナログ・メモリ読出しパルスφAMR_1M(123)、φAMR_2M(124)、φAMR_1G(121)、φAMR_2G(122)を印加することによって、画素Mに対するアナログ・メモリ1M並びにアナログ・メモリ2M、画素Gに対するアナログ・メモリ1G並びにアナログ・メモリ2Gに記憶されていた信号を同時に読み出して、演算パルスφOP(138)を印加することによって、それらの信号を一括して演算部32に入力する。
【0098】
そして今度は、アナログ・メモリ読出しパルスφAMR_1C(125)、φAMR_2C(126)、φAMR_1Y(127)、φAMR_2Y(128)を印加することによって画素Cに対するアナログ・メモリ1C並びにアナログ・メモリ2C、画素Yに対するアナログ・メモリ1Y並びにアナログ・メモリ2Yに記憶されていた信号を同時に読み出して、一括して演算部32に入力する。
【0099】
このとき、演算部32では、最初に一括して入力された4つの信号の合計と後で一括して入力された4つの信号の合計を比較した結果を、演算読出しパルスφPRD(139)が印加されている期間に、デジタル・メモリ41のライト・イネーブル信号として演算出力信号103を出力する。
【0100】
そして,画素Mに対するデジタル・メモリ41のチップ選択信号φCS_M(143)を印加することによって、このデジタル・メモリ41にのみ、そのときのデジタル・データ入力信号141を記憶するようになっている。
【0101】
なお、上述したモードAからモードDにおいては、リセット・パルス112(φRST)と転送パルス113(φPTX)はいずれも、画素読出しパルス114〜117(φRD_G,φRD_M,φRD_C,φRD_Y)の前に与えられているので、モードが切り替わる毎に新たに光電変換された信号を演算に用いるようになっている。
【0102】
このように、モードAからモードDまでの4通りの動作モードを繰り返して実行する場合、1つのモード期間内で光電変換された2個ずつの画素の合計信号レベルをf(k)とおくと、下式に示すような時間軸に沿った信号の微分に相当する演算処理を行うことが可能となる(但し、kは時間のサンプリングを示すインデックス)。
【0103】
【数1】
f(f)+f(k−1)−{f(k−2)+f(k−3)} (式1)
【0104】
これを表にすると下のようになる。
【0105】
【表1】
【0106】
上表で、1Mや2Gと表記してあるのは、それぞれ画素Mのアナログ・メモリ1M、画素Gのアナログ・メモリ2Gに記憶してある信号を意味している。例えばサンプリング時刻k−4のときは、時刻k−4,k−5,k−6,k−7という連続するサンプリング時刻における各画素の信号を用いて、下式に示すようにモードAにおける演算を行うことができる。
【0107】
【数2】
(1M+1G+2C+2Y)−(1C+1Y+2M+2G) (式2)
【0108】
同様に、次のサンプリング時刻k−3では、下式に示すようにモードBにおける演算を行うことができる。
【0109】
【数3】
(2M+2G+1M+1G)−(2C+2Y+1C+1Y) (式3)
【0110】
以上のような順番でk−2,k−1,…と演算を続けることによって、結果として(式1)の演算を行っていることになる。
【0111】
しかも、この場合は4個の画素内でそれぞれ光電変換された信号を読み出しているので、各1つの画素出力だけでは信号レベルの低い微弱な光に対する信号の時間的変化を求めることができる。もちろん、同時に処理する画素数を画素4個ではなく、6個、8個というように基本動作単位の画素数を増加させていけば、さらに弱い光に対する演算処理も可能となる。
【0112】
なお、図5に示す動作タイミング・チャートでは、デジタル・メモリ41からの読出しタイミングは示されていないが、必要な回数だけモードA,B,C,D,A,B,C,D,…という具合に逐次的に処理を行い、その後、デジタル・メモリ出力パルス151(φPOUT)を記憶に用いたデジタル・メモリ41の個数だけ順次発生させると同時に、読み出すべきデジタル・メモリ41に対してチップ選択信号(この例の場合はφCS_M)を印加して、メモリ・バス104から出力部51を介してデジタル列出力105を得ることができる。
【0113】
次いで、画素が受光する光強度(明るさ)をデジタル信号に変換して出力する時の動作タイミングについて説明する。
【0114】
本実施例に係る撮像素子の動作の場合、1回の蓄積時間は短いものの、画素から読み出された信号は逐次加算されていくので、信号レベルの低下は避けることができる(前述)。したがって、画素一つ一つを独立して演算に用いることができ、解像度の低下も避けることができる。しかも、オンチップ・カラーフィルタが採用されている場合には、1チップ・カラー撮像素子としてカラー出力も可能となる。
【0115】
まず、図6を用いて、図3に示す単位画素においてアナログ量である明るさをデジタル量に変換する原理について説明する。
【0116】
VFDは、図3に示す画素11における画素内増幅部13の信号電圧レベルである。通常の動作では画素内増幅部13にリセット・パルス112(φRST)を与えることによって、VFDには電源電圧に設定されたリセット電圧111(VRST)によって決まるリセット・レベルに設定されている。
【0117】
この状態で画素11に光が照射されると、受光部12には光電変換によって発生した電子が蓄積される。そして、受光部12に転送パルス113(φPTX)を印加することによって、蓄積された電子を画素内増幅部13に転送すると、信号電圧レベルVFDは先のリセット・レベルから低下する。
【0118】
信号電圧レベルVFDの電圧が低下する度合いは、転送される電子の量、すなわち受光部12への入射光強度に比例している。したがって,明るい光が入射されるほど信号電圧レベルVFDの低下は急峻となり、逆に暗いほどVFDは緩やかに低下することになる。
【0119】
このような性質を利用すれば、例えば図6に示すグラフにおいて、ラインHで示される明るい光、ラインMの中間の明るさの光、そしてラインLの暗い光のそれぞれの明るさレベルVH,VM,VLを、三角形の相似関係に基づき以下の式によって表現することができる。但し、TH,TM,TLはそれぞれ、明るさを表すラインH,M,Lが、基準電圧に設定されたリセット電圧111(VRST)によって決まる基準レベルと交差するときの時刻を表すものとする。
【0120】
【数4】
VH = TS・ΔVR/TH (式4)
VM = TS・ΔVR/TM (式5)
VL = TS・ΔVR/TL (式6)
【0121】
したがって、時刻ゼロから光の蓄積を始め、転送パルス113(φPTX)を印加する度に低下していく信号電圧レベルVFDが基準レベルに達する瞬間の時刻を検出することによって、受光部12において検出される明るさを時刻の関数として表現することが可能となる。
【0122】
このとき、転送パルス113(φPTX)を与えるタイミングを、サンプリング周期ΔT刻みの時間としてカウントすれば、信号電圧レベルVFDが基準レベルに達する瞬間の時刻を明るさのデジタル量として得ることができる。
【0123】
また、信号電圧レベルVFDの値を直接基準レベルと比較するのではなく、VFDが基準レベルであったときに画素から読み出される信号レベルを記憶しておき、光が照射されているときに転送パルス113(φPTX)を与える度に時々刻々変化するVFDの値を画素11から読み出される信号レベルと比較することによって、同様に明るさの検出が可能であるということは、上記の説明により当業者には容易に理解できるであろう。
【0124】
このようにして、明るさというアナログ量を、時間刻みでサンプリングされた時刻情報によって量子化されたデジタル量に変換することが可能な訳である。なお、デジタル量のビット数は、時刻情報のサンプリングの細かさに依存する。
【0125】
図7には、明るさの基準となる基準レベルに対応する画素出力信号をアナログ・メモリ22に記憶する動作を示している。以下、同図を参照しながら該動作について説明する。
【0126】
まず、転送パルス113(φPTX)を印加して、光電変換された信号を受光部12から画素内増幅部13に掃き出す。但し、このときの出力信号は以降の処理では必要ないので、直ちにリセット・パルス112(φRST)を印加して、電源電圧より低い基準電圧に設定されているリセット電圧111(VRST)によって画素内増幅部13をリセットする。
【0127】
そして、画素M、画素C、画素G、画素Yの順に、画素読出しパルスφRD_M(115)、φRD_C(116)、φRD_G(114)、φRD_Y(117)を印加すると同時に、増幅部読出しパルス137(φCRD)及びアナログ・メモリ書き込みパルスφAMW_1M(131)、φAMW_1C(133)、φAMW_1G(129)、φAMW_1Y(135)を印加することによって、アナログ・メモリ1M、アナログ・メモリ1C、アナログ・メモリ1G、アナログ・メモリ1Yの各々に対応する画素から出力されて画素外増幅部31で増幅された基準レベルに相当する信号を記憶しておく。
【0128】
なお、この期間では、演算部32やデジタル・メモリ41は動作する必要ないので、それらに対する駆動パルスは発生させていない。
【0129】
図8には、図7に示す動作タイミングに従って記憶した基準レベル信号と光電変換された信号の比較を画素毎に行い、デジタル・メモリにその結果を格納する一連の動作を示したタイミング・チャートである
【0130】
まず、先頭の記憶期間では、各画素M、C、G、Yに対応するそれぞれのアナログ・メモリ2M、2C、2G、2Yに、先の基準信号記憶期間以降に光電変換された信号を記憶する。
【0131】
最初にリセット・パルス112(φRST)を印加して、電源電圧に設定されたリセット電圧111(VRST)(図示しない)によってそれぞれの画素における画素内増幅部13をリセットする。
【0132】
その直後に転送パルス113(φPTX)を印加して、受光部12で光電変換された信号を画素内増幅部13へ転送する。
【0133】
そして、画素M、画素C、画素G、画素Yの順に、画素読出しパルスφRD_M(115)、φRD_C(116)、φRD_G(114)、φRD_Y(117)を印加すると同時に、増幅部読出しパルス137(φCRD)及びアナログ・メモリ書き込みパルスφAMW_2M(132)、φAMW_2C(134)、φAMW_2G(130)、φAMW_2Y(136)を印加することによって、アナログ・メモリ2M、2C、2G、2Yの各々に、対応する画素から読み出されて画素外増幅部31で増幅された信号を記憶する。
【0134】
続いて、画素M、画素C、画素G、画素Yの順に、アナログ・メモリ1M、1C、1G、1Yに記憶された基準レベル信号とアナログ・メモリ2M、2C、2G、2Yそれぞれに記憶された画素信号の比較を行う。
【0135】
まず、演算パルス138(φOP)が印加されている間に、まずアナログ・メモリ読出しパルス124(φAMR_2M)を印加することによってアナログ・メモリ2Mに記憶されている画素Mの信号を読み出し、次いで、アナログ・メモリ読出しパルス123(φAMR_1M)を印加することによってアナログ・メモリ1Mに記憶されている画素Mの基準レベル信号を演算部32へ読み出す。
【0136】
そして、両者の信号レベルを比較して、演算読出しパルス139(φPRD)が印加されている間に画素Mに対応するデジタル・メモリ41をチップ選択信号143(φCS_M)によって選択する。例えば、基準レベル信号の方が読み出した画素信号よりも小さければ、そのときのデジタル・データ入力信号141(DATA_IN)の値を画素Mに対応するデジタル・メモリ41に書き込む。
【0137】
以上の処理が終了したら、演算パルス138(φOP)を一旦ロー・レベルに戻して、再び該パルスを印加している間に、アナログ・メモリ読出しパルス126(φAMR_2C)を印加することによってアナログ・メモリ2Cに記憶されている画素Cの信号を読み出し、次いで、アナログ・メモリ読出しパルス125(φAMR_1C)を印加することによって、アナログ・メモリ1Cに記憶されていた画素Cの基準レベル信号を演算部32へ読み出す。
【0138】
そして、両者の信号レベルを比較して、演算読出しパルス139(φPRD)が印加されている間に画素Cに対応するデジタル・メモリ41をチップ選択信号144(φCS_C)によって選択する。例えば、基準信号の方が読み出した画素信号より小さければ、そのときのデジタル・データ入力信号141(DATA_IN)の値を画素Cに対応するデジタル・メモリ41に書き込む。
【0139】
上述と同様の処理をさらに画素G並びに画素Yに対して実施することによって、4個の画素における比較演算処理を独立して行うことができる。このような処理をさらに、垂直信号線を共有しているすべての画素に対して順次同様に実行することによって、撮像素子上のすべての画素に対する演算処理を行うことができる。
【0140】
さて、上記で説明した動作では、ただ1回の光電変換された画素信号に対する処理しか行えないので、上記の演算動作を繰り返し実施する必要がある。
【0141】
光電変換された信号を読み出すときにリセット動作を行うと、先に読み出されていた信号がリセットされてしまう。そこで、2回目以降の処理では、リセットパルスφRST(112)のみ印加せず、他の駆動パルスは全く同様に与えるようにすればよい。
【0142】
このようにすることによって、1度読み出された光電変換後の信号レベルに、さらに新たに光電変換された信号が足し合わされ、その値が基準レベル信号に到達するまで上記の処理を繰り返すことによって、明るさを時間情報に変化した結果を得ることができる。
【0143】
以上、撮像素子上で行う演算機能として2通りの例を紹介したが、これらはあくまでも本発明に係る撮像素子の機能の一部に過ぎない。本発明によれば、外部から供給する駆動パルスのタイミングや組み合わせによって、アプリケーションに応じた様々な演算を実行することが可能である。
【0144】
本発明に係る撮像素子では、このような多機能演算を実現するための部分、すなわち、アナログ記憶エリア20、演算エリア30、デジタル記憶エリア40、出力エリア50は、多数の画素11が2次元的に並んで構成される画素エリア10とは別に設けられている(図1を参照のこと)。したがって、画素数(解像度)の低下を招くことなく、演算処理を実現することが可能となのである。
【0145】
[追補]
以上、特定の実施例を参照しながら、本発明について詳解してきた。しかしながら、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が該実施例の修正や代用を成し得ることは自明である。すなわち、例示という形態で本発明を開示してきたのであり、限定的に解釈されるべきではない。本発明の要旨を判断するためには、冒頭に記載した特許請求の範囲の欄を参酌すべきである。
【0146】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明によれば、CMOS(Complementary Metal-Oxide Semiconductor:相補性金属酸化膜半導体)などの半導体製造技術を用いて小型・軽量に構成された、演算機能付きの優れた撮像素子を提供することができる。
【0147】
また、本発明によれば、充分な画素数と小さな画素サイズとを実現した、演算機能付きの優れた撮像素子を提供することができる。
【0148】
また、本発明によれば、オンチップ・カラーフィルタによりカラー画像の撮影が可能な演算機能付きの優れた撮像素子を提供することができる。
【0149】
本発明に係る撮像素子は、通常の画像取得用撮像素子と同等面積の画素からなる光学エリアを有しているが、さらに複数の画素に共通の演算処理回路を持たせることによって、被写体の明るさが暗い場合、若しくは被写体の明るさを光電変換するサンプリング間隔が短い場合は、複数の画素の信号を同時に利用することによって明るさを補うことで感度の低下を避けることができる。この結果、撮像素子は、ノイズの影響を受けずに被写体の明るさに基づく演算を正しく実行することが可能となる。
【0150】
他方、被写体から充分な明るさが得られる場合には、一つ一つの画素を独立して演算に用いることによって、解像度の低下を避けることが可能となる。
【0151】
本発明に係る撮像素子は、画素数が充分に多いので、オンチップ・カラーフィルタを採用することによって、容易にカラー化が可能である。また、本実施例に係る撮像素子は、画素サイズが小さいので、オンチップ・レンズによって光の集光度を高めることができ、感度アップが可能である。
【0152】
また、本発明に係る撮像素子では、演算部における演算内容を、外部から与える駆動パルスの組み合わせ及びそのタイミングに応じて自由に変更することができる。したがって、単一の演算機能のみを持つ撮像素子には不可能であったさまざまな機能を、単一の撮像素子上で実現することが可能となる。
【0153】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る撮像素子の構成を模式的に示したブロック図である。
【図2】図1に示した撮像素子構造から、基本動作単位を抜粋して示した図である。
【図3】単位画素の構成例を示した図である。
【図4】アナログ記憶部の構成例を示した図である。
【図5】画素の基本動作単位における動作タイミング・チャートである。
【図6】単位画素において、アナログ量である明るさをデジタル量に変換する原理図である。
【図7】明るさの基準となる基準レベルに対応する画素出力信号をアナログ・メモリ22に記憶する動作を示したタイミング・チャートである。
【図8】図7に示す動作タイミングに従って記憶した基準レベル信号と光電変換された信号の比較を画素毎に行い、デジタル・メモリにその結果を格納する一連の動作を示したタイミング・チャートである。
【符号の説明】
10…画素エリア
11…画素
12…受光部
13…画素内増幅部
14…読出部
20…アナログ記憶エリア
30…演算エリア
31…画素外記憶部
40…デジタル記憶エリア
41…デジタル・メモリ
50…出力エリア
51…出力部
Claims (12)
- それぞれ被写体の明るさを電気信号に変える受光部と該受光部出力を増幅する画素内増幅部と該画素内増幅部から画素外へ信号を読み出す読出し部とからなる複数の画素と、
各画素から読み出された信号を増幅する画素外増幅部と、
各画素から読み出された信号を記憶する複数の記憶部と、
1以上の記憶部から読み出された信号を演算する演算部と、
前記演算部による演算結果に応じて書き込み動作を行い、前記画素の信号レベルに応じたデジタルデータ信号を記憶するデジタル・メモリと、
デジタル・メモリ出力を外部に出力する出力部と、
前記各部の駆動を制御する駆動制御部とを具備し、
前記駆動制御部は、前記演算部に供給する駆動パルスの組み合わせ及びそのタイミングによって前記演算部における演算内容を決定することを特徴とする演算機能付き撮像素子。 - 前記演算部及び前記画素外増幅部は複数の画素間で共有されることを特徴とする請求項1に記載の演算機能付き撮像素子。
- 前記駆動制御部は、同じタイミングで検出した2個以上の画素読み出し信号を1つの記憶部に記憶させる駆動制御モードを有することを特徴とする請求項1に記載の演算機能付き撮像素子。
- 前記駆動制御部は、各タイミングで検出した2個以上の画素読み出し信号をそれぞれ同じ記憶部に記憶させるとともに、各記憶部から読み出された信号に基づいて該2個以上の画素における画素読み出し信号の時間軸に沿った比較処理を前記演算部に行わせる駆動制御モードを有することを特徴とする請求項1に記載の演算機能付き撮像素子。
- 前記駆動制御部は、
各タイミングで検出した各画素の読み出し信号をそれぞれ別の記憶部に記憶させるとともに、各記憶部から読み出された信号に基づいて同じ画素におる画素読み出し信号の時間軸に沿った比較処理を前記演算部に行わせる第1の駆動制御モードと、
各タイミングで検出した2個以上の画素読み出し信号をそれぞれ同じ記憶部に記憶させるとともに、各記憶部から読み出された信号に基づいて該2個以上の画素における画素読み出し信号の時間軸に沿った比較処理を前記演算部に行わせる第2の駆動制御モードと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の演算機能付き撮像素子。 - 前記駆動制御部は、ある画素の基準信号レベルに相当する画素読み出し信号を1つの記憶部に記憶させるとともに、該画素の被写体の明るさに相当する画素読み出し信号を他の記憶部に記憶させ、各記憶部から読み出された画素読み出し信号に基づいて基準信号レベルと被写体の明るさを前記演算部において比較処理せしめて基準信号レベルに対する被写体の明るさを出力する駆動制御モードを有することを特徴とする請求項1に記載の演算機能付き撮像素子。
- 各画素には各色のオンチップ・カラーフィルタが搭載され、
前記駆動制御部は、ある画素の基準信号レベルに相当する画素読み出し信号を1つの記憶部に記憶させるとともに、該画素の被写体の明るさに相当する画素読み出し信号を他の記憶部に記憶させ、各記憶部から読み出された画素読み出し信号に基づいて基準信号レベルと被写体の明るさを前記演算部において比較処理せしめて該画素における色信号を出力する駆動制御モードを有することを特徴とする請求項1に記載の演算機能付き撮像素子。 - 各画素にはオンチップ・レンズが搭載され、
前記駆動制御部は、ある画素の基準信号レベルに相当する画素読み出し信号を1つの記憶部に記憶させるとともに、該画素の被写体の明るさに相当する画素読み出し信号を他の記憶部に記憶させ、各記憶部から読み出された画素読み出し信号に基づいて基準信号レベルと被写体の明るさを前記演算部において比較処理せしめて基準信号レベルに対する被写体の明るさを出力する駆動制御モードを有することを特徴とする請求項1に記載の演算機能付き撮像素子。 - それぞれ被写体の明るさを電気信号に変える受光部と該受光部出力を増幅する画素内増幅部と該画素内増幅部から画素外へ信号を読み出す読出し部とからなる複数の画素が配列された画素エリアと、
各画素毎に2以上の記憶部が配置されたアナログ記憶エリアと、
各画素から読み出された信号を増幅する画素外増幅部並びに1以上の記憶部から読み出された信号を演算する演算部が配置された演算エリアと、
前記演算部による演算結果に応じて書き込み動作を行い、前記画素の信号レベルに応じたデジタルデータ信号を画素毎に記憶する複数のデジタル・メモリが配設されたデジタル記憶エリアと、
デジタル・メモリ出力を外部に出力する複数の出力部が配設された出力エリアと、
を具備することを特徴とする演算機能付き撮像素子。 - 前記画素エリアでは、所定数の隣接画素が基本動作単位として駆動することを特徴とする請求項9に記載の演算機能付き撮像素子。
- 前記演算部及び前記画素外増幅部は複数の画素間で共有されることを特徴とする請求項9に記載の演算機能付き撮像素子。
- さらに、前記演算部に供給する駆動パルスの組み合わせ及びそのタイミングによって前記演算部における演算内容を決定する駆動制御部を備えることを特徴とする請求項9に記載の演算機能付き撮像素子。
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