JP3888419B2 - ロールクラッシャ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート、アスファルト、自然石を所定の大きさ塊に解砕するためのロールクラッシャに関する。更に詳しくは、道路、コンクリート構造物等を補修、建て替え等のとき排出されるコンクリート、アスファルト等の廃材のリサイクルのための解砕、又は自然石を所定の大きさの塊に破砕するためのロールクラッシャに関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリートや、アスファルトの廃材が建物の建替えや道路補修工事により、産業廃棄物として多く排出されるようになり、それらは従来は埋立処分されていた。しかしながら、埋立処分場も環境破壊等の問題から少なくなり、再利用が望まれている。そこで、近年コンクリート等の廃材を所定の大きさの塊に破砕して解砕し、再利用を図るために回転する回転歯で破砕する解砕機が開発されている(例えば、特開平5−309282号公報等)。
【0003】
本発明の発明者等も回転する回転歯を備えたロールクラッシャーを提案した(例えば、特開平11−319596号、公報、特願平11−143936号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、コンクリートの廃材は、大きさや厚みが不規則であり、それらを解砕機に投入しても、適宜な大きさの塊になりにくかったり、また破砕時に、回転するロータの間の隙間に引っ掛って、ロータが回転不能になったりしてしまう。また、破砕歯は投入されるコンクリート片で摩耗し、ロータの外周に設けられた解砕歯の損耗がはげしく、ロータ自体の交換、若しくは肉盛り溶接をしなければならなくなり、コストを上昇させる原因となっていた。
【0005】
これらの解砕歯は、何れも単一機能の解砕歯を円筒状のロータ本体の外周に配置したものであり、原料が目詰まりを起こす原因でもあった。即ち、同一形状、同一機能の解砕歯が並んでいるだけであるので、例えば原料が大きな球に近い場合には解砕歯が原料に食い込むことなく空回りすることもあった。本発明はこれらの問題点に鑑みて発明されたものであり、次の目的を達成するものである。
【0006】
本発明の目的は、如何なる形状、サイズの原料でも回転不能になり難いロールクラッシャを提供することにある。
本発明の他の目的は、投入原料を誘導することなく自動的に破砕領域に移動することができるロールクラッシャを提供することにある。
本発明の更に他の目的は、異なる破砕機能で原料を破砕することができるロールクラッシャを提供することにある。
本発明の更に他の目的は、解砕歯をロータ本体に強固に固定できる固定機構を備えたロールクラッシャを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のロールクラッシャは、回転駆動される駆動軸が互いに平行になるように配置された第1ロータ及び第2ロータの外周に被破砕物を破砕するための複種類の破砕歯を有したロールクラッシャにおいて、半径方向に開けられた穴である解砕歯固定穴を有し、回転駆動される円筒状の前記第1ロータ及び第2ロータのロータ本体と、前記解砕歯固定穴に挿入部が挿入固定され、回転方向に角度を有して連続する2つのくさび面を有し、前記くさび面の頂部は前記ロータ本体の半径方向とマイナスの切れ刃角を成し、かつ一体物で構成されたものであり、主に楔効果により被破砕物を破砕するための複数の解砕歯と、前記ロータ本体の外周面上に前記被破砕物が搭載されるように前記ロータ本体の上部が開放されている破砕室と、前記破砕室の前記第1ロータと前記第2ロータの両側に配置され、凹凸状の形をした固定歯と、前記解砕歯固定穴の側壁と前記解砕歯の挿入部との間に配置された解砕歯取付コッタと前記解砕歯取付コッタが移動しないように固定するためのコッタ固定金具とからなる。
【0012】
前記発明のロールクラッシャにおいて、前記コッタ固定金具を係合するために前記解砕歯固定穴に形成された係合部と、前記解砕歯取付コッタと前記コッタ固定金具とを一体に連結するボルトとからなるものであっても良い。
【0013】
【発明の実施の形態】
[実施の形態1]
以下、本発明の実施の形態1を図面に従って説明する。図1は、本発明を2軸のロータを備えたロールクラッシャに適用したときの平面図である。図2は、図1のII−II線で切断したときの断面図である。図3は、図1のIII−III線で切断したときの断面図である。ロールクラッシャ1には、第1ロータ2及び第2ロータ3が配置されている。第1ロータ2の駆動軸4(図2参照)と第2ロータ3の駆動軸(図示せず)は、互いに平行になるように配置されている。第1ロータ2と第2ロータ3は、実質的には同一構造であるが、破砕歯が互いに違いになるように駆動軸4の軸線方向の位相が異なるように配置されている。
【0014】
以下、第1ロータ2の構造を説明する。駆動軸4は、回転駆動手段である電動機、又は油圧モータ(図示せず)等に連結され駆動される軸である。駆動軸4の外周には、キー5を介して第1ロータ本体6が連結固定されている。第1ロータ本体6の外周面7には、3種類の解砕歯10、圧縮歯11、切削歯12が等角度間隔に突出するように配置されている。
【0015】
解砕歯10は、主に大塊の破砕原料を楔効果により噛み込み破砕するための歯である。解砕歯10は、図3に示すように第1ロータ本体6の外周に等角度間隔に配置され、本例では4個配置されている。解砕歯10は、後述する方法で第1ロータ本体6に固定されている。解砕歯10は、本例では使用されている3種の歯の中で第1ロータ本体6の外周面7から半径方向に最も飛び出している歯である。圧縮歯11は、主に原料を圧縮破砕するためのものである。圧縮歯11は、破砕機能も備えているが原料の噛み込みを支援するためのものである。即ち、駆動軸4の軸線方向でいうと二つの解砕歯10の間に配置され、解砕歯10の原料の噛み込みを支援する機能も備えている。
【0016】
圧縮歯11の第1ロータ本体6への固定は、外周面7に溶接により固定されている。圧縮歯11は、概略正方体を成しており主に原料を圧縮する平面部18と、角部は、約45度に面取り13されている。圧縮歯11は、図3に示すように第1ロータ本体6の外周に等角度間隔で、解砕歯10の間で、かつ本例では4個配置されている。切削歯12は、原料を少しづつ削るためのものである。
【0017】
切削歯12の外周には、鋸歯状の凹凸(切刃)14が形成されている。ロールクラッシャ1に投入された原料の形状によっては解砕歯10にも圧縮歯11にも接触せず、破砕されずに破砕室8にとどまることがある。このような原料のときに、切削歯12の凹凸14によって原料を少しづつ削り、その原料を最終的に解砕歯10、若しくは圧縮歯11に接触して破砕させるためのものである。
【0018】
切削歯12の第1ロータ本体6への固定は、外周面7に溶接により固定されている。本例では、等角度間隔に8個配置されている(図2参照)。3種類の解砕歯10、圧縮歯11、及び切削歯12の第1ロータ本体6の外周面7からの高さは、それぞれ解砕歯10をh1、圧縮歯11をh2、及び切削歯12をh3とすれば、h1>h2>h3の関係にある。
【0019】
これらの破砕歯は、高さが大きい程破砕室8に投入された原料と接触し、原料を破砕する確率は高くなる。第2ロータ3の各破砕歯の配置は同一であるが、第1ロータ2と対向する軸線方向位置の配置が互いに対向しないように形成されている。即ち、第1ロータ2の解砕歯10と圧縮歯11が配置されている位置には、第2ロータ3の切削歯12が向き合う位置に配置されている。
【0020】
第1ロータ2の切削歯12が配置されている位置には、第2ロータ3の解砕歯10と圧縮歯11が向き合う位置に配置されている。従って、第1ロータ2と第2ロータ3の間の空間である破砕空間15は、平面視でジグザク状に形成されている(図1参照)。なお、破砕空間15は、第1ロータ2の駆動軸4と第2ロータ3の駆動軸との間隔は、間隔調整機構(図示せず)により調節することができる。
【0021】
破砕室8の上部外周には、ホッパー19が配置されているが、ホッパー19は後述するように第1ロータ2と第2ロータ3の間の中間部である破砕空間15に原料を誘積極的に導する必要はない。言い換えると、破砕室8の上部にはホッパー等のような原料を破砕空間15に案内する手段は配置されていないし、後述するように配置する必要がない。
【0022】
第1ロータ2と第2ロータ3の両側には、解砕歯10の高さh1と切削歯12の歯の高さh3に対応して隙間を均一にするように、凹凸状の形をした固定歯16,17が配置されている。固定歯16は、原料が詰まり過負荷が発生したときに第1ロータ2を逆転させて、第1ロータ2と固定歯16との間で原料を破砕するためのものである。同様に、固定歯17は、原料が詰まり過負荷が発生したときに第2ロータ3を逆転させて、第2ロータ3と固定歯17との間で原料を破砕するためのものである。
【0023】
[解砕歯10とその固定機構]
図4(a),(b),(c)は、解砕歯10の形状を示す図であり、図4(a)は平面図、図4(b)は正面図、図4(c)は左側面図である。解砕歯10を第1ロータ本体6に取り付け固定したとき、第1ロータ本体6の外周面7から露出する露出部23は異形の形を成している。解砕歯10のくさび面20は鈍角である楔角αを成している。
【0024】
楔角αは、楔効果により原料に食い込み破砕するものであり、解砕歯10を第1ロータ本体6に取り付け固定したとき、くさび面20の頂部21は半径方向と切れ刃角βのマイナスの角を成す。従って、解砕歯10が楔角αで原料に食い込み破砕するとき、みかけの楔角αより鋭角として破砕作用する。
【0025】
くさび面20は、主に正転(ここでは破砕方向を意味する。)しているときに原料に接触し、主に楔効果(原料への食い込み)により破砕、粉砕するものである。くさび面20の裏面は、このくさび面20と概略45度の角度を成す面取り部22が形成されている。露出部23の下部両側には、一体に突出したスカート部24が形成されている。スカート部24の裏面は円筒面25であり、円筒面25は第1ロータ本体6の外周面7に密着する曲率に形成されている。
【0026】
くさび面20の背面には、長方体状の窪みであるコッター取付け用穴26が形成されている。コッター取付け用穴26は、後述する解砕歯取付コッタ35 を固定するための穴である。露出部23の下部には、概略長体状の挿入部27が一体に形成されている。挿入部27の前方位置には、係合凹部28が形成されている。係合凹部28は、第1ロータ本体6に挿入されたとき、係合するためのものである。
【0027】
解砕歯10の挿入部27は、第1ロータ本体6に形成された解砕歯固定穴30に挿入されて固定されている。解砕歯固定穴30の一側面は、他側面に対して傾いた傾斜面31が形成されている。解砕歯固定穴30の傾斜面31と対向する他側面には、凸部32が形成されている。解砕歯10の挿入部27が解砕歯固定穴30に挿入されると、係合凹部28が凸部32に挿入され係合する。
【0028】
解砕歯固定穴30には、解砕歯10の挿入部27と傾斜面31との間の隙間に解砕歯取付コッタ35が挿入されている。解砕歯取付コッタ35は、L字状にの形をしており先端が細いテーパー状を成している。従って、解砕歯取付コッタ35を挿入部27と解砕歯固定穴30の傾斜面31との間に圧入すると、解砕歯10は解砕歯固定穴30内に固定されることになる。
【0029】
解砕歯取付コッタ35の上端の鍔部36は、第1ロータ本体6の外周面7に接している。鍔部36の上面には、ネジ穴37が形成されている。ネジ穴37は、解砕歯取付コッタ35を解砕歯固定穴30から引き抜くためにボルト等をねじ込み、これを治具で引き抜くためのものである。ネジ穴37は、通常は使用しないのでゴミが入らないようにネジがねじ込んである。
【0030】
但し、引き抜き用のボルトを使用せず、第1ロータ本体6と、解砕歯取付コッタ35のネジ穴37の横の鍔部36と第1ロータ本体6の外周面7との間にタガネ等を打ち込み取り外すことも可能であり、この場合はネジ穴は必要ない。解砕歯取付コッタ35の上部外周は、コッタ固定金具40で押さえられ、コッタ固定金具40の先端はコッター取付け用穴26に挿入されている。コッタ固定金具40の固定は、解砕歯10とを溶接部39で両者を固定する。
【0031】
[解砕歯10の破砕抵抗]
図5(a)に示すように、くさび面20に作用する破砕抵抗Fは、第1ロータ本体6は回転しているので、解砕歯10から接線方向ではなく一般にこれと角度を成す斜方向に働く。解砕歯10に働く破砕抵抗Fを三つの分力に分解すると、主分力FV(破砕方向の分力)は、ロールクラッシャ1の駆動トルクや駆動動力に関係するものである。背分力FPは、動力は消費しないが原料や解砕歯10を破砕、又は変形させるものである。前述したように、主分力FVの大きさは、楔角αが小さいほど、破砕速度が高いほど小さい。背分力FPの大きさは、楔角αが小さいほど小さい傾向にある。
【0032】
破砕抵抗Fに起因するモーメントは、概略すると互いに方向が異なる2点の反力R1、反力R2で支持される。即ち、反力R1は、解砕歯10の背面で解砕歯取付コッタ35の最外周部に、他の反力R2は、解砕歯10の係合凹部28と解砕歯固定穴30の凸部32との係合部である。
【0033】
従って、破砕抵抗Fの反力は、破砕抵抗Fから離れた2ヶ所で支持されているので解砕歯10を外周面7に溶接して取付けた場合等に比して取付強度が強い。また、例えば2個の解砕歯10の間に原料が挟まって、図5(b)に示されるように側面から破砕抵抗FSが負荷されたとき、間隔を持って反力R3、反力R4で支持されるので、側面からの抵抗にも取付強度を確保できる。
【0034】
[作 動]
前述したロールクラッシャは、概略すると次のような作用で原料Mを破砕する。図11は、本発明のロールクラッシャを従来構造のホッパーを用いたときの作動を説明する断面図である。便宜的に投入原料中の比較的粒径の小さい小粒径(又は異形、板状も意味する。)の原料を小塊原料MSとし、大きな板状の板原料MPとする。ホッパー50は、原料を第1ロータ2及び第2ロータ3との間に誘導するために下部51が漏斗状に絞られている。
【0035】
従って、板原料MPは、ホッパー50の下部51に引っ掛かり原料が供給されなくなる。本発明のホッパー19は、破砕室8の上部には原料を案内する部分は配置されてなく開放されている。このために、以下に例示するような破砕が進行する。図7は、大きな異形原料MBと小粒径原料MSとの相互作用による破砕プロセスの例を示す断面図である。ホッパー19内に原料が投入されると、破砕室8の上部には原料を案内するものがないので、原料はランダムに破砕室8内の全面に投入される。このとき、解砕歯10の間は空間があるので小粒径原料MSはこの空間に挟まれ、第1ロータ2及び第2ロータ3の外周面に搭載される(図7参照)。搭載された小粒径原料MSは破砕空間15側に両ロータの回転により送られる。
【0036】
第1ロータ2及び第2ロータ3が互いに逆方向に回転し、小粒径原料MSは圧縮歯13で相手側のロータの圧縮歯13,又は切削歯12に押し付けて、圧縮破砕を起こす。互いの切削歯12は、小粒径原料MSが破砕空間15に詰まり留まっているいるとき、これを切削して隙間を作り小粒径原料MSを落下させて詰まりを解除する。
【0037】
大きな異形原料MBは、解砕歯10が最も直径が大きいのでこのくさび面20に接して、破砕空間15側に移送される。第1ロータ2及び第2ロータ3の両方の解砕歯10が同様の作用で破砕空間15側に、即ち第1ロータ2及び第2ロータ3の中間部にホッパー等で案内することなく寄せることができる。従って、大きな異形原料MBでも図7に図示したように、即ち第1ロータ2及び第2ロータ3の解砕歯10に挟まれるような姿勢となり、これらの解砕歯10により破砕空間15に移動し破砕、又は楔効果により切断される。
【0038】
図8は、最大級の大きさの塊である大塊MMを解砕するときの解砕の状況を示す図である。大塊MMがホッパー19に投入されると、第1ロータ2及び第2ロータ3の解砕歯10が主に最大原料MMを支持し受け止める。このために、解砕歯10の先端が楔効果で最大原料MMに食い込みを繰り返す。このために、大塊MMにひび割れを起こし、または少しづつ削られて徐々に小径になる。
【0039】
図9は、前述した板原料MPが第1ロータ2及び第2ロータ3を覆ったときの破砕プロセスを示す断面図である。第1ロータ2及び第2ロータ3の解砕歯10間に挟まれた小塊原料MSは、ロータの回転により板原料MPを押し上げて板原料MPを立ち上げて、結局は第1ロータ2及び第2ロータ3の間の破砕空間15に送られ破砕し易い姿勢になる。図10に示す断面図は、小塊原料MS同士の破砕例を示すプロセス図である。第1ロータ2及び第2ロータ3の解砕歯10間に挟まれた小塊原料MSは、互いに接触して共に破砕を行う。
【0040】
なお、破砕抵抗が大きくなり第1ロータ2及び第2ロータ3を駆動する原動機の負荷限度を超えるとき、原動機を逆転させて第1ロータ2及び第2ロータ3を逆転させる。又、片方を正転、他方を逆転させる機能を備え、原料の噛み込み方向を容易に変えることができる。
【0041】
[実施の形態2]
図6は、解砕歯の他の取付け構造を示す断面図である。解砕歯固定穴30の側面には、固定金具係合穴41が形成されている。固定金具係合穴41には、コッタ固定金具42の一端が挿入されている。解砕歯10の挿入部27と傾斜面31との間の隙間に解砕歯取付コッタ43が挿入されている。解砕歯取付コッタ43は、L字状にの形をしており先端が細いテーパー状を成している。従って、解砕歯取付コッタ43を挿入部27と解砕歯固定穴30の傾斜面31との間に圧入すると、解砕歯10は解砕歯固定穴30内に固定されることになる。
【0042】
解砕歯取付コッタ43の上端の鍔45は、第1ロータ本体6の外周面7に接している。鍔45の上面からコッタ固定金具42の方向にネジ穴が形成されている。ネジ穴にはボルト44がねじ込まれている。ボルト44をコッタ固定金具42にねじ込むことによって、コッタ固定金具42と解砕歯取付コッタ43とは一体に固定される。ネジ結合であるから、着脱が容易となる。
【0043】
(その他の実施の形態)
前記実施の形態のロールクラッシャは、第1ロータ2及び第2ロータ3の2軸タイプであったが、単軸、固定歯と単軸による破砕、単軸と反撥板、3軸、4軸等のタイプにも適用できることはいうまでもない。前述した実施の形態では、第1ロータ本体6の外周面7に3種類の解砕歯10、圧縮歯11、及び切削歯12が配置されていた。しかしながら、解砕歯10と圧縮歯11、解砕歯10と切削歯12のみを配置しても良い。
【0044】
【発明の効果】
以上詳記したように、本発明のロールクラッシャは、如何なる形状の原料でも破砕が可能である。また、複種類の破砕歯の中で、主として解砕を行う解砕歯の反力を離れた2位置で受け止めるために、取付剛性が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明を2軸のロータを備えたロールクラッシャに適用したときの平面図である。
【図2】図2は、図1のII−II線で切断したときの断面図である。
【図3】図3は、図1のIII−III線で切断したときの断面図である。
【図4】図4(a),(b),(c)は、解砕歯10の形状を示す図であり、図4(a)は平面図、図4(b)は正面図、図4(c)は左側面図である。
【図5】図5(a)は、解砕歯へ負荷される破砕抵抗とそ分力、及びその反力を示すベクトル図であり、図5(b)は、解砕歯に横方向からの力とその反力を示すベクトル図である。
【図6】図6は、解砕歯の他の取付け構造を示す断面図である。
【図7】図7は、異形原料と小粒径原料との相互作用による破砕プロセスの例を示す断面図である。
【図8】図8は、大塊原料の破砕プロセスの例を示す断面図である。
【図9】図9は、板原料が第1ロータ及び第2ロータを覆った原料の破砕プロセスを示す断面図である。
【図10】図10は、小塊原料同士の破砕プロセスを示す断面図である。
【図11】図11は、本発明のロールクラッシャに従来構造のホッパーを用いたときの作動を説明する断面図である。
【符号の説明】
1…ロールクラッシャ
2…第1ロータ
3…第2ロータ
6…ロータ本体
10…解砕歯
11…圧縮歯
13…切削歯
14…凹凸
15…破砕空間
16…ホッパー
17…固定歯
19…ホッパー
20…くさび面
Claims (2)
- 回転駆動される駆動軸が互いに平行になるように配置された第1ロータ及び第2ロータの外周に被破砕物を破砕するための複種類の破砕歯を有したロールクラッシャにおいて、
半径方向に開けられた穴である解砕歯固定穴を有し、回転駆動される円筒状の前記第1ロータ及び第2ロータのロータ本体と、
前記解砕歯固定穴に挿入部が挿入固定され、回転方向に角度を有して連続する2つのくさび面を有し、前記くさび面の頂部は前記ロータ本体の半径方向とマイナスの切れ刃角を成し、かつ一体物で構成されたものであり、主に楔効果により被破砕物を破砕するための複数の解砕歯と、
前記ロータ本体の外周面上に前記被破砕物が搭載されるように前記ロータ本体の上部が開放されている破砕室と、
前記破砕室の前記第1ロータと前記第2ロータの両側に配置され、凹凸状の形をした固定歯と、
前記解砕歯固定穴の側壁と前記解砕歯の挿入部との間に配置された解砕歯取付コッタと前記解砕歯取付コッタが移動しないように固定するためのコッタ固定金具と
からなることを特徴とするロールクラッシャ。 - 請求項1に記載のロールクラッシャにおいて、前記コッタ固定金具を係合するために前記解砕歯固定穴に形成された係合部と、前記解砕歯取付コッタと前記コッタ固定金具とを一体に連結するボルトとからなることを特徴とするロールクラッシャ。
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