JP5760385B2 - 多結晶シリコンの破砕装置及び多結晶シリコン破砕物の製造方法 - Google Patents
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Description
この多結晶シリコンの破砕は、図9に示すように、多結晶シリコンのロッドRを数mm〜数cmの大きさの塊Cにするものであり、ロッドRを熱衝撃等によって適宜の大きさに砕いた後に、ハンマーで直接叩き割る方法が一般的であるが、作業者の負担が大きく、棒状の多結晶シリコンから所望の大きさの塊を得るには非効率である。
また、破砕歯の先端面が球面状に形成されていることから、破砕歯の先端と多結晶シリコンとは点接触状態となり、また、その破砕歯の側面も円錐面状又は円柱面状に形成されているので、破砕歯の側面が多結晶シリコンに接触する際には線接触状態となる。したがって、破砕歯と多結晶シリコンとは点接触又は線接触状態となるから、多結晶シリコンが破砕歯により押しつぶされて微細粉が生じることが防止される。
破砕歯の間隔及び先端どうしの距離を上記範囲に設定することにより、破砕物に破砕歯を確実に接触させることができる。
破砕歯を超硬合金又はシリコン材によって形成することにより、破砕した多結晶シリコン塊への不純物のコンタミを防止することができ、特に半導体シリコンの原料として高品質の多結晶シリコンを得ることができる。
第1実施形態の破砕装置1は、図1に示すように、ハウジング2内に二つのロール3がその回転軸線4を水平方向に向けて平行に配置されており、両ロール3の外周面に高さの異なる複数の破砕歯5が半径方向外方に向けて突設されている。この場合、各ロール3の外周面は、図2に示すように、均一な円弧面ではなく、軸方向に沿う長尺な平坦面6を周方向に連結して構成された多面体状に形成されており、各平坦面6の両端部にねじ穴7が設けられ、これら平坦面6に、破砕歯ユニット8が一つずつ固定されている。
破砕歯5は、超硬合金又はシリコン材により、図5に示すように、柱状部13とその基端部で拡径する若干の厚さのつば部14とが一体に形成された形状とされている。柱状部13は、その先端面15が球面状に形成されるとともに、側面16が円柱面状に形成されている。つば部14は、円形板の両側部を柱状部13の長手方向と平行に切除した形状とされ、その切除した部分により、平面部17が180°反対向きに形成されている。
各破砕歯ユニット8は、隣接する破砕歯ユニット8の破砕歯5がロール3の周方向に連続して並ばないように、図4及び図6に示すように、破砕歯5が千鳥状に配列した状態に取り付けられる。また、破砕歯5は、図4に示すように、つば部14から破砕歯5の先端までの突出高さが高い破砕歯5Lと突出高さの低い破砕歯5Sの二種類で構成されており、ロール3の周方向及び幅方向において同じ突出高さの破砕歯が隣接しないように、高さの高い破砕歯5Lと、高さの低い破砕歯5Sとが、交互に配置される。
なお、この図6においては、千鳥状に配列されている破砕歯5のうち、同一円周上に配置される一列の破砕歯5を実線で示し、他の列の破砕歯5を二点鎖線で示している。
ハウジング2内には、両ロール3の両端部にロール3の軸線4と直交して配置される一対の仕切り板31がハウジング2の内壁面との間に一定の間隔をおいて平行に設けられている。これら仕切り板31は、ハウジング2に固定されており、両ロール3の半分以上を係合するように、ロール3の直径よりも若干大きい径の円弧状にくり抜いた2個の切欠32が形成され、これら切欠32内に各ロール3の両端部を係合した状態で、両ロール3の間に架け渡されるように配置されている。この仕切り板31をロール3に係合した状態では、仕切り板31の切欠32の内周面とロール3の外周面との間には、ロール3の回転を阻害しない程度に若干の隙間が形成され、また、ロール3の両端部に設けられている破砕歯ユニット8固定用のねじ26が仕切り板31の外側方に配置され、両仕切り板31がロール3の対向部からその上下の空間を挟んだ状態としている。そして、これら仕切り板31に挟まれた空間が多結晶シリコン破砕空間33とされ、ハウジング2の上面には、その破砕空間33の真上に配置されるように投入口34が設けられる。これら仕切り板31も、ハウジング2と同様にポリプロピレン等の樹脂製、あるいは金属製のものにテトラフルオロエチレンのコーティングをしたものが用いられる。
なお、このハウジング2には、両ロール3を回転駆動するギヤボックス(図示略)等が備えられ、ギヤボックスには排気装置(図示略)が接続されて、ハウジング2及びギヤボックスの内部空間が排気されるようになっている。
このとき、各破砕歯5は、高さの高い破砕歯5Lと高さの低い破砕歯5Sとがロール3の周方向及び幅方向に交互に設けられるとともに、両ロール3の対向部において破砕歯5L,5Sの先端面15どうしの間隔で形成される空間位置が、破砕歯5L,5Sの配置ごとにロール3の半径方向にずれて配置される。仮に、細長い多結晶シリコンが投入されたとしても、多結晶シリコンが狭小間隙Gaに正確に向きを一致させた姿勢で投入され、その投入時の姿勢を維持した状態でその狭小間隙Gaを通過する確率は極めて低く、多結晶シリコンは周方向及び幅方向に隣接する破砕歯5L,5Sに接触して破砕される。したがって、多結晶シリコンが破砕されずに通過してしまうことを防止することができ、効率的に多結晶シリコンを所望の大きさの塊に破砕することができる。
また、各破砕歯5は、その先端面15が球面状に形成されているので、この先端面15と多結晶シリコンとは点接触となり、また、柱状部13の側面16が円柱面状に形成されているので、この側面16と多結晶シリコンとは点接触又は線接触となる。このため、多結晶シリコンに対して破砕歯5は点接触又は線接触状態で衝撃を付加するので、多結晶シリコンを面で押しつぶすようなことはない。
したがって、この破砕装置1では多結晶シリコンを所望の大きさの塊に破砕することができ、微細粉の発生を防止して、ロス率を低減することができる。
第2実施形態の破砕装置は、図7に示すように、隣接する破砕歯ユニット80ごとに高さの高い破砕歯5L又は高さの低い破砕歯5Sが配列され、これら破砕歯5L,5Sが設けられた破砕歯ユニット80がロール3の周方向に交互に取り付けられて構成される。
両ロール3の間では、図8に示すように、その対向部において両ロール3にそれぞれ設けられる高さの高い破砕歯5Lと高さの低い破砕歯5Sの先端面15どうしが対向するように配置される。これら高さの高い破砕歯5Lと高さの低い破砕歯5Sとがロール3の周方向に交互に設けられることによって、両ロール3の対向部において破砕歯5L,5Sの先端面15どうしの空間位置も破砕歯5L,5Sの配置ごとにロール3の半径方向にずれて配置される。
その他の構成は、上述の実施形態のものと同じであり、共通部分に同一符号を付して説明を省略する。
例えば、上記実施形態では破砕歯の柱状部の側面を円柱面状に形成したが、円錐面状に形成してもよく、また、先端部分を球面の先端面に連続する円錐面状にし、基端部分を円柱面状にした組み合わせの形状としてもよい。
また、一実施形態で説明した破砕歯の対向間隔等の諸寸法は、必ずしもこれに限定されるものではない。
2 ハウジング
3 ロール
4 回転軸線
5,5L,5S 破砕歯
6 平坦面
7 ねじ穴
8, 80 破砕歯ユニット
11 固定カバー
13 柱状部
14 つば部
15 先端面
16 側面
17 平面部
21 破砕歯固定孔
22 ねじ挿通孔
23 嵌合孔
24 平面部
25 拡径部
26 ねじ
31 仕切り板
32 切欠
33 多結晶シリコン破砕空間
34 投入口
Claims (4)
- 平行な軸線周りに互いに逆回転する一対のロール間に塊状の多結晶シリコンを挟み込んで破砕する多結晶シリコンの破砕装置であって、前記ロールの外周面上に高さの異なる複数の破砕歯が半径方向に沿って外方に突出して設けられ、前記破砕歯は、その先端面が球面状に形成されるとともに、側面が円柱面状に形成されており、高さの高い前記破砕歯と高さの低い前記破砕歯とが少なくとも前記ロールの周方向又は幅方向に交互に設けられるとともに、両ロールの前記破砕歯どうしが最も近接する位置において、高さの高い前記破砕歯と、高さの低い前記破砕歯との先端どうしが対向するように設けられることを特徴とする多結晶シリコンの破砕装置。
- 各破砕歯の間隔は11〜35mmとされ、両ロールの対向部間における前記破砕歯の先端どうしの距離は5〜30mmとされ、前記高さの高い破砕歯と前記高さの低い破砕歯との高さの差は10〜20mmとされることを特徴とする請求項1記載の多結晶シリコンの破砕装置。
- 前記破砕歯は超硬合金又はシリコン材によって形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の多結晶シリコンの破砕装置。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載の多結晶シリコンの破砕装置を用いて多結晶シリコンの破砕物を製造することを特徴とする多結晶シリコン破砕物の製造方法。
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