JP5736728B2 - 多結晶シリコンの破砕装置及び多結晶シリコン破砕物の製造方法 - Google Patents
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Description
この多結晶シリコンの破砕は、図11に示すように、多結晶シリコンのロッドRを数mm〜数cmの大きさの塊Cにするものであり、ロッドRを熱衝撃等によって適宜の大きさに砕いた後に、ハンマーで直接叩き割る方法が一般的であるが、作業者の負担が大きく、棒状の多結晶シリコンから所望の大きさの塊を得るには非効率である。
固定カバーのねじ止め部分におけるロールが円柱外面であると、固定カバーを固定しているねじに曲げ応力が作用するが、平面部により面接触した状態とすることにより、固定カバーが安定し、破損等を防止することができる。
破砕歯が回り止めされることにより、安定した破砕を行うことができる。
破砕歯及び固定カバーの外表面を超硬合金又はシリコン材によって形成することにより、破砕した多結晶シリコン塊への不純物のコンタミを防止することができ、特に半導体シリコンの原料として高品質の多結晶シリコンを得ることができる。
本実施形態の破砕装置1は、図1に示すように、ハウジング2内に二つのロール3がその回転軸線4を水平方向に向けて平行に配置されており、両ロール3の外周面に複数の破砕歯5が半径方向外方に向けて突設されている。この場合、各ロール3の外周面は、図2に示すように、均一な円弧面ではなく、軸方向に沿う長尺な平坦面6を周方向に連結して構成された多面体状に形成されており、各平坦面6の両端部にねじ穴7が設けられ、これら平坦面6に、破砕歯ユニット8が一つずつ固定されている。
破砕歯5は、超硬合金又はシリコン材により、図5に示すように、柱状部13とその基端部で拡径する若干の厚さのつば部14とが一体に形成された形状とされている。柱状部13は、その先端面15が球面状に形成されるとともに、側面16が円柱面状に形成されている。つば部14は、円形板の両側部を柱状部13の長手方向と平行に切除した形状とされ、その切除した部分により、平面部17が180°反対向きに形成されている。また、つば部14の端面は破砕歯5の長手方向に直交する平坦面14aに形成される。
また、各破砕歯ユニット8は、隣接する破砕歯ユニット8の破砕歯5がロール3の周方向に連続して並ばないように、図4に示すように、破砕歯5が千鳥状に配列した状態に取り付けられる。一方、両ロール3の間では、図6に示すように、その対向部において両ロール3の破砕歯5の先端面15どうしが対向するように配置される。なお、この図6においては、千鳥状に配列されている破砕歯5のうち、同一円周上に配置される一列の破砕歯5を実線で示し、他の列の破砕歯5を二点鎖線で示している。
また、ハウジング2内には、両ロール3の両端部にロール3の軸線4と直交して配置される一対の仕切り板31がハウジング2の内壁面との間に一定の間隔をおいて平行に設けられている。これら仕切り板31は、ハウジング2に固定されており、両ロール3の半分以上を係合するように、ロール3の直径よりも若干大きい径の円弧状にくり抜いた2個の切欠32が形成され、これら切欠32内に各ロール3の両端部を係合した状態で、両ロール3の間に架け渡されるように配置されている。この仕切り板31をロール3に係合した状態では、仕切り板31の切欠32の内周面とロール3の外周面との間には、ロール3の回転を阻害しない程度に若干の隙間が形成され、また、ロール3の両端部に設けられている破砕歯ユニット8固定用のねじ26が仕切り板31の外側方に配置され、両仕切り板31がロール3の対向部からその上下の空間を挟んだ状態としている。そして、これら仕切り板31に挟まれた空間が多結晶シリコン破砕空間33とされ、ハウジング2の上面には、その破砕空間33の真上に配置されるように投入口34が設けられる。これら仕切り板31も、ハウジング2と同様にポリプロピレン等の樹脂製、あるいは金属製のものにテトラフルオロエチレンのコーティングをしたものが用いられる。
なお、このハウジング2には、両ロール3を回転駆動するギヤボックス(図示略)等が備えられ、ギヤボックスには排気装置(図示略)が接続されて、ハウジング2及びギヤボックスの内部空間が排気されるようになっている。
したがって、この破砕装置1では多結晶シリコンを所望の大きさの塊に破砕することができ、微細粉の発生を防止して、ロス率を低減することができる。
このような平坦面を有する破砕歯では微細粉の発生を防ぐことは難しいが、本実施形態の破砕歯は、柱状部の先端が球面状で、側面が円柱面状に形成されているため、微細粉の発生を低減することができる。
固定カバー11についても同様であり、固定カバー11の裏面11aがロール3の平坦面6に面接触状態とされているので、破砕歯5に加わる衝撃力により振れることがなく、固定カバー11をロール3に固定しているねじ26に曲げモーメント等が作用することがなく、強固な固定構造を維持して、破損等を防止することができる。
このようにすると、固定カバー11の側面どうしが接触することにより、固定カバー11どうしで抑えられ、破砕歯5に加わる衝撃力により振れることがなく、固定カバー11及び固定カバー11をロール3に固定しているねじ26に曲げモーメント等が作用することがなく、強固な固定構造を維持して、破損等を防止することができる。
例えば、上記実施形態では、両ロールの対向部で破砕歯の先端面どうしが対向するように配置したが、一方のロールの破砕歯が他方のロールの隣接する破砕歯の間に対向するように配置してもよい。
また、一実施形態で説明した破砕歯の対向間隔等の諸寸法は、必ずしもこれに限定されるものではない。実施形態では破砕歯の柱状部の側面を円柱面状に形成したが、円錐面状に形成してもよく、また、先端部分を球面の先端面に連続する円錐面状にし、基端部分を円柱面状にした組み合わせの形状としてもよい。
また、破砕歯の回り止め機構も、実施形態の平面部どうしの当接による構造の他、スプライン状の凹凸を嵌合する構造としてもよい。
2 ハウジング
3 ロール
4 回転軸線
5 破砕歯
6 平坦面
7 ねじ穴
8 破砕歯ユニット
11 固定カバー
13 柱状部
14 つば部
15 先端面
16 側面
17 平面部
21 破砕歯固定孔
22 ねじ挿通孔
23 嵌合孔
24 平面部
25 拡径部
26 ねじ
31 仕切り板
32 切欠
33 多結晶シリコン破砕空間
34 投入口
41 カバー
42 孔
43,44 孔
45 樹脂カバー
51 固定カバー
Claims (5)
- 平行な軸線回りに互いに逆回転する一対のロール間に塊状の多結晶シリコンを挟み込んで破砕する多結晶シリコンの破砕装置であって、前記ロールの外周面上に、複数の破砕歯とこれら破砕歯を前記ロールの外周面上に固定する固定カバーとを有する破砕歯ユニットが前記ロールの周方向に並んで複数設けられており、前記破砕歯は、その基端部に拡径したつば部が形成され、前記固定カバーは、前記ロールの長手方向に沿う短冊状に形成されるとともに、厚さ方向に貫通する破砕歯固定孔が前記長手方向に並んで複数形成され、前記破砕歯の先端部を前記破砕歯固定孔から前記ロールの半径方向外方に突出させ前記つば部を前記ロールとの間に挟持した状態で前記ロールに固定されており、前記ロールの外周面は、軸方向に沿う長尺な平坦面を周方向に連結して構成された多面体状に形成され、前記平坦面に各破砕歯のつば部の端面が面接触させられていることを特徴とする多結晶シリコンの破砕装置。
- 各破砕歯ユニットの固定カバーは両端部が前記ロールにねじによって固定されており、前記ロールの外周面には前記固定カバーの両端部の裏面を面接触させる平面部が形成されている請求項1記載の多結晶シリコンの破砕装置。
- 前記破砕歯と前記固定カバーとの間には、前記破砕歯固定孔内での破砕歯の回転を拘束する回り止め機構が設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の多結晶シリコンの破砕装置。
- 前記破砕歯は超硬合金又はシリコン材によって形成され、前記固定カバーは、外表面が超硬合金又はシリコン材により覆われていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の多結晶シリコンの破砕装置。
- 請求項1〜4のいずれか一項に記載の多結晶シリコンの破砕装置を用いて多結晶シリコン破砕物を製造することを特徴とする多結晶シリコン破砕物の製造方法。
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