JP5531876B2 - 多結晶シリコンの破砕装置 - Google Patents
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ダイヤモンドカッターによる切断や、ハンマーで直接叩き割る場合においては、多段階にわたり作業を繰り返すことによる作業者の負担が大きく、棒状の多結晶シリコンから所望の大きさの塊を得るには非効率である。
しかしながら、この装置においては、ロールに形成された各歯の歯元と内壁面との隙間に、破砕された塊状のシリコンが押し込まれ、すり潰されるために、多結晶シリコンの微粉が生成される割合が多い。したがって、所望の大きさの塊状のシリコンにする破砕効率が低いだけでなく、生じた微粉は粒径が小さいためにCZ法では用いることができず、損失が大きいものとなっている。
この場合、ロール間で多結晶シリコンの塊がすり潰されながら破砕されるため、多結晶シリコンの微粉が生成される割合が多く、効率的でない。
また、一つのロールにおける各破砕歯の間隔は、得ようとする多結晶シリコンの塊のサイズに応じた間隔を備えるとともに、各破砕歯の間隔を、平行もしくは歯先よりも歯元の方を大きくして設けていることから、破砕歯の先端で破砕された多結晶シリコンの塊が、各破砕歯の間に押し込まれた場合も、押し込まれた先の空間が少なくとも破砕後の塊以上の大きさとなっていることにより、塊が押しつぶされて過度に微細化されることを回避できる。破砕歯の間隔を、歯先よりも歯元の方を大きくした場合には、破砕後の多結晶シリコンの塊よりも広がった逃げ形状となっていることにより、さらに効果的である。
また、一組の破砕歯は4歯以上に設けてもよいが、その数は少なくする程よく、破砕物との接触面積を減らすことができ、さらに微粉の発生を抑えることができる。
本実施形態の破砕装置100は、図1に示すように、平行な軸11回りに互いに同調して逆回転する一対のロール1a,1bを備えるダブルロールクラッシャーである。そして、これらロール1a,1bの外周面12上に、複数の破砕歯2が設けられており、各ロール1a,1bに設けられた破砕歯2で多結晶シリコンの破砕物3を挟み込むことにより、この破砕物3を所望の大きさに破砕する。
第1破砕歯2a及び第2破砕歯2bは、図2に示すように、それぞれが対面して設けられる非対称な多角錐形状とされており、第1破砕歯2a及び第2破砕歯2bのロール1a,1bの周方向に対向する各対向面21a,21bは、その対向面同士の中間に位置するロール1a,1bの外周面12の法線Oaに相互に平行となるように設けられている。また、一対に設けられる第1破砕歯2a同士のロール1a,1bの軸方向に対向する対向面22aも、その対向面同士の中間に位置するロール1a,1bの法線Obに沿って平行に設けられている。図2(b)に示す例では、破砕歯2a,2bの対向面21a,21b同士は平行に設けられ、破砕歯2bの対向面22b同士も平行に設けられている。
また、これら対向面21a,21b及び対向面22aの間隔L1,L2、破砕歯2のロール1a,1bの外周面12からの最大突出量L3は、得ようとする多結晶シリコンの塊30の最大許容寸法値に応じて決定される。
なお、一組の破砕歯2の組同士の間隔は、得られる多結晶シリコンの塊30よりも十分に大きく形成されている。
このタイミング機構5としては、例えば、ローラ1a,1bに同期して、ロール1a,1b間を回転方向に移動しながら、所定の位置で退避する動作を反復する機構や、片持ち状態の梁をロール1a,1bの回転方向に倒しながら退避して、破砕物3の破砕後に元の位置に戻す機構等がある。
また、このタイミング機構5は、ロール1a,1bの回転速度や、破砕物3をロール1a,1b間に投下するタイミング等を調整することにより、省略することも可能である。
破砕物3には、φ120mm×L2000mmの多結晶シリコンのロッドを切断や熱衝撃破砕等によって、ある程度の大きさまで破砕したものを用いる。
そして、ロール1a,1b間に挟まれて把持された破砕物3は、ロール1a,1bの回転にともなって破砕歯2の先端部から破砕される。
各破砕歯2の間隔は、得ようとする多結晶シリコンの塊30のサイズ以上の間隔を備えていることから、破砕歯2の先端で破砕された塊30が、各破砕歯2の間の空間に押し込まれた場合にも、押しつぶされることなく、破砕歯2の間を通過して、破砕装置100の下方に落下して取り出される。
さらに、各破砕歯2の間隔は、得ようとする多結晶シリコンの塊30のサイズに応じた隙間を備え平行に設けられていることから、各破砕歯2で形成される空間が少なくとも破砕後の塊30以上の大きさとなっており、破砕歯2の先端で破砕された塊30が、各破砕歯2の間に押し込まれた場合も、塊30が押しつぶされることがなく、過度に微細化されることを回避できる。
なお、破砕歯2の間隔を、歯先よりも歯元の方を大きくした場合には、破砕後の多結晶シリコンの塊30よりも広がった逃げ形状とすることができ、さらに効果的である。
さらに、本発明の多結晶シリコンの破砕装置100においては、破砕する多結晶シリコンの破砕物3の大きさに対応させて一対のロール1a,1bの間隔を調整することにより、確実に破砕物3を把持して破砕できるとともに、得ようとする破砕後の多結晶シリコンの塊30を所望のサイズに調整することができる。
例えば、上述の実施形態においては、第1破砕歯2aを2歯、第2破砕歯2bを1歯とする3歯で一組の破砕歯2として説明したが、第1破砕歯2aを1歯、第2破砕歯2bを2歯としてもよい。しかし、第1破砕歯2aを2歯とした方が、投入される破砕物3を一対のロール1a,1b間の4歯の第1破砕歯2aで受けることができるので、破砕物3を受け易い。また、一組を3歯に限定する必要はなく、第1破砕歯及び第2破砕歯をともに2歯ずつで構成して4歯で一組の構成としてもよい。
また、ロール1a,1bのいずれか一方のロールを、上述のロール1a,1bと同様にして先行する第1破砕歯を2歯、第2破砕歯を1歯として構成し、対向する他方のロールにおいては第1破砕歯を1歯、第2破砕歯を2歯として構成してもよく、この場合においても、上述の実施形態と同様の効果を得ることができる。
2,2c 破砕歯
2a 第1破砕歯
2b 第2破砕歯
3 破砕物
4 投下手段
5 タイミング機構
11 軸
12 外周面
21a,21b,21c,22a 対向面
30 多結晶シリコン塊
100 多結晶シリコン破砕装置
Claims (2)
- 平行な軸心回りに互いに逆回転する一対のロール間に塊状の多結晶シリコンを挟み込んで破砕する多結晶シリコンの破砕装置であって、前記ロールの外周面上には、少なくとも3歯で一組とする破砕歯が複数組設けられており、前記一組の破砕歯は、対向する破砕歯同士のそれぞれの対向面又は辺が、これらの中間に位置する前記ロールの外周面の法線と平行又は歯先よりも歯元が離間して設けられることを特徴とする多結晶シリコンの破砕装置。
- 前記一対のロールは同調して回転し、各ロールの前記破砕歯が最も近接する位置において、前記破砕歯の先端同士が対向するように設けられることを特徴とする請求項1記載の多結晶シリコンの破砕装置。
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JP2010204924A JP5531876B2 (ja) | 2010-09-13 | 2010-09-13 | 多結晶シリコンの破砕装置 |
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JP2010204924A JP5531876B2 (ja) | 2010-09-13 | 2010-09-13 | 多結晶シリコンの破砕装置 |
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