JP2012091137A - 多結晶シリコンの破砕装置及び多結晶シリコン破砕物の製造方法 - Google Patents

多結晶シリコンの破砕装置及び多結晶シリコン破砕物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多結晶シリコンを所望の大きさの塊に破砕するとともに、破砕歯及びロール外表面からの多結晶シリコン塊への不純物のコンタミを防止し、高品質の多結晶シリコンを得ることができる多結晶シリコンの破砕装置を提供する。
【解決手段】平行な軸線周りに互いに逆回転する一対のロール3間に塊状の多結晶シリコンを挟み込んで破砕する多結晶シリコンの破砕装置であって、ロール3の外周面上に超硬合金又はシリコン材によって形成された複数の破砕歯5が半径方向外方に突出して設けられており、ロール3に破砕歯5を挿通させた状態で巻き付けられて、ロール3の外周面を覆う樹脂カバー45が設けられている。
【選択図】 図7

Description

本発明は、半導体用シリコン等の原料である多結晶シリコンを塊状に破砕する装置及びその破砕装置を用いた多結晶シリコン破砕物の製造方法に関する。
半導体チップに使用されるシリコンウエハは、例えばチョクラルスキー(CZ)法により製造された単結晶シリコンから作製される。そして、このCZ法による単結晶シリコンの製造には、例えば、シーメンス法によって棒状に形成された多結晶シリコンを塊状に破砕したものが用いられる。
この多結晶シリコンの破砕は、図8に示すように、多結晶シリコンのロッドRを数mm〜数cmの大きさの塊Cにするものであり、ロッドRを熱衝撃等によって適宜の大きさに砕いた後に、ハンマーで直接叩き割る方法が一般的であるが、作業者の負担が大きく、棒状の多結晶シリコンから所望の大きさの塊を得るには非効率である。
特許文献1には、棒状の多結晶シリコンをロールクラッシャーで破砕して塊状のシリコンを得る方法が開示されている。このロールクラッシャーは、一つのロールをハウジング内に収容したシングルロールクラッシャーであり、そのロール表面には複数の歯が形成され、これら歯とハウジングの内壁面との隙間に多結晶シリコンを挟むことによって連続的に衝撃を与えて棒状の多結晶シリコンを破砕する。
一方、特許文献2及び特許文献3には、粗く破砕された塊状の多結晶シリコンを破砕する破砕装置が提案されている。これらの装置は、二つのロールを備え、各ロールの隙間に塊状の多結晶シリコンを挟んで破砕するダブルロールクラッシャーである。
特開2006−122902号公報 特表2009−531172号公報 特開2006−192423号公報
このような破砕装置により多結晶シリコンを効率的に破砕することができる。しかしながら、多結晶シリコンは硬いため、破砕歯及びロール外表面に欠けや摩耗が生じる場合があり、これらの不純物が破砕した多結晶シリコン塊へ混入することで、コンタミネーション汚染の原因となっている。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、多結晶シリコンを所望の大きさの塊に破砕するとともに、破砕歯及びロール外表面からの多結晶シリコン塊への不純物のコンタミを防止し、高品質の多結晶シリコンを得ることができる多結晶シリコンの破砕装置及びその破砕装置を用いた多結晶シリコン破砕物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の多結晶シリコンの破砕装置は、平行な軸線周りに互いに逆回転する一対のロール間に塊状の多結晶シリコンを挟み込んで破砕する多結晶シリコンの破砕装置であって、前記ロールの外周面上に超硬合金又はシリコン材によって形成された複数の破砕歯が半径方向外方に突出して設けられており、前記ロールに前記破砕歯を挿通させた状態で巻き付けられて、前記ロールの外周面を覆う樹脂カバーが設けられていることを特徴とする。
破砕歯を超硬合金又はシリコン材で形成することにより、この破砕歯から多結晶シリコンに不純物が混入することが防止される。また、ロールの外周面(外表面)を覆う樹脂カバーを設けることにより、ロールの外周面上に多結晶シリコン塊が接触した場合でも、ロールの外周面が摩耗することがなく、不純物の発生が防止される。したがって、破砕される多結晶シリコン塊への不純物のコンタミが防止され、高品質の多結晶シリコンを得ることができる。
さらに、樹脂カバーに摩耗などが生じた場合には取り換えることで、破砕装置を長期にわたり良好に使用することができる。
また、本発明の多結晶シリコンの破砕装置において、一対の前記ロールの両端部に、両ロールの間に架け渡されるように前記ロールの軸線と直交して配置される一対の仕切り板が一定の間隔をおいて設けられており、前記仕切り板は、少なくとも表面が樹脂により形成されているとよい。
この場合、一対のロールと一対の仕切り板とで区画された限られた空間で多結晶シリコンが破砕されることにより、多結晶シリコンが他の部分へ接触することが防止されるので、多結晶シリコン塊への不純物のコンタミを確実に防止することができる。
さらに、本発明の多結晶シリコンの破砕装置において、前記破砕歯は、その先端面が球面状に形成されるとともに、側面が円柱面状に形成されているとよい。
破砕歯の先端面が球面状に形成されていることから、破砕歯の先端と多結晶シリコンとは点接触状態となり、また、その破砕歯の側面も円錐面状又は円柱面状に形成されているので、破砕歯の側面が多結晶シリコンに接触する際には線接触状態となる。したがって、破砕歯と多結晶シリコンとは点接触又は線接触状態となるから、多結晶シリコンが破砕歯により押しつぶされて微細粉が生じることが防止され、ロス率を低減することができる。
本発明の多結晶シリコン破砕物の製造方法は、前記破砕装置のいずれかを用いて多結晶シリコンの破砕物を製造することを特徴とする。
本発明によれば、ロールの回転によって多結晶シリコンを連続的に効率良く破砕することができ、また、破砕歯及びロール外表面からの多結晶シリコン塊への不純物のコンタミを防止して高品質の多結晶シリコンを得ることができる。
本発明に係る多結晶シリコンの破砕装置の一実施形態を示す一部を透視した斜視図である。 図1の破砕装置におけるロール表面の斜視図である。 図1の破砕装置に取り付けられている破砕歯ユニットを背面から見た斜視図である。 複数個並んだ状態の破砕歯ユニットの斜視図である。 破砕歯の斜視図である。 ロールの対向部における位置関係を説明する正面図である。 破砕歯ユニットに樹脂カバーを被せた状態を示す要部の斜視図である。 多結晶シリコンのロッドを破砕して塊状としたものを示す模式図である。
以下、本発明に係る多結晶シリコンの破砕装置及びその破砕装置を用いた多結晶シリコン破砕物の製造方法の実施形態を図面を参照しながら説明する。
第1実施形態の破砕装置1は、図1に示すように、ハウジング2内に二つのロール3がその回転軸線4を水平方向に向けて平行に配置されており、両ロール3の外周面に高さの異なる複数の破砕歯5が半径方向外方に向けて突設されている。この場合、各ロール3の外周面は、図2に示すように、均一な円弧面ではなく、軸方向に沿う長尺な平坦面6を周方向に連結して構成された多面体状に形成されており、各平坦面6の両端部にねじ穴7が設けられ、これら平坦面6に、破砕歯ユニット8が一つずつ固定されている。
破砕歯ユニット8は、図3及び図4に示すように、ロール3の平坦面6に当接する短冊状の固定カバー11と、この固定カバー11に取り付けられる複数個の破砕歯5とから構成されている。
破砕歯5は、超硬合金又はシリコン材により、図5に示すように、柱状部13とその基端部で拡径する若干の厚さのつば部14とが一体に形成された形状とされている。柱状部13は、その先端面15が球面状に形成されるとともに、側面16が円柱面状に形成されている。つば部14は、円形板の両側部を柱状部13の長手方向と平行に切除した形状とされ、その切除した部分により、平面部17が180°反対向きに形成されている。
また、固定カバー11は、ロール3の平坦面6と同じ幅、長さの短冊状に形成され、その長手方向に相互間隔をおいて破砕歯固定孔21が貫通状態に形成され、両端部にねじ挿通孔22が形成されている。これら破砕歯固定孔21は、図3に示すように、固定カバー11の厚さの半分までが破砕歯5の柱状部13の側面16に対応した断面円形の嵌合孔23とされ、残りの半分が破砕歯5のつば部14に対応して平面部24を有する拡径部25とされている。そして、破砕歯5は、固定カバー11の嵌合孔23に柱状部13を嵌合した状態でつば部14が拡径部25に嵌合し、固定カバー11の平面部24とつば部14の平面部17とが当接することにより、固定カバー11に回り止めされた状態に保持される。
この場合、この固定カバー11は拡径部25をロール3表面に向け、嵌合孔23から破砕歯5の柱状部13を突出させた状態として、ロール3の各平坦面6に重ねられ、その両端部がねじ26によりロール表面に固定される。
また、各破砕歯ユニット8は、隣接する破砕歯ユニット8の破砕歯5がロール3の周方向に連続して並ばないように、図4及び図6に示すように、破砕歯5が千鳥状に配列した状態に取り付けられる。
一方、両ロール3の間では、図6に示すように、その対向部(両ロールの破砕歯5どうしが最も近接する位置)において両ロール3の破砕歯5の先端面15どうしが対向するように配置される。
なお、この図6においては、千鳥状に配列されている破砕歯5のうち、同一円周上に配置される一列の破砕歯5を実線で示し、他の列の破砕歯5を二点鎖線で示している。
そして、この実施形態では、破砕後の多結晶シリコンの塊(多結晶シリコン破砕物)の大きさとして、最大辺の長さが5〜60mmのものを得るようにしており、その大きさの塊を得るために、各破砕歯5は、柱状部13の直径Dが10〜14mm、図6に示す固定カバー11の表面から破砕歯5の先端までの突出高さHが20〜30mmとされるとともに、隣接する破砕歯5どうしの間隔Lが11〜35mmとされている。また、両ロール3の対向部において、破砕歯5の先端面15どうしの対向距離Gが5〜30mmに設定される。
そして、ロール3の外周面を形成するようにして複数並べられた固定カバー11の表面には、図7に示すように、破砕歯5及びねじ26を挿通する多数の孔43,44を形成したポリプロピレン等からなる樹脂カバー45が、固定カバー11の上からロール3の外周面を覆うように設けられている。樹脂カバー45は、ロール3の外周面を一周分覆い得るシート状に形成されており、孔43に破砕歯5の柱上部13を挿通させた状態で巻き付けられ、固定カバー11とともにねじ26によってロール3の表面に固定される。
また、両ロール3を収容したハウジング2は、コンタミ防止のため、ポリプロピレン等の樹脂製とされ、あるいは金属製のハウジングの内面にテトラフルオロエチレンのコーティングをしたものが用いられる。
ハウジング2内には、両ロール3の両端部にロール3の軸線4と直交して配置される一対の仕切り板31がハウジング2の内壁面との間に一定の間隔をおいて平行に設けられている。これら仕切り板31は、ハウジング2に固定されており、両ロール3の半分以上を係合するように、ロール3の直径よりも若干大きい径の円弧状にくり抜いた2個の切欠32が形成され、これら切欠32内に各ロール3の両端部を係合した状態で、両ロール3の間に架け渡されるように配置されている。この仕切り板31をロール3に係合した状態では、仕切り板31の切欠32の内周面とロール3の外周面との間には、ロール3の回転を阻害しない程度に若干の隙間が形成され、また、ロール3の両端部に設けられている破砕歯ユニット8固定用のねじ26が仕切り板31の外側方に配置され、両仕切り板31がロール3の対向部からその上下の空間を挟んだ状態としている。そして、これら仕切り板31に挟まれた空間が多結晶シリコン破砕空間33とされ、ハウジング2の上面には、その破砕空間33の真上に配置されるように投入口34が設けられる。これら仕切り板31も、ハウジング2と同様にポリプロピレン等の樹脂製、あるいは金属製のものにテトラフルオロエチレンのコーティングをしたものが用いられる。
なお、このハウジング2には、両ロール3を回転駆動するギヤボックス(図示略)等が備えられ、ギヤボックスには排気装置(図示略)が接続されて、ハウジング2及びギヤボックスの内部空間が排気されるようになっている。
このように構成した破砕装置1を用いて多結晶シリコン破砕物を製造する場合、両ロール3を回転させた状態で、ハウジング2の投入口34から両仕切り板31の間の多結晶シリコン破砕空間33に予め粗く破砕した適宜の大きさの多結晶シリコンを投入すると、両ロール3の破砕歯5の間で多結晶シリコンがさらに破砕されて塊状に細分化される。
このとき、各破砕歯5は、その先端面15が球面状に形成されているので、この先端面15と多結晶シリコンとは点接触となり、また、柱状部13の側面16が円柱面状に形成されているので、この側面16と多結晶シリコンとは点接触又は線接触となる。このため、多結晶シリコンに対して破砕歯5は点接触又は線接触状態で衝撃を付加するので、多結晶シリコンを面で押しつぶすようなことはない。
両ロール3の両端部上に配置されている仕切り板31は、その間で破砕される多結晶シリコンの塊がハウジング2の内壁面とロール3の端面との間に侵入してつぶされることを防止しており、多結晶シリコンの塊を確実に両ロール3の間で破砕して下方に通過させることができる。
したがって、この破砕装置1では多結晶シリコンを所望の大きさの塊に破砕することができ、微細粉の発生を防止して、ロス率を低減することができる。
また、この破砕装置1においては、破砕歯5を超硬合金又はシリコン材によって形成しているので、この破砕歯5から多結晶シリコンに不純物が混入することが防止される。
さらに、ロール3の外周面(外表面)は、樹脂カバー45により覆われているため、ロール3の外周面上に多結晶シリコン塊が接触した場合でも、ロール3の外周面が摩耗することがなく、不純物の発生が防止される。また、樹脂カバー45によって破砕歯ユニット8の固定カバー11どうしの間に形成される若干の隙間g(図7参照)も覆うことができ、破砕粉等が隙間gに付着することが防止される。なお、樹脂カバー45に摩耗等が生じた場合にも、この樹脂カバー45は容易に取り換え可能であるので、破砕装置を長期にわたり良好に使用することができる。
一方、破砕歯ユニット8を固定するねじ26は一般には金属製のものが用いられるが、このねじ26は仕切り板31により多結晶シリコン破砕空間33の外方に配置されているため、多結晶シリコンに接触することがなく、多結晶シリコン破砕空間33を囲む仕切り板31、ハウジング2がポリプロピレン等の樹脂製とされ、あるいはテトラフルオロエチレンのコーティングがなされているので、破砕途中の多結晶シリコンに不純物が混入することが防止される。
したがって、この破砕装置1によれば、多結晶シリコン塊への不純物のコンタミが防止され、半導体原料用の多結晶シリコンとして高品質のものを得ることができる。
さらに、本実施形態においては、個々の破砕歯5を固定カバー11により保持して破砕歯ユニット8を構成し、この破砕歯ユニット8をロール3の表面に固定しているので、一部の破砕歯5に欠損等が生じたとしても、その欠損が生じた破砕歯5のみを交換すればよく、その場合、破砕歯ユニット8はねじ止めによりロール3に固定されているとともに、破砕歯5は固定カバー11の破砕歯固定孔21に嵌合されているだけであり、その交換作業も容易である。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記実施形態では破砕歯の柱状部の側面を円柱面状に形成したが、円錐面状に形成してもよく、また、先端部分を球面の先端面に連続する円錐面状にし、基端部分を円柱面状にした組み合わせの形状としてもよい。
また、一実施形態で説明した破砕歯の対向間隔等の諸寸法は、必ずしもこれに限定されるものではない。
1 破砕装置
2 ハウジング
3 ロール
4 回転軸線
5 破砕歯
6 平坦面
7 ねじ穴
8 破砕歯ユニット
11 固定カバー
13 柱状部
14 つば部
15 先端面
16 側面
17 平面部
21 破砕歯固定孔
22 ねじ挿通孔
23 嵌合孔
24 平面部
25 拡径部
26 ねじ
31 仕切り板
32 切欠
33 多結晶シリコン破砕空間
34 投入口
43,44 孔
45 樹脂カバー

Claims (4)

  1. 平行な軸線周りに互いに逆回転する一対のロール間に塊状の多結晶シリコンを挟み込んで破砕する多結晶シリコンの破砕装置であって、前記ロールの外周面上に超硬合金又はシリコン材によって形成された複数の破砕歯が半径方向外方に突出して設けられており、前記ロールに前記破砕歯を挿通させた状態で巻き付けられて、前記ロールの外周面を覆う樹脂カバーが設けられていることを特徴とする多結晶シリコンの破砕装置。
  2. 一対の前記ロールの両端部に、両ロールの間に架け渡されるように前記ロールの軸線と直交して配置される一対の仕切り板が一定の間隔をおいて設けられており、前記仕切り板は、少なくとも表面が樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1記載の多結晶シリコンの破砕装置。
  3. 前記破砕歯は、その先端面が球面状に形成されるとともに、側面が円柱面状に形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の多結晶シリコンの破砕装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の多結晶シリコンの破砕装置を用いて多結晶シリコンの破砕物を製造することを特徴とする多結晶シリコン破砕物の製造方法。
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