JP3115558B2 - 破砕機用切刃 - Google Patents

破砕機用切刃

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JP3115558B2 JP27229298A JP27229298A JP3115558B2 JP 3115558 B2 JP3115558 B2 JP 3115558B2 JP 27229298 A JP27229298 A JP 27229298A JP 27229298 A JP27229298 A JP 27229298A JP 3115558 B2 JP3115558 B2 JP 3115558B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃棄物等の処理物
を、外周に切刃部が突設された回転工具や、かかる回転
工具に隣接して設けられた固定刃とによって細かく破砕
処理する破砕機に用いられる破砕機用切刃に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】この種の破砕機としては、例えば特許第
2613362号公報に記載されているように、軸線回
りに回転駆動される工具本体の外周に切刃部を突設した
一の回転工具とこの回転工具に隣接して破砕機に固定さ
れた固定刃とを備え、上記回転工具の切刃部と固定刃と
の間で処理物を剪断して破砕する、いわゆる一軸式の破
砕機や、あるいは実開平4−78946号公報に記載さ
れているように、切刃部を軸線方向に互い違いにして逆
向きに回転させられる一対の回転工具を備え、これらの
回転工具の間で被処理物を破砕する、いわゆる二軸式の
破砕機が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、これらの破
砕機における回転工具や固定刃では、上記切刃部のすく
い面が上記軸線に平行な方向に配置されており、従って
このすくい面の辺稜部に形成される切刃も、この軸線に
平行な平面内に配置されることとなる。すなわち、上記
特許第2613362号に記載された一軸式の破砕機で
は、その回転工具の上記切刃部は、正方形平板状をなす
切刃チップが、その正方形をなす平板面をすくい面とし
て工具回転方向に向けて工具本体の外周に取り付けられ
ることにより構成されており、また、その固定刃の切刃
部も、正方形平板状の切刃チップがその平板面をすくい
面として上記回転工具の工具回転方向に対向する方向に
向けて水平に取り付けられて構成されたものであり、従
ってこれらの切刃部のすくい面とされる平板面の辺稜部
に位置する切刃は、工具本体の軸線に平行な平面内に配
置されることとなる。また、上記実開平4−78946
号公報に記載された二軸式の破砕機の回転工具では、そ
の切刃部は工具外周側かつ工具回転方向側に突き出す爪
状に形成されているが、そのすくい面は、工具本体の軸
線方向には該軸線に平行に延びるように形成されてお
り、従ってこのすくい面の工具外周側に形成される切刃
も上記軸線に平行に形成されることとなる。
【0004】ところが、このように切刃が工具本体の軸
線に平行に形成されていると、切刃部が処理物を破砕す
る際には、上記切刃がその全長に亘って一度に処理物に
食いついてしまうこととなるため、切刃部に衝撃的な負
荷が作用することが避けられず、この切刃部の刃先部分
に欠けが生じてしまったりするおそれがある。また、こ
の切刃に連なる上記すくい面も工具本体の軸線に平行に
延びるように形成されていると、切刃が食いついた後に
切刃部が処理物に切り込まれる際、このすくい面が軸線
方向に亘って全面で処理物に接触してしまうため、切刃
部に作用する抵抗の増大を招くこととなり、これにより
回転工具を回転駆動するのに大きな駆動力を要したり、
固定刃に大きな負荷を与えたりする結果となる。
【0005】本発明は、このような事情を鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、上述のような破砕
機の回転工具や固定刃における破砕機用切刃において、
その切刃部の刃先の欠けを防ぐとともに、切刃部に作用
する抵抗の低減を図ることが可能な切刃形状を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決して、こ
のような目的を達成するために、本発明は、まず第1
に、破砕機に装着されて軸線回りに回転される工具本体
の外周に切刃部を突設し、この切刃部の工具回転方向を
向くすくい面を、上記軸線方向における両端部から中央
部側に向かうに従い工具回転方向に向けて凸となる凸曲
面状に形成したことを特徴とする。従って、このように
切刃部のすくい面が凸曲面状に形成されることにより、
このすくい面の工具外周側の辺稜部に形成される切刃
も、その上記軸線方向の両端部から中央部側に向かうに
従い工具回転方向に向けて凸となる凸曲線状に形成され
ることとなり、このため該切刃が処理物に食いつく際に
は、最も工具回転方向に突き出すその中央部から両端部
に向けて徐々に処理物に食いついてゆくこととなるの
で、切刃に衝撃的な負荷が作用するのを避けることがで
きる。
【0007】また、このようにすくい面が凸曲面状に形
成されることにより、切刃部が処理物に切り込まれる際
にも、このすくい面はその軸線方向中央部側から両端部
側に向けて徐々に処理物に接触してゆくため、すくい面
に作用する抵抗の低減を図って工具の回転駆動力を抑え
ることができ、しかも、すくい面に角をなす部分がなく
なるので、かかる角部に欠けが生じたりするのを防止す
ることができる。ここで、このすくい面を、工具外周側
に向かうに従い工具回転方向側に向かうように傾斜させ
れば、処理物への切刃の食いつきを良好にして、より効
率的な破砕を図ることが可能となる。ただし、この場合
において、上記すくい面の傾斜角は30°以下に設定さ
れるのが望ましく、これよりも大きな傾斜となると切刃
の刃先角が小さくなりすぎて、却って切刃の欠けを招い
たりするおそれが生じる。
【0008】さらに、上述のようにすくい面が凸形状と
された切刃部を工具本体外周に突設するに際しては、こ
の切刃部を、平板状の切刃チップをその平板面を工具外
周側に向けて工具本体の外周に着脱可能に装着すること
により構成するのが望ましい。なお、この場合、上記平
板面の周りに配置される切刃チップの周面のうち工具回
転方向を向く部分が上記すくい面とされることとなり、
切刃チップとして例えば円板状のものを用いた場合に
は、そのすくい面は凸曲面を呈することとなる。しかる
に、このような切刃チップによって切刃部を構成した場
合には、切刃に摩耗や欠損が生じたりしても切刃チップ
を交換することによって容易に破砕性能を維持すること
ができるとともに、食いつきや切り込みの際に切刃部に
負荷の作用する工具回転方向に沿って切刃チップの寸法
の大きな部分が配置されるため、切刃部に高い剛性を確
保することができる。また、この場合、上記切刃チップ
を、カートリッジを介して上記工具本体の外周に装着す
れば、このカートリッジを切刃チップの形状に合わせた
ものに交換することにより、処理物の種類等に応じて一
つの工具本体に異なる形状の切刃チップを装着すること
ができる。
【0009】一方、本発明は、第2に、破砕機に軸線回
りに回転可能に装着された回転工具に隣接して該破砕機
に固定される切刃部を備え、上記回転工具との間で処理
物を破砕する破砕機用切刃であって、上記回転工具の工
具回転方向に対向する方向を向く上記切刃部のすくい面
を、上記軸線方向における両端部から中央部側に向かう
に従い上記工具回転方向に対向する方向に向けて凸とな
る凸曲面状に形成したことを特徴とするものであり、す
なわち、上述した一軸式の破砕機の固定刃における切刃
部においても、そのすくい面を凸形状とすることによ
り、上記第1の発明の回転工具の場合と同様に切刃への
衝撃的負荷やすくい面への抵抗を緩和することができ
る。また、この場合でも、上記切刃部を、平板状の切刃
チップをその平板面を上記回転工具側に向けて上記破砕
機に着脱可能に装着することにより構成したりすること
により、やはり第1の発明の場合と同様の作用効果を奏
することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1ないし図4は、本発明の第1
の実施形態を示すものであって、本発明を、上述した一
軸式の破砕機の回転工具の切刃に適用した場合を示すも
のである。すなわち、本実施形態においてその回転工具
の工具本体1は外形略円柱状をなし、図示されない破砕
機本体内にその中心軸線Oを水平にして配置され、やは
り図示されない回転駆動装置によって軸線O回りに工具
回転方向Tに回転させられる。そして、この工具本体1
の外周には、超硬合金やセラミックス、あるいはサーメ
ット等の硬質材料よりなる平板状の切刃チップ2がクラ
ンプネジ3によって取り付けられることにより、切刃部
4が多数突設されている。
【0011】ここで、本実施形態では上記切刃チップ2
は、図3に示すように円形をなす一対の平板面2a,2
aとこれらの平板面2a,2aに直交する円筒面状の周
面2bとを備え、この周面2bの幅が円形の平板面2a
の直径よりも小さくされた略円板状のものであって、上
記平板面2a,2aと周面2bとの交差稜線部には円周
状の切刃5,5がそれぞれ形成されている。なお、この
切刃5にはホーニングを施すようにしてもよい。そし
て、この切刃チップ2は、その一方の平板面2aを工具
外周側に向けるとともに上記周面2bの略1/2をすく
い面として工具回転方向T側に向け、上記平板面2aが
なす円の中心軸Xに沿って形成された取付孔2cに上記
クランプネジ3を挿通して工具本体1にねじ込むことに
より、該工具本体1に着脱可能に装着される。従って、
この切刃チップ2の工具回転方向T側を向く上記すくい
面は、工具本体1の上記軸線O方向における該すくい面
の両端部から中央部側に向かうに従い工具回転方向T側
に凸となる円筒面状をなすこととなり、これに伴い上記
一方の平板面2aの外周に形成された切刃5の工具回転
方向T側を向く半円状の部分も、その上記軸線O方向に
おける両端部5a,5aから中央部5b側に向かうに従
い工具回転方向T側に凸となるとともに工具外周側にも
突出するように配置されることとなる。
【0012】なお、上記工具本体1の外周面には、上記
切刃部4…が設けられる位置に、工具外周側を向く円形
の底面6aとこの底面6aの周縁から屹立して工具回転
方向T側を向く凹円筒面状の壁面6bとから画成される
チップ取付座6が形成されており、上記切刃チップ2
は、上記底面6aに他方の円形の平板面2aを着座させ
るとともに壁面6bに上記周面2bの工具回転方向Tの
後方側を向く部分を密着させて、このチップ取付座6に
嵌挿されるようにして取り付けられている。ただし、こ
うしてチップ取付座6に取り付けられた上記切刃チップ
2は、図2に示すようにその上記中心軸Xが、工具本体
1の上記軸線Oを含み、かつ上記平板面2aに垂直な方
向に延びる仮想平面Pに対し、この仮想平面Pよりも工
具回転方向T側に位置するか、あるいは該仮想平面P内
に含まれるように配置されており、従って上記切刃部4
においては、上記円周状の切刃5のうち、工具回転方向
T側を向く半円状の部分が、軸線O回りの回転軌跡にお
いて工具回転方向Tの後方側を向く半円状の部分よりも
工具内周側に位置することはない。
【0013】本実施形態では、このように切刃チップ2
を装着して構成された切刃部4が、図1および図2に示
すように工具本体1の軸線O方向に等しい間隔をあけて
複数配設され、さらにこうして配列された切刃部4…の
列が、工具本体1の周方向に等間隔に複数列配設されて
いる。ここで、各列において軸線O方向に隣り合う切刃
チップ2,2間の間隔は、個々の切刃チップ2の上記平
板面2aがなす円の直径よりも小さくされており、かつ
工具本体1の周方向に隣接する列同士では、軸線O方向
において一方の列の切刃チップ2,2同士の間に他方の
列の切刃チップ2が位置するように配置されていて、軸
線O回りの回転軌跡において上記切刃5…が軸線O方向
に連続するように配設されている。なお、本実施形態で
は、工具本体1に偶数列、より具体的には4列の軸線O
方向に延びる上記切刃部4…が突設されており、周方向
に一つおきの列に位置する切刃部4…は、互いに等しい
配列となるように設定されている。ただし、各切刃チッ
プ2…の軸線Oからの距離は、すべての切刃部4…にお
いて互いに等しく設定されている。
【0014】一方、上記破砕機本体内には、この回転工
具に隣接するようにして固定刃7が設けられている。こ
の固定刃7は、本実施形態では図4に示すように長方形
平板状をなすものであって、その一方の長方形面の一方
の長辺には切刃8が形成されており、この長方形面の他
方の長辺側に形成された取付孔7a…に挿通される図示
されない取付ネジにより、上記一方の長方形面が上向き
に上記工具回転方向Tと対向するように、かつ上記切刃
8が工具本体1の軸線Oと平行になるようにして、該工
具本体1の側方に水平に破砕機本体内に取り付けられて
いる。ただし、この固定刃7の上記切刃8と工具本体1
の軸線Oとの間の距離は、軸線Oから上記切刃部4…の
切刃5の上記中央部5bまでの距離よりも極僅かに大き
く設定されており、この切刃5の中央部5bの軸線Oの
回りの回転軌跡Lが固定刃7の切刃8と重なり合うこと
はない。
【0015】このように構成された破砕機において、廃
棄物等の処理物は、上記回転工具の工具本体1と固定刃
7との上方から該破砕機内に投入され、回転する工具本
体1の切刃部4…と固定刃7との間で破砕される。しか
るに、上記構成の回転工具においては、その切刃部4…
の工具回転方向Tを向くすくい面が、その上記軸線O方
向の両端部から中央部側に向かうに従い工具回転方向T
側に向けて凸となる円筒面、すなわち凸曲面状に形成さ
れており、これに伴い該すくい面の工具外周側の辺稜部
に形成される切刃5の工具回転方向T側を向く部分も、
その軸線O方向両端部5a,5aから中央部5bに向か
うに従い工具回転方向T側に凸となる半円状、すなわち
凸曲線状に形成されるので、この切刃5が処理物に食い
つく際には、最も工具回転方向T側に位置する上記中央
部5bから両端部5a,5aに向けて徐々に処理物に食
いついて該処理物を破砕して行くこととなる。
【0016】従って、上記回転工具の破砕機用切刃によ
れば、従来のように切刃5が一気に処理物に食いつくこ
とがないために該切刃5に衝撃的な負荷が作用すること
が避けられ、かかる衝撃的負荷によって切刃5に欠けが
生じたりするような事態を防止して、切刃部4の寿命の
延長、すなわち当該回転工具の寿命の延長を図ることが
できる。また、こうして切刃5が処理物に食いついた後
に、切刃部4が処理物に切り込まれて行く際にも、切刃
部4の工具回転方向T側を向くすくい面が上述のように
凸形状に形成されていることにより、このすくい面はそ
の軸線O方向中央部から両端部側に向けて徐々に処理物
に接触して切り込まれることとなるので、この切り込み
の際にすくい面に作用する抵抗の低減を図ることができ
る。このため、上記破砕機用切刃を備えた回転工具によ
れば、その工具本体1を回転駆動するための駆動力の低
減をも図ることができ、より効率的な廃棄物等の処理物
の破砕を促すことが可能となる。しかも、本実施形態で
は、上記切刃部4のすくい面が凸曲面とされて角となる
部分が形成されることがないので、このような角となる
部分において切刃部4に欠けが生じたりするような事態
を一層確実に防止することができる。
【0017】また、本実施形態では、このように切刃部
4を構成する切刃チップ2が、工具本体1の外周に形成
されたチップ取付座6にクランプネジ3によって着脱可
能に取り付けられており、従って長期の使用のうちに切
刃5が摩耗したり切刃チップ2が破損したりした場合に
は、該切刃チップ2を交換することによって速やかに元
の破砕性能を回復することが可能である。しかも、本実
施形態の切刃チップ2は円板状であるので、切刃5のう
ち工具回転方向T側を向く半円状の部分に摩耗が生じて
も、クランプネジ3を緩めて切刃チップ2をその中心軸
X回りに反転させることにより、工具回転方向Tの後方
側を向いていた切刃5の半円状の部分を使用することが
可能であり、さらに一対の円板面2a,2aに切刃5,
5が形成されているので、切刃チップ2を表裏反転させ
ることにより、両円板面2a,2aの切刃5,5を全周
に亘って満遍なく使いきることが可能となる。
【0018】さらに、本実施形態の円板状の切刃チップ
2のような平板状の切刃チップを、その平板面が工具外
周側を向くように工具本体1に取り付けることにより、
硬質材料よりなる当該切刃チップ2は、その寸法の大き
な部分が、処理物への食いつきの際の上記衝撃的負荷や
切り込みの際の抵抗が作用する工具本体1の周方向に向
けられて、工具本体1に取り付けられることとなる。こ
のため、本実施形態によれば、従来のように平板状の切
刃チップがその平板面を工具回転方向に向けて取り付け
られている場合に比べ、切刃部4に高い剛性を確保する
ことが可能となるので、これによっても切刃5に欠損が
生じたりするような事態を防止することができるととも
に、硬度の高い処理物に対してもこれを確実に破砕する
ことが可能となる。さらにまた、本実施形態では固定刃
7の切刃8が直線状であるので、当該固定刃7を製造す
る際の機械加工や切刃8の再研磨が容易であり、加工コ
ストの低減を図ることができるという利点も得られる。
【0019】ところで、この第1の実施形態では、上述
のように円形をなす平板面2a,2aとすくい面となる
周面2bとが直交する、いわゆるネガティブ形状の切刃
チップ2を工具本体1に取り付けて切刃部4を構成して
いるが、これに代えて、図5ないし図7に示す本発明の
第2の実施形態のように、いわゆるポジティブ型の切刃
チップ11を取り付けて切刃部4を構成するようにして
もよい。すなわち、この第2の実施形態における切刃チ
ップ11は、図7に示すようにその中心軸X方向に偏平
した円錐台状をなすものであって、円形をなす平板面1
1a,11bのうち大径の平板面11aと、これに鋭角
に交差する円錐面状をなす周面11cとの交差稜線部に
円周状の切刃12が形成されており、上記中心軸Xに沿
って挿通されたクランプネジ3により上記平板面11a
を工具外周側に向けて工具本体1の外周に着脱可能に装
着されている。ただし、この場合において上記切刃チッ
プ11は、その上記中心軸Xが工具本体1の軸線Oに直
交するように配置されている。また、第1の実施形態と
共通する他の部分には、同一の符号を配して説明を省略
する。
【0020】しかるに、このような切刃チップ11を装
着した第2の実施形態の破砕機用切刃においても、当該
切刃チップ11の周面11cのうち工具回転方向T側を
向いてすくい面とされる部分が、上記軸線O方向の両端
部から中央部側に向かうに従い工具回転方向T側に向け
て凸となるように形成されているとともに、上記切刃1
2のうち工具回転方向T側を向く部分も、その軸線O方
向両端部12a,12aから中央部12bに向かうに従
い工具回転方向T側に凸となる形状に形成されるので、
上記第1の実施形態と同様に、切刃12が処理物に食い
つく際の衝撃的負荷が緩和されて切刃12の欠け等が防
止されるとともに、切刃部4が切り込まれる際の抵抗の
低減が図られて工具本体1の回転駆動力の削減が促され
る。また、切刃チップ11が工具本体1に着脱可能とさ
れているので、やはり第1の実施形態と同様に、切刃チ
ップ11に摩耗や欠けが生じても、これを交換すること
によって速やかに元の破砕性能を回復できるとともに、
円周状の切刃12を全周に亘って満遍なく使いきること
ができる。
【0021】そして、この第2の実施形態においては、
切刃チップ11が円錐台状に形成されていて、その大径
となる平板面11aを工具外周側に向け、しかもその中
心軸Xを工具本体1の軸線Oに直交させて工具本体1の
外周に取り付けられているので、この切刃チップ11の
周面11cのうち工具回転方向T側を向いてすくい面と
される部分は、図6に示すように工具外周側に向かうに
従い工具回転方向T側に向かうように傾斜して配置され
ることとなる。従って、この第2の実施形態によれば、
上記切刃12に鋭い切れ味を与えることが可能となっ
て、処理物への切刃12の食いつきを良好にすることが
でき、これによって一層効率的な処理物の破砕を図るこ
とができる。なお、この場合において上記すくい面の傾
斜角は、上記軸線Oに直交する方向に対して最大でも3
0°以下に設定されるのが望ましく、すなわち本実施形
態においては、図6に示すように軸線O方向に見て切刃
12の上記中央部12bにおけるすくい面の中心軸Xに
対する傾斜角θが30°以下に設定されるのが望まし
い。これは、この傾斜角θが30°を上回るほど大きす
ぎると、切刃12の刃先角が小さくなりすぎて、却って
切刃12の欠けを招いたりするおそれがあるからであ
る。
【0022】一方、上記第1、第2の実施形態では、工
具本体1の外周に装着されて切刃部4を構成する切刃チ
ップとして上述のように円板状の切刃チップ2,11を
用いて、そのすくい面が軸線O方向の両端部から中央部
側に向かうに従い円筒面または円錐面をなして工具回転
方向T側に凸となるようにしているが、これを例えば楕
円状の凸曲面をなして工具回転方向T側に凸となるよう
に形成してもよい。また、上記第1、第2の実施形態で
は、工具本体1の外周に形成されたチップ取付座6に切
刃チップ2,11をクランプネジ3によって直接ネジ止
めして切刃部4を構成するようにしているが、例えばこ
れを、図8および図9に示すように、チップ取付座6が
形成されたカートリッジ13を工具本体1の外周に装着
し、このカートリッジ13を介して切刃チップ2を取り
付けて切刃部4を構成するようにしてもよい。しかる
に、このような構成を採った場合には、カートリッジ1
3の外形形状を統一しておくことにより、カートリッジ
13ごと切刃チップ2を交換することができ、破砕すべ
き処理物の種類などに応じて、これに適した切刃チップ
を選択してこれを容易に工具本体1に取り付けて破砕に
用いることが可能となる。
【0023】次に、図10ないし図13は、本発明の第
3の実施形態を示すものであり、上記第2の実施形態と
同様に、第1の実施形態と共通する部分には同一の符号
を配して説明を省略する。しかるに、この第3の実施形
態は、上記第1、第2の実施形態の固定刃7が長方形平
板状をなしてその一方の長方形面の長辺に切刃8が形成
されたものであったのに対し、固定刃21においてもす
くい面が凸曲面状となる破砕機用切刃を備えた切刃部2
2が設けられていることを特徴としている。すなわち、
この第3の実施形態の固定刃21は、回転工具の工具本
体1に隣接して該工具本体1の軸線Oに平行に破砕機本
体内に設けられた取付ステー23に、図12に示すよう
な長円形の平板状をなす上記切刃チップ24が該軸線O
方向に等間隔をあけて複数取り付けられることにより、
回転工具側に突出する上記切刃部22が構成されたもの
であり、互いに隣り合う切刃チップ24,24同士の間
隔は、回転工具の上記切刃チップ2の円形をなす平板面
2aの直径よりも極僅かに大きく設定されている。
【0024】ここで、この切刃チップ24は、上記切刃
チップ2と同様に超硬合金やセラミックス、サーメット
等の硬質材料より形成されたものであり、長円形をなす
一対の平板面24a,24aの両端の半円状の部分と、
これらの半円状の部分に直交する半円筒面状の周面24
b,24bとの交差稜線部には、それぞれ1/2円弧状
の切刃25…が形成されている。そして、各切刃チップ
24は、上記平板面24a,24aのうちの一方を回転
工具の工具本体1の軸線Oに平行にして該工具本体1側
に向けるとともに、上記周面24b,24bの一方を上
側に向け、かつこれら一方の平板面24aと一方の周面
24bとの交差稜線部に形成された切刃25の中央部2
5aを上記軸線Oと略同じ高さとして、上記平板面24
a,24aの中央にあけられた取付孔24cに挿通され
るクランプネジ26により上記取付ステー23に着脱可
能に取り付けられる。従って、上側を向けられた上記一
方の周面24bは、上記工具本体1の工具回転方向Tに
対向する方向に配置されることとなり、かつこの工具本
体1の軸線O方向においてその両端部から中央部側に向
かうに従い、円筒面状をなして上記工具回転方向Tに対
向する方向に突出させられることとなる。
【0025】一方、本実施形態においても上記工具本体
1の外周には、第1の実施形態と同様の切刃チップ2に
より構成される切刃部4が軸線O方向に配列された列
が、周方向に等間隔に4列配設されている。ただし、本
実施形態では、各列間で工具本体1の周方向に隣り合う
切刃チップ2…同士は、第1の実施形態とは異なり軸線
O方向に等しい位置に配設されており、かつ軸線O方向
に隣り合う切刃チップ2,2同士の間の間隔は、固定刃
21の上記切刃チップ24の平板面24aの短軸方向の
幅よりも極僅かに大きく設定されている。そして、本実
施形態では上記固定刃21は、図10に示すように軸線
O方向において隣り合う切刃チップ2…の間に上記切刃
チップ24…が位置するようにされ、かつ軸線Oに対す
る径方向においては、切刃チップ24の上記一方の平板
面24aが工具本体1の外周との間に極僅かな間隔をあ
けるようにして配設されている。なお、この固定刃21
の切刃チップ24の厚さは、工具本体1の切刃チップ2
の厚さ、すなわち上記周面2bの幅よりも大きくされ、
従ってこの切刃チップ2の切刃5の中央部5bが軸線O
回りになす上記回転軌跡Lと、上記取付ステー23との
間には、ある程度の、または僅かな間隔があけられるこ
ととなる。
【0026】このように構成された破砕機においても、
上記回転工具の工具本体1が軸線O回りに工具回転方向
Tに回転することにより、この回転工具の切刃部4…と
上記固定刃21との間で処理物が破砕される。このと
き、上記回転工具においては第1の実施形態と同様に、
その切刃部4を構成する切刃チップ2の周面2bのうち
工具回転方向T側を向いてすくい面とされる部分が工具
回転方向Tに円筒面状の凸曲面となるように形成されて
いる一方、上記固定刃21においても、その切刃部22
を構成する切刃チップ24のすくい面とされる周面24
bが、上記回転工具の工具本体1の軸線O方向に向けて
その両端部から中央部側に向かうに従い、該回転工具の
工具回転方向Tに対向する方向に凸となる円筒面状の凸
曲面に形成されているので、この切刃部22の切刃25
が処理物に食いつく際の衝撃的負荷が緩和されるととも
に、切刃部22が処理物に切り込まれる際の抵抗が低減
される。
【0027】従って、本実施形態によれば、この固定刃
21の切刃部22においてもその切刃25に欠けが生じ
たりするのを防ぐことができるとともに、該切刃部22
に処理物を切り込ませるための上記回転工具の回転駆動
力の低減を図ることができる。しかも、本実施形態にお
いても、切刃チップ24が破砕機本体側の取付ステー2
3に着脱可能に取り付けられているので、この切刃チッ
プ24に摩耗等が生じた場合でも、これを交換すること
によって速やかに破砕性能を回復することができる。な
お、本実施形態では、この固定刃21に備えられる切刃
チップ24として、上述のように長円形の平板状のもの
を採用しているが、これに代えて、例えば回転工具の工
具本体1外周に取り付けられるような円板状の切刃チッ
プ2を用いたりすることも可能である。
【0028】さらに、図14ないし図16は本発明の第
4の実施形態を示すものであって、本発明の破砕機用切
刃を二軸式の破砕機の回転工具に適用した場合を示すも
のである。すなわち、本実施形態においては、破砕機本
体内に一対の回転軸31,31が、その軸線Oを平行か
つ水平にして、互いに反対向きの工具回転方向Tに回転
可能に取り付けられており、これらの回転軸31,31
にキー32を介して略円盤状の刃体33…と円環状のス
ペーサ34…とが軸線O方向に交互に嵌挿されて一体に
回転可能に取り付けられることにより、回転工具の工具
本体35,35が構成されている。ここで、これらの工
具本体35,35では、上記刃体33とスペーサ34と
が軸線O方向に互い違いに取り付けられていて、スペー
サ34の軸線O方向の幅は刃体33の幅よりも極僅かに
大きくされるとともに、刃体33の外周には複数(本実
施形態では4つ)の切刃部36が周方向に等間隔に突設
されており、これらの切刃部36…は、各工具本体35
の外周に軸線Oに平行な列をなすように配設されるとと
もに、両工具本体35,35の間においては、一方の工
具本体35のスペーサ34の部分に他方の工具本体35
の刃体33が位置して、軸線O方向に沿った方向から見
て図15に示すように両工具本体35,35の刃体3
3,33の上記切刃部36,36同士が互いに重なり合
うように配設されている。
【0029】さらにまた、上記切刃部36は、図16に
示すように刃体33の外周面に工具回転方向T側に向か
うに従い工具外周側に凸曲しつつ漸次突出するように凸
部36aが一体に形成され、この凸部36aの工具回転
方向T側に、超硬合金やセラミックス、あるいはサーメ
ット等の硬質材料よりなる切刃チップ37が、工具外周
側から挿通されて刃体33にねじ込まれるクランプネジ
38によって着脱可能に取り付けられて構成されてい
る。そして、この切刃チップ37は、本実施形態ではそ
の上記凸部36a側の部分が該凸部36aの両側面およ
び外周面に面一に連なる略立方体状に形成されるととも
に、工具回転方向T側を向く周面37aは工具回転方向
T側に凸となる概略半円筒面状に形成されて、軸線O方
向両端部から中央部側に向かうに従い工具回転方向T側
に凸となるようにされており、しかもこの周面37aは
工具外周側に向かうに従い工具回転方向T側に向かうよ
うに傾斜して形成されていて、この切刃チップ37の周
面37aと工具外周側を向く側面37bとの交差稜線部
に切刃39が形成されている。
【0030】このように構成された二軸式の破砕機にお
いて、破砕されるべき処理物は破砕機本体の上方から上
記回転工具の工具本体35,35の間の部分に投入さ
れ、この間の部分において上方から見て互いに内向きに
回転する工具本体35,35の切刃部36…によって細
かく破砕される。しかるに、本実施形態によれば、かか
る二軸式の破砕機においても、工具本体35,35の外
周に突設された切刃部36…のすくい面とされる切刃チ
ップ37の上記周面37aが、上記軸線O方向の両端部
から中央部側に向かうに従い工具回転方向T側に凸とな
る略半円筒面状の凸曲面に形成されており、従ってその
工具外周側に形成される切刃39もその両端部から中央
部側に向かうに従い工具回転方向T側に凸となる半円弧
状の凸曲線に形成されるので、上記第1ないし第3の実
施形態と同様に処理物に切刃39が食いつく際の衝撃的
負荷が緩和されて欠け等の発生が防止されるとともに、
処理物に切刃部36が切り込まれる際の抵抗も低減さ
れ、工具本体35,35の回転駆動力の低減を図ること
ができる。
【0031】また、本実施形態でも、切刃部36のすく
い面とされる上記周面37aが工具外周側に向かうに従
い工具回転方向T側に向かって傾斜しているので、切刃
39の切れ味の向上を図ってより効率的な処理物の破砕
を促すことが可能となる。ただし、このすくい面とされ
る周面37aが上記軸線Oの径方向に対してなす傾斜角
θは、上記第2の実施形態の場合と同様に30°以下に
設定されるのが望ましい。さらに、本実施形態では、上
記切刃部36を構成する切刃チップ37がクランプネジ
38によって工具本体35の刃体33の外周に着脱可能
に取り付けられているので、該切刃チップ37に摩耗等
が生じたりしても、これを交換することによって速やか
に破砕性能を回復できるという利点も備えている。
【0032】さらにまた、図17ないし図20は、本発
明の第5の実施形態を示すものであって、上述した一軸
式の破砕機の固定刃のみに本発明を適用したものであ
る。すなわち、この第5の実施形態においてその回転工
具は、上述した特許第2613362号記載の一軸式破
砕機の回転工具のように、その工具本体1の外周に、正
方形平板状の切刃チップ41がその正方形状をなす平板
面41aをすくい面として工具回転方向T側に向けて取
り付けられるなどして、外周側に三角形状に凸となる切
刃42が工具本体1の軸線Oに平行な平面内に位置する
ように形成された4列の切刃部43…が周方向に等間隔
に設けられたものであり、周方向に隣り合う列同士の間
では、互いの切刃部43…が軸線O回りの回転軌跡にお
いて各切刃42の端部の位置を重ね合わせて軸線O方向
に等間隔に交互に配置されるようになされていて、これ
により切刃42…の回転軌跡は軸線O方向に複数の直角
二等辺三角形が並ぶ鋸刃状を呈することとなる。
【0033】一方、このような回転工具に隣接して設け
られる本実施形態の固定刃44は、本実施形態では図1
7に示されるように同形同大の複数の切刃部45…によ
って構成されたものであって、個々の切刃部45は、長
方形の一辺に直角二等辺三角形状の凸部が形成された5
角形の平板状をなしており、この5角形をなす一方の平
板面45aと該5角形の上記凸部に連なる周面45b,
45bとの交差稜線部には、平板面45aに対向する方
向から見て直角二等辺状をなす切刃46,46が形成さ
れている。なお、この固定刃44は、図19に示される
ように複数の切刃部45…が超硬合金やセラミックス、
あるいはサーメット等の硬質材料によって一体に形成さ
れた切刃チップ47より成るものであってもよいし、図
20に示すような単一の切刃部45を構成する切刃チッ
プ48を複数並べたものであってもよい。
【0034】本実施形態では、このような固定刃44の
切刃部45…が、上記一方の平板面45aをすくい面と
して上記回転工具の工具回転方向Tに対向する方向に向
けるとともに、上記周面45b,45bを回転工具の工
具本体1側に向け、かつ上記切刃46,46を、図17
に示すように回転工具の切刃42…の上記回転軌跡がな
す鋸刃状の直角二等辺三角形の間に極僅かな間隔をあけ
て互い違いに噛み合わせるようにして軸線Oに平行に水
平に並べられ、上記平板面45aの中央に貫設された取
付穴45cに挿通されるクランプネジ49により、破砕
機に設けられた取付ステー23に着脱可能に取り付けら
れている。そして、これらの切刃部45…のすくい面と
される上記平板面45aは、回転工具の工具本体1の軸
線O方向における両端部から中央部側に向かうに従い上
記工具回転方向Tに対向する方向に向けて凸となる形状
に形成されており、これに伴い上記切刃46,46も、
その軸線O方向における両端部46a,46aから両切
刃46,46同士が交差する中央部46b側に向かうに
従い上記工具回転方向Tに対向する方向に突出するよう
に配置される。
【0035】ここで、より具体的に本実施形態では、上
記平板面45aは、その両端部から中央部に向かうに従
い略半円筒面状の凸曲面をなすようにして凸となるよう
に形成されており、従って上記切刃46も上記周面45
b,45bに対向する方向から見て略半円弧状の凸曲線
をなすように形成されることとなる。また、本実施形態
の固定刃44は、図18に示すように上記回転工具の切
刃部43のすくい面となる平板面41aが固定刃44側
において水平となったときに、この平板面41aと上記
切刃46の中央部46bの高さとが略一致するように配
置されている。さらに本実施形態では、この固定刃44
の上方に押し込み装置50が備えられており、この押し
込み装置50は、固定刃44上を回転工具側に向けて進
退可能とされていて、回転工具と固定刃44との間に装
入された廃棄物等の処理物を回転工具側に押し出して破
砕するようになされている。
【0036】しかるに、このように構成された破砕機の
固定刃44においても、切刃部45のすくい面とされる
平板面45aが回転工具の工具回転方向Tに対向する方
向に凸となる凸曲面状に形成されていて、これに伴い切
刃46も工具回転方向T側に凸となる凸曲線状に形成さ
れるので、上記第3の実施形態の場合と同様に切刃部4
5の切刃46が処理物に食いつく際の衝撃的負荷が緩和
されるとともに、固定刃44の切刃部45に処理物が切
り込まれる際の抵抗が低減される。従って、本実施形態
によっても、かかる衝撃的負荷によって切刃46に欠け
が生じたりするのを防ぐことができるとともに、回転工
具の切刃42がその工具本体1の軸線Oに平行な平面内
に配置されたものであっても、固定刃44側で処理物の
切り込みの際の抵抗の低減が図られるので、破砕機とし
ての回転工具の回転駆動力を低減することが可能とな
る。
【0037】なお、この第5の実施形態に係わる破砕機
の回転工具では、上述のようにその切刃42…の軸線O
回りの回転軌跡が三角形の鋸刃状に形成されており、こ
れに合わせて上記固定刃44の切刃46も、その切刃部
45のすくい面とされる平板面45aに対向する方向か
ら見て、上記切刃42の回転軌跡がなす三角形鋸刃形状
に噛み合う三角形状に形成されているが、例えば図21
に示すように回転工具の切刃51…の軸線O回りの回転
軌跡が、軸線O方向に半円形が連続する鋸刃形状をなす
ような場合には、これに合わせて図21および図22に
示す本発明の第6の実施形態の固定刃52のように、そ
の切刃部53に形成される切刃54を、この切刃54の
すくい面とされる切刃部53の平板面53aに対向する
方向から見て、回転工具に対して半円状に凹む鋸刃形状
に形成するようにすればよい。なお、このような切刃部
53を構成するには、例えば図22に示す切刃チップ5
5のように上記平板面53aとの交差稜線部に上記切刃
54が形成される周面53b,53bを、それぞれ上記
平板面53aに対向する方向から見て1/4円弧状をな
すように凹ませて形成し、このような切刃チップ55を
複数並べて取り付けるようにすればよい。勿論、複数の
このような切刃チップ55…を並べたような切刃チップ
を一体形成して切刃部53としてもよい。
【0038】なお、上記第1ないし第4の実施形態にお
いては、その回転工具の工具本体1,35の外周に突設
される切刃部4,36を、クランプネジ3,38によっ
て工具本体1,35に着脱可能に装着される切刃チップ
2,11により構成するようにしているが、切刃部の工
具回転方向を向くすくい面が上記軸線方向における両端
部から中央部側に向かうに従い工具回転方向に向けて凸
となる形状に形成されていれば、工具本体に切刃部やす
くい面および切刃が一体に形成されていたり、あるいは
切刃部やすくい面および切刃が形成された刃先体が回転
軸に取り付けられて工具本体を構成していたりしてもよ
い。また、上記第3、第5、および第6の実施形態にお
いても、その固定刃21,44,52は、取付ステー2
3に切刃チップ24,47,48,55がクランプネジ
26,49によって着脱可能に装着されて切刃部22,
45,53が構成されているが、これについても、回転
工具の工具回転方向に対向する方向を向く固定刃の切刃
部のすくい面が、回転工具の軸線方向における両端部か
ら中央部側に向かうに従い上記工具回転方向に対向する
方向に向けて凸となる形状に形成されていれば、該切刃
部が固定刃に一体に形成されたものであっても構わな
い。また、切刃部4,22,36,45,53の数や配
列、あるいは周方向や軸線O方向の間隔などは、破砕機
の大きさや処理物の種類等に応じて適当に設定すること
が可能である。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の破砕機用
切刃によれば、処理物に切刃が食いつく際の衝撃的負荷
が緩和されて該切刃に欠け等が生じるのを防ぐことがで
きるので、回転工具や固定刃の切刃部の寿命の延長を図
ることができるとともに、処理物に切刃部が切り込まれ
る際の抵抗も低減されることにより、破砕機の回転工具
を駆動するための回転駆動力の低減を図ることができ、
従ってより効率的な処理物の破砕を促すことが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施形態を示す平面図であ
る。
【図2】 図1に示す実施形態を工具本体1の軸線O方
向に見た側面図である。
【図3】 図1に示す実施形態の回転工具に用いられる
切刃チップ2の拡大斜視図である。
【図4】 図1に示す実施形態の固定刃7の斜視図であ
る。
【図5】 本発明の第2の実施形態を示す平面図であ
る。
【図6】 図5に示す実施形態を工具本体1の軸線O方
向に見た側面図である。
【図7】 図5に示す実施形態の回転工具に用いられる
切刃チップ11の拡大斜視図である。
【図8】 カートリッジ13を介して切刃チップ2を取
り付けた場合の平面図である。
【図9】 カートリッジ13を介して切刃チップ2を取
り付けた場合の側面図である。
【図10】 本発明の第3の実施形態を示す平面図であ
る。
【図11】 図10に示す実施形態を工具本体1の軸線
O方向に見た側面図である。
【図12】 図10に示す実施形態の固定刃21に用い
られる切刃チップ24の斜視図である。
【図13】 図10に示す実施形態の固定刃21の斜視
図である。
【図14】 本発明の第4の実施形態を示す平面図であ
る。
【図15】 図14に示す実施形態を工具本体35,3
5の軸線O方向に見た側面図である。
【図16】 図14に示す実施形態の切刃部36の斜視
図である。
【図17】 本発明の第5の実施形態を示す平面図であ
る。
【図18】 図17に示す実施形態を工具本体1の軸線
O方向に見た側面図である。
【図19】 図17に示す実施形態の固定刃44に用い
られる切刃チップ47の斜視図である。
【図20】 図17に示す実施形態の固定刃44に用い
られる変形例の切刃チップ48の斜視図である。
【図21】 本発明の第6の実施形態を示す平面図であ
る。
【図22】 図21に示す実施形態の固定刃52に用い
られる切刃チップ55の斜視図である。
【符号の説明】
1,35 工具本体 2,11,24,37,47,48,55 切刃チップ 2a,11a,24a 切刃チップ2,11,24の平
板面 2b,11c,24b,37a 切刃チップ2,11,
24,37の周面(すくい面) 3,26,38,49 クランプネジ 4,22,36,45,53 切刃部 5,8,12,25,39,42,46,51,54
切刃 5a,12a,46a 軸線O方向における切刃の両端
部 5b,12b,25a,46b 軸線O方向における切
刃の中央部 7,21,44,52 固定刃 13 カートリッジ 45a,53a 切刃部46,53の平板面(すくい
面) O 工具本体1,35の軸線 T 工具本体1,35の工具回転方向 θ すくい面の傾斜角
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福田 努 岐阜県安八郡神戸町大字横井字中新田 1528番地 三菱マテリアル株式会社 岐 阜製作所内 (56)参考文献 実開 平7−31139(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B02C 18/00 - 18/44

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 破砕機に装着されて軸線回りに回転され
    る工具本体の外周に切刃部が突設されており、この切刃
    部の工具回転方向を向くすくい面が、上記軸線方向にお
    ける両端部から中央部側に向かうに従い工具回転方向に
    向けて凸となる凸曲面状に形成されていることを特徴と
    する破砕機用切刃。
  2. 【請求項2】 上記すくい面は、工具外周側に向かうに
    従い工具回転方向側に向かうように傾斜していることを
    特徴とする請求項1に記載の破砕機用切刃。
  3. 【請求項3】 上記すくい面の傾斜角が30°以下に設
    定されていることを特徴とする請求項2に記載の破砕機
    用切刃。
  4. 【請求項4】 上記切刃部は、平板状の切刃チップがそ
    の平板面を工具外周側に向けて上記工具本体の外周に着
    脱可能に装着されることにより構成されていることを特
    徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の破
    砕機用切刃。
  5. 【請求項5】 上記切刃チップは、カートリッジを介し
    て上記工具本体の外周に装着されることを特徴とする請
    求項4に記載の破砕機用切刃。
  6. 【請求項6】 破砕機に軸線回りに回転可能に装着され
    た回転工具に隣接して該破砕機に固定される切刃部を備
    え、上記回転工具との間で処理物を破砕する破砕機用切
    刃であって、上記回転工具の工具回転方向に対向する方
    向を向く上記切刃部のすくい面が、上記軸線方向におけ
    る両端部から中央部側に向かうに従い上記工具回転方向
    に対向する方向に向けて凸となる凸曲面状に形成されて
    いることを特徴とする破砕機用切刃。
  7. 【請求項7】 上記切刃部は、平板状の切刃チップがそ
    の平板面を上記回転工具側に向けて上記破砕機に着脱可
    能に装着されることにより構成されていることを特徴と
    する請求項6に記載の破砕機用切刃。
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