JP2003260378A5 - - Google Patents
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Description
【書類名】 明細書
【発明の名称】 破砕機および破砕方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被処理物を細片化する破砕機であって、
投入口(10)と排出口を備えており、内壁面に多数の固定刃体(16)を有する処理容器(1)と、
処理容器(1)内部に回転可能に設けられており、外周面に多数の移動刃体(21)を有する回転体(2)と、
回転体(2)を駆動する駆動装置(3,4)と、
を備えており、
各移動刃体(21)は、各固定刃体(16)の間を所定の隙間をもって通り抜けることにより回転移動できるように構成されていることを特徴とする、
破砕機。
【請求項2】 固定刃体(16)は処理容器(1)の両側面板(11,12)に設けられており、回転ドラム(2)を一方向に回転させた場合と逆方向に回転させた場合において同様の破砕処理ができるよう構成されていることを特徴とする、
請求項1記載の破砕機。
【請求項3】 被処理物を細片化したものを処理容器(1)外部へ送り出す送り出し装置(5)を備えていることを特徴とする、
請求項1または2記載の破砕機。
【請求項4】 移動刃体(21)は、回転体(2)の外周面に螺旋状に設けられていることを特徴とする、
請求項1、2または3記載の破砕機。
【請求項5】 駆動装置が、回転体(2)を油圧モーター(3)の回転軸で直接または間接的に支持して駆動する構造であることを特徴とする、
請求項1、2、3または4記載の破砕機。
【請求項6】 駆動装置が、油圧モータ(3)と回転軸受体(31)が一体となったものを含む構造であり、回転軸受体(31)は回転側である回転体(2)に固定され、油圧モーター(3)は固定側である処理容器(1)側に固定され、回転体(2)は回転軸受体(31)で直接駆動する構造であることを特徴とする、
請求項1、2、3または4記載の破砕機。
【請求項7】 長尺物を含む被処理物を細片化する破砕方法であって、
被処理物を回転体(2)の回転軸方向と本質的に平行にした状態で回転体(2)と接触させて保持しながら回転体(2)を回転させ、回転体(2)の外周部に設けられている移動刃(21)と保持部の壁部に設けてある固定刃(16)を移動刃(21)のタイミングをずらしながら協働させることにより被処理物を削って細片化することを特徴とする、
破砕方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、破砕機および破砕方法に関するものである。更に詳しくは、長く太い廃材も短時間で処理することができる、処理能力に優れた破砕機および破砕方法に関する。
【0002】
【従来技術】
産業廃棄物である建築物の廃材(建設廃材)、特に建築物を解体する際に生じる廃材は、以前はほとんどが焼却処理や埋め立て処理されていたが、環境保全の観点からこのような処理は次第に見直され、環境に悪影響を及ぼさないように、現在ではチップ化してパルプの材料としたりパーティクルボード等の建材をつくる等、さまざまな製品として再利用されている。
【0003】
廃材を細片化するために、破砕機やチッパーが使用されている。従来の一般的な破砕機やチッパーは、高速で回転する回転体に刃体を設けて、送り込まれる廃材を端部側から刃体で切削して細片化していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の破砕機やチッパーには、次のような課題があった。
すなわち、建築物の廃材である柱や梁等は通常は太く長いため、切削する際の抵抗が大きく、多くの破砕機では、廃材を縦割りにして細くしたり、長さもある程度短くする等、細片化するための前処理が必要であった。このため、処理作業に多大な手間がかかるので、作業効率が極めて悪かった。
また、処理作業にあたっては、廃材を一本ずつ長さ方向に送り込んで切削していたので、端部側から少しずつしか細片化することができず、この点も処理作業を効率化できない要因となっていた。
【0005】
(本発明の目的)
本発明の目的は、廃材が建築物の柱や梁等のように長く太い材であっても、短時間で破砕処理することができる、処理能力に優れた破砕機及び破砕方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために講じた本発明の手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、
被処理物を細片化する破砕機であって、
投入口と排出口を備えており、内壁面に多数の固定刃体を有する処理容器と、
処理容器内部に回転可能に設けられており、外周面に多数の移動刃体を有する回転体と、
回転体を駆動する駆動装置と、
を備えており、
各移動刃体は、各固定刃体の間を所定の隙間をもって通り抜けることにより回転移動できるように構成されていることを特徴とする、
破砕機である。
【0007】
第2の発明にあっては、
固定刃体は処理容器の両側面板に設けられており、回転ドラムを一方向に回転させた場合と逆方向に回転させた場合において同様の破砕処理ができるよう構成されていることを特徴とする、
第1の発明に係る破砕機である。
【0008】
第3の発明にあっては、
被処理物を細片化したものを処理容器外部へ送り出す送り出し装置を備えていることを特徴とする、
第1または第2の発明に係る破砕機である。
【0009】
第4の発明にあっては、
移動刃体は、回転体の外周面に螺旋状に設けられていることを特徴とする、
第1、第2または第3の発明に係る破砕機である。
【0010】
第5の発明にあっては、
駆動装置が、回転体を油圧モーターの回転軸で直接または間接的に支持して駆動する構造であることを特徴とする、
第1、第2、第3または第4の発明に係る破砕機である。
【0011】
第6の発明にあっては、
駆動装置が、油圧モータと回転軸受体が一体となったものを含む構造であり、回転軸受体は回転側である回転体に固定され、油圧モーターは固定側である処理容器側に固定され、回転体は回転軸受体で直接駆動する構造であることを特徴とする、
第1、第2、第3または第4の発明に係る破砕機である。
【0012】
第7の発明にあっては、
長尺物を含む被処理物を細片化する破砕方法であって、
被処理物を回転体の回転軸方向と本質的に平行にした状態で回転体と接触させて保持しながら回転体を回転させ、回転体の外周部に設けられている移動刃と保持部の壁部に設けてある固定刃を移動刃のタイミングをずらしながら協働させることにより被処理物を削って細片化することを特徴とする、
破砕方法である。
【0013】
処理容器は、例えば、上部に投入口を備え、下部に排出口を備えた四角筒状に形成されるが、これに限定されるものではない。処理容器の側面板は、平板状であってもよいし、曲板状であってもよい。
側面板は、側面板そのものを強度的に十分な肉厚の金属板等で形成してもよいし、側面板の外面側に補強リブ等を設けて補強してもよい。
処理容器の投入口には、シュートを設けることもできる。
【0014】
回転体は、例えば円柱形状であるが、これに限定はされるものではなく、その他、断面六角形状等の多角形状でもよい。
【0015】
駆動装置は、例えば油圧モーター等、大きな動力が得られる油圧を利用した装置を使用するのが望ましいが、これに限定はしない。また、油圧モーターでも、バックホー等、油圧ショベル系掘削機の走行系を駆動する油圧モーターを使用するのがより望ましい。
【0016】
移動刃体は、回転体の回転によって回転移動する。移動刃体の形状、個数、配置については、特に限定されるものではなく、適宜設定されるものである。特に、移動刃体の配置については、螺旋状の他、例えば、オルゴールのドラムに設けられているピンのように一見ランダムな配置等、各刃体に無理がかからず、効率の良い処理ができれば特に限定しない。
【0017】
固定刃体は、移動刃体と協働して被処理物を破砕する。固定刃体の形状、個数、配置については、特に限定されるものではなく、適宜設定されるものである。
移動刃体と固定刃体は、廃材等の被処理物をより小さく細片化するためには、同じ形状にして互いの隙間をごく小さくするのが望ましいが、移動刃体と固定刃体を異なる形状とすることもできる。
【0018】
送り出し装置は、例えばベルトコンベヤ、スクリューコンベヤ等のコンベヤであるが、シュート等、他の構造のものを採用してもよい。
【0019】
(作用)
本発明に係る破砕機は、次のように作用する。
処理容器に投入口から廃材等の被処理物を所要量投入する。投入された被処理物は、処理容器内の回転体の上部にたまる。なお、処理容器が、一方向へ長い構造で、回転体がそれに対応して軸方向へ長い構造であれば、被処理物が建設廃材の柱や梁等の長いものであっても、前処理などする必要はなく、そのまま投入することができる。
【0020】
駆動装置によって回転体が駆動される。回転体は、被処理物を投入する前から駆動されている場合もある。
回転体の回転によって、移動刃体が回転移動し、被処理物は移動刃体によって処理容器の一方の側面板側へ寄せられる。そして、被処理物は、その全長にわたって移動刃体と固定刃体で噛み込まれ、表面側から削られ、または破砕されて細片化される。
このように、被処理物が建築物の柱や梁等のように長く太い材であっても、短時間で破砕処理することができる。
【0021】
細片化されたものは、処理容器の排出口を通り、処理容器外部へ排出される。
送り出し装置を備えたものは、細片化されたものを効率よく所定の場所に送り出すことができる。
【0022】
移動刃体が回転体の外周面に螺旋状に設けられているものは、移動刃体は固定刃体との間で被処理物を噛み込むときに一度に噛み込むことがなく、順次噛み込んでいくので、破砕処理に要する動力すなわち回転体を回転させるのに要する動力を平均化することができる。これにより、特に駆動系に無理な力が作用せず、機械の破損を防止することができる。
【0023】
駆動装置が、回転体を油圧モーターの回転軸で直接または間接的に支持して駆動する構造であるものは、エンジン駆動の場合とは相違して減速機が不要となり、更には回転軸で直接支える構造が可能になり、その場合は軸受も不要となるので、駆動系を簡易な構造にすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明を図面に示した実施の形態に基づき更に詳細に説明する。
図1は本発明に係る破砕機の実施の形態を示す斜視説明図、
図2は図1に示す破砕機の横断面説明図、
図3は図1に示す破砕機の回転ドラムの取り付け構造を表した縦断面説明図、
図4は移動刃体と固定刃体の構造を示す説明図である。
【0025】
破砕機Aは、処理容器1と、回転体である回転ドラム2と、駆動装置を構成する油圧モータユニット3および油圧制御ユニット4と、送り出し装置であるベルトコンベヤ5を備えている。
【0026】
処理容器1は、鉄製の材で枠組みされた架台6の上部に取り付けられている。
処理容器1は鉄板で形成されており、平面視で長方形状のほぼ筒状体に形成されている。
処理容器1の長手方向側の両側面板11、12は上部側の一部を除き垂直に設けられている。側面板11、12の外面側には、鉄板で形成された補強リブ板13が縦横に格子状に設けられている。これにより、側面板11、12に廃材等の被処理物を破砕処理するための十分な強度を持たせている。
【0027】
側面板11、12の上部側には、それぞれ斜面板110、120が設けられており、この部分がホッパーとなっている。
また、処理容器1の幅方向側の両側面板14、15は垂直に設けられており、この側面板14、15と上記斜面板110、120によって投入口10が形成されている。
【0028】
なお、側面板14、15の外側には外面板140、150がそれぞれ平行に設けられている。側面板14と外面板140の間、および側面板15と外面板150の間には、後で詳述する油圧モータユニット3を取り付けるための空隙部100が設けられ、上部は上面板142、152で塞がれている。
【0029】
処理容器1の下部は、長手方向の全長にわたり平面視長方形状に開口している。また、側面板11、12の下部には、全長にわたり斜面板111、121が設けられており、この部分が排出口を構成するシュートとなっている。
【0030】
側面板11、12の上下方向のほぼ中間部には、長手方向に多数の固定刃体16が同じ高さに所要間隔で設けられている。固定刃体16は鉄製で直方体状に形成されており、溶接により側面板11、12に固着されている。
【0031】
回転ドラム2は、鉄製で円筒形状である。回転ドラム2は、水平方向の直径線が固定刃体16の高さと同じになるようにして、側面板14、15間に油圧モータユニット3によって回転可能に軸支されている。
回転ドラム2の直径(移動刃体21を除く外径)は、側面板11、12に固着されて内方へ突出している固定刃体16の先端面との間に若干の隙間が設けられるように設定されている。
【0032】
回転ドラム2の外周面には、多数の移動刃体21が設けられている。移動刃体21は、鉄製で直方体状に形成されており、回転ドラム2の外周面に螺旋状に配置され、溶接により固着されている。
また、各移動刃体21の長手方向の位置は、回転ドラム2が回転したときに、各固定刃体16の間を若干のまたは所定の隙間をもって通り抜けることができる位置に設定されている。
なお、移動刃体21および固定刃体16の固着方法は、溶接に限定されるものではなく、後述する移動刃体21a、固定刃体16aと同様にボルトで着脱可能に固着してもよい。
【0033】
回転ドラム2の内周面のうち両端側には、全周にわたり円環状の取着フランジ22が固着されている。各取着フランジ22には、所要数の取着孔23が周方向に等間隔で設けられている。
【0034】
回転ドラム2は、上記したように側面板14、15にそれぞれ取り付けられている油圧モータユニット3によって軸支され、駆動される。
油圧モータユニット3は、本実施の形態では、油圧ショベル系掘削機の走行系を駆動する油圧モータユニットと同様のものを採用している。
【0035】
油圧モータユニット3は、取着板34と、取着板34に固定されている油圧モータ30と、その回転軸(図では見えない)に固着されている回転軸受体31を備えている。回転軸受体31の外周面には円環状の取着フランジ32が設けられている。各取着フランジ32には、所要数の取着孔33が周方向に等間隔で設けられている。
【0036】
各油圧モータユニット3は、側面板14、15に設けた取着孔141(側面板15の取着孔は図では見えない)に回転軸受体31を貫通させ、回転軸受体31が処理容器1の内部に位置するようにして取着板34を側面板14、15にボルト109で固定している。
【0037】
上記回転ドラム2は、両端部を各油圧モータユニット3の回転軸受体31に嵌め入れ、回転ドラム2と回転軸受体31のそれぞれに設けられている取着フランジ22、32を取着孔23、33に通される連結部材25で固着して取り付けられている。
【0038】
このように、回転ドラム2は油圧モーターユニット3(または油圧モータ30)で直接駆動する構造であるので、エンジン駆動の場合とは相違して、構造的に減速機が不要となる。また、回転ドラム2は、回転軸受体31で直接支える構造となっているので、構造的に軸受も不要となる。これにより、駆動系を簡易な構造とすることができる。
【0039】
処理容器1の下方には、ベルトコンベヤ5が設けられている。ベルトコンベヤ5は、上部の搬送側が処理容器1の斜面板111、121の全長に対応し、更に排出下流側が処理容器1の端部から延長されるように設けられている。
【0040】
各油圧モータユニット3は、架台6に処理容器1の横に並設されている油圧制御ユニット4により操作・制御される。なお、油圧制御ユニット4については、その構成がディーゼルエンジン、コンプレッサ等を備えた一般的なものであるので、詳細な説明は省略する。なお、回転ドラム2は、油圧モータユニット3ではなく、油圧制御ユニット4を構成するディーゼルエンジンでチェーンやスプロケット等の伝達手段を介して駆動する構造を採用することもできる。
【0041】
(作 用)
図1ないし図4を参照して、本実施の形態に係る破砕機Aの作用を説明する。
(1)処理容器1に上部の投入口10から、廃材等の被処理物を所要量投入する。投入された被処理物は、処理容器1内の回転ドラム2の上部にたまる。なお、処理容器1は、一方向へ長い構造で、回転ドラム2もそれに対応して軸方向へ長い構造であるので、被処理物が建設廃材の柱や梁等の長いものであっても、前処理などする必要はなく、そのまま投入することができる。
【0042】
(2)油圧制御ユニット4を操作して油圧モータユニット3を駆動し、回転ドラム2を一方向へ回転させる。回転ドラム2の回転によって、移動刃体21が回転移動し、被処理物は各移動刃体21によって処理容器1の一方の側面板11(または側面板12)側へ寄せられる。
【0043】
(3)被処理物は、回転ドラム2が更に回転することによって、その全長にわたって各移動刃体21と各固定刃体16で噛み込まれ、表面側から削られ、または破砕されて細片化される。各移動刃体21は回転ドラム2の外周面に螺旋状に設けられているので、各移動刃体21は固定刃体16との間で被処理物を噛み込むときに一度に噛み込むことがなく、順次噛み込んでいくので、破砕処理に要する動力すなわち回転ドラム2を回転させるのに要する動力を平均化することができる。これにより、特に駆動系に無理な力が作用せず、機械の破損を防止することができる。
なお、被処理物の噛み込みによる負荷が大きすぎて回転ドラム2の回転が停止した場合は、逆方向に回転させれば、上記と同様に破砕処理ができる。つまり、回転ドラム2の回転方向の制御は、一方向に回転しているときに過負荷によって停止したら、逆方向に回転させるという、ごく単純な制御でよい。
【0044】
(4)被処理物が細片化されたものは、処理容器1下部の斜面板111、121を通り、作動しているベルトコンベヤ5の搬送部に落ち、処理容器1の外部へ送り出される。
このように、被処理物の一端側から削るのではなく、長手方向の全体を削っていくので、被処理物が建築物の柱や梁等のように長尺で太いものであっても、短時間での破砕処理が可能になる。
また、移動刃体21のタイミングをずらしながら固定刃体16と協働させることにより被処理物を削って細片化するので、被処理物は各移動刃体21と固定刃体16によって小さな範囲で削られることになり、より細かな細片化ができる。
【0045】
図5は移動刃体と固定刃体の他の構造を示す平面視説明図、
図6は図5に示す移動刃体と固定刃体の構造を示す斜視説明図である。
本実施の形態に係る移動刃体21aと固定刃体16aは鉄製であり、ほぼ同様の構造で直角三角柱状である。両刃体21a、16aの頂部を挟む両側の斜面101、102の二箇所には、取付面103と直角方向にボルト孔104が設けられている。斜面103、104には、ボルト孔104に通じる段部105が切欠して形成されている。
【0046】
移動刃体21aは、それぞれ二本のボルト106で回転ドラム2に設けられているネジ孔24に固着されている。
また、固定刃体16aは、それぞれ二本のボルト107で側面板11、12のネジ孔17に固着されている。
この構造によれば、移動刃体21aと固定刃体16aは着脱が可能であるので、各刃体21a、16aが摩耗したり損傷したりした場合の交換が容易にできる。
なお、移動刃体21aおよび固定刃体16aの固着方法は、ボルトによる固定に限定されるものではなく、上記した移動刃体21、固定刃体16と同様に溶接で固着してもよい。
このような移動刃体21aと固定刃体16aを備えた破砕機の作用については、上記破砕機Aとほぼ同様であるので、説明は省略する。
【0047】
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまで説明上のものであって限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示されている実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【0048】
【発明の効果】
本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(a)被処理物は、その全長にわたって移動刃体と固定刃体で噛み込まれ、表面側から削られ、または破砕されて細片化される。すなわち、被処理物が建築物の柱や梁等のように長く太い材であっても、短時間で破砕処理することができるので、従来の破砕機やチッパーと比べて作業効率がよく、処理能力に優れている。
【0049】
(b)固定刃体は処理容器の両側面板に設けられており、回転ドラムを一方向に回転させた場合と逆方向に回転させた場合において同様の破砕処理ができるよう構成されているものは、被処理物の噛み込みによる負荷が大きすぎて回転ドラムの回転が停止した場合は、逆方向に回転させれば、同様に破砕処理ができる。つまり、回転ドラムの回転方向の制御は、一方向に回転しているときに過負荷によって停止したら、逆方向に回転させるという、ごく単純な制御でよい。
【0050】
(c)送り出し装置を備えたものは、細片化されたものを効率よく所定の場所に送り出すことができる。
【0051】
(d)移動刃体が回転体の外周面に螺旋状に設けられているものは、移動刃体は固定刃体との間で被処理物を噛み込むときに一度に噛み込むことがなく、順次噛み込んでいくので、破砕処理に要する動力すなわち回転体を回転させるのに要する動力を平均化することができる。これにより、特に駆動系に無理な力が作用せず、機械の破損を防止することができる。
【0052】
(e)駆動装置が、回転体を油圧モーターの回転軸で直接または間接的に支持して駆動する構造であるものは、エンジン駆動の場合とは相違して減速機が不要となり、更には回転軸で直接支える構造が可能になり、その場合は軸受も不要となるので、駆動系を簡易な構造にすることができる。
【0053】
(f)本発明に係る破砕方法によれば、被処理物の一端側から削るのではなく、長手方向の全体を削っていくので、被処理物が長尺なものであっても、短時間での破砕処理が可能になる。
また、移動刃のタイミングをずらしながら固定刃と協働させることにより被処理物を削って細片化するので、被処理物は各移動刃と固定刃によって小さな範囲で削られることになり、より細かな細片化ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に係る破砕機の実施の形態を示す斜視説明図。
【図2】
図1に示す破砕機の横断面説明図。
【図3】
図1に示す破砕機の回転ドラムの取り付け構造を表した縦断面説明図。
【図4】
移動刃体と固定刃体の構造を示す平面視説明図。
【図5】
移動刃体と固定刃体の他の構造を示す平面視説明図。
【図6】
図5に示す移動刃体と固定刃体の構造を示す斜視説明図。
【符号の説明】
A 破砕機
1 処理容器
10 投入口
11、12 側面板
110、120 斜面板
111、121 斜面板
13 補強リブ板
14、15 側面板
140、150 外面板
141 取着孔
142、152 上面板
100 空隙部
16 固定刃体
2 回転ドラム
21 移動刃体
22 取着フランジ
23 取着孔
25 連結部材
3 油圧モータユニット
30 油圧モータ
31 回転軸受体
32 取着フランジ
33 取着孔
34 取着板
4 油圧制御ユニット
5 ベルトコンベア
6 架台
21a 移動刃体
16a 固定刃体
101、102 斜面
103 取付面
104 ボルト孔
105 段部
106 ボルト
24 ネジ孔
107 ボルト
17 ネジ孔
【発明の名称】 破砕機および破砕方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】 被処理物を細片化する破砕機であって、
投入口(10)と排出口を備えており、内壁面に多数の固定刃体(16)を有する処理容器(1)と、
処理容器(1)内部に回転可能に設けられており、外周面に多数の移動刃体(21)を有する回転体(2)と、
回転体(2)を駆動する駆動装置(3,4)と、
を備えており、
各移動刃体(21)は、各固定刃体(16)の間を所定の隙間をもって通り抜けることにより回転移動できるように構成されていることを特徴とする、
破砕機。
【請求項2】 固定刃体(16)は処理容器(1)の両側面板(11,12)に設けられており、回転ドラム(2)を一方向に回転させた場合と逆方向に回転させた場合において同様の破砕処理ができるよう構成されていることを特徴とする、
請求項1記載の破砕機。
【請求項3】 被処理物を細片化したものを処理容器(1)外部へ送り出す送り出し装置(5)を備えていることを特徴とする、
請求項1または2記載の破砕機。
【請求項4】 移動刃体(21)は、回転体(2)の外周面に螺旋状に設けられていることを特徴とする、
請求項1、2または3記載の破砕機。
【請求項5】 駆動装置が、回転体(2)を油圧モーター(3)の回転軸で直接または間接的に支持して駆動する構造であることを特徴とする、
請求項1、2、3または4記載の破砕機。
【請求項6】 駆動装置が、油圧モータ(3)と回転軸受体(31)が一体となったものを含む構造であり、回転軸受体(31)は回転側である回転体(2)に固定され、油圧モーター(3)は固定側である処理容器(1)側に固定され、回転体(2)は回転軸受体(31)で直接駆動する構造であることを特徴とする、
請求項1、2、3または4記載の破砕機。
【請求項7】 長尺物を含む被処理物を細片化する破砕方法であって、
被処理物を回転体(2)の回転軸方向と本質的に平行にした状態で回転体(2)と接触させて保持しながら回転体(2)を回転させ、回転体(2)の外周部に設けられている移動刃(21)と保持部の壁部に設けてある固定刃(16)を移動刃(21)のタイミングをずらしながら協働させることにより被処理物を削って細片化することを特徴とする、
破砕方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、破砕機および破砕方法に関するものである。更に詳しくは、長く太い廃材も短時間で処理することができる、処理能力に優れた破砕機および破砕方法に関する。
【0002】
【従来技術】
産業廃棄物である建築物の廃材(建設廃材)、特に建築物を解体する際に生じる廃材は、以前はほとんどが焼却処理や埋め立て処理されていたが、環境保全の観点からこのような処理は次第に見直され、環境に悪影響を及ぼさないように、現在ではチップ化してパルプの材料としたりパーティクルボード等の建材をつくる等、さまざまな製品として再利用されている。
【0003】
廃材を細片化するために、破砕機やチッパーが使用されている。従来の一般的な破砕機やチッパーは、高速で回転する回転体に刃体を設けて、送り込まれる廃材を端部側から刃体で切削して細片化していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の破砕機やチッパーには、次のような課題があった。
すなわち、建築物の廃材である柱や梁等は通常は太く長いため、切削する際の抵抗が大きく、多くの破砕機では、廃材を縦割りにして細くしたり、長さもある程度短くする等、細片化するための前処理が必要であった。このため、処理作業に多大な手間がかかるので、作業効率が極めて悪かった。
また、処理作業にあたっては、廃材を一本ずつ長さ方向に送り込んで切削していたので、端部側から少しずつしか細片化することができず、この点も処理作業を効率化できない要因となっていた。
【0005】
(本発明の目的)
本発明の目的は、廃材が建築物の柱や梁等のように長く太い材であっても、短時間で破砕処理することができる、処理能力に優れた破砕機及び破砕方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために講じた本発明の手段は次のとおりである。
第1の発明にあっては、
被処理物を細片化する破砕機であって、
投入口と排出口を備えており、内壁面に多数の固定刃体を有する処理容器と、
処理容器内部に回転可能に設けられており、外周面に多数の移動刃体を有する回転体と、
回転体を駆動する駆動装置と、
を備えており、
各移動刃体は、各固定刃体の間を所定の隙間をもって通り抜けることにより回転移動できるように構成されていることを特徴とする、
破砕機である。
【0007】
第2の発明にあっては、
固定刃体は処理容器の両側面板に設けられており、回転ドラムを一方向に回転させた場合と逆方向に回転させた場合において同様の破砕処理ができるよう構成されていることを特徴とする、
第1の発明に係る破砕機である。
【0008】
第3の発明にあっては、
被処理物を細片化したものを処理容器外部へ送り出す送り出し装置を備えていることを特徴とする、
第1または第2の発明に係る破砕機である。
【0009】
第4の発明にあっては、
移動刃体は、回転体の外周面に螺旋状に設けられていることを特徴とする、
第1、第2または第3の発明に係る破砕機である。
【0010】
第5の発明にあっては、
駆動装置が、回転体を油圧モーターの回転軸で直接または間接的に支持して駆動する構造であることを特徴とする、
第1、第2、第3または第4の発明に係る破砕機である。
【0011】
第6の発明にあっては、
駆動装置が、油圧モータと回転軸受体が一体となったものを含む構造であり、回転軸受体は回転側である回転体に固定され、油圧モーターは固定側である処理容器側に固定され、回転体は回転軸受体で直接駆動する構造であることを特徴とする、
第1、第2、第3または第4の発明に係る破砕機である。
【0012】
第7の発明にあっては、
長尺物を含む被処理物を細片化する破砕方法であって、
被処理物を回転体の回転軸方向と本質的に平行にした状態で回転体と接触させて保持しながら回転体を回転させ、回転体の外周部に設けられている移動刃と保持部の壁部に設けてある固定刃を移動刃のタイミングをずらしながら協働させることにより被処理物を削って細片化することを特徴とする、
破砕方法である。
【0013】
処理容器は、例えば、上部に投入口を備え、下部に排出口を備えた四角筒状に形成されるが、これに限定されるものではない。処理容器の側面板は、平板状であってもよいし、曲板状であってもよい。
側面板は、側面板そのものを強度的に十分な肉厚の金属板等で形成してもよいし、側面板の外面側に補強リブ等を設けて補強してもよい。
処理容器の投入口には、シュートを設けることもできる。
【0014】
回転体は、例えば円柱形状であるが、これに限定はされるものではなく、その他、断面六角形状等の多角形状でもよい。
【0015】
駆動装置は、例えば油圧モーター等、大きな動力が得られる油圧を利用した装置を使用するのが望ましいが、これに限定はしない。また、油圧モーターでも、バックホー等、油圧ショベル系掘削機の走行系を駆動する油圧モーターを使用するのがより望ましい。
【0016】
移動刃体は、回転体の回転によって回転移動する。移動刃体の形状、個数、配置については、特に限定されるものではなく、適宜設定されるものである。特に、移動刃体の配置については、螺旋状の他、例えば、オルゴールのドラムに設けられているピンのように一見ランダムな配置等、各刃体に無理がかからず、効率の良い処理ができれば特に限定しない。
【0017】
固定刃体は、移動刃体と協働して被処理物を破砕する。固定刃体の形状、個数、配置については、特に限定されるものではなく、適宜設定されるものである。
移動刃体と固定刃体は、廃材等の被処理物をより小さく細片化するためには、同じ形状にして互いの隙間をごく小さくするのが望ましいが、移動刃体と固定刃体を異なる形状とすることもできる。
【0018】
送り出し装置は、例えばベルトコンベヤ、スクリューコンベヤ等のコンベヤであるが、シュート等、他の構造のものを採用してもよい。
【0019】
(作用)
本発明に係る破砕機は、次のように作用する。
処理容器に投入口から廃材等の被処理物を所要量投入する。投入された被処理物は、処理容器内の回転体の上部にたまる。なお、処理容器が、一方向へ長い構造で、回転体がそれに対応して軸方向へ長い構造であれば、被処理物が建設廃材の柱や梁等の長いものであっても、前処理などする必要はなく、そのまま投入することができる。
【0020】
駆動装置によって回転体が駆動される。回転体は、被処理物を投入する前から駆動されている場合もある。
回転体の回転によって、移動刃体が回転移動し、被処理物は移動刃体によって処理容器の一方の側面板側へ寄せられる。そして、被処理物は、その全長にわたって移動刃体と固定刃体で噛み込まれ、表面側から削られ、または破砕されて細片化される。
このように、被処理物が建築物の柱や梁等のように長く太い材であっても、短時間で破砕処理することができる。
【0021】
細片化されたものは、処理容器の排出口を通り、処理容器外部へ排出される。
送り出し装置を備えたものは、細片化されたものを効率よく所定の場所に送り出すことができる。
【0022】
移動刃体が回転体の外周面に螺旋状に設けられているものは、移動刃体は固定刃体との間で被処理物を噛み込むときに一度に噛み込むことがなく、順次噛み込んでいくので、破砕処理に要する動力すなわち回転体を回転させるのに要する動力を平均化することができる。これにより、特に駆動系に無理な力が作用せず、機械の破損を防止することができる。
【0023】
駆動装置が、回転体を油圧モーターの回転軸で直接または間接的に支持して駆動する構造であるものは、エンジン駆動の場合とは相違して減速機が不要となり、更には回転軸で直接支える構造が可能になり、その場合は軸受も不要となるので、駆動系を簡易な構造にすることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
本発明を図面に示した実施の形態に基づき更に詳細に説明する。
図1は本発明に係る破砕機の実施の形態を示す斜視説明図、
図2は図1に示す破砕機の横断面説明図、
図3は図1に示す破砕機の回転ドラムの取り付け構造を表した縦断面説明図、
図4は移動刃体と固定刃体の構造を示す説明図である。
【0025】
破砕機Aは、処理容器1と、回転体である回転ドラム2と、駆動装置を構成する油圧モータユニット3および油圧制御ユニット4と、送り出し装置であるベルトコンベヤ5を備えている。
【0026】
処理容器1は、鉄製の材で枠組みされた架台6の上部に取り付けられている。
処理容器1は鉄板で形成されており、平面視で長方形状のほぼ筒状体に形成されている。
処理容器1の長手方向側の両側面板11、12は上部側の一部を除き垂直に設けられている。側面板11、12の外面側には、鉄板で形成された補強リブ板13が縦横に格子状に設けられている。これにより、側面板11、12に廃材等の被処理物を破砕処理するための十分な強度を持たせている。
【0027】
側面板11、12の上部側には、それぞれ斜面板110、120が設けられており、この部分がホッパーとなっている。
また、処理容器1の幅方向側の両側面板14、15は垂直に設けられており、この側面板14、15と上記斜面板110、120によって投入口10が形成されている。
【0028】
なお、側面板14、15の外側には外面板140、150がそれぞれ平行に設けられている。側面板14と外面板140の間、および側面板15と外面板150の間には、後で詳述する油圧モータユニット3を取り付けるための空隙部100が設けられ、上部は上面板142、152で塞がれている。
【0029】
処理容器1の下部は、長手方向の全長にわたり平面視長方形状に開口している。また、側面板11、12の下部には、全長にわたり斜面板111、121が設けられており、この部分が排出口を構成するシュートとなっている。
【0030】
側面板11、12の上下方向のほぼ中間部には、長手方向に多数の固定刃体16が同じ高さに所要間隔で設けられている。固定刃体16は鉄製で直方体状に形成されており、溶接により側面板11、12に固着されている。
【0031】
回転ドラム2は、鉄製で円筒形状である。回転ドラム2は、水平方向の直径線が固定刃体16の高さと同じになるようにして、側面板14、15間に油圧モータユニット3によって回転可能に軸支されている。
回転ドラム2の直径(移動刃体21を除く外径)は、側面板11、12に固着されて内方へ突出している固定刃体16の先端面との間に若干の隙間が設けられるように設定されている。
【0032】
回転ドラム2の外周面には、多数の移動刃体21が設けられている。移動刃体21は、鉄製で直方体状に形成されており、回転ドラム2の外周面に螺旋状に配置され、溶接により固着されている。
また、各移動刃体21の長手方向の位置は、回転ドラム2が回転したときに、各固定刃体16の間を若干のまたは所定の隙間をもって通り抜けることができる位置に設定されている。
なお、移動刃体21および固定刃体16の固着方法は、溶接に限定されるものではなく、後述する移動刃体21a、固定刃体16aと同様にボルトで着脱可能に固着してもよい。
【0033】
回転ドラム2の内周面のうち両端側には、全周にわたり円環状の取着フランジ22が固着されている。各取着フランジ22には、所要数の取着孔23が周方向に等間隔で設けられている。
【0034】
回転ドラム2は、上記したように側面板14、15にそれぞれ取り付けられている油圧モータユニット3によって軸支され、駆動される。
油圧モータユニット3は、本実施の形態では、油圧ショベル系掘削機の走行系を駆動する油圧モータユニットと同様のものを採用している。
【0035】
油圧モータユニット3は、取着板34と、取着板34に固定されている油圧モータ30と、その回転軸(図では見えない)に固着されている回転軸受体31を備えている。回転軸受体31の外周面には円環状の取着フランジ32が設けられている。各取着フランジ32には、所要数の取着孔33が周方向に等間隔で設けられている。
【0036】
各油圧モータユニット3は、側面板14、15に設けた取着孔141(側面板15の取着孔は図では見えない)に回転軸受体31を貫通させ、回転軸受体31が処理容器1の内部に位置するようにして取着板34を側面板14、15にボルト109で固定している。
【0037】
上記回転ドラム2は、両端部を各油圧モータユニット3の回転軸受体31に嵌め入れ、回転ドラム2と回転軸受体31のそれぞれに設けられている取着フランジ22、32を取着孔23、33に通される連結部材25で固着して取り付けられている。
【0038】
このように、回転ドラム2は油圧モーターユニット3(または油圧モータ30)で直接駆動する構造であるので、エンジン駆動の場合とは相違して、構造的に減速機が不要となる。また、回転ドラム2は、回転軸受体31で直接支える構造となっているので、構造的に軸受も不要となる。これにより、駆動系を簡易な構造とすることができる。
【0039】
処理容器1の下方には、ベルトコンベヤ5が設けられている。ベルトコンベヤ5は、上部の搬送側が処理容器1の斜面板111、121の全長に対応し、更に排出下流側が処理容器1の端部から延長されるように設けられている。
【0040】
各油圧モータユニット3は、架台6に処理容器1の横に並設されている油圧制御ユニット4により操作・制御される。なお、油圧制御ユニット4については、その構成がディーゼルエンジン、コンプレッサ等を備えた一般的なものであるので、詳細な説明は省略する。なお、回転ドラム2は、油圧モータユニット3ではなく、油圧制御ユニット4を構成するディーゼルエンジンでチェーンやスプロケット等の伝達手段を介して駆動する構造を採用することもできる。
【0041】
(作 用)
図1ないし図4を参照して、本実施の形態に係る破砕機Aの作用を説明する。
(1)処理容器1に上部の投入口10から、廃材等の被処理物を所要量投入する。投入された被処理物は、処理容器1内の回転ドラム2の上部にたまる。なお、処理容器1は、一方向へ長い構造で、回転ドラム2もそれに対応して軸方向へ長い構造であるので、被処理物が建設廃材の柱や梁等の長いものであっても、前処理などする必要はなく、そのまま投入することができる。
【0042】
(2)油圧制御ユニット4を操作して油圧モータユニット3を駆動し、回転ドラム2を一方向へ回転させる。回転ドラム2の回転によって、移動刃体21が回転移動し、被処理物は各移動刃体21によって処理容器1の一方の側面板11(または側面板12)側へ寄せられる。
【0043】
(3)被処理物は、回転ドラム2が更に回転することによって、その全長にわたって各移動刃体21と各固定刃体16で噛み込まれ、表面側から削られ、または破砕されて細片化される。各移動刃体21は回転ドラム2の外周面に螺旋状に設けられているので、各移動刃体21は固定刃体16との間で被処理物を噛み込むときに一度に噛み込むことがなく、順次噛み込んでいくので、破砕処理に要する動力すなわち回転ドラム2を回転させるのに要する動力を平均化することができる。これにより、特に駆動系に無理な力が作用せず、機械の破損を防止することができる。
なお、被処理物の噛み込みによる負荷が大きすぎて回転ドラム2の回転が停止した場合は、逆方向に回転させれば、上記と同様に破砕処理ができる。つまり、回転ドラム2の回転方向の制御は、一方向に回転しているときに過負荷によって停止したら、逆方向に回転させるという、ごく単純な制御でよい。
【0044】
(4)被処理物が細片化されたものは、処理容器1下部の斜面板111、121を通り、作動しているベルトコンベヤ5の搬送部に落ち、処理容器1の外部へ送り出される。
このように、被処理物の一端側から削るのではなく、長手方向の全体を削っていくので、被処理物が建築物の柱や梁等のように長尺で太いものであっても、短時間での破砕処理が可能になる。
また、移動刃体21のタイミングをずらしながら固定刃体16と協働させることにより被処理物を削って細片化するので、被処理物は各移動刃体21と固定刃体16によって小さな範囲で削られることになり、より細かな細片化ができる。
【0045】
図5は移動刃体と固定刃体の他の構造を示す平面視説明図、
図6は図5に示す移動刃体と固定刃体の構造を示す斜視説明図である。
本実施の形態に係る移動刃体21aと固定刃体16aは鉄製であり、ほぼ同様の構造で直角三角柱状である。両刃体21a、16aの頂部を挟む両側の斜面101、102の二箇所には、取付面103と直角方向にボルト孔104が設けられている。斜面103、104には、ボルト孔104に通じる段部105が切欠して形成されている。
【0046】
移動刃体21aは、それぞれ二本のボルト106で回転ドラム2に設けられているネジ孔24に固着されている。
また、固定刃体16aは、それぞれ二本のボルト107で側面板11、12のネジ孔17に固着されている。
この構造によれば、移動刃体21aと固定刃体16aは着脱が可能であるので、各刃体21a、16aが摩耗したり損傷したりした場合の交換が容易にできる。
なお、移動刃体21aおよび固定刃体16aの固着方法は、ボルトによる固定に限定されるものではなく、上記した移動刃体21、固定刃体16と同様に溶接で固着してもよい。
このような移動刃体21aと固定刃体16aを備えた破砕機の作用については、上記破砕機Aとほぼ同様であるので、説明は省略する。
【0047】
なお、本明細書で使用している用語と表現は、あくまで説明上のものであって限定的なものではなく、上記用語、表現と等価の用語、表現を除外するものではない。また、本発明は図示されている実施の形態に限定されるものではなく、技術思想の範囲内において種々の変形が可能である。
【0048】
【発明の効果】
本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(a)被処理物は、その全長にわたって移動刃体と固定刃体で噛み込まれ、表面側から削られ、または破砕されて細片化される。すなわち、被処理物が建築物の柱や梁等のように長く太い材であっても、短時間で破砕処理することができるので、従来の破砕機やチッパーと比べて作業効率がよく、処理能力に優れている。
【0049】
(b)固定刃体は処理容器の両側面板に設けられており、回転ドラムを一方向に回転させた場合と逆方向に回転させた場合において同様の破砕処理ができるよう構成されているものは、被処理物の噛み込みによる負荷が大きすぎて回転ドラムの回転が停止した場合は、逆方向に回転させれば、同様に破砕処理ができる。つまり、回転ドラムの回転方向の制御は、一方向に回転しているときに過負荷によって停止したら、逆方向に回転させるという、ごく単純な制御でよい。
【0050】
(c)送り出し装置を備えたものは、細片化されたものを効率よく所定の場所に送り出すことができる。
【0051】
(d)移動刃体が回転体の外周面に螺旋状に設けられているものは、移動刃体は固定刃体との間で被処理物を噛み込むときに一度に噛み込むことがなく、順次噛み込んでいくので、破砕処理に要する動力すなわち回転体を回転させるのに要する動力を平均化することができる。これにより、特に駆動系に無理な力が作用せず、機械の破損を防止することができる。
【0052】
(e)駆動装置が、回転体を油圧モーターの回転軸で直接または間接的に支持して駆動する構造であるものは、エンジン駆動の場合とは相違して減速機が不要となり、更には回転軸で直接支える構造が可能になり、その場合は軸受も不要となるので、駆動系を簡易な構造にすることができる。
【0053】
(f)本発明に係る破砕方法によれば、被処理物の一端側から削るのではなく、長手方向の全体を削っていくので、被処理物が長尺なものであっても、短時間での破砕処理が可能になる。
また、移動刃のタイミングをずらしながら固定刃と協働させることにより被処理物を削って細片化するので、被処理物は各移動刃と固定刃によって小さな範囲で削られることになり、より細かな細片化ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明に係る破砕機の実施の形態を示す斜視説明図。
【図2】
図1に示す破砕機の横断面説明図。
【図3】
図1に示す破砕機の回転ドラムの取り付け構造を表した縦断面説明図。
【図4】
移動刃体と固定刃体の構造を示す平面視説明図。
【図5】
移動刃体と固定刃体の他の構造を示す平面視説明図。
【図6】
図5に示す移動刃体と固定刃体の構造を示す斜視説明図。
【符号の説明】
A 破砕機
1 処理容器
10 投入口
11、12 側面板
110、120 斜面板
111、121 斜面板
13 補強リブ板
14、15 側面板
140、150 外面板
141 取着孔
142、152 上面板
100 空隙部
16 固定刃体
2 回転ドラム
21 移動刃体
22 取着フランジ
23 取着孔
25 連結部材
3 油圧モータユニット
30 油圧モータ
31 回転軸受体
32 取着フランジ
33 取着孔
34 取着板
4 油圧制御ユニット
5 ベルトコンベア
6 架台
21a 移動刃体
16a 固定刃体
101、102 斜面
103 取付面
104 ボルト孔
105 段部
106 ボルト
24 ネジ孔
107 ボルト
17 ネジ孔
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