JP3888247B2 - モータ駆動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば空調機器、燃焼用ファンモータを搭載した給湯機、空気清浄機ならびに複写機、プリンタ等の情報機器に使用されるブラシレスDCモータなどを駆動するのに好適なモータ駆動装置に関する。特に、モータ駆動コイルに連続的に変化する交番電流、より好ましくは概略正弦波状の電流を、同コイルに発生する逆誘起電圧との位相差が概略ゼロになるように流すことにより、最も効率良くモータの低トルクリップル、低振動、低騒音駆動が実現できる優れたモータ駆動装置を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば、空調機器、ならびに複写機、プリンタ等の情報機器などに用いられる各種駆動用モータは、長寿命、高信頼性、速度制御の容易さなどの長所を活かして、ブラシレスDCモータ(Brushless DC Motor)が用いられることが多い。
【0003】
図15は、前記従来のモータ駆動装置の回路構成図であり、図16は、図15に示す同装置におけるモータ回転角(電気角)に対する各部の信号波形図である。
【0004】
図15に示すように、一般的に、ブラシレスDCモータ(以下、単にモータと言う)の駆動装置においては、ロータ位置をホール素子などからなる複数個の位置検出素子901、903および905にて検出する。3相分配器890は、位置信号Hu、HvおよびHwを入力し、3相分配信号UH0、UL0、VH0、VL0、およびWH0、WL0を出力する。信号UH0、UL0、VH0、VL0、およびWH0、WL0は、パルス幅変調器(PWM変調器)840に入力され、速度設定器860の設定信号Sに応じたパルス幅を有する信号に変調される。パルス幅変調器840の出力は、ゲートドライバ830を介して給電器820を構成する6個のスイッチを順次オンまたはオフするように制御する。こうして、ステータに備えられた3相コイル811、813および815への給電は、図16に示す信号U,V,Wのように、ロータ位置に応じて順次切り換えられてモータは回転する。
【0005】
この場合、各相コイル端と中性点Nとの間に印加される電圧は、矩形波状信号となり、各相コイルの通電切り換えは、その矩形波状信号に応じて急峻に行われる。そのため、各相コイルを流れる相電流の切り換えも急峻なものになり、その結果、コイルが振動し、騒音を発生したり、電気ノイズを発生したりする原因になる。また通電相の切り換え周期に伴ったトルクリップルが発生し、これがモータを搭載する機器を振動させ、この振動が機器と共振して騒音が発生する原因になる。
【0006】
前記騒音や電気ノイズを低減するモータ駆動装置として、正弦波状の駆動波形により各相モータ駆動コイルを駆動するものが知られている。
【0007】
これについては、日本特許公開広報特開平6−233583号、特開平6−233584号、特開平6−233585号あるいは日本特許公報第2658085号に記載のものがある。これらの公報記載の駆動装置は、駆動用主磁界を検出する検出素子の検出出力と、それに基づいて形成されたアドレス信号とにより、メモリ記憶された概略正弦波状の駆動用波形を読み出してモータを駆動するというものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のモータ駆動装置においては、ロータの回転位置に対する駆動用波形、すなわち、各相コイルに印加される電圧波形は、前記メモリに記憶されたデジタル信号データにより一義的に決められている。そのため、コイルが例えばステータ鉄心に巻回したようなインダクタンスが比較的大きなモータを駆動するような場合、前記所定の駆動用電圧波形が各相コイルに印加された際に、その各相印加電圧に対する各相電流の位相遅れが大きくなる。
【0009】
このような各相電流の位相遅れが生じると、各相コイルに発生する逆誘起電圧との位相差も大きくなり、モータの発生トルクが低下する。つまり効率が低下する。一般にモータのトルクは、各相コイルの逆誘起電圧とこれに流れる相電流との位相差をφとすると、cosφに概略比例する。つまり、相電流と逆誘起電圧の位相差がゼロになるφ=0のとき、モータの発生トルクは最も効率良く出力されることになる。ところが、駆動コイルが有するインダクタンス成分の影響により、必ず相電流の位相遅れが発生し、前記位相差が生まれる。予めこの位相遅れを予想して、モータ駆動時の各相印加電圧が進み位相になるようにロータの位置検出器の機械的取付け位置をズラして設置する方法が考えられるが、電流の位相遅れの量は一定ではなく、負荷や回転数などによって変化する。このため、特定の負荷点で最高効率を得ることしかできない。
【0010】
このように相電流の位相遅れは、負荷や回転数などのモータ使用状況、また逆誘起電圧やインダクタンス、電気的時定数などのモータ自身の特性によって変化するため、常に前記位相差をゼロにして最高効率でモータを駆動することができないという課題があった。
【0011】
また、前記従来のモータ駆動装置においては、その従来例を示す回路構成図からも明らかなように、所定の駆動用波形が予め記憶されたメモリ、および、そのメモリの駆動用波形(デジタル信号)を読み出してモータを駆動するためのアナログ信号に変換するためのD/Aコンバータを必要とし、回路構成が複雑である。
【0012】
本発明は、前記課題を解決するもので、簡素な構成で各相駆動コイルに正弦波状の交番電流を流し、その交番電流と同コイルに発生する逆誘起電圧との位相差を常に概略ゼロとし、いかなるモータの使用状況においても、最高効率でモータを低トルクリップル、低振動、低騒音で駆動できる優れたモータ駆動装置を安価に提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明のモータ駆動装置は、3相の駆動コイルと、直流電源と、前記直流電源の正側または負側給電端子のうち一方の端子が接続される第 1 給電線路と、前記直流電源の正側または負側給電端子のうち他方の端子が接続される第2給電線路と、電気角を1周期とする駆動波形を前記各相コイルに各々対応して生成する駆動波形生成器と、前記駆動波形の位相を制御する進角制御器と、前記駆動波形をパルス幅変調した変調信号に基づいて前記各相コイルを前記第1給電線路もしくは前記第2給電線路に接続し、連続的に変化する交番電流にて前記各相コイルを駆動する給電器とを少なくとも備え、前記駆動波形生成器は、前記駆動波形の生成タイミングを、前記進角制御器からの進角操作信号の発生タイミングにより制御できるものであり、前記給電器は、前記3相駆動コイルのうち第2相コイルを前記第1給電線路に接続して第1相コイルおよび第3相コイルを前記第2給電線路に接続する第1接続状態と、前記第1相コイルおよび前記第2相コイルを前記第1給電線路に接続して前記第3相コイルを前記第2給電線路に接続する第2接続状態とを少なくとも成し得るものであり、前記進角制御器は、相電流比較器を含み、前記相電流比較器は、前記第1もしくは第2の給電線路に流れるコモン電流値を、前記第1および第2接続状態のうち一方の接続状態においてサンプリングし、他方の接続状態において、前記サンプリングしたコモン電流値とサンプリングしないコモン電流値との比較結果を抽出することにより、前記第1接続状態と前記第2接続状態との前記コモン電流値を比較するものであり、前記進角制御器は、前記第1相コイルに生じる逆誘起電圧のゼロクロス近傍において、前記相電流比較器による前記各接続状態でのコモン電流値の比較結果が概略同じになるように前記進角操作信号の発生タイミングを制御するものであり、前記進角制御器による前記進角操作信号の発生タイミング制御により、前記駆動波形生成器の駆動波形の生成タイミングを制御し、前記各相コイルの逆誘起電圧とこれに流れる交番電流の位相とを概略一致させる制御を行うようにしたものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明は、3相の駆動コイルと、直流電源と、前記直流電源の正側または負側給電端子のうち一方の端子が接続される第 1 給電線路と、前記直流電源の正側または負側給電端子のうち他方の端子が接続される第2給電線路と、電気角を1周期とする駆動波形を前記各相コイルに各々対応して生成する駆動波形生成器と、前記駆動波形の位相を制御する進角制御器と、前記駆動波形をパルス幅変調した変調信号に基づいて前記各相コイルを前記第1給電線路もしくは前記第2給電線路に接続し、連続的に変化する交番電流にて前記各相コイルを駆動する給電器とを少なくとも備え、前記駆動波形生成器は、前記駆動波形の生成タイミングを、前記進角制御器からの進角操作信号の発生タイミングにより制御できるものであり、前記給電器は、前記3相駆動コイルのうち第2相コイルを前記第1給電線路に接続して第1相コイルおよび第3相コイルを前記第2給電線路に接続する第1接続状態と、前記第1相コイルおよび前記第2相コイルを前記第1給電線路に接続して前記第3相コイルを前記第2給電線路に接続する第2接続状態とを少なくとも成し得るものであり、前記進角制御器は、相電流比較器を含み、前記相電流比較器は、前記第1もしくは第2の給電線路に流れるコモン電流値を、前記第1および第2接続状態のうち一方の接続状態に おいてサンプリングし、他方の接続状態において、前記サンプリングしたコモン電流値とサンプリングしないコモン電流値との比較結果を抽出することにより、前記第1接続状態と前記第2接続状態との前記コモン電流値を比較するものであり、前記進角制御器は、前記第1相コイルに生じる逆誘起電圧のゼロクロス近傍において、前記相電流比較器による前記各接続状態でのコモン電流値の比較結果が概略同じになるように前記進角操作信号の発生タイミングを制御するものであり、前記進角制御器による前記進角操作信号の発生タイミング制御により、前記駆動波形生成器の駆動波形の生成タイミングを制御し、前記各相コイルの逆誘起電圧とこれに流れる交番電流の位相とを概略一致させる制御を行うようにしたものである。
【0015】
あるいは、3相の駆動コイルと、直流電源と、前記直流電源の正側または負側給電端子のうち一方の端子が接続される第 1 給電線路と、前記直流電源の正側または負側給電端子のうち他方の端子が接続される第2給電線路と、電気角を1周期とする駆動波形を前記各相コイルに各々対応して生成する駆動波形生成器と、前記駆動波形の位相を制御する進角制御器と、前記駆動波形をパルス幅変調した変調信号に基づいて前記各相コイルを前記第1給電線路もしくは前記第2給電線路に接続し、連続的に変化する交番電流にて前記各相コイルを駆動する給電器とを少なくとも備え、前記給電器は、前記3相駆動コイルのうち第2相コイルを前記第1給電線路に接続して第1相コイルおよび第3相コイルを前記第2給電線路に接続する第1接続状態と、前記第1相コイルおよび前記第2相コイルを前記第1給電線路に接続して前記第3相コイルを前記第2給電線路に接続する第2接続状態と、第2相コイルおよび第3相コイルを前記第1給電線路に接続して第1相コイルを前記第2給電線路に接続する第3接続状態を少なくとも成し得るものであり、前記進角制御器は、前記第1接続状態と前記第2接続状態のときの前記第1もしくは第2の給電線路に流れるコモン電流値を比較し、前記第1相コイルに生じる逆誘起電圧のゼロクロス近傍において、前記各接続状態でのコモン電流値が概略同じになるように前記駆動波形の位相を制御する第1制御状態と、前記第3接続状態のときの前記第1もしくは第2の給電線路に流れるコモン電流値をゼロ値と比較し、前記第1相コイルに生じる逆誘起電圧のゼロクロス近傍において、前記第3接続状態でのコモン電流値が概略ゼロになるように前記駆動波形の位相を制御する第2制御状態とを選択し得るものであり、前記進角制御器は、前記駆動波形の位相制御の電気角度が前記駆動コイルの逆誘起電圧に対して概略30度以内である場合、前記第1制御状態を選択し、前記駆動波形の位相制御の電気角度が前記駆動コイルの逆誘起電圧に対して概略30度以上である場合、前記第2制御状態を選択して、前記各相コイルの逆誘起電圧とこれに流れる交番電流の位相とを概略一致させる制御を行うようにしたものである。
【0016】
また、進角制御器による駆動波形の位相制御を、電気角でn周期毎(nは1以上の整数)のタイミングで行うようにしてもよい。
【0017】
また、進角制御器による駆動波形の位相制御を、機械角でn周期毎(nは1以上の整数)のタイミングで行うようにしてもよい。
【0018】
また、進角制御器による駆動波形の位相制御を、電気角で1/m周期毎(mは2または3または6)のタイミングで行うようにしてもよい。
【0019】
さらには、進角制御器による駆動波形の位相制御を行うタイミングにおいて、コモン電流値の比較結果が、過去の同一タイミングと少なくとも2回以上連続して同じ結果となった場合、前記駆動波形の位相制御を行うようにしてもよい。
【0020】
また、進角制御器による駆動波形の位相制御を、可動子の駆動速度が所望の値以上のときに行うようにしてもよい。
【0021】
また、進角制御器による駆動波形の位相制御を、モータの負荷トルクが所望の値以上のときに行うようにしてもよい。
【0022】
これら構成により、本駆動装置は、優れた効率をもってモータを低トルクリップル、低振動、低騒音で駆動することができる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0024】
(実施例1)
図1において、U相、V相およびW相からなる3相の駆動コイル11、13および15は、次のようにして給電器20に接続されている。給電器20は、3つの電界効果トランジスタ(FET)21、23および25により上アームを構成し、トランジスタ22、24および26により下アームを構成している。U相コイル11の第1の端子は、トランジスタ21および22の接続点に接続され、V相コイル13の第1の端子は、トランジスタ23および24の接続点に接続され、W相コイル15の第1の端子は、トランジスタ25および26の接続点に接続されている。U相コイル11、V相コイル13およびW相コイル15のそれぞれの第2の端子は、互いに接続され中性点Nを成している。
【0025】
直流電源10は、正側給電端子を給電器20に接続し、その給電器20を介して前記3相コイルに電力を供給する。直流電源10の負側給電端子と給電器20とを結ぶ給電線路には、その線路を流れるコモン電流Icomを検出するためのコモン電流検出抵抗器27が挿入されている。
【0026】
位置検出器101、103および105は、ホール素子またはホールICなどで構成され、モータの可動子(図示せず。回転運動型のモータではロータ、リニア運動型のモータでは可動子、以降はロータとして説明する。)の各相駆動コイル11、13および15に対する位置を検出する。位置検出器101、103および105から出力されるそれぞれの位置検出信号Hu、HvおよびHwのうち、位置検出信号Huが駆動波形生成器80に入力される。駆動波形生成器80は、位置検出信号Huを1周期とし、互いに電気角で120度位相差を有する駆動波形信号U0、V0およびW0を各相駆動コイル11、13および15に対応して生成する。
【0027】
ここで駆動波形生成器80は、各構成要素81〜87により構成される。81は内挿器であり、位置検出信号Huが入力される。内挿器81は、U相位置検出信号の電気角1周期を、電気的に細かく分割した分割信号DIVを出力する。信号DIVは分周器82により分周され、位置カウンタ83に入力される。位置カウンタ83は、信号DIVをカウントすることで位置検出信号Huよりも更に細かなロータ位置検出信号を生成し、これをアドレス信号CSFとしてデコーダ84に出力する。85は選択器であり、アナログスイッチなどで構成される。選択器85は、直列抵抗87によって設定された各電圧レベルL0〜L9のいずれかを選択して駆動波形信号U0に、またいずれかを選択して駆動波形信号V0に、またいずれかを選択して駆動波形信号W0に出力する。ここで各電圧レベルL0〜L9の選択は、デコーダ84の出力信号によって行われる。デコーダ84の出力信号は、信号CSFの各アドレス信号の値に対応して生成される各相毎の駆動波形選択信号である。
【0028】
駆動波形生成器80によって生成される駆動波形信号U0、V0およびW0のうち、駆動波形信号U0の生成の様子を図2に示す。図2に示すように、駆動波形信号U0は電圧レベルL0〜L9を有した階段状波形である。信号V0、W0についても同様である。また駆動波形信号U0、V0およびW0は、図4に示すように、電気角で互いに120度の位相差を有している。これらの駆動波形信号U0、V0およびW0の波高値は、速度設定器100の出力信号Vspによって定められる。
【0029】
一方、3相分配器90は、互いに電気角で120度位相の異なる位置検出信号Hu、HvおよびHwを入力し、図3のAまたはBに示すような3相分配信号U1、V1およびW1を出力する。詳細な構成は図示していないが、3相分配信号U1、V1およびW1は、モータを起動する際に、内挿器81による位置検出信号Huの分割動作が安定して行われるまでの間の駆動波形信号として使用され、起動後は前記した駆動波形信号U0、V0およびW0を駆動波形としてモータが駆動されるように構成されている。
【0030】
駆動波形信号U0、V0およびW0は、コンパレータ41、43および45にそれぞれ入力され、三角波発生器47の出力である三角波信号CYと比較される。ここで、三角波信号CYは、パルス幅変調(PWM)におけるいわゆるキャリア信号である。その周波数は一般的に数kHZ〜数100kHz程度に設定されるものであり、駆動波形信号U0、V0およびW0の周波数に比べかなり高い。
【0031】
オンディレィ40は、PWM変調に際して、給電器20を構成する上アームトランジスタ21,23および25と下アームトランジスタ22、24および26との同時導通を防止する目的で設けられている。
【0032】
ゲートドライバ30は、バッファ31、32、33、34、35および36を備えている。
【0033】
コンパレータ41の出力信号は、オンディレィ40を介した後、信号G1Hとしてバッファ31に入力されると共に、インバータ37で反転後にオンディレィ40を介して信号G1Lとしてバッファ32に入力される。コンパレータ43の出力信号は、オンディレィ40を介した後、信号G2Hとしてバッファ33に入力されると共に、インバータ38で反転後にオンディレィ40を介して信号G2Lとしてバッファ34に入力される。同様に、コンパレータ45の出力信号は、オンディレィ40を介した後、信号G3Hとしてバッファ35に入力されると共に、インバータ39で反転後にオンディレィ40を介して信号G3Lとしてバッファ36に入力される。バッファ31、32、33、34、35および36のそれぞれの出力は、トランジスタ21、22、23、24、25および26のそれぞれゲートに入力される。
【0034】
コモン電流検出抵抗器27を流れるコモン電流Icomは、そのコモン電流検出抵抗器27の端子間電圧として検出され、その検出電圧VIcomは、進角制御器50に入力される。進角制御器50は、相電流比較器60と進角操作器70により構成される。
【0035】
相電流比較器60は、検出電圧VIcomとオンディレィ40の出力信号G1H、G1L、G2H、G2L、G3H、G3Lとが入力され、信号CPIを進角操作器70に出力する。進角操作器70は、信号CPIと位置検出信号Huと内挿器81の出力信号DIVとが入力され、出力信号RSTを、駆動波形生成器80を成す分周器82および位置カウンタ83のリセット入力に出力する。
【0036】
前記のように構成された第1の実施例の駆動装置における動作について、まず図2〜図5を参照して基本的な説明を加える。
【0037】
図3のAは、起動時におけるモータ回転角(電気角)に対する各部の信号波形図である。位置検出信号Hu、HvおよびHwが、互いに電気角で120度の位相差を有するような信号を発生するような位置に、それぞれの位置検出器101、103および105が配置されている。位置検出信号Hu、HvおよびHwは、3相分配器90で合成され、図3のAに示すような3相分配信号U1、V1およびW1に形成される。モータ起動時は、それら3相分配信号U1、V1、W1にそれぞれに対応した各相駆動信号がPWM変調され、給電器20に印加される。この時、3相コイルの中性点の電圧は、同図のNに示すようになり、U相コイルの一方の端子と、他方の端子すなわち中性点Nとの間に印加される電圧は、同図のU−Nに示すような波形電圧となる。図示していないが、V相およびW相コイルに関しても互いに電気角で120度の位相差を有した、同様な波形電圧となる。
【0038】
なお、モータ起動時の駆動波形としては、図3のBに示すように、位置検出信号Hu、HvおよびHwを単に波形整形した3相分配信号U1、V1およびW1を用いることも可能である。この場合、回路構成が簡素化される利点があると共に、相コイルの端子間電圧U−Nが同図Aよりも多少正弦波形状に近づき、起動時の騒音が低減できる効果がある。
【0039】
図4は、定常回転時におけるモータ回転角(電気角)に対する各部の信号波形を示す図である。同図位置検出信号Hu、HvおよびHwは、横軸のモータ回転角を電気角で表わせば、図3のAまたはBに示す場合と同様な波形となる。位置検出信号Huは、駆動波形生成器80に入力され、図示の駆動波形信号U0、V0およびW0のような3相分の電圧波形が形成される。なお、駆動波形信号U0、V0およびW0は、厳密には図2で示したような階段状の波形である。定常回転時には、それら駆動波形信号U0、V0およびW0にそれぞれに対応した各相駆動波形を給電器20に印加する。この時、3相コイルの中性点の電圧は図4のNに示すようになり、U相駆動コイル11の一方の端子と、他方の端子すなわち中性点Nとの間に印加される電圧は、図4のU−Nに示すような正弦波状の波形電圧となる。図示していないが、V相およびW相コイルに関しても互いに電気角で120度の位相差を有した、同様な正弦波状の波形電圧となる。このように各相コイルの端子間電圧が正弦波状となることで、3相コイルは正弦波状の連続的に変化する交番電流にて駆動することができる。
【0040】
ここでモータを可変速する際には、速度設定器100の出力信号Vspを増減させることで実現できる。つまり信号Vspを増減することで駆動波形信号U0、V0およびW0の波高値を増減でき、その結果各相コイルへの給電量が可変でき、モータを可変速することができる。
【0041】
図5は3相コイルへの印加電圧をパルス幅変調(PWM)する様子を示している。図5において、コンパレータ41、43および45により、三角波発生器47のキャリア信号CYと駆動波形生成器80からの各相駆動波形信号U0、V0、W0とが電圧比較され、オンディレィ40、ゲートドライバ30および給電器20を介して、給電器20の出力端子Vu、Vv、Vwすなわち3相コイルの各第1の端子には、同図Vu、Vv、Vwに示すようなPWM電圧波形が印加される。実際にはこのようなPWM電圧波形が各相コイルに印加されるが、平均的には駆動波形信号U0、V0およびW0と同形状の波形が印加されることになり、前記したように3相コイルは、互いに電気角で120度の位相差を有した正弦波状の交番電流すなわち相電流Iu、Iv、Iwにて駆動される。
【0042】
それにより、3相コイルの各相電流は、滑らかに通電を切り換えられるばかりでなく、3相合成トルクは回転角にかかわらず均一化される。その結果、トルクリップルが小さく、低振動、低騒音のモータの駆動装置を実現できる。
【0043】
また、正弦波状の交番電流を得るための駆動波形信号U0、V0、W0の生成に際しては、図1の構成にも示すように、ROMなどのメモリやD/Aコンバータなどを用いることなく、駆動波形生成器80に示した直列抵抗87により設定される電圧レベルL0〜L9を選択器85で選択して生成する簡素な構成で実現している。これにより、駆動装置を安価に実現できるメリットがある。
【0044】
一方、進角制御器50は、コモン電流検出抵抗器27に流れるコモン電流Icomの検出電圧VIcomが入力される。進角制御器50を成す相電流比較器60は、電圧VIcomに含まれる情報から3相コイルのうち2相のコイルに流れる相電流を比較し、その比較結果信号CPIを進角操作器70に出力する。進角操作器70は、相コイルに生じる逆誘起電圧B.e.m.f.のゼロクロスタイミングにおける信号CPIの値に応じて、駆動波形生成器80が生成する駆動波形信号U0、V0およびW0の位相を調整するように働く。この位相調整が進角制御である。
【0045】
この進角制御により、相コイルの逆誘起電圧B.e.m.f.とこれに流れる相電流の位相を一致させ、いかなるモータの使用状況においても、常に最高効率でのモータ駆動が実現できる。
【0046】
以上が、第1の実施例の基本的な回路構成、その動作、作用効果の説明であるが、次に進角制御器50についてのより詳細な構成と動作を説明する。
【0047】
図1に示すように、進角制御器50は、相電流比較器60と進角操作器70とにより構成されている。そして相電流比較器60は、61〜67までの各構成要素から成っている。相電流比較器60において、差動増幅器61は、直流電源10の負側給電線路を流れるコモン電流Icomの検出電圧VIcomを、後段の回路が信号処理し易い適度な電圧値に増幅する。差動増幅器61の出力は、コンパレータ65の一方の入力端子に入力されると共に、アナログスイッチ63とコンデンサ64によるサンプルアンドホールド回路67を介してコンパレータ65の他方の入力端子にも入力されている。サンプルアンドホールド回路67は、サンプルパルス発生器62が出力するパルス信号SPL1によって、差動増幅器61の出力電圧をサンプリングしてコンデンサ64にホールドする構成になっている。サンプルパルス発生器62は、オンディレィ40の出力信号G1H、G1L、G2H、G2L、G3H、G3Lが後述の所定の状態になったときに信号SPL1を出力する構成になっている。また信号G1H、G1L、G2H、G2L、G3H、G3Lが別の所定の状態になったときにパルス信号SPL2を出力する構成になっている。信号SPL2は、D型フリップフロップ66のクロック入力端子(C)に入力される。またD型フリップフロップ66のデータ入力端子(D)にはコンパレータ65の出力が入力される。D型フリップフロップ66の出力は、相電流比較器60の出力信号CPIとして進角操作器70に入力される。進角操作器70は、71〜75までの各構成要素から成っている。進角操作器70において、信号CPIは位相差検出器72の一方の入力端子に入力される。逆誘起電圧ゼロクロス検出器71は、位置検出信号Huと内挿器81の出力信号DIVが入力され、これらの信号により相コイルの逆誘起電圧のゼロクロスタイミングパルス信号EZを出力する構成になっている。信号EZは、位相差検出器72の他方の入力端子に入力される。位相差検出器72は、信号CPIと信号EZを基に、相コイルの逆誘起電圧の位相に対して、これに流れる相電流の位相が進み位相であるか遅れ位相であるかを判別する位相進み遅れ判別信号LRを出力する。また同時に、信号EZに若干遅延してパルス信号PLを出力する。カウンタ73は、クロック入力端子(CL)とアップダウン制御端子(U/D)を有するアップダウンカウンタであり、そのクロック入力端子(CL)には信号PLが入力され、アップダウン制御端子(U/D)には信号LRが入力される。カウンタ74は、信号DIVをカウントし、位置検出信号Huがリセット入力端子に接続される構成になっている。カウンタ73の出力信号CBとカウンタ74の出力信号CAは、一致検出器75に入力され、一致検出器75は、信号CAと信号CBとが一致した際に進角操作信号RSTを出力する。進角操作信号RSTは、進角操作器70の出力信号を成し、駆動波形生成器80を成す分周器82と位置カウンタ83のリセット入力端子に入力される。
【0048】
以上が進角制御器50とこれを構成する相電流比較器60および進角操作器70の具体的構成についての説明である。つぎに進角制御器50による相コイルに流れる相電流の位相調整動作について詳細に説明する。
【0049】
図6は、位相調整する前のU相コイルに発生する逆誘起電圧B.e.m.f、位置検出信号Hu、進角操作信号RST、駆動波形生成器80の出力駆動波形信号U0、U相コイル端と中性点Nとに間にかかる電圧波形U−N、U相コイルに流れる相電流Iuなどの位相関係を示している。
【0050】
図6に示すように、U相コイルの逆誘起電圧B.e.m.f.は、位置検出信号Huの立下りに対して、一義的に電気角30度の位相進みを持っている。ステータにおけるU相コイル配置位置に対する位置検出器101の配置位置が設計上決められており、一般的に両者の位相差が電気角30度となるように配置されるためである。V相コイルに対する位置検出器103、W相コイルに対する位置検出器あ105の配置位置関係も同様であり、それぞれのコイルの逆誘起電圧と位置信号との位相差も同様である。
【0051】
また図1に示したように、信号RSTは、駆動波形生成器80の分周器82および位置カウンタ83のリセット信号になっている。したがって、信号RSTが発生する(信号RSTが「L」になる)と、位置カウンタ83が出力するアドレス信号CSFはゼロになり、信号RSTの発生終了直後(信号RSTが「H」となった時点)から信号CSFのアドレス値が変化していく。ところで、駆動波形生成器80は、信号CSFのアドレス値に対応して生成されるデコーダ84の選択信号により、直列抵抗87で定められた各電圧レベルL0〜L9を選択して、駆動波形信号U0、V0およびW0を出力することは既に述べた通りである。つまり信号RSTの発生により任意のタイミングで信号CSFのアドレス値をリセットすることで、駆動波形信号U0、V0およびW0の出力タイミングを任意に制御可能である。言いかえれば、位置検出信号Huに対する信号RSTの発生タイミングを制御することで、U相の逆誘起電圧B.e.m.f.に対するU相駆動波形信号U0の位相差を自在に調整することができる。U相において位相差を調整すれば、V相およびW相においても自ずと逆誘起電圧と駆動波形信号の位相差が調整されるのは明らかである。
【0052】
この位相調整を行う前の初期状態として、信号RSTは、図6に示すように、位置検出信号Huの立上りから電気角で120度遅れたタイミング(つまり信号Huの立下りより電気角で60度進んだタイミングで、U相の逆誘起電圧の位相よりも30度進んだタイミング)で発生するように、本実施例においては予め設定されている。
【0053】
この初期状態においては、U相コイルの第1の端子と中性点Nとの間に印加される印加電圧波形U−Nは、U相逆誘起電圧B.e.m.f.と位相が一致している。しかし、相電流Iuは、駆動コイルが有するインダクタンス成分のため、印加電圧波形U−Nに対して位相遅れが発生している。V相、W相についても同様である。したがって、この状態ではモータは効率良くトルクを出力していない。
【0054】
つぎにこの位相遅れが調整され概略ゼロに制御される動作つまり進角制御の動作について説明する。
【0055】
図7は、位相調整の動作の様子を示している。その動作は主として図1における進角操作器70によって行われる。進角操作器70において、カウンタ74は、位置検出信号Huが「L」のときリセットされてその出力信号CAをゼロとし、位置検出信号Huが「H」のとき内挿器81によって位置検出信号Huをより細かな電気角に分割した信号DIVをカウントして信号CAを出力するように動作する。その様子は、図7の信号CAに示す通りである。信号CAに出力されるカウント値は、一致検出器75によりカウンタ73の出力信号CBと比較され、信号CAと信号CBの値が一致した場合に進角操作信号RSTが発生する(信号RSTが「L」になる)ように動作する。前述の通り、進角操作信号RSTの発生タイミングにより相コイルの逆誘起電圧に対する駆動電圧波形の位相差を調整することができるが、初期状態では前記の通り位置検出信号Huの立上りから電気角で120度遅れたタイミングで信号RSTが発生するように、カウンタ73のカウント値がプリセットされ、この値が信号CBに出力されている。
【0056】
逆誘起電圧ゼロクロス検出器71は、U相コイルの逆誘起電圧B.e.m.fのゼロクロスタイミングの検出を行う。逆勇誘起電圧ゼロクロス検出器71には、位置検出信号Huと、これをより細かな電気角に分割した信号DIVが入力される。逆誘起電圧ゼロクロス検出器71は、位置検出信号Huの立上りタイミングから信号DIVをカウントし、そのカウント値がU相逆誘起電圧B.e.m.fのゼロクロス位置に対応する電気角相当の値に達したとき、ゼロクロスタイミングパルス信号EZを出力するように動作する。本実施例においては、図7に示すように、逆誘起電圧B.e.m.fは位置検出信号Huの立上りより電気角で位相が30度進んだところにあり、位置検出信号Huの1周期前の立上りからカウントすると、電気角で330度(360度−30度)遅れたところに当たる。本実施例では、位置検出信号Huの1周期前の立上りから電気角で330度遅れたタイミングでパルス信号EZを出力することで、U相の逆誘起電圧B.e.m.fのゼロクロス検出信号としている。なお、位置検出信号Huと逆誘起電圧B.e.m.fとの位相関係は一義的に決まっていることは既に述べた通りであり、位置検出信号Huから逆誘起電圧B.e.m.fのゼロクロス検出ができることは明らかである。
【0057】
位相差検出器72には、前記のパルス信号EZと相電流比較器60の出力信号CPIとが入力される。ここで、信号CPIの詳細については後述するが、図7に示すようにU相電流Iuのゼロクロスにて変化する「L」または「H」レベルを有する信号である。位相差検出器72は、パルス信号EZにより信号CPIのレベルをラッチすることで信号LRを出力する。このとき信号LRは、U相の逆誘起電圧B.e.m.fの位相に対してU相電流Iuの位相が遅れているか進んでいるかを判別する判別信号の意味を持つ。これに関して以下に説明を加える。
【0058】
信号CPIは、例えば図7に示すように、電流Iuのゼロクロスタイミングの前後で「L」から「H」にレベルが切替わる信号であるとする。一方、信号EZは、U相逆誘起電圧B.e.m.fのセロクロスタイミングで発生するパルス信号である。逆誘起電圧B.e.m.fに対して電流Iuの位相が遅れていると、信号EZが発生するタイミングでは信号CPIは「L」から「H」に切替わっていない。つまり信号CPIは「L」である。逆にB.e.m.fに対して電流Iuの位相が進んでいると、信号EZが発生するタイミングでは信号CPIは「L」から「H」に既に切替わっている。つまり信号CPIは「H」である。このように、B.e.m.fのゼロクロスで発生する信号EZのタイミングで、信号CPIのレベルをラッチすることで、電流Iuの位相が遅れているか進んでいるかが判別できる。図7においては、信号EZによる信号CPIのラッチ信号LRは「L」、つまり逆誘起電圧B.e.m.fに対して電流Iuの位相が遅れている場合の動作を示している。
【0059】
信号LRが「L」のとき、カウンタ73はカウントダウン動作に設定される。逆に信号LRが「H」、つまり電流Iuの位相が進んでいるとき、カウンタ73はカウントアップ動作に設定される。
【0060】
位相差検出器72からは信号LRと共に信号PLも出力される。信号PLは、パルス信号EZを時間的に遅延したパルス信号であり、カウンタ73へのクロック入力信号としてカウンタ73のカウント値を変化させる。信号PLの遅延時間は、信号EZによる信号CPIのラッチ動作が終了し、信号LRが安定して出力されるのに十分な時間に設定され、信号LRによるカウンタ73のカウントダウン動作あるいはカウントアップ動作の設定が確立してから、信号PLによるカウンタ73のカウント値の変化が行われるようになっている。
【0061】
なお、逆誘起電圧ゼロクロス検出器71および位相差検出器72の構成例を図8に示しておく。
【0062】
ここまでの動作を整理すると、U相逆誘起電圧B.e.m.fに対してU相電流Iuの位相が遅れているとき、逆誘起電圧のゼロクロスタイミングパルス信号EZの発生によって、信号LRは電流Iuの位相が遅れていることを意味する「L」レベルとなり、カウンタ73をカウントダウン動作に設定する。この設定動作の確立後、信号PLによりカウンタ73のカウント値はダウンされる。逆に電流Iuの位相が進んでいるとき、信号EZの発生によって、信号LRは電流Iuの位相が進んでいることを意味する「H」レベルとなり、カウンタ73をカウントアップ動作に設定する。この設定動作の確立後、信号PLによりカウンタ73のカウント値はアップされる。
【0063】
カウンタ73のカウント値は信号CBとして出力され、先に述べたように一致検出器75によりカウンタ74のカウント値の出力信号CAと比較され、両信号が一致した際に進角操作信号RSTが発生する。
【0064】
前記のように、カウンタ73のカウント値がダウンあるいはアップされれば、これに応じて信号RSTが発生するタイミングは変化する。例えば電流Iuの位相が遅れている場合、信号CBの値はダウンし、その結果、図7に示すように信号RSTの発生が、信号CBの値がダウンしない場合よりも早いタイミングで発生することになる。これに伴い、駆動波形生成器80が出力するU相駆動波形信号U0の出力タイミングも早くなる。つまり電流Iuの位相遅れを小さくするように駆動波形信号U0の位相が進められるような動作が行われる。逆に電流Iuの位相が進んでいる場合、信号CBの値はアップし、その結果、信号RSTの発生が、信号CBの値がアップしない場合よりも遅いタイミングで発生することになる。これに伴い、駆動波形生成器80が出力するU相駆動波形信号U0の出力タイミングも遅くなる。つまり電流Iuの位相進みを小さくするように駆動波形信号U0の位相が遅れさせられるような動作が行われる。
【0065】
このように信号RSTの発生タイミングがカウンタ73のカウント値(信号CB)によって変化させられることで、駆動波形信号U0の位相が制御され、U相逆誘起電圧B.e.m.fとこれに流れるU相電流Iuとの位相差は最終的に概略ゼロに自動調整される。なお図7においては、カウンタ73のカウント値(信号CB)のダウン幅を“3”とした表記になっているが、これは便宜上の表記であって、特にそのダウンあるいはアップの幅には意味がない。細かな位相調整が必要であれば、カウンタ73のダウン、アップの幅を最小値の“1”としても何ら構わない。
【0066】
位相が調整された後の様子を図9に示す。図9においては、初期状態に対して進角と記した電気角だけ駆動波形信号U0が位相調整され、これに伴いU相コイル端子間電圧U−Nの位相も進められ、U相電流Iuの逆誘起電圧B.e.m.fに対する位相遅れをゼロに調整している。U相について前記位相差がゼロに調整されれば、残るV相、W相についても自ずとゼロに調整されることは明らかである。
【0067】
以上のように、各相の逆誘起電圧とこれに流れる各相電流との位相差を、自動的に常に概略ゼロに一致させるように調整することで、負荷や回転数の変化など如何なる状況においても逆誘起電圧と相電流の位相差がゼロとなり、またインダクタンス成分が大きく電気的時定数の大きなモータにおいても、最も効率よくトルクを発生して駆動することが可能となる。
【0068】
さて、先に信号CPIについて、U相電流Iuのゼロクロスにて変化する「L」または「H」レベルを有する信号であると説明した。以下にこの信号CPIを出力する相電流比較器60の動作について詳しく説明する。
【0069】
相電流比較器60の構成は図1に示した通りである。
【0070】
サンプルパルス発生器62は、3相コイルのうち、V相が直流電源10の正側給電線路側に接続され、U相とW相が負側給電線路側に接続されるタイミングにおいて第1のパルス信号SPL1を出力する。ここで、このときの3相コイルの接続状態を第1接続状態とする。また、サンプルパルス発生器62は、U相とV相が正側給電線路側に接続され、W相が負側給電線路側に接続されるタイミングにおいて第2のパルス信号SPL2を出力する。ここで、このときの3相コイルの接続状態を第2接続状態とする。
【0071】
なお、サンプルパルス発生器62は、第1接続状態および第2接続状態を、ゲートドライバ30に入力されるオンディレィ40の出力信号G1H、G1L、G2H、G2L、G3H、G3Lによって判別できる。例えば第1接続状態のとき、給電器20のトランジスタ21、22、23、24、25、26はそれぞれオフ、オン、オン、オフ、オフ、オンしている。このときゲートドライバ30に入力される信号G1H、G1L、G2H、G2L、G3H、G3Lはそれぞれ「L」、「H」、「H」、「L」、「L」、「H」であり、これらの信号の論理レベルの状態を検出することで、第1接続状態を判別できる。また第2接続状態のとき、給電器20のトランジスタ21、22、23、24、25、26はそれぞれオン、オフ、オン、オフ、オフ、オンしている。このときゲートドライバ30に入力される信号G1H、G1L、G2H、G2L、G3H、G3Lはそれぞれ「H」、「L」、「H」、「L」、「L」、「H」であり、これらの信号の論理レベルの状態を検出することで、第2接続状態を判別できる。
【0072】
第1接続状態において、サンプルパルス発生器62からパルス信号SPL1が出力されると、これによりアナログスイッチ63がオンし、コンデンサ64に差動増幅器61の出力電圧が保持される。差動増幅器61の出力電圧は、直流電源10の負側給電線路に流れるコモン電流Icomの検出電圧VIcomの増幅電圧である。したがって、コンデンサ64には、第1接続状態におけるコモン電流Icomの値が保持されると見なせる。
【0073】
コモン電流Icomの保持値SHは、第1接続状態および第2接続状態の他、PWM変調時に、給電器20の各トランジスタがオン、オフ動作することで生じる様々な接続状態に伴い変化するコモン電流Icomの値と、コンパレータ65により比較される。コンパレータ65によるこの比較結果信号は、第2接続状態のとき発生するパルス信号SPL2の発生タイミングで、D型フリップフロップ66によりラッチされる。つまり、コンパレータ65の比較結果信号から、第1接続状態と第2接続状態のコモン電流Icomの比較結果のみが抽出されてD型フリップフロップ66の出力信号になる。このD型フリップフロップ66の出力信号が前述の信号CPIである。更に整理して言えば、第1接続状態と第2接続状態におけるコモン電流Icomの比較結果信号が信号CPIである。
【0074】
以上の動作によって得られる信号CPIは、U相電流Iuのゼロクロス検出信号であり、電流Iuのゼロクロスタイミングの前後で「L」、「H」のレベル変化を有する信号である。このことについて、もう少し説明を加える。
【0075】
図10は、給電器20の3相出力端子の電圧Vu、Vv、Vwおよびコモン電流Icomと相電流Iu、Iv、Iwの関係を示した図である。
【0076】
第1接続状態のとき、電圧Vuは「L」、電圧Vvは「H」、電圧Vwは「L」である。このときトランジスタ21がオフ、トランジスタ22がオン、トランジスタ23がオン、トランジスタ24がオフ、トランジスタ25がオフ、トランジスタ26がオンである。この第1接続状態において、ひとつの電流は、直流電源10の正側端子よりトランジスタ23を通り、V相コイルを流れ、中性点を介して、U相コイルを流れ、トランジスタ22を通り、コモン電流検出抵抗器27を流れ、直流電源10の負側端子に戻る。もうひとつの電流は、直流電源10の正側端子よりトランジスタ23を通り、V相コイルを流れ、中性点を介して、W相コイルを流れ、トランジスタ26を通り、コモン電流検出抵抗器27を流れ、直流電源10の負側端子に戻る。したがって第1接続状態においては、V相コイル電流Ivがコモン電流Icomである。つまりIcom=Ivとなり、V相電流Ivが検出できることを意味している。
【0077】
一方、第2接続状態のとき、電圧Vuは「H」、電圧Vvは「H」、電圧Vwはが「L」である。このときトランジスタ21がオン、トランジスタ22がオフ、トランジスタ23がオン、トランジスタ24がオフ、トランジスタ25がオフ、トランジスタ26がオンである。この第2接続状態において、ひとつの電流は、直流電源10の正側端子よりトランジスタ21を通り、U相コイルを流れ、中性点を介して、W相コイルを流れ、トランジスタ26を通り、コモン電流検出抵抗器27を流れ、直流電源10の負側端子に戻る。もうひとつの電流は、直流電源10の正側端子よりトランジスタ23を通り、V相コイルを流れ、中性点を介して、W相コイルを流れ、トランジスタ26を通り、コモン電流検出抵抗器27を流れ、直流電源10の負側端子に戻る。ここで、給電器20の3相出力端子から中性点Nに向かって流れる電流方向を正、その逆方向を負とすると、第2接続状態においては、W相コイル電流−Iwがコモン電流Icomである。つまりIcom=−Iwとなり、W相電流Iwが検出できることを意味している。
【0078】
ところで図10からも明らかであるが、第1接続状態と第2接続状態とはPWMキャリア信号CYの1周期内の近接したタイミングで発生している。このことは、第1接続状態で検出されるV相電流Ivと、第2接続状態で検出されるW相電流Iwとは、各相コイルに流れる電流はコイルのインダクタンス成分により短時間では変化しないことから、実質的に同タイミングの電流であると見なしても差し支えない。つまり3相のコイル電流のうち、V相とW相の相電流が、ほぼ同時に検出することができている。したがって残りのU相の相電流は、3相のコイル電流の和がゼロである原理から容易に求めることができる。
【0079】
特にU相電流Iuがゼロになるゼロクロスタイミングにおいては、Iv=−Iwの関係が成立する。これはすなわち第1接続状態におけるコモン電流(=Iv)と第2接続状態におけるコモン電流(=−Iw)を比較し、両者の一致によってU相電流Iuのゼロクロスタイミングが検出可能であることを意味している。
【0080】
以上のように、第1接続状態と第2接続状態におけるコモン電流Icomを比較して得られる信号CPIは、U相電流Iuのゼロクロス検出信号であることがわかる。そして電流Iuのゼロクロス付近で、第1接続状態と第2接続状態おけるコモン電流、つまりIvと−Iwとの大小関係が入れ替わることから、信号CPIは電流Iuのゼロクロスの前後で「L」、「H」のレベル変化を有する信号になる。その様子を図11に示す。
【0081】
本実施例においては、第1接続状態のコモン電流(=Iv)が第2接続状態のコモン電流(−Iw)よりも小さいとき、つまりIu>0のとき、信号CPIは「L」となり、第1接続状態のコモン電流(=Iv)が第2接続状態のコモン電流(−Iw)よりも大きいとき、つまりIu<0のとき、信号CPIは「H」となるように相電流比較器60を構成している。
【0082】
以上のようにして相電流比較器60はコモン電流Icomの情報のみから駆動コイルに流れる相電流の情報を抽出し、U相電流ゼロクロス信号CPIを生成している。一般的に相電流を検出するにはカレントトランスなどの電流センサーを用いることが知られているが、本実施例においてはコモン電流検出で相電流検出が可能であり、コモン電流検出抵抗器27により検出できることから、簡素な構成で安価に実現できるメリットがある。
【0083】
以上のように本実施例では、第1接続状態と第2接続状態のときの給電線路に流れるコモン電流Icomを相電流比較器60により比較してその結果を信号CPIとして進角操作器70に出力し、進角操作器70は、U相コイルに生じる逆誘起電圧B.e.m.fのゼロクロスにおいて発生するパルス信号EZにより、信号CPIをラッチすることで、U相電流Iuの逆誘起電圧B.e.m.fに対する位相進み遅れを判別し、その判別結果に応じて相電流Iuの位相の進み遅れが小さくなるように駆動波形信号U0、V0、W0の位相を調整する進角操作信号RSTを駆動波形生成器80へ出力する。それにより、各相コイルに発生する逆誘起電圧とこれに流れる交番電流(正弦波状電流)との位相が一致するように位相調整が自動的に行われる。
【0084】
これにより、例えばモータの負荷状態が変化しても、いつも高効率な駆動が可能となる。
【0085】
なお本実施例では、3相コイルのうち、V相が直流電源10の正側給電線路側に接続され、U相とW相が負側給電線路側に接続される状態を第1接続状態とし、U相とV相が正側給電線路側に接続され、W相が負側給電線路側に接続される状態を第2接続状態としたが、V相が負側給電線路側に接続され、U相とW相が正側給電線路側に接続される状態を第1接続状態とし、U相とV相が負側給電線路側に接続され、W相が正側給電線路側に接続される状態を第2接続状態としても、電流検出の極性が反転するのみで、コモン電流による相電流比較は可能である。つまり同様のU相ゼロクロス検出信号CPIを得ることが可能である。
【0086】
ところで、各相コイルに発生する逆誘起電圧とこれに流れる交番電流(正弦波状電流)との位相が一致してモータが駆動されているとき、駆動波形信号U0、V0、W0あるいは各相コイル端子と中性点との間の相コイル印加電圧U−N、V−N、W−Nは、その位相が必ず進みの方向に調整すなわち進角されている。これは、相コイルが有するインダクタンス成分による交番電流の遅れが、小さくなるように調整したことによる必然的な結果である。
【0087】
駆動波形信号U0の進み方向への位相調整量(以下、進角量という)が大きく、例えば位相調整前の初期状態に対して電気角で30度以上の進角量である場合は、V相およびW相を直流電源10の正側給電線路側に接続してU相を直流電源10の負側給電線路側に接続する第3接続状態のときのコモン電流Icomをゼロ値と比較することにより、U相電流Iuのゼロクロス検出が可能になる。
【0088】
以下、これに関して図12〜図14を用いて説明する。
【0089】
図12は、進角量が大きい場合の進角制御器50b、特に相電流比較器60bの具体的構成を示す図である。図12の進角制御器50bにおいて、相電流量比較器60b内に、進角量検出器611とセレクタ612および613と排他的論理和(EX−OR)ゲート614が付加され、サンプルパルス発生器62bが第3接続状態においてパルス信号SPL3を出力する構成としている以外は、図1に示した進角制御器50と基本的に同じである。進角量検出器611は、進角量が初期状態に対して電気角で30度以上であるか否かを検出し、30度以上であればその出力信号SGRを「H」とするように構成されている。ここで進角量は、例えば進角操作器70のカウンタ73のカウント値信号CBにより検出している。駆動波形信号の位相調整量は信号CBにより制御されており、信号CBにより進角量が把握できることは、これまでの説明から明らかである。
【0090】
まず進角量が小さく、進角量検出器611の出力信号SGRが「L」である場合を説明する。この場合、セレクタ612はサンプルパルス発生器62bの出力信号SPL2およびSPL3のうち、信号SPL2を選択してD型フリップフロップ66に入力する。ここで信号SPL2は、図1におけるサンプルパルス発生器62のものと同じであり、前述の第2接続状態において発生するパルス信号である。またセレクタ613はゼロレベル信号Zとサンプルアンドホールド回路67の出力信号SHのうち、信号SHを選択してコンパレータ65に入力する。またEX−ORゲート614は、信号SGRが「L」であるから、コンパレータ65の出力論理と同じ論理レベルをD型フリップフロップ66に入力する。結局、信号SGRが「L」のとき、セレクタ612および613とEX−ORゲート614により、図1と図12における相電流比較器60、60bとは全く同じ信号処理をすることになり、その動作は既に相電流比較器60において説明した通りとなる。ここでは詳細説明を省略する。
【0091】
一方進角量が大きく、進角量検出器611の出力信号SGRが「H」である場合を説明する。この場合、セレクタ612は信号SPL3を選択してD型フリップフロップ66に入力する。またセレクタ613は信号Zを選択してコンパレータ65に入力する。またEX−ORゲート614は、信号SGRが「H」であるから、コンパレータ65の出力論理を反転した論理レベルをD型フリップフロップ66に入力する。これらの動作により、信号SGRが「H」のとき、進角量比較器60bは、第3接続状態におけるコモン電流Icomの値とゼロ値との比較結果を信号CPIとして出力することになる。より詳細に説明すると以下の通りである。
【0092】
コンパレータ65の反転入力端子には、コモン電流Icomの検出電圧VIcomの差動増幅器61による増幅電圧が入力されている。つまり、給電器20内の各トランジスタのPWM動作に伴う様々な駆動コイルの接続状態によって変化するコモン電流Icomに応じた電圧が、コンパレータ65の反転入力端子に入力される。この電圧は、セレクタ613により選択されたゼロレベル信号Zとコンパレータ65により比較反転され、EX−ORゲート614により論理整合のために更に反転されてD型フリップフロップ66のデータ入力端子に入力される。ここで信号Zは、コモン電流Icomがゼロのときの差動増幅器61の出力電圧値と同じ値を持つ、一定の電圧値信号である。したがって、D型フリップフロップ66のデータ入力端子には、駆動コイルの様々な接続状態で変化するコモン電流Icomの値とゼロ値との比較結果信号が入力されることになる。
【0093】
一方、D型フリップフロップ66のクロック入力端子には、セレクタ612によりパルス信号SPL3が選択されて入力されている。信号SPL3は、駆動コイル巻線が第3接続状態である場合に出力される信号であり、この信号がD型フリップフロップ66のクロック入力端子に入力されることで、前記したコモン電流Icomの値とゼロ値との比較結果信号のうち第3接続状態における比較結果信号のみが抽出され、相電流比較器60bの出力信号CPIとして出力される。
【0094】
ここで第3接続状態について説明する。第3接続状態は、前述の通り、V相およびW相が直流電源10の正側給電線路側に接続され、U相が負側給電線路側に接続されている接続状態である。
【0095】
より具体的には、第3接続状態においては給電器20の3相出力端子の電圧Vu、Vv、Vwはそれぞれ「L」、「H」、「H」である。このときトランジスタ21がオフ、トランジスタ22がオン、トランジスタ23がオン、トランジスタ24がオフ、トランジスタ25がオン、トランジスタ26がオフである。この第3接続状態において、ひとつの電流は、直流電源10の正側端子よりトランジスタ23を通り、V相コイルを流れ、中性点を介して、U相コイルを流れ、トランジスタ22を通り、コモン電流検出抵抗器27を流れ、直流電源10の負側端子に戻る。もうひとつの電流は、直流電源10の正側端子よりトランジスタ25を通り、W相コイルを流れ、中性点を介して、U相コイルを流れ、トランジスタ22を通り、コモン電流検出抵抗器27を流れ、直流電源10の負側端子に戻る。ここで、給電器20の3相出力端子から中性点Nに向かって流れる電流方向を正、その逆方向を負とすると、第3接続状態においては、U相コイル電流−Iuがコモン電流Icomである。つまりIcom=−Iuとなり、U相電流Iuが検出できることを意味している。
【0096】
U相電流が検出できれば、これをゼロレベルと比較することで容易にU相の電流ゼロクロス検出ができることは明らかである。
【0097】
図13は、第3接続状態が発生している付近における給電器20の3相出力端子の電圧Vu、Vv、Vwおよびコモン電流Icomと相電流Iu、Iv、Iwの関係を示した図である。図13において、第3接続状態でIcomが−Iuとなっていることが分かる。
【0098】
図14に、Icomをゼロ値と比較することでU相電流のゼロクロス検出信号CPIが出力される様子を示す。
【0099】
ところで第3接続状態は、進角量が小さい場合はU相の電流ゼロクロス近傍のタイミングでは発生しない。それ故、図1に示した相電流比較器60では第1接続状態で検出されるV相電流と第2接続状態で検出されるW相電流とを比較することでU相ゼロクロス検出を行った。しかし、進角量が大きい場合には、第3接続状態がU相の電流ゼロクロス近傍のタイミングで発生する。したがって、U相電流をコモン電流Icomから直接検出でき、図12に示した相電流比較器60bのように、第3接続状態で検出されるU相電流をゼロ値と比較することでU相ゼロクロス検出が可能になる。U相電流のゼロクロス検出が行われ、その結果が信号CPIから出力された後の位相調整動作は、図1の場合と同様に行われる。
【0100】
このように、図12の実施例においては、進角量が大きくなるインダクタンス成分の更に大きなモータにおいても、駆動波形の位相調整が行われ、高効率な駆動が可能になる。
【0101】
なお図12の実施例では、3相コイルのうち、V相およびW相が直流電源10の正側給電線路側に接続され、U相が負側給電線路側に接続されている状態を第3接続状態としたが、V相およびW相が負側給電線路側に接続され、U相が正側給電線路側に接続されている状態を第3接続状態としても、電流検出の極性が反転するのみで、コモン電流による相電流比較は可能である。つまり同様のU相ゼロクロス検出信号CPIを得ることが可能である
なお、前記各実施例において、駆動波形の位相調整を、電気角でn周期毎(nは1以上の整数)のタイミングで行うようにしてもよい。これは進角操作器70の逆誘起電圧ゼロクロス検出器71が出力するゼロクロスタイミングパルス信号EZを、電気角でn周期毎に出力させる構成とすることで容易に実現できる。この場合、ロータマグネットの着磁や位置検出器の取り付けなどによる誤差が電気角周期毎にほぼ同じになるため、安定した進角制御を行うことが可能になる。
【0102】
また、前記各実施例において、駆動波形の位相調整を、機械角でn周期毎(nは1以上の整数)のタイミングで行うようにしてもよい。これはパルス信号EZを機械角でn周期毎に出力させる構成とすることで容易に実現できる。この場合、ロータマグネットの着磁や位置検出器の取り付けなどによる誤差に加えてロータの偏心などの機械的アンバランスによる誤差が機械角周期毎にほぼ同じになるため、更に安定した進角制御を行うことが可能になる。
【0103】
また、前記各実施例において、駆動波形の位相調整を、機械角で1/m周期毎(mは2または3または6)のタイミングで行うようにしてもよい。これは、本実施例ではU相の一方のゼロクロスタイミングのみの情報から進角制御を行ったが、U相の両方のゼロクロスタイミング、更にはV相、W相のゼロクロスタイミングの情報も用いて進角制御を行うようにしてもよい。ロータマグネットの着磁や位置検出器の取り付けなどによる誤差やロータの偏心などの機械的アンバランスによる誤差が十分に小さい場合は、このように多くの情報により進角制御することで、制御の応答性を高めることが可能である。
【0104】
また、前記各実施例において、駆動波形の進角制御を行うタイミングでのコモン電流の比較結果が、過去の同一タイミングと少なくとも2回以上同じ結果となった場合に、進角制御を行うようにしてもよい。この場合、ノイズなどによりコモン電流の比較結果に一時的なエラーが生じても、安定した進角制御を実現できる。
【0105】
また、前記各実施例において、駆動波形の位相調整を、ロータの駆動速度が所望の値以上のときに行うようにしてもよい。一般にモータは、低速度で駆動されるときの負荷は軽く、モータ駆動コイルに流れる相電流およびコモン電流は小さい。またこのとき、駆動コイルのインダクタンス成分による相電流の位相遅れは殆ど発生しない。したがって、低速度でロータが駆動されているときは、小さなコモン電流を無理に検出して位相調整するよりも、位相調整しない方が得策である場合がある。この場合、ロータの駆動速度が大きくなり、インダクタンス成分による相電流の位相遅れがモータ効率に影響する状況になった場合に、位相調整を行うようにすればよい。また駆動速度が大きくなると、これに伴い負荷電流が大きくなり、コモン電流も大きくなる。したがって、コモン電流の検出精度が向上し、より確実な位相調整が可能になる。
【0106】
また、前記各実施例において、駆動波形の位相調整を、モータの負荷トルクが所望の値以上のときに行うようにしてもよい。負荷トルクが小さいとき、モータ駆動コイルに流れる相電流およびコモン電流は小さい。またこのとき、駆動コイルのインダクタンス成分による相電流の位相遅れは殆ど発生しない。したがって、負荷トルクが小さいときは、小さなコモン電流を無理に検出して位相調整するよりも、位相調整しない方が得策である場合がある。この場合、負荷トルクが大きくなり、インダクタンス成分による相電流の位相遅れがモータ効率に影響する状況になった場合に、位相調整を行うようにすればよい。また負荷トルクが大きくなると、これに伴いコモン電流も大きくなる。したがって、コモン電流の検出精度が向上し、より確実な位相調整が可能になる。
【0107】
また、例えば、位置信号内挿、駆動波形生成、進角制御などにおける信号処理を、マイコンやソフトウエアを用いて行っても良いことは言うまでもない。
【0108】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、駆動波形生成器によって生成される各相駆動波形に基づいて、給電器が正弦波状の連続的に変化する交番電流を各相コイルに流す。さらに、進角制御器により駆動波形の位相調整を行い、各相コイルの逆誘起電圧とこれに流れる交番電流との位相とを概略一致させる進角制御を行う。進角制御にあたっては、第1接続状態と第2接続状態のコモン電流を比較することで相電流ゼロクロスを検出する。また進角量が大きい場合には、第3接続状態のコモン電流をゼロ値と比較して相電流ゼロクロスを検出する。つまり相電流検出のためにカレントトランスなどは必要がなく、コモン電流によって相電流ゼロクロス検出ができるため、構成が簡単である。また、各相コイルに正弦波状の交番電流を流すための駆動波形の生成に、ROMやD/Aコンバータを用いることなく、直列抵抗で定まる各電圧レベルを選択器で選択する簡素な構成としている。この構成により、本発明のモータの駆動装置は、トルクリップルならびに振動、騒音が小さいというばかりでなく、モータの負荷や回転数の状態が変わっても、あるいはインダクタンス成分が大きく電気的時定数の大きなモータであっても、相電流に位相遅れを生じることがなく、いつも高効率な、正弦波状交番電流による低トルクリップル、低振動、低騒音駆動が、簡素構成で安価に実現できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例に係るモータ駆動装置の回路構成図
【図2】 駆動波形生成器による波形生成の様子を示す図
【図3】 (A)、(B)モータ起動時における駆動波形信号を示す図
【図4】 定常回転時における駆動波形信号を示す図
【図5】 駆動波形信号をパルス幅変調(PWM)する様子を示す図
【図6】 位相調整(進角制御)する前の各部波形の位相関係を示す図
【図7】 位相調整(進角制御)における動作説明図
【図8】 逆誘起電圧ゼロクロス検出器および位相差比較器の具体的構成図
【図9】 位相調整(進角制御)された後の各部波形の位相関係を示す図
【図10】 第1接続状態と第2接続状態におけるコモン電流と相電流の関係を示す図
【図11】 第1接続状態と第2接続状態におけるコモン電流比較による相電流ゼロクロス検出の様子を示す図
【図12】 進角量が大きい場合の進角制御器の具体的構成図
【図13】 第3接続状態におけるコモン電流と相電流の関係を示す図
【図14】 第3接続状態におけるコモン電流比較による相電流ゼロクロス検出の様子を示す図
【図15】 従来例に係るモータ駆動装置の回路構成図
【図16】 従来例に係るモータ駆動装置における各部信号波形図
【符号の説明】
11、13、15 駆動コイル
10 直流電源
20 給電器
50 進角制御器
60 相電流比較器
70 進角操作器
80 駆動波形生成器
101、103、105 位置検出器

Claims (15)

  1. 3相の駆動コイルと、直流電源と、前記直流電源の正側または負側給電端子のうち一方の端子が接続される第 1 給電線路と、前記直流電源の正側または負側給電端子のうち他方の端子が接続される第2給電線路と、電気角を1周期とする駆動波形を前記各相コイルに各々対応して生成する駆動波形生成器と、前記駆動波形の位相を制御する進角制御器と、前記駆動波形をパルス幅変調した変調信号に基づいて前記各相コイルを前記第1給電線路もしくは前記第2給電線路に接続し、連続的に変化する交番電流にて前記各相コイルを駆動する給電器とを少なくとも備え、前記駆動波形生成器は、前記駆動波形の生成タイミングを、前記進角制御器からの進角操作信号の発生タイミングにより制御できるものであり、前記給電器は、前記3相駆動コイルのうち第2相コイルを前記第1給電線路に接続して第1相コイルおよび第3相コイルを前記第2給電線路に接続する第1接続状態と、前記第1相コイルおよび前記第2相コイルを前記第1給電線路に接続して前記第3相コイルを前記第2給電線路に接続する第2接続状態とを少なくとも成し得るものであり、前記進角制御器は、相電流比較器を含み、前記相電流比較器は、前記第1もしくは第2の給電線路に流れるコモン電流値を、前記第1および第2接続状態のうち一方の接続状態においてサンプリングし、他方の接続状態において、前記サンプリングしたコモン電流値とサンプリングしないコモン電流値との比較結果を抽出することにより、前記第1接続状態と前記第2接続状態との前記コモン電流値を比較するものであり、前記進角制御器は、前記第1相コイルに生じる逆誘起電圧のゼロクロス近傍において、前記相電流比較器による前記各接続状態でのコモン電流値の比較結果が概略同じになるように前記進角操作信号の発生タイミングを制御するものであり、前記進角制御器による前記進角操作信号の発生タイミング制御により、前記駆動波形生成器の駆動波形の生成タイミングを制御し、前記各相コイルの逆誘起電圧とこれに流れる交番電流の位相とを概略一致させる制御を行うようにしたモータ駆動装置。
  2. 3相の駆動コイルと、直流電源と、前記直流電源の正側または負側給電端子のうち一方の端子が接続される第 1 給電線路と、前記直流電源の正側または負側給電端子のうち他方の端子が接続される第2給電線路と、電気角を1周期とする駆動波形を前記各相コイルに各々対応して生成する駆動波形生成器と、前記駆動波形の位相を制御する進角制御器と、前記駆動波形をパルス幅変調した変調信号に基づいて前記各相コイルを前記第1給電線路もしくは前記第2給電線路に接続し、連続的に変化する交番電流にて前記各相コイルを駆動する給電器とを少なくとも備え、前記給電器は、前記3相駆動コイルのうち第2相コイルを前記第1給電線路に接続して第1相コイルおよび第3相コイルを前記第2給電線路に接続する第1接続状態と、前記第1相コイルおよび前記第2相コイルを前記第1給電線路に接続して前記第3相コイルを前記第2給電線路に接続する第2接続状態と、第2相コイルおよび第3相コイルを前記第1給電線路に接続して第1相コイルを前記第2給電線路に接続する第3接続状態を少なくとも成し得るものであり、前記進角制御器は、前記第1接続状態と前記第2接続状態のときの前記第1もしくは第2の給電線路に流れるコモン電流値を比較し、前記第1相コイルに生じる逆誘起電圧のゼロクロス近傍において、前記各接続状態でのコモン電流値が概略同じになるように前記駆動波形の位相を制御する第1制御状態と、前記第3接続状態のときの前記第1もしくは第2の給電線路に流れるコモン電流値をゼロ値と比較し、前記第1相コイルに生じる逆誘起電圧のゼロクロス近傍において、前記第3接続状態でのコモン電流値が概略ゼロになるように前記駆動波形の位相を制御する第2制御状態とを選択し得るものであり、前記進角制御器は、前記駆動波形の位相制御の電気角度が前記駆動コイルの逆誘起電圧に対して概略30度以内である場合、前記第1制御状態を選択し、前記駆動波形の位相制御の電気角度が前記駆動コイルの逆誘起電圧に対して概略30度以上である場合、前記第2制御状態を選択して、前記各相コイルの逆誘起電圧とこれに流れる交番電流の位相とを概略一致させる制御を行うようにしたモータ駆動装置。
  3. 進角制御器による駆動波形の位相制御を、電気角でn周期毎(nは1以上の整数)のタイミングで行うようにした請求項1または請求項2記載のモータ駆動装置。
  4. 進角制御器による駆動波形の位相制御を、機械角でn周期毎(nは1以上の整数)のタイミングで行うようにした請求項1または請求項2記載のモータ駆動装置。
  5. 進角制御器による駆動波形の位相制御を、電気角で1/m周期毎(mは2または3または6)のタイミングで行うようにした請求項1または請求項2記載のモータ駆動装置。
  6. 進角制御器による駆動波形の位相制御を行うタイミングにおいて、コモン電流値の比較結果が、過去の同一タイミングと少なくとも2回以上連続して同じ結果となった場合、前記駆動波形の位相制御を行うようにした請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
  7. 進角制御器による駆動波形の位相制御を、可動子の駆動速度が所望の値以上のときに行うようにした請求項1または請求項2記載のモータ駆動装置。
  8. 進角制御器による駆動波形の位相制御を、モータの負荷トルクが所望の値以上のときに行うようにした請求項1または請求項2記載のモータ駆動装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のモータ駆動装置を送風用ファンモータに採用した空調機器。
  10. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のモータ駆動装置を送風用ファンモータに採用した空気清浄機。
  11. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のモータ駆動装置を燃焼ファンモータに採用した給湯機。
  12. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のモータ駆動装置を駆動系に搭載した複写機。
  13. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のモータ駆動装置を駆動系に搭載したプリンタ。
  14. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のモータ駆動装置を駆動系に搭載したハードディスク機器。
  15. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のモータ駆動装置を駆動系に搭載した光メディア機器。
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