JP6510594B2 - モータの駆動装置、駆動方法、および冷却装置、電子機器 - Google Patents

モータの駆動装置、駆動方法、および冷却装置、電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、モータ駆動技術に関する。
図1は、三相ブラシレスDCモータ500の模式図である。モータ500は、U相、V相、W相それぞれのステータコア502と、スタータコアに巻装されるステータコイル(以下、単にコイルという)L、L、Lからなるステータと、永久磁石を有するマグネットロータ504と、を備える。
図示しない駆動回路により、コイルL、L、Lを順にサイクリックに通電することにより(転流ともいう)、ステータが発生する巻線磁界506が回転する。この巻線磁界がマグネットロータ504に作用することによりマグネットロータ504が回転する。
モータのトルクは、巻線磁界506とマグネットロータ504が、概ね図1に示す位置関係にあるとき、より具体的には、巻線磁界506とマグネットロータ504が直交するときに、最大となることが知られている。
モータを、インダクタンスLと抵抗Rの等価回路で考えると、コイル電流i(t)、端子間電圧(印加電圧、駆動電圧ともいう)Vおよび誘起電圧(逆起電力ともいう)eの間には、式(1)が成り立つ。
V−e=R・i+L・di/dt=(R+jωL)・i …(1)
式(1)を変形すると式(2)を得る。
i=(V−e)/(R+jωL)=(V−e)・(R−jωL)/(ω+R) …(2)
つまり、コイル電流iの位相は、駆動電圧Vと誘起電圧eの合成ベクトル(V−e)と、モータのインピーダンス(jωL+R)に応じて変化する。具体的には、駆動電圧Vと誘起電圧eの合成ベクトル(V−e)に対して、コイル電流の位相は、θ=arctan(ωL/R)遅れる。
図2(a)は、ある相のコイルの駆動電圧、誘起電圧およびその相のコイルに流れる電流の関係を示す図である。図2(a)の左図は、誘起電圧eと同相で駆動電圧Vを発生した状態を示す。この状態で、コイル電流iの位相は誘起電圧eに対して遅れている。
図2(a)の右図は、駆動電圧Vを誘起電圧eに対して進相させた状態を示す。この状態で、コイル電流iは誘起電圧eと同相となり、高トルクが得られる。
図2(b)は、図2(a)の右図の位相関係が成り立つときのベクトル図である。誘起電圧eとコイル電流iの位相が一致するためには、誘起電圧eと駆動電圧Vの合成ベクトル(V−e)が、コイル電流iに対してθ遅れていればよく、そうなるように、駆動電圧Vの振幅および位相を調節すればよい。
ここで誘起電圧eは、モータの回転数ωに比例し、またモータのインピーダンスが影響する位相進み角θも、モータの回転数ωに応じて時々刻々と変化する。したがって最大トルクを得るためには、駆動電圧Vの振幅、位相も、モータの回転数ωに応じて時々刻々と変化させる必要がある。駆動電圧Vの位相は、誘起電圧eより進んでいるため、進角制御とも称される。
駆動電圧Vを最適化するためには、以下の2つの方法が考えられる。
第1の方法では、誘起電圧eの位相と、コイル電流iの位相が検出される。誘起電圧eの位相はロータの位置と1対1で対応することから、誘起電圧eの位相は、ホール素子などのロータの位置検出器により検出することができる。そして、コイル電流iの位相をカレントトランスなどの電流検出器により検出し、それらの情報にもとづいて、駆動電圧Vの位相を調節する。第1の方法では、電流検出器が高価であるという問題がある。
第2の方法は、駆動電圧Vの周波数や大きさなどの情報と、位相角の関係を予め定めておき、現在の駆動電圧Vの周波数、大きさにもとづいてオープンループで、位相角を調節する。この方法では、モータの品種ごとあるいは固体ごとに、個別設定が必要となり煩雑であった。また精度の面でも課題があった。
本発明はかかる状況においてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、低コストで、および/または、簡易に進角制御が可能なモータ駆動装置の提供にある。
本発明のある態様は、少なくともひとつのコイルを有するブラシレスDCモータの駆動装置に関する。駆動装置は、ブラシレスDCモータの所定相のコイルに生ずる誘起電圧がゼロとなる電圧ゼロクロス点を検出する電圧ゼロクロス検出部と、電圧ゼロクロス点と同期して、少なくともひとつの検出区間を設定する検出区間設定部と、所定相のコイルの一端に生ずる端子電圧をしきい値電圧と比較し、比較結果を示すコイル電圧検出信号を生成するコイル電圧検出コンパレータと、検出区間におけるコイル電圧検出信号のレベルにもとづいて、所定相のコイルに流れるコイル電流と誘起電圧の位相の関係を示す位相検出信号を生成する電流位相検出部と、位相検出信号にもとづいて駆動制御信号を生成する駆動信号合成部と、駆動制御信号にもとづいてブラシレスDCモータを駆動するとともに、検出区間において所定相のコイルの一端をハイインピーダンス状態とするよう構成された駆動回路と、を備える。
電圧ゼロクロス点の付近、あるいはその前、その後ろにおいて、コイルの一端をハイインピーダンス状態にすると、駆動回路からコイルに流れ込む向き(ソース方向という)にコイル電流が流れるときには、端子電圧は接地電圧付近となり、コイルから駆動回路に流れ込む向き(シンク方向)にコイル電流が流れるときには、端子電圧は電源電圧付近となる。つまり、端子電圧にもとづいてコイル電流の向き、つまりその位相を判定することができ、駆動電圧の転流制御に反映させることができる。
検出区間設定部は、電圧ゼロクロス点と同期して、それより第1所定角前に第1検出区間を、それより第2所定角後ろに第2検出区間を設定し、電流位相検出部は、第1検出区間と第2検出区間それぞれにおけるコイル電圧検出信号のレベルの組み合わせにもとづいて、位相検出信号を生成してもよい。
この場合、第1検出区間、第2検出区間の両方において、コイル電流がソース方向に流れるときには、コイル電流の位相が誘起電圧に対して遅れているものと判定でき、第1検出区間、第2検出区間の両方において、コイル電流がシンク方向に流れるときには、コイル電流の位相が誘起電圧に対して進んでいるものと判定できる。
電流位相検出部は、(i)コイル電流がゼロクロスする電流ゼロクロス点が第1検出区間より前に位置する第1状態、(ii)電流ゼロクロス点が第2検出区間より後ろ位置する第2状態、(iii)電流ゼロクロス点が第1検出区間より後ろ、第2検出区間より前に位置する第3状態か、のいずれかを判定してもよい。駆動信号合成部は、(i)第1状態において、転流のタイミングを現在のタイミングに対して所定の第1調節角遅らせ、(ii)第2状態において、転流のタイミングを現在のタイミングに対して所定の第2調節角進め、(iii)第3状態において、転流のタイミングを現在のタイミングに維持してもよい。
検出区間設定部は、第1検出区間、第2検出区間に加えて、第1検出区間より第3所定角前に第3検出区間を、第2検出区間より第4所定角後ろに第4検出区間を設定し、電流位相検出部は、第1検出区間から第4検出区間それぞれにおけるコイル電圧検出信号のレベルの組み合わせにもとづいて、(i)コイル電流がゼロクロスする電流ゼロクロス点が第3検出区間より前に位置する第1状態、(ii)電流ゼロクロス点が第3検出区間より後ろ、第1検出区間より前に位置する第2状態、(iii)電流ゼロクロス点が第4検出区間より後ろに位置する第3状態、(iv)電流ゼロクロス点が第2検出区間より後ろ、第4検出区間より前に位置する第4状態、(v)電流ゼロクロス点が第1検出区間と第2検出区間の間に位置する第5状態か、のいずれかを判定してもよい。駆動信号合成部は、(i)第1状態において、転流のタイミングを現在のタイミングに対して所定の第1調節角遅らせ、(ii)第2状態において、転流のタイミングを現在のタイミングに対して所定の第2調節角遅らせ、(iii)第3状態において、転流のタイミングを現在のタイミングに対して所定の第3調節角進ませ、(iv)第4状態において、転流のタイミングを現在のタイミングに対して所定の第4調節角進ませ、(iv)第5状態において、転流のタイミングを現在のタイミングに維持してもよい。
この場合、コイル電流の位相情報をより正確に取得できる。
第1調節角は、第2調節角より大きく、第3調節角は、第4調節角より大きくてもよい。
この場合、コイル電流の位相ずれ量が大きいときには、大きな角度で駆動電圧の位相を変化させ、コイル電流の位相ずれ量が小さいときには、小さな角度で駆動電圧の位相を変化させることができるため、制御速度および/または制御精度を高めることができる。
駆動信号合成部は、(i)位相検出信号が、コイル電流の位相が誘起電圧の位相より遅れていることを示すとき、転流のタイミングを現在のタイミングに対して相対的に所定角早めてもよい。
駆動信号合成部は、(ii)位相検出信号が、コイル電流の位相が誘起電圧の位相より進んでいることを示すとき、転流のタイミングを現在のタイミングに対して相対的に所定角遅らせてもよい。
しきい値電圧は、多相コイルの中点の電圧であってもよい。しきい値電圧は、電源電圧と接地電圧を分圧した電圧であってもよい。
電圧ゼロクロス検出部は、ホール素子からのブラシレスDCモータのロータの位置を示す一対のホール信号を比較し、ホール検出信号を生成するホールコンパレータを含んでもよい。
電圧ゼロクロス検出部は、ブラシレスDCモータの所定相のコイルの端子をハイインピーダンスとした状態で、端子電圧とコイルの中点電圧を比較する逆起電力検出コンパレータを含んでもよい。
ブラシレスDCモータは、ファンモータであってもよい。
本発明の別の態様は冷却装置に関する。冷却装置は、ファンモータと、ファンモータを駆動する上述のいずれかの駆動装置と、を備えてもよい。
本発明の別の態様は電子機器に関する。電子機器は、上述の冷却装置を備えてもよい。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明のある態様によれば、低コストで、および/または、簡易に進角制御が可能となる。
三相ブラシレスDCモータの模式図である。 図2(a)は、ある相のコイルの駆動電圧、誘起電圧およびその相のコイルに流れる電流の関係を示す図であり、図2(b)は、図2(a)の右図の位相関係が成り立つときのベクトル図である。 実施の形態に係る冷却装置を備える電子機器を示すブロック図である。 図4(a)、(b)は、検出区間における駆動回路の状態を示す回路図であり、図4(c)は、コイル電流Iの位相と誘起電圧eの関係を示す波形図である。 図5(a)〜(d)は、駆動装置による電流位相の検出を示す波形図である。 第1の変形例における検出区間を示す図である。
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
本明細書において、「部材Aが、部材Bと接続された状態」とは、部材Aと部材Bが物理的に直接的に接続される場合のほか、部材Aと部材Bが、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
同様に、「部材Cが、部材Aと部材Bの間に設けられた状態」とは、部材Aと部材C、あるいは部材Bと部材Cが直接的に接続される場合のほか、それらの電気的な接続状態に実質的な影響を及ぼさない、あるいはそれらの結合により奏される機能や効果を損なわせない、その他の部材を介して間接的に接続される場合も含む。
図3は、実施の形態に係る冷却装置200を備える電子機器100を示すブロック図である。電子機器100は、パーソナルコンピュータ、ワークステーションなどの計算機、あるいは冷蔵庫やテレビなどの家電製品であり、冷却対象、たとえばCPU102を備える。冷却装置200は、送風によってCPU102を冷却する。
冷却装置200は、ファンモータ202、ホール素子204および駆動装置300を備える。ファンモータ202は、三相ブラシレスDCモータであり、冷却対象のCPU102に近接して配置される。駆動装置300は、ファンモータ202のトルク(回転数、あるいは印加電圧)を指示するための制御入力信号(以下、単に制御信号という)S1にもとづいてファンモータ202を駆動する。冷却装置200は、モジュール化されて市販、流通される。
ファンモータ202は、スター結線されたU相、V相、L相のコイルL、L、Lと、図示しない永久磁石を備える。ホール素子204は、ファンモータ202の所定の箇所に取り付けられており、ファンモータ202のロータの位置を示す一対のホール信号VH+、VH−を生成する。ホール素子204には、駆動装置300からのホールバイアス電圧VHBが供給される。本実施の形態に係る冷却装置200において、ホール素子204は三相すべてに用意されるのではなく、1相にのみ用意される。
駆動装置300は、ひとつの半導体基板上に集積化された機能IC(Integrated Circuit)である。電源端子VCCには、電源電圧VCCが供給され、接地端子GNDには接地電圧が供給される。また駆動装置300の出力端子OUTU〜OUTWは、ファンモータ202のコイルL、L、Lの一端と接続され、コモン(COM)端子は、ファンモータ202の中点電圧VCOMが入力される。
駆動装置300は、コイル電圧検出コンパレータ302、ホールコンパレータ304、駆動信号合成部308、PWM信号生成部310、駆動回路312、検出区間設定部316、電流位相検出部318を備える。
ホールコンパレータ304は、上述のホール素子204とともに、電圧ゼロクロス検出部314を形成する。ホールコンパレータ304は、ホール素子204を含むホールICに集積化されてもよい。電圧ゼロクロス検出部314は、ファンモータ202の所定相UのコイルLに生ずる誘起電圧eがゼロとなる電圧ゼロクロス点を検出する。具体的には、ホールコンパレータ304は、ホール素子204からのロータの位置を示す一対のホール信号H+、H−を比較し、ホール検出信号S4を生成する。ホール検出信号S4は、電圧ゼロクロス点ごとにレベルが遷移する。
検出区間設定部316は、ホール検出信号S4と同期して、電圧ゼロクロス点の前および/または後ろ、あるいは、電圧ゼロクロス点を含むように、少なくともひとつの検出区間を設定する。本実施の形態では、検出区間設定部316は、電圧ゼロクロス点の前に第1検出区間を、電圧ゼロクロス点の後ろに第2検出区間を設定するものとする。検出区間設定部316は、第1検出区間、第2検出区間それぞれにおいてアサート(たとえばハイレベル)されるタイミング信号S7を生成する。
コイル電圧検出コンパレータ302は、所定相UのコイルLの一端に生ずる端子電圧Vをしきい値電圧と比較し、比較結果を示すコイル電圧検出信号S3を生成する。本実施の形態において、しきい値電圧はファンモータ202の中点電圧VCOMである。
電流位相検出部318は、タイミング信号S7を受ける。電流位相検出部318は、タイミング信号S7がアサートされる区間、つまり検出区間設定部316において設定された検出区間におけるコイル電圧検出信号S3のレベルにもとづいて、所定相UのコイルLに流れるコイル電流Iと誘起電圧eの位相の関係を判定し、判定結果を示す位相検出信号S8を生成する。
PWM信号生成部310は、外部からファンモータ202のトルク、回転数または印加電圧を指示する制御信号S1を受け、制御信号S1に応じてパルス変調されたパルス幅変調(PWM)信号S2を生成する。PWM信号S2のデューティ比は、制御信号S1に応じて変化する。PWM信号生成部310には、駆動装置300の外部から、モータの目標トルクに応じてパルス幅変調された制御信号S1が入力され、それをそのままPWM信号S2として出力してもよい。あるいはPWM信号生成部310は、サーミスタなどを利用して得られる周囲温度Taに応じたアナログ電圧を受け、アナログ電圧に応じたデューティ比を有するPWM信号S2を生成してもよい。あるいはPWM信号生成部310は、CPUなどのホストプロセッサから、デューティ比を示すデジタル信号を受け、デジタル信号に応じたPWM信号S2を生成してもよい。
駆動信号合成部308は、PWM信号S2およびホール検出信号S4に加えて、タイミング信号S7、位相検出信号S8にもとづいて、U相、V相、V相それぞれに対する駆動制御信号S5、S5、S5を生成する。
また駆動信号合成部308は、ホール検出信号S4および位相検出信号S8にもとづいて、転流制御を行う。すなわち、駆動信号合成部308は、位相検出信号S8にもとづいて進相角(あるいは遅相角)を決定し、ホール検出信号S4が示す電圧ゼロクロス点に対して、進相角(遅相角)シフトさせたタイミングで、転流を行う。つまり駆動信号合成部308は、転流のタイミングに位相検出信号S8を反映することにより、コイル電流Iと誘起電圧eの位相関係を所定の関係(たとえば同相)に近づける。また、駆動信号合成部308は、タイミング信号S7がアサートされる検出区間において、所定相のコイルLの一端がハイインピーダンス状態となるように、駆動制御信号S5を生成する。
駆動回路312は、駆動制御信号S5、S5、S5に応じて、コイルL、L、Lそれぞれの一端に、駆動電圧V、V、Vを印加する。図3には、U相の駆動回路312Uのみが示されており、V相、W相は省略している。
駆動回路312は、ファンモータ202をPWM(スイッチング)駆動してもよいし、BTL(Bridged Transless)駆動してもよい。
PWM駆動では、駆動電圧V、V、Vは、電源電圧VCCと接地電圧VGNDの2値でスイッチングし、パルス幅変調される。各駆動電圧のデューティ比には、目標トルク(目標回転数)が反映される。また、相の切りかえ時のノイズを抑制するために、相遷移の区間において、各駆動電圧のデューティ比が緩やかに切りかえられる。PWM駆動の駆動回路312は、三相ブリッジ回路で構成される。PWM駆動用の駆動回路312は、ブリッジ回路312aと、その前段のプリドライバ312bを含んでもよい。
BTL駆動では、駆動電圧V、V、Vの包絡線は、電源電圧VCCと接地電圧VGNDの間を緩やかに遷移する。各相の駆動電圧の包絡線を、正弦波状あるいは疑似正弦波、台形波などにもとづいて遷移させることで、PWM駆動よりも低ノイズ化が図られる。包絡線の波形は、テーブル参照により生成してもよいし、ホール信号VH+、VH−にもとづいて生成してもよい。各相の駆動電圧は、目標トルク(目標回転数)に応じたデューティ比を有するようにパルス幅変調されてもよい。BTL駆動の駆動回路312は、U相、V相、W相それぞれに設けられたアンプ312bで構成される。各アンプ312bの出力段は、プッシュプル形式のブリッジ回路312aで構成される。
なお、駆動信号合成部308および駆動回路312については公知技術を利用すればよく、その構成、駆動方式は特に限定されない。
また駆動回路312は、検出区間において所定相のコイルLの一端をハイインピーダンス状態とする。具体的には、ブリッジ回路312aのハイサイドトランジスタM1、ローサイドトランジスタM2を両方オフとする。
以上が冷却装置200の全体構成である。続いて、その動作を説明する。
図4(a)、(b)は、検出区間における駆動回路312の状態を示す回路図である。
検出区間において、ハイサイドトランジスタM1およびローサイドトランジスタM2は両方オフとなり、出力端子OUTUがハイインピーダンス状態となる。図4(a)には、検出区間において、駆動回路312からコイルLに流れ込む向き(ソース方向という)にコイル電流Iが流れる状態が示される。このとき、コイル電流Iは、ローサイドトランジスタM2のボディーダイオードを経由して流れ、したがって端子電圧Vは、接地電圧VGND付近となる。
図4(b)には、検出区間において、コイルLから駆動回路312に流れ込む向き(シンク方向という)にコイル電流Iが流れる状態が示される。このとき、コイル電流Iは、ハイサイドトランジスタM1のボディーダイオードを経由して流れ、したがって端子電圧Vは、電源電圧VCC付近となる。
この性質を利用して、コイル電圧検出コンパレータ302は、検出区間における端子電圧Vにもとづいて、コイル電流Iの向き、すなわちその位相を判定する。具体的には、端子電圧Vをしきい値電圧VCOMを比較することにより、V<VCOMのとき、コイル電流Iは正であり、コイル電流の位相が遅れているものと判定し、V>VCOMのときコイル電流Iは負であり、コイル電流の位相が進んでいるものと判定する。図4(c)は、コイル電流Iの位相と誘起電圧eの関係を示す波形図である。
理解の容易のために、検出区間が電圧ゼロクロス点と一致する場合を考えると、電圧ゼロクロス点においてコイル電流が正、つまりソース方向に流れるとき、V<VCOMとなり、電流の位相が遅れていることが推定される。反対に電圧ゼロクロス点においてコイル電流が負、つまりシンク方向に流れるとき、V>VCOMとなり、電流の位相が進んでいることが推定される。
図5(a)〜(d)は、駆動装置300による電流位相の検出を示す波形図である。図5(a)には誘起電圧eおよびハイサイドトランジスタM1、ローサイドトランジスタM2の状態が示されている。ハイサイドトランジスタM1およびローサイドトランジスタM2は、PWM信号S2に応じて相補的にスイッチングしている。電圧ゼロクロス点が発生する時刻をtとする。
本実施の形態において、検出区間設定部316は、電圧ゼロクロス点tと同期して、電圧ゼロクロス点tより第1所定角α前に第1検出区間Td1を、電圧ゼロクロス点より第2所定角α後ろに第2検出区間Td1を設定する。そして電流位相検出部318は、第1検出区間Td1と第2検出区間Td2それぞれにおけるコイル電圧検出信号S3のレベルの組み合わせにもとづいて、位相検出信号S8を生成する。
図5(b)〜(c)には、コイル電流Iと端子電圧Vが示される。図5(b)には、コイル電流Iの位相が遅れているときの、図5(c)にはコイル電流Iと誘起電圧eが同相であるときの、図5(d)にはコイル電流Iの位相が進んでいるときの波形が示される。
電流位相検出部318は、図5(b)に示すように、第1検出区間Td1、第2検出区間Td2の両方において、V<VCOMとなるとき、コイル電流Iのゼロクロス点(以下、電流ゼロクロス点という)は第2検出区間Td2よりも後ろに位置するため、コイル電流の位相が遅れているものと判定する。
また電流位相検出部318は、図5(c)に示すように、第1検出区間Td1において、V>VCOM、第2検出区間Td2においてV<VCOMとなるとき、電流ゼロクロス点が第1検出区間Td1と第2検出区間Td2の間、つまり電圧ゼロクロス点付近に位置するため、コイル電流Iと誘起電圧eが同相であると判定する。
また電流位相検出部318は、図5(d)に示すように、第1検出区間Td1、第2検出区間Td2の両方において、V>VCOMとなるとき、電流ゼロクロス点が第1検出区間Td1より前に位置するため、コイル電流Iの位相が進んでいるものと判定する。
つまり電流位相検出部318は、(i)図5(d)に示すように電流ゼロクロス点が第1検出区間より前に位置する第1状態φ1、(ii)図5(b)に示すように電流ゼロクロス点が第2検出区間Td2より後ろ位置する第2状態φ2、(iii)電流ゼロクロス点が第1検出区間Td1より後ろ、第2検出区間Td2より前に位置する第3状態φ3か、のいずれかを判定している。
そして、駆動信号合成部308は、図5(b)の第2状態φ2のように電流位相検出部318においてコイル電流Iの位相が遅れていると判定された場合、転流のタイミング、つまり駆動電圧の位相を現在のタイミングに対して相対的に所定の第1調節角θADJ1早める。
また駆動信号合成部308は、図5(d)の第1状態φ1のように、電流位相検出部318においてコイル電流Iの位相が進んでいると判定された場合、転流のタイミング、つまり駆動電圧の位相を現在のタイミングに対して相対的に所定の第2調節角θADJ2遅らせる。
また駆動信号合成部308は、図5(c)の第3状態φ3のように、電流位相検出部318においてコイル電流Iと誘起電圧eが同相と判定された場合、転流のタイミングつまり駆動電圧の位相を、現在のそれに維持する。
なお第1所定角αと第2所定角αは等しくてもよいし異なっていてもよく、同様に、第1調節角θADJ1と第2調節角θADJ2は等しくてもよいし異なっていてもよい。
以上の動作を繰り返すことにより、コイル電流Iの位相と誘起電圧eの位相が一致するようにフィードバックがかかり、ファンモータ202を高効率で、および/または高トルクで駆動することができる。
以上が駆動装置300を備える冷却装置200の動作である。
この駆動装置300によれば、電圧ゼロクロス点の前後に検出区間を設け、検出区間における端子電圧Vを参照することにより、コイル電流Iの向き、つまりその位相を検出することができ、それを転流制御に反映させることができる。
この駆動装置300では、上述した第1の方法と比べて、コイル電流Iの位相を検出するためのカレントトランスなどが不要であるため、従来の駆動装置より低コスト化、小面積化を図ることができる。
また、オープンループ制御を利用する第2の方法と比べて、モータの品種ごとあるいは固体ごとの個別設定が不要となり、簡易かつ高精度な進相制御が可能となる。
特に、電圧ゼロクロス点の前後に、2個の検出区間を設けることで、それぞれにおけるコイル電圧検出信号S3の値の組み合わせによって、コイル電流の位相進み、位相遅れを正確に判定することができる。
また、コイル電流Iの位相の安定点は、第1所定角αと第2所定角αの間に位置することになるから、その位置を、第1所定角αと第2所定角αによって調節することができる。
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
(第1の変形例)
実施の形態では、2個の検出区間を設定する場合を説明したが検出区間の数は任意である。第1の変形例では、4個の検出区間が設けられる。
図6は、第1の変形例における検出区間を示す図である。検出区間設定部316は、第1検出区間Td1、第2検出区間Td2に加えて、第1検出区間Td1より第3所定角α前に第3検出区間Td3を、第2検出区間Td2より第4所定角α後ろに第4検出区間Td4を設定する。
電流位相検出部318は、第1検出区間Td1から第4検出区間Td4それぞれにおけるコイル電圧検出信号S3のレベルの組み合わせにもとづいて、(i)電流ゼロクロス点が第3検出区間Td3より前に位置する第1状態φ1、(ii)電流ゼロクロス点が第3検出区間Td3より後ろ、第1検出区間Td1より前に位置する第2状態φ2、(iii)電流ゼロクロス点が第4検出区間Td4より後ろに位置する第3状態φ3、(iv)電流ゼロクロス点が第2検出区間Td2より後ろ、第4検出区間Td4より前に位置する第4状態φ4、(v)電流ゼロクロス点が第1検出区間Td1と第2検出区間Td2の間に位置する第5状態φ5か、のいずれかを判定する。
そして駆動信号合成部308は、(i)第1状態φ1において、転流のタイミングを現在のタイミングに対して所定の第1調節角θADJ1遅らせ、(ii)第2状態φ2において、転流のタイミングを現在のタイミングに対して所定の第2調節角θADJ2遅らせ、(iii)第3状態φ3において、転流のタイミングを現在のタイミングに対して所定の第3調節角θADJ3進ませ、(iv)第4状態φ4において、転流のタイミングを現在のタイミングに対して所定の第4調節角θADJ4進ませ、(iv)第5状態φ5において、転流のタイミングを現在のタイミングに維持する。
この変形例によれば、検出区間の個数を増やしたことにより、コイル電流Iの位相情報をより正確に取得できる。
好ましくは、以下の関係が成り立つことが望ましい。
θADJ1>θADJ2
θADJ3>θADJ4
この場合、コイル電流Iの位相ずれ量が大きいときには、大きな角度で駆動電圧Vの位相を変化させ、コイル電流Iの位相ずれ量が小さいときには、小さな角度で駆動電圧の位相を変化させることができる。これにより、制御速度および制御精度を高めることができる。
(第2の変形例)
検出区間は、電圧ゼロクロス点の前もしくは後ろの一方のみに、あるいは、電圧ゼロクロス点を含むように、ひとつまたは複数、配置してもよい。
(第3の変形例)
実施の形態では、コイル電圧検出コンパレータ302において、端子電圧Vと比較されるしきい値電圧を、多相コイルの中点電圧VCOMとしたが本発明はそれには限定されない。たとえば、コイル電圧検出コンパレータ302は、しきい値電圧として、電源電圧VCCと接地電圧VGNDを分圧した電圧、つまりそれらの中点電圧VCC/2を利用してもよい。つまりしきい値電圧は、コイル電流の向きを判定できるように定めればよい。
(第4の変形例)
実施の形態では、電圧ゼロクロス点を検出するためにホール素子204を利用する場合を説明したが本発明はそれには限定されない。たとえば電圧ゼロクロス検出部314は、ブラシレスDCモータの所定相(たとえばU相)のコイルLの端子をハイインピーダンスとした状態で、端子電圧Vとコイルの中点電圧VCOMを比較する逆起電力検出コンパレータを含んでもよい。
なお、検出区間と電圧ゼロクロス点の検出は、位相が180度反転したポイントで行うか、もしくは異なる相のコイルを利用して行うことができる。同相で行う場合、逆起電力検出コンパレータとコイル電圧検出コンパレータ302とで、単一のコンパレータを時分割で共有することができる。
あるいはコイル、エンコーダやレゾルバなどを利用して、ロータの位置、すなわち電圧ゼロクロス点を検出してもよい。
(第5の変形例)
実施の形態では、コイル電流Iの位相を、誘起電圧eの位相と一致させる場合を説明したが、本発明はそれには限定されない。モータの種類や用途によっては、それらの位相が完全に一致しているときよりも、わずかにずれているときの方が効率あるいはトルクの観点から好ましい場合も想定される。この場合、電圧ゼロクロス点に対して検出区間を前後にシフトさせることで、コイル電流の位相の目標位置を任意に設定できる。
(第6の変形例)
ブラシレスDCモータの相数は特に限定されず、たとえば単相であってもよい。
(第7の変形例)
実施の形態において、冷却装置200を電子機器に搭載してCPUを冷却する場合について説明したが、本発明の用途はこれには限定されず、発熱体を冷却するさまざまなアプリケーションに用いることができる。さらにいえば、本実施の形態に係る駆動装置300の用途は、ファンモータの駆動に限定されるものではなく、その他の各種モータの駆動に用いることができる。
実施の形態にもとづき、具体的な用語を用いて本発明を説明したが、実施の形態は、本発明の原理、応用を示しているにすぎず、実施の形態には、請求の範囲に規定された本発明の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が認められる。
500…モータ、502…ステータコア、504…マグネットロータ、506…巻線磁界、100…電子機器、102…CPU、200…冷却装置、202…ファンモータ、204…ホール素子、300…駆動装置、302…コイル電圧検出コンパレータ、304…ホールコンパレータ、308…駆動信号合成部、310…PWM信号生成部、312…駆動回路、314…電圧ゼロクロス検出部、316…検出区間設定部、318…電流位相検出部、S1…制御信号、S2…PWM信号、S3…コイル電圧検出信号、S4…ホール検出信号、S5…駆動制御信号、S6…位相検出信号、S7…タイミング信号、S8…位相検出信号、M1…ハイサイドトランジスタ、M2…ローサイドトランジスタ。

Claims (17)

  1. 少なくともひとつのコイルを有するブラシレスDCモータの駆動装置であって、
    前記ブラシレスDCモータの所定相のコイルに生ずる誘起電圧がゼロとなる電圧ゼロクロス点を検出する電圧ゼロクロス検出部と、
    前記ブラシレスDCモータに駆動電圧を印加するとともに、(i)前記電圧ゼロクロス点と同期して規定された検出区間において、前記所定相のコイルに流れるコイル電流の極性が第1極性であるとき、前記駆動電圧の位相を第1方向に移動し、(ii)前記コイル電流の極性が第2極性であること示すとき、前記駆動電圧の位相を前記第1方向と反対の第2方向に移動する駆動回路と、
    を備えることを特徴とする駆動装置。
  2. 前記駆動回路は、前記検出区間において前記所定相のコイルの一端をハイインピーダンス状態とするよう構成され、
    前記駆動装置は、前記所定相のコイルの一端に生ずる端子電圧をしきい値電圧と比較し、比較結果を示すコイル電圧検出信号を生成するコイル電圧検出コンパレータをさらに備え、
    前記検出区間において生成される前記コイル電圧検出信号が、前記コイル電流の極性を示すことを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記駆動回路は、ハイサイドトランジスタおよびローサイドトランジスタを含み、前記検出区間外において、前記ハイサイドトランジスタと前記ローサイドトランジスタをパルス信号に応じて相補的にスイッチングし、前記検出区間においてスイッチングを停止して前記ハイサイドトランジスタと前記ローサイドトランジスタを両方オフとすることを特徴とする請求項1または2に記載の駆動装置。
  4. 少なくともひとつのコイルを有するブラシレスDCモータの駆動装置であって、
    前記ブラシレスDCモータの所定相のコイルに生ずる誘起電圧がゼロとなる電圧ゼロクロス点を検出する電圧ゼロクロス検出部と、
    前記電圧ゼロクロス点と同期して規定された検出区間において、前記所定相のコイルの一端に生ずる端子電圧をしきい値電圧と比較し、比較結果を示すコイル電圧検出信号を生成するコイル電圧検出コンパレータと、
    前記コイル電圧検出信号にもとづいて、前記所定相のコイルに流れるコイル電流と前記誘起電圧の位相が一致するように、駆動制御信号を生成する駆動信号合成部と、
    前記駆動制御信号にもとづいて前記ブラシレスDCモータを駆動するとともに、前記検出区間において前記所定相のコイルの一端をハイインピーダンス状態とするよう構成された駆動回路と、
    を備えることを特徴とする駆動装置。
  5. 前記しきい値電圧は、多相コイルの中点の電圧であることを特徴とする請求項3または4に記載の駆動装置。
  6. 前記しきい値電圧は、電源電圧と接地電圧を分圧した電圧であることを特徴とする請求項3または4に記載の駆動装置。
  7. 前記駆動回路は、ハイサイドトランジスタおよびローサイドトランジスタを含み、前記検出区間外において、前記ハイサイドトランジスタと前記ローサイドトランジスタをパルスである前記駆動制御信号に応じて相補的にスイッチングし、前記検出区間においてスイッチングを停止して前記ハイサイドトランジスタと前記ローサイドトランジスタを両方オフとすることを特徴とする請求項4に記載の駆動装置。
  8. 前記電圧ゼロクロス検出部は、ホール素子からの前記ブラシレスDCモータのロータの位置を示す一対のホール信号を比較し、ホール検出信号を生成するホールコンパレータを含むことを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の駆動装置。
  9. 前記電圧ゼロクロス検出部は、前記ブラシレスDCモータの前記所定相のコイルの端子をハイインピーダンスとした状態で、前記端子電圧を前記コイルの中点電圧と比較する逆起電力検出コンパレータを含むことを特徴とする請求項2から7のいずれかに記載の駆動装置。
  10. 前記ブラシレスDCモータは、ファンモータであることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の駆動装置。
  11. ファンモータと、
    前記ファンモータを駆動する請求項1から10のいずれかに記載の駆動装置と、
    を備えることを特徴とする冷却装置。
  12. 請求項11に記載の冷却装置を備えることを特徴とする電子機器。
  13. 少なくともひとつのコイルを有するブラシレスDCモータの駆動方法であって、
    前記ブラシレスDCモータの所定相のコイルに生ずる誘起電圧がゼロとなる電圧ゼロクロス点を検出するステップと、
    前記ブラシレスDCモータに駆動電圧を印加するステップと、
    前記電圧ゼロクロス点と同期して規定された検出区間において前記所定相のコイルに流れるコイル電流の極性を検出するステップと、
    (i)前記検出区間における前記コイル電流の極性が第1極性であるとき、前記駆動電圧の位相を第1方向に移動し、(ii)前記検出区間における前記コイル電流の極性が第2極性であるとき、前記駆動電圧の位相を前記第1方向と反対の第2方向に移動するステップと、
    を備えることを特徴とする駆動方法。
  14. 前記検出区間において、前記所定相のコイルの一端をハイインピーダンスとするステップと、
    前記検出区間において、前記所定相のコイルの一端に生ずる端子電圧をしきい値電圧と比較し、前記コイル電流の極性を示すコイル電圧検出信号を生成するステップと、
    をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の駆動方法。
  15. 前記検出区間外において、パルス状の前記駆動電圧が前記ブラシレスDCモータに印加され、前記検出区間においてパルス状の前記駆動電圧の印加が停止され、前記コイルの一端がハイインピーダンスとなることを特徴とする請求項14に記載の駆動方法。
  16. 少なくともひとつのコイルを有するブラシレスDCモータの駆動方法であって、
    前記ブラシレスDCモータの所定相のコイルに生ずる誘起電圧がゼロとなる電圧ゼロクロス点を検出するステップと、
    前記電圧ゼロクロス点と同期して規定される検出区間において、前記所定相のコイルの一端に生ずる端子電圧をしきい値電圧と比較し、比較結果を示すコイル電圧検出信号を生成するステップと、
    前記コイル電圧検出信号にもとづいて、前記所定相のコイルに流れるコイル電流と前記誘起電圧の位相が一致するように、駆動制御信号を生成するステップと、
    前記駆動制御信号にもとづいて前記ブラシレスDCモータを駆動するとともに、前記検出区間において前記所定相のコイルの一端をハイインピーダンス状態とするステップと、
    を備えることを特徴とする駆動方法。
  17. 前記駆動制御信号はパルスであり、前記検出区間外において前記駆動制御信号にもとづいて前記ブラシレスDCモータにパルス状の駆動信号を印加し、
    前記検出区間において前記パルス状の駆動信号の印加を停止し、前記所定相のコイルの一端をハイインピーダンス状態とすることを特徴とする請求項16に記載の駆動方法。
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