しかしながら、上記特許文献1のシート搬送装置111においては、大量のシートをシート供給トレイ112に載置して、これらのシートを順に読み取る場合、以下のような問題点を有している。
つまり、ピックアップローラにより、後のページから一枚づつシートを取得しようとした場合、取得しようとするシートの上に大量のシートが重なっていると、取得しようとするシートに他のシートの重みがかかり、所望のシートの取得が困難となる。すなわち、この場合には、ピックアップローラが、複数枚のシートを同時に取得してしまうおそれがある。
また、ピックアップローラの位置を変更し、前のページから一枚づつシートを取る構成にシート搬送装置111を変更した場合には、シート供給トレイ112に排出されたシートのページ順が逆転してしまう。
さらに、上記のようにシートのページ順が逆転してしまうことを防止しようとすると、排出されるシートを、既にシート供給トレイ112に排出されているシートの下側に送りこまなければならない。このため、例えば、シートを排出する度、既に排出されたシートをシート供給トレイ112から浮かせる等の複雑な機構をシート搬送装置に別途設ける必要が生じる。そして、この場合には、読み取り速度の向上を図ることが困難となる。
また、シート供給トレイ112に読み取ったシートが排出されるため、常に、シート供給トレイ112にシートが載置された状態となり、シート全ての読み取りが終了したのか否か、ユーザが不安に感じるという問題点もある。
また、上記特許文献1に記載の記述を、記録用シート(P1’・P2’)に、インクジェットラインヘッド104’を用いて情報を記録する場合に適用しても、複数枚のシートを同時に取得してしまうおそれがある等の、シートを読み取る場合と同様の問題点を有する。
本発明は、上記の問題点に鑑み、なされたものであって、その目的は、シート長の異なるシートが混在している場合であっても、簡易な構成で、シートが排出された後に、各シートの先端部同士を揃えることができるシート搬送装置、このシート搬送装置を備える画像読取装置、および、この画像読取装置を備える画像形成装置を提供することである。
本発明に係るシート搬送装置は、上記の課題を解決するために、先端部同士を揃えた複数のシートを前記先端部方向から1枚づつ供給可能なシート供給手段と、前記シート供給手段から供給されたシートを搬送するシート搬送手段と、前記シート搬送手段により搬送されるシートに対して所定の処理が行われた後に、前記シート搬送手段により前記シートが排出される第1のシート排出手段とを備えると共に、前記シート供給手段にシートを載置したときのシートの配列と同じ配列となるように、前記第1のシート排出手段にシートを排出するシート搬送装置において、前記第1のシート排出手段は、前記所定の処理が行われた後にシートの表裏を反転させずにシートを排出可能な位置に配され、前記第1のシート排出手段を、前記第1のシート排出手段におけるシート搬送方向の下流側が上流側に対して高くなる第1の設定位置と、前記第1のシート排出手段におけるシート搬送方向の下流側が上流側に対して低くなる第2の設定位置との間で移動させることにより、前記第1のシート排出手段におけるシート搬送方向の上流側と下流側との上下関係を変化させて、前記第1のシート排出手段に排出されるシートの先端部同士を揃える整合手段と、搬送方向に関するシート長の異なるシートが混在しているか否かをシート搬送中に検知する検知手段とを備え、前記検知手段が、前記シート長の異なるシートが混在していることを検知した場合に、前記整合手段が、前記第1のシート排出手段を前記第2の設定位置にすることを特徴としている。
また、本発明に係るシート搬送装置は、上記のシート搬送装置において、前記上下関係の変化は、前記第1のシート排出手段を回動させることにより行われることを特徴としている。
また、本発明に係るシート搬送装置は、上記のシート搬送装置において、前記第1のシート排出手段の位置として、前記第1の設定位置あるいは前記第2の設定位置の何れかを指定する信号を受信する第1の受信手段を備え、前記第1の受信手段が、前記第1のシート排出手段を前記第2の設定位置にする信号を受信した場合には、前記整合手段が、前記第1のシート排出手段を前記第2の設定位置にすることを特徴としている。
また、本発明に係るシート搬送装置は、上記のシート搬送装置において、搬送方向に関するシート長の異なるシートが混在しているか否かをシート搬送中に検知する検知手段と、前記検知手段が前記シート長の異なるシートが混在していることを検知した場合であって、かつ、前記第1のシート排出手段が前記第1の設定位置にある場合には、シートの排出を一旦中断する第1の中断手段とを備えることを特徴としている。
また、本発明に係るシート搬送装置は、上記のシート搬送装置において、前記シート搬送手段により搬送されるシートに対して所定の処理が行われた後に、前記シート搬送手段によりシートが排出される第2のシート排出手段と、前記シートの排出先として、前記第1のシート排出手段あるいは前記第2のシート排出手段の何れかを指定する信号を受信する第2の受信手段とを備え、前記第2の受信手段の受信内容に応じて、前記シートの排出先が選択されることを特徴としている。
また、本発明に係るシート搬送装置は、上記のシート搬送装置において、搬送方向に関するシート長の異なるシートが混在しているか否かをシート搬送中に検知する検知手段と、前記検知手段が前記シート長の異なるシートが混在していることを検知した場合であって、かつ、前記シートの排出先が前記第2のシート排出手段である場合には、シートの排出を一旦中断する第2の中断手段とを備えることを特徴としている。
また、本発明に係るシート搬送装置は、上記のシート搬送装置において、前記複数のシートには、搬送方向と垂直となる端部に突出部を備えるシートが含まれていることを特徴としている。
また、本発明に係るシート搬送装置は、上記のシート搬送装置において、前記搬送方向に関するシート長を、シートの複数箇所で測定する測定手段を備えることを特徴としている。
また、本発明に係るシート搬送装置は、上記のシート搬送装置において、前記所定の処理は、シートに形成された画像の読取処理であることを特徴としている。
本発明に係る画像読取装置は、上記の課題を解決するために、上記のシート搬送装置を備えていることを特徴としている。
本発明に係る画像読取装置は、上記の課題を解決するために、上記検知手段と上記第1の中断手段とを備えたシート搬送装置と、前記第1の受信手段に対して、前記第1の設定位置あるいは前記第2の設定位置の何れかを指定する信号を送信する第1の送信手段とを備えることを特徴としている。
また、本発明に係る画像読取装置は、上記の画像読取装置において、少なくとも、シートの整合および非整合に関する情報を表示する表示手段を備え、前記第1の中断手段によりシートの排出が一旦中断された場合には、前記表示手段がシートの先端部同士が揃わないことを表示することを特徴としている。
本発明に係る画像読取装置は、上記の課題を解決するために、上記検知手段と上記第2の中断手段とを備えたシート搬送装置と、前記第2の受信手段に対して、前記第1のシート排出手段あるいは前記第2のシート排出手段の何れかを指定する信号を送信する第2の送信手段とを備えることを特徴としている。
本発明に係る画像読取装置は、上記の画像読取装置において、少なくとも、シートの整合および非整合に関する情報を表示する表示手段を備え、前記第2の中断手段によりシートの排出が一旦中断された場合には、前記表示手段がシートの先端部同士が揃わないことを表示することを特徴としている。
本発明に係る画像読取装置は、上記の課題を解決するために、前記複数のシートには、搬送方向と垂直となる端部に突出部を備えるシートが含まれているシート搬送装置と少なくとも、前記搬送方向と垂直となる方向におけるシートの端部の形状を識別する形状識別手段とを備えることを特徴としている。
本発明に係る画像読取装置は、上記の画像読取装置において、シート供給手段からシートが供給されている場合であっても、画像の読取動作を停止させる読取動作停止手段を備えることを特徴としている。
本発明に係る画像形成装置は、上記の課題を解決するために、上記の画像読取装置を備えることを特徴としている。
本発明に係るシート搬送装置は、以上のように、前記第1のシート排出手段は、前記所定の処理が行われた後にシートの表裏を反転させずにシートを排出可能な位置に配され、前記第1のシート排出手段におけるシート搬送方向の上流側と下流側との上下関係を変化させて、前記第1のシート排出手段に排出されるシートの先端部同士を揃える整合手段を備えている。
上記の構成によれば、整合手段により、上記第1のシート排出手段におけるシート搬送方向の上流側と下流側との上下関係を変化させることができる。そこで、例えば、第1のシート排出手段におけるシート搬送方向の下流側が上流側に対して低く設定すると、シート供給手段によりシートを供給する際におけるシートの先端部が、常に、第1のシート排出手段におけるシート搬送方向の下流側に位置することになる。
この場合には、シート搬送方向に関するシート長の異なるシートが混在している場合であっても、シートを供給する際における各シートの先端部は、必ず、第1のシート排出手段におけるシート搬送方向の下流側に位置する。
したがって、第1のシート排出手段に排出された後であっても、第1のシート排出手段におけるシート搬送方向の下流側で各シートの先端部同士を揃えることができる。これにより、第1のシート排出手段に排出されるシートの先端部同士を揃えることが可能となるという効果を奏する。
それゆえ、シートが第1のシート排出手段に排出された後に、ユーザが、シート先端部を揃え直す必要がなくなる。これにより、ユーザの手間を軽減できるシート搬送装置を提供できる。
また、このシート搬送装置では、シート供給手段にシートを載置したときのシートの配列と同じ配列となるように、第1のシート排出手段にシートが排出されるため、シートの並び(シートの順序)も変更する必要がない。
また、本発明に係るシート搬送装置は、上記のシート搬送装置において、前記上下関係の変化は、前記第1のシート排出手段を回動させることにより行われる。
上記の構成によれば、前記第1のシート排出手段を回動させることにより、第1のシート排出手段におけるシート搬送方向の上流側と下流側との上下関係を変化させることができる。
したがって、簡易な構成で、第1のシート排出手段におけるシート搬送方向の下流側が上流側に対して低くなるように第1のシート排出手段の位置を設定することができるという効果を奏する。
また、本発明に係るシート搬送装置は、上記のシート搬送装置において、前記整合手段は、前記第1のシート排出手段を、前記第1のシート排出手段におけるシート搬送方向の下流側が上流側に対して高くなる第1の設定位置と、前記第1のシート排出手段におけるシート搬送方向の下流側が上流側に対して低くなる第2の設定位置との間で移動させる。
上記の構成によれば、前記整合手段により、前記第1のシート排出手段は、前記第1のシート排出手段におけるシート搬送方向の下流側が上流側に対して高くなる第1の設定位置と、前記第1のシート排出手段におけるシート搬送方向の下流側が上流側に対して低くなる第2の設定位置とをとることができる。
ここで、シート搬送方向に関するシート長の異なるシートが混在している場合には、第1のシート排出手段の設定位置を、第1の設定位置から第2の設定位置へ変更することにより、第1のシート排出手段に排出された後であっても、各シートの先端部同士を揃えることができるという効果を奏する。
また、本発明に係るシート搬送装置は、上記のシート搬送装置において、搬送方向に関するシート長の異なるシートが混在しているか否かをシート搬送中に検知する検知手段を備え、前記検知手段が、前記シート長の異なるシートが混在していることを検知した場合に、前記整合手段が、前記第1のシート排出手段を前記第2の設定位置にする。
上記の構成によれば、検知手段が、シート搬送中に、搬送方向に関するシート長の異なるシートが混在していることを検知すると、前記整合手段が、第1のシート排出手段を第2の設定位置にする。
したがって、搬送方向に関するシート長の異なるシートが混在している場合でも、シート先端部を揃えるための第1のシート排出手段の位置設定をユーザ自身が行わなくてもすむという効果を奏する。
また、本発明に係るシート搬送装置は、上記のシート搬送装置において、前記第1のシート排出手段の位置として、前記第1の設定位置あるいは前記第2の設定位置の何れかを指定する信号を受信する第1の受信手段を備え、前記第1の受信手段が、前記第1のシート排出手段を前記第2の設定位置にする信号を受信した場合には、前記整合手段が、前記第1のシート排出手段を前記第2の設定位置にする。
上記の構成によれば、第1の受信手段が第1のシート排出手段を第2の設定位置にする信号を受信すると、整合手段が第1のシート排出手段を第2の設定位置にする。
このため、例えば、ユーザが予めシート長の異なるシートが混在していることを認識している場合であって、かつ、ユーザが、第1の受信手段に対して、第1のシート排出手段の位置を第2の設定位置にするような指示を送信した場合には、整合手段によって、第1のシート排出手段を第2の設定位置に設定することができる。
つまり、ユーザの判断により、第1のシート排出手段の設定位置を第2の設定位置にすることができ、その結果、各シートの先端部同士を揃えることができるという効果を奏する。
また、本発明に係るシート搬送装置は、上記のシート搬送装置において、搬送方向に関するシート長の異なるシートが混在しているか否かをシート搬送中に検知する検知手段と、前記検知手段が前記シート長の異なるシートが混在していることを検知した場合であって、かつ、前記第1のシート排出手段が前記第1の設定位置にある場合には、シートの排出を一旦中断する第1の中断手段とを備える。
上記の構成によれば、検知手段が前記シート長の異なるシートが混在していることを検知した場合であって、かつ、前記第1のシート排出手段が前記第1の設定位置にある場合には、第1の中断手段は、シートの排出を一旦中断する。
したがって、各シートの先端部同士が揃わない状態で、シートが第1のシート排出手段に排出されてしまうことを防ぐことが可能となるという効果を奏する。
また、本発明に係るシート搬送装置は、上記のシート搬送装置において、前記シート搬送手段により搬送されるシートに対して所定の処理が行われた後に、前記シート搬送手段によりシートが排出される第2のシート排出手段と、前記シートの排出先として、前記第1のシート排出手段あるいは前記第2のシート排出手段の何れかを指定する信号を受信する第2の受信手段とを備え、前記第2の受信手段の受信内容に応じて、前記シートの排出先が選択される。
上記の構成によれば、第2の受信手段の受信結果に応じて、前記第1のシート排出手段あるいは前記第2のシート排出手段の何れかが、シートの排出先として選択される。
このため、シート長の異なるシートが混在している場合であって、かつ、ユーザが、第2の受信手段に対して、シートの排出先を上記第1のシート排出手段にするような指示を送信した場合には、シートを、第2の設定位置にある第1のシート排出手段に排出することができる。その結果、各シートの先端部同士を揃えることができるという効果を奏する。
また、本発明に係るシート搬送装置は、上記のシート搬送装置において、搬送方向に関するシート長の異なるシートが混在しているか否かをシート搬送中に検知する検知手段と、前記検知手段が前記シート長の異なるシートが混在していることを検知した場合であって、かつ、前記シートの排出先が前記第2のシート排出手段である場合には、シートの排出を一旦中断する第2の中断手段とを備える。
上記の構成によれば、検知手段が前記シート長の異なるシートが混在していることを検知した場合であって、かつ、シートの排出先が上記第2のシート排出手段である場合には、第2の中断手段は、シートの排出を一旦中断する。
したがって、第2のシート排出手段の構成・配置如何では、各シートの先端部同士が揃わない状態で、シートが第2のシート排出手段に排出されてしまう事態を未然に防ぐことが可能となるという効果を奏する。
また、本発明に係るシート搬送装置は、上記のシート搬送装置において、前記複数のシートには、搬送方向と垂直となる端部に突出部を備えるシートが含まれていることを特徴としている。
搬送方向と垂直となるシート端部に突出部を備えるシート(例えば、インデックス(タブ)付きのシート)は、該端部を備えない通常同型(同サイズ)としてユーザに認識されているシート(以下、通常のシートと称する)よりも、突出部の突出長さ分だけシート長が長い。つまり、突出部を備えるシートは、上記通常のシートと、搬送方向におけるシート長が異なる。
したがって、突出部を備えるシートが混在している場合であっても、シートの先端部同士を揃えることができるという効果を奏する。
また、本発明に係るシート搬送装置は、上記のシート搬送装置において、前記搬送方向に関するシート長を、シートの複数箇所で測定する測定手段を備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、測定手段での測定結果が測定箇所で異なる場合、測定対象のシートは突出部を備えるシートであると判断できる。
したがって、突出部を備えるシートが混在しているか否かを判断することができるという効果を奏する。
また、本発明に係るシート搬送装置は、上記のシート搬送装置において、前記所定の処理は、シートに形成された画像の読取処理である。
上記の構成によれば、シート搬送装置を画像読取装置の一部として利用可能となるという効果を奏する。
本発明に係る画像読取装置は、以上のように、上記のシート搬送装置を備えている。
上記の構成によれば、上述したシート搬送装置の機能を画像読取装置において利用できるという効果を奏する。
本発明に係る画像読取装置は、以上のように、上記検知手段と上記第1の中断手段とを備えたシート搬送装置と、前記第1の受信手段に対して、前記第1の設定位置あるいは前記第2の設定位置の何れかを指定する信号を送信する第1の送信手段とを備える。
上記の構成によれば、まず、画像読取装置は、上述した第1の受信手段と第1の中断手段とを有するシート搬送装置を備えている。
また、第1の送信手段により、第1の受信手段に対して、第1の設定位置あるいは第2の設定位置の何れかを指定する信号を送信できる。
このため、第1の中断手段によりシートの排出が中断されている場合には、ユーザが、第1の受信手段に対して、第1のシート排出手段の位置を第2の設定位置にするような指示を送信すると、整合手段によって、第1のシート排出手段を第2の設定位置に設定することができる。
したがって、この後、シートの搬送を再開すれば、各シートの先端部同士を揃えることができるという効果を奏する。
また、本発明に係る画像読取装置は、上記の画像読取装置において、少なくとも、シートの整合および非整合に関する情報を表示する表示手段を備え、前記第1の中断手段によりシートの排出が一旦中断された場合には、前記表示手段がシートの先端部同士が揃わないことを表示する。
上記の構成によれば、第1の中断手段によりシートの排出が一旦中断された場合には、前記表示手段がシートの先端部同士が揃わないことを表示する。
したがって、ユーザは、表示手段により、このまま排出を続けると、シートの先端部同士が揃わないことを事前に認識することができるという効果を奏する。
本発明に係る画像読取装置は、以上のように、上記検知手段と上記第2の中断手段とを備えたシート搬送装置と、前記第2の受信手段に対して、前記第1のシート排出手段あるいは前記第2のシート排出手段の何れかを指定する信号を送信する第2の送信手段とを備える。
上記の構成によれば、まず、画像読取装置は、上述した第2の受信手段と第2の中断手段とを有するシート搬送装置を備えている。
また、第2の送信手段により、第2の受信手段に対して、上記第1のシート排出手段あるいは上記第2のシート排出手段の何れかを指定する信号を送信できる。
このため、第2の中断手段によりシートの排出が中断されている場合には、ユーザが、第2の受信手段に対して、シートの排出先を上記第1のシート排出手段とするような指示を送信すると、シートの排出先を上記第1のシート排出手段に設定することができる。
したがって、この後、シートの搬送を再開すれば、再開後のシートに関しては、各シートの先端部同士を揃えることができるという効果を奏する。
本発明に係る画像読取装置は、上記の画像読取装置において、少なくとも、シートの整合および非整合に関する情報を表示する表示手段を備え、前記第2の中断手段によりシートの排出が一旦中断された場合には、前記表示手段がシートの先端部同士が揃わないことを表示する。
上記の構成によれば、第2の中断手段によりシートの排出が一旦中断された場合には、前記表示手段がシートの先端部同士が揃わないことを表示する。
したがって、ユーザは、表示手段により、このまま排出を続けると、シートの先端部同士が揃わないことを事前に認識することができるという効果を奏する。
本発明に係る画像読取装置は、以上のように、前記複数のシートには、搬送方向と垂直となる端部に突出部を備えるシートが含まれているシート搬送装置と、少なくとも、前記搬送方向と垂直となる方向におけるシートの端部の形状を識別する形状識別手段とを備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、形状識別手段により、搬送方向と垂直となる方向におけるシートの端部の形状を識別できる。
したがって、突出部を備えるシートが混在しているか否かを判断することができるという効果を奏する。
本発明に係る画像読取装置は、上記の画像読取装置において、シート供給手段からシートが供給されている場合であっても、画像の読取動作を停止させる読取動作停止手段を備えることを特徴としている。
上記の構成によれば、画像読取装置において、画像の読み取りを行わずに、シートの搬送のみを行うことができる。
ここで、例えば、シートの搬送により、シートの先端部同士が揃わずに、後端部同士が揃ってしまったような場合には、後端部同士を揃えた状態で、再度、シート搬送装置で同様なシートの搬送を行うことにより、シートの先端部同士を揃えることができるという効果を奏する。
本発明に係る画像形成装置は、以上のように、上記の画像読取装置を備える。
上記の構成によれば、上述した画像読取装置の機能を画像形成装置において利用できるという効果を奏する。
〔実施の形態1〕
本発明の一実施形態について、図1から図20に基づいて説明すると以下のとおりである。
図2は、本発明に係る画像形成装置の断面図である。上記画像形成装置1は、シート搬送部(シート搬送装置)2、画像読取部3、画像形成部4、および、図示していない操作部5(図3および図4参照)を備えている。なお、シート搬送部2と画像読取部3と操作部5とで画像読取装置を形成している。
上記シート搬送部2は、詳しくは後述するが、シート供給トレイに載置されたシート状の原稿(以下、シートと称する)を1枚づつ所定の原稿読取位置まで搬送し、原稿の読取が終了した後に排紙トレイに排出する機能を有する装置である。
上記画像読取部3は、スキャナ装置として用いられるものであって、読取対象となるシートに形成された画像を読み取る。また、この画像読取部3は、原稿台(プラテンガラス)31、光源ユニット32、ミラーユニット33、および、CCDユニット34を備えている。
上記原稿台31は、シート搬送部2により搬送されたシートを、上記CCDユニット34等で読み取り可能とするために設けられた透明の部材である。
上記光源ユニット32は、光源32a、ミラー32b、スリット32c、および、ミラー32dを備えている。上記ミラー32bは、光源32aからの照射光を、上記原稿台31上の所定の位置に集光させる。また、スリット32cは、上記照射光のうち、シートによって反射した反射光のみを通過させる。さらに、ミラー32dは、前記スリットを通過した反射光の光路を90度変更する。
上記ミラーユニット33は、一対のミラー(33a・33b)を備えている。そして、この一対のミラー(33a・33b)により、上記光源ユニットのミラー32dから出射された光の光路を180度変更する。
上記CCDユニット34は、結像レンズ34aおよびイメージセンサ34bを備えている。そして、上記ミラーユニット33から出射された光が結像レンズ34aに入射することにより、イメージセンサ34bが読み取った画像を認識する。
なお、同図に示す画像読取部3においては、上記光源ユニット32が、シート搬送方向(副走査方向)に移動する構成である。この構成の場合には、ミラーユニット33も、光源ユニット32の移動に伴い、光源ユニット32と同方向に移動する。なお、ミラーユニット33は、光源ユニット32の移動速度の半分の速度で移動する。
また、上記光源ユニット32、ミラーユニット33、および、CCDユニット34からなる光学系のかわりに、上述した、結像レンズ34a、イメージセンサ34b、および、光源32aを用いて光学系を構成してもよい。
さらに、上記画像読取部3は、図3に示すとおり、読取動作停止部35を備えている。この読取動作停止部35は、画像の読取動作を停止させる機能ブロックである。この読取動作停止部35については、後述する。
上記画像形成部4は、上記画像読取部3のCCDユニット34で取得した読取データを基にして画像を形成する。また、この画像形成部4は、図2に示すとおり、感光体ドラム41、帯電器42、レーザユニット43、現像器44、転写器45、除電器46、クリーニング器47、定着ユニット48、給紙部49、および、図示しない記憶装置等を備えている。
なお、画像形成部4内においては、感光体ドラム41の周囲に、帯電器42、レーザユニット43、現像器44、転写器45、除電器46、および、クリーニング器47が、この順で配置されている。
上記記憶装置は、例えばメモリで構成される。そして、この記憶装置には、上記CCDユニット34で取得した読取データが記憶される。また、上記帯電器42は、感光体ドラム41の表面を所定の電位に帯電させる。
上記レーザユニット43は、図示しない、半導体レーザ光源、ポリゴンミラー、およびf−θレンズ等で構成される。この半導体レーザ光源は、上記記憶装置から読み出したデータ、または、外部の装置から転送されてきたデータに応じて、レーザ光を出射する。そして、上記ポリゴンミラーは、この出射されたレーザ光を等角速度で偏光する。また、上記f−θレンズは、上記偏光されたレーザ光が上記感光体ドラム41上において等速度で偏光されるように、レーザ光を補正する。なお、レーザユニット43による感光体ドラム41へのレーザの照射は、上記帯電器42による感光体ドラム41の帯電後に行われる。
そして、このようなレーザの照射により、レーザユニット43は、感光体ドラム41の表面に、上記読み出したデータに対応した静電潜像を形成する。
なお、上記レーザユニット43の代わりに、LEDやEL等の発光素子アレイを備えた、光書込み用のヘッドユニットを用いてもよい。
上記現像器44は、感光体ドラム41の表面に形成された静電潜像に対してトナーを供給し、これにより、上記静電潜像を顕像化してトナー像を形成する。また、上記転写器45は、現像器44により感光体ドラム41の表面に形成されたトナー像を、給紙部49から給紙されたシートに転写する。さらに、上記除電器46は、感光体ドラム41の表面の帯電をなくす。また、上記クリーニング器47は、感光体ドラム41の表面に残留した余分なトナーを回収する。
定着ユニット48は、転写器45により転写が行われたシートのトナー像を定着させる。また、給紙部49は、シートを格納すると共に、トナー像を転写するためにシートを搬送する。なお、トナー像が転写されたシートは、画像形成部用の排出トレイに排出される。
上記操作部5は、図3に示すととおり、送受信部51、操作入力部52、および、表示部(表示手段)53を備えている。また、上記送受信部51は、第1の送信部(第1の送信手段)51aと第2の送信部(第2の送信手段)51bとを備えている。
上記送受信部51は、シート搬送部2の送受信部81とのデータの送受信、画像読取部3とのデータの送受信、および、画像形成部4とのデータの送受信を行う。また、上記送受信部51は、操作入力部52からの入力を受け付け、この入力に応じた指令を、シート搬送部2等に対して行う。さらに、上記送受信部51は、シート搬送部2、画像読取部3、画像形成部4から受信した情報を表示部53に送信する。
上記操作入力部52は、ユーザからの入力を受け付けるブロックである。そして、この操作入力部52からの入力は、上記送受信部51に送られる。
さらに、この操作入力部52には、シート搬送部2における、後述する第1排出トレイ72の位置に関する指示も入力可能となっている。さらに、上記操作入力部52には、シートを第1排出トレイ72に排出するか、あるいは、後述する第2排出トレイ73に排出するかについての指示も入力可能となっている。
また、操作入力部52により、上述した、画像読取部3の読取動作停止部35を機能させることも可能となっている。
上記第1の送信部51aは、上記操作入力部52の入力に応じて、シート搬送部2の第1の受信部81aに対し、第1排出トレイ72の位置を、後述する第1の設定位置あるいは第2の設定位置の何れかに指定する信号を送信する。
上記第2の送信部51bは、上記操作入力部52の入力に応じて、シート搬送部2の第2の受信部81bに対し、シートの排出先を、第1排出トレイ72にするのか、あるいは、第2排出トレイ73にするのかを指示する信号を送信する。
また、この操作入力部52には、後述する混在処理を行うか否かについても、ユーザが入力可能となっている。ここで、混在処理の実施を選択した場合には、上記第1の送信部51aを介して、第1排出トレイ72が第2の設定位置に設定されるようになっている。
上記表示部53は、操作入力部52での入力状況を表示する。また、上記表示部53は、シート搬送部2の動作状況、画像読取部3の動作状況、あるいは、画像形成部4の動作状況を、上記送受信部51を介して、表示する。
ところで、上記操作部5は、例えば、図4に示すような、パネル形状で構成されている。同図においては、パネルPが、操作入力部52と表示部53とを兼ねた構成例を示している。なお、これに限定されるものではない。
次に、上記シート搬送部2の詳細について、図1に基づいて説明する。
図1は、上記シート搬送部2の断面図である。シート搬送部2は、同図に示すとおり、シート供給トレイ61、シート検出器62、ピックアップローラ63、給紙ローラ64、分離ローラ65、湾曲搬送路66、シート搬送タイミング検出器67、レジストローラ68、搬送ベルト69、反転切換フラッパ70、反転ローラ71、第1排出トレイ(第1のシート排出手段)72、第2排出トレイ(第2のシート排出手段)73、第1排出トレイ動作部(整合手段)74、第1排出トレイ位置検出器75、シート長検出器76、および、図示しない制御部60(図3参照)を備えている。
ここで、上記シート供給トレイ61、シート検出器62、ピックアップローラ63、給紙ローラ64、および、分離ローラ65が、特許請求の範囲に記載のシート供給手段を構成する。
さらに、シート搬送タイミング検出器67、レジストローラ68、搬送ベルト69、および、反転ローラ71が、特許請求の範囲に記載のシート搬送手段を構成する。
上記制御部60は、上記操作部5からの入力信号、あるいは、シート検出器62、シート搬送タイミング検出器67、第1排出トレイ位置検出器75、および、シート長検出器76から取得した検出結果に応じて、ピックアップローラ63、給紙ローラ64、分離ローラ65、レジストローラ68、搬送ベルト69、反転切換フラッパ70、反転ローラ71、および、第1排出トレイ動作部74等の動作を制御する。
また、上記制御部60は、図3に示すとおり、送受信部81、シート混在判定部82、第1のシート搬送中断部(第1の中断手段)83、第2のシート搬送中断部(第2の中断手段)84、および、中断解除部85を備えている。さらに、上記送受信部81は、第1の受信部(第1の受信手段)81aと第2の受信部(第2の受信手段)81bとを備えている。
なお、上記送受信部81、シート混在判定部82、第1のシート搬送中断部83、第2のシート搬送中断部84、および、中断解除部85は、機能ブロックである。また、上記シート混在判定部82、および、上記シート長検出器76が、特許請求の範囲に記載の検知手段に該当する。
上記シート供給トレイ61は、図1に示すとおり、読取対象となるシートが複数枚、載置可能なトレイである。また、上記シート検出器62は、シート供給トレイ61にシートが載置されているか否かを検出し、この検出結果を制御部60に送信する。
上記ピックアップローラ63は、シート供給トレイ61に載置されたシートを、基本的に一枚づつ取得する。なお、同図に示す、ピックアップローラ63は、シート供給トレイ61に載置されたシートの内、上面に載置されているシートから順に取得する。
ただし、ピックアップローラ63は、その機構上、複数毎のシートを同時に取得するおそれもある。このため、給紙ローラ64により、これらのローラ(64・65)の下流側にある湾曲搬送路66に対してシートを搬送しつつ、給紙ローラ64に対向して配された分離ローラ65を用いて、一度に搬送されるシートを1枚だけとしている。
上記レジストローラ68は、シート搬送タイミング検出器67で検出される結果を基に、このレジストローラ68の下流側にある搬送ベルト69に対するシートの供給タイミングを調整する。つまり、上記レジストローラ68は、上述した画像読取部3の原稿台31にシートを送るタイミングを調整するローラである。
なお、より詳細には、シート搬送タイミング検出器67の検出結果は、一旦、上記制御部60に入力され、この制御部60が上記検出結果を基にしてレジストローラ68の動作を制御する。
上記搬送ベルト69は、レジストローラ68から供給させたシートを、原稿台31に沿って搬送する。より詳しくは、上記画像読取部3におけるシートの読取方法では、搬送ベルト69が、まず、シートを所定の位置まで搬送し、この所定の位置でシートの搬送を一旦停止させる。そして、この所定の位置で、画像読取部3によるシートの読み取りが行なわれる。また、シートの読み取りが行われた後は、搬送ベルト69によるシートの搬送が再開される。
上記反転切換フラッパ70は、搬送ベルト69により搬送されたシートを、第1排出トレイ72に排出するか、あるいは、第2排出トレイ73に排出するかを切換える装置である。より詳しくは、上記反転切換フラッパ70は、移動可能に構成されており、第1の切換位置(図1の実線位置)をとることにより第1排出トレイ72にシートを排出でき、第2の切換位置(図1の破線位置)をとることにより第2排出トレイ73にシートを排出可能となっている。また、上記第2排出トレイ73は、第2排出トレイ73のシート搬送方向における下流側が上流側に対して高くなるようになっている。
なお、以下では、第2排出トレイ73(または、第1排出トレイ72)のシート搬送方向における下流側(または上流側)を、単に、第2排出トレイ73(または、第1排出トレイ72)の下流側(または上流側)と記載する。後述する、他の実施の形態でも同様である。
ここで、上記第2排出トレイ73にシートを排出する際には、上記反転ローラ71を用いてシートが搬送される。ここで、第2排出トレイ73にシートが排出される場合には、搬送ベルト69によりシートが搬送されているときのシート状態と異なるシート状態、つまり、シートの表裏が反転した状態でシートが排出されることになる。すなわち、シートは、シート供給トレイ61に載置されているときと同じ面を向いた状態で排出される。
一方、上記第1排出トレイ72にシートを排出する際には、搬送ベルト69によりシートが搬送されているときのシート状態と同じシート状態、つまり、シートの表裏が反転していない状態でシートが排出される。すなわち、シートは、シート供給トレイ61に載置されているときと逆の面を向いた状態で排出される。
上記第1排出トレイ動作部74は、駆動モータ74aと、駆動モータ74aの動作に従って回転駆動する従動部74bとを備えている。ここで、上記従動部74bは、上記第1排出トレイ72側に固定された状態で設置されている。
また、上記第1排出トレイ動作部74は、上記駆動モータ74aが回転することにより、従動部74bを介して、第1排出トレイ72に排出されるシートのシート面に対する、第1排出トレイ72の取付角度を変化させる。つまり、第1排出トレイ72を回動させることにより取付角度が変えられる。なお、この取付角度の変更は、所定の範囲内で行われる。
より詳しくは、第1排出トレイ動作部74は、上記第1排出トレイ72を、第1排出トレイ72の下流側が上流側に対して高くなる第1の設定位置(図2の実線位置)と、上記第1排出トレイ72の下流側が上流側に対して低くなる第2の設定位置(図2の破線位置)との間で移動させる。
上記第1排出トレイ位置検出器75は、第1排出トレイ72が、上記第2の設定位置にあるか否かを検出する機器である。
上記シート長検出器76は、搬送しているシートに関し、シートの搬送方向(画像読取装置における副走査方向)のシート長さを検出する。この検出結果は、制御部60のシート混在判定部82に送られる。
なお、以下の説明、および、後述する他の実施形態においても、シートの搬送方向のシート長さを、単に、シート長として記載する。
ここで、上記制御部60内の各機能ブロック81から85について説明する。
上記送受信部81は、上記画像読取部3との間でデータの送受信、および、上記操作部5からデータの受信を行う。
また、上記第1の受信部81aは、上記操作部5の第1の送信部51aからの信号を受信する。つまり、第1の受信部81aは、上述したように、第1排出トレイ72の位置として、上記第1の設定位置あるいは第2の設定位置の何れかを指定する信号を受信する。
そして、シート搬送部2では、上記第1の受信部81aが上記信号を受信すると、上記第1排出トレイ動作部74の動作により、第1排出トレイ72が上記第2の設定位置に移動する。
また、上記第2の受信部81bは、上記操作部5の第2の送信部51bからの信号を受信する。つまり、第2の受信部81bは、上述したように、シートの排出先として、第1排出トレイ72あるいは第2排出トレイ73の何れかを指定する信号を受信する。
そして、シート搬送部2では、上記第2の受信部81bが上記信号を受信すると、上記反転切換フラッパ70が動作し、排出先のトレイが変更される。
上記シート混在判定部82は、シート供給トレイ61に載置された複数のシートに関して上記シート長検出器76が検出した結果を基にして、上記複数のシート中にシート長の異なるシートが混在しているか否かを判定する。そして、このシート混在判定部82により得られた情報は、第1のシート搬送中断部83および第2のシート搬送中断部84に送られる。
上記第1のシート搬送中断部83は、上記シート混在判定部82がシート長の異なるシートが混在していることと判定した場合であって、かつ、上記第1排出トレイ72が上記第1の設定位置にある場合に、第1排出トレイ72に対するシートの排出を一旦中断する。
上記第2のシート搬送中断部84は、上記シート混在判定部82がシート長の異なるシートが混在していると判定した場合であって、かつ、上記シートの排出先が第2排出トレイ73である場合に、第2排出トレイ73に対するシートの排出を一旦中断する。
上記中断解除部85は、上記第1のシート搬送中断部83あるいは第2のシート搬送中断部84によって中断されたシートの搬送を再開させる。
また、上記第1のシート搬送中断部83および第2のシート搬送中断部84については、その機能のオン・オフが可能な構成となっている。具体的には、操作部5の操作入力部52にてユーザがその機能のオン・オフの指令をシート搬送部2に出すことにより、その指令に応じて、第1のシート搬送中断部83や第2のシート搬送中断部84が、シートの搬送を中断したり、中断しなかったりする。
ここで、本発明の特徴をなす、上記第1排出トレイ動作部(整合手段)74を用いたシートの搬送について、以下に実施例を挙げて説明する。なお、以下においては、画像の読取りが、特許請求の範囲に記載の所定の処理に該当する。
(実施例1)
本実施例について、図5から図14に基づいて説明する。なお、図5から図14についての説明では、第1のシート搬送中断部83の機能をオフさせた場合を記載している。また、この実施例では、シート長の異なるシートが混在しているか否かをユーザが予め認知している場合であって、混在していると認知している際に、ユーザが操作入力部52から混在処理の実施を指示(入力)する場合について説明する。
まず、図5に示すとおり、制御部60は、シート供給トレイ61に載置されたシートについて、混在処理が選択されたか否かを判断する(S1)。なお、制御部60は、操作入力部52での入力を基に、上記混在処理が選択されたか否かを判断する。
S1において、混在処理が選択された場合には、制御部60から指令を受けた第1排出トレイ動作部74が、第1排出トレイ72を下向きに設定、つまり第2の設定位置する(S2)。S2の後は、上記ピックアップローラ63、レジストローラ68、搬送ベルト69等により、シートが1枚づつ所定位置まで搬送される(S3)。また、上記所定位置では、画像読取部3により画像の読み取りが行なわれる。
S3の後は、搬送ベルト69等により、第2の設定位置にある第1排出トレイ72に対して、シートが排出される(S4)。S4の後は、上記シート検出器62によって、シート供給トレイ61にシートがあるか否かが検出される(S5)。
S5において、シートがあると判断された場合には、再度S3に戻る。そして、次のシートが上記所定の位置まで送られ、このシートの読み取りが行われる。その後、シートは、上記第1排出トレイ72に排出される。一方、S5において、シートがないと判断された場合には、処理を終了する。
また、S1において、混在処理が選択されなかった場合には、第1排出トレイ動作部74が、第1排出トレイ72を上向きに設定、つまり第1の設定位置にする(S6)。S6の後は、S3に進み、以下、同様の処理が行われる。
次に、上記図5のフローに沿った処理の具体例について、図6から図13に基づいて説明する。
まず、図6から図10は、2枚のシート長の異なるシート(S1a・S1b)を搬送する場合であって、図5のS1において、混在処理が選択された場合を示している。なお、上記図6から図10においては、シートS1aの先端部を白抜き三角印で表し、シートS1bの先端部を黒塗り三角印で表している。また、シート供給トレイ61では、上記シートS1bの上にシートS1aが載置されている。さらに、シート供給トレイ61には、シート(S1a・S1b)がフェイスアップの状態、つまり読み取り面が上方を向いている状態で載置されている。
この場合、まず、図6に示すとおり、第1排出トレイ72が第2の設定位置(下向き)に設定される(図5のS2に対応)。その後、図7に示すとおり、上記シートS1aが所定の位置まで搬送される(上記S3に対応)。次に、図8に示すとおり、第2の設定位置にある第1排出トレイ72に対して、シートS1aが排出される(上記S4に対応)。
この後、シート供給トレイ61にはシートS1bが載置されているため、図9に示すとおり、シートS1bが所定の位置まで搬送される(上記S5およびS3に対応)。そして、このシートS1bについても、図10に示すとおり、上記シートS1aと同様に、第1排出トレイ72に排出される(上記S4に対応)。以上により、処理が終了する。
ここで、注目すべきは、図10に示すとおり、シート供給トレイ61にシート(S1a・S1b)を載置したときのシート配列と同じ配列を保つと共に、シート(S1a・S1b)の先端部同士(図の白抜き三角印と黒塗り三角印と)が揃っていることである。
これにより、ユーザは、シート供給トレイ61にシートを載置したときと同じ状態でシートを第1排出トレイ72から取得可能となる。
なお、この場合、第1排出トレイ72では、シート(S1a・S1b)がフェイスダウンの状態となる。
次に、図11から図13は、2枚の同一シート長のシート(S1b・S1b’)を搬送する場合であって、図5のS1において、混在処理が選択されていない場合を示している。なお、上記図11から図13においては、シートS1bの先端部を白抜き三角印で表し、シートS1b’の先端部を黒塗り三角印で表している。また、シート供給トレイ61では、上記シートS1b’の上にシートS1bが載置されている。
この場合、まず、図11に示すとおり、第1排出トレイ72が第1の設定位置(上向き)に設定される(図5のS6に対応)。その後、上記シートS1bが所定の位置まで搬送される(上記S3に対応)。次に、図12に示すとおり、第1の設定位置にある第1排出トレイ72に対して、シートS1bが排出される(上記S4に対応)。
この後、シート供給トレイ61にはシートS1b’が載置されているため、シートS1b’が所定の位置まで搬送される(上記S5およびS3に対応)。そして、このシートS1b’についても、図13に示すとおり、上記シートS1bと同様に、第1排出トレイ72に排出される(上記S4に対応)。以上により、処理が終了する。
この場合も、図13に示すとおり、シート供給トレイ61にシート(S1b・S1b’)を載置したときのシート配列と同じ配列を保つと共に、シート(S1b・S1b’)の先端部同士(図の白抜き三角印と黒塗り三角印と)が揃う。
なお、この場合、第1排出トレイ72では、シート(S1b・S1b’)がフェイスダウンの状態となる。
ここで、同一シート長のシートを搬送する場合、第1排出トレイ72を第2の設定位置としても、シートの先端部同士を揃えることは可能である。しかしながら、第1排出トレイ72を第1の設定位置としているのは、以下の理由による。
つまり、第2の設定位置とした場合には、図14に示すように、先に排出したシートの後端部が反った状態で第1排出トレイ72に載置されている場合には、後から排出したシートの先端部が上記反った後端部から入り込み、シートの配列が狂ってしまうおそれが全くないとも言えない。
そこで、シートの配列をより確実とすべく、同一シート長のシート搬送の場合には、第1排出トレイ72の設定位置を第1の設定位置としている。
また、シート搬送装置の電源投入時等の使用開始時には、第1排出トレイ72の設定位置を上記第1の設定位置としておき、混在処理が行われる場合に、第1排出トレイ72を上記第2の設定位置に移動させる構成とすることが好ましい。これは、一般に、混在処理が行われることは、混在処理を行わないときに比べて少ないと考えられるためである。
(実施例2)
本実施例について、図15から図17に基づいて説明する。なお、図15から図17についての説明でも、上記実施例1と同様に、第1のシート搬送中断部83の機能をオフさせた場合を記載している。
図15は、上記シート長検出器76およびシート混在判定部82を用いた場合の処理フローを示している。つまり、ユーザが操作入力部52から混在処理の実施を指示(入力)せずに、シート搬送部2自体が混在処理を自動的に行う場合について示している。
まず、上記ピックアップローラ63、レジストローラ68、搬送ベルト69等により、シートが1枚づつ搬送される(S11)。そして、搬送されたシートは、シート長検出器76により、シート長が検出される(S12)。S12の後は、シートが所定位置まで搬送される(S13)なお、この所定位置で、シートの画像の読み取りが行われる。
S13の後は、上記シートが最初のシートか否かが判断される(S14)。なお、この判断は、例えば、シート長検出器76からシートシート長の情報を受けたシート混在判定部82に行わせることができる。また、画像読取部3から何回画像を読み取ったかという情報を取得して、この情報を基に上記判断を行ってもよい。
S14において、シートが最初のシートと判断された場合には、第1排出トレイ72に、この最初のシートを排出する(S15)。一方、S14において、最初のシートでないと判断された場合には、このシートが、既に搬送されたシートと、同じシート長であるか否かが判断される(S16)。この判断は、上記シート混在判定部82により行われる。
S16において、同じシート長であると判断された場合には、S15に進み、シートが第1排出トレイ72に排出される。なお、S15の段階では、第1排出トレイの設定位置は、第1の設定位置または第2の設定位置のいずれでもよい。
一方、S16において、同じシート長でないと判断された場合には、第1排出トレイ位置検出器75により、第1排出トレイ72が第2の設定位置(つまり、下向き)にあるか否かが判断される(S17)。
S17において、第1排出トレイ72が第2の設定位置にあると判断された場合には、第1排出トレイ72を第1排出トレイ動作部74により移動させることなく、シートを第1排出トレイ72に排出する(S18)。
一方、S17において、第1排出トレイ72が第2の設定位置にないと判断された場合、つまり、第1排出トレイ72が第1の設定位置(つまり、上向き)にあると判断された場合には、第1排出トレイ動作部74により、第1排出トレイ72を第2の設定位置に移動させる(S19)。そして、S19の後は、搬送ベルト69等により、シートを第1排出トレイ72に排出する(S18)。
S18の後は、シート検出器62により、シート供給トレイ61に、未だシートがあるか否かが判断される(S20)。S20において、シートがあると判断された場合には、上記ピックアップローラ63、レジストローラ68、搬送ベルト69等により、残りのシートが1枚づつ搬送される(S21)。S21の後は、シートが所定の位置まで搬送され、シートの画像の読み取りが行われる(S22)。そして、S22の後、読み取られたシートは、第2の設定位置にある第1排出トレイ72に排出される(S23)。また、S23の後は、S20に戻る。
一方、S20において、シートがないと判断された場合には、一連の処理が終了する。
また、上記S15の後は、シート供給トレイ61に、未だシートがあるか否かが判断される(S24)。S24において、シートがあると判断された場合には、再度S11に戻る。一方、S24において、シートがないと判断された場合には、一連の処理を終了する。
次に、上記図15のフローに沿った処理の具体例について、図16および図17に基づいて説明する。
図16および図17は、2枚のシート長の異なるシート(S1a・S1b)を搬送する場合を示している。また、上記図16および図17においては、シートS1aの先端部を白抜き三角印で表し、シートS1bの先端部を黒塗り三角印で表している。また、シート供給トレイ61では、上記シートS1bの上にシートS1aが載置されている。
図16は、1枚目のシートS1aが既に第1排出トレイ72に排出された後の状態を示している。なお、第1排出トレイ72の設定位置の初期状態は、第1の設定位置としている。
この場合には、シートS1aは最初のシートであるため、シートS1aは、第1の設定位置にある第1排出トレイ72に排出される(図15のS14および15に対応)。
この後、2枚目のシートS1bが、既に搬送されたシートS1aと、同じシート長であるか否かが判断される(S16に対応)。この場合には、シートシート長が、シートS1aとシートS1bとで異なるため、図17に示すとおり、第1排出トレイ動作部74により、第1排出トレイ72を第2の設定位置に移動させる(S19に対応)。そして、この後は、搬送ベルト69等により、シートS1bを第1排出トレイ72に排出する。
この場合も、シート供給トレイ61にシート(S1a・S1b)を載置したときのシート配列と同じ配列を保つと共に、シート(S1a・S1b)の先端部同士(図の白抜き三角印と黒塗り三角印と)が揃うことになる。
なお、この場合、第1排出トレイ72では、シート(S1a・S1b)がフェイスダウンの状態となる。
(実施例3)
本実施例について、図18から図20に基づいて説明する。なお、図18についての説明では、第1のシート搬送中断部83の機能をオンさせた場合を記載している。
図18に示すS31からS37までの各ステップおよびS56のステップは、それぞれ、上記実施例2のS11からS17までのステップおよびS24のステップと同じであるため、S31からS37までの各ステップおよびS56のステップの説明は省略する。以下、S56を除いたS38以降のステップについて説明する。
上記S37において、第1排出トレイ72が第2の設定位置にあると判断された場合には、第1排出トレイ72を第1排出トレイ動作部74により移動させることなく、シートを第1排出トレイ72に排出する(S38)。
S38の後は、シート検出器62により、シート供給トレイ61に、未だシートがあるか否かが判断される(S39)。S39において、シートがあると判断された場合には、上記ピックアップローラ63、レジストローラ68、搬送ベルト69等により、残りのシートが1枚づつ搬送される(S40)。S40の後は、シートが所定の位置まで搬送され、シートの画像の読み取りが行われる(S41)。そして、S41の後、読み取られたシートは、第2の設定位置にある第1排出トレイ72に排出される(S42)。また、S42の後は、S39に戻る。
一方、S39において、シートがないと判断された場合には、一連の処理が終了する。
ところで、S37において、第1排出トレイ72が第2の設定位置にないと判断された場合、つまり、第1排出トレイ72が第1の設定位置(つまり、上向き)にあると判断された場合には、上記第1のシート搬送中断部により、シートの搬送が一旦中断される(S43)。
S43の後は、上記制御部60が、操作部5に対して、シートの搬送を中断しているという情報を送信する。そして、この場合、表示部53では、例えば、シートの先端部同士が揃わないことをユーザに警告する表示が行なわれる(S44)。
S44の後は、操作入力部52において、ユーザによる何らかの入力操作が行われたか否かが、制御部60により判断される(S45)。S45において、何らかの入力操作が行われたと判断された場合には、その入力操作が、第1排出トレイ72の位置を第2の設定位置に変更するものであるか否かが判断される(S46)。
S46において、第1排出トレイ72の位置を第2の設定位置へ変更するものであると判断された場合には、第1排出トレイ動作部74により、第1排出トレイ72を第2の設定位置に移動させる(S47)。そして、S47の後は、シートを第1排出トレイ72に排出する(S48)。さらに、S48の後は、S39に進み、その後、上述した処理と同様な処理が行われる。あるいは、S48の後にシート供給トレイ61のシートの有無を判断し、シートがある場合にはS31に戻り、再度、シートの混在状況を確認してユーザに第1排出トレイ72の移動を案内してもよい。
また、S45において、何れの入力操作も行われていないと判断された場合には、制御部60により、所定時間が経過したが判断される(S49)。S49において、所定時間が経過していないと判断された場合には、再度、S45に戻る。
一方、S49において、所定時間が経過したと判断された場合には、第1の設定位置にある第1排出トレイ72に対して、シートを排出する(S50)。また、S46において、第1排出トレイ72の位置を第2の設定位置へ変更するものではないと判断された場合には、同様に、第1の設定位置にある第1排出トレイ72に対して、シートを排出する(S50)。
S50の後は、シート検出器62により、シート供給トレイ61に、未だシートがあるか否かが判断される(S51)。S51において、シートがあると判断された場合には、上記ピックアップローラ63、レジストローラ68、搬送ベルト69等により、残りのシートが1枚づつ搬送される(S52)。S52の後は、シートが所定の位置まで搬送され、シートの画像の読み取りが行われる(S53)。そして、S53の後、読み取られたシートは、第2の設定位置にある第1排出トレイ72に排出される(S54)。また、S54の後は、S51に戻る。
一方、S51において、シートがないと判断された場合には、制御部60は、表示部53に、シートの先端部を揃えることが必要であるという表示、および/または、シートの先端部を揃える方法を表示させる指令を送る。これにより、表示部53では、シートの先端部を揃えることが必要であるという表示、および/または、シートの先端部を揃える方法が表示される(S55)。S55において、表示が行われると、一連の処理が終了する。
ここで、上記表示部53で表示されるシートの先端部を揃える方法について、図19および図20に基づいて説明する。
S55の処理が行われた場合、シートの後端部同士が揃っていることとなる。そこで、図19に示すとおり、この状態のまま、再度シート供給トレイ61にシート載置する。その後、上記読取動作停止部35の機能をオンさせて、つまり画像の読み取りを停止した状態で、シートの搬送を行う。そうすると、図20に示すとおり、第1の設定位置にある第1排出トレイ72に、シートの先端部が揃った状態でシートが排出されることになる。
ここで、上記の実施形態においては、操作部5をシート搬送部(シート搬送装置)2とは別に設けた構成を示したが、これに限定されるものではなく、シート搬送部2と操作部5とでシート搬送装置を構成してもよい。
また、上記実施形態の説明においては、第1排出トレイ動作部(整合手段)74を設けて、第1排出トレイ72の設定位置を移動させた。しかしながら、上記第1排出トレイ動作部74を設けずに、予め、第1排出トレイ72を第2の設定位置に対応する位置に固定した構成としてもよい。そして、異なるシート長のシートが混在している場合には、この位置が固定された第1排出トレイにシートを排出することにより、シート供給トレイ61にシートを載置したときのシート配列と同じ配列を保つと共に、シートの先端部同士を揃えることができる。
〔参考の形態1〕
参考形態について、図21から図32に基づいて説明すると以下のとおりである。なお、説明の便宜上、上記の実施の形態1の図面に示した部材と同一の機能を有する部材については、同一の符号を付し、その説明を省略する。
本実施の形態に係る画像形成装置1’は、図21に示すとおり、シート搬送部(シート搬送装置)2’、画像読取部3、画像形成部4、および、図示していない操作部5を備えている。なお、シート搬送部2’と画像読取部3と操作部5とで画像読取装置を形成している。
つまり、本実施の形態に係る画像形成装置1’は、上記実施の形態1の画像形成装置1と比較すると、シート搬送部2’が異なる。また、上記操作部5は、実施の形態1で示した操作部5と、第1の送信部51aを有していない点で異なる。
上記シート搬送部2’は、図21に示すとおり、シート供給トレイ61、シート検出器62、ピックアップローラ63’、給紙ローラ64、分離ローラ65、湾曲搬送路66、シート搬送タイミング検出器67、レジストローラ68、搬送ベルト69、反転切換フラッパ70、反転ローラ71、第1排出トレイ(第1のシート排出手段)72、第2排出トレイ(第2のシート排出手段)73、シート長検出器76、排出切換フラッパ77、および、図示していない制御部60を備えている。
つまり、上記実施の形態1のシート搬送部2と比較すると、本実施の形態に係るシート搬送部2’は、第1排出トレイ動作部(整合手段)74、および、第1排出トレイ位置検出器75を備えていない。また、上記シート搬送部2’では、ピックアップローラ63の代わりにピックアップローラ63’が備えられている。さらに、上記シート搬送部2’では、新たに、排出切換フラッパ77が備えられている。
また、本実施の形態の制御部60は、第1の受信部81aと第1のシート搬送中断部83を有していない点を除けば、実施の形態1の制御部60と同じ構成である。
ここで、上記シート供給トレイ61、シート検出器62、ピックアップローラ63’、給紙ローラ64、および、分離ローラ65が、特許請求の範囲に記載のシート供給手段を構成する。また、反転切換フラッパ70、反転ローラ71、および、排出切換フラッパ77が、特許請求の範囲に記載の整合手段を構成する。
さらに、シート搬送タイミング検出器67、レジストローラ68、搬送ベルト69、および、反転ローラ71が、特許請求の範囲に記載のシート搬送手段を構成する。
上記ピックアップローラ63’は、シート供給トレイ61に載置されたシートを、基本的に一枚づつ取得する。このピックアップローラ63’は、シート供給トレイ61に載置されたシートの内、下面に載置されているシートから順に取得する。その他の機能は、実施の形態1のピックアップローラ63と同一である。
上記排出切換フラッパ77は、上記反転ローラ71および反転切換フラッパ70と協働することにより、搬送ベルト69により搬送されたシートを、再度搬送ベルト69方向にスイッチバックさせる装置である。より詳しくは、上記排出切換フラッパ77は、移動可能に構成されており、第3の切換位置(図21の実線位置)をとることによりシートをスイッチバックでき、第4の切換位置(図21の破線位置)をとることにより第2排出トレイ73にシートを排出可能となっている。ただし、上記反転切換フラッパ70が、第2の切換位置ととっていることが条件とされる。
また、上記スイッチバックでは、反転ローラ71を用いているため、シートの表裏がスイッチバックの実施前後で入れ替わる。さらに、スイッチバックが行われると、再度、シートが搬送ベルト69に達するが、この際には、搬送ベルト69の動作方向を逆転させて、一旦、シートを同図のB方向に搬送する。そして、シートのスイッチバックが完全に行われた後、搬送ベルト69の動作方向を再度逆転させて、シートを同図のF方向に搬送させる。
ここで、上記排出切換フラッパ77を用いたシートの搬送について、以下に実施例を挙げて説明する。なお、以下においても、実施の形態1と同様に、画像の読取りが、特許請求の範囲に記載の所定の処理に該当する。
(実施例)
本実施例について、図22から図32に基づいて説明する。なお、図22から図32についての説明では、第1のシート搬送中断部83の機能をオフさせた場合を記載している。また、この実施例では、シート長の異なるシートが混在しているか否かをユーザが予め認知している場合であって、混在していると認知している際には、ユーザが操作入力部52から混在処理の実施を指示(入力)する場合について説明する。
まず、図22に示すとおり、制御部60は、シート供給トレイ61に載置されたシートについて、混在処理が選択されたか否かを判断する(S61)。なお、制御部60は、操作入力部52での入力を基に、上記混在処理が選択されたか否かを判断する。
S61において、混在処理が選択された場合には、シートの排出先として第1排出トレイ72が設定される(S62)。具体的には、制御部60により、排出切換フラッパ77が上記第3の切換位置をとり、反転切換フラッパ70が上記第2の切換位置をとる。
一方、S61において、混在処理が選択されていない場合には、シート排出先として第2排出トレイ73が設定される(S67)。具体的には、制御部60により、排出切換フラッパ77が上記第4の切換位置をとり、反転切換フラッパ70が上記第2の切換位置をとる。
S62の後は、上記ピックアップローラ63’、レジストローラ68、搬送ベルト69等により、シートが1枚づつ所定の位置まで搬送される(S63)。また、上記所定位置では、画像読取部3により画像の読み取りが行なわれる。
S63の後は、搬送ベルト69により搬送されてきたシートを、反転切換フラッパ70、反転ローラ71、および、排出切換フラッパ77を用いて、スイッチバックさせる(S64)。そして、S64の後は、シートを第1排出トレイ72に排出する(S65)。なお、この場合には、反転切換フラッパ70を第1の切換位置として、シートを第1排出トレイ72させる。
S65の後は、シート検出器62により、シート供給トレイ61に未だシートが残っているか否かが判断される(S66)。そして、S66において、シートが未だ残っている場合には、S63に戻る。一方、S66において、シートが残っていない場合には、処理を終了する。
また、S67の後は、上記ピックアップローラ63’、レジストローラ68、搬送ベルト69等により、シートが1枚づつ所定の位置まで搬送される(S68)。また、上記所定位置では、画像読取部3により画像の読み取りが行なわれる。
S68の後は、シートを第2排出トレイ73に排出させる(S69)。S69の後は、シート検出器62により、シート供給トレイ61に未だシートが残っているか否かが判断される(S70)。そして、S70において、シートが未だ残っている場合には、S68に戻る。一方、S70において、シートが残っていない場合には、処理を終了する。
次に、上記図22のフローに沿った処理の具体例について、図23から図29に基づいて説明する。
まず、図23から図25は、2枚のシート長の異なるシート(S1a・S1b)を搬送する場合であって、図22のS1において、混在処理が選択された場合を示している。なお、上記図23から図25においては、シートS1aの先端部を白抜き三角印で表し、シートS1bの先端部を黒塗り三角印で表している。また、シート供給トレイ61では、上記シートS1bの上にシートS1aが載置されている。さらに、シート供給トレイ61では、シート(S1a・S1b)がフェイスアップの状態で載置されている。
この場合、まず、図23に示すとおり、排出切換フラッパ77が上記第3の切換位置に、反転切換フラッパ70が上記第2の切換位置に設定される(図5のS62に対応)。その後、上記シートS1bが所定の位置まで搬送され、シートの読取処理が行われる(S63に対応)。次に、図24に示すとおり、反転切換フラッパ70、反転ローラ71、および、排出切換フラッパ77により、シートS1bのスイッチバックが行われる(S64に対応)。このとき、スイッチバックの前後で、シートの表裏が反転する。そして、上記シートS1bは、第1排出トレイ72に排出される(S65に対応)。
この後、シート供給トレイ61にはシートS1aが載置されているため、シートS1aについても、上記のシートS1bと同様な処理が行われる(S66でのYesの場合に対応)。その結果、図25に示すとおり、このシートS1aについても、上記シートS1bと同様に、第1排出トレイ72に排出される。以上により、処理が終了する。
ここで、注目すべきは、図25に示すとおり、シート供給トレイ61にシート(S1a・S1b)を載置したときのシート配列と同じ配列を保つと共に、シート(S1a・S1b)の先端部同士(図の白抜き三角印と黒塗り三角印と)が揃っていることである。
これにより、ユーザは、シート供給トレイ61にシートを載置したときと同じ状態でシートを第1排出トレイ72から取得可能となる。
なお、この場合、第1排出トレイ72では、シート(S1a・S1b)がフェイスアップの状態となっている。
次に、図26から図29は、2枚の同一シート長のシート(S1b・S1b’)を搬送する場合であって、図22のS1において、混在処理が選択されていない場合を示している。なお、上記図26から図29においては、シートS1bの先端部を白抜き三角印で表し、シートS1b’の先端部を黒塗り三角印で表している。また、シート供給トレイ61では、上記シートS1b’の上にシートS1bが載置されている。さらに、シート供給トレイ61では、シート(S1b・S1b’)がフェイスアップの状態で載置されている。
この場合、まず、図26に示すとおり、排出切換フラッパ77が上記第4の切換位置に、反転切換フラッパ70が上記第2の切換位置に設定される(図5のS67に対応)。その後、上記シートS1b’が所定の位置まで搬送され、シートの読取処理が行われる(S68に対応)。次に、図27に示すとおり、上記シートS1b’は、第2排出トレイ73に排出される(S69に対応)。
この後、シート供給トレイ61にはシートS1bが載置されているため、シートS1bについても、図28に示すとおり、上記のシートS1b’と同様な処理が行われる(S70でのYesの場合に対応)。その結果、図29に示すとおり、このシートS1bについても、上記シートS1b’と同様に、第2排出トレイ73に排出される。以上により、処理が終了する。
この場合も、同図に示すとおり、シート供給トレイ61にシート(S1b・S1b’)を載置したときのシート配列と同じ配列を保つと共に、シート(S1b・S1b’)の先端部同士(図の白抜き三角印と黒塗り三角印と)が揃う。
なお、この場合、第2排出トレイ73では、シート(S1b・S1b’)がフェイスアップの状態となる。
ところで、上記の説明においては、ピックアップローラ63’を設けて、シート供給トレイ61に載置されたシートのうち、下面に載置されているシートから順に取得した。しかしながら、これに限定されるものではなく、ピックアップローラ63’の代わりに、上記実施の形態1のピックアップローラ63を備える構成としてもよい。以下、この場合について、図30から図32に基づいて説明する。
図30に示すとおり、ピックアップローラ63を備えた構成では、シート供給トレイ61に載置されたシートのうち、上面に載置されているシートから順に取得することになる。したがって、混在処理を行う場合には、図31に示すスイッチバック処理が行われた後、反転切換フラッパ70を第2の切換位置に保ち、排出切換フラッパ77を上記第4の切換位置を切換える。これにより、図32に示すとおり、シート(S1a・S1b)が第2排出トレイ73に排出される。
この場合も、同図に示すとおり、シート供給トレイ61にシート(S1a・S1b)を載置したときのシート配列と同じ配列を保つと共に、シート(S1a・S1b)の先端部同士(図の白抜き三角印と黒塗り三角印と)が揃うこととなる。
なお、この場合、第2排出トレイ73では、シート(S1a・S1b)がフェイスダウンの状態となる。
また、上記の説明においては、スイッチバックを1回行う構成であったが、例えば、スイッチバックを連続して奇数回(1回を除く)行っても、上記1回の場合と同じ結果が得られることは言うまでもない。
また、この実施の形態2では、制御部60に、第1の受信部81aと第1のシート搬送中断部83を有していない構成にて説明しているが、これらを有する構成であっても良く、ユーザが排出トレイの選択を怠った場合で、シートサイズの混在が検出された場合に、ユーザに対してすでに排出トレイに排出されているシートを移し変え以降の処理を進めるように案内し、実行させる制御を行ってもよい。
〔参考の形態2〕
他の参考実施形態について、図33に基づいて説明すると以下のとおりである。
なお、以下の説明においても、シート長の異なるシートと記載した場合には、シートが搬送される方向のシート長が異なる場合を意味する。また、本実施の形態では、後述する、シートに対する画像の記録が、特許請求の範囲に記載の所定の処理に該当する。
図33は、本発明に係る画像形成装置(インクジェットプリンタ)1”の断面図である。上記画像形成装置1”は、シート搬送部(シート搬送装置)2”、画像形成部4’、および、図示していない操作部5を備えている。そして、本実施の形態の画像形成装置1”は、上述した実施の形態1および2の画像形成装置とは異なり、シートに既に形成されている画像の読み取りを行って画像を形成する構成ではなく、記録用のシートの対して画像を記録(形成)する構成である。
ただし、操作部5を備えずに、外部装置のパーソナルコンピュータ等に操作部5に対する機能を持たせる構成としてもよい。つまり、ユーザが、パーソナルコンピュータ等の表示画面を参照して、キーボードを用いて入力を行い、その後、この入力がプリンタドライバ等を介して、画像形成装置1”に送信される構成としてもよい。また、この操作部5は、上記実施の形態2で示した操作部5と同じ構成を有している。
上記シート搬送部2”は、図33に示すとおり、静電吸着ローラ91と、搬送ベルト69の代わりに静電吸着ベルト92と、ピックアップローラ63’の代わりにピックアップローラ63とを備える点を除き、上記実施の形態2で説明したシート搬送部2’と同じ構成である。なお、静電吸着ベルト92は、後述するインクジェットラインヘッド95の下側に設けられている。
また、画像形成部4’は、インクジェットラインヘッド95と、除電器96とを備えている。上記インクジェットラインヘッド95は、画像形成部4’が受信した画像データに基づいて、シート搬送部2”により搬送されてきたシートに対しインクを吐出し、画像を形成する。また、上記除電器96は、静電吸着ベルト92に対する、画像が形成されたシートの吸着力を軽減し、上記シートが静電吸着ベルトから剥離しやすいようにする。なお、形成された画像は、シートが除電器96の設置位置に達するまでに、乾燥する。
上記のような構成を有する画像形成装置1”におけるシートの搬送については、画像の読取処理の代わりにインクによる記録がされる点を除けば、基本的には、上記実施の形態2の図23から図29で説明した搬送方法と同じである。つまり、混在処理が選択された場合には、シートの排出先として第1排出トレイ72が設定される。一方、混在処理が選択されていない場合には、シート排出先として第2排出トレイ73が設定される。
なお、シートの搬送方法の詳細な説明については、実施の形態2と同様であるため、記載を省略する。
以上により、シート供給トレイ61にシート(S1a・S1b)を載置したときのシート配列と同じ配列を保つと共に、シート(S1a・S1b)の先端部同士を揃えることができる画像形成装置を提供できる。
なお、ピックアップローラ63’の代わりにピックアップローラ63を設けた場合であって、混在処理の場合には、基本的には、実施の形態2の図30から図32に示したような経路をとおり、シートを第2排出トレイ73に排出する構成とすればよい。
ところで、上記の実施形態1から3では、搬送方向のシート長さ(シート長)が異なるシートを搬送する場合について説明した。
しかしながら、インデックス(タブ)付きのシートも、インデックス付きのシートと共に用いられる通常の形のシート(長方形型のシート)と比べると、シート長が異なっている。したがって、インデックス付きのシートを含む原稿(シート)を1枚づつ搬送する場合にも適応できる。図38および図39に、一例を示す。なお、以下では、インデックス付きのシートをインデックスシートと称する。
図38および図39は、突出部を有さないシートS1a(以下、シートS1a)とインデックスシートS1cとを搬送する場合(つまり、2枚のシート長の異なるシートを搬送する場合)であって、上述した混在処理が選択された場合を示している。この場合、図38に示すとおり、第1排出トレイ72が第2の設定位置(下向き)に設定される。なお、上記図38および図39においては、シートS1aの先端部を白抜き三角印で表し、インデックスシートS1cの先端部を黒塗り三角印で表している。また、シート供給トレイ61では、上記インデックスシートS1cの上にシートS1aが載置されている。さらに、シート供給トレイ61には、シートS1aおよびインデックスシートS1cとがフェイスアップの状態、つまり読み取り面が上方を向いている状態で載置されている。
まず、上記シートS1aが上記所定の位置まで搬送される。そして、その後、シートS1aは、第2の設定位置にある第1排出トレイ72に排出される。次に、インデックスシートS1cが所定の位置まで搬送される。そして、その後、このインデックスシートS1cについても、図39に示すとおり、上記シートS1aと同様に第1排出トレイ72に排出される。以上により、処理が終了する。
ここで、注目すべきは、同図および図40に示すとおり、シート供給トレイ61にシートS1aおよびインデックスシートS1cを載置したときのシート配列と同じ配列を保つと共に、シートS1aとインデックスシートS1cとの先端部同士(図の白抜き三角印と黒塗り三角印と)が揃っていることである。
これにより、ユーザは、シート供給トレイ61にシートを載置したときと同じ状態でシートを第1排出トレイ72から取得可能となる。なお、この場合、第1排出トレイ72では、シートS1aおよびインデックスシートS1cはフェイスダウンの状態となる。
なお、上記においては、インデックスシートが混在した場合の処理の一例(実施の形態1の図6から図10に対応する例)を示したが、これに限定されるものではなく、実施の形態1から3で示した様々な処理方法を用いることができる。
次に、インデックスシートの検出方法について説明する。
上記画像形成装置1等においては、シート長検出器76を用いてシート長を検出した。そこで、このシート長検出器を複数個、図38の紙面垂直方向に例えば直線状(ライン状)に設け、1枚のシートにおける複数箇所のシート長を検出する構成とすればよい。この構成とすることにより、1枚のシートに関し、検出される検出長の値が複数ある場合には、このシートはインデックスシートであると判断できる。また、検出される検出長が一つの値の場合には、シートがインデックスシートでないと判断できる。なお、複数個のシート長検出器を一体として構成してもよい。また、この複数個のシート長検出器が、特許請求の範囲に記載の測定手段に該当する。
また、上記のようにシート長検出器76を複数個設ける代わりに、図41に示すとおり、画像読取部3に、前記搬送方向と垂直となる方向におけるシートの端部の形状を識別する形状識別部(形状識別手段)36を設け、この識別結果により、シートがインデックスシートか否かを判断してもよい。
具体的には、上記シートの端部の形状を、画像読取部3のCCDユニット34で読み取る構成にして、シートの端部の形状を識別する。例えば、搬送ベルト69の色を、黒色等のようにシートの色と異なる色としておき、CCDユニット34での読み取り結果からシートの端部の形状を判断する。また、搬送ベルト69の濃度を、シートの濃度と異なる濃度としておいてもよい。場合によっては、CCDユニット34として、カラー画像用のユニットを用いて、シート形状を判断してもよい。
なお、上記形状識別部により、シートの搬送方向と垂直となる方向の端部形状を判定する代わりに、シートの形状を識別してよい。つまり、形状識別部が、少なくとも、前記搬送方向と垂直となる方向におけるシートの端部の形状を識別する構成であればよい。
また、上記操作入力部52に対して、上述した混在処理を行うか否かについて、ユーザが入力可能となっているが、インデックスシートが含まれている場合も、ユーザが操作部52を介して混在処理を行う指示を入力すればよい。また、混在処理の一つの処理モードとして、インデックスシート処理モードというモードを独立して設け、該処理モードをユーザが選択できるようにしておけば、利便性が向上する。