JP3874664B2 - 高い1級末端oh比率を有するポリカーボネートジオール - Google Patents

高い1級末端oh比率を有するポリカーボネートジオール Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、全末端基に占める1級ヒドロキシル基の比率が極めて高いポリカーボネートジオールに関する。更に詳細には、本発明は、1,5−ペンタンジオール単位と1,6−ヘキサンジオール単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の単位を50〜100モル%含むポリカーボネートジオールであり、その全末端基に占める1級ヒドロキシル基の比率が極めて高い特定の範囲にあり、従って末端2級ヒドロキシル基の含有率が極めて低いポリカーボネートジオールに関する。更に本発明は、上記のポリカーボネートジオールと有機ポリイソシアネートから得られる熱可塑性ポリウレタンに関する。
本発明のポリカーボネートジオールを熱可塑性ポリウレタンやポリエステルエラストマーなどの製造に用いると、従来のポリカーボネートジオールと比べて、高い重合速度が得られる。また、本発明の熱可塑性ポリウレタンは、従来のポリカーボネートジオールを用いて得られた熱可塑性ポリウレタンと比べて、強度、伸び、反撥弾性、低温特性が格段に優れる。
従来技術
従来、例えばポリウレタンやウレタン系、エステル系、アミド系等の熱可塑性エラストマーに用いられるソフトセグメントには、ポリマー末端がヒドロキシル基であるポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールが使用されている。(米国特許第4,362,825号、米国特許第4,129,715号明細書等)。このうちポリアジペートポリオールに代表されるポリエステルポリオールは耐加水分解性に劣るため、例えば、これを用いたポリウレタンは比較的短期間に表面に亀裂等を生じ、表面に黴が生える等するため使用上かなり制限を受ける。他方、ポリエーテルポリオールを用いたポリウレタンは耐加水分解性が良好ではあるが、耐光性、耐酸化劣化性が悪い欠点を有している。これらの欠点は各々ポリマー鎖中のエステル基、エーテル基の存在に起因するものである。
一方、耐加水分解性、耐光性、耐酸化劣化性、耐熱性等に優れたソフトセグメントを形成しうるポリオールとして、1,6−ヘキサンジオールのポリカーボネートポリオールが市販されているが、これはポリマー鎖中のカーボネート結合が化学的に極めて安定であるため、上述のような特徴を示すものである。
さらに、1,6−ヘキサンジオールを1,4−ブタンジオールまたは1,5−ペンタンジオールと共重合させて得られる共重合ポリカーボネートジオール(日本国特公平5−029648号公報(EP302712号、米国特許第4,855,377号、米国特許第5,070,173号に対応)、日本国特開平5−25264号公報参照)をソフトセグメントに用いて製造した熱可塑性ポリウレタン(日本国特開平5−51428号公報、日本国特許第1985394号公報(EP302712号、米国特許第4,855,377号、米国特許第5,070,173号に対応)参照)が、1,6−ヘキサンジオールのみから得られるポリカーボネートジオールをソフトセグメントに用いて製造した熱可塑性ポリウレタンの上記特性に加えて、柔軟性、低温特性、弾性回復性という点にも著しく優れており、更にポリウレタン繊維の製造に際しても容易に紡糸できるという点で近年注目されている。
ポリカーボネートジオールは、2個の1級ヒドロキシル基を持つジオールと有機カーボネート化合物、例えば、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等を用いて一般的なエステル交換触媒の存在下、あるいは触媒の非存在下にエステル交換反応を行い製造されている。
1,6−ヘキサンジオールと1,4−ブタンジオールから得られる共重合ポリカーボネートジオールに関する先行文献(日本国特開平5−25264号公報)には、繰り返し単位として1,4−ブタンジオールよりなるユニットを60〜90モル%含有する脂肪族ポリカーボネートジオールが、イソシアネートとのポリウレタン化反応性が安定していることが述べられている。
しかしながら、本発明者らが検討した結果、上記日本国特公平5−029648号公報に記載の方法で得られた1,5−ペンタンジオール単位と1,6−ヘキサンジオール単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の単位を50モル%以上含有する脂肪族ポリカーボネートジオールは、これを原料としてポリウレタン化反応を行うと重合速度が遅く、また得られる熱可塑性ポリウレタンの強度、伸び、反撥弾性、低温特性等の物性が低くなるという問題があった。また、上記のポリカーボネートジオールは、ポリエステルエラストマーの製造に用いると重合速度が遅いという問題もあった。
発明の概要
かかる状況下において、本発明者らは、上記の従来のポリカーボネートジオールを用いるポリウレタン製造やポリエステルエラストマー製造において十分な重合速度が得られない原因について種々検討したところ、意外にも、ポリカーボネートジオールの末端基として、不純物モノマーに由来する微量の末端2級ヒドロキシル基が存在し、それによりポリウレタン化反応やポリエステル化反応の重合反応性が低下していることを見出した。さらに、本発明者らは、1,5−ペンタンジオール単位と1,6−ヘキサンジオール単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の単位を50〜100モル%含むポリカーボネートジオールであり、その全末端基に占める1級ヒドロキシル基の比率が極めて高い特定の範囲にあり、従って末端2級ヒドロキシル基の含有率が極めて低いポリカーボネートジオールが、ポリウレタン化反応やポリエステル化反応での重合反応性が高く、高い重合速度が得られることを見出した。さらに、本発明者らは、この末端2級ヒドロキシル基の含有率が極めて低いポリカーボネートジオールをポリウレタン化反応の原料に用いると、高い重合速度が得られるばかりではなく、得られた熱可塑性ポリウレタンの強度、伸び、反撥弾性、低温特性が格段に優れることを見いだした。これらの知見に基づき、本発明を完成したものである。
従って、本発明の1つの目的は、ポリウレタンやポリエステルエラストマーを製造するための反応における重合反応性に優れたポリカーボネートジオールを提供することにある。
本発明の他の1つの目的は、上記のポリカーボネートジオールとポリイソシアネートを共重合して得られる、柔軟性、耐熱性、低温特性、耐候性、強度、成型加工性に優れた各種の素材として利用できる熱可塑性ポリウレタンを提供することにある。
本発明の上記および他の諸目的、諸特徴ならびに諸利益は、以下の詳細な説明および請求の範囲から明らかになる。
発明の詳細な説明
本発明の1つの態様によれば、
下記式(1):
Figure 0003874664
(但し、式中Rは炭素数2〜10の二価の脂肪族または脂環族炭化水素を表す)
で独立的に表わされる繰り返し単位と末端ヒドロキシル基からなるポリカーボネートジオールであって、
式(1)の繰り返し単位の50〜100モル%は下記式(2):
Figure 0003874664
(但し、式中nは5または6である)
で独立的に表わされ、そして
nが5である式(2)の繰り返し単位の量が、式(1)の繰り返し単位の合計に対して50〜100モル%である場合には、該ポリカーボネートジオールの1級末端OH比率が97%以上であり、そして
nが5である式(2)の繰り返し単位の量が、式(1)の繰り返し単位の合計に対して0モル%〜50モル%未満である場合には、該ポリカーボネートジオールの1級末端OH比率が99%以上であることを特徴とし、
該1級末端OH比率は、両末端が1級ヒドロキシル基であるジオールの、ジオールを含むアルコールの合計に対する重量%として定義され、ジオールを含む該アルコールは、該ポリカーボネートジオールの末端部分のジオールセグメントに対応していて、該アルコールは、該ポリカーボネートジオールを0.4kPa以下の圧力下、攪拌しながら160℃〜200℃の温度で加熱することにより留分として得られるものである、
ポリカーボネートジオールが提供される。
次に、本発明の理解を容易にするために、本発明の基本的諸特徴および好ましい態様を列挙する。
1.下記式(1):
Figure 0003874664
(但し、式中Rは炭素数2〜10の二価の脂肪族または脂環族炭化水素を表す)
で独立的に表わされる繰り返し単位と末端ヒドロキシル基からなるポリカーボネートジオールであって、
式(1)の繰り返し単位の50〜100モル%は下記式(2):
Figure 0003874664
(但し、式中nは5または6である)
で独立的に表わされ、そして
nが5である式(2)の繰り返し単位の量が、式(1)の繰り返し単位の合計に対して50〜100モル%である場合には、該ポリカーボネートジオールの1級末端OH比率が97%以上であり、そして
nが5である式(2)の繰り返し単位の量が、式(1)の繰り返し単位の合計に対して0モル%〜50モル%未満である場合には、該ポリカーボネートジオールの1級末端OH比率が99%以上であることを特徴とし、
該1級末端OH比率は、両末端が1級ヒドロキシル基であるジオールの、ジオールを含むアルコールの合計に対する重量%として定義され、ジオールを含む該アルコールは、該ポリカーボネートジオールの末端部分のジオールセグメントに対応していて、該アルコールは、該ポリカーボネートジオールを0.4kPa以下の圧力下、攪拌しながら160℃〜200℃の温度で加熱することにより留分として得られるものである、
ポリカーボネートジオール。
2.該ポリカーボネートジオールを加アルカリ分解して該ポリカーボネートジオールの全ジオールセグメントに対応するジオールモノマー混合物を得たとき、該ジオールモノマー混合物の1級ヒドロキシル末端純度が:
該ポリカーボネートジオール中のnが5である式(2)の繰り返し単位の量が式(1)の繰り返し単位の合計に対して50〜100モル%である場合には、99.0重量%以上であり、
該ポリカーボネートジオール中のnが5である式(2)の繰り返し単位の量が式(1)の繰り返し単位の合計に対して0モル%〜50モル%未満である場合には、99.5重量%以上であることを特徴とし、
該1級ヒドロキシル末端純度は、該ジオールモノマー混合物の重量に対する両末端が1級ヒドロキシル基であるジオールモノマーの重量%として定義される、前項1に記載のポリカーボネートジオール。
3.前項1又は2のポリカーボネートジオールをポリイソシアネートと共重合して得られる熱可塑性ポリウレタン。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のポリカーボネートジオールは、1,5−ペンタンジオール単位と1,6−ヘキサンジオール単位からなる群から選ばれる少なくとも1種の繰り返し単位を50モル%以上含むポリカーボネートジオールにおいて、1,5−ペンタンジオール単位の量が50モル%以上である場合は、1級末端OH比率が97%以上、好ましくは99%以上であり、また、1,5−ペンタンジオール単位の量が50モル%未満である場合は、1級末端OH比率が99%以上、好ましくは99.4%以上、特に好ましくは99.6%以上である。本発明者らが鋭意検討した結果、上記の本発明のポリカーボネートジオールは、ポリウレタン化反応において高い重合反応性と高い重合速度を示し、ポリウレタン製造の原料として好適であることを見いだしたものである。また、上記の本発明のポリカーボネートジオールは、ポリエステルエラストマー製造のための反応においても高い重合反応性と高い重合速度を示すことが分かった。
ポリカーボネートジオールの1級末端OH比率が本発明で規定する上記の範囲より低い場合は、ポリカーボネートジオールをポリイソシアネートとポリウレタン化反応させて熱可塑性ポリウレタンを製造する際の反応速度が低下する(後述の実施例5〜10と比較例5〜10、及び実施例11〜13と比較例11〜13を参照)。反応速度が低下する理由は、ポリカーボネートジオールの2級ヒドロキシ末端が立体障害を有するために、イソシアネートとの反応性が低くなるためであると考えられる。また、反応速度の低下を補うために、そのような本発明の要件を満たさないポリカーボネートジオールをポリイソシアネートと長時間をかけてポリウレタン化反応させると、得られる熱可塑性ポリウレタンの機械的物性(引っ張り強度、伸び、反撥弾性など)が劣ることになる(後述の実施例5、7、8と比較例11〜13を参照)。機械的物性が劣る理由は、イソシアネートとの反応性が低い2級ヒドロキシル末端を有するポリカーボネートジオール分子鎖の存在によって、長時間の反応中に、生成するポリウレタンの分子量分布(Mw/Mn)が広くなりすぎ、また、低分子量のポリウレタン分子の割合が多くなるためであると考えられる。
本発明においては、1級末端OH比率が高ければ高いほどポリカーボネートジオールの重合反応性は高くなり好ましい。しかし、1級末端OH比率を極限まで上げていくためには、原料となる1,5−ペンタンジオール及び/または1,6−ヘキサンジオールの純度を極限まで高くすることが必要となり、精製に多大の労力を費やすことになる。1級末端OH比率については、それが本発明で定める上記の範囲の下限以上でありさえすれば本発明の効果は充分に得られるので、1級末端OH比率をさらに極限まで上げていく必要はない。
本発明における1級末端OH比率は、両末端が1級ヒドロキシル基であるジオールの、ジオールを含むアルコールの合計に対する重量%として定義され、ジオールを含む該アルコールは、該ポリカーボネートジオールの末端部分のジオールセグメントに対応していて、該アルコールは、該ポリカーボネートジオールを0.4kPa以下の圧力下、攪拌しながら160℃〜200℃の温度で加熱することにより留分として得られるものである。
具体的には、本発明における1級末端OH比率は、ポリカーボネートジオール(70g〜100g)を0.4kPa以下の圧力下、攪拌しながら160℃〜200℃の温度で加熱することにより、該ポリカーボネートジオールの約1〜2重量%に相当する量の留分、即ち約1g(0.7〜2g)の留分を得て、これを約100g(95〜105g)のエタノールを溶剤として用いて回収し、回収した溶液をガスクロマトグラフィー(GC)分析にかけて得られるクロマトグラムのピーク面積の値から次式により計算した値を言う。
1級末端OH比率(%)=(両末端が1級OH基であるジオールのピーク面積の総和)÷(ジオールを含むアルコール類(エタノールを除く)のピーク面積の総和)×100。
なお、上記の1級末端OH比率の測定のために行なうGC分析において検出される「ジオールを含むアルコール類(エタノールを除く)」の具体例としては、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ペンタンジオール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノールなどが挙げられる。なお、本発明のポリカーボネートジオールの製造に用いられる1,5−ペンタンジオールや1,6−ヘキサンジオールなどのジオールは製造工程において蒸留により精製されるが、その際に、沸点が上記のジオールに近いアルコール類が不純物として残る。しかし、エタノールは上記のジオールよりもかなり沸点が低いので、もしも上記のジオール中にエタノールが混入していても蒸留精製によって除去される。従って、1級末端OH比率の測定のためのGC分析にかけられる上記の留分の溶液中のエタノールは、留分の回収に溶剤として用いたエタノールのみである。
1級末端OH比率は、ポリカーボネートジオールの全末端基に占める1級OH基の比率である。即ち、上記のようにポリカーボネートジオールを0.1kPa以下の圧力下、攪拌しながら160℃〜200℃の温度で加熱すると、ポリカーボネートジオールの末端部分のみがジオール単位に分解されて蒸発し、留分として得られる。この留分中の全アルコール類における両末端が1級OH基であるジオールの比率が1級末端OH比率であり、その1級末端OH比率が高ければ高いほど、ポリカーボネートジオールのポリウレタン化反応やポリエステル化反応での重合反応性が高くなる。
なお、本発明において、ポリカーボネートジオールにおける式(2)のnが5である繰り返し単位、つまり1,5−ペンタンジオール単位の量が50モル%以上である場合と50モル%未満である場合とで1級末端OH比率の下限が異なる理由は以下の通りである。本発明のポリカーボネートジオールの原料としては、1,5−ペンタンジオール及び/又は1,6−ヘキサンジオールが用いられる。1,6−ヘキサンジオールについては、それに含まれる不純物のうち2級OH基を有する不純物は1,4−シクロヘキサンジオールであり、この不純物ジオールの2つのOH基はいずれも2級OH基である。一方、1,5−ペンタンジオールについては、それに含まれる不純物のうち2級OH基を有する不純物は1,5−ヘキサンジオールと1,4−シクロヘキサンジオールである。上記のように1,4−シクロヘキサンジオールの2つのOH基はいずれも2級OH基である。しかし、1,5−ヘキサンジオールは2つのOH基のうちの1つのみが2級OH基で、もう1つのOH基は1級OH基である。従って、ポリカーボネートジオールの製造のためのエステル交換反応において、不純物である1,5−ヘキサンジオールがその2級OH基の部分でカーボネート化合物に結合して、得られるポリカーボネートジオールの1級末端基になる可能性があり、1級末端基となった場合は問題を生じない。一方、1級末端OH比率は、ポリカーボネートジオールの末端部分を構成するジオール単位のうち両末端が1級OH基であるジオールモノマーに由来するものの比率を評価するためのものであり、1末端のみが1級OH基である1,5−ヘキサンジオールの存在で1級末端OH比率が上がることはない。従って、1,5−ペンタンジオール単位の量が50モル%以上である場合(つまり不純物1,5−ヘキサンジオールが原料の不純物中に占める割合が大きい場合)は、1級末端OH比率で評価されるよりも実際のポリカーボネートジオールの1級末端OHの比率が(1,5−ヘキサンジオールによって)わずかに大きいと考えられるので、その分だけ1級末端OH比率の下限を低くできる。このような知見に基づいて、本発明においては、ポリカーボネートジオールにおける1,5−ペンタンジオール単位の量が50モル%以上である場合と50モル%未満である場合とで1級末端OH比率の下限が異なるものである。
上記のように、1級末端OH比率は、ポリカーボネートジオールの全末端基に占める1級OH基の比率であるが、ポリカーボネートジオールは、ポリカーボネートジオールを構成する全ジオールセグメントの組成を分析することもできる。即ち、アルカリを用いてポリカーボネートジオールを分解し、ポリカーボネートジオールの全ジオールセグメントに対応するジオールモノマー混合物を得てそれを分析することにより、ポリカーボネートジオールの全ジオールセグメントの組成を測定することができる。具体的には、該ジオールモノマー混合物の重量に対する両末端が1級ヒドロキシル基であるジオールモノマーの重量%として定義される1級ヒドロキシル末端純度を求める。本発明のポリカーボネートジオールは、この測定により求められる該ジオールモノマー混合物の1級ヒドロキシル末端純度が、ポリカーボネートジオール中の1,5−ペンタンジオール単位の量が50モル%以上である場合には、99.0重量%以上であることが好ましい。さらに好ましくは99.2重量%以上である。特に好ましくは、99.5重量%以上である。またこの測定により求められる該ジオールモノマー混合物の1級ヒドロキシル末端純度が、ポリカーボネートジオール中の1,5−ペンタンジオール単位の量が50モル%未満である場合には、99.5重量%以上であることが好ましい。さらに好ましくは99.7重量%以上である。
ポリカーボネートジオールを加アルカリ分解してジオール組成を分析する(即ち、加アルカリ分解で得られるジオールモノマー混合物の1級ヒドロキシル末端純度を求める)具体的方法を例示すると、ポリカーボネートジオールにエタノールと水酸化カリウムを加え、100℃の加熱浴で1時間加熱した後に、反応液を室温まで冷却し、塩酸で中和して得られた液をGCで分析する方法を用いることができる。GC分析では、全てのピークが必ずしも同定されないことがあり、厳密な意味での重量%を算出することが困難な場合がある。従って、本発明で言う該ジオールモノマー混合物の1級ヒドロキシル末端純度が99.0重量%以上とは、GC分析において、両末端が1級OH基であるジオールモノマーのピーク面積の総和を、試料を希釈するのに用いた溶剤や所望により加えられた内部標準物質のピークを除いた全ピーク面積の総和で除した値を100倍した値が99.0以上であることを言う。
以下に、本発明のポリカーボネートジオールの製造方法について説明する。後で詳述するように、本発明のポリカーボネートジオールの合成は、有機カーボネート化合物と、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種のジオールおよび所望により他のジオールの混合物を一般的なエステル交換触媒の存在下又は無触媒下に従来公知の方法でエステル交換反応に付すことより行うことができる。
現在、工業的に得られる1,5−ペンタンジオールは、1,5−ヘキサンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジオールを各々0.2重量%〜1重量%含有しており、この1,5−ペンタンジオールを原料に用いてポリカーボネートジオールを製造すると、1,5−ペンタンジオール中の1,5−ヘキサンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジオール等の2級のヒドロキシル基を持つ不純物がポリカーボネートジオール製造時のエステル交換反応の反応性が低いのでポリカーボネートジオールの末端基となり、その結果、末端基に2級のヒドロキシル基を持つポリカーボネートジオールが含まれることとなり、ポリウレタン化反応の重合速度が遅くなるものである。更にはポリエステルエラストマーへの重合時にも重合速度に悪影響が出てくるものである。
1,5−ペンタンジオールの純度としては、99.0重量%以上であることが好ましい。より好ましくは99.5重量%以上である。1,5−ペンタンジオールの純度はガスクロマトグラフィー(GC)で測定することができる。
1,5−ペンタンジオール中の2級ヒドロキシル基を有するジオールの含有量の合計が0.5重量%未満であることが好ましい。0.3重量%未満であることがさらに好ましい。1,5−ペンタンジオールには、1,5−ペンタンジオール以外の両末端が1級OH基であるジオール(例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなど)が含まれていてもよい。またポリカーボネートジオール合成反応に影響を与えない化合物、例えば1,5−ペンタンジオールの脱水反応により生じる環状エーテルなどを含んでいてもよい。また、δ−バレロラクトン等のラクトン類、5−ヒドロキシ吉草酸等のヒドロキシカルボン酸類、ペンタノール等のモノアルコール類は、1,5−ペンタンジオール製造時に副生し、混入することが考えられる化合物であるが、これらの化合物の含有量は、合わせて0.5重量%未満であることが好ましく、さらに好ましくは0.3重量%未満である。
本発明のポリカーボネートジオールを得るのに好適な1,5−ペンタンジオールを得る方法としては、グルタル酸および/又はグルタル酸の低級アルコール(炭素数1〜6)のエステルを原料としてルテニウム/錫系触媒を用いるグルタル酸の直接水添か、又は、銅/クロム系の触媒を用いるグルタル酸エステルの水添反応により得ることができる。
工業的に容易に得られるグルタル酸としては、シクロヘキサノンおよび/又はシクロヘキサノールを硝酸酸化してアジピン酸を製造する際に副生するグルタル酸、コハク酸、アジピン酸の混合物を用いることができ、この混合物を直接水添又はエステル化後水添し、得られたジオール混合物を例えば蒸留により精製することにより好適な1,5−ペンタンジオールを得ることができる。
一方、現在、工業的に得られる1,6−ヘキサンジオールには、1,4−シクロヘキサンジオール等の2級ヒドロキシル基を持つ不純物を0.5〜2重量%含有しており、この1,6−ヘキサンジオールを原料に用いてポリカーボネートジオールを製造すると、1,6−ヘキサンジオール中の1,4−シクロヘキサンジオール等の2級ヒドロキシル基を持つ不純物がポリカーボネートジオール製造時のエステル交換反応の反応性が低いのでポリカーボネートジオールの末端基となり、その結果、末端基に2級ヒドロキシル基を持つポリカーボネートジオールが含まれることとなり、ポリウレタン化反応の重合反応性が低くなり、十分な分子量のポリウレタンを得ることができなくなるものである。更にはポリエステルエラストマーへの重合時にも重合速度に悪影響が出てくるものである。
1,6−ヘキサンジオールの純度としては、99.0重量%以上であることが好ましい。より好ましくは99.4重量%以上であり、さらに好ましくは99.8重量%以上である。1,6−ヘキサンジオールの純度はガスクロマトグラフィー(GC)で測定することができる。
1,6−ヘキサンジオール中の1,4−シクロヘキサンジオールの含有量は0.5重量%以下であることが好ましい。さらに好ましくは0.1重量%以下である。1,6−ヘキサンジオールには、1,6−ヘキサンジオール以外の両末端が1級OH基であるジオール(例えば、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなど)が含まれていてもよい。またポリカーボネートジオール合成反応に影響を与えない化合物、例えば1,6−ヘキサンジオールの脱水反応により生じる環状エーテルなどが含まれていてもよい。また、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等のラクトン類、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸等のヒドロキシカルボン酸類、ペンタノール、ヘキサノール等のモノアルコール類は、1,6−ヘキサンジオール製造時に副生し、混入することが考えられる化合物であるが、これらの化合物の含有量は、合わせて0.5重量%以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.3重量%以下である。
本発明のポリカーボネートジオールを得るのに好適な1,6−ヘキサンジオールを得る方法としては、アジピン酸および/又はアジピン酸の低級アルコール(炭素数1〜6)のエステルを原料としてルテニウム/錫系触媒を用いるアジピン酸の直接水添か、又は、銅/クロム系の触媒を用いるアジピン酸エステルの水添反応により得ることができる。
工業的に容易に得られるアジピン酸としては、シクロヘキサノンおよび/又はシクロヘキサノールを銅およびバナジウム触媒を用いて硝酸酸化した後に晶析により得られるアジピン酸が好ましい。好ましいアジピン酸の純度としては、99.0重量%以上であり、より好ましくは、99.4重量%以上であり、特に好ましくは99.8重量%以上である。また、アジピン酸を製造する際に副生するグルタル酸、コハク酸、アジピン酸の混合物も用いることができ、この混合物を直接水添又はエステル化後水添し、得られたジオール混合物を例えば蒸留により精製することによっても好適な1,6−ヘキサンジオールを得ることができる。
従来、1,6−ヘキサンジオールは、シクロヘキサンを空気酸化してシクロヘキサノンおよび/又はシクロヘキサノールを製造する際に副生するアジピン酸、ヒドロキシカプロン酸、グルタル酸の混合物をエステル化し、その後に銅系触媒を用いて水添し、得られた1,6−ヘキサンジオールを蒸留精製することにより製造されている。しかしながら、上記したようにこの方法で得られた1,6−ヘキサンジオール中には、1,4−シクロヘキサンジオールが含まれており、本発明のポリカーボネートジオールの原料としては好ましくない。1,4−シクロヘキサンジオールと1,6−ヘキサンジオールの沸点は、非常に近く、蒸留分離により1,4−シクロヘキサンジオールの量を上記の好ましい範囲(0.5重量%以下)に減じることは難しい。
これに対して、シクロヘキサンノンおよび/又はシクロヘキサノールから硝酸酸化によって得られたアジピン酸を直接またはエステル化後に水添することにより得られる1,6−ヘキサンジオールは、上記の2級OH基を持つジオールといった不純物の含有量が極めて低く、本発明のポリカーボネートジオールの原料として好ましいものである。
また、本発明のポリカーボネートジオールの原料ジオールとしては、所望に応じて両末端1級OH基を有する複数種類のジオールから構成することもできる。その場合、両末端1級OH基を有する複数のジオールを合わせた純度が99.0重量%以上であることが好ましい。より好ましくは99.5重量%以上であり、さらに好ましくは、99.8重量%以上である。
1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種の他に所望により他のジオールを原料として併用することができ、他のジオールの具体的な例としては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−15−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどを挙げることができる。1,5−ペンタンジオールまたは1,6−ヘキサンジオールと他のジオールの量比については、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールの合計量が、ジオールの合計モル数に対して50モル%以上であること以外には特に制限はない。
式(1)のRとしては、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種のジオールから誘導される二価の基が必須である。式(1)の任意なRの例としては、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールから誘導される二価の基を挙げることができる。
特に好適なポリカーボネートジオールとしては、1,4−ブタンジオールおよび/または1,5−ペンタンジオールと、1,6−ヘキサンジオールから合成される共重合ポリカーボネートジオールが、得られる熱可塑性エラストマー組成物の低温特性、反発弾性に優れるので好ましい。
また、本発明には、上記ジオールの他に1分子にヒドロキシル基を3個以上持つ化合物、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の1級ヒドロキシル基を持つポリオール類を少量用いて、所望により多官能化したポリカーボネートジオールとしてもよい。このポリオール類をあまり多く用いると架橋してゲル化が生じるので、ジオールの合計モル数に対して10mol%以下にしておくことが好ましい。
本発明のポリカーボネートジオールの平均分子量の範囲は、用途により異なるが、通常、数平均分子量で300〜50000であり、好ましくは600〜20000である。本発明において、ポリカーボネートジオールの数平均分子量は、無水酢酸とピリジン、および水酸化カリウムのエタノール溶液を用いる常法である「中和滴定法」(JIS K 0070−1992)によってOH価を測定し、その値から下式により求める。
数平均分子量=56.1×2×1000÷OH価
先に述べたように、本発明のポリカーボネートジオールの合成は、有機カーボネート化合物と、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールからなる群から選ばれる少なくとも1種のジオールおよび所望により他のジオールの混合物を一般的なエステル交換触媒の存在下又は無触媒下に従来公知の方法でエステル交換反応に付すことより行うことができる。有機カーボネート化合物の例としては、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート等が挙げられる。
無触媒でエチレンカーボネートを有機カーボネート原料として用いるポリカーボネートジオールの製造方法の1例について以下に述べる。
ポリカーボネートジオールの製法は2段階に分けて行う。即ち、ジオールとエチレンカーボネートを20:1ないし1:10のモル比で混和し、常圧又は減圧下に100〜300℃の温度で反応させ、副生するエチレングリコール及び未反応のエチレンカーボネートを留出して2〜10単位の低分子量ポリカーボネートジオールを得、次いで減圧下に温度100〜300℃で未反応ジオールとエチレンカーボネートを留去すると共に、低分子量ポリカーボネートジオールを自己縮合させる。その間生成する原料ジオールは留去し続け、所望の分子量のポリカーボネートジオールを得る。
次に、エステル交換触媒を用いる方法について述べる。
エステル交換反応触媒の中では、安価であること及び例えば二酸化炭素との反応又は単なる洗浄により反応生成物から容易に除去されることから、アルカリ金属アルコラートが好ましい。別法によれば、これらの触媒は有機酸又は無機酸による処理によって、又はスルホン化酸性樹脂と接触させることによっても除去される。他の触媒として、例えばTi(OR)及びMgTi(OR)、Pb(OR)(ここでRは有機基である)の如き遷移金属アルコラート(複塩の形でも良い)、又はCaO、ZnO、SnOR(Rは上に定義した通り)等の如き金属酸化物又はこれらの組み合わせが使用できる。有機カーボネートとして例えばジフェニルカーボネートを用いる場合に有効な触媒の量は反応塊状物の0.001ないし0.5重量%であり、好適には0.01重量%である。
重合は、無触媒の場合と同様に2段階に分けて行うことが好ましい。即ち、第一工程では、ジオールとエチレンカーボネートを20:1ないし1:10のモル比で混和し、常圧又は減圧下に一般に100〜200℃の温度で反応させ、副生する有機カーボネート由来のアルコール類を留出して低分子量カーボネートを得、次いで減圧下に温度150〜300℃の温度に加熱することにより低分子量ポリカーボネートを自己縮合させ、最終生成物が所望の分子量(粘度測定により容易にチェックされる)を持つに至ったところで停止される。
本発明のポリカーボネートジオールは、ポリウレタンやポリエステルエラストマー製造時に十分な重合速度が得られ、これらの原料として好適に用いられる。特にポリウレタンの原料として好ましく用いられる。
従って、本発明のポリカーボネートジオールをポリイソシアネートと共重合して、本発明の熱可塑性ポリウレタンが得られる。
本発明の熱可塑性ポリウレタンの製造に使用されるポリイソシアネートとしては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、及びその混合物(TDI)、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、粗製TDI、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート、粗製MDI等の公知の芳香族ジイソシアネート;キシリレンジイソシアネート(XDI)、フェニレンジイソシアネート等の公知の芳香脂環族ジイソシアネート;4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート(水添MDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサンジイソシアネート(水添XDI)等の公知の脂肪族ジイソシアネート、及びこれらのイソシアネート類のイソシアヌレート化変性品、カルボジイミド化変性品、ビウレット化変性品等である。
又、本発明の熱可塑性ポリウレタンの製造においては、所望により、共重合成分として鎖延長剤を用いることができる。鎖延長剤としては、ポリウレタン業界における、常用の鎖延長剤が使用できる。鎖延長剤の例としては、岩田敬治監修「最新ポリウレタン応用技術」(日本国株式会社シーエムシー(CMC)社から1985年に発行)の第25〜27ページに記載の、公知の鎖延長剤としての水、低分子ポリオール、ポリアミン等が挙げられる。また、熱可塑性ポリウレタンの用途に応じて、本発明の効果を損なわない範囲で、鎖延長剤として公知の高分子ポリオールを併用してもよい。公知の高分子ポリオールの例としては、今井嘉夫著、「ポリウレタンフオーム」(日本国高分子刊行会、1987年)の第12〜23ページに記載の公知のポリエステルポリオール、ポリオキシアルキレン鎖を有するポリエーテルカーボネート(即ちポリエーテルカーボネートポリオール)等の高分子ポリオールが挙げられる。
具体的には、上記の鎖延長剤としての低分子ポリオールとしては通常分子量が300以下のジオールが用いられる。低分子ポリオールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,10−デカンジオール等の脂肪族ジオールが挙げられる。
また、鎖延長剤としての低分子ポリオールの更なる例としては、1,1−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール等の脂環式ジオール、キシリレングリコール、ビス(p−ヒドロキシ)ジフェニル、ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4(2−ヒドロキシ)フェニル]スルホン、1,1−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]シクロヘキサン等、が挙げられる。好適には、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールが用いられる。
本発明の熱可塑性ポリウレタンを製造する方法としては、ポリウレタン業界で公知のポリウレタン化反応の技術が用いられる。例えば、本発明のポリカーボネートジオールと有機ポリイソシアネートを大気圧下に常温から200℃で反応させることにより熱可塑性ポリウレタンを製造することができる。所望により鎖延長剤を用いる場合は、反応の最初から加えておいてもよいし、反応の途中から加えてもよい。熱可塑性ポリウレタンの製造方法については、例えば、米国特許第5,070,173号を参照できる。
ポリウレタン化反応においては三級アミンや錫、チタンなどの有機金属塩等に代表される公知の重合触媒(例えば、吉田敬治著「ポリウレタン樹脂」(日本工業新聞社刊、1969年)の第23〜32頁に記載されている)を用いる事ができる。又、ポリウレタン化反応を溶媒を用いておこなってもよく、好ましい溶媒の例として、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、メチルイソブチルケトン、ジオキサン、シクロヘキサノン、ベンゼン、トルエン、エチルセルソルブ等が挙げられる。
又、本発明の熱可塑性ポリウレタンの製造に当り、イソシアネート基に反応する活性水素を1つだけ含有する化合物、例えばエチルアルコール、プロピルアルコール等の一価アルコール、及びジエチルアミン、ジnプロピルアミン等の二級アミン等を末端停止剤として使用することができる。
本発明の熱可塑性ポリウレタンには、熱安定剤(例えば酸化防止剤)や光安定剤などの安定剤を添加することが望ましい。
酸化防止剤(熱安定剤)としては燐酸や亜燐酸の脂肪族、芳香族又はアルキル基置換芳香族エステルや次亜燐酸誘導体、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスホン酸、ポリホスホネート、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファイト、ジアルキルビスフェノールAジホスファイト等のリン化合物;フェノール系誘導体特にヒンダードフェノール化合物、チオエーテル系、ジチオ酸塩系、メルカプトベンズイミダゾール系、チオカルバニリド系、チオジプロピオン酸エステル等のイオウを含む化合物;スズマレート、ジブチルスズモノオキシド等のスズ系化合物を用いることができる。
通常、酸化防止剤は一次、二次、三次老化防止剤に分けることが出来る。特に一次老化防止剤としてのヒンダードフェノール化合物としてはIrganox1010(商品名;スイス国チバガイギー社製)、Irganox1520(商品名;スイス国チバガイギー社製)等が好ましい。二次老化防止剤としての燐系化合物はPEP−36、PEP−24G、HP−10(いずれも商品名;日本国旭電化(株)製)、Irgafos168(商品名;スイス国チバガイギー社製)が好ましい。さらに三次老化防止剤としての硫黄化合物としてはジラウリルチオプロピオネート(DLTP)、ジステアリルチオプロピオネート(DSTP)等のチオエーテル化合物が好ましい。
光安定剤としては紫外線吸収型の光安定剤とラジカル捕捉型の光安定剤が挙げられる。紫外線吸収型の光安定剤の例としてはベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系化合物等が挙げられる。ラジカル捕捉型の光安定剤の例としてはヒンダードアミン化合物などが挙げられる。
これらの安定剤は単独で用いても2種以上組み合わせて用いても構わない。これら安定剤の添加量は熱可塑性ポリウレタン100重量部に対し、0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部、さらに好ましくは0.2〜2重量部が望ましい。
本発明の熱可塑性ポリウレタンには所望により可塑剤の添加を行ってもよい。かかる可塑剤の例としてジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジエチルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジ−2−エチルヘキシルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジイソノニルフタレート等のフタル酸エステル類:トリクレジルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、トリメチルヘキシルホスフェート、トリス−クロロエチルホスフェート、トリス−ジクロロプロピルホスフェート等の燐酸エステル類:トリメリット酸オクチルエステル、トリメリット酸イソデシルエステル、トリメリット酸エステル類、ジペンタエリスリトールエステル類、ジオクチルアジペート、ジメチルアジペート、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、ジオクチルアゼレート、ジオクチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、メチルアセチルリシノケート等の脂肪酸エステル類:ピロメリット酸オクチルエステル等のピロメリット酸エステル:エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エポキシ化脂肪酸アルキルエステル等のエポキシ系可塑剤:アジピン酸エーテルエステル、ポリエーテル等のポリエーテル系可塑剤:液状NBR、液状アクリルゴム、液状ポリブタジエン等の液状ゴム:非芳香族系パラフィンオイル等を挙げることが出来る。
これら可塑剤は単独、あるいは2種以上組み合わせて使用することが出来る。可塑剤の添加量は要求される硬度、物性に応じて適宜選択されるが、熱可塑性ポリウレタン100重量部当り0.1〜50重量部が好ましい。
また、本発明の熱可塑性ポリウレタンには無機充填剤、滑剤、着色剤、シリコンオイル、発泡剤、難燃剤等を添加しても良い。無機充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、タルク、水酸化マグネシウム、マイカ、硫酸バリウム、珪酸(ホワイトカーボン)、酸化チタン、カーボンブラック等が挙げられる。これらの種々の添加剤は、従来の熱可塑性ポリウレタンに一般に用いる量で用いることができる。
本発明の熱可塑性ポリウレタンのショアD硬さは好ましくは20〜70、さらに好ましくは25〜50の範囲である。ショアD硬さが20未満では、耐熱性、耐スクラッチ性が劣るので好ましくない。また、ショアD硬さが70を越えると、得られる低温性能、ソフト感が不足するので好ましくない。
また、本発明の熱可塑性ポリウレタンのメルトフローレート(230℃、2.16kg加重の値、以下MFRと略記)は0.5〜100g/10分、好ましくは5〜50g/10分、さらに好ましくは10〜30g/10分である。MFRが0.5g/10分未満では、射出成形性に劣り、ショートショットとなってしまう(即ち、金型キャビティーへの充填が不完全となる)ので好ましくない。また、MFRが100g/10分を越えると、機械物性(破断強度、破断伸び等)や摩耗性、等に劣るばかりではなく、低温性能も悪化するので好ましくない。
本発明の熱可塑性ポリウレタンの分子量については、GPC分析により測定されるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)およびGPC分析により測定されるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)がそれぞれ10,000〜200,000の範囲であることが好ましい。
本発明のポリカーボネートジオールを用いるポリエステルエラストマーの製造方法について以下に説明する。ポリエステルエラストマーの製造には、周知の反応方法を用いることができる。例えば、本発明のポリカーボネートジオールをジカルボン酸エステル又はジカルボン酸と鎖延長剤、及び酸化防止剤、更に触媒(例えば、テトラブチルチタネート(tetrabutyl titanate)、酢酸マグネシウム(magnesium acetate)、酢酸カルシウム(calcium acetate)からなる群から選ばれる少なくとも1種の触媒)を仕込み、100〜250℃で大気圧〜0.01kPaの圧力下に反応させることによりポリエステルエラストマーを得ることができる。鎖延長剤と酸化防止剤については、いずれも熱可塑性ポリウレタンに関連して例示したのと同じものを用いることができる。酸化防止剤はポリエステルエラストマー製造時の着色を防ぐ効果があり、製造時に添加することが好ましい。また触媒は重合時間を短縮し、製造時のポリエステルエラストマーの熱劣化を抑制することができるので使用することが好ましい。また、得られたポリエステルエラストマーに、所望に応じて光安定剤を添加してもよい。光安定剤については、熱可塑性ポリウレタンに関連して例示したのと同じものを用いることができる。ジカルボン酸エステルの例としてはテレフタル酸ジメチルが挙げられ、ジカルボン酸の例としては、2,6−ナフタレンジカルボン酸、テレフタル酸が代表的である。
得られるポリエステルエラストマーの分子量は、GPC分析により測定されるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)およびGPC分析により測定されるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)がそれぞれ10,000〜200,000の範囲であることが好ましい。
本発明のポリカーボネートジオールをジカルボン酸エステル又はジカルボン酸と反応させてポリエステルエラストマーを製造するための方法の1例は以下の通りである。本発明のポリカーボネートジオールをジカルボン酸エステル又はジカルボン酸、および所望により鎖延長剤、酸化防止剤、光安定剤、触媒と混合し、大気圧、窒素下、所定の温度で加熱し、副生するアルコール又は水を留去しながら重合反応を進め、重合度の増加と共に圧力を減圧にし、所望により温度を上げて、アルコール又は水及び鎖延長剤の一部を留去する。所望の重合度に達した時点で窒素下で常圧に戻し、加熱をやめ、室温まで冷却して反応を終了する。なお、ポリエステルエラストマーの製造方法については、例えば、フランス国特許第2,253,044号、日本国特開昭50−40657号、日本国特開昭50−45895号などを参照できる。
発明を実施するための最良の形態
以下、実施例、比較例および参考例によって本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
以下の実施例、比較例および参考例において、種々の測定および解析は下記のようにしておこなった。
ポリカーボネートジオールの1級末端OH比率は以下の方法で測定した。ポリカーボネートジオールの70g〜100gを300ccのナスフラスコに測り取り、留分回収用のトラップ球(trap bulb)に接続したロータリーエバポレーターを用いて0.1kPa以下の圧力下、攪拌下、約180℃の加熱浴でポリカーボネートジオールを加熱して、トラップ球に該ポリカーボネートジオールの1〜2重量%に相当する量の留分、即ち約1g(0.7〜2g)の留分を得て、これを約100g(95〜105g)のエタノールを溶剤として用いて回収し、回収した溶液をGC分析にかけて得られるクロマトグラムのピーク面積の値から次式により算出した。
1級末端OH比率(%)=(両末端が1級OH基であるジオールのピーク面積の総和)÷(ジオールを含むアルコール類(エタノールを除く)のピーク面積の総和)×100。
なお、GC分析の条件は次のとおりである。
ガスクロマトグラフィーの分析条件:カラム;DB−WAX(米国J&W社製)、30m、膜厚0.25μm、昇温条件:60℃〜250℃、検出器:FID(flame ionization detector)。
ポリカーボネートジオールの加アルカリ分解による1級ヒドロキシル末端純度の測定は、以下の方法で行なった。100ccのナスフラスコにポリカーボネートジオール約1.0gを測り取り、エタノール30gと水酸化カリウム3.95gを入れ、攪拌下約100℃の加熱浴で1時間加熱した。反応液を室温まで冷却後、塩酸により中和後、冷蔵庫で1時間冷却して析出した塩化カリウムを濾過した。得られたろ液を、上記と同じ条件でGC分析して、ろ液中のジオールモノマー混合物の重量に対する両末端が1級ヒドロキシル基であるジオールモノマーの重量%を測定した。
ポリカーボネートジオールの数平均分子量は、無水酢酸とピリジン、および水酸化カリウムのエタノール溶液を用いる常法である「中和滴定法」(JIS K 0070−1992)によってOH価を測定し、その値から下式により求めた。
数平均分子量=56.1×2×1000÷OH価
熱可塑性ポリウレタンの数平均分子量と重量平均分子量の分析は、標準ポリスチレンについて得た較正曲線を用いてGPCにより行なった。
熱可塑性ポリウレタンの各種物性の評価に用いた試験方法は以下の通りである。
(1)ショアD硬さ[−]:
ASTM D2240、Dタイプ、23℃で測定。
(2)メルトフローレイト(MFR)[g/10分]:
ASTM D1238、230℃、2.16kg荷重にて測定した。
(3)引張強さ[kgf/cm]:
JIS K6251、3号ダンベル、試験片は2mm厚のプレスシートを用いた。
(4)伸び[%]:
JIS K6251、3号ダンベル、試験片は2mm厚のプレスシートを用いた。
(5)反撥弾性[%]:
JIS K6255、リュプケ振子式、23℃
(6)脆化温度[℃]:
JIS K6261に従って測定した。即ち、ゲーマンねじり試験を用いる以下の方法で求めた「t100温度」を脆化温度とした。試験片(幅3mm:長さ38mm:厚み2mm)について、ゲーマンねじり試験機にて、低温でのねじりモジュラスを測定し、23±3℃で測定したねじりモジュラスとの比(比モジュラス)を次式にて求める。
Figure 0003874664
但し、式中
RM:比モジュラス
θ0:23±3℃の試験片のねじれ角度
θ1:低温における試験片のねじれ角度
である。
上記式で求められるRM(比モジュラス)が100となる温度(低温)を「t100温度」とし、これを脆化温度とした。
参考例1
<1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールの合成>
アジピン酸製造設備から得られた副生ジカルボン酸混合物の水溶液を約120℃の温度に1時間加熱した後、さらに170℃〜175℃に30分間攪拌保持した。残った固体をイオン交換水に溶解して38重量%水溶液とした。この水溶液1000gをスチレン系陽イオン交換樹脂(日本国オルガノ(株)製 商品名アンバーライトIR120B)300gに室温で2時間接触させた後、濾過し、ろ液を水素還元の原料とした。ジカルボン酸の濃度は38重量%であり、ジカルボン酸の組成は、コハク酸20重量%、グルタル酸50重量%、アジピン酸30重量%であった。
一方、塩化白金酸・6水和物と塩化錫(II価)と3塩化ルテニウム・3水和物を担体としての活性炭に含浸し、乾燥、水素による還元処理を経て、6.0重量%ルテニウム−5.0重量%錫−3.5重量%白金が活性炭に担持されてなる触媒を調製した。そして、この触媒を用いて上記ジカルボン酸混合物を下記方法により直接水素還元した。
SUS316製1000mlオートクレーブに上記ジカルボン酸水溶液600gと上記触媒10gを仕込み、室温下オートクレーブ内の雰囲気を窒素置換した後、水素を2MPa圧入し、180℃まで昇温した。180℃に達した時点で水素をさらに圧入し15MPaとした。この圧力で30時間水素還元を行った。水素還元後、反応液と触媒を濾過により分離し、分離した触媒と上記ジカルボン酸混合物600gを再度オートクレーブに仕込み、同条件にて水素還元を行った。この水素還元を合計10回繰り返して、水素還元液約6kgを得た。
上記水素還元液を常圧下、109℃に加熱し、水の大部分を留去した。次に、残った液を12段の蒸留塔を用いて蒸留し、水及びペンタノール等の低沸点化合物を留去した。残液を35段の蒸留塔を用いて減圧下に蒸留し、1,4−ブタンジオール及び微量の1,5−ペンタンジオールを含む留分を得た。
得られた1,4−ブタンジオールの収量は342gであった。ガスクロマトグラフィーによる分析から1,4−ブタンジオールの純度は99.1重量%であり、他の成分としては1,5−ペンタンジオールが0.48重量%であった。
1,4−ブタンジオールを蒸留した後の釜残液は、35段の蒸留塔を用いて減圧下に蒸留して1,5−ペンタンジオール及び微量の1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールを含む留分を得た。
得られた1,5−ペンタンジオールは860gであった。ガスクロマトグラフィーによる分析から1,5−ペンタンジオールの含有量は99.0重量%であり、他の含有物は、1,4−ブタンジオール0.09重量%、1,6−ヘキサンジオール0.29重量%であり、1,5−ヘキサンジオールと1,4−シクロヘキサンジオールは各々0.01重量%以下であることを確認した。これら以外の不純物は1,6−ヘキサンジオールよりも高沸点の化合物であったが同定できなかった。従って、得られた1,5−ペンタンジオールを主成分とする本ジオールは、両末端1級OH基を有するジオールの純度が99.38重量%であり、2級OH基を有するジオールの合計の含有量が0.02重量%以下であった。
1,5−ペンタンジオールを蒸留した後の塔低の液は、10段の蒸留塔を用いて減圧下に蒸留して1,6−ヘキサンジオール及び微量の1,5−ペンタンジオールを含む留分を得た。
得られた1,6−ヘキサンジオールは476gであった。ガスクロマトグラフィーによる分析から純度は99.1%であり、他の含有物は、1,4−ブタンジオール0.07重量%、1,5−ペンタンジオール0.43重量%であり、1,5−ヘキサンジオールおよび1,4−シクロヘキサンジオールは0.01重量%以下であることを確認した。その他は1,6−ヘキサンジオールよりも高沸点の化合物であり、同定できなかった。
実施例1
攪拌機、温度計、分留管を備えた反応器に参考例1で得られた1,6−ヘキサンジオール236g(2.0モル)を加え、70℃〜80℃に加熱して金属ナトリウム1.84g(0.08モル)を攪拌下に添加した。ナトリウムが完全に反応した後、ジエチルカーボネート236g(2.0モル)を導入した。常圧で反応温度を95℃〜100℃に上昇させるとエタノールが留出し始めた。徐々に温度を上昇させ6時間で160℃とした。この間約10%のジエチルカーボネートを含むエタノールが留出した。その後更に反応器の圧力を1.3kPa以下とし、エタノールを抜き出しながら強攪拌下200℃にて4時間反応させた。生成したポリマーは冷却後ジクロロメタンに溶解させ、希酸で中和した後、無水硫酸ナトリウムで脱水してから、溶媒を蒸留除去し、更に0.27〜0.40kPa、140℃で数時間乾燥させた。得られた1,6−ヘキサンジオールのポリカーボネートジオールは、常温で白色固体であり、数平均分子量は2100、1級末端OH比率は、99.6%であった。また、加アルカリ分解して測定した1級ヒドロキシル末端純度は、99.7重量%であった。このポリマーをpc−aと略す。
実施例2と実施例3
ジオールとして参考例1で得られた1,4−ブタンジオール(BDLと略記)、1,5−ペンタンジオール(PDLと略記)、1,6−ヘキサンジオール(HDLと略記)を、表1に示した各量で用いた以外は、実施例1と同様な方法で脂肪族コポリカーボネートジオール(pc−b、pc−c)を得た。各々の性状を表1に示す。
実施例4
ジオールとして参考例1で得られた1,5−ペンタンジオール208g(2.0モル)を用いた以外は、実施例1と同様な方法で1,5−ペンタンジオールのポリカーボネートジオールを得た。得られた1,5−ペンタンジオールのポリカーボネートジオールは、常温で白色固体であり、数平均分子量は2000であった。このポリカーボネートジオールの1級末端OH比率は、99.2%であった。また、加アルカリ分解して測定した1級ヒドロキシル末端純度は、99.3重量%であった。
比較例1〜比較例3
市販の1,4−ブタンジオール(分析純度;98.2%)、市販の1,5−ペンタンジオール(分析純度;98.5%)、市販の1,6−ヘキサンジオール(分析純度;98.6%)を、表1に示した各量で用いた以外は、実施例1〜実施例3と同様な方法で脂肪族コポリカーボネートジオール(pc−d、pc−e、pc−f)を得た。各々の性状を表1に示す。
Figure 0003874664
比較例4
上記とは別の市販の1,5−ペンタンジオールを入手して分析したところ、純度98.9重量%で0.62重量%の1,5−ヘキサンジオールと0.27重量%の1,4−シクロヘキサンジオールを含んでいた。残りの0.21重量%は、複数の不明物であった。従って、両末端OH基を有するジオールの合計重量は、98.9重量%であり、2級OH基を有するジオールの合計含有量は、0.89重量%であった。これを用いた以外は実施例4と同様の方法で1,5−ペンタンジオールのポリカーボネートジオールを合成した。得られたポリカーボネートジオールは、常温で白色固体であり、数平均分子量は1800であった。これの1級末端OH比率は、96.5%であり、加アルカリ分解して測定した1級ヒドロキシル末端純度は98.9重量%であった。
実施例5
実施例1で得たpc−a200g、ヘキサメチレンジイソシアネート67.2gを攪拌装置、温度計、冷却管の付いた反応器に仕込み、100℃で4時間反応させて末端NCOのプレポリマーを得た。該プレポリマーに鎖延長剤として1,4−ブタンジオール30g、触媒としてジブチルスズジラウリレート0.006gを加えてニーダー内蔵のラボ用万能押出機(日本国(株)笠松化工研究所製のLABO用万能押出機KR−35型)で140℃で60分反応を行なった後、押出し機にてペレットとした。得られた熱可塑性ポリウレタンのGPC分析によるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)は6.8万、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mn)は14.6万であった。物性の評価結果を表2に示した。
実施例6
pc−aの量を200g、ヘキサメチレンジイソシアネートの量を24.5g、1,4−ブタンジオールの量を4.16gとした以外は、実施例5の合成方法と同様にして熱可塑性ポリウレタンを得た。得られた熱可塑性ポリウレタンの分子量および物性の評価結果を表2に示した。
実施例7と実施例8
ポリカーボネートジオールとしてpc−b、pc−cを用いた以外は、実施例5の合成方法と同様にして熱可塑性ポリウレタンを得た。得られた熱可塑性ポリウレタンの分子量および物性の評価結果を表2に示した。
実施例9と実施例10
ポリカーボネートジオールとしてpc−b、pc−cを用いた以外は、実施例6の合成方法と同様にして熱可塑性ポリウレタンを得た。得られた熱可塑性ポリウレタンの分子量および物性の評価結果を表2に示した。
Figure 0003874664
比較例5〜7
ポリカーボネートジオールとしてpc−d、pc−e、pc−fを用いた以外は、実施例5の合成方法と同様にして熱可塑性ポリウレタンを得た。得られた熱可塑性ポリウレタンの分子量および物性の評価結果を表3に示した。
比較例8〜10
ポリカーボネートジオールとしてpc−d、pc−e、pc−fを用いた以外は、実施例6の合成方法と同様にして熱可塑性ポリウレタンを得た。得られた熱可塑性ポリウレタンの分子量および物性の評価結果を表3に示した。
Figure 0003874664
実施例11
実施例1で得たpc−a200g、ヘキサメチレンジイソシアネート67.2gを攪拌装置、温度計、冷却管の付いた反応器に仕込み、100℃で4時間反応させて末端NCOのプレポリマーを得た。該プレポリマーに鎖延長剤として1,4−ブタンジオール30g、触媒としてジブチルスズジラウリレート0.006gを加えてニーダー内蔵のラボ用万能押出機(日本国(株)笠松化工研究所製のLABO用万能押出機KR−35型)で140℃で180分反応を行なった後、押出し機にてペレットとした。得られた熱可塑性ポリウレタンのGPC分析によるポリスチレン換算数平均分子量(Mn)は7.8万、ポリスチレン換算重量平均分子量(Mn)は17.5万であった。物性の評価結果を表3に示した。
実施例12と実施例13
ポリカーボネートジオールとしてpc−b、pc−cを用いた以外は、実施例11の合成方法と同様にして熱可塑性ポリウレタンを得た。得られた熱可塑性ポリウレタンの分子量および物性の評価結果を表4に示した。
比較例11〜13
ポリカーボネートジオールとしてpc−d、pc−e、Pc−fを用いた以外は、実施例11の合成方法と同様にして熱可塑性ポリウレタンを得た。得られた熱可塑性ポリウレタンの分子量および物性の評価結果を表4に示した。
Figure 0003874664
産業上の利用可能性
本発明のポリカーボネートジオールはポリウレタン化反応やポリエステル化反応での重合反応性が高く、ポリウレタンやポリエステルエラストマーの製造に用いると、従来のポリカーボネートジオールと比べて、高い重合速度が得られる。本発明のポリカーボネートジオールを用いて得られる本発明の熱可塑性ポリウレタンは、強度、伸び、反撥弾性、低温特性に優れるため、自動車部品、家電部品、玩具、雑貨等の分野で好適に利用することができる。特に機械的強度に優れるので工業用ベルト、ホース、ローラー、ブーツ等の耐久性の必要な用途に好適に使用することができる。また、ウインドモール、バンパー、インパネ表皮、グリップ類等の自動車内、外装部品や時計バンド、靴底等にも好適に使用することができる。

Claims (3)

  1. 下記式(1):
    Figure 0003874664
    (但し、式中Rは炭素数2〜10の二価の脂肪族または脂環族炭化水素を表す)
    で独立的に表わされる繰り返し単位と末端ヒドロキシル基からなるポリカーボネートジオールであって、
    式(1)の繰り返し単位の50〜100モル%は下記式(2):
    Figure 0003874664
    (但し、式中nは5または6である)
    で独立的に表わされ、そして
    nが5である式(2)の繰り返し単位の量が、式(1)の繰り返し単位の合計に対して50〜100モル%である場合には、該ポリカーボネートジオールの1級末端OH比率が97%以上であり、そして
    nが5である式(2)の繰り返し単位の量が、式(1)の繰り返し単位の合計に対して0モル%〜50モル%未満である場合には、該ポリカーボネートジオールの1級末端OH比率が99%以上であることを特徴とし、
    該1級末端OH比率は、両末端が1級ヒドロキシル基であるジオールの、ジオールを含むアルコールの合計に対する重量%として定義され、ジオールを含む該アルコールは、該ポリカーボネートジオールの末端部分のジオールセグメントに対応していて、該アルコールは、該ポリカーボネートジオールを0.4kPa以下の圧力下、攪拌しながら160℃〜200℃の温度で加熱することにより留分として得られるものである、
    ポリカーボネートジオール。
  2. 該ポリカーボネートジオールを加アルカリ分解して該ポリカーボネートジオールの全ジオールセグメントに対応するジオールモノマー混合物を得たとき、該ジオールモノマー混合物の1級ヒドロキシル末端純度が:
    該ポリカーボネートジオール中のnが5である式(2)の繰り返し単位の量が式(1)の繰り返し単位の合計に対して50〜100モル%である場合には、99.0重量%以上であり、
    該ポリカーボネートジオール中のnが5である式(2)の繰り返し単位の量が式(1)の繰り返し単位の合計に対して0モル%〜50モル%未満である場合には、99.5重量%以上であることを特徴とし、
    該1級ヒドロキシル末端純度は、該ジオールモノマー混合物の重量に対する両末端が1級ヒドロキシル基であるジオールモノマーの重量%として定義される、請求項1に記載のポリカーボネートジオール。
  3. 請求項1又は2のポリカーボネートジオールをポリイソシアネートと共重合して得られる熱可塑性ポリウレタン。
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