JP6091763B2 - ポリウレタンフォーム - Google Patents

ポリウレタンフォーム Download PDF

Info

Publication number
JP6091763B2
JP6091763B2 JP2012066988A JP2012066988A JP6091763B2 JP 6091763 B2 JP6091763 B2 JP 6091763B2 JP 2012066988 A JP2012066988 A JP 2012066988A JP 2012066988 A JP2012066988 A JP 2012066988A JP 6091763 B2 JP6091763 B2 JP 6091763B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polycarbonate diol
diol
mol
polyurethane foam
ratio
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2012066988A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013199514A (ja
Inventor
英三郎 上野
英三郎 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Asahi Kasei Corp
Original Assignee
Asahi Kasei Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Kasei Corp filed Critical Asahi Kasei Corp
Priority to JP2012066988A priority Critical patent/JP6091763B2/ja
Publication of JP2013199514A publication Critical patent/JP2013199514A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6091763B2 publication Critical patent/JP6091763B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Description

本発明は、ポリカーボネートジオールを原料として得られ、軟質フォームや硬質フォームとして用いることができる新規なポリウレタンフォームに関する。
ポリウレタンフォームは、その性状から硬質フォームと軟質フォームとに分類される。軟質フォームは、外部からの荷重に対して自由に変形し、荷重が取り除かれると原形に回復するので、自動車のクッション材や寝具、家具などに使用される。一方、硬質フォームは、外部からの荷重に対して自由に変形せず、断熱材や土木建築材料などに使用される。
従来から、ポリウレタンフォームは、高分子ポリオールと有機イソシアネートとを、硬化触媒、発泡剤などの存在下で反応させて製造される。高分子ポリオールは、末端はヒドロキシル基であるポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールが用いられている(例えば、特許文献1及び2参照)。しかしながら、ポリエステルポリオールを高分子ポリオールとして用いたポリウレタンフォームは、耐加水分解性に劣り、また、ポリエーテルポリオールを高分子ポリオールとして用いたポリウレタンフォームは、耐熱性に劣るため、各々その用途が限定される。
一方、ポリカーボネートを高分子ポリオールとして用いて得られるポリウレタンフォームは、耐加水分解性、耐候性や耐熱性に優れる。しかし、1,6−ヘキサンジオールのみをジオール原料に用いたポリカーボネートジオールは、常温で固体であり、さらに高い粘度を有するため、ポリウレタンフォーム製造の際、一般的な成型方法である射出成型には不向きであった。この問題を解決するため、オキシアルキル単位を含むポリカーボネートジオールを原料とするポリウレタン(特許文献3参照)や、液状のポリカーボネートジオールとポリカーボネートトリオールの混合物を用いたポリウレタンフォーム(特許文献4参照)が開示されている。しかしながら、ポリウレタンフォームを生産する際、反応を制御することが難しく、ブロックが収縮したり、ブロック内部にクラッキングを生じたりして、目的とする構造のポリウレタンフォームを得ることが出来なかった。さらには、ポリウレタンフォームの構造が不均一となり強度や反撥弾性が低下するという不都合も発生した。
このように、強度、反撥弾性、耐油性、耐加水分解性、耐熱性などの物性バランスに優れ、均一な構造を有するポリウレタンフォームは、これまで存在しなかった。
米国特許4362825号 米国特許4129715号 特開2003−147057号公報 日本国特許第4666898号
本発明は、均一な構造を有し、強度、反撥弾性、耐油性、耐加水分解性などの物性のバランスに優れたポリウレタンフォームを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のポリカーボネートジオールを用いることにより上記の問題点を解決できることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち、本発明の構成は以下のとおりである。
[1](a)有機イソシアネートと(b)ポリカーボネートジオールとの反応生成物であるポリウレタンを含有するポリウレタンフォームであって、
該ポリカーボネートジオール(b)が、下記式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基を有するポリカーボネートジオールであって、式(A)で表される繰り返し単位の60〜100モル%は、下記式(B)又は(C)で表される繰り返し単位であり、下記式(B)で表される繰り返し単位と下記式(C)で表される繰り返し単位の割合が90:10〜10:90(モル比)であり、そして、1級末端OH比率が95〜99.5%であることを特徴とする上記のポリウレタンフォーム。
Figure 0006091763

Figure 0006091763

Figure 0006091763

[2]ポリカーボネートジオールの数平均分子量が450〜1500であることを特徴とする上記[1]項に記載のポリウレタンフォーム。
本発明のポリウレタンフォームは、均一な構造を有し、強度、反撥弾性、耐油性、耐加水分解性などの物性バランスに優れるという効果を有する。
以下、本発明について具体的に説明する。
ポリウレタン
本発明において、ポリウレタンは、有機イソシアネート(a)と、ポリカーボネートジオールとの反応生成物である。
有機イソシアネート(a)
本発明で用いる有機イソシアネート(a)としては、特に限定されないが、2,4−トリレジンジイソシアネート、2,6−トリレジンジイソシアネート及びその混合物、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート(TODI)、粗製トリレンジイソシアネート(TDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(PMDI)、粗製MDI、ジアニジンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、p−フェニレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート、4,4’−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート(水添MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサンジイソシアネート(水添XDI)、ノルボルネンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートを挙げることができる。
上記の有機イソシアネートは、カルボジイミド変性、イソシアヌレート変性、ビウレット変性などの変性物の形で用いてもよく、各種のブロッキング剤によりブロックされたブロックドイソシアネートでもよい。通常は1種の有機イソシアネートを選択して用いるが、これらの有機イソシアネートから2種類以上を選択しそれらを混合して、または逐次追加して用いても構わない。さらに、1分子中にイソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネートを用いることもできる。1分子中にイソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネートとしては、上記のジイソシアネートのイソシアヌレート三量体、ビウレット三量体、トリメチロールプロパンアダクト化合物などに加え、トリフェニルメタントリイソシアネート、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネートなどが挙げられる。さらに、これらのイソシアヌレート変性やビウレット変性などの変性物の形で用いてもよく、各種のブロッキング剤によりブロックされたブロックドイソシアネートの形で用いてもよい。
本発明において、有機イソシアネート(a)の配合量は、ポリカーボネートジオールの水酸基などのイソシアネート反応性の基の合計に対して、70〜200%当量、好ましくは80〜150%当量である。有機イソシアネート(a)の配合量が、70%当量以上であれば、得られるポリウレタンフォームの強度が不足することがない。また、200%当量以下であれば、過剰のイソシアネートが残存することにより起こるポリウレタンフォームの安定性低下などの問題が抑制されるので好ましい。発泡剤として水を用いる場合は、有機イソシアネート(a)は水と反応するため、ポリカーボネートジオールとの反応に用いられる量が不足する場合がある。よって、水の活性水素に対し、70〜150%当量の有機イソシアネートを、増量して使用することが好ましい。
ポリカーボネートジオール(b)
本発明で用いるポリカーボネートジオール(b)は、下記式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基を有するポリカーボネートジオールであって、式(A)で表される繰り返し単位の60〜100モル%は、下記式(B)又は(C)で表される繰り返し単位であり、下記式(B)で表される繰り返し単位と下記式(C)で表される繰り返し単位の割合が90:10〜10:90(モル比)であり、そして、1級末端OH比率が95〜99.5%であることを特徴とする。
また、ポリカーボネートジオール(b)において、式(A)で表される繰り返し単位の割合は、好ましくは95モル%以上100モル%以下、より好ましくは97モル%以上100モル%以下、さらに好ましくは99モル%以上100モル%以下である。
Figure 0006091763

Figure 0006091763

Figure 0006091763
本発明におけるポリカーボネートジオール(b)の1級末端OH比率は、ポリカーボネートジオールを0.4kPa以下の圧力下、攪拌しながら160℃〜200℃の温度で加熱することにより初期留分として得られるアルコール類において、両末端が1級ヒドロキシル基であるジオールの、ジオールを含むアルコール類(エタノールを除く)の合計に対する重量%として定義される。ここでのジオールを含むアルコール類は、ポリカーボネートジオールの末端部分のセグメントに対応している。具体的には、本発明における1級末端OH比率は、ポリカーボネートジオール(70g〜100g)を0.4kPa以下の圧力下、攪拌しながら160℃〜200℃の温度で加熱することにより、該ポリカーボネートジオールの約1〜2重量%に相当する量の留分、即ち約1g(0.7〜2g)の留分を得て、これを約100g(95〜105g)のエタノールを溶剤として用いて回収し、回収した溶液をガスクロマトグラフィー(GC)分析にかけて得られるクロマトグラムのピーク面積の値から、下記式(1)により計算した値をいう。
1級末端OH比率(%)=A÷B×100 (1)
A:両末端が1級OH基であるジオールのピーク面積の総和
B:ジオールを含むアルコール類(エタノールを除く)のピーク面積の総和
なお、上記の1級末端OH比率の測定のために行なうGC分析において検出される「ジオールを含むアルコール類(エタノールを除く)」の具体例としては、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−ペンタンジオール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノールなどが挙げられる。上記のようにポリカーボネートジオールを0.4kPa以下の圧力下で、攪拌しながら160℃〜200℃の温度で加熱すると、ポリカーボネートジオールの末端部分のみがジオール単位に分解されて蒸発し、留分として得られる。この留分中の全アルコール類における両末端が1級OH基であるジオールの比率を、本願におけるポリカーボネートジオール(b)の1級末端OH比率とする。その1級末端OH比率が高ければ高いほど、ポリカーボネートジオール(b)のポリウレタン化反応での重合反応性が高くなる。
ポリウレタンフォームの生産で、用いるポリオールの重合反応性は非常に重要となる。通常は、原料としてポリオールとイソシアネートが用いられ、発泡剤として水が用いられる。しかし、イソシアネート−水の反応性と、イソシアネート−ポリオールの反応性との間に大きな差がある場合、目的とするポリウレタンフォームを得ることは難しい。例えば、ポリオールとイソシアネートとの反応が、水とイソシアネートとの反応と比較して優先して起こると、独立気泡となる。その結果、内部温度の低下により気泡内圧の低下にポリウレタンフォームの骨格が耐えられなくなり、フォームが収縮することがある。逆に水とイソシアネートとの反応が、ポリオールとイソシアネートとの反応と比較して優先して起こると、ポリウレタンフォーム内部に割れが生じることがある。さらに、ポリオールの反応性にばらつきがある場合、部分的に上記の現象が発生し、不均一な構造のポリウレタンフォームとなる。その結果、強度や反撥弾性が低下することがある。さらには、ポリウレタンの分子量分布が拡がり、低分子量物が増えると耐薬品性や耐熱性が低下することがある。
本発明のポリカーボネートジオール(b)における1級末端OH比率は、95%〜99.5%である。1級OH末端比率が上記の範囲であれば、均一な構造のポリウレタンフォームが得られ、強度、反撥弾性、耐加水分解性、耐熱性、耐薬品性などの性能バランスが良好となる。ポリカーボネートジオールの1級末端OH比率がこのような範囲である場合、イソシアネート−水の反応性とイソシアネート−ポリオールの反応性との差が小さくなり、かつ、ポリオールの反応性のばらつきが抑制されるためであると考えられる。1級末端OH基比率が96%〜99.5%の場合、上記の問題は殆ど起こらず、好ましい。さらに、1級末端OH基比率が97%〜99.5%である場合、最も好ましい。
本発明のポリカーボネートジオール(b)の製造方法は、特に限定されない。例えば、Schnell著、ポリマー・レビューズ第9巻、p9〜20(1994年)に記載される種々の方法で製造することが出来る。
本発明のポリカーボネートジオール(b)は、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールをジオール原料として用いる。それらジオールに加え、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−ドデカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオールなどの側鎖を持たないジオール、2−メチル−1、8−オクタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1、5−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールなどの側鎖を持ったジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパンなどの環状ジオールから、1種類または2種類以上のジオールを原料として用いても良い。その量は、本発明で示す繰り返し単位の割合を満たせば、特に限定されるものではない。
さらに、本発明のポリカーボネートジオール(b)の性能を損なわない範囲で、1分子に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどを用いることも出来る。この1分子中に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物を余り多く用いると、ポリカーボネートの重合反応中に架橋してゲル化が起きてしまう。したがって、1分子中に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物を用いる場合であっても、当該化合物は、原料とするジオールの合計量に対し、0.1〜5質量%にするのが好ましい。より好ましくは、0.1〜2質量%である。
本発明のポリカーボネートジオール(b)は、カーボネートとして、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート、ジブチルカーボネートなどのジアルキルカーボネート、ジフェニルカーボネートなどのジアリールカーボネート、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、1,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネートなどのアルキレンカーボネートが挙げられる。これらの内から1種又は2種以上のカーボネートを原料として用いることが出来る。ジアルキルカーボネート又は/及びジアリールカーボネートを用いた場合、ジオールとカーボネートとの仕込み比などの条件により、本発明の1級末端OH比率のポリカーボネートジオールが容易に得られるので好ましい。また、入手のしやすさや重合反応の条件設定のしやすさの観点より、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、ジブチルカーボネート、エチレンカーボネートを用いることがさらに好ましい。
本発明のポリカーボネートジオール(b)の製造は、触媒を添加してもよいし、添加しなくてもよい。触媒を添加する場合は、通常のエステル交換反応触媒から自由に選択することが出来る。例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、亜鉛、アルミニウム、チタン、コバルト、ゲルマニウム、スズ、鉛、アンチモン、ヒ素、セリウムなどの金属、塩、アルコキシド、有機化合物が用いられる。特に好ましいのは、チタン、スズ、鉛の化合物である。また、触媒の使用量は、通常、得られるポリカーボネートジオール重量の0.00001〜0.1%である。
ポリカーボネートジオール(b)の製造方法の一例として、カーボネートとしてジメチルカーボネートを用いる方法を述べる。ポリカーボネートジオールの製造は、2段階に分けて行うことができる。ジオールとジメチルカーボネートをモル比で20:1ないし1:10の割合で混和し、常圧または減圧下、100〜300℃で反応させ、生成するメタノールをジメチルカーボネートとの混合物として除去して、低分子量ポリカーボネートジオールを得ることができる。次いで、減圧下、160〜250℃で加熱して、未反応のジオールとジメチルカーボネートを除去するとともに、低分子量ポリカーボネートジオールを自己縮合させて、所定の分子量のポリカーボネートジオールを得ることができる。
本発明の1級末端OH比率を持つポリカーボネートジオール(b)は、原料ジオールの純度、温度や時間などの重合条件、さらに、カーボネートとしてジアルキルカーボネート又は/及びジアリールカーボネートを用いる場合は、ジオールとカーボネートの仕込み比などの条件より、1つの方法を選択して、または適宜組み合わせることにより得られる。
工業的に得られる1,5−ペンタンジオールは、2級ヒドロキシル基を有する不純物として、1,5−ヘキサンジオール及び1,4−シクロヘキサンジオールを、各々0.2〜2重量%含有している。一方、工業的に得られる1,6−ヘキサンジオールは、1,4−シクロヘキサンジオールなどの2級ヒドロキシル基を有する不純物を0.1〜2重量%含んでいる。これら2級ヒドロキシル基を持つジオールは、ポリカーボネートジオール製造時、エステル交換反応性が低いため、ポリカーボネートジオールの末端基となることが多く、その結果、末端に2級ヒドロキシル基を持つポリカーボネートジオールとなる。
また、カーボネートとして、ジアルキルカーボネート又は/及びジアリールカーボネートあるいはエチレンカーボネートを用いた場合、目的とするポリカーボネートジオールの分子量に対応させて、ジオールとカーボネートを化学量論量又はそれに近い割合で仕込んで反応させると、ポリカーボネートジオールの末端にカーボネートに由来するアルキル基やアリール基が残存することが多い。そこで、カーボネートに対するジオールの量を、化学量論量の1.01〜1.30倍とすることで、ポリカーボネートジオールの末端に残存するアルキル基やアリール基末端が減り、ヒドロキシル基とすることが出来る。さらに、副反応により、ポリカーボネートジオールの末端がビニル基になったり、例えばカーボネートとしてジメチルカーボネートを用いた場合、メチルエステルやメチルエーテルになることもある。一般的に、副反応は、反応温度が高いほど、反応時間が長いほど起きやすくなる。
本発明で用いられるポリカーボネートジオール(b)において、上記式(A)で表される繰り返し単位における上記式(B)又は(C)で表される繰り返し単位の割合(以降、「主成分割合」と称する。)は、60〜100モル%である。主成分比率がこの範囲であれば、耐加水分解性、耐熱性、耐薬品性などの性能バランスが良いポリウレタンフォームを得ることができる。さらに、主成分割合が70〜100モル%の場合、均一な構造のポリウレタンフォームを得ることが出来るので好ましく、主成分割合が85〜100モル%である場合、最も好ましい。
本発明で用いられるポリカーボネートジオール(b)において、上記式(B)で表される繰り返し単位と(C)で表される繰り返し単位の割合(以降、「共重合割合」と称し、上記式(B):上記式(C)で表す。)は、モル比で90:10〜10:90である。共重合割合がこの範囲であれば、耐加水分解性、耐熱性、耐薬品性などの性能バランスが良いポリウレタンフォームを得ることができる。共重合割合がモル比で25:75〜75:25である場合、ポリカーボネートジオールの結晶性が低下し、ポリウレタンフォーム製造時の取り扱いが容易となるとともに、良好な成型加工性が得られるので好ましい。さらに、共重合割合がモル比で40:60〜60:40である場合、最も好ましい。
本発明で用いられるポリカーボネートジオール(b)の平均分子量の範囲は、数平均分
子量で300〜3000であることが好ましい。ポリカーボネートジオールの数平均分子量が300以上であれば、ポリウレタンフォームの強度や柔軟性が低下することもなく、また、3000以下であれば、ポリカーボネートジオールの粘度が高くなり、フォームが得られないという事態も生じない。さらに、ポリカーボネートジオールの数平均分子量が400〜2000である場合、同様の点からさらに好ましく、450〜1500である場合、成型方法を選ばず均一な構造のポリウレタンフォームが得られるので最も好ましい。
本発明のポリカーボネートジオール(b)は、柔軟性を向上させる目的で、その分子内に下記式(D)の繰り返し単位で表される構造を含むこともできる。
Figure 0006091763
本発明のポリカーボネートジオール(b)において、分子中の式(D)の繰り返し単位の含有量は、本発明に影響しない範囲であれば特に限定されるものではないが、その量が増えると耐熱性や耐薬品性が低下する。従って、式(D)で表される繰り返し単位を導入する場合には、式(A)で表されるカーボネートの繰り返し単位に対し、式(D)で表される(エーテル由来の構造を有する)繰り返し単位が0.05〜5モル%以下であることが好ましく、0.05〜3モル%以下であることがさらに好ましい。
本発明のポリウレタンフォームの製造方法は、特に限定されず、ポリウレタン業界で公知の方法で製造することができる。例えば、このポリウレタンフォームは、岩田敬治編、ポリウレタン樹脂ハンドブック、1991年5月20日、p150〜p285に記載された方法によって製造することができる。
ポリウレタンフォームの製造に際して、発泡剤、触媒、整泡剤を用いることができる。発泡剤は、フォームの空孔となる気体を発生するものであり、ハロゲン化炭化水素、炭化水素、水などが用いられる。水を用いる場合、ポリカーボネートジオール100重量部に対して、0.5〜10質量部、好ましくは1〜5質量部用いることができる。ハロゲン化炭化水素や炭化水素を用いる場合、ポリカーボネートジオール100質量部に対して5〜75質量部使用することができる。触媒として、スズ、亜鉛、チタン、アルミニウムなどの有機金属塩、3級アミン、4級アンモニウム系イミダゾール系などの公知の重合触媒を用いることができる。触媒は、ポリカーボネートジオール100質量部に対し、0.01〜3質量部用いることが好ましい。整泡剤は、生成する気泡の大きさ、連続性、独立性を調整するために用いられる。一般には、直鎖状、枝分かれ、ペンダント構造を有するポリエーテル/シロキサン型のシリコーン系界面活性剤が使用され、例えば、ポリジメチロールシロキサン−ポリアルキレンオキシドブロックコポリマー、ビニルシラン−ポリアルキルポリオール重合体などを用いることができる。さらに、必要に応じて、可塑剤、着色剤、顔料、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤などの添加剤を使用することができる。
本発明のポリウレタンフォームは、必要に応じて、ポリカーボネートジオール以外のポリオールから形成されたポリウレタン構造を含んでもよい。使用可能なポリオールとしては、例えば、ポリエステル系ポリオール類、ポリエーテル系ポリオール、ポリカプロラクトン系ポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール、ひまし油ポリオールが挙げられ、単独または混合して使用することができる。高分子ポリオールの使用量は、本発明のプレポリマーの特性を損なうことが無ければ特に限定しないが、通常は、ポリカーボネートジオールに対し、50重量%以下、好ましくは30重量%以下、さらに好ましくは10重量%以下である。
次に、実施例及び比較例によって、本発明を説明するが、これらの例は何ら本発明を限
定するものではない。
以下の実施例及び比較例において示す物性は、下記の方法で測定・評価した。
1)ポリカーボネートジオールの1級末端OH比率
ポリカーボネートジオールの1級末端OH比率は、以下の方法で測定した。ポリカーボネートジオールの70g〜100gを300ccのナスフラスコに測り取り、留分回収用のトラップ球(trap bulb)に接続したロータリーエバポレーターを用いて0.1kPa以下の圧力下、攪拌しながら、約180℃の加熱浴でポリカーボネートジオールを加熱して、トラップ球に該ポリカーボネートジオールの1〜2重量%に相当する量の初期留分、即ち約1g(0.7〜2g)の初期留分を得た。これを、約100g(95〜105g)のエタノールを溶剤として用いて回収し、回収した溶液をGC分析にかけて得られるクロマトグラムのピーク面積の値から、下記数式(1)により算出した。
1級末端OH比率(%)=A÷B×100 (1)
A:両末端が1級OH基であるジオールのピーク面積の総和
B:ジオールを含むアルコール類(エタノールを除く)のピーク面積の総和
ガスクロマトグラフィーの分析条件: カラム;DB−WAX(米国J&W社製)、30m、膜厚0.25μm、昇温条件:60℃〜250℃、検出器:FID(flame ionization detector)
2)ポリカーボネートジオールの数平均分子量
無水酢酸とピリジンを用い、水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定する「中和滴定法(JIS K 0070−1992)」によって水酸基価を決定し、下記数式(2)を用いて数平均分子量を計算した。
数平均分子量=2/(OH価×10−3/56.1) (2)
3)ポリカーボネートジオールの共重合割合と主成分割合
100mlのナスフラスコにサンプルを1g取り、エタノール30g、水酸化カリウム4gを入れて、100℃で1時間反応した。反応液を室温まで冷却後、指示薬にフェノールフタレインを2〜3滴添加し、塩酸で中和した。冷蔵庫で1時間冷却後、沈殿した塩を濾過で除去し、GC(ガスクロマトグラフィー)を用いて分析した。GC分析は、カラムとしてDB−WAX(米国、J&W製)を付けたガスクロマトグラフィーGC−14B(日本、島津製作所製)を用い、ジエチレングリコールジエチルエステルを内部標準として、FIDを検出器として行った。なお、カラムの昇温プロファイルは、60℃で5分保持した後、10℃/minで250℃まで昇温した。
(i)共重合割合
上記の分析結果を用い、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールとのモル比から、共重合割合(全体を100とした場合の1,5−ペンタンジオールのモル数:1,6−ヘキサンジオールのモル数)を求めた。
(ii)主成分割合
上記の分析結果を用い、下記の数式(3)により求めた。
主成分割合(モル%)={(D+E)/C}×100 (3)
C:上記式(A)の繰り返し単位に由来するジオールの全モル数
D:1,5−ペンタンジオールのモル数
E:1,6−ヘキサンジオールのモル数
4)ポリカーボネートジオールの原料ジオールの純度分析
原料ジオールの純度をガスクロマトグラフィーで分析した。条件は、カラムとしてDB−WAX(J&W製)を付けたガスクロマトグラフィーGC−14B(島津製作所製)を用い、ジエチレングリコールジエチルエステルを内標として、FIDを検出器として行った。なお、カラムの昇温プロファイルは、60℃で5分保持した後、10℃/minで250℃まで昇温した。
5)ポリウレタンフォームの引張強さ
JIS K6400−5−2004に準じて、ポリウレタンフォームの引張強さ(単位:MPa)を測定した。
6)ポリウレタンフォームの見掛け密度
JIS K7222−2005に準じて、ポリウレタンフォームの見掛け密度(単位:kg/m)を測定した。
7)ポリウレタンフォームの反撥弾性
JIS K6400−3−2004に準じて、ポリウレタンフォームの反撥弾性(%)を測定した。
8)ポリウレタンフォームの耐油性
ポリウレタンフォームを45℃のオレイン酸中に1週間浸漬した。上記5)の方法で、オレイン酸浸漬前後のサンプルで引張強さを測定し、オレイン酸浸漬前と比較してオレイン酸浸漬後の値が90%以上である場合は○(高い耐油性を有する)と、80%以上90%未満である場合は△(やや耐油性に劣る)と、80%未満である場合は×(耐油性に劣る)と評価した。
10)ポリウレタンフォームの外観
ポリウレタンの断面を50倍に拡大して観察し、気泡の形状、大きさのばらつき状態、分布の均一性を観点に評価した。均一な形状で大きさの揃った気泡が均一に分布した状態を、「良好」と評価した。
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例1]
原料に用いた1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールを分析した。1,5−ペンタンジオールは、純度が98.4%で、1,5−ヘキサンジオールが1.1重量%、1,4−シクロヘキサンジオールを0.1重量%含んでいた。残りの0.4重量%は、複数の不明物であった。1,6−ヘキサンジオールは、純度が98.9%で、1,4−シクロヘキサンジオールを0.6重量%含んでいた。残りの0.5重量%は、複数の不明物であった。以下の重合例では、重合例12と19を除き、当該原料を使用した。
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置を備えた2Lのガラス製フラスコに、エチレンカーボネートを650g(7.4mol)、1,5−ペンタンジオールを370g(3.6mol)、1,6−ヘキサンジオールを450g(3.8mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.20gを加え、常圧で攪拌・加熱した。反応温度を150℃〜190℃とし、圧力を3.0〜5.0kPaとして、生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートの混合物を留去しながら12時間反応を行った。その後、0.5kPaまで減圧し、エチレンカーボネートとジオールを留去しながら、190℃でさらに7時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC−1と称する。
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例2]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1で用いた装置を用い、エチレンカーボネートを630g(7.2mol)、1,5−ペンタンジオールを310g(3.0mol)、1,6−ヘキサンジオールを500g(4.2mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.20gを加え、ポリカーボネートジオール(b)の重合例1に示す方法で重合反応を行った。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC−2と称する。
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例3]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1で用いた装置を用い、エチレンカーボネートを650g(7.4mol)、1,5−ペンタンジオールを370g(3.6mol)、1,6−ヘキサンジオールを450g(3.8mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.20gを加え、常圧で攪拌・加熱した。反応温度を150℃〜190℃とし、圧力を3.0〜5.0kPaとして、生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートの混合物を留去しながら10時間反応を行った。その後、0.5kPaまで減圧し、エチレンカーボネートとジオールを留去しながら、190℃でさらに3時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC−3と称する。
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例4]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例3に示す方法で重合を行い、さらに3時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC−4と称する。
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例5]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例4に示す方法で重合を行い、さらに8時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC−5と称する。
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例6]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1と同じ装置を用い、ジメチルカーボネートを740g(8.2mol)、1,5−ペンタンジオールを490g(4.7mol)、1,6−ヘキサンジオールを450g(3.8mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.2gを加え、常圧下140〜150℃の温度で加熱・撹拌し、生成するメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、10時間反応させた。その後、反応温度を150℃〜190℃とし、圧力を10〜15kPaとして、生成するメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら2時間反応を行った。その後、0.5kPaまで徐々に減圧しながら、190℃で7時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC−6と称する。
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例7]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1と同じ装置を用い、ジメチルカーボネートを720g(8.0mol)、1,5−ペンタンジオールを500g(4.8mol)、1,6−ヘキサンジオールを400g(3.4mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.2gを加え、ポリカーボネートジオール(b)の重合例6に示す方法で重合反応を行った。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC−7と称する。
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例8]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1と同じ装置を用い、ジエチルカーボネートを790g(6.7mol)、1,5−ペンタンジオールを380g(3.7mol)、1,6−ヘキサンジオールを420g(3.6mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.2gを加え、常圧下140〜150℃の温度で加熱・撹拌し、生成するエタノールとジエチルカーボネートの混合物を留去しながら、10時間反応させた。その後、反応温度を150℃〜190℃とし、圧力を10〜15kPaとして、生成するエタノールとジエチルカーボネートの混合物を留去しながら2時間反応を行った。その後、0.5kPaまで徐々に減圧しながら、190℃で7時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC−8と称する。
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例9]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1と同じ装置を用い、ジエチルカーボネートを700g(5.9mol)、1,5−ペンタンジオールを220g(2.1mol)、1,6−ヘキサンジオールを500g(4.2mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.2gを加え、ポリカーボネートジオール(b)の重合例8に示す方法で重合反応を行った。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC−9と称する。
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例10]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1と同じ装置を用い、ジエチルカーボネートを780g(6.6mol)、1,5−ペンタンジオールを180g(1.7mol)、1,6−ヘキサンジオールを700g(5.9mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.2gを加え、ポリカーボネートジオール(b)の重合例8に示す方法で重合反応を行った。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC−10と称する。
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例11]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1と同じ装置を用い、ジエチルカーボネートを780g(6.6mol)、1,5−ペンタンジオールを490g(4.7mol)、1,6−ヘキサンジオールを270g(2.3mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.2gを加え、ポリカーボネートジオール(b)の重合例8に示す方法で重合反応を行った。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC−11と称する。
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例12]
原料の1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールを蒸留で精製した。その結果、1,5−ペンタンジオールは、純度が98.9%で、1,5−ヘキサンジオールを0.5重量%含んでいたが、1,4−シクロヘキサンジオールは検出されなかった。残りの0.6重量%は、複数の不明物であった。1,6−ヘキサンジオールは、純度が99.2%で、1,4−シクロヘキサンジオールを0.3重量%含んでいた。残りの0.5重量%は、複数の不明物であった。この原料を用いて、下記のようにポリカーボネートジオールを得るための重合反応を行った。
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1と同じ装置を用い、ジエチルカーボネートを780g(6.6mol)、1,5−ペンタンジオールを380g(3.7mol)、1,6−ヘキサンジオールを400g(3.4mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.2gを加え、ポリカーボネートジオール(b)の重合例8に示す方法で重合反応を行った。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC−12と称する。
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例13]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例5に示す方法で重合を行い、さらに8時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC−13と称する。
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例14]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1と同じ装置を用い、ジメチルカーボネートを580g(6.4mol)、1,5−ペンタンジオールを250g(2.4mol)、1,6−ヘキサンジオールを300g(2.5mol)、3−メチル−1,5−ペンタンジオール230g(2.0mol)を仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.2gを加え、常圧下140〜150℃の温度で加熱・撹拌し、生成するメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、10時間反応させた。その後、反応温度を150℃〜190℃とし、圧力を10〜15kPaとして、生成するメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら2時間反応を行った。その後、0.5kPaまで徐々に減圧しながら、190℃で7時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC−14と称する。
[ポリカーボネートジオールの重合例15]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1と同じ装置を用い、ジメチルカーボネートを580g(6.4mol)、1,6−ヘキサンジオールを820g(7.0mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.2gを加え、常圧下140〜150℃の温度で加熱・撹拌し、生成するメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、10時間反応させた。その後、反応温度を150℃〜190℃とし、圧力を10〜15kPaとして、生成するメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら2時間反応を行った。その後、0.5kPaまで徐々に減圧しながら、190℃で7時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC−15と称する。
[ポリカーボネートジオールの重合例16]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1と同じ装置を用い、ジメチルカーボネートを580g(6.4mol)、1,5−ペンタンジオールを730g(7.0mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.2gを加え、ポリカーボネートジオールの重合例15に示す方法で重合反応を行った。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC−16と称する。
[ポリカーボネートジオールの重合例17]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1と同じ装置を用い、ジメチルカーボネートを740g(8.2mol)、1,5−ペンタンジオールを480g(4.6mol)、1,6−ヘキサンジオールを400g(3.4mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.2gを加え、常圧下140〜150℃の温度で加熱・撹拌し、生成するメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、6時間反応させた。その後、反応温度を150℃〜120℃とし、圧力を10〜15kPaとして、生成するメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら2時間反応を行った。その後、0.5kPaまで徐々に減圧しながら、200℃で3時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC−17と称する。
[ポリカーボネートジオールの重合例18]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例1と同じ装置を用い、ジメチルカーボネートを670g(7.6mol)、1,5−ペンタンジオールを250g(2.4mol)、1,6−ヘキサンジオールを150g(1.3mol)、3−メチル−1,5−ペンタンジオールを500g(4.2mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.2gを加え、ポリカーボネートジオール(b)の重合例14に示す方法で重合反応を行った。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC−18と称する。
[ポリカーボネートジオールの重合例19]
ポリカーボネートジオール(b)の重合例12で用いた1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールを用いた。ポリカーボネートジオール(b)の重合例1と同じ装置を用い、エチレンカーボネートを630g(7.2mol)、1,5−ペンタンジオールを350g(3.3mol)、1,6−ヘキサンジオールを450g(3.8mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.20gを加え、常圧で攪拌・加熱した。反応温度を150℃〜190℃とし、圧力を3.0〜5.0kPaとして、生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートの混合物を留去しながら12時間反応を行った。その後、0.5kPaまで減圧し、エチレンカーボネートとジオールを留去しながら、190℃でさらに7時間反応させた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC−19と称する。
Figure 0006091763
上記のポリカーボネートジオールPC−1〜PC−19の各々を用いて、ポリウレタンフォームを作製した。
[実施例1〜4、6〜12、14、参考例5、13
各実施例及び参考例の番号に対応させて、ポリカーボネートジオールとしてPC−1〜14の各々を用いた。ポリカーボネートジオール100重量部、水を1重量部、シリコーン整泡剤を1重量部、ジ−n−ブチルスズジラウレートを0.05重量部混合し、ポリオール組成物を得た。該ポリオール組成物にトリレンジイソシアネートをポリカーボネートジオールと水の合計の当量に対して150%当量となるように添加し撹拌して、ポリウレタンフォームを得た。ポリウレタンフォームの評価結果を下記表2に示す。
[比較例1〜5]
各比較例の番号に対応させて、ポリカーボネートジオールとしてPC−15〜19の各々を用いた。上記の実施例(及び参考例)で示す方法でポリウレタンフォームを得た。ポリウレタンフォームの評価結果を下記表2に示す。
Figure 0006091763
本発明のポリウレタンフォームは、均一な構造を有し、強度、反撥弾性、耐油性、耐加水分解性、耐熱性などの物性に優れる。従って、このポリウレタンフォームは、軟質フォームとして、自動車や家具、寝具用のクッション材、衣料、履き物やバッグの内張、防振材などの家電部品として使用することが出来る。また、硬質フォームとして、冷蔵庫や低温倉庫、船舶や車両の断熱材として、集合住宅の結露防止やトンネルの凍結防止など土木建材用途に使用することが出来る。

Claims (1)

  1. (a)有機イソシアネートと(b)ポリカーボネートジオールとの反応生成物であるポリウレタンを含有するポリウレタンフォームであって、
    該ポリカーボネートジオール(b)が、下記式(A)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基を有するポリカーボネートジオールであって、下記式(A)で表される繰り返し単位が、下記式(B)で表される繰り返し単位と下記式(C)で表される繰り返し単位との双方を含み、下記式(A)で表される繰り返し単位における、下記式(B)で表される繰り返し単位及び下記式(C)で表される繰り返し単位の合計割合が60〜100モル%であり、下記式(B)で表される繰り返し単位と下記式(C)で表される繰り返し単位との割合が90:10〜10:90(モル比)であり、そして、1級末端OH比率が95〜99.5%であり、該1級末端OH比率は、ポリカーボネートジオールを0.4kPa以下の圧力下、攪拌しながら160℃〜200℃の温度で加熱することにより初期留分として得られるアルコール類において、両末端が1級ヒドロキシル基であるジオールの、ジオールを含むアルコール類(エタノールを除く)の合計に対する重量%として定義され、ポリカーボネートジオールの数平均分子量が450〜1500であることを特徴とする上記のポリウレタンフォーム。
    Figure 0006091763

    Figure 0006091763

    Figure 0006091763
JP2012066988A 2012-03-23 2012-03-23 ポリウレタンフォーム Active JP6091763B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012066988A JP6091763B2 (ja) 2012-03-23 2012-03-23 ポリウレタンフォーム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012066988A JP6091763B2 (ja) 2012-03-23 2012-03-23 ポリウレタンフォーム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013199514A JP2013199514A (ja) 2013-10-03
JP6091763B2 true JP6091763B2 (ja) 2017-03-08

Family

ID=49520004

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012066988A Active JP6091763B2 (ja) 2012-03-23 2012-03-23 ポリウレタンフォーム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6091763B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6464610B2 (ja) * 2014-08-22 2019-02-06 東ソー株式会社 ポリウレタンフォームの製造方法
JP5773051B1 (ja) * 2014-11-11 2015-09-02 宇部興産株式会社 ポリカーボネートポリオール
JP2016094589A (ja) * 2015-06-30 2016-05-26 宇部興産株式会社 ポリカーボネートポリオール
JP7059875B2 (ja) * 2018-09-20 2022-04-26 横浜ゴム株式会社 ポリウレタンフォーム

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100501788B1 (ko) * 2000-05-24 2005-07-18 아사히 가세이 가부시키가이샤 일차 말단 oh 비가 높은 폴리카보네이트 디올
JP4666898B2 (ja) * 2003-08-09 2011-04-06 雪ヶ谷化学工業株式会社 ポリウレタンフォーム及びその製造方法
JP2009051887A (ja) * 2007-08-24 2009-03-12 Asahi Kasei Chemicals Corp 反応制御が容易なポリカーボネートジオール
US8168728B2 (en) * 2007-11-16 2012-05-01 Asahi Kasei Chemicals Corporation Polycarbonate diol with ease of reaction stabilization
JP2011190392A (ja) * 2010-03-16 2011-09-29 Asahi Kasei Chemicals Corp 発泡体
JP5797954B2 (ja) * 2011-07-07 2015-10-21 旭化成ケミカルズ株式会社 水分散性ウレタンプレポリマー、水分散ポリウレタン樹脂とそれを用いた水系塗料組成物
JP5984240B2 (ja) * 2011-11-22 2016-09-06 旭化成株式会社 合成皮革

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013199514A (ja) 2013-10-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101312168B1 (ko) 반응의 안정화가 용이한 폴리카르보네이트 디올
JP5797954B2 (ja) 水分散性ウレタンプレポリマー、水分散ポリウレタン樹脂とそれを用いた水系塗料組成物
JP5964657B2 (ja) 接着剤用組成物
JP6091763B2 (ja) ポリウレタンフォーム
CN104745061A (zh) 含有碳酸酯化合物的聚碳酸酯二醇
US20180265618A1 (en) Method for producing a rigid polyurethane-polyisocyanurate foam
US11542361B2 (en) Thermoplastic polyurethane
JP6866037B2 (ja) ポリカーボネートジオール組成物
JP6360897B2 (ja) ポリカーボネートジオール
JP2017128675A (ja) ポリカーボネートジオール
JP5897936B2 (ja) 接着剤組成物
JP5464889B2 (ja) ポリカーボネートジオール
US20100087617A1 (en) Composition capable of forming yellowing-free, low-hardness polyurethane elastomer, and method for producing yellowing-free, low-hardness polyurethane elastomer using the same
JP2017137406A (ja) ポリカーボネートジオール
JP5866839B2 (ja) 硬質ポリウレタンフォーム組成物
JP2011190392A (ja) 発泡体
JP2015040263A (ja) ポリウレタン発泡止水材
JP2013166852A (ja) ポリカーボネートジオール
JP7253035B2 (ja) ポリカーボネートジオール
JP6849362B2 (ja) ポリカーボネートジオール組成物
CN112739737B (zh) 具有改善的硬度的聚氨酯
JP2012529542A (ja) ジオキサン廃棄物量の少ないポリエステルポリオールの製造方法
KR20150054983A (ko) 할로겐 화합물 함유 폴리우레탄
JP2008037991A (ja) 発泡体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150225

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160216

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160329

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20160401

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160516

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20160823

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160912

A911 Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20160920

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161115

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161118

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170208

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6091763

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350