JP2011190392A - 発泡体 - Google Patents

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JP2011190392A JP2010059317A JP2010059317A JP2011190392A JP 2011190392 A JP2011190392 A JP 2011190392A JP 2010059317 A JP2010059317 A JP 2010059317A JP 2010059317 A JP2010059317 A JP 2010059317A JP 2011190392 A JP2011190392 A JP 2011190392A
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Abstract

【課題】耐油性、耐加水分解性、柔軟性などの物性のバランスに優れたポリウレタンフォームを提供する。
【解決手段】(a)有機イソシアネートと(b)ポリカーボネートジオールとの反応生成物であるポリウレタンを含有する発泡体であって、該ポリカーボネートジオール(b)が、式[−OROCO−]で表される繰り返し単位R及び末端ヒドロキシル基を有するポリカーボネートジオールであって、該式で表される繰り返し単位の70〜100モル%は式[−OCHC(R)(R)CHOCO−]又は式[−O(CHOCO−]で表される、該ポリカーボネートジオール(b)の数平均分子量が300〜10000であることを特徴とする上記発泡体。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリカーボネートジオールを原料として得られる新規なポリウレタン発泡体(ポリウレタンフォーム)であって、軟質フォームや硬質フォームとして用いることができるポリウレタンフォームに関する。
ポリウレタンフォームは、その性状から硬質フォームと軟質フォームとに分類される。軟質フォームは、外部からの荷重に対して自由に変形し、荷重が取り除かれると原形に回復するので、自動車のクッション材や寝具、家具などに使用される。一方、硬質フォームは、外部からの荷重に対して自由に変形せず、断熱材や土木建築材料などに使用される。
従来から、ポリウレタンフォームは、高分子ポリオールと有機イソシアネートとを、硬化触媒、発泡剤などの存在下で反応させて製造される。高分子ポリオールは、末端はヒドロキシル基であるポリエステルポリオールやポリエーテルポリオールが用いられている(例えば、特許文献1及び2参照)。しかしながら、ポリエステルポリオールを高分子ポリオールとして用いたポリウレタンフォームは、耐加水分解性に劣り、また、ポリエーテルポリオールを高分子ポリオールとして用いたポリウレタンフォームは、耐熱性に劣るため、各々その用途が限定された。
一方、ポリカーボネートを高分子ポリオールとして用いて得られるポリウレタンフォームは、耐加水分解性、耐候性や耐熱性に優れるものの、1,6−ヘキサンジオールのみをジオール原料に用いたポリカーボネートジオール(以降、C6ホモPCDと称する。)を用いた場合、柔軟性を要求される用途では、使用が限定された。また、C6ホモPCDは常温で固体であるため、ポリウレタンフォーム製造の際、取り扱いに問題があった。これらの問題を解決するため、3−メチル1,5−ペンタンジオールをジオール原料に用いて得られるポリカーボネートを用いたポリウレタンフォームが開示されている(特許文献3参照)。しかしながら、本発明者らが検討した結果、上記のポリウレタンフォームは、柔軟性は改善されるものの、耐油脂が不十分となるという問題があった。一方、2−メチル1,3−プロパンジオールをジオール原料の1つとして用いて得られるポリカーボネートジオールを用いて得られるポリウレタンフォームが開示されている(特許文献4参照)。しかしながら、耐油性は向上するものの、ポリウレタンの粘度が高くなる可能性があり、フォームの成形性をさらに改善すべき余地を残している。
上記に示すように、これまで、高い耐油性、耐加水分解性、柔軟性など物性バランスに優れたポリウレタンフォームは存在しなかった。
米国特許4362825号 米国特許4129715号 特開2005−60643号公報 特開2008−37991号公報
本発明は、耐油性、耐加水分解性、柔軟性などの物性のバランスに優れたポリウレタンフォームを提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定のポリカーボネートジオールを用いることにより上記の問題点を解決できることを見出し、本発明をなすに至った。
すなわち本発明は、
(1)(a)有機イソシアネートと(b)ポリカーボネートジオールとの反応生成物であるポリウレタンを含有する発泡体であって、該ポリカーボネートジオール(b)が、下式(A)で表される繰り返し単位及び末端ヒドロキシル基を有するポリカーボネートジオールであって、該式(A)で表される繰り返し単位の70〜100モル%は下式(B)又は(C)で表される繰り返し単位であり、
Figure 2011190392

(但し、式中のRは、炭素数2〜12の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素を表す。)
Figure 2011190392

(但し、式中のR及びRは、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素を表し、
とRは、同じでもよく異なってもよい。)
Figure 2011190392

(但し、式中のnは、2から12の整数。)
そして該式(B)で表される繰り返し単位と該式(C)で表される繰り返し単位との割合が、モル比率で1:99〜40:60であり、該ポリカーボネートジオール(b)の数平均分子量が300〜10000であることを特徴とする上記発泡体、
(2)前記ポリカーボネートジオール(b)において、前記式(C)で表される繰り返し単位の少なくとも一部が、下式(D)で表される繰り返し単位である、上記(1)に記載の発泡体、
Figure 2011190392

(但し、式中のnは、4、5又は6のいずれかの整数。)
を提供するものである。
本発明のポリウレタンフォームは、耐油性、耐加水分解性、柔軟性などの物性のバランスに優れるという効果を有する。
以下、本願発明について具体的に説明する。
ポリウレタン
本発明において、ポリウレタンは、有機イソシアネート(a)と、ポリカーボネートジオールとの反応生成物である。
有機イソシアネート(a)
本発明で用いる有機イソシアネートは、2,4−トリレジンジイソシアネート、2,6−トリレジンジイソシアネート及びその混合物、ジフェニルメタン−4,4´−ジイソシアネート(MDI)、ナフタレン−1,5−ジイソシアネート(NDI)、3,3´−ジメチル−4,4´ビフェニレンジイソシアネート(TODI)、粗製トリレンジイソシアネート(TDI)、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート(PMDI)、粗製MDI、ジアニジンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(XDI)、p−フェニレンジイソシアネートなどの芳香脂肪族ジイソシアネート、4,4´−メチレンビスシクロヘキシルジイソシアネート(水添MDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、シクロヘキサンジイソシアネート(水添XDI)、ノルボルネンジイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネートを挙げることができる。耐光性などの観点から、脂環式ジイソシアネート又は脂肪族ジイソシアネートを用いることが好ましく、それに加え耐加水分解性の観点から脂環式ジイソシアネートを用いることがさらに好ましい。上記の有機イソシアネートは、カルボジイミド変性、イソシアヌレート変性、ビウレット変性などの変性物の形で用いてもよく、各種のブロッキング剤によりブロックされたブロックドイソシアネートでもよい。通常は1種の有機イソシアネートを選択して用いるが、これらの有機イソシアネートから2種類以上を選択しそれらを混合して、または逐次追加して用いても構わない。さらに、1分子中にイソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネートを用いることもできる。1分子中にイソシアネート基を3個以上有するポリイソシアネートとしては、上記のジイソシアネートのイソシアヌレート三量体、ビウレット三量体、トリメチロールプロパンアダクト化合物などに加え、トリフェニルメタントリイソシアネート、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ジメチルトリフェニルメタンテトライソシアネートなどが挙げられる。さらに、これらのイソシアヌレート変性やビウレット変性などの変性物の形で用いてもよく、各種のブロッキング剤によりブロックされたブロックドイソシアネートの形で用いてもよい。
本発明において、有機イソシアネート(a)の配合量は、ポリカーボネートジオールの水酸基などのイソシアネート反応性の基の合計に対して、70〜200%当量、好ましくは80〜150%当量である。有機イソシアネート(a)の配合量が、70%当量以上であれば、得られるポリウレタンフォームの強度が不足することがない。また、200%当量以下であれば、過剰のイソシアネートが残存することにより起こるポリウレタンフォームの安定性低下などの問題が抑制されるので好ましい。発泡剤として水を用いる場合は、有機イソシアネート(a)は水と反応するため、ポリカーボネートジオールとの反応に用いられる量が不足する場合がある。よって、水の活性水素に対し、70〜150%当量の有機イソシアネートを、増量して使用することが好ましい。
ポリカーボネートジオール(b)
本発明で用いるポリカーボネートジオール(b)は、ジオールと炭酸エステルを原料に用い、エステル交換に付することで得ることができる。
本発明では、上記ジオールとして、2,2−ジアルキル置換−1,3−プロパンジオール(以下、「2,2置換PDL」という。)と側鎖を持たないジオールとが用いられる。
2,2置換PDLとは、炭素数が1〜8の脂肪族炭化水素基2個で2位の炭素を置換された1,3−プロパンジオールであり、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ペンチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられるがこれらには限定されない。2,2置換PDLを原料に用いることで、ポリカーボネートジオール(b)中に式(B)で表される繰り返し単位を導入することができる。
側鎖を持たない脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオールなどが挙げられるがこれらには限定されない。側鎖を持たない脂肪族ジオールであって炭素数が2〜12のものを原料に用いることで、ポリカーボネートジオール(b)中に式(C)で表わされる繰り返し単位を導入することができる。
ポリカーボネートジオール(b)中、式(A)で表される繰り返し単位の70〜100モル%は、式(B)又は(C)で表される繰り返し単位である。
ポリカーボネートジオール(b)中の式(C)で表される繰り返し単位の少なくとも一部が式(D)で表される繰り返し単位であることが好ましく、式(C)で表される繰り返し単位の全部が式(D)で表される繰り返し単位であることが、特に好ましい。
2,2置換PDL及び側鎖を持たない脂肪族ジオールから、1種又は複数のジオールを選択して用いることができる。
2,2置換PDLは、主鎖の炭素数が3と少ないため、それを用いて得られるポリカーボネートジオール(b)は、カーボネート結合の密度が高くなる。それによって、ポリウレタンフォームの耐油性が向上する。一方、2,2置換PDLは1つの炭素に2つのアルキル基が結合した嵩高い構造を有するため、その構造をポリカーボネートジオール(b)に導入することで規則性が大きく低下する。さらに、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−ペンチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオールなどは、主鎖よりも多い炭素数の側鎖を有するため、分子間又は分子内におけるカーボネート結合間の相互作用が阻害されやすい。上記の効果により、2,2置換PDLを原料に用いたポリカーボネートジオール(b)は、高い柔軟性を有するとともに、上記構造を持たないポリカーボネートジオールと比較すると、ポリカーボネートジオールの粘度が低くなる。
通常、高分子ポリオールとしてポリカーボネートジオールを用いた場合、その高い粘度により、ポリウレタンフォームの厚みが薄くなる場合があり、また多量の発泡剤や整泡剤を使用する必要があるという問題があった。本発明のポリウレタンフォームは、ポリカーボネートジオールの粘度が低いため、ポリウレタンフォームの構造を制御しやすく、多量に発泡剤や整泡剤を使用する必要もない。さらに、嵩高い構造を有する2,2置換PDLと、側鎖を持たない脂肪族ジオールを組み合わせることで、ポリウレタンフォームの柔軟性と強度を制御することができる。側鎖を持たない脂肪族ジオールとして1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、又は1,6−ヘキサンジオールを用いた場合、柔軟性と強度のバランスが好ましい。これら3種のジオールのいずれかを用いることで、式(D)で表わされる繰り返し単位をポリカーボネートジオール(b)中に導入することができる。
分子中の2,2置換PDLに由来する繰り返し単位(上記式(B))と側鎖を持たないジオールに由来する繰り返し単位(上記式(C))の割合(以降、「共重合比率」と称し、上記式(B):上記式(C)で表す。)は、モル比1:99〜40:60である。2,2置換PDLに由来する繰り返し単位のモル比が40以下であれば、強度が不足することもなく好ましい。一方、2,2置換PDLに由来する繰り返し単位のモル比が1以上であれば、耐油性が不足することがなく、柔軟性も向上するので好ましい。共重合比率が3:97〜25:75である場合、柔軟で高い強度を有するとともに、耐油性の高いポリウレタンフォームを得ることができるので好ましく5:95〜15:85である場合最も好ましい。
さらに、2−メチル−1,8−オクタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、などの側鎖を持ったジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパンなどの環状ジオールから、1種類又は2種類以上のジオールを原料として選択して用いることもできる。その量は、上記式(A)で表される繰り返し単位における上記式(B)又は(C)で表される繰り返し単位の割合(以下、「主成分比率」と称する。)が、70モル%未満とならない範囲で決められる。主成分比率が、70モル%以上であれば、ポリウレタンフォームの強度が低下したり、耐油性が不足したりするなどの問題が抑制されるので好ましい。85モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上であれば、高い強度と耐油性、を有するポリウレタンフォームを得ることができる。
また本発明で用いるポリカーボネートジオール(b)の製造において、1分子に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトールなどを少量用いることにもできる。この場合において製造されたポリカーボネートジオール(b)はポリオール由来の構造を一部有するため正確には「ポリカーボネートポリオール」に該当するが、本明細書においては便宜上、「ポリカーボネートジオール」と称することにする。この1分子中に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物を余り多く用いると、ポリカーボネートの重合反応中に架橋してゲル化が起きてしまう。したがって1分子中に3以上のヒドロキシル基を持つ化合物を使用する場合は、2,2置換PDLと側鎖を持たない脂肪族ジオールの合計量に対し、0.1〜5モル%にするのが好ましい。より好ましくは0.1〜2モル%、さらに好ましくは0.1〜0.5モル%である。
本発明で用いられるポリカーボネートジオール(b)の平均分子量の範囲は、数平均分子量で300〜10000である。数平均分子量が300以上であれば、ポリウレタンフォームの強度が低下したり柔軟性が低下することもなく、また、10000以下であれば、ポリカーボネートジオールの粘度が高くなったり、ポリウレタンフォームが得られないという事態もない。
本発明のポリカーボネートジオール(b)は、柔軟性を向上させる目的で、その分子内に下式(E)の繰り返し単位で表される構造を含むこともできる。
Figure 2011190392

(式中、Rはアルキレン基を表し、該アルキレン基は2種類以上であっても構わない。また、xは2以上の整数を表す。)
ポリカーボネートジオール(b)分子中の式(E)の繰り返し単位の含有量は、本発明に影響しない範囲であれば特に限定されるものではないが、その量が増えると耐熱性や耐薬品性が低下するので、式(E)で表される繰り返し単位を導入する場合には、式(A)で表されるカーボネートの繰り返し単位に対し式(E)で表される(エーテル由来の構造を有する)繰り返し単位が0.05〜5モル%以下であることが好ましく、0.05〜3モル%以下であることがさらに好ましい。
本発明で用いられるポリカーボネートジオール(b)の製造においては、炭酸エステルとして、アルキレンカーボネート、ジアルキルカーボネート、ジアリールカーボネートなどを用いる。アルキレンカーボネートとしては、エチレンカーボネート、トリメチレンカーボネート、1,2−プロピレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、1,3−ブチレンカーボネート、1,2−ペンチレンカーボネートなどが挙げられるがこれらには限定されない。また、ジアルキルカーボネートとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−n−ブチルカーボネートなどが、ジアルキレンカーボネートとしては、ジフェニルカーボネートなどが挙げられるがこれらには限定されない。そのなかでも、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネートを用いるのが好ましい。エチレンカーボネートを用いるのがより好ましい。
本発明で用いられるポリカーボネートジオール(b)の製造方法は、特に限定されない。例えば、シュネル(Schnell)、ポリマー・レビューズ(Polymer Reviews)、1994年、第9巻、p9〜20に記載される種々の方法で製造することができる。
本発明のポリウレタンフォームは、岩田敬治編、ポリウレタン樹脂ハンドブック、1991年5月20日、p150〜p285に記載される、ポリウレタン業界で公知の製造方法で製造することができるが、製造方法は特に制限されない。
ポリウレタンフォームの製造に際して、発泡剤、触媒、整泡剤を用いることができる。発泡剤は、フォームの空孔となる気体を発生するものであり、ハロゲン化炭化水素、炭化水素、水などが用いられる。水を用いる場合、ポリカーボネートジオール100重量部に対して、0.5〜10質量部、好ましくは1〜5質量部用いられる。ハロゲン化炭化水素や炭化水素を用いる場合、ポリカーボネートジオール100質量部に対して5〜75質量部使用される。触媒として、スズ、亜鉛、チタン、アルミニウムなどの有機金属塩、3級アミンなどの公知の重合触媒を用いることができる。触媒は、ポリカーボネートジオール100質量部に対し、0.01〜3質量部用いることが好ましい。整泡剤は、生成する気泡の大きさ、連続性、独立性を調整するために用いられ、ポリジメチロールシロキサン−ポリアルキレンオキシドブロックコポリマー、ビニルシラン−ポリアルキルポリオール重合体などを用いることができる。さらに、必要に応じて、可塑剤、着色剤、顔料、充填剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの添加剤を使用することができる。
次に、実施例及び比較例によって、本発明を説明するが、これらの例は何ら本発明を限定するものではない。
以下の実施例及び比較例において示す値は下記の方法で測定した。
1)ポリカーボネートジオール(b)の数平均分子量
無水酢酸とピリジンを用い、水酸化カリウムのエタノール溶液で滴定する「中和滴定法(JIS K 0070−1992)」によって水酸基価を決定し、下記数式(1)を用いて計算した。
数平均分子量=2/(OH価×10−3/56.1) (1)
2)ポリカーボネートジオール(b)の共重合比率と主成分比率
100mlのナスフラスコにサンプルを1g取り、エタノール30g、水酸化カリウム4gを入れて、100℃で1時間反応した。反応液を室温まで冷却後、指示薬にフェノールフタレインを2〜3滴添加し、塩酸で中和した。冷蔵庫で1時間冷却後、沈殿した塩を濾過で除去し、GC(ガスクロマトグラフィー)を用いて2,2置換PDLに由来する上記式(B)の繰り返し単位と上記式(C)の繰り返し単位とを定量した。GC分析は、カラムとしてDB−WAX(米国、J&W製)をつけたガスクロマトグラフィーGC−14B(日本、島津製作所製)を用い、ジエチレングリコールジエチルエステルを内部標準として、検出器をFIDとして行った。なお、カラムの昇温プロファイルは、60℃で5分保持した後、10℃/minで250℃まで昇温した。
(i)共重合比率
上記の分析結果を用い、2,2置換PDLと、側鎖を持たない炭素数2〜12のジオールとのモル比(2,2置換PDLのモル数:側鎖を持たない炭素数2〜12のジオールの全モル数)から共重合比率を求めた。
(ii)主成分比率
上記の分析結果を元に下記数式(2)により求めた。
主成分比率(モル%)=(B+C)/A×100 (2)
A:上記式(A)の繰り返し単位に由来するジオールの全モル数
B:2,2置換PDLのモル数
C:上記式(C)の繰り返し単位に由来するジオールの全モル数
3)機械的物性
ポリウレタンフォームを10mm×80mmの短冊型に切り取り、23℃、50%RHの恒温室に1日置いて測定に供した。試験片の機械的強度を、テンシロン引張試験機RTC−1250A(ORIENTEC製)を用い、チェック間距離50mm、引張速度100mm/分で測定した。100%引張応力(試料が50mm伸びた時の応力)を元に、柔軟性や耐加水分解性を評価した。
4)耐油性
ポリウレタンフォームを45℃のオレイン酸中に1週間浸漬した後の膨潤率を測定した。浸漬後の表面を観察して、浸漬前と変化が無い場合を○、ぬめり感が感じられる場合を△、表面形状が変化している場合を×として、耐油性を評価した。
5)耐加水分解性
ポリウレタンフォームを100℃の熱水中に2週間浸漬した。上記3)の方法で、熱水浸漬の前後の100%伸張時の応力を測定し、熱水浸漬前と比較して熱水浸漬後の値が85%以上である場合は○(高い耐加水分解性を有する)と、70%以上85未満である場合は△(やや耐加水分解性に劣る)と、70%未満である場合は×(耐加水分解性に劣る)と評価した。
6)粘度
コード01のロータを取り付けた粘度計TVE−20H(東機産業製)を用い、50℃で粘度を測定した。
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例1]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置を備えた2Lのガラス製フラスコにエチレンカーボネートを645g(7.3mol)、2−ブチル−2−エチル−1、3−プロパンジオールを160g(1.0mol)、1,6−ヘキサンジオールを755g(6.4mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.10gを加え、常圧で攪拌・加熱した。反応温度を140℃〜150℃、圧力3.0〜5.0kPaで、生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートの混合物を留去しながら20時間反応を行った。その後、0.5kPaまで減圧し、エチレンカーボネートとジオールを留去しながら、150〜160℃でさらに15時間反応した。得られたポリカーボネートジオールを分析したところ、数平均分子量は2008であり、共重合比率は14:86であった。該ポリカーボネートジオール(b)をPC1と称す。
[ポリカーボネートジオール(b)の重合例2]
ポリカーボネートジオールの重合例1と同じ装置を用い、エチレンカーボネートを700g(8.0mol)、2−ブチル−2−エチル−1、3−プロパンジオールを330g(2.1mol)、1,4−ブタンジオールを520g(5.8mol)仕込んだ。触媒としてチタンテトラブトキシド0.10gを加え、ポリカーボネートジオールの合成例1と同条件で反応を行った。得られたポリカーボネートジオールを分析したところ、数平均分子量は2011であり、共重合比率は24:76であった。該ポリカーボネートジオールをPC2と称す。
[ポリカーボネートジオールの重合例3]
2−メチル−1,3−プロパンジオールを360g(4.0モル)、1,6−ヘキサンジオールを395g(3.3モル)、エチレンカーボネートを645g(7.3モル)用いた以外は、ポリカーボネートジオールの重合例1に示す装置及び条件で反応を行った、得られたポリカーボネートジオールの分子量は1993であった。該ポリカーボネートジオールをPC3と称する。
[ポリカーボネートジオールの重合例4]
1,6−ヘキサンジオールを700g(5.9モル)、エチレンカーボネートを525(6.0モル)用いた以外は、ポリカーボネートジオールの重合例1に示す装置及び条件で反応を行った、得られたポリカーボネートジオールの分子量は2004であった。該ポリカーボネートジオールをPC4と称する。
測定したポリカーボネートの粘度を表1に示す。粘度は、PC4の粘度を1としてその相対値として表した。
Figure 2011190392

上記のポリカーボネートジオールを用いて、ポリウレタンフォームを作製した。
[実施例1〜2]
ポリカーボネートジオールを100重量部、水を2重量部、シリコーン油を1重量部、ジ−n−ブチルスズジラウレートを0.05重量部混合し、ポリオール組成物を得た。ポリオール組成物を100重量部にトリレンジイソシアネート20重量部を混合撹拌してポリウレタンフォームを得た。ポリカーボネートジオールPC1を用いて得られたポリウレタンフォームをPF1、PC2を用いて得られたポリウレタンフォームをPF2と各々称する。
[比較例1〜2]
実施例1〜2で示す方法でポリウレタンフォームを得た。ポリカーボネートジオールPC3を用いて得られたポリウレタンフォームをPF3、PC4を用いて得られたポリウレタンフォームをPF4と各々称する
上記ポリウレタンフォームの100%引張応力、耐油性、耐加水分解性を評価した。結果を下記表2に示す。
Figure 2011190392
本発明の発泡体は、耐油性、耐加水分解性、柔軟性などの物性のバランスに優れた人工皮革用途に使用されるポリウレタンエマルジョン、及び、該ポリウレタンエマルジョンを用いて製造される人工皮革の製造に利用することができる。本発明の発泡体は、適度な柔軟性を有し、天然皮革に近似した風合いを有するため、マットレス、靴内張材料、衣料、クッション地、自動車内装材、自動車シート、壁材などに使用することができる。

Claims (2)

  1. (a)有機イソシアネートと(b)ポリカーボネートジオールとの反応生成物であるポリウレタンを含有する発泡体であって、該ポリカーボネートジオール(b)が、下式(A)で表される繰り返し単位及び末端ヒドロキシル基を有するポリカーボネートジオールであって、該式(A)で表される繰り返し単位の70〜100モル%は下式(B)又は(C)で表される繰り返し単位であり、
    Figure 2011190392

    (但し、式中のRは、炭素数2〜12の二価の脂肪族又は脂環族炭化水素を表す。)
    Figure 2011190392

    (但し、式中のR及びRは、炭素数1〜8の脂肪族炭化水素を表し、
    とRは、同じでもよく異なってもよい。)
    Figure 2011190392

    (但し、式中のnは、2から12の整数。)
    そして該式(B)で表される繰り返し単位と該式(C)で表される繰り返し単位との割合が、モル比率で1:99〜40:60であり、該ポリカーボネートジオール(b)の数平均分子量が300〜10000であることを特徴とする上記発泡体。
  2. 前記ポリカーボネートジオール(b)において、前記式(C)で表される繰り返し単位の少なくとも一部が、下式(D)で表される繰り返し単位である、請求項1に記載の発泡体。
    Figure 2011190392

    (但し、式中のnは、4、5又は6のいずれかの整数。)
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