JP2017078150A - 塗料用硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】塗膜硬度、耐摩耗性に優れ、かつソフトタッチ感のあるソフトフィール塗膜を形成可能な塗料用硬化性組成物の提供。【解決手段】(a)脂肪族及び/又は脂環族有機ジイソシアネート化合物から誘導された、1分子中にイソシアネート基を2.5以上有する有機ポリイソシアネート化合物と、(b)式(1)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有するポリカーボネートジオールであって、式(1)で表される構造単位のうち、R1がプロピレンで表される構造単位を20〜90モル%含む、ポリカーボネートジオールと、を含有する塗料用硬化性組成物。(b)ジオールの数平均分子量が300〜5000である塗料用硬化性組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、塗料用硬化性組成物に関するものである。
従来、ポリウレタン樹脂は、合成皮革、人工皮革、接着剤、家具用塗料、自動車塗料等の幅広い領域で使用されており、イソシアネ−トと反応させるポリオール成分としてポリエーテルやポリエステルが用いられている。しかしながら、近年、耐熱性、耐候性、耐加水分解性、耐黴性、耐油性等、樹脂の耐性への要求の高度化や、さらには手触り感覚がソフトなソフトフィール塗料への要求が高まってきている。通常、耐性を向上させるためには、ポリマーへの架橋構造の導入が一般的であるが、この手段によると、塗料の塗膜は硬くなってしまうため、耐性に関するハイレベルの要求とソフトフィールとを両立させることには困難があった。
これらの問題を解決する手段として、耐熱性、耐候性、耐加水分解性、耐油性、耐薬品性に優れる、各種ポリカーボネートジオールを用いた塗料用硬化性組成物が提案されている。
特許文献1には、2−メチル−1,3プロパンジオールからなるポリカーボネートジオールを用いたコーティング組成物が提案されている。このコーティング剤組成物は、耐薬品性、耐加水分解性、耐候性、柔軟性、密着性などの物性バランスに優れた塗料、コーティング剤などに使用される。2-メチル−1,3−プロパンジオールからなるポリカーボネートジオールは、従来の1,6−ヘキサンジオールからなるポリカーボネートジオールに比べ、常温での結晶性が低いため柔軟性に優れる。またポリカーボネートジオール中にカーボネート基の濃度が高いため、耐薬品性、耐摩耗性に優れる。
特許文献2には、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールとを共重合してなるポリカーボネートジオールを用いた塗料組成物が提案されている。この1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールとを共重合してなるポリカーボネートジオールは非晶性で有るため柔軟性に優れ、また比較的ガラス転移温度が低いので低温特性も改良されている。
特許文献3には、1,4−ブタンジオールと1,5−ペンタンジオールとを共重合してなるポリカーボネートジオールを用いた塗料用組成物が提案されている。この1,4−ブタンジオールと1,5−ペンタンジオールとを共重合してなるポリカーボネートジオールを用いた塗料用組成物は、ポリカーボネートジオール中のカーボネート基濃度が、1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールとを共重合してなるポリカーボネートジオールに比べ高いため、耐薬品性や塗膜硬度が改良されている。この塗料組成物は各種性能のバランスに優れ、移動端末用ソフトフィール塗料用として好適に使用される。
特開2008−37993号公報 特開2008−63395号公報 特開2008−75048号公報
一方で、特許文献1に記載のコーティング組成物は、使用されるポリカーボネートジオールの側鎖にメチル基を有するため、分子運動性に劣り、柔軟性については不十分であり、ガラス転移温度も高くなるため低温特性にも課題が有る場合がある。特許文献2に記載の塗料組成物は、ポリカーボネートジオール中のカーボネート基の濃度が2-メチル−1,3−プロパンジオールからなるポリカーボネートジオールより低くなるため、耐薬品性や耐摩耗性の低下が課題となる場合がある。特許文献3に記載の塗料組成物は、自動車の内装等に使用されるソフトフィール塗料のさらに厳しい要求性能、特に塗膜硬度、耐摩耗性、低温柔軟性の点で、更なる向上が求められる場合がある。
本発明は、塗膜硬度、耐摩耗性に優れ、かつソフトタッチ感のある塗膜を形成可能にする塗料用硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意検討した結果、特定の有機ポリイソシアネート化合物と特定構造のポリカーボネートジオールとを組み合わせることにより、上記課題を解決しうる塗料用硬化性組成物が得られることを見出し、本発明をなすに至った。
即ち、本発明は、下記の態様を含むものである。
[1]
次の(a)および(b)を含有する塗料用硬化性組成物;(a)脂肪族および/または脂環族有機ジイソシアネート化合物から誘導された、1分子中にイソシアネート基を2.5以上有する有機ポリイソシアネート化合物、
(b)下記式(1)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有するポリカーボネートジオールであって、式(1)で表される構造単位のうち、下記式(2)で表される構造単位を20モル%以上90モル%以下含む、ポリカーボネートジオール。
Figure 2017078150
(式中、R1は、炭素数2〜20の二価の脂肪族または脂環族炭化水素を表す。)
Figure 2017078150
[2]
前記(b)ポリカーボネートジオールの1級末端水酸基(OH)比率が95%以上99.5%以下であり、前記(b)ポリカーボネートジオールの数平均分子量が300〜5000である、[1]に記載の塗料用硬化性組成物。
[3]
平均粒子径が2〜20μmのポリウレタン粒子を、全固形分中に3〜30重量%含む、[1]または[2]に記載の塗料用硬化性組成物。
[4]
不活性有機溶剤を1〜90重量%含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の塗料用硬化性組成物。
本発明の塗料用硬化性組成物によれば、塗膜硬度、耐摩耗性に優れ、手触り感覚がソフトなソフトフィール塗膜を形成することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と略記する。)について詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
≪塗料用硬化性組成物≫
本実施形態の塗料用硬化性組成物は、次の(a)および(b)を含有する。
(a)脂肪族および/または脂環族有機ジイソシアネート化合物から誘導された、1分子中にイソシアネート基を2.5以上有する有機ポリイソシアネート化合物。
(b)下記式(1)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有するポリカーボネートジオールであって、式(1)で表される構造単位のうち、下記式(2)で表される構造単位を20モル%以上90モル%以下含むポリカーボネートジオール。
Figure 2017078150
(式中、R1は、炭素数2〜20の二価の脂肪族または脂環族炭化水素を表す。)
Figure 2017078150
<(a)有機ポリイソシアネート化合物>
本実施形態で用いる(a)有機ポリイソシアネート化合物としては、特に耐候性の点から、脂肪族および/または脂環族有機ジイソシアネート化合物から誘導されたポリイソシアネート類であることが好ましく、具体的には、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂肪族または脂環族ジイソシアネートから誘導されたポリイソシアネートが挙げられる。更には、これらのポリイソシアネートを、例えば、ブタノール、2−エチルヘキサノール等の低級アルコール、メチルエチルケトンオキシム、ラクタム類、フェノール類、イミダゾール類、活性メチレン化合物など公知のブロック剤でブロックした、いわゆるブロックドイソシアネート系硬化剤を用いることもできる。これらポリイソシアネート化合物としては、特に限定されないが、例えば、スミジュール44S、44V70(いずれも住化バイエルウレタン製)、トリレンジイソシアネート(TDI)とHDIとのコポリマーであるディスモジュールHL(住化バイエルウレタン製)、旭化成ケミカルズ製の各種デュラネート、すなわちデュラネート24A−100、デュラネート22A−75PX、デュラネート18H−70B、デュラネート21S−75E、デュラネートTHA−100、デュラネートTPA−100、デュラネートMFA−75X、デュラネートTSA−100、デュラネートTSS−100、デュラネートTSE−100、デュラネートD−101、デュラネートD−201、デュラネートP−301−75E、デュラネートE−402−90T、デュラネートE−402−90T、デュラネートE−405−80T、デュラネートME20−100、デュラネート17B−60PX、デュラネートTPA−B80X、デュラネートMF−B60X、デュラネートE−402−B80T、デュラネートME20−B80S、デュラネートWB40−100、デュラネートWB40−80D、デュラネートWT20−100、デュラネートWT30−100等として入手可能である。硬化塗膜の耐酸性、耐アルカリ性、耐アルコール性、耐油性、耐磨耗性、耐傷付き性を向上させる観点から、(a)有機ポリイソシアネート化合物が、1分子中に2.5以上のイソシアネート基かつ/またはブロックドイソシアネート基を有することが好ましく、具体的にはビウレット、アロファネート、ウレトジオン、イソシアヌレート等のジイソシアネート誘導体、および多価アルコールアダクト型がより好ましい。
<(b)ポリカーボネートジオール>
本実施形態の塗料用硬化性組成物に用いる(b)ポリカーボネートジオールは、上記式(1)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有し、式(1)で表される構造単位のうち、上記式(2)で表される構造単位を20モル%以上90モル%以下含み、好ましくは、30モル%以上80モル%以下、より好ましくは40モル%以上70モル%以下である。
当該比率が90モル%以下であることで、共重合効果(構成する2種のアルキレン基の配列がランダム化することにより分子間カーボネート基どうしが不規則になり、相互作用が低減する)が充分に得られ、得られる塗料用硬化性組成物の柔軟性が向上する。当該比率が20モル%以上であることで、非結晶となる1,3−プロパンジオールからなる構造単位の比率が充分となり、得られる塗料用硬化性組成物の柔軟性が向上する。
上記ポリカーボネートジオールは、特に限定されないが、例えば、下記式(3)と下記式(4)で表されるジオールと、炭酸エステルとを原料に用い、エステル交換にて合成することができる。
Figure 2017078150
(式中、R1は、炭素数2〜20の二価の脂肪族または脂環族炭化水素を表す。)
Figure 2017078150
本実施形態で用いる上記の式(3)で表されるジオールの具体例としては、特に限定されないが、例えば、上記式(4)で表される1,3−プロパンジオールの他に、エチレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、2−イソプロピル−1,4−ブタンジオール、2−エチル−1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジメチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−プロパン等を挙げることができる。式(3)で表されるジオールは、1,3−プロパンジオールの他には1種類のみを用いても2種以上を併用してもよい。なかでも、炭素数2〜10の直鎖アルキレンジオールを用いるのが好ましい。そのなかでも、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオールを用いることがより好ましい。
本実施形態で使用する、(b)ポリカーボネートジオールの1級末端水酸基(OH)比率は、95.0%以上99.5%以下であることが好ましく、より好ましくは97.0%以上、99.0%以下である。本実施形態において、(b)ポリカーボネートジオールの1級末端OH比率は、ポリカーボネートジオール(70g〜100g)を0.4kPa以下の圧力下、攪拌しながら160℃〜200℃の温度で加熱することにより、該ポリカーボネートジオールの約1〜2重量%に相当する量の留分、即ち約1g(0.7〜2g)の初期留分を得て、これを約100g(95〜105g)のエタノールを溶剤として用いて回収し、回収した溶液をガスクロマトグラフィー(GC)分析にかけて得られるクロマトグラムのピーク面積の値から、下記式(5)により計算した値を言う。
1級末端OH比率(%)=B÷A×100 (5)
A:ジオールを含むアルコール類(エタノールを除く)のピーク面積の総和
B:両末端が1級OH基であるジオールのピーク面積の総和
1級末端OH比率は、ポリカーボネートジオールの全末端基に占める1級OH基の比率である。即ち、上記に示すように、ポリカーボネートジオールを0.4kPa以下の圧力下、160℃〜200℃の温度に加熱すると、ポリカーボネートジオールの末端部分がアルコール類として外れて蒸発し、留分として得られることにより求めることができる。
(b)ポリカーボネートジオールの1級末端OH比率が95%以上であることで、塗料用硬化性組成物の硬化速度が向上し生産性を高めることができる。また、得られる塗膜の表面硬度、耐摩耗性、耐薬品性がより優れる傾向にある。(b)ポリカーボネートジオールの1級末端OH比率が99.5%以下であることで、得られる塗料用硬化性組成物のポットライフが長くなり、塗料用硬化性組成物の操作性により優れる傾向にある。また反応が均一に進み、ゲルやブツ等の発生を防止でき、塗膜外観が良好となり、さらに硬化が均一となることで塗膜強度、耐摩耗性がより優れる傾向にある。
(b)ポリカーボネートジオールの1級末端水酸基(OH)基比率を前記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、(b)ポリカーボネートジオールの重合中または重合終了後、所定量のモノアルコールを添加し加熱処理する方法、(b)ポリカーボネートジオールの重合原料のジオールに、2級のジオールを微量に添加する方法、等が挙げられる。
本実施形態に用いる(b)ポリカーボネートジオールは、例えば、Schell著、Polymer Review第9巻、第9〜20ページ(1964年)に記載された種々の方法により、1,3−ペンタンジオールを主原料として合成されるポリカーボネートジオールである。
本実施形態に用いる(b)ポリカーボネートジオールの数平均分子量は300〜5000であることが好ましく、より好ましくは500〜4000、さらに好ましくは1000〜3000である。(b)ポリカーボネートジオールの数平均分子量が300以上であることで、塗膜の柔軟性がより良好となり、ソフト感がより優れる傾向にある。また、数平均分子量が5000以下であることで、硬化時のイソシアネートとの反応が早くなり、乾燥時間を短縮できる上、得られる塗料用硬化性組成物の粘度を低くすることができ、操作性により優れる傾向にある。
(b)ポリカーボネートジオールの数平均分子量を前記範囲に制御する方法としては、特に限定されないが、例えば、(b)ポリカーボネートジオール重合時に留去するジオールモノマーの量を制御する方法、等が挙げられる。
本実施形態においては、(b)ポリカーボネートジオールの原料として、ジオールの他に、1分子に3個以上のヒドロキシル基を有する化合物、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、グリセリン等を少量用いることにより、一分子中の平均水酸基数が2以上に多官能化されたポリカーボネートポリオールも含まれる。
前記(b)ポリカーボネートジオールと(a)有機ポリイソシアネート化合物との配合比は、塗膜性能の点からOH/NCO=1/0.5〜1/1.5(当量比)になる様に配合するのが好ましく、OH/NCO=1/0.8〜1/1.2(当量比) になる様に配合するのがより好ましい。OH1当量に対してNCOが0.5当量以上であることで、塗膜物性がより良好となる傾向があり、1.5当量以下であることで、硬化速度をより速くすることができ、また得られる塗膜の柔軟性がより優れる傾向にある。
<ポリウレタン粒子>
本実施形態の塗料用硬化性組成物では、得られる塗膜のソフト感をより高めるためにポリウレタン粒子を用いてもよい。このポリウレタン粒子としては、特に限定されないが、例えば、懸濁安定剤の存在下においてポリウレタンプレポリマーを水中に分散させた後重合し、洗浄、乾燥させて製造する方法(特開平1−185648号公報)、乳化剤の存在下に非水不活性液体中でポリウレタンを乳化重合する方法(特開平5−214054号公報、特開平7−97425号公報)、等で合成される球状のポリウレタン粒子が挙げられる。このポリウレタン粒子の合成において、2官能以下のイソシアネートウレタンプレポリマーを使用した場合は熱可塑性ウレタン粒子が得られ、2官能を超える末端イソシアネートウレタンプレポリマーを使用すると3次元架橋したウレタン粒子が得られる。本実施形態で使用するポリウレタン粒子としては、本塗料用硬化性組成物により得られる塗膜の、耐酸性、耐アルカリ性、耐アルコール性、耐油性、耐熱性、耐磨耗性を向上させるために、3次元架橋したウレタン粒子がより好適に用いられる。用いるポリウレタン粒子の平均粒子径は2〜20μmであることが好ましい。ポリウレタン粒子の平均粒子径が2μm以上であることで、得られる塗膜の光沢を抑制し、より高級感のある塗膜が得られる上、ソフト感もより向上する傾向があり好ましい。一方、ポリウレタン粒子の平均粒子径が20μm以下であることで、得られる塗膜の磨耗性がより向上し、また表面のソフト感もより向上する傾向があり好ましい。より好ましい平均粒子径は4〜15μm、さらに好ましくは5〜10μmである。
本実施形態の塗料用硬化性組成物におけるポリウレタン粒子の添加量は、塗料用硬化性組成物に含まれる全固形分の3〜30重量%であることが好ましい。ポリウレタン粒子の含有量が全固形分の30重量%以下であることで、得られる塗膜の耐磨耗性がより向上する傾向があり好ましい。より好ましいポリウレタン粒子の添加量は全固形分の5〜20重量%、さらに好ましくは全固形分の8〜15重量%である。
<その他の添加剤>
本実施形態の塗料用硬化性組成物には、各種用途に応じて硬化促進剤(触媒)、充填剤、難燃剤、染料、有機または無機顔料、離型剤、流動性調整剤、可塑剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、レベリング剤、着色剤、溶剤等を添加することができる。
硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、モノアミンであるトリエチルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、ジアミンであるテトラメチルエチレンジアミン、その他トリアミン、環状アミン、ジメチルエタノールアミンのようなアルコールアミン、エーテルアミン、金属触媒としては特に限定されないが、例えば、酢酸カリウム、2−エチルへキサン酸カリウム、酢酸カルシウム、オクチル酸鉛、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫、ビスマスネオデカノエート、ビスマスオキシカーボネート、ビスマス2-エチルヘキサノエート、オクチル酸亜鉛、亜鉛ネオデカノエート、ホスフィン、ホスホリン等、一般的に用いられるものが使用できる。
充填剤や顔料としては、特に限定されないが、例えば、織布、ガラス繊維、炭素繊維、ポリアミド繊維、雲母、カオリン、ベントナイト、金属粉、アゾ顔料、カーボンブラック、クレー、シリカ、タルク、石膏、アルミナ白、炭酸バリウム等一般的に用いられているものが使用できる。
離型剤や流動性調整剤、レベリング剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン、エアロジル、ワックス、ステアリン酸塩、BYK−331(BYKケミカル社製)のようなポリシロキサン等が用いられる。
本実施形態に用いられる添加剤としては少なくとも酸化防止剤、光安定剤および熱安定剤が用いられることが好ましい。これらの酸化防止剤としては特に限定されないが、例えば、燐酸、亜燐酸、の脂肪族、芳香族またはアルキル基置換芳香族エステルや次亜燐酸誘導体、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスホン酸、ポリホスホネート、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファイト、ジアルキルビスフェノールAジホスファイト等のリン化合物;フェノール系誘導体特にヒンダードフェノール化合物、チオエーテル系、ジチオ酸塩系、メルカプトベンズイミダゾール系、チオカルバニリド系、チオジプロピオン酸エステル等のイオウを含む化合物;スズマレート、ジブチルスズモノオキシド等のスズ系化合物を用いることができる。
これらは単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
<不活性有機溶剤>
本実施形態の塗料用硬化性組成物には、塗装時の作業性を調整するために、必要に応じて不活性有機溶剤を1〜90重量%含有することができる。不活性有機溶剤の含有量は、15〜75重量%であることがより好ましく、30〜60重量%であることがさらに好ましい。用いる不活性有機溶剤としては、特に限定されないが、実質的にポリイソシアネート化合物に対して不活性な有機溶媒であり且つ活性水素を有しないものであることが好ましい。その例としては、特に限定されないが、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石油エーテル、石油ベンジン、リグロイン、石油スピリット、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素類、トリクロロフルオロエタン、テトラクロロジフルオロエタン、パーフルオロエーテル等の弗素化油等の弗素系不活性液体、パーフルオロシクロヘキサン、パーフルオロブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロデカリン、パーフルオロ−n−ブチルアミン、パーフルオロポリエーテル、ジメチルポリシロキサン等の単独または混合物が挙げられる。さらには、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン等の単独または混合溶媒が挙げられる。
<塗装方法>
本実施形態の塗料用硬化性組成物の塗装方法としては、特に限定されないが、例えば、各々の成分を塗装直前に混合した後、スプレー、ロール、はけ等で基材に塗布する方法が用いられる。予め、硬化剤である(a)成分以外を混合しておき、塗布直前に(b)成分を添加し均一に混合した後、塗布する方法も可能である。
<用途>
本実施形態の塗料用硬化性組成物は、ソフトフィール塗料として、家電製品、OA製品、自動車内装部品、皮革の表面処理、合成皮革の表面処理、等に好ましく用いることができる。
以下実施例などを用いて、本実施形態を更に詳細に説明するが、本実施形態はこれらの例によって何ら限定されるものではない。以下の実施例および比較例における、分析方法および塗膜物性の評価は、以下の試験方法に従って実施した。
<試験方法>
1)ポリカーボネートジオールの数平均分子量
JIS K1557−1によって水酸基価を決定し、下記の数式(6)を用いて計算した。
数平均分子量=2/(OH価×10-3/56.1) (6)
2)ポリカーボネートジオールの1級末端OH比率
ポリカーボネートジオールにおける1級末端OH比率を以下のとおり決定した。まず、70g〜100gのポリカーボネートジオールを300mlのナスフラスコに測り取った。留分回収用のトラップ球を接続したロータリーエバポレーターを用いて、前記ナスフラスコ中のポリカーボネートジオールを、0.4kPa以下の圧力下、約180℃の加熱浴で加熱し、攪拌して、トラップ球に該ポリカーボネートジオールの約1〜2重量%に相当する留分、即ち約1g(0.7〜2g)の初期留分を得た。得られた留分を約100g(95〜105g)のエタノールに溶解させ溶液として回収した。回収した溶液をガスクロマトグラフィー分析(以下「GC分析」とも称す。)して、得られたクロマトグラフのピーク面積の値をから、下記式(5)によりポリカーボネートジオールにおける末端OH基割合を計算した。なお、GC分析は、カラムとしてDB−WAX(米国J&W社製)30m、膜厚0.25μmを付けたガスクロマトグラフィー6890(米国ヒューレット・パッカード製)を用い、検出器に水素炎イオン化検出器(FID)を用いて行った。カラムの昇温プロファイルは、60℃から10℃/minで250℃まで昇温した後、その温度で15分間保持するプロファイルとした。GC分析における各ピークの同定は、下記GC−MS装置を用いて行った。GC装置は、カラムとしてDB−WAX(米国J&W社製)を付けた6890(米国ヒューレット・パッカード製)を用いた。GC装置において、初期温度40℃から昇温速度10℃/minで220℃まで昇温した。MS装置は、Auto−massSUN(日本JEOL製)を用いた。MS装置において、イオン化電圧70eV、スキャン範囲m/z=10〜500、フォトマルゲイン450Vで測定を行った。
1級末端OH比率(%)=B÷A×100 (5)
A:ジオールを含むアルコール類(エタノールを除く)のピーク面積の総和
B:両末端が1級OH基であるジオールのピーク面積の総和
3)引張り破断強度および破断伸度
ガラス板上に塗料用硬化性組成物を塗布し、80℃で2時間加熱して膜厚40μmのフィルムを作成した。室温で24時間放置した後、このフィルムより、幅6.6mm、長さ60mmの試料を切り出した。23℃の恒温室において、Universal Testing Machine(Zwick Corp.製)を用いて、チャック間20mm、引張速度5mm/minで、上記試料フィルムの引張り破断強度(MPa)と破断時の伸度(%)とを測定した。なお、この試料フィルムは、(低温)柔軟性および耐油性を評価するためにも用いた。
4)柔軟性
上記3)に示す方法で試験を行い、50%伸張時(25mm伸張時)の応力(MPa)を測定した。応力が低いほど柔軟性が高いと評価した。
5)低温柔軟性
上記3)の引っ張り破断強度測定装置の測定部位に、低温恒温漕を取り付け、測定を−20℃で実施した。50%伸張時(25mm伸張時)の応力(MPa)を測定した。応力が低いほど低温柔軟性が良いと評価した。
6)耐油性
上記試料フィルムを23℃のオレイン酸中に1週間浸漬させた後の耐油性(膨潤率)を測定した。耐油性(膨潤率)は、下記の数式(7)を用いて求めた。
耐油性(%)=[(試験後の重量−試験前の重量)/試験前の重量]×100 (7)
7)膜表面硬度
塗料用硬化性組成物を、厚さ約2mmのポリカーボネート板上にアプリケーターで硬化後膜厚が約40μmとなるように塗装し、室温で24時間乾燥し塗膜を得た。得られた塗膜についてJIS K−5400に準拠し、鉛筆硬度を測定評価した。
8)硬化塗膜外観
上記7)と同様な操作で作成した塗膜の表面を目視にて観察した。オレンジピールのような細かい凹凸が顕著に見られたものを×(不良)、オレンジピールのような細かい凹凸が少し見られたものを△(やや不良)、オレンジピールのような細かい凹凸が認められないものを○(良)として判断した。
9)耐摩耗性
上記8)と同様の操作で得られた塗膜を、JIS K5600摩耗輪法に従い評価した(摩耗輪CS−10、重り500g、500回転)。試験での減少重量測定結果(mg)を示した。
10)ソフト感
塗膜板表面を手で触った時の感触によりソフト感を評価した。判定結果は以下の表記で表した。
○:良好なソフト感
△:比較的良好なソフト感
×:ソフトとは感じられない。
[ポリカーボネートジオールの重合例1]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに1,3−プロパンジオール(1,3−PDO)456.5g(6mol)、1,4−ブタンジオール(1,4−BDO)360.5g(4mol)、エチレンカーボネート1030g(11.7mol)を仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒としてチタンテトラブトキシド0.10gを加えた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、真空度1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12hr反応した。その後、精留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、真空度を0.5kPaまで落として、フラスコ内に残ったジオールとエチレンカーボネートとを除去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、生成するジオールを除去しながら、さらに4hr反応した。この反応により常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を、表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC1と称する。
[ポリカーボネートジオールの重合例2]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに1,3−プロパンジオール(1,3−PDO)456.5g(6mol)、1,4−ブタンジオール(1,4−BDO)360.5g(4mol)、ジメチルカーボネート1053.9g(11.7mol)を仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒としてチタンテトラブトキシド0.10gを加えた。
常圧下140〜150℃の温度で加熱・撹拌し、生成するメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、7時間反応させた。その後、反応温度を150℃〜190℃、圧力を10〜15kPaとして、生成するメタノールとジメチルカーボネートとの混合物を留去しながら3時間反応を行った。その後、0.5kPaまで徐々に減圧しながら、190℃で3時間反応させた。この反応により常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC2と称する。
[ポリカーボネートジオールの重合例3]
1,4-ブタンジオールの替わりに、1,5−ペンタンジオール(1,5−PDO)416.6g(4mol)とした以外はポリカーボネートジオールの重合例2に示す方法で反応を行った。この反応により常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC3と称する。
[ポリカーボネートジオールの重合例4]
1,4-ブタンジオールの替わりに、1,6−ヘキサンジオール(1,6−HDO)472.7g(4mol)とした以外はポリカーボネートジオールの重合例2に示す方法で反応を行った。この反応により常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC4と称する。
[ポリカーボネートジオールの重合例5]
1,3−プロパンジオール(1,3−PDO)の量を608.7g(8mol)、1,4−ブタンジオール(1,4−BDO)の量を180.2g(2mol)とした以外はポリカーボネートジオールの重合例2に示す方法で反応を行った。この反応により常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC5と称する。
[ポリカーボネートジオールの重合例6]
1,3−プロパンジオール(1,3−PDO)の量を228.2g(3mol)、1,4−ブタンジオール(1,4−BDO)の量を630.8g(7mol)とした以外はポリカーボネートジオールの重合例2に示す方法で反応を行った。この反応により常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC6と称する。
[ポリカーボネートジオールの重合例7]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置を備えた2Lのガラス製フラスコに1,3−プロパンジオール(1,3−PDO)456.5g(6mol)、1,4−ブタンジオール(1,4−BDO)360.5g(4mol)、ジメチルカーボネート1053.9g(11.7mol)を仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒としてチタンテトラブトキシド0.10gを加えた。
常圧下140〜150℃の温度で加熱・撹拌し、生成するメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、7時間反応させた。その後、反応温度を150℃〜190℃、圧力を10〜15kPaとして、生成するメタノールとジメチルカーネートの混合物を留去しながら3時間反応を行った。さらに190℃で1時間反応させ1,3−プロパンジオールを留去した。この反応により常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC7と称する。
[ポリカーボネートジオールの重合例8]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに1,3−プロパンジオール(1,3−PDO)456.5g(6mol)、1,4−ブタンジオール(1,4−BDO)360.5g(4mol)、エチレンカーボネート1030g(11.7mol)を仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒としてチタンテトラブトキシド0.10gを加えた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、真空度1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12hr反応した。その後、精留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、真空度を0.5kPaまで落として、フラスコ内に残ったジオールとエチレンカーボネートを除去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、生成するジオールを除去しながら、さらに4hr反応した。常圧にした後、1−ヘプタノール5.8g(0.05mol)を加え、フラスコの内温160〜165℃で3時間反応を行った。この反応により常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を、表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC8と称する。
[ポリカーボネートジオールの重合例9]
1−ヘプタノールの量を11.6g(0.1mol)にした以外は、ポリカーボネートジオールの重合例8に示す方法で反応を行った。この反応により常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC9と称する。
[ポリカーボネートジオールの重合例10]
1,4−シクロヘキサンジオール10.5g(0.09mol)を、原料に追加した以外は、ポリカーボネートジオールの重合例2に示す方法で反応を行った。この反応により常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC10と称する。
[ポリカーボネートジオールの重合例11]
1,3−プロパンジオール(1,3−PDO)の量を114.1g(1.5mol)、1,4−ブタンジオール(1,4−BDO)の量を766.0g(8.5mol)とした以外はポリカーボネートジオールの重合例2に示す方法で反応を行った。この反応により常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC11と称する。
[ポリカーボネートジオールの重合例12]
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに1,5−ペンタンジオール(1,5−PDO)385g(3.7mol)、1,6−ヘキサンジオール(1,6−HDO)385g(3.26mol)、ジメチルカーボネート1053.9g(11.7mol)を仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒としてチタンテトラブトキシド0.10gを加えた。
常圧下140〜150℃の温度で加熱・撹拌し、生成するメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、7時間反応させた。その後、反応温度を150℃〜190℃、圧力を10〜15kPaとして、生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートの混合物を留去しながら3時間反応を行った。その後、0.5kPaまで徐々に減圧しながら、190℃で3時間反応させた。この反応により、常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC12と称する。
Figure 2017078150
[実施例1]
常温にてポリカーボネートジオールPC1を200g、レベリング剤BYK−331(BYKケミカル社製)2.06g、ジブチル錫ジラウレート(Air Product社製)1.2g、およびシンナーとしてキシレン/酢酸ブチル(70/30)の混合溶媒356gを添加して拌機し塗料主剤を得た。これに硬化剤としてデュラネートTPA−100(旭化成ケミカルズ社製:ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート型硬化剤、NCO含量=23.1wt%、1分子中のイソシアネート基:3)を38.2g添加、混合して塗料用硬化性組成物を作製した。これをアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂板上に塗布した後、80℃で2時間加熱硬化させ膜厚み30〜40μmの塗膜を得た。その諸物性を表2に示した。また、同様の組成で各成分を混合した直後の粘度を常温にてE型粘度計で測定し、その後、経時的に常温にて粘度を測定し、混合直後の粘度の2倍になった時間をポットライフとした。結果を表2に示した。
[実施例2〜6]
実施例1のポリカーボネートジオールPC1の替わりにポリカーボネートジオール−PC2、PC3、PC4、PC5、PC6を用いた以外は、実施例1と同様の方法で塗料用硬化性組成物を作成した。その諸物性およびポットライフを表2に示した。
[実施例7]
実施例1のポリカーボネートジオールPC1の替わりにポリカーボネートジオール−PC7を用い硬化剤のデュラネートTPA−100の添加量を76.4gとした以外は実施例1と同様の方法で塗料用硬化性組成物を作成した。その諸物性およびポットライフを表2に示した。
[実施例8〜10、比較例1〜2]
実施例1のポリカーボネートジオールPC1の替わりにポリカーボネートジオールPC8〜12を用いた以外は、実施例1と同様の方法で塗料用硬化性組成物を作成した。その諸物性およびポットライフを表2に示した。
[実施例11]
ポリカーボネートジオール−PC1を200g、レベリング剤BYK−331(BYKケミカル社製)2.06g、ジブチル錫ジラウレート(Air Product社製)1.2g、ポリウレタン粒子(アートパール、C−800、平均粒子径=6μm、根上工業株式会社製)35gおよびシンナーとしてキシレン/酢酸ブチル(70/30)の混合溶媒356gを添加して拌機し塗料主剤を得た。これに硬化剤としてデュラネートTPA−100(旭化成ケミカルズ社製:ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート型硬化剤、NCO含量=23.1wt%、1分子中のイソシアネート基:3)を38.2g添加、混合して塗料用硬化性組成物を作製した。これをアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂板上に塗布した後、80℃で2時間加熱硬化させ膜厚み30〜40μmの塗膜を得た。その諸物性を表3に示した。
[実施例12〜16]
実施例11のポリカーボネートジオールPC1の替わりにポリカーボネートジオール−PC2、PC3、PC4、PC5、PC6用いた以外は、実施例11と同様の方法で塗料用硬化性組成物を作成した。その諸物性およびポットライフを表3に示した。
[実施例17]
実施例11のポリカーボネートジオールPC1の替わりにポリカーボネートジオール−PC7を用い硬化剤のデュラネートTPA−100の添加量を76.4gとした以外は実施例11と同様の方法で塗料用硬化性組成物を作成した。その諸物性を表3に示した。
[実施例18〜20、比較例3〜4]
実施例11のポリカーボネートジオールPC1の替わりにポリカーボネートジオールPC8〜PC12を用いた以外は、実施例11と同様の方法で塗料用硬化性組成物を作成した。その諸物性表3に示した。
Figure 2017078150
Figure 2017078150
本発明の塗料用硬化性組成物は、ソフトフィール塗料として、家電製品、OA製品、自動車内装部品、皮革の表面処理、合成皮革の表面処理、等に好ましく用いることができる。

Claims (4)

  1. 次の(a)および(b)を含有する塗料用硬化性組成物;(a)脂肪族および/または脂環族有機ジイソシアネート化合物から誘導された、1分子中にイソシアネート基を2.5以上有する有機ポリイソシアネート化合物、
    (b)下記式(1)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有するポリカーボネートジオールであって、式(1)で表される構造単位のうち、下記式(2)で表される構造単位を20モル%以上90モル%以下含む、ポリカーボネートジオール。
    Figure 2017078150
    (式中、R1は、炭素数2〜20の二価の脂肪族または脂環族炭化水素を表す。)
    Figure 2017078150
  2. 前記(b)ポリカーボネートジオールの1級末端水酸基(OH)比率が95%以上99.5%以下であり、前記(b)ポリカーボネートジオールの数平均分子量が300〜5000である、請求項1に記載の塗料用硬化性組成物。
  3. 平均粒子径が2〜20μmのポリウレタン粒子を、全固形分中に3〜30重量%含む、請求項1または2に記載の塗料用硬化性組成物。
  4. 不活性有機溶剤を1〜90重量%含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗料用硬化性組成物。
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