JP2017078150A - 塗料用硬化性組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
次の(a)および(b)を含有する塗料用硬化性組成物;(a)脂肪族および/または脂環族有機ジイソシアネート化合物から誘導された、1分子中にイソシアネート基を2.5以上有する有機ポリイソシアネート化合物、
(b)下記式(1)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有するポリカーボネートジオールであって、式(1)で表される構造単位のうち、下記式(2)で表される構造単位を20モル%以上90モル%以下含む、ポリカーボネートジオール。
前記(b)ポリカーボネートジオールの1級末端水酸基(OH)比率が95%以上99.5%以下であり、前記(b)ポリカーボネートジオールの数平均分子量が300〜5000である、[1]に記載の塗料用硬化性組成物。
平均粒子径が2〜20μmのポリウレタン粒子を、全固形分中に3〜30重量%含む、[1]または[2]に記載の塗料用硬化性組成物。
不活性有機溶剤を1〜90重量%含む、[1]〜[3]のいずれかに記載の塗料用硬化性組成物。
本実施形態の塗料用硬化性組成物は、次の(a)および(b)を含有する。
(a)脂肪族および/または脂環族有機ジイソシアネート化合物から誘導された、1分子中にイソシアネート基を2.5以上有する有機ポリイソシアネート化合物。
(b)下記式(1)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有するポリカーボネートジオールであって、式(1)で表される構造単位のうち、下記式(2)で表される構造単位を20モル%以上90モル%以下含むポリカーボネートジオール。
本実施形態で用いる(a)有機ポリイソシアネート化合物としては、特に耐候性の点から、脂肪族および/または脂環族有機ジイソシアネート化合物から誘導されたポリイソシアネート類であることが好ましく、具体的には、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)等の脂肪族または脂環族ジイソシアネートから誘導されたポリイソシアネートが挙げられる。更には、これらのポリイソシアネートを、例えば、ブタノール、2−エチルヘキサノール等の低級アルコール、メチルエチルケトンオキシム、ラクタム類、フェノール類、イミダゾール類、活性メチレン化合物など公知のブロック剤でブロックした、いわゆるブロックドイソシアネート系硬化剤を用いることもできる。これらポリイソシアネート化合物としては、特に限定されないが、例えば、スミジュール44S、44V70(いずれも住化バイエルウレタン製)、トリレンジイソシアネート(TDI)とHDIとのコポリマーであるディスモジュールHL(住化バイエルウレタン製)、旭化成ケミカルズ製の各種デュラネート、すなわちデュラネート24A−100、デュラネート22A−75PX、デュラネート18H−70B、デュラネート21S−75E、デュラネートTHA−100、デュラネートTPA−100、デュラネートMFA−75X、デュラネートTSA−100、デュラネートTSS−100、デュラネートTSE−100、デュラネートD−101、デュラネートD−201、デュラネートP−301−75E、デュラネートE−402−90T、デュラネートE−402−90T、デュラネートE−405−80T、デュラネートME20−100、デュラネート17B−60PX、デュラネートTPA−B80X、デュラネートMF−B60X、デュラネートE−402−B80T、デュラネートME20−B80S、デュラネートWB40−100、デュラネートWB40−80D、デュラネートWT20−100、デュラネートWT30−100等として入手可能である。硬化塗膜の耐酸性、耐アルカリ性、耐アルコール性、耐油性、耐磨耗性、耐傷付き性を向上させる観点から、(a)有機ポリイソシアネート化合物が、1分子中に2.5以上のイソシアネート基かつ/またはブロックドイソシアネート基を有することが好ましく、具体的にはビウレット、アロファネート、ウレトジオン、イソシアヌレート等のジイソシアネート誘導体、および多価アルコールアダクト型がより好ましい。
本実施形態の塗料用硬化性組成物に用いる(b)ポリカーボネートジオールは、上記式(1)で表される繰り返し単位と末端ヒドロキシル基とを有し、式(1)で表される構造単位のうち、上記式(2)で表される構造単位を20モル%以上90モル%以下含み、好ましくは、30モル%以上80モル%以下、より好ましくは40モル%以上70モル%以下である。
A:ジオールを含むアルコール類(エタノールを除く)のピーク面積の総和
B:両末端が1級OH基であるジオールのピーク面積の総和
1級末端OH比率は、ポリカーボネートジオールの全末端基に占める1級OH基の比率である。即ち、上記に示すように、ポリカーボネートジオールを0.4kPa以下の圧力下、160℃〜200℃の温度に加熱すると、ポリカーボネートジオールの末端部分がアルコール類として外れて蒸発し、留分として得られることにより求めることができる。
本実施形態の塗料用硬化性組成物では、得られる塗膜のソフト感をより高めるためにポリウレタン粒子を用いてもよい。このポリウレタン粒子としては、特に限定されないが、例えば、懸濁安定剤の存在下においてポリウレタンプレポリマーを水中に分散させた後重合し、洗浄、乾燥させて製造する方法(特開平1−185648号公報)、乳化剤の存在下に非水不活性液体中でポリウレタンを乳化重合する方法(特開平5−214054号公報、特開平7−97425号公報)、等で合成される球状のポリウレタン粒子が挙げられる。このポリウレタン粒子の合成において、2官能以下のイソシアネートウレタンプレポリマーを使用した場合は熱可塑性ウレタン粒子が得られ、2官能を超える末端イソシアネートウレタンプレポリマーを使用すると3次元架橋したウレタン粒子が得られる。本実施形態で使用するポリウレタン粒子としては、本塗料用硬化性組成物により得られる塗膜の、耐酸性、耐アルカリ性、耐アルコール性、耐油性、耐熱性、耐磨耗性を向上させるために、3次元架橋したウレタン粒子がより好適に用いられる。用いるポリウレタン粒子の平均粒子径は2〜20μmであることが好ましい。ポリウレタン粒子の平均粒子径が2μm以上であることで、得られる塗膜の光沢を抑制し、より高級感のある塗膜が得られる上、ソフト感もより向上する傾向があり好ましい。一方、ポリウレタン粒子の平均粒子径が20μm以下であることで、得られる塗膜の磨耗性がより向上し、また表面のソフト感もより向上する傾向があり好ましい。より好ましい平均粒子径は4〜15μm、さらに好ましくは5〜10μmである。
本実施形態の塗料用硬化性組成物には、各種用途に応じて硬化促進剤(触媒)、充填剤、難燃剤、染料、有機または無機顔料、離型剤、流動性調整剤、可塑剤、抗酸化剤、紫外線吸収剤、光安定剤、消泡剤、レベリング剤、着色剤、溶剤等を添加することができる。
本実施形態の塗料用硬化性組成物には、塗装時の作業性を調整するために、必要に応じて不活性有機溶剤を1〜90重量%含有することができる。不活性有機溶剤の含有量は、15〜75重量%であることがより好ましく、30〜60重量%であることがさらに好ましい。用いる不活性有機溶剤としては、特に限定されないが、実質的にポリイソシアネート化合物に対して不活性な有機溶媒であり且つ活性水素を有しないものであることが好ましい。その例としては、特に限定されないが、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石油エーテル、石油ベンジン、リグロイン、石油スピリット、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素類、トリクロロフルオロエタン、テトラクロロジフルオロエタン、パーフルオロエーテル等の弗素化油等の弗素系不活性液体、パーフルオロシクロヘキサン、パーフルオロブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロデカリン、パーフルオロ−n−ブチルアミン、パーフルオロポリエーテル、ジメチルポリシロキサン等の単独または混合物が挙げられる。さらには、メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン等の単独または混合溶媒が挙げられる。
本実施形態の塗料用硬化性組成物の塗装方法としては、特に限定されないが、例えば、各々の成分を塗装直前に混合した後、スプレー、ロール、はけ等で基材に塗布する方法が用いられる。予め、硬化剤である(a)成分以外を混合しておき、塗布直前に(b)成分を添加し均一に混合した後、塗布する方法も可能である。
本実施形態の塗料用硬化性組成物は、ソフトフィール塗料として、家電製品、OA製品、自動車内装部品、皮革の表面処理、合成皮革の表面処理、等に好ましく用いることができる。
1)ポリカーボネートジオールの数平均分子量
JIS K1557−1によって水酸基価を決定し、下記の数式(6)を用いて計算した。
2)ポリカーボネートジオールの1級末端OH比率
ポリカーボネートジオールにおける1級末端OH比率を以下のとおり決定した。まず、70g〜100gのポリカーボネートジオールを300mlのナスフラスコに測り取った。留分回収用のトラップ球を接続したロータリーエバポレーターを用いて、前記ナスフラスコ中のポリカーボネートジオールを、0.4kPa以下の圧力下、約180℃の加熱浴で加熱し、攪拌して、トラップ球に該ポリカーボネートジオールの約1〜2重量%に相当する留分、即ち約1g(0.7〜2g)の初期留分を得た。得られた留分を約100g(95〜105g)のエタノールに溶解させ溶液として回収した。回収した溶液をガスクロマトグラフィー分析(以下「GC分析」とも称す。)して、得られたクロマトグラフのピーク面積の値をから、下記式(5)によりポリカーボネートジオールにおける末端OH基割合を計算した。なお、GC分析は、カラムとしてDB−WAX(米国J&W社製)30m、膜厚0.25μmを付けたガスクロマトグラフィー6890(米国ヒューレット・パッカード製)を用い、検出器に水素炎イオン化検出器(FID)を用いて行った。カラムの昇温プロファイルは、60℃から10℃/minで250℃まで昇温した後、その温度で15分間保持するプロファイルとした。GC分析における各ピークの同定は、下記GC−MS装置を用いて行った。GC装置は、カラムとしてDB−WAX(米国J&W社製)を付けた6890(米国ヒューレット・パッカード製)を用いた。GC装置において、初期温度40℃から昇温速度10℃/minで220℃まで昇温した。MS装置は、Auto−massSUN(日本JEOL製)を用いた。MS装置において、イオン化電圧70eV、スキャン範囲m/z=10〜500、フォトマルゲイン450Vで測定を行った。
A:ジオールを含むアルコール類(エタノールを除く)のピーク面積の総和
B:両末端が1級OH基であるジオールのピーク面積の総和
3)引張り破断強度および破断伸度
ガラス板上に塗料用硬化性組成物を塗布し、80℃で2時間加熱して膜厚40μmのフィルムを作成した。室温で24時間放置した後、このフィルムより、幅6.6mm、長さ60mmの試料を切り出した。23℃の恒温室において、Universal Testing Machine(Zwick Corp.製)を用いて、チャック間20mm、引張速度5mm/minで、上記試料フィルムの引張り破断強度(MPa)と破断時の伸度(%)とを測定した。なお、この試料フィルムは、(低温)柔軟性および耐油性を評価するためにも用いた。
上記3)に示す方法で試験を行い、50%伸張時(25mm伸張時)の応力(MPa)を測定した。応力が低いほど柔軟性が高いと評価した。
上記3)の引っ張り破断強度測定装置の測定部位に、低温恒温漕を取り付け、測定を−20℃で実施した。50%伸張時(25mm伸張時)の応力(MPa)を測定した。応力が低いほど低温柔軟性が良いと評価した。
上記試料フィルムを23℃のオレイン酸中に1週間浸漬させた後の耐油性(膨潤率)を測定した。耐油性(膨潤率)は、下記の数式(7)を用いて求めた。
7)膜表面硬度
塗料用硬化性組成物を、厚さ約2mmのポリカーボネート板上にアプリケーターで硬化後膜厚が約40μmとなるように塗装し、室温で24時間乾燥し塗膜を得た。得られた塗膜についてJIS K−5400に準拠し、鉛筆硬度を測定評価した。
上記7)と同様な操作で作成した塗膜の表面を目視にて観察した。オレンジピールのような細かい凹凸が顕著に見られたものを×(不良)、オレンジピールのような細かい凹凸が少し見られたものを△(やや不良)、オレンジピールのような細かい凹凸が認められないものを○(良)として判断した。
上記8)と同様の操作で得られた塗膜を、JIS K5600摩耗輪法に従い評価した(摩耗輪CS−10、重り500g、500回転)。試験での減少重量測定結果(mg)を示した。
塗膜板表面を手で触った時の感触によりソフト感を評価した。判定結果は以下の表記で表した。
△:比較的良好なソフト感
×:ソフトとは感じられない。
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに1,3−プロパンジオール(1,3−PDO)456.5g(6mol)、1,4−ブタンジオール(1,4−BDO)360.5g(4mol)、エチレンカーボネート1030g(11.7mol)を仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒としてチタンテトラブトキシド0.10gを加えた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、真空度1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12hr反応した。その後、精留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、真空度を0.5kPaまで落として、フラスコ内に残ったジオールとエチレンカーボネートとを除去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、生成するジオールを除去しながら、さらに4hr反応した。この反応により常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を、表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC1と称する。
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに1,3−プロパンジオール(1,3−PDO)456.5g(6mol)、1,4−ブタンジオール(1,4−BDO)360.5g(4mol)、ジメチルカーボネート1053.9g(11.7mol)を仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒としてチタンテトラブトキシド0.10gを加えた。
常圧下140〜150℃の温度で加熱・撹拌し、生成するメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、7時間反応させた。その後、反応温度を150℃〜190℃、圧力を10〜15kPaとして、生成するメタノールとジメチルカーボネートとの混合物を留去しながら3時間反応を行った。その後、0.5kPaまで徐々に減圧しながら、190℃で3時間反応させた。この反応により常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC2と称する。
1,4-ブタンジオールの替わりに、1,5−ペンタンジオール(1,5−PDO)416.6g(4mol)とした以外はポリカーボネートジオールの重合例2に示す方法で反応を行った。この反応により常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC3と称する。
1,4-ブタンジオールの替わりに、1,6−ヘキサンジオール(1,6−HDO)472.7g(4mol)とした以外はポリカーボネートジオールの重合例2に示す方法で反応を行った。この反応により常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC4と称する。
1,3−プロパンジオール(1,3−PDO)の量を608.7g(8mol)、1,4−ブタンジオール(1,4−BDO)の量を180.2g(2mol)とした以外はポリカーボネートジオールの重合例2に示す方法で反応を行った。この反応により常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC5と称する。
1,3−プロパンジオール(1,3−PDO)の量を228.2g(3mol)、1,4−ブタンジオール(1,4−BDO)の量を630.8g(7mol)とした以外はポリカーボネートジオールの重合例2に示す方法で反応を行った。この反応により常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC6と称する。
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置を備えた2Lのガラス製フラスコに1,3−プロパンジオール(1,3−PDO)456.5g(6mol)、1,4−ブタンジオール(1,4−BDO)360.5g(4mol)、ジメチルカーボネート1053.9g(11.7mol)を仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒としてチタンテトラブトキシド0.10gを加えた。
常圧下140〜150℃の温度で加熱・撹拌し、生成するメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、7時間反応させた。その後、反応温度を150℃〜190℃、圧力を10〜15kPaとして、生成するメタノールとジメチルカーネートの混合物を留去しながら3時間反応を行った。さらに190℃で1時間反応させ1,3−プロパンジオールを留去した。この反応により常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC7と称する。
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに1,3−プロパンジオール(1,3−PDO)456.5g(6mol)、1,4−ブタンジオール(1,4−BDO)360.5g(4mol)、エチレンカーボネート1030g(11.7mol)を仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒としてチタンテトラブトキシド0.10gを加えた。175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140℃、真空度1.0〜1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、12hr反応した。その後、精留塔を単蒸留装置に取り替え、180℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温140〜150℃、真空度を0.5kPaまで落として、フラスコ内に残ったジオールとエチレンカーボネートを除去した。その後、オイルバスの設定を185℃に上げ、フラスコの内温160〜165℃で、生成するジオールを除去しながら、さらに4hr反応した。常圧にした後、1−ヘプタノール5.8g(0.05mol)を加え、フラスコの内温160〜165℃で3時間反応を行った。この反応により常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を、表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC8と称する。
1−ヘプタノールの量を11.6g(0.1mol)にした以外は、ポリカーボネートジオールの重合例8に示す方法で反応を行った。この反応により常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC9と称する。
[ポリカーボネートジオールの重合例10]
1,4−シクロヘキサンジオール10.5g(0.09mol)を、原料に追加した以外は、ポリカーボネートジオールの重合例2に示す方法で反応を行った。この反応により常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC10と称する。
1,3−プロパンジオール(1,3−PDO)の量を114.1g(1.5mol)、1,4−ブタンジオール(1,4−BDO)の量を766.0g(8.5mol)とした以外はポリカーボネートジオールの重合例2に示す方法で反応を行った。この反応により常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC11と称する。
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに1,5−ペンタンジオール(1,5−PDO)385g(3.7mol)、1,6−ヘキサンジオール(1,6−HDO)385g(3.26mol)、ジメチルカーボネート1053.9g(11.7mol)を仕込み、70℃で撹拌溶解したあと、触媒としてチタンテトラブトキシド0.10gを加えた。
常圧下140〜150℃の温度で加熱・撹拌し、生成するメタノールとジメチルカーボネートの混合物を留去しながら、7時間反応させた。その後、反応温度を150℃〜190℃、圧力を10〜15kPaとして、生成するエチレングリコールとエチレンカーボネートの混合物を留去しながら3時間反応を行った。その後、0.5kPaまで徐々に減圧しながら、190℃で3時間反応させた。この反応により、常温で粘調な液体が得られた。得られたポリカーボネートジオールを分析した結果を表1に示す。該ポリカーボネートジオールをPC12と称する。
常温にてポリカーボネートジオールPC1を200g、レベリング剤BYK−331(BYKケミカル社製)2.06g、ジブチル錫ジラウレート(Air Product社製)1.2g、およびシンナーとしてキシレン/酢酸ブチル(70/30)の混合溶媒356gを添加して拌機し塗料主剤を得た。これに硬化剤としてデュラネートTPA−100(旭化成ケミカルズ社製:ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート型硬化剤、NCO含量=23.1wt%、1分子中のイソシアネート基:3)を38.2g添加、混合して塗料用硬化性組成物を作製した。これをアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂板上に塗布した後、80℃で2時間加熱硬化させ膜厚み30〜40μmの塗膜を得た。その諸物性を表2に示した。また、同様の組成で各成分を混合した直後の粘度を常温にてE型粘度計で測定し、その後、経時的に常温にて粘度を測定し、混合直後の粘度の2倍になった時間をポットライフとした。結果を表2に示した。
実施例1のポリカーボネートジオールPC1の替わりにポリカーボネートジオール−PC2、PC3、PC4、PC5、PC6を用いた以外は、実施例1と同様の方法で塗料用硬化性組成物を作成した。その諸物性およびポットライフを表2に示した。
実施例1のポリカーボネートジオールPC1の替わりにポリカーボネートジオール−PC7を用い硬化剤のデュラネートTPA−100の添加量を76.4gとした以外は実施例1と同様の方法で塗料用硬化性組成物を作成した。その諸物性およびポットライフを表2に示した。
実施例1のポリカーボネートジオールPC1の替わりにポリカーボネートジオールPC8〜12を用いた以外は、実施例1と同様の方法で塗料用硬化性組成物を作成した。その諸物性およびポットライフを表2に示した。
ポリカーボネートジオール−PC1を200g、レベリング剤BYK−331(BYKケミカル社製)2.06g、ジブチル錫ジラウレート(Air Product社製)1.2g、ポリウレタン粒子(アートパール、C−800、平均粒子径=6μm、根上工業株式会社製)35gおよびシンナーとしてキシレン/酢酸ブチル(70/30)の混合溶媒356gを添加して拌機し塗料主剤を得た。これに硬化剤としてデュラネートTPA−100(旭化成ケミカルズ社製:ヘキサメチレンジイソシアネート系イソシアヌレート型硬化剤、NCO含量=23.1wt%、1分子中のイソシアネート基:3)を38.2g添加、混合して塗料用硬化性組成物を作製した。これをアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)樹脂板上に塗布した後、80℃で2時間加熱硬化させ膜厚み30〜40μmの塗膜を得た。その諸物性を表3に示した。
実施例11のポリカーボネートジオールPC1の替わりにポリカーボネートジオール−PC2、PC3、PC4、PC5、PC6用いた以外は、実施例11と同様の方法で塗料用硬化性組成物を作成した。その諸物性およびポットライフを表3に示した。
実施例11のポリカーボネートジオールPC1の替わりにポリカーボネートジオール−PC7を用い硬化剤のデュラネートTPA−100の添加量を76.4gとした以外は実施例11と同様の方法で塗料用硬化性組成物を作成した。その諸物性を表3に示した。
実施例11のポリカーボネートジオールPC1の替わりにポリカーボネートジオールPC8〜PC12を用いた以外は、実施例11と同様の方法で塗料用硬化性組成物を作成した。その諸物性表3に示した。
Claims (4)
- 前記(b)ポリカーボネートジオールの1級末端水酸基(OH)比率が95%以上99.5%以下であり、前記(b)ポリカーボネートジオールの数平均分子量が300〜5000である、請求項1に記載の塗料用硬化性組成物。
- 平均粒子径が2〜20μmのポリウレタン粒子を、全固形分中に3〜30重量%含む、請求項1または2に記載の塗料用硬化性組成物。
- 不活性有機溶剤を1〜90重量%含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の塗料用硬化性組成物。
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