JP2013151666A - ポリウレタン樹脂 - Google Patents

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渉史 藤村
Yosuke Matsui
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【課題】 得られる皮膜の耐水性、強度及び耐候性に優れるポリウレタン樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 少なくとも活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)とから形成され、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格とアルコキシシリル基及び/又はシラノール基とを有することを特徴とするポリウレタン樹脂(U1);少なくとも活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)とから形成され、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格とアミノ基又はカルボキシル基及び/若しくはその塩とを有するポリウレタン樹脂(U2)と、グリシジルエーテル基並びにアルコキシシリル基及び/又はシラノール基を有する化合物(X)とを含有すること特徴とするポリウレタン樹脂組成物(UC)。
【選択図】なし

Description

本発明は、皮膜の耐水性、強度及び耐候性に優れるポリウレタン樹脂及びポリウレタン樹脂組成物に関する。
ポリウレタン樹脂は、その優れた耐久性、耐薬品性及び耐磨耗性等の性能から、塗料、接着剤、バインダー及びコーティング剤分野等に使用されている。近年、前記材料の使用年数の長期化に伴い、樹脂の高強度化や耐水性を向上させることによる高耐久化が求められている。樹脂の強度を向上させる手段としては、例えば特許文献1のように塗料に架橋剤としてカルボジイミドを添加することで塗膜形成時に架橋させる方法や、特許文献2のようにブロックイソシアネートを併用することで塗膜焼付け時に高分子量化させる方法がある。しかしながら、特許文献1に記載の方法では皮膜強度は強くなるものの、耐水性が劣るという問題がある。また、特許文献2に記載の方法では、塗膜強度及び耐水性は向上するが、ブロックイソシアネートが解離することにより発生した低分子量体が皮膜の耐候性を悪化させるといった問題がある。
特開2008−63442 特開平9−157588
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、得られる皮膜の耐水性、強度及び耐候性に優れるポリウレタン樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。即ち本発明は、少なくとも活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)とから形成され、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格と、アルコキシシリル基及び/又はシラノール基とを有することを特徴とするポリウレタン樹脂(U1);少なくとも活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)とから形成され、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格と、アミノ基又はカルボキシル基及び/若しくはその塩とを有するポリウレタン樹脂(U2)と、グリシジルエーテル基並びにアルコキシシリル基及び/又はシラノール基を有する化合物(X)とを含有すること特徴とするポリウレタン樹脂組成物(UC);前記ポリウレタン樹脂(U1)が水に分散されてなるポリウレタン樹脂水分散体;前記ポリウレタン樹脂組成物(UC)及び水を含有してなり、少なくとも前記ポリウレタン樹脂(U2)が水に分散されてなるポリウレタン樹脂水分散体;である。
本発明のポリウレタン樹脂(U1)及びポリウレタン樹脂組成物(UC)は、得られる皮膜の耐水性、強度及び耐候性に優れる。
本発明のポリウレタン樹脂(U1)は、少なくとも活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)とから形成され、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格と、アルコキシシリル基及び/又はシラノール基を有する。ポリウレタン樹脂が脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格を有することにより、結晶性が高く、耐水性、強度及び耐候性を向上させることができる。また、アルコキシシリル基及び/又はシラノール基を有することにより、加熱等により、アルコキシシリル基及び/又はシラノール基が架橋して架橋構造が形成され、耐水性、強度及び耐候性に優れた皮膜が得られる。
このようなポリウレタン樹脂(U1)は、例えば、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)を含有する活性水素成分(A)及び有機イソシアネート成分(B)を反応させた後に、後述のグリシジルエーテル基並びにアルコキシシリル基及び/又はシラノール基を有する化合物(X)又は、アミノ基並びにアルコキシシリル基及び/又はシラノール基を有する化合物(Y)を用いてポリウレタン樹脂中にアルコキシシリル基及び/又はシラノール基を導入することで製造することができる。
以下において、「ポリウレタン樹脂(U1)」等の化合物名等に記号を付したものを単に「(U1)」等の記号のみで表す場合がある。
脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)としては、炭素数6〜20の脂環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコール又はこれらと炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコール(好ましくは炭素数6〜10、更に好ましくは炭素数6〜9のアルキレン基を有するアルキレンジオール)の1種又は2種以上の混合物を、低分子カーボネート化合物(例えば、アルキル基の炭素数1〜6のジアルキルカーボネート、炭素数2〜6のアルキレン基を有するアルキレンカーボネート及び炭素数6〜9のアリール基を有するジアリールカーボネート等)と脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
炭素数6〜20の脂環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコールとしては、1,2−シクロブタンジオール、2,2,4,4,−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,2−又は1,3−シクロペンタンジオール、3−メチル−1,2−シクロペンタンジオール、1,2−、1,3−又は1,4−シクロヘキサンジオール、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジオール、1,2−、1,3−又は1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,1’−ビシクロヘキサン−1,1’−ジオール、1,1’−ビシクロヘキサン−2,2’−ジオール、1,1’−ビシクロヘキサン−4,4’−ジオール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、1,2−又は1,3−シクロヘプタンジオール及び1,2−、1,4−又は1,5−シクロオクタンジオール等が挙げられる。これらの内、得られる皮膜の耐水性、強度及び耐候性の観点から好ましいのは1,4−シクロヘキサンジオール及びシクロヘキサンジメタノールであり、更に好ましいのは1,4−シクロヘキサンジメタノールである。
炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコールとしては、エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−、1,3−、2,3−又は1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、1,2−、1,4−、1,5−又は2,4−ペンタンジオール、2−又は3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−又は3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−、1,5−、1,6−又は2,5−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−又は3−メチル−1,6−ヘキサンジオール、2−、3−又は4−メチル−1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−、3−又は4−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、炭素数6〜12のトリアルカノールアミン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、トリグリセリン、ジペンタエリスリトール、ソルビトール及びマンニトール等が挙げられる。これらの内、得られる皮膜の耐水性、強度及び耐候性の観点から好ましいのは炭素数3〜6の直鎖のジオール(1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオール)である。
脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)の内、得られる皮膜の耐水性、強度及び耐候性の観点から好ましいのは、前記炭素数6〜20の脂環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコール及び必要により使用される炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコールとして2価のアルコールを用いたポリカーボネートジオールである。
(a1)が有する脂環式炭化水素基は、皮膜の耐水性、強度及び耐候性の観点から4員環〜10員環の脂環式炭化水素基であることが好ましく、更に好ましくは脂環式6員環の炭化水素基である。
(a1)の数平均分子量(以下、Mnと略記)の範囲は、得られる皮膜の耐水性及び強度の観点から、好ましくは500〜5,000、更に好ましくは600〜3,000、特に好ましくは750〜2,000である。
尚、本発明におけるMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーを用いて、例えば以下の条件で測定することができる。
装置:「HLC−8120GPC」[東ソー(株)製]
カラム:「Guardcolumn HXL−H」(1本)、「TSKgel GMHXL」(2本)[いずれも東ソー(株)製]
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン
ポリウレタン樹脂(U1)中における脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)に由来の脂環式炭化水素基の含有量は、得られる皮膜の耐水性、強度及び耐候性の観点から、活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の合計重量に対して1〜30重量%であることが好ましく、更に好ましくは5〜25重量%、特に好ましくは10〜20重量%である。
脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)以外の活性水素成分(A)としては、従来からポリウレタンの製造に使用されているものが使用できる。例えば、(a1)以外のMnが500以上の高分子ポリオール(a2)、カルボキシル基含有ポリオール及びその塩(a3)、鎖伸長剤(a4)並びに反応停止剤(a5)等を用いることができる。
(a1)以外のMnが500以上の高分子ポリオール(a2)としては、従来からポリウレタンの製造に使用されている高分子ポリオールが使用でき、例えばポリエステルポリオール(a21)及びポリエーテルポリオール(a22)等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(a21)としては、脂環式炭化水素基を有しない脂肪族ポリカーボネートポリオール(a211)、脱水縮合型ポリエステルポリオール(a212)及びポリラクトンポリオール(a213)等が挙げられる。
脂環式炭化水素基を有しない脂肪族ポリカーボネートポリオール(a211)としては、前記炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコール又はこれらの2種以上の混合物を、低分子カーボネート化合物(例えば、アルキル基の炭素数1〜6のジアルキルカーボネート、炭素数2〜6のアルキレン基を有するアルキレンカーボネート及び炭素数6〜9のアリール基を有するジアリールカーボネート等)と脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
脂環式炭化水素基を有しない脂肪族ポリカーボネートポリオール(a211)の具体例としては、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオール及びポリ(テトラメチレン/ヘキサメチレン)カーボネートジオール(例えば1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールをジアルキルカーボネートと脱アルコール反応させながら縮合させて得られるジオール)等が挙げられる。
脱水縮合型ポリエステルポリオール(a212)としては、前記炭素数6〜20の脂環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコール及び/又は前記炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコールと炭素数2〜10の多価カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体とから形成されるポリエステルポリオール等が挙げられる。
脱水縮合型ポリエステルポリオール(a212)に使用できる炭素数2〜10の多価カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体としては、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フマル酸及びマレイン酸等)、脂環式ジカルボン酸(ダイマー酸等)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸及びフタル酸等)、3価又はそれ以上のポリカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等)、これらの無水物(無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸及び無水トリメリット酸等)、これらの酸ハロゲン化物(アジピン酸ジクロライド等)、これらの低分子量アルキルエステル(コハク酸ジメチル及びフタル酸ジメチル等)及びこれらの混合物が挙げられる。
脱水縮合型ポリエステルポリオール(a212)の具体例としては、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートジオール、ポリネオペンチレンアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリジエチレンアジペートジオール、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートジオール、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール、ポリブチレンセバケートジオール及びポリネオペンチレンテレフタレートジオール等が挙げられる。
ポリラクトンポリオール(a213)としては、前記炭素数6〜20の脂環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコール及び/又は前記炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコールへのラクトンの重付加物等が挙げられ、用いられるラクトンとしては、炭素数4〜12のラクトン(例えばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン及びε−カプロラクトン)等が挙げられる。
ポリラクトンポリオール(a213)の具体例としては、例えばポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール及びポリカプロラクトントリオール等が挙げられる。
ポリエーテルポリオール(a22)としては、脂肪族ポリエーテルポリオール(a221)及び芳香族ポリエーテルポリオール(a222)が挙げられる。
脂肪族ポリエーテルポリオール(a221)としては、例えばポリオキシエチレンポリオール[ポリエチレングリコール等]、ポリオキシプロピレンポリオール[ポリプロピレングリコール等]、ポリオキシエチレン/プロピレンポリオール及びポリオキシテトラメチレングリコール等が挙げられる。
芳香族ポリエーテルポリオール(a222)としては、例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド(以下、EOと略記)付加物[ビスフェノールAのEO2モル付加物、ビスフェノールAのEO4モル付加物、ビスフェノールAのEO6モル付加物、ビスフェノールAのEO8モル付加物、ビスフェノールAのEO10モル付加物及びビスフェノールAのEO20モル付加物等]及びビスフェノールAのプロピレンオキサイド(以下、POと略記)付加物[ビスフェノールAのPO2モル付加物、ビスフェノールAのPO3モル付加物、ビスフェノールAのPO5モル付加物等]等のビスフェノール骨格を有するポリオール並びにレゾルシンのEO又はPO付加物等が挙げられる。
(a2)のMnは、得られる皮膜の耐水性及び強度の観点から、好ましくは500〜5,000、更に好ましくは600〜4,000、特に好ましくは700〜3,000である。
(a2)の内、得られる皮膜の耐水性及び強度の観点から好ましいのは脂環式炭化水素基を有しない脂肪族ポリカーボネートポリオール(a211)であり、更に好ましいのは炭素数3〜6の直鎖ジオール(1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオール)又はこれらの2種以上の混合物を前記低分子カーボネート化合物と脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートポリオールである。
カルボキシル基含有ポリオール及びその塩(a3)としては、炭素数6〜24のジアルキロールアルカン酸[例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸(以下、DMPAと略記)、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸及び2,2−ジメチロールオクタン酸]等及びこれらの塩が挙げられる。かかる塩の種類としては、例えばアンモニウム塩、アミン塩[炭素数1〜12の1級アミン(1級モノアミン、例えばメチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン及びオクチルアミン)塩、2級モノアミン(例えばジメチルアミン、ジエチルアミン及びジブチルミン)塩及び3級モノアミン(例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン及びN,N−ジメチルエタノールアミン等の脂肪族3級モノアミン)塩等]が挙げられ、これらの2種以上の併用も可能である。
前記塩はポリウレタン樹脂(U1)を後述の水分散体として製造する場合に特に好ましく用いられ、前記塩のうち、得られる皮膜の耐水性及びウレタン樹脂水分散体の安定性の観点から好ましいのは、前記塩を構成する塩基性化合物の常圧における沸点が−40℃〜150℃のものであり、具体的には、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩及びN,N−ジメチルエタノールアミン塩等である。
塩の内、得られる皮膜の耐水性及びポリウレタン樹脂水分散体の安定性の観点から好ましいのは、塩の形成に用いる中和剤の常圧における沸点が−40℃〜150℃のものであり、更に好ましいのは、アンモニウム塩、トリエチルアミン塩及びN,N−ジメチルエタノールアミン塩である。
水性分散体を得る場合のポリウレタン樹脂(U1)中におけるカルボキシル基含有ポリオール及びその塩(a3)に由来のカルボキシル基及び/又はその塩の含有量は、分散安定性及び得られる皮膜の耐水性の観点から、活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の合計重量に対して、好ましくは0.05〜1.3mmol/g、更に好ましくは0.1〜1.1mmol/g、特に好ましくは0.15〜0.90mmol/gである。
本発明におけるポリウレタン樹脂中のカルボキシル基の含量は、3〜10gのポリウレタン樹脂を130℃で45分間加熱乾燥して得られる残渣を水洗後再度130℃で45分間加熱乾燥し、ジメチルホルムアミドに溶解し、JIS K 0070記載の方法(電位差滴定法)で測定される酸価から算出できる。
鎖伸長剤(a4)としては、水、前記炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価又はそれ以上の価数)アルコール、これら非環式多価アルコールのEO及び/又はPO低モル付加物(化学式量又はMnが500未満)、炭素数2〜10のジアミン(例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、2,2,4−又は2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン等の脂肪族又は脂環式ジアミン;o−、m−又はp−フェニレンジアミン、トルエンジアミン、m−キシリレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン及び4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチルジフェニルメタン等の芳香族ポリアミン等)、ポリ(n=2〜6)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜7)アミン(例えばジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン及びペンタエチレンヘキサミン等)並びにヒドラジン及びその誘導体(二塩基酸ジヒドラジド例えばアジピン酸ジヒドラジド等)等が挙げられる。
反応停止剤(a5)としては、炭素数1〜8のモノアルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、セロソルブ類及びカルビトール類等)及び炭素数1〜10のモノアミン類(モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン、モノオクチルアミン、モノエタノールアミン及びジエタノールアミン等)等が挙げられる。
活性水素成分(A)の構成成分(a1)〜(a5)等はそれぞれ1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
有機イソシアネート成分(B)としては、従来ポリウレタンの製造に使用されているものが使用でき、炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(b1)、炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)、炭素数8〜26の芳香族ポリイソシアネート(b3)、炭素数10〜18の芳香脂肪族ポリイソシアネート(b4)及びこれらのポリイソシアネートの変性物(b5)等が挙げられる。有機イソシアネート成分(B)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(b1)としては、例えばイソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略記)、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、水添MDIと略記)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート及び2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。
炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)としては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと略記)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート及び2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートが挙げられる。
炭素数8〜26の芳香族ポリイソシアネート(b3)としては、例えば1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(以下、TDIと略記)、粗製TDI、4,4’−又は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略記)、粗製MDI、ポリアリールポリイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート及びm−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられる。
炭素数10〜18の芳香脂肪族ポリイソシアネート(b4)としては、例えばm−又はp−キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられる。
(b1)〜(b4)のポリイソシアネートの変性物(b5)としては、上記ポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロハネート基、ウレア基、ビウレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基又はオキサゾリドン基含有変性物等;遊離イソシアネート基含有量が通常8〜33重量%、好ましくは10〜30重量%、特に12〜29重量%のもの)が挙げられ、具体的には変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI及びトリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI及びイソシアヌレート変性IPDI等のポリイソシアネートの変性物が挙げられる。
これら有機イソシアネート成分(B)の内で得られる皮膜の耐水性及び強度の観点から好ましいのは炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(b1)及び炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)であり、更に好ましいのは炭素数6〜18の脂環式ジイソシアネート及び炭素数4〜22の脂肪族ジイソシアネート、特に好ましいのはIPDI、水添MDI、HDI及びこれらの混合物、とりわけ好ましいのはIPDI、水添MDI及びこれらの混合物、最も好ましいのは水添MDIである。
アルコキシシリル基及び/又はシラノール基を有するポリウレタン樹脂(U1)を製造する方法としては、例えば、アミノ基又はカルボキシル基及び/若しくはその塩を有するポリウレタン樹脂(U2)と、分子内にグリシジルエーテル基並びにアルコキシシリル基及び/又はシラノール基を有する化合物(X)とを反応させる方法[方法(1)]や、イソシアネート基を有するポリウレタン樹脂と分子内にアミノ基並びにアルコキシシリル基及び/又はシラノール基を有する化合物(Y)を反応させる方法[方法(2)]等が挙げられる。
前記方法(1)に用いられる化合物(X)としては、炭素数7〜20のグリシドキシアルキルトリアルコキシシラン、炭素数7〜20のグリシドキシアルキル(アルキル)ジアルコキシシラン及び炭素数7〜20のグリシドキシアルキル(ジアルキル)アルコキシシラン等及びこれらの加水分解物(前記化合物におけるアルコキシ基が水酸基に変換されてシラノール基となったもの)が挙げられ、具体的には3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン及び3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等及びこれらの加水分解物(前記化合物におけるアルコキシ基が水酸基に変換されてシラノール基となったもの)が挙げられる。化合物(X)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記方法(1)に用いられるアミノ基又はカルボキシル基及び/若しくはその塩を有するポリウレタン樹脂(U2)の内のアミノ基を有するポリウレタン樹脂を得る方法としては、ポリウレタン樹脂の製造時の説明において鎖伸長剤(a4)として例示した炭素数2〜10のジアミン及びポリ(n=2〜6)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜7)アミン等の多官能アミンを用いて末端にアミノ基を導入する方法、活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の反応において、イソシアネート基と反応する活性水素(水酸基及びアミノ基等)に対して、イソシアネート基のモル量を過剰にして末端にイソシアネート基を導入した後、水と反応させて末端アミノ基とする方法、ケチミン結合(−C=N−)を有するモノアミンを用いて、樹脂末端にケチミン結合を導入後、ケチミン結合を加水分解して末端アミノ基とする方法等が挙げられる。
前記ケチミン結合を有するモノアミンは、1分子中に1個のアミノ基と少なくとも1個のケチミン結合を有していれば特に限定されず、例えば前記鎖伸長剤(a4)で例示した炭素数2〜10のジアミン又はポリ(n=2〜6)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜7)アミンとケトンを反応させて得られるケチミン化合物が挙げられる。ケチミン結合が加水分解してアミノ基を生成する際のケトンの留去のしやすさの観点から、ケトンとしてはアセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトン及びメチルイソブチルケトン等の沸点が120℃以下のものを用いることが好ましい。
また、前記方法(1)に用いられるアミノ基又はカルボキシル基及び/若しくはその塩を有するポリウレタン樹脂(U2)の内のカルボキシル基及び/又はその塩を有するものを得る方法としては、ウレタン樹脂の製造時に前記カルボキシル基含有ポリオール及びその塩(a3)を活性水素成分(A)として用いる方法等が挙げられる。
グリシジルエーテル基とカルボキシル基又はアミノ基等との反応並びにアルコキシシリル基及び/又はシラノール基の架橋反応の温度及び時間等の条件は、通常これらの基の反応に用いられる条件と同様でよい。
前記方法(2)に用いられる化合物(Y)としては、炭素数4〜20のアミノアルキルトリアルコキシシラン、炭素数4〜20のアミノアルキル(アルキル)ジアルコキシシラン及び炭素数4〜20のアミノアルキル(ジアルキル)アルコキシシラン等及びこれらの加水分解物(前記化合物におけるアルコキシ基が水酸基に変換されてシラノール基となったもの)が挙げられ、具体的には3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等及びこれらの加水分解物(前記化合物におけるアルコキシ基が水酸基に変換されてシラノール基となったもの)が挙げられる。化合物(Y)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記方法(2)に用いられるイソシアネート基を有するポリウレタン樹脂を製造する方法としては、活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の反応における、イソシアネート基と反応する活性水素(水酸基及びアミノ基等)に対して、イソシアネート基のモル量を過剰にして、末端にイソシアネート基を導入する方法等が挙げられる。
(X)及び/又は(Y)の使用量は、得られる皮膜の耐水性及び強度の観点から、(A)と(B)の合計重量に対する(X)及び/又は(Y)が有するアルコキシシリル基及び/又はシラノール基に由来するSi原子の重量割合が合計0.05〜2.0重量%となる量であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜1.5重量%、特に好ましくは0.2〜1.0重量%となる量である。
本発明のポリウレタン樹脂組成物(UC)は、少なくとも前記活性水素成分(A)と前記有機イソシアネート成分(B)とから形成され、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格とアミノ基又はカルボキシル基及び/若しくはその塩とを有するポリウレタン樹脂(U2)と、前記グリシジルエーテル基並びにアルコキシシリル基及び/又はシラノール基を有する化合物(X)とを含有する。
本発明のポリウレタン樹脂組成物(UC)は、化合物(X)を含有することにより、加熱等により、(X)が有するグリシジルエーテル基とポリウレタン樹脂(U2)が有するアミノ基又はカルボキシル基及び/若しくはその塩とが反応すると共に、(X)が有するアルコキシシリル基及び/又はシラノール基が架橋することにより架橋構造が形成され、耐水性、強度及び耐候性に優れた皮膜が得られる。尚、グリシジルエーテル基とアミノ基又はカルボキシル基及び/若しくはその塩との反応並びにアルコキシシリル基及び/又はシラノール基の架橋反応の温度及び時間等の条件は、通常これらの基の反応に用いられる条件と同様でよい。
脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格と、アミノ基又はカルボキシル基及び/若しくはその塩を有するポリウレタン樹脂(U2)としては、前記方法(1)に用いられるアミノ基又はカルボキシル基及び/若しくはその塩を有するポリウレタン樹脂(U2)と同じものを用いることができる。
ポリウレタン樹脂(U2)を製造するための活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)として好ましいものはポリウレタン樹脂(U1)における好ましいものと同様である。
ポリウレタン樹脂組成物(UC)に用いられるグリシジルエーテル基並びにアルコキシシリル基及び/又はシラノール基を有する化合物(X)としては、前記(U1)を製造する方法(1)に用いられる化合物(X)を用いることができる。
ポリウレタン樹脂(U2)がカルボキシル基及び/又はその塩を有するものである場合、そのポリウレタン樹脂中のカルボキシル基及びその塩の量は、化合物(X)との反応性の観点から(X)が有するグリシジルエーテル基のモル数と等量以上であることが好ましく、また耐水性及び耐薬品性の観点から、(X)と反応後のポリウレタン樹脂中のカルボキシル基及びその塩の含有量が1.3mmol/g以下となる量であることが好ましい。
ポリウレタン樹脂(U2)がアミノ基を有するものである場合、そのポリウレタン樹脂中のアミノ基の量は、化合物(X)との反応性の観点から(X)が有するグリシジルエーテル基のモル数と等量以上であることが好ましく、また耐水性及び耐薬品性の観点から、(X)と反応後のポリウレタン樹脂中のアミノ基の量が0.35mmol/g以下となる量であることが好ましい。
本発明のポリウレタン樹脂組成物(UC)は、更に本発明のポリウレタン樹脂(U1)を含有することができる。
ポリウレタン樹脂組成物(UC)における(X)の使用量は、得られる皮膜の耐水性及び強度の観点から、(A)と(B)の合計重量に対する(X)が有するアルコキシシリル基及び/又はシラノール基に由来するSi原子の重量割合が0.05〜2.0重量%となる量であることが好ましく、更に好ましくは0.1〜1.5重量%、特に好ましくは0.2〜1.0重量%となる量である。
但し、ポリウレタン樹脂組成物(UC)がポリウレタン樹脂(U1)を含有する場合、(U1)が有するアルコキシシリル基及び/又はシラノール基に由来するSi原子と、ポリウレタン樹脂組成物(UC)が含有する(X)が有するアルコキシシリル基及び/又はシラノール基に由来するSi原子の合計重量の(A)と(B)の合計重量に対する割合は、好ましくは0.05〜2.0重量%、更に好ましくは0.1〜1.5重量%、特に好ましくは0.2〜1.0重量%である。
ポリウレタン樹脂(U1)及び(U2)のMnは、皮膜の造膜性、耐水性及び強度の観点から、好ましくは10,000〜1,000,000、更に好ましくは10,000〜500,000、特に好ましくは10,000〜200,000、最も好ましくは10,000〜100,000である。
本発明のポリウレタン樹脂(U1)及びポリウレタン樹脂組成物(UC)は、皮膜を形成する際の塗工性の観点から、溶剤溶液又は水分散体とすることが好ましく、揮発性有機化合物(VOC)の削減による環境対応の観点からは水分散体とすることが更に好ましい。
ポリウレタン樹脂(U1)及びポリウレタン樹脂組成物(UC)を溶剤溶液とする方法は、特に限定されず、例えば溶剤中で(U1)及び(U2)の各原料を反応させ、ポリウレタン樹脂組成物(UC)にあっては更に(X)を混合する手法や、無溶剤下で反応させた(U1)及び(U2)を溶剤に溶解し、ポリウレタン樹脂組成物(UC)にあっては更に(X)を混合する手法が挙げられる。
溶剤としては、公知の有機溶剤、例えば炭素数3〜10のケトン系溶剤(アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)、炭素数2〜10のエステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチル及びγ−ブチロラクトン等)、炭素数4〜10のエーテル系溶剤(テトラヒドロフラン及びジエチレングリコールジメチルエーテル等)、炭素数3〜10のアミド系溶剤(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン及びN−メチルカプロラクタム等)、炭素数1〜8のアルコール系溶剤(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール及びオクタノール等)及び炭素数4〜10の炭化水素系溶剤(n−ブタン、シクロヘキサン、トルエン及びキシレン等)が挙げられる。
これらの内、ポリウレタン樹脂の溶解性及び乾燥性の観点から、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン及びイソプロピルアルコール等の沸点が100℃以下の極性溶剤を使用することが好ましい。
ポリウレタン樹脂(U1)及びポリウレタン樹脂組成物(UC)を水分散体とする方法としては、特開2004−2732号公報等に記載されているプレポリマーミキシング法や、国際公開第2010/122599号に記載されているイソシアネート基等の反応性基を有しないポリウレタン樹脂(いわゆるデッドポリマー)を形成後、これを水に分散させる方法が挙げられる。
ポリウレタン樹脂(U1)及びポリウレタン樹脂組成物(UC)の水性分散体を得る際、分散安定性及び樹脂の耐水性の観点から、活性水素成分(A)に前記カルボキシル基含有ポリオール及びその塩(a3)を用いることが好ましい。
水性分散体を得る場合のポリウレタン樹脂(U1)又は(U2)におけるカルボキシル基含有ポリオール及びその塩(a3)に由来のカルボキシル基及び/又はその塩の含有量は、分散安定性及び得られる皮膜の耐水性の観点から、活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の合計重量に対して、好ましくは0.05〜1.3mmol/g、更に好ましくは0.1〜1.1mmol/g、特に好ましくは0.15〜0.90mmol/gである。
水性分散体を得る場合のポリウレタン樹脂組成物(UC)が、アミノ基又はカルボキシル基及び/若しくはその塩を有するポリウレタン樹脂(U2)の内のカルボキシル基及び/又はその塩を有するものである場合、このポリウレタン樹脂の水性分散体の分散安定性を付与するために導入したカルボキシル基及び/又はその塩は前述のグリシジルエーテル基並びにアルコキシシリル基及び/又はシラノール基を有する化合物(X)との反応にも寄与する。
ポリウレタン樹脂組成物(UC)の水分散体を得る場合は、組成物(UC)自体を分散させてもよいし、少なくともポリウレタン樹脂(U2)が分散され、(X)の一部又は全部が別途水中に分散又は溶解していてもよい。
本発明において、ポリウレタン樹脂(U1)の水分散体及びポリウレタン樹脂組成物(UC)の水分散体中の粒子の体積平均粒子径(Dv)は、ポリウレタン樹脂水分散体の分散安定性の観点から、好ましくは0.01〜1μm、更に好ましくは0.02〜0.7μm、特に好ましくは0.03〜0.4μmである。
体積平均粒子径(Dv)は、(U1)及び(U2)中の親水性基、分散剤量及び分散工程で使用する分散機の種類及び運転条件によって制御することができる。
尚、本発明における体積平均粒子径(Dv)は、ポリウレタン樹脂水分散体を、イオン交換水でポリウレタン樹脂の固形分が0.01重量%となるよう希釈した後、光散乱粒度分布測定装置[大塚電子(株)製「ELS−8000」]を用いて測定される。
本発明のポリウレタン樹脂(U1)には必要に応じて、硬化促進剤、粘結剤、表面調整剤、顔料、可塑剤、紫外線吸収剤及び光安定剤等の添加剤を添加してもよい。また、本発明のポリウレタン樹脂組成物(UC)は必要に応じて、硬化促進剤、粘結剤、表面調整剤、顔料、可塑剤、紫外線吸収剤及び光安定剤等の添加剤を含有することができる。
前記添加物の含有量の合計は、(U1)又はポリウレタン樹脂組成物(UC)の重量を基準として、15重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることが更に好ましい。
本発明のポリウレタン樹脂(U1)及びポリウレタン樹脂組成物(UC)は、皮膜の耐水性、強度及び耐候性に優れるため、塗料組成物、接着剤組成物、コーティング組成物(防錆コーティング組成物、防水コーティング組成物、撥水コーティング組成物及び防汚コーティング組成物等)及び人工皮革・合成皮革用原料組成物等に使用することができる。
塗料組成物には、必要により添加剤、例えば塗膜形成補助樹脂、架橋剤、顔料、顔料分散剤、粘度調整剤、消泡剤、レベリング剤、防腐剤、劣化防止剤、安定化剤及び凍結防止剤を1種又は2種以上添加することができる。
以下、実施例を以て本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下、部は重量部を、%は重量%を意味する。
実施例1
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に、(a1)としての1,4−シクロヘキサンジメタノールとエチレンカーボネートとの反応より得られたMn1,000のポリカーボネートジオール165.5部、(a2)としての1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールの混合物(モル比70:30)とエチレンカーボネートとの反応より得られたMn2,000のポリカーボネートジオール66.2部、(a3)としてのDMPA21.3部、(a4)としてのエチレングリコール0.26部、有機ポリイソシアネート成分(B)としてのIPDI104.4部及び反応溶剤としてのアセトン153.3部を仕込んで85℃で15時間攪拌してウレタン化反応を行い、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーのアセトン溶液を得た。更に40℃で撹拌しながら中和剤としてのトリエチルアミン12.9部及び水623.9部を加えた。60rpmで3分間攪拌後、化合物(Y)としての3−アミノプロピルトリメトキシシラン1.5部、(a4)としてのエチレンジアミン3.6部を加え、減圧下に65℃で8時間かけてアセトンを留去し、分子内にシラノール基を有するポリウレタン樹脂(U1−1)の水分散体1,000部を得た。
実施例2
使用原料の種類と使用量を表1に記載のものに変更する以外は実施例1と同様にして、分子内にシラノール基を有するポリウレタン樹脂(U1−2)の水分散体を得た。
実施例3
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に、(a1)としての1,4−シクロヘキサンジメタノール及び1,6−ヘキサンジオールの混合物(モル比50:50)とエチレンカーボネートとの反応より得られたMn900のポリカーボネートジオール142.3部、(a2)としての1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールの混合物(モル比70:30)とエチレンカーボネートとの反応より得られたMn1,000のポリカーボネートジオール51.6部、(a3)としてのDMPA16.7部、(a4)としてのエチレングリコール4.9部、有機ポリイソシアネート成分(B)としての水添MDI138.6部及び反応溶剤としてのアセトン151.8部を仕込んで85℃で15時間攪拌してウレタン化反応を行い、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーのアセトン溶液を得た。得られたウレタンプレポリマーのアセトン溶液511部を簡易加圧反応装置に仕込み、40℃で撹拌しながら中和剤としてのトリエチルアミン10.1部及び水617.9部を加えた。60rpmで3分間攪拌後、(a4)としてのエチレンジアミン3.5部を加え、減圧下に65℃で8時間かけてアセトンを留去し、30℃で化合物(X)としての3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン15.2部を加えて10分間撹拌することで、分子内にカルボキシル基及びその塩を有するポリウレタン樹脂(U2−1)と3−グリシドキシプロピルシラントリオールを含有する水分散体1000部を得た。
実施例4
使用原料の種類と使用量を表1に記載のものに変更する以外は実施例3と同様にして、分子内にシラノール基を有するポリウレタン樹脂(U2−2)と3−グリシドキシプロピルシラントリオールを含有する水分散体を得た。
実施例5
窒素雰囲気下で二軸混練機であるKRCニーダー[栗本鐵工(株)製]に、(a1)としての1,4−シクロヘキサンジメタノール及び1,6−ヘキサンジオールの混合物(モル比50:50)とエチレンカーボネートとの反応より得られたMn900のポリカーボネートジオール13.1部、(a2)としての1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールの混合物(モル比70:30)とエチレンカーボネートとの反応より得られたMn1,000のポリカーボネートジオール116.8部、(a3)としてのDMPA34.4部、(a4)としてのエチレングリコール5.1部、(B)としての水添MDI119.6部を仕込み220℃で10分間混練してウレタン化反応を行った。反応物を取り出し、180℃に加熱した加圧プレス機で圧延後、角形ペレタイザー[(株)ホーライ製]にて裁断してポリウレタン樹脂を得た。続いて、温度制御可能な耐圧容器に得られたポリウレタン樹脂289.1部、中和剤としての25重量%アンモニア水14.0部及び水660.5部を仕込み、クレアミックス[エムテクニック(株)製]を用いて150℃で12,000rpm、3分間分散処理することでポリウレタン樹脂水分散体を得た。続いて、得られたポリウレタン樹脂水分散体963.5部に、30℃で化合物(X)としての3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン36.5部を加えて10分間撹拌することで、分子内にカルボキシル基の塩を有するポリウレタン樹脂(U2−3)と3−グリシドキシプロピルシラントリオールを含有する水分散体1,000部を得た。
実施例6〜9
原料の種類と使用量を表1に記載のものに変更する以外は実施例5と同様にして、分子内にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(U2−4)〜(U2−7)のいずれかと3−グリシドキシプロピルシラントリオール又は3−グリシドキシプロピルメチルシランジオールを含有する水分散体を得た。
Figure 2013151666
尚、表1及び以下の表2におけるジオール(a1−1)、(a1−2)及び(a2−1)〜(a2−4)の意味は以下の通りである。
・ジオール(a1−1):1,4−シクロヘキサンジメタノールとエチレンカーボネートとの反応により得られたMn1000のポリカーボネートジオール。
・ジオール(a1−2):1,4−シクロヘキサンジメタノール及び1,6−ヘキサンジオールの混合物(モル比50:50)とエチレンカーボネートとの反応により得られたMn900のポリカーボネートジオール。
・ジオール(a2−1):1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールの混合物(モル比70:30)エチレンカーボネートとの反応により得られたMn2000のポリカーボネートジオール。
・ジオール(a2−2):1,3−プロパンジオール及び1,4−ブタンジオールの混合物(モル比50:50)エチレンカーボネートとの反応により得られたMn2000のポリカーボネートジオール。
・ジオール(a2−3):1,4−ブタンジオール及び1,6−ヘキサンジオールの混合物(モル比70:30)エチレンカーボネートとの反応により得られたMn1000のポリカーボネートジオール。
・ジオール(a2−4):1,6−ヘキサンジオールとエチレンカーボネートとの反応により得られたMn2000のポリカーボネートジオール。
実施例10
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に、(a1)としての1,4−シクロヘキサンジメタノール及び1,6−ヘキサンジオールの混合物(モル比50:50)とエチレンカーボネートとの反応より得られたMn900のポリカーボネートジオール184.7部、(a2)としての1,6−ヘキサンジオールとエチレンカーボネートとの反応より得られたMn2,000のポリカーボネートジオール68.4部、(a3)としてのDMPA29部、(a4)としての1,6−ヘキサンジオール26.9部、(B)としての水添MDI178.2部及び反応溶剤としてのメチルエチルケトン487.3部を仕込んで90℃で24時間攪拌してウレタン化反応を行い、ポリウレタン樹脂のメチルエチルケトン溶液を得た。更に、30℃で化合物(X)としての3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン25.5部を加えて10分間撹拌することで、分子内にカルボキシル基の塩を有するポリウレタン樹脂(U2−8)と3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを含有するメチルエチルケトン溶液1,000部を得た。
実施例11〜17
原料の種類と使用量を表2に記載のものに変更する以外は実施例10と同様にして、分子内にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(U2−9)〜(U2−15)のいずれかと3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを含有するメチルエチルケトン溶液を得た。
実施例18
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に、(a1)としての1,4−シクロヘキサンジメタノール及び1,6−ヘキサンジオールの混合物(モル比50:50)とエチレンカーボネートとの反応より得られたMn900のポリカーボネートジオール280.8部、(a4)としてのエチレングリコール21.5部、1,6−ヘキサンジオール26.9部、(B)としての水添MD138.4部、HDI29.6部及び反応溶剤としてのメチルエチルケトン470.5部を仕込んで90℃で24時間攪拌してウレタン化反応を行い、末端にイソシアネート基を有するポリウレタン樹脂のメチルエチルケトン溶液を得た。続いて(a5)としてのジエチレントリアミンとメチルイソブチルケトンの反応により得られたケチミン結合を有するモノアミン11.2部を仕込み、60℃で30分間攪拌した後に水28.2部を仕込んで60℃で10分間撹拌して、末端にアミノ基を有するポリウレタン樹脂を得た後、30℃で3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン19.8部を加えて10分間撹拌することで、分子内にシラノール基を有するポリウレタン樹脂(U1−3)を含有するメチルエチルケトン溶液を得た。
比較例1
原料の種類と使用量を表2に記載のものに変更する以外は実施例10と同様にして、分子内にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(U2’−1)と3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを含有するメチルエチルケトン溶液を得た。
比較例2
原料の種類と使用量を表2に記載のものに変更し、化合物(X)を加えない以外は、実施例10と同様にして、分子内にカルボキシル基を有するポリウレタン樹脂(U2’−2)を含有するメチルエチルケトン溶液を得た。
比較例3
ウレタン化反応後にカルボジイミド系架橋剤としてのカルボジライトE03A(日清紡社製:固形分濃度40.2重量%、カルボジイミド当量373)100部を添加した以外は比較例2と同様にしてポリウレタン樹脂(U2’−3)とカルボジライトE03Aを含有するメチルエチルケトン溶液1,100部を得た。
Figure 2013151666
実施例1〜18及び比較例1〜3で得られたポリウレタン樹脂水分散体及びポリウレタン樹脂溶液の各種物性値及び以下の評価方法で評価した結果を表3及び表4に示す。
<皮膜の引張強さ>
JIS K 7311に記載の「5.引張試験」に基づいて行った。測定試料は、10cm×20cm×0.1cmのポリプロピレン製モールドに、乾燥後のフィルム膜厚が200μmになる量のポリウレタン樹脂水分散体又はポリウレタン樹脂溶液を流し込み、室温で12時間、循風乾燥機で105℃で3時間加熱乾燥することによって得られるフィルムを基に、JIS K 7311に記載の「5.1試験片」に基づき作製した。
<皮膜の耐水性>
前記の皮膜の引張強さ測定用フィルムの作製方法と同様にして得られたフィルムを、イオン交換水に24時間浸漬した後、取り出したフィルムの状態を目視により以下の評価基準で評価した。
◎:変化なし。
○:わずかに白化。
△:白化が見られるが原形をとどめている。
×:白化し原形をとどめていない。
<皮膜の防錆性評価方法>
ポリウレタン樹脂水分散体又はポリウレタン樹脂溶液を「ジンコート」(エンジニアリングテストサービス社製亜鉛メッキ鋼板、サイズ10cm×5cm×0.08cm)上に乾燥後の膜厚が5μmとなるようにバーコーターを用いてに塗布し、150℃の乾燥機で30分乾燥することにより試験片を得た。前記試験片を用いてJIS Z 2371に従い塩水噴霧試験を行い45時間後の外観を目視により評価した。
○:錆発生なし
△:一部錆発生あり
×:錆発生あり
<塗膜の耐水性評価方法>
(1)水性塗料の製造
イオン交換水90部、増粘剤[三洋化成工業(株)製「ビスライザーAP−2」]70部、顔料分散剤[三洋化成工業(株)製「キャリボンL−400」]10部、酸化チタン[石原産業(株)製「CR−93」]140部、カーボンブラック[デグサ(株)製「FW200P」]及び炭酸カルシウム160部をペイントコンディショナーにより30分間混合分散した。ここに1−ノナノール20部、アクリル水分散体[旭化成(株)製「ポリトロンZ330」]200部及び実施例1、2、4又は比較例1で得られたポリウレタン樹脂水分散体200部を仕込み、10分間混合分散した。更にイオン交換水を用いて25℃での粘度が150mPa・sとなるように調整し、水性塗料を得た。
(2)溶剤系塗料の製造
メチルエチルケトン30部、酸化チタン[石原産業(株)製「CR−93」]100部、実施例3、比較例2又は3で得られたポリウレタン樹脂の溶剤溶液130部及びガラスビーズ160部を仕込み、ペイントコンディショナーにより30分間分散することで溶剤系塗料を得た。
(3)作製した塗料を10cm×20cmの鋼板にスプレー塗布し、120℃で60分加熱して厚さ20μmの塗膜を作製した。この塗装した鋼板を80℃のイオン交換水中に30日間浸漬した後、取り出して表面を軽く拭き、塗膜表面を目視により以下の評価基準で評価した。
◎:浸漬前後で塗膜表面の変化が全くない。
○:浸漬前後で塗膜表面の変化がほとんど見られない。
×:浸漬後、塗膜が一部剥げ落ちている。
<塗膜の耐候性評価方法>
塗膜の耐水性評価の場合と同様にして作製した塗料を10cm×10cm×0.1cmのガラス板にアプリケーター用いて塗布し、120℃で60分加熱して厚さ50μmの塗膜を得た。岩崎電気(株)製「アイスーパーUVテスター」を用いて、波長400nm以下の光照射量を75mW/cm2としたUV光を塗膜に400時間照射して、照射前後の塗膜の60°光沢の値から照射後の60°光沢の低下率を算出して、以下の基準で耐候性を評価した。尚、60°光沢はJIS K 5600−4−7「塗料一般試験方法」の第4部第7節「鏡面光沢度」に準拠して、鏡面光沢度計(日本電色工業社製)を用いて測定した。
○:耐候試験前後の60°光沢の低下率が20%未満
△:耐候試験前後の60°光沢の低化率が20%以上30%未満
×:耐候試験前後の60°光沢の低下率が30%以上
Figure 2013151666
Figure 2013151666
本発明のポリウレタン樹脂(U1)、ポリウレタン樹脂組成物(UC)並びにこれらの溶剤溶液及び水分散体は、皮膜の強度、耐水性及び耐候性に優れるため、塗料、接着剤、コーティング剤(防錆コーティング剤、防水コーティング剤、撥水コーティング剤及び防汚コーティング剤等)及び人工皮革・合成皮革用原料用のポリウレタン樹脂、ポリウレタン樹脂組成物並びにこれらの溶剤溶液及び水分散体として好適である。

Claims (14)

  1. 少なくとも活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)とから形成され、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格と、アルコキシシリル基及び/又はシラノール基とを有することを特徴とするポリウレタン樹脂(U1)。
  2. 前記活性水素成分(A)が、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)を含有してなり、前記(a1)の数平均分子量が500〜5,000であり、かつ前記活性水素成分(A)と前記有機イソシアネート成分(B)の合計重量に対する前記(a1)が有する脂環式炭化水素基の重量割合が1〜30重量%である請求項1記載のポリウレタン樹脂。
  3. 前記活性水素成分(A)と前記有機イソシアネート成分(B)の合計重量に対するアルコキシシリル基及び/又はシラノール基に由来するSi原子の重量割合が0.05〜2.0重量%である請求項1又は2記載のポリウレタン樹脂。
  4. 前記有機イソシアネート成分(B)が、炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(b1)及び/又は炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)である請求項1〜3のいずれか記載のポリウレタン樹脂。
  5. 少なくとも活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)とから形成され、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネート骨格と、アミノ基又はカルボキシル基及び/若しくはその塩とを有するポリウレタン樹脂(U2)と、グリシジルエーテル基並びにアルコキシシリル基及び/又はシラノール基を有する化合物(X)とを含有すること特徴とするポリウレタン樹脂組成物(UC)。
  6. 前記活性水素成分(A)が、脂環式炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール(a1)を含有してなり、前記(a1)の数平均分子量が500〜5,000であり、かつ前記活性水素成分(A)と前記有機イソシアネート成分(B)の合計重量に対する前記(a1)が有する脂環式炭化水素基の重量割合が1〜30重量%である請求項5記載のポリウレタン樹脂組成物。
  7. 前記活性水素成分(A)と前記有機イソシアネート成分(B)の合計重量に対するアルコキシシリル基及び/又はシラノール基に由来するSi原子の重量割合が0.05〜2.0重量%である請求項5又は6記載のポリウレタン樹脂組成物。
  8. 前記有機イソシアネート成分(B)が、炭素数6〜18の脂環式ポリイソシアネート(b1)及び/又は炭素数4〜22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)である請求項5〜7のいずれか記載のポリウレタン樹脂組成物。
  9. 請求項1〜4のいずれか記載のポリウレタン樹脂が水に分散されてなるポリウレタン樹脂水分散体。
  10. 請求項5〜8のいずれか記載のポリウレタン樹脂組成物及び水を含有してなり、少なくとも前記ポリウレタン樹脂(U2)が水に分散されてなるポリウレタン樹脂水分散体。
  11. 分散している粒子の体積平均粒子径(Dv)が0.01〜1μmである請求項9又は10記載のポリウレタン樹脂水分散体。
  12. 請求項1〜4のいずれか記載のポリウレタン樹脂、請求項5〜8のいずれか記載のポリウレタン樹脂組成物又は請求項9若しくは10記載のポリウレタン樹脂水分散体を含有する塗料。
  13. 請求項1〜4のいずれか記載のポリウレタン樹脂、請求項5〜8のいずれか記載のポリウレタン樹脂組成物又は請求項9若しくは10記載のポリウレタン樹脂水分散体を含有する防錆コーティング剤。
  14. 請求項1〜4のいずれか記載のポリウレタン樹脂、請求項5〜8のいずれか記載のポリウレタン樹脂組成物又は請求項9若しくは10記載のポリウレタン樹脂水分散体を含有する接着剤。
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