JP2010254977A - 水性塗料用ポリウレタン樹脂エマルション - Google Patents

水性塗料用ポリウレタン樹脂エマルション Download PDF

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Abstract

【課題】 水性塗料に用いたときに、水性塗料の乾燥塗膜の耐衝撃性が良好であり、かつ耐溶剤性及び耐水性に優れるポリウレタン樹脂エマルションを提供する。
【解決手段】 ポリウレタン樹脂(U)及び水を含有し、下記(1)〜(4)を満たすことを特徴とする水性塗料用ポリウレタン樹脂エマルション。
(1)前記(U)の重量に基づくウレア基濃度が0.1mmol/g以下である。
(2)前記(U)の重量平均分子量(Mw)が、5,000〜5,000,000であり、且つ前記樹脂(U)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.5〜3.5である。
(3)前記(U)のガラス転移温度が−20〜80℃である。
(4)前記(U)が、環状炭化水素基を有し数平均分子量が300〜5,000の高分子ポリオール(a21)を構成単位として含み、前記環状炭化水素基の含有量が前記(U)の重量に基づいて5〜40%である。
【選択図】 なし

Description

本発明は、水性塗料用ポリウレタン樹脂エマルションに関する。
ポリウレタン樹脂エマルションは、乾燥して得られる被膜が優れた柔軟性、機械的強度及び耐衝撃性を有することから、従来、種々の水性塗料に使用されてきた。例えば、耐衝撃性に優れるポリウレタン樹脂エマルションとして、ジイソシアネート、特定の平均分子量を有するポリカーボネートジオール及びカルボキシル基含有ジオールを必須成分とするポリウレタン樹脂エマルションが開示されている(特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に記載のポリウレタン樹脂エマルションを水性塗料に用いた場合、乾燥塗膜の耐衝撃性はポリウレタン樹脂以外のエマルションを用いた場合と比較して向上するが、乾燥塗膜の耐溶剤性及び耐水性が十分ではないという問題があった。
特開2005−220255号公報
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、本発明の課題は、水性塗料に用いたときに、水性塗料の乾燥塗膜の耐衝撃性が良好であり、かつ耐溶剤性及び耐水性に優れるポリウレタン樹脂エマルションを提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、本発明に到達した。即ち本発明は、ポリウレタン樹脂(U)及び水を含有し、下記(1)〜(4)を満たすことを特徴とする水性塗料用ポリウレタン樹脂エマルションである。
(1)前記ポリウレタン樹脂(U)の重量に基づくウレア基濃度が0.1mmol/g以下である。
(2)前記ポリウレタン樹脂(U)の重量平均分子量(Mw)が、5,000〜5,000,000であり、且つ前記ポリウレタン樹脂(U)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.5〜3.5である。
(3)前記ポリウレタン樹脂(U)のガラス転移温度が−20〜80℃である。
(4)前記ポリウレタン樹脂(U)が、環状炭化水素基を有し数平均分子量が300〜5,000の高分子ポリオール(a21)を構成単位として含み、前記環状炭化水素基の含有量が前記ポリウレタン樹脂(U)の重量に基づいて5〜40%である。
本発明の水性塗料用ポリウレタン樹脂エマルションは、水性塗料に用いたときに、水性塗料の乾燥塗膜の耐衝撃性、耐溶剤性及び耐水性のいずれもが優れるという効果を奏する。
本発明のポリウレタン樹脂エマルションは、ポリウレタン樹脂(U)及び水を含有する。
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)は、ポリイソシアネート成分(a1)、ポリオール成分(a2)、親水基含有活性水素含有成分(a3)及び必要によりその他の成分(a4)とから構成される。
(U)を構成するポリイソシアネート成分(a1)としては、従来ポリウレタンの製造に使用されているものが使用できる。(a1)としては、2個以上のイソシアネート基を有し、炭素数6〜20(イソシアネート基中の炭素を除く、以下同様)の芳香族ポリイソシアネート(a11)、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート(a12)、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート(a13)、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート(a14)及びこれらのポリイソシアネートの変性物(a15)が挙げられる。(a1)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
炭素数6〜20の芳香族ポリイソシアネート(a11)としては、例えば1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、4,4’−又は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、粗製MDI、ポリアリールポリイソシアネート(PAPI)、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート及びm−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられる。上記及び以下において、特に規定しない限り%は重量%を表す。
炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート(a12)としては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート及び2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートが挙げられる。
炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート(a13)としては、例えばイソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略記)、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、水添MDIと略記)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート及び2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。
炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート(a14)としては、例えばm−又はp−キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられる。
ポリイソシアネートの変性物(a15)としては、上記ポリイソシアネートの変性物(ウレタン基、カルボジイミド基、アロファネート基、ウレア基、ビューレット基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、イソシアヌレート基又はオキサゾリドン基含有変性物等;遊離イソシアネート基含有量が通常8〜33%、好ましくは10〜30%、特に12〜29%のもの)、例えば変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI及びトリヒドロカルビルホスフェート変性MDI等)、ウレタン変性TDI、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI及びイソシアヌレート変性IPDI等のポリイソシアネートの変性物が挙げられ、ウレタン変性ポリイソシアネート[過剰のポリイソシアネート(TDI及びMDI等)とポリオールとを反応させて得られる遊離イソシアネート含有プレポリマー]の製造に用いるポリオールとしては、後述のMnが300未満の低分子ポリオール(a23)が挙げられる。
これらポリイソシアネート成分(a1)の内で好ましいのは、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート(a12)及び炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート(a13)であり、更に好ましいのは炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート(a13)、特に好ましいのはIPDI及び水添MDIである。
ポリオール成分(a2)としては、環状炭化水素基を有し数平均分子量(以下、Mnと略記)が300〜5,000の高分子ポリオール(a21)、Mnが300〜5,000のその他の高分子ポリオール(a22)及びMnが300未満の低分子ポリオール(a23)が挙げられる。これらのポリオールは2種以上を併用してもよいが、耐水性及び耐溶剤性の観点から(a21)を少なくとも1種使用する必要があり、ポリウレタン樹脂(U)における(a21)が有する環状炭化水素基の含有量は、(U)の重量に基づき、通常5〜40%、好ましくは10〜30%である。
尚、本発明におけるMnはゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、GPCと略記)を用いて、N,N−ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフランを溶媒として、ポリスチレンを標準として測定することができる。
環状炭化水素基を有しMnが300〜5,000の高分子ポリオール(a21)としては、環状炭化水素基を有するポリエステルポリオール及び環状炭化水素基を有するポリエーテルポリオール等が挙げられる。
環状炭化水素基を有するポリエステルポリオールとしては、環状炭化水素基を有する脱水縮合型ポリエステルポリオール、環状炭化水素基を有するポリカーボネートポリオール及び環状炭化水素基を有するポリラクトンポリオール等が挙げられる。
環状炭化水素基を有する脱水縮合型ポリエステルポリオールとしては、炭素数8〜20の脂環式又は芳香族多価(2〜3価又はそれ以上)カルボン酸(無水物)及び/又は炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価又はそれ以上)カルボン酸(無水物)と、炭素数6〜20の脂環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコール及び/又は炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコールとの縮合反応により得られる脱水縮合型ポリエステルポリオールであって、反応に使用される前記多価(2〜3価又はそれ以上)カルボン酸(無水物)及び多価(2〜3価又はそれ以上)アルコールの内の少なくとも1種が脂環式若しくは芳香族多価カルボン酸(無水物)又は脂環式若しくは芳香環を有する多価アルコールである脱水縮合型ポリエステルポリオール等が挙げられる。
炭素数8〜20の脂環式多価(2〜3価又はそれ以上)カルボン酸(無水物)としては、シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,3−ジカルボン酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、ヘキサヒドロトリメリット酸、メチルヘキサヒドロフタル酸及びこれらの無水物等が挙げられる。
炭素数8〜20の芳香族多価(2〜3価又はそれ以上)カルボン酸(無水物)としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4−ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びこれらの無水物等が挙げられる。
炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価又はそれ以上)カルボン酸(無水物)としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ヘット酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸及びこれらの無水物等が挙げられる。
炭素数6〜20の脂環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコールとしては、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、スピログリコール及びジヒドロキシメチルトリシクロデカン等が挙げられる。
炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコールとしては、エチレングリコール、1,2−又は1,3−プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−、1,3−、2,3−又は1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、1,2−、1,4−、1,5−又は2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,4−、1,5−、1,6−又は2,5−ヘキサンジオール、2−又は3−メチルペンタンジオール、1,7−ヘプタンジオール、2−又は3−メチルヘキサンジオール、2−、3−又は4−メチルヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−、3−又は4−メチル1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,12−ドデカンジオール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリアルカノールアミン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、トリグリセリン、ジペンタエリスリトール、ソルビトール及びマンニトール等が挙げられる。
環状炭化水素基を有するポリカーボネートポリオールとしては、前記炭素数6〜20の脂環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコール又はこれらと前記炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコール(好ましくは炭素数6〜10、更に好ましくは炭素数6〜9のアルキレン基を有するアルキレンジオール)の1種又は2種以上との混合物を、低分子カーボネート化合物(例えば、アルキル基の炭素数1〜6のジアルキルカーボネート、炭素数2〜6のアルキレン基を有するアルキレンカーボネート及び炭素数6〜9のアリール基を有するジアリールカーボネート等)と脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
環状炭化水素基を有するポリラクトンポリオールとしては、前記炭素数6〜20の脂環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコールへの炭素数4〜12のラクトン(例えばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン及びε−カプロラクトン)の重付加物が挙げられる。
環状炭化水素基を有するポリエーテルポリオールとしては、脂環式炭化水素を有するポリエーテルポリオール及び芳香環を有するポリエーテルポリオール等が挙げられる。
脂環式炭化水素基を有するポリエーテルポリオールとしては、前記炭素数6〜20の脂環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコールのアルキレンオキサイド(以下、AOと略記)付加物が挙げられる。
AO付加物の製造に用いるAOとしては、炭素数2〜12又はそれ以上のAO、例えばエチレンオキサイド(以下、EOと略記)、プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、1,2−、2,3−又は1,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、α−オレフィンオキサイド、スチレンオキサイド、エピハロヒドリン(エピクロルヒドリン等)及びこれらの2種以上の併用が挙げられる。
芳香環を有するポリエーテルポリオールとしては、芳香族低分子量活性水素原子含有化合物(水酸基当量が30以上150未満の2価〜8価又はそれ以上の、フェノール類及び芳香族アミン)のAO付加物が挙げられる。
AOが付加されるフェノール類としては、ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールS及びビスフェノールF等、芳香族アミンとしてはアニリン及びフェニレンジアミン等が挙げられる。
芳香環を有するポリエーテルポリオールの具体例としては、ビスフェノール骨格を有するポリオール、例えばビスフェノールAのEO付加物(ビスフェノールAのEO2モル付加物、ビスフェノールAのEO4モル付加物、ビスフェノールAのEO6モル付加物、ビスフェノールAのEO8モル付加物、ビスフェノールAのEO10モル付加物及びビスフェノールAのEO20モル付加物等)及びビスフェノールAのPO付加物(ビスフェノールAのPO2モル付加物、ビスフェノールAのPO3モル付加物及びビスフェノールAのPO5モル付加物等)並びにレゾルシンのEO又はPO付加物等が挙げられる。
(a21)のMnは、樹脂の柔軟性の観点から、好ましくは500〜5,000、更に好ましくは1,000〜3,000である。
Mnが300〜5,000のその他の高分子ポリオール(a22)としては、環状炭化水素基を有しないポリエーテルポリオール及び環状炭化水素基を有しないポリエステルポリオール等が挙げられる。
環状炭化水素基を有しないポリエーテルポリオールとしては、前記炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコール又は活性水素原子含有基として一級又は二級アミノ基を含有する化合物のAO付加物が挙げられる。
AOが付加される一級又は二級アミノ基を含有する化合物としては、炭素数1〜12のアルキルアミン及び(ポリ)アルキレンポリアミン(アルキレン基の炭素数2〜6、アルキレン基の数1〜4、アミンの数2〜5)等が挙げられる。
環状炭化水素基を有しないポリエーテルポリオールの具体例としては、ポリオキシエチレンポリオール(ポリエチレングリコール等)、ポリオキシプロピレンポリオール(ポリプロピレングリコール等)、ポリオキシエチレン/オキシプロピレンポリオール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
環状炭化水素基を有しないポリエステルポリオールとしては、脱水縮合型ポリエステルポリオール、ポリラクトンポリオール及びポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
環状炭化水素基を有しない脱水縮合型ポリエステルポリオールとしては、前記炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコールと、前記炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価又はそれ以上)カルボン酸(無水物)又はそのエステル形成性誘導体(低分子量アルキルエステル等)とのポリエステル等が挙げられる。
環状炭化水素基を有しない縮合型ポリエステルポリオールの具体例としては、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリジエチレンアジペートジオール、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートジオール、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール及びポリブチレンセバケートジオール等が挙げられる。
環状炭化水素基を有しないポリラクトンポリオールとしては、前記炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコールへの炭素数4〜12のラクトン(例えばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン及びε−カプロラクトン)の重付加物が挙げられ、具体例としては、ポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール及びポリカプロラクトントリオール等が挙げられる。
環状炭化水素基を有しないポリカーボネートポリオールとしては、前記炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコールの1種又は2種以上と、低分子カーボネート化合物(例えば、アルキル基の炭素数1〜6のジアルキルカーボネート、炭素数2〜6のアルキレン基を有するアルキレンカーボネート及び炭素数6〜9のアリール基を有するジアリールカーボネート)とを、脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートポリオール等が挙げられる。
(a22)のMnは、樹脂の柔軟性の観点から、好ましくは500〜5,000、更に好ましくは1,000〜3,000である。
Mn300未満の低分子ポリオール(a23)としては、前記炭素数2〜20の非環式多価(2〜3価又はそれ以上)アルコール並びにこれらのEO及び/又はPO低モル付加物(Mn300未満)等が挙げられる。
親水基含有活性水素含有成分(a3)としては、分子中にカルボキシル基又はスルホ基を有するジオール及びこれらの酸基を中和剤で中和したジオールが挙げられる。
分子中にカルボキシル基を有するジオールとしては、炭素数6〜24のジアルキロールアルカン酸が使用でき、例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸及び2,2−ジメチロールオクタン酸等が挙げられる。
分子中にスルホ基を有するジオールとしては、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸、スルホイソフタル酸ジ(エチレングリコール)エステル及びN,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)スルファミン酸等が挙げられる。
カルボキシル基又はスルホ基を中和する際に使用する中和剤としては、例えばアンモニア、炭素数1〜10のアミン化合物及びアルカリ金属水酸化物(水酸化リチウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等)が挙げられる。
炭素数1〜10のアミン化合物としては、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン及びモノエタノールアミン等の第一級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミン及びジイソプロパノールアミン等の第二級アミン並びにトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルモノエタノールアミン及びトリエタノールアミン等の第三級アミン等が挙げられる。
中和剤としては、生成するポリウレタン樹脂エマルションの乾燥性及び乾燥後の耐水性の観点から、アンモニア並びに沸点が90℃以下で炭素数が1〜10の第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンが好ましく、更に好ましいのはアンモニア並びにモノメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びジメチルエチルアミン、特に好ましいのはアンモニア、モノエチルアミン、ジメチルアミン及びジエチルアミン、最も好ましいのはアンモニアである。
中和剤は、単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
(a3)の内で好ましいものは、ポリウレタン樹脂(U)の樹脂物性及びポリウレタン樹脂エマルションの経時安定性及び分散安定性の観点から、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸及びこれらの中和剤による塩である。
その他の成分(a4)としては鎖伸長剤(a41)、停止剤(a42)及びブロック化剤(a43)等が挙げられる。
(a41)としては、炭素数2〜10のアルキレンジアミン(エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、トルエンジアミン及びピペラジン等)、ポリアルキレンポリアミン(アルキレン基の炭素数2〜6、アルキレン基の数2〜4、アミンの数2〜5の:ジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミン等)、ヒドラジン又はその誘導体(アジピン酸ジヒドラジド等の二塩基酸ジヒドラジド等)及び炭素数2〜10のアミノアルコール(エタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、トリエタノールアミン等)等が挙げられる。
(a41)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(a42)としては、炭素数1〜8のモノアルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノール、セロソルブ類及びカルビトール類等)、炭素数1〜10のモノアミン(モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン、モノオクチルアミン等のモノ又はジメチルアミン;ジエチルアミン、ジプロピルアミン等のジアルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等のモノ又はジアルカノールアミン等)等が挙げられる。
(a42)は単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(a43)としては、炭素数1〜15のオキシム、炭素数2〜15の第二級アミン、活性メチレン化合物、及び環の構成単位としてイミノ基と窒素−炭素2重結合とを有する5員環化合物等が挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
炭素数1〜15のオキシムとしては、例えばホルムアルドキシム、アセトアルドキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム及びシクロヘキサノンオキシム等が挙げられ、特にメチルエチルケトオキシムが好ましい。
炭素数2〜15の第二級アミンとしては、例えばジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、エチルメチルアミン等の一級炭素に結合した第二級アミン、ジイソプロピルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、イソプロピルシクロヘキシルアミン等の二級炭素に結合した第二級アミン、ジ−t−ブチルアミン等の三級炭素に結合した第二級アミン、イソプロピルエチルアミン等のその他の第二級アミン等の脂肪族第二級アミンや、ジフェニルアミン、カルバゾール等のジアリールアミン等があり、好ましいのは二級炭素に結合した第二級アミンであり、特に好ましいのはジイソプロピルアミンである。
活性メチレン化合物としては、アルキルの炭素数が1〜4のマロン酸ジアルキルエステル、アルキルの炭素数が1〜4のアセト酢酸ジアルキルエステル及びアセチルアセトン等が挙げられ、これらの内で好ましいのは炭素数が1〜4のマロン酸ジアルキルエステル、特にマロン酸ジエチルである。
環の構成単位としてイミノ基と窒素−炭素2重結合とを有する5員環化合物としては、イミダゾール類(イミダゾール及び2−エチルイミダゾール等)、ピラゾール類(3,5−ジメチルピラゾール等)及びトリアゾール類(1,2,4−トリアゾール等)等が挙げられ、これらの内好ましいのはピラゾール類、特に3,5−ジメチルピラゾールである。
ポリウレタン樹脂エマルションを水性塗料として用いるに際して、特に基材にイソシアネートと反応性を有する水酸基等の官能基が存在する場合、ブロック化剤(a43)で封止されたイソシアネート基をポリウレタン樹脂(U)の重量に基づき、0.02〜1.5mmol/g(特に0.5〜1.5mmol/g)含有することが塗膜の密着性向上の観点から好ましい。
一般にポリウレタン樹脂は、イソシアネート基と水酸基の反応に由来するウレタン基と、イソシアネート基とアミノ基(又は水)の反応に由来するウレア基を有するが、ウレア基はウレタン基と比較して凝集力及び親水性が高い為、ウレア基の含量が高いポリウレタン樹脂は耐水性が劣る傾向がある。
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)は、アミノ基を有する原料、原料中に含まれる水分及び/又は水中分散時の媒体の水と、イソシアネート基との反応に由来するウレア基が生成し得るが、耐水性の観点から、ウレア基濃度はポリウレタン樹脂(U)の重量に基づいて通常0.1mmol/g以下、好ましくは0.05mmol/g以下、更に好ましくは0.03mmol/g以下、特に好ましくは0.01mmol/g以下である。
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)において、ウレア基の含量を0.1mmol/g以下とする方法としては、以下の(1)〜(3)が挙げられる。
(1)ポリウレタン樹脂(U)の原料中のアミノ基の含量を0.1mmol/g以下にする。
(2)ポリウレタン樹脂(U)の原料中の水分含量を0.1mmol/g以下にする。
(3)ポリウレタン樹脂(U)のイソシアネート基含量を0.2mmol/g以下にする。
ポリウレタン樹脂(U)の重量平均分子量(以下、Mwと略記)は、GPCによって、N,N−ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフランを溶媒として、標準ポリスチレンを基準にして測定され、通常5,000〜5,000,000、好ましくは5,000〜1000,000、特に好ましくは5,000〜100,000である。
また、本発明におけるポリウレタン樹脂(U)のMwとMnの比(Mw/Mn)は、GPCで測定されるものであって、通常1.5〜3.5であり、好ましくは1.5〜3.3、特に好ましくは1.5〜3である。Mw及びMw/Mnがこの範囲であれば、塗膜の物性及び造膜性が良好である。
上記分子量分布を有するポリウレタン樹脂エマルションは、従来のウレタンプレポリマーを水中に分散しながら水で伸長反応させるいわゆるプレポリマーミキシング法では得られず、上記分子量分布の範囲内のポリウレタン樹脂を製造して、それを水に分散させることにより得られる。上記分子量分布範囲内のポリウレタン樹脂は、均一撹拌下にてウレタン化を行うことで得られる。
ポリウレタン樹脂(U)のガラス転移温度(以下、Tgと略記)は、(U)を用いた水性塗料の乾燥塗膜の耐衝撃性に影響を及ぼす因子であり、この耐衝撃性の観点から、通常−20〜80℃、好ましくは−10〜70℃、更に好ましくは0〜60℃である。
ポリウレタン樹脂(U)のTgは、ポリウレタン樹脂エマルションの乾燥皮膜(厚さ0.2±0.1mm)を縦3.0±0.5cm×横0.5±0.2cmの大きさに切り取ったものを動的粘弾性測定装置Rheogel−E4000(ユービーエム社製)にて基本周波数11Hz、温度幅−110〜180℃の範囲で損失弾性率E’’を測定し、その最大値を与える温度によって得られる。
Tgを測定する際に用いるポリウレタン樹脂エマルションの乾燥皮膜は、ポリウレタン樹脂エマルションを固形分量の濃度を基に膜厚が0.2±0.1mmとなるようにフィルム状にキャストし、105℃で3時間循風乾燥機で乾燥することで得られるものである(以後、ポリウレタン樹脂エマルションの乾燥皮膜とは本手法にて得られるものとする)。
(U)のTgは、公知のポリウレタン樹脂と同様に、原料である(a1)〜(a4)の組成を適宜選択することにより、本願発明の範囲内とすることができる。
ポリウレタン樹脂(U)の製造時の[(a1)の仕込み当量数]/[(a2)、(a3)及び必要により(a4)の仕込み当量数の合計]は、乳化の容易性の観点から、好ましくは0.65〜0.99、更に好ましくは、0.70〜0.90、特に好ましくは、0.75〜0.85である。
親水基含有活性水素含有成分(a3)によりポリウレタン樹脂(U)に導入されるカルボキシル基[−COOH]又はスルホ基[−SO3H]の含有量は、(U)の重量に基づいて通常0.88mmol/g以下、エマルションの安定性及び水性塗料としたときに作業に最適な粘度とする観点から、好ましくは0.06〜0.75mmol/g、更に好ましくは0.08〜0.74mmol/g、特に好ましくは0.1〜0.73mmol/gである。尚、本発明におけるカルボキシル基又はスルホ基の含有量は、カルボキシル基又はスルホ基が中和されたカルボキシレートアニオン基(−COO-)又はスルホネートアニオン基(−SO3-)であっても、該カルボキシレートアニオン基又はスルホネートアニオン基からカルボキシル基又はスルホ基に換算して得られる含有量とする。
(U)中のカルボキシル基又はスルホ基の含有量が上記の範囲内となるようにするためには、下記式に従って(U)の製造時の(a3)の仕込み量を設定することが好ましい。
目標とするカルボキシル基又はスルホ基の含有量(%)=[(a3)の仕込量に基づくCOOH又はSO3Hに相当する重量÷エマルション製造後の樹脂成分の全重量]×100
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)は、NCO基と実質的に非反応性の有機溶剤(S)の存在化又は非存在化で、(a1)〜(a3)及び必要により(a4)をウレタン化反応させて得られ、(S)存在化での製造条件は、通常20℃〜150℃、好ましくは60℃〜110℃、反応時間は通常2〜15時間である。また、(S)の非存在化での製造条件は通常50℃〜250℃、更に好ましくは150℃〜250℃、最も好ましくは180℃〜240℃である。
尚、(a4)を使用する場合、(U)の分子量分布の観点から、(a1)、(a2)及び(a3)によるウレタン化が終了した後添加することが好ましい。
有機溶剤(S)としては、公知の有機溶剤が使用できる。有機溶剤(S)はウレタン化反応時及び/又は反応後に添加できる。公知の有機溶剤の中でも、ウレタン化反応時にイソシアネート基と反応しない有機溶剤(活性水素を有さない有機溶剤)が好ましく、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン、トルエン及びキシレン(各異性体及びそれらの混合物を含む)が挙げられる。これらの有機溶剤は単独で、又は2種以上を併用して使用することができる。
上記ウレタン樹脂(U)の製造においては反応を促進させるため、必要により通常のウレタン反応に使用される触媒を使用してもよい。触媒としては、アミン触媒、例えばトリエチルアミン、N−エチルモルホリン、トリエチレンジアミン及び米国特許第4524104号明細書に記載のシクロアミジン[1,8−ジアザ−ビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン{サンアプロ(株)製DBU}等];錫系触媒、例えばジブチル錫ジラウリレート、ジオクチル錫ジラウリレート及びオクチル酸錫;チタン系触媒、例えばテトラブチルチタネートが挙げられる。
本発明のポリウレタン樹脂エマルションは、ポリウレタン樹脂(U)、水並びに必要により上記有機溶剤(S)及びその他添加剤を構成成分とする。
本発明のポリウレタン樹脂エマルションの固形分濃度(揮発分以外の成分の含有量)は、分散安定性の観点から、好ましくは20〜65%、更に好ましくは25〜55%である。
固形分濃度は、エマルション約1gをペトリ皿上にうすく伸ばし、精秤した後、循環式低温乾燥機を用いて130℃で、45分間加熱した後の重量を精秤し、加熱前の重量に対する加熱後の残存重量の割合(百分率)を計算することにより得ることが出来る。
有機溶剤(S)を使用することにより、ポリウレタン樹脂(U)の分散性を更に向上させることが出来る。(S)を添加使用した場合には、ポリウレタン樹脂エマルション製造後に必要によりこれらを留去してもよい。
水と有機溶剤(S)との重量比[水/(S)]は、樹脂の乳化の容易性の観点から、通常100/0〜50/50、好ましくは100/0〜80/20特に好ましくは100/0である。
その他の添加剤としては、pH調整剤、破泡剤、抑泡剤、脱泡剤、酸化防止剤、着色防止剤、可塑剤及び離型剤等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂(U)又は(U)の有機溶剤溶液を水に乳化分散させる装置は特に限定されず、例えば下記(1)〜(9)の方式の乳化機が挙げられる。
(1)錨型撹拌方式、(2)回転子−固定子式方式[例えば「エバラマイルダー」{荏原製作所(株)製}]、(3)ラインミル方式(例えばラインフローミキサー)、(4)静止管混合式(例えばスタティックミキサー)、(5)振動式[例えば「VIBRO MIXER」{冷化工業(株)製}]、(6)超音波衝撃式(例えば超音波ホモジナイザー)、(7)高圧衝撃式[例えばガウリンホモジナイザー(ガウリン社)]、(8)乳化式(例えば膜乳化モジュール)及び(9)遠心薄膜接触式(例えばフィルミックス)。
これらの内、せん断力の観点から好ましいのは、(1)、(2)、(5)、(8)及び(9)である。
上記装置を用いてポリウレタン樹脂(U)又は(U)の有機溶剤溶液を分散混合処理する際の分散液の温度は特に限定されないが、ポリウレタン樹脂(U)がブロック化剤(a43)で封止されたイソシアネート基を含有する場合には、経時安定性の観点から、ブロック化剤の解離温度未満、特に解離温度よりも10℃以上低い温度が好ましい。
以下において本発明のポリウレタン樹脂エマルジョンを用いて、水性塗料を調製する方法について説明する。
水性塗料には、塗膜形成補助やバインダー機能の向上などを目的として、必要により本発明のポリウレタン樹脂エマルション以外に、他の樹脂エマルション又は水溶性樹脂を併用していてもよい。
水性塗料に併用される他の樹脂エマルション又は水溶性樹脂としては、例えば本発明のポリウレタン樹脂エマルション以外のポリウレタン樹脂エマルション、ポリアクリル樹脂エマルション、ポリエステル樹脂エマルション、水溶性ポリウレタン樹脂、水溶性ポリアクリル樹脂及び水溶性ポリエステル樹脂などが挙げられる。これらの他の樹脂エマルション又は水溶性樹脂は、水性塗料の用途毎に、各用途で常用されるもの等から適宜選択することができる。
水性塗料における本発明のポリウレタン樹脂エマルションの固形分の含有量は、水性塗料の重量に基づいて通常0.1〜60%、好ましくは1〜50%である。
また、水性塗料における他の樹脂エマルション及び水溶性樹脂の固形分の含有量は、水性塗料の重量に基づいて通常60%以下、好ましくは50%以下である。
水性塗料は、更に架橋剤、顔料、顔料分散剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、劣化防止剤、安定化剤及び凍結防止剤等を1種又は2種以上含有することができる。
架橋剤としては水溶性又は水分散性のアミノ樹脂、水溶性又は水分散性のポリエポキシド、水溶性又は水分散性のブロックドポリイソシアネート化合物及びポリエチレン尿素等が挙げられる。
架橋剤の添加量はポリウレタン樹脂エマルションの固形分重量を基準として、通常0〜30%、好ましくは0.1〜20%である。
顔料としては、水への溶解度が1以下の無機顔料(例えば白色顔料、黒色顔料、灰色顔料、赤色顔料、茶色顔料、黄色顔料、緑色顔料、青色顔料、紫色顔料及びメタリック顔料)並びに有機顔料(例えば天然有機顔料合成系有機顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、顔料色素型アゾ顔料、水溶性染料からつくるアゾレーキ、難溶性染料からつくるアゾレーキ、塩基性染料からつくるレーキ、酸性染料からつくるレーキ、キサンタンレーキ、アントラキノンレーキ、バット染料からの顔料及びフタロシアニン顔料)等が挙げられる。顔料の含有量は、水性塗料の重量に基づいて通常50%以下、好ましくは30%以下である。
顔料分散剤は各種の界面活性剤[アニオン性、カチオン性、ノニオン性又は両性]及び高分子型乳化分散剤(Mn1,000〜20,000)が挙げられ、好ましいのは高分子型乳化分散剤である。顔料分散剤の含有量は、顔料の重量に基づいて通常20%以下、好ましくは15%以下である。
粘度調整剤としては増粘剤、例えば無機系粘度調整剤(ケイ酸ソーダやベントナイト等)、セルロース系粘度調整剤(メチルセルロール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース等、Mnは通常20,000以上)、タンパク質系(カゼイン、カゼインソーダ、カゼインアンモニウム等)、アクリル系(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アンモニウム等、Mnは通常20,000以上)、及びビニル系(ポリビニルアルコール等、Mnは通常20,000以上)が挙げられる。
消泡剤としては、長鎖アルコール(オクチルアルコール等)、ソルビタン誘導体(ソルビタンモノオレート等)、シリコーンオイル(ポリメチルシロキサン、ポリエーテル変性シリコーン等)等が挙げられる。
防腐剤としては、有機窒素硫黄化合物系防腐剤、有機硫黄ハロゲン化物系防腐剤等が挙げられる。
劣化防止剤及び安定化剤(紫外線吸収剤及び酸化防止剤等)としてはヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ヒドラジン系、リン系、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等が挙げられる。
凍結防止剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール等が挙げられる。
粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、劣化防止剤、安定化剤及び凍結防止剤の含有量は、水性塗料の重量に基づいて通常5%以下、好ましくは3%以下である。
水性塗料には、乾燥後の塗膜外観を向上させる目的で更に溶剤を添加してもよい。添加する溶剤としては例えば1価アルコール(メタノール、エタノール及びプロパノール等)、グリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール及びジエチレングリコール等)、3価以上のアルコール(グリセリン等)及びセロソルブ(メチル及びエチルセロソルブ等)等が使用できる。添加する溶剤の含有量は、水性塗料の重量基づいて、好ましくは20%以下、更に好ましくは15%以下である。
本発明のポリウレタン樹脂エマルジョンを用いた水性塗料は、本発明のポリウレタン樹脂エマルジョンと上記記載の各成分を混合、撹拌することで製造される。混合の際は全ての成分を同時に混合しても、各成分を段階的に投入してもよい。
水性塗料の固形分濃度は、好ましくは10〜70%、更に好ましくは15〜60%である。
以下、実施例を以て本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下において、部は重量部を意味する。
実施例1
2軸混練機のKRCニーダー[栗本鐵工(株)製]に、1,3−シクロヘキサンジメタノール及び1,6−ヘキサンジオールからなり、1,3−シクロヘキサンジメタノールと1,6−ヘキサンジオールのモル比が15:85であるジオール混合物と、エチレンカーボネートとの反応より得られたMn1,000の脂環式ポリカーボネートジオールA(脂環式炭化水素基の含有量8.5%)654部、1,4−ブタンジオール20部、2,2−ジメチロールプロピオン酸56部、水添MDI270部を窒素雰囲気下で導入した。その後220℃に加熱し、10分間混練してウレタン化反応を行った。反応物を取り出し、180℃に加熱した加圧プレス機で圧延後、角形ペレット機[(株)ホーライ製]にて裁断してペレット化した。続いて、90℃のイオン交換水1829部に25%アンモニア水(中和剤)28部とペレット化したウレタン樹脂1,000部を加え、140℃の条件下でクレアミックス[エムテクニック(株)製]を用いて20,000rpmにて3分間分散させポリウレタン樹脂エマルション(Q−1)2857部を得た。ウレタン樹脂の組成及びウレタン樹脂エマルションの物性値を表1に示す。以下の実施例及び比較例についても同様に、ウレタン樹脂の組成及びウレタン樹脂エマルションの物性値等を表1に示す。
実施例2〜6
実施例1(Q−1)と同様の方法で、表1に記載の原料を表1に記載の部数用いて実施例2〜6のポリウレタン樹脂エマルション(Q−2)〜(Q−6)を製造した。
尚、表1における「脂環式ポリカーボネートジオールB」は、1,4−シクロヘキサンジメタノール及びエチレングリコールの混合物(モル比50:50)とエチレンカーボネートとの反応より得られたMn3,000のポリカーボネートジオール(脂環式炭化水素基の含有量32.1%)、「脂環式ポリカーボネートジオールC」は、1,4−シクロヘキサンジメタノールとエチレンカーボネートとの反応より得られたMn1,000のポリカーボネートジオール(脂環式炭化水素基の含有量49.5%)、「脂環式ポリカーボネートジオールD」は、1,4−シクロヘキサンジメタノール及び1,6−ヘキサンジオールの混合物(モル比80:20)とエチレンカーボネートとの反応より得られたMn2,000のポリカーボネートジオール(脂環式炭化水素基の含有量40.3%)、「脂環式ポリエーテルジオールA」は、1,4−シクロヘキサンジメタノールにEOが9モル付加したMn540のポリエーテルジオール(脂環式炭化水素基の含有量15.2%)、「脂環式ポリエステルジオールA」は、1,4−シクロヘキサンジメタノールとシクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸との反応より得られたMn1,000のポリエステルジオール(脂環式炭化水素基の含有量58.3%)、「PTMG1000」[三菱化学(株)製]は、Mn1,000のポリテトラメチレングリコール、「PTMG2000」[三菱化学(株)製]は、Mn2,000のポリテトラメチレングリコール、「PTMG3000」[三菱化学(株)製]は、Mn3,000のポリテトラメチレングリコール、「ニッポラン981」[日本ポリウレタン(株)製]はMn1,000の炭素数6のアルキレン基を有するポリカーボネートジオール、「BP−3P」[三洋化成工業(株)製]はビスフェノールAにPOが3モル付加したMn402のポリエーテルジオールである。
実施例7
撹拌機及び加熱器を備えた簡易加圧反応装置に、前記脂環式ポリエステルジオールAを595部、1,4−ブタンジオール5部、2,2−ジメチロールプロピオン酸48部、IPDI351部及びN−メチル−2−ピロリドン200部を窒素を導入しながら仕込んだ。その後95℃に加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、プレポリマーを製造した。反応混合物を40℃に冷却後、メチルエチルケトオキシム52部を添加して80℃に加熱し、撹拌化3時間プレポリマー中の末端イソシアネート基と反応させ、イソシアネート基含量を樹脂固形分に対し0.05wt%以下とした。これにトリエチルアミン18部を添加・混合し、更に水1339部を加え140℃の条件下でクレアミックス[エムテクニック(株)製]を用いて20,000rpmにて3分間分散させポリウレタン樹脂エマルション(Q−7)2608部を得た。
実施例8及び9
実施例7と同様の方法で、表1に記載の原料を表1に記載の部数用いて実施例8及び9のポリウレタン樹脂エマルション(Q−8)及び(Q−9)を製造した。
比較例1
撹拌機及び加熱器を備えた簡易加圧反応装置に、PTMG2000を223部、1,4−ブタンジオール10部、トリメチロールプロパンを113部、2,2−ジメチロールプロピオン酸19部、IPDI434部及びアセトン(1)200部を窒素を導入しながら仕込んだ。その後95℃に加熱し、5時間かけてウレタン化反応を行い、プレポリマーを製造した。反応混合物を40℃に冷却後、アセトン(2)319部及びトリエチルアミン14部を添加・混合し、更に水1333部を加え回転子−固定子式方式の機械乳化機で乳化することでエマルションを得た。得られたエマルションに撹拌下、10%のジエチレントリアミン水溶液を134部を加え、50℃で5時間撹拌し、鎖伸長反応を行った。その後、減圧下に65℃でアセトンを除去し、ポリウレタン樹脂エマルション(H−1)を得た。
比較例2〜4
比較例1と同様の方法で、表1に記載の原料を表1に記載の部数用いて比較例2〜4のポリウレタン樹脂エマルション(H−2)〜(H−4)を製造した。
得られた各ポリウレタン樹脂エマルションにおけるポリウレタン樹脂のウレア基濃度、Mw、Mn、Mw/Mn、Tg及びポリウレタン樹脂の重量に基づく高分子ポリオール成分が有する環状(脂環式)炭化水素基の含有量を表1に示す。尚、各物性値の測定方法は以下の通りである。
<ウレア基濃度の測定方法>
ポリウレタン水性分散体について窒素分析計[ANTEK7000(アンテック社製)]によって定量されるN原子含量とNMRによって定量されるウレタン基とウレア基の比率から算出する。NMR測定については、「NMRによるポリウレタン樹脂の構造研究:武田研究所報34(2)、224−323(1975)」に記載の方法で行う。すなわち1H−NMRを測定して、脂肪族を使用した場合、化学シフト6ppm付近のウレア基由来の水素の積分量と化学シフト7ppm付近のウレタン基由来の水素の積分量の比率からウレア基とウレタン基の重量比を測定し、該重量比と上記のN原子含量からウレア基含量を算出する。芳香族イソシアネートを使用した場合、化学シフト8ppm付近のウレア基由来の水素の積分量と化学シフト9ppm付近のウレタン基由来の水素の積分量の比率からウレア基とウレタン基の重量比を算出し、該重量比と上記のN原子含量からウレア基含量を算出する。
<Mw及びMnの測定方法>
エマルションを、DMF中にポリウレタン樹脂固形分が0.0125%となるように加えて、常温で1時間撹拌後、0.3μmの孔径のフィルターで加圧ろ過して、得られたろ液に含まれているウレタン樹脂を、DMFを溶媒として分子量標準としてポリスチレンを用いて、GPCにより測定した。
<Tgの測定方法>
ポリウレタン樹脂エマルションを固形分量を基に膜厚が0.2±0.1mmとなる量をフィルム状にキャストし、105℃で3時間順風乾燥機で乾燥して得られたポリウレタン樹脂エマルションの乾燥皮膜(厚さ0.2±0.1mm)を3.0±0.5cm×0.5±0.2cmの大きさに切り取ったものを動的粘弾性測定装置Rheogel−E4000(ユービーエム社製)にて基本周波数11Hz、温度幅−100〜100℃の範囲で損失弾性率E’’を測定し、損失弾性率E’’が最大値を示す温度をTgとした。
Figure 2010254977
評価例1(自動車用水性塗料としての評価1)
イオン交換水27部、水性ポリエステル樹脂エマルション[固形分25%、「バイロナールMD−1480」、東洋紡(株)製]38部、酸化チタン[「CR−93」、石原産業(株)製]35部、カーボンブラック[「FW200P」、デグサ(株)製]1部、硫酸バリウム[「W−1」、竹原化学(株)製]35部、タルク[「ハイトロン」、竹原化学(株)製]9部、湿潤剤[固形分70%、「SNウェット366」、サンノプコ(株)製]5部、沈降防止剤[固形分20%、「ディスパロンAQ−600」、楠本化成(株)製]7部、ジメチルアミノエタノール10%水溶液2部をペイントコンディショナーにより30分間混合分散した。ここに水性メラミン樹脂[固形分85%、「サイメル1141」、三井サイテック(株)製]10部、1−ノナノール17部、更に上記で得たポリウレタン樹脂エマルション(Q−1)を200部撹拌下混合した。更にイオン交換水を用いて粘度が300mPa・s[25℃、TOKIMEC(株)回転式粘度計(60rpm)]となるよう調製し、水性塗料(A−1)を得た。
上記と同様の方法で、ポリウレタン樹脂エマルジョン(Q−1)の代わりにポリウレタン樹脂エマルション(Q−2)〜(Q−9)又は(H−1)〜(H−4)を用いて水性塗料(A−2)〜(A−9)及び比較用の水性塗料(A’−1)〜(A’−4)を得た。
得られた水性塗料について、下記試験方法に基づいて塗膜の耐水性、耐溶剤性及び耐衝撃性を試験した結果を表2に示す。
<塗膜の耐水性評価方法>
水性塗料を10cm×20cmの鋼板にスプレー塗布し、80℃で3分加熱して20μmの塗膜を作製した。この塗装した鋼板を25℃のイオン交換水中に3分間浸漬した後、取り出して表面を軽く拭き、塗膜表面を目視により以下の評価基準で評価した。
◎:浸漬前後で塗膜表面の変化がない。
○:浸漬後、塗膜表面に僅かな凹凸がある。
△:浸漬後、塗膜表面に小さな凹凸がある。
×:浸漬後、塗膜表面に凹凸があり、塗料が溶液中に溶け出している。
<塗膜の耐溶剤性評価方法>
水性塗料を10cm×20cmの鋼板にスプレー塗布し、80℃で3分加熱して20μmの塗膜を作製した。この塗装した鋼板を25℃のジメチルホルムアミド中に3分間浸漬した後、取り出して表面を軽く拭き、塗膜表面を目視により以下の評価基準で評価した。
◎:浸漬前後で塗膜表面の変化がない。
○:浸漬後、塗膜表面に僅かな凹凸がある。
△:浸漬後、塗膜表面に小さな凹凸がある。
×:浸漬後、塗膜表面に凹凸があり、塗料が溶液中に溶け出している。
<塗膜の耐衝撃性評価方法>
水性塗料を10cm×20cmの鋼板にスプレー塗布し、150℃で20分加熱して25μmの塗膜を作製した。この塗装した鋼板を用いてJIS K−5600−5−3に準拠しデュポン式にて荷重500gにて耐衝撃試験を行い、目視により以下の評価基準で評価した。
◎:試験後、塗膜表面のキズがほとんどない。
○:試験後、塗膜表面のキズが少ない。
△:試験後、塗膜表面のキズは大きいが、鋼板は露出していない。
×:試験後、塗膜表面のキズが大きく、鋼板が露出している。
Figure 2010254977
評価例2(自動車用水性塗料としての評価2)
イオン交換水613部、水性ポリアクリル樹脂エマルション[固形分50%、「AE981A」、JSR(株)製]166部、アルミニウム顔料[固形分60%、「010WD」、昭和アルミパウダー(株)製]71部、層状シリケート[「KMP−590」、信越化学(株)製]7部、消泡剤[「SNデフォーマー393」、サンノプコ(株)製]4部、増粘剤[固形分30%、「ビスライザーAP−2」、三洋化成工業(株)製]33部、ジメチルエタノールアミン6部、ポリプロピレングリコール[「サンニックスPP−950」、三洋化成工業(株)製]7部、エチレングリコールモノブチルエーテル94部、N−メチル−2−ピロリドン27部をペイントコンディショナーにより30分間混合分散した。ここに水性メラミン樹脂[固形分85%、「サイメル1141」、三井サイテック(株)製]66部、1−ノナノール117部、更に上記で得たポリウレタン樹脂エマルション(Q−1)を200部撹拌下混合した。更にイオン交換水を用いて粘度が300mPa・s[25℃、TOKIMEC(株)回転式粘度計(60rpm)]となるよう調製し、水性塗料(B−1)を得た。
上記と同様の方法で、ポリウレタン樹脂エマルジョン(Q−1)の代わりにポリウレタン樹脂エマルション(Q−2)〜(Q−9)又は(H−1)〜(H−4)を用いて水性塗料(B−2)〜(B−9)及び比較用の水性塗料(B’−1)〜(B’−4)を得た。
得られた水性塗料について、上記試験方法に基づいて塗膜の耐水性、耐溶剤性及び耐衝撃性を試験した結果を表3に示す。
Figure 2010254977
評価例3(自動車用途以外の一般的な水性塗料としての評価)
イオン交換水90部、増粘剤[「ビスライザーAP−2」、三洋化成工業(株)製]70部、顔料分散剤[「キャリボンL−400」、三洋化成工業(株)製]10部、酸化チタン[「CR−93」、石原産業(株)製]140部、カーボンブラック[「FW200P」、デグサ(株)製]及び炭酸カルシウム160部をペイントコンディショナーにより30分間混合分散した。ここに1−ノナノール20部、アクリルエマルション[「ポリトロンZ330」、旭化成(株)製]200部、更に上記で得たポリウレタン樹脂エマルション(Q−1)200部を仕込み、撹拌下混合した。更にイオン交換水を用いて粘度が150mPa・s[25℃、TOKIMEC(株)回転式粘度計(60rpm)]となるよう調製し、水性塗料(C−1)を得た。
上記と同様の方法で、ポリウレタン樹脂エマルジョン(Q−1)の代わりにポリウレタン樹脂エマルション(Q−2)〜(Q−9)又は(H−1)〜(H−4)を用いて水性塗料(C−2)〜(C−9)及び比較用の水性塗料(C’−1)〜(C’−4)を得た。
得られた水性塗料について、上記試験方法に基づいて塗膜の耐水性、耐溶剤性及び耐衝撃性を試験した結果を表4に示す。
Figure 2010254977
本発明のポリウレタン樹脂エマルションは、水性塗料用ポリウレタンエマルションに好適に使用でき、優れた耐水性、耐溶剤性又は耐衝撃性を要求される広範な用途(例えば、自動車用塗料、建材用塗料、家電用塗料及びプラスチック用塗料)に使用することが可能である。

Claims (4)

  1. ポリウレタン樹脂(U)及び水を含有し、下記(1)〜(4)を満たすことを特徴とする水性塗料用ポリウレタン樹脂エマルション。
    (1)前記ポリウレタン樹脂(U)の重量に基づくウレア基濃度が0.1mmol/g以下である。
    (2)前記ポリウレタン樹脂(U)の重量平均分子量(Mw)が、5,000〜5,000,000であり、且つ前記ポリウレタン樹脂(U)の重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)が1.5〜3.5である。
    (3)前記ポリウレタン樹脂(U)のガラス転移温度が−20〜80℃である。
    (4)前記ポリウレタン樹脂(U)が、環状炭化水素基を有し数平均分子量が300〜5,000の高分子ポリオール(a21)を構成単位として含み、前記環状炭化水素基の含有量が前記ポリウレタン樹脂(U)の重量に基づいて5〜40%である。
  2. 前記ポリウレタン樹脂(U)が、アンモニア、沸点が90℃以下で炭素数が1〜10の第一級アミン、第二級アミン及び第三級アミンからなる群から選ばれる1種以上の中和剤で中和されたカルボキシル基及び/又はスルホ基を有する請求項1記載の水性塗料用ポリウレタン樹脂エマルション。
  3. 前記ポリウレタン樹脂(U)が、ブロック化剤(a43)で封止されたイソシアネート基を前記ポリウレタン樹脂(U)の重量に基づき0.02〜1.5mmol/g含有する請求項1又は2記載の水性塗料用ポリウレタン樹脂エマルション。
  4. 前記ブロック化剤(a43)が、炭素数1〜15のオキシム、炭素数2〜15の第二級アミン、活性メチレン化合物及び環の構成単位としてイミノ基と窒素−炭素2重結合とを有する5員環化合物からなる群から選ばれる少なくとも1種のブロック化剤である請求項3記載の水性塗料用ポリウレタン樹脂エマルション。
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