JP2015028159A - 印刷インキ用バインダー及びこれを用いた印刷インキ - Google Patents

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正考 藤岡
Masataka Fujioka
正考 藤岡
柳田 正毅
Masaki Yanagida
正毅 柳田
貢三 石田
Kozo Ishida
貢三 石田
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Abstract

【課題】 トルエンを含まない印刷インキに使用しても溶剤への再溶解性に優れ、乾燥後の耐溶剤性に優れブリード現象を生じさせず、ポリエステル、ナイロン及びポリオレフィン等の各種プラスチックフィルムに対して優れた密着性を有し、各種プラスチックフィルムに汎用的に使用できる印刷インキ用バインダーを提供する。
【解決手段】 数平均分子量が500以上のジオール成分(A)、鎖伸長剤(B)及び有機ジイソシアネート成分(C)を必須成分として反応させて得られるポリウレタンウレア樹脂(U)からなり、前記鎖伸長剤(B)が炭素数4〜24のポリアルキレンポリアミンを含有し、ポリウレタンウレア樹脂(U)中の架橋点密度が0.001〜0.1mmol/gであることを特徴とする印刷インキ用バインダー。
【選択図】なし

Description

本発明は印刷インキ用バインダー及び印刷インキに関する。
従来、プラスチックフィルム用の印刷インキの溶剤として、トルエン、メチルエチルケトン(以下、MEKと略記)及び酢酸エチル等の溶剤が混合使用されてきた。このなかでもトルエンは安価でしかも比較的高沸点であるために、印刷時にグラビア版上のインキの乾燥を抑え、フィルムへ転移せずに残存したグラビア版のセル中のインキが、インキパン中の新インキと接触して、十分に再溶解することにより、セルの版詰まりを防ぐのに好適な溶剤であり、印刷インキの主溶剤として使用されてきた。これらトルエンを含有する溶剤を使用した印刷インキで再溶解性の良いバインダーとしては、3−メチルペンタンアジペートジオールを使用したポリウレタン樹脂が知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、近年、労働安全衛生法の改正でトルエンの環境濃度規制が強化され、印刷作業環境の改善が必要となり、またトルエンは比較的高沸点であるために印刷物中に多く残留する傾向にあり、PL法施行後、残留溶剤の低減が必要となり、トルエンを含まない溶剤系の印刷インキの要望が大きくなった。トルエンを使用せずMEK及び酢酸エチル等の溶剤だけを使用して、従来のポリエステル系ポリウレタン樹脂をバインダーとして用いた印刷インキは、溶剤の乾燥が速いためにグラビア版のセル中に残存したインキがインキパン中の新インキと接触するまでに乾燥し、十分に再溶解せずに版詰まりを起こし、深度の浅い版では印刷できなくなる等の問題がある。
版詰まり現象の解決のため、MEK及び酢酸エチル等の溶剤に溶解しやすいポリオールからなるポリウレタン樹脂や、低分子量のポリウレタン樹脂を使用することが試みられている。しかしながら、溶剤に溶解しやすいポリオールからなるポリウレタン樹脂や、低分子量のポリウレタン樹脂等を使用したインキによる印刷物の場合、ドライラミネート加工を施す際に、接着剤の溶剤である酢酸エチル等によってインキ皮膜が溶けるブリード現象が生じるため、問題となっている。
版詰まり現象とブリード現象を同時に解決する手段として、高分子ポリオールにアルキル側鎖を含有し、高分子ポリオールの水酸基の当量に対してイソシアネート基の当量が3〜6当量となるような量のイソシアネートを用いた印刷インキ用ポリウレタン樹脂が提案されている(特許文献2参照)。
しかしながら、各種フィルムへの密着性等の性能が不十分であり、性能のバランスが取れていないという問題があった。
特開昭63−161065号公報 特開平11−21332
本発明の目的は、トルエンを含まない印刷インキに使用しても溶剤への再溶解性に優れ、乾燥後の耐溶剤性に優れブリード現象を生じさせず、ポリエステル、ナイロン及びポリオレフィン等の各種プラスチックフィルムに対して優れた密着性を有し、各種プラスチックフィルムに汎用的に使用できる印刷インキ用バインダーを提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成するため鋭意検討した結果、本発明に到達した。即ち本発明は、数平均分子量が500以上のジオール成分(A)、鎖伸長剤(B)及び有機ジイソシアネート成分(C)を必須成分として反応させて得られるポリウレタンウレア樹脂(U)からなり、前記鎖伸長剤(B)が炭素数4〜24のポリアルキレンポリアミンを含有し、ポリウレタンウレア樹脂(U)中の架橋点密度が0.001〜0.1mmol/gであることを特徴とする印刷インキ用バインダー;前記印刷インキ用バインダーを含有し、トルエンを含有しない印刷インキ;である。
本発明の印刷インキ用バインダーは、トルエンを含まないインキ溶剤を使用しても、再溶解性に優れており、印刷時にグラビア版のセル中に残存するインキが再溶解され、版の目詰まりが非常に少なく、乾燥後の耐溶剤性に優れるため、接着剤溶液によってインキ皮膜が溶けるブリード現象が生じず、ポリエステル、ナイロン及びポリオレフィン等の各種プラスチックフィルムに対して優れた接着性を有し、各種プラスチックフィルム用の印刷インキ用バインダーとして汎用的に使用できる。
本発明の印刷インキ用バインダーは、数平均分子量(以下、Mnと略記)が500以上のジオール成分(A)、鎖伸長剤(B)及び有機ジイソシアネート成分(C)を必須成分として反応させて得られる。
本発明におけるジオールMnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、例えば以下の条件で測定することができる。
装置:「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
カラム:「Guardcolumn Super H−L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの」
試料溶液:0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:10μl
流量:0.6ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリエチレングリコール
Mnが500以上のジオール成分(A)としては、ポリエステルジオール(a1)及びポリエーテルジオール(a2)等が挙げられる。
ポリエステルジオール(a1)としては、縮合型ポリエステルジオール、ポリラクトンジオール及びポリカーボネートジオール等が挙げられる。
縮合型ポリエステルジオールとしては、化学式量又はMnが500未満のジオールとジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級(炭素数1〜4)アルキルエステル及び酸ハライド等]との縮合により得られるもの等が挙げられる。
化学式量又はMnが500未満のジオールとしては、炭素数2〜8の脂肪族2価アルコール[直鎖ジオール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンジオール等)、分岐アルキル鎖を有するジオール(1,2−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,2−、1,3−又は2,3−ブタンジオール等)等];炭素数6〜10の脂環基含有2価アルコール[1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等];炭素数8〜20の芳香環含有2価アルコール[m−又はp−キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン、ビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールS及びビスフェノールF等)の炭素数2〜12のアルキレンオキサイド(以下、AOと略記)付加物、ジヒドロキシナフタレンのAO付加物及びビス(2−ヒドロキシエチル)テレフタレート等];等が挙げられる。
炭素数2〜12のAOとしては、エチレンオキサイド(以下、EOと略記)、1,2−プロピレンオキサイド(以下、POと略記)、1,3−プロピレンオキサイド、1,2−,2,3−又は1,3−ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、スチレンオキサイド及びα−オレフィンオキサイド等]が挙げられる。AOは、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ジカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体としては、炭素数2〜15の脂肪族ジカルボン酸[シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸、アゼライン酸、マレイン酸及びフマル酸等]、炭素数8〜12の芳香族ジカルボン酸[テレフタル酸及びイソフタル酸等]及びこれらのエステル形成性誘導体[酸無水物、低級アルキルエステル(ジメチルエステル及びジエチルエステル等)、酸ハライド(酸クロライド等)等]等が挙げられる。ジカルボン酸は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
縮合型ポリエステルジオールの具体例としては、例えばポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリ(ポリオキシテトラメチレン)アジペートジオール、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール、ポリブチレンセバケートジオール及びポリネオペンチルテレフタレートジオール等が挙げられる。
ポリラクトンジオールとしては、前記化学式量又はMnが500未満のジオールを開始剤としてラクトンモノマー(γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン及びこれらの2種以上の混合物等)を開環重合したもの等が挙げられる。ポリラクトンジオールの具体例としては、ポリブチロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール及びポリカプロラクトンジオール等が挙げられる。
ポリカーボネートジオールとしては、前記化学式量又はMnが500未満のジオールと、低分子カーボネート化合物(例えば、アルキル基の炭素数1〜6のジアルキルカーボネート、炭素数2〜6のアルキレン基を有するアルキレンカーボネート及び炭素数6〜9のアリール基を有するジアリールカーボネート)とを、脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートジオール等が挙げられる。
ポリカーボネートジオールの具体例としては、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオール及びポリ(テトラメチレン/ヘキサメチレン)カーボネートジオール(例えば1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールをジアルキルカーボネートと脱アルコール反応させながら縮合させて得られるジオール)等が挙げられる。
ポリエステルジオール(a1)の内で、再溶解性の観点から好ましいのは分岐アルキル鎖を有するもの、即ち原料として化学式量又はMnが500未満のジオールの内の分岐アルキル鎖を有するジオールを用いたものやAO付加物におけるAOとしてPO、1,2−,2,3−又は1,3−ブチレンオキサイド及び3−メチルテトラヒドロフラン等を用いたもの等であり、更に好ましいのは分岐アルキル鎖を有する縮合型ポリエステルジオール、特に好ましいのはポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール及びポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール、最も好ましいのはポリネオペンチルアジペートジオール、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオールである。
(a1)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリエーテルジオール(a2)としては、脂肪族ポリエーテルジオール及び芳香族環含有ポリエーテルジオールが挙げられる。
脂肪族ポリエーテルジオールとしては、前記化学式量又はMnが500未満のジオールで例示した炭素数2〜8の脂肪族2価アルコール又は炭素数6〜10の脂環基含有2価アルコールのAO付加物及び炭素数1〜12のモノアルキルアミン(モノメチルアミン、モノエチルアミン及びモノブチルアミン等)のAO付加物等が挙げられる。
芳香族環含有ポリエーテルジオールとしては芳香族低分子量活性水素原子含有化合物[水酸基当量が30以上150未満の2価のもの、例えば芳香脂肪族アルコール{m−又はp−キシリレングリコール、ビス(ヒドロキシエチル)ベンゼン及びビス(ヒドロキシエトキシ)ベンゼン}、フェノール類(ヒドロキノン、カテコール、レゾルシン、ビスフェノールA、ビスフェノールS及びビスフェノールF等)及び芳香族アミン(アニリン等)等]のAO付加物が挙げられる。
脂肪族ポリエーテルジオールの具体例としては、例えばポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシエチレン/オキシプロピレングリコール及びポリオキシテトラメチレングリコール等が挙げられる。
芳香族環含有ポリエーテルジオールの具体例としては、ビスフェノール骨格を有するジオール、例えばビスフェノールAのEO付加物[ビスフェノールAのEO8モル付加物、ビスフェノールAのEO10モル付加物及びビスフェノールAのEO20モル付加物等]及びビスフェノールAのPO付加物[ビスフェノールAのPO6モル付加物、ビスフェノールAのPO8モル付加物及びビスフェノールAのPO10モル付加物等]、並びにレゾルシンのEO又はPO付加物等が挙げられる。
ポリエーテルジオール(a2)の内で、再溶解性の観点から好ましいのは分岐アルキル鎖を有するもの、即ち原料として化学式量又はMnが500未満のジオールの内の分岐アルキル鎖を有するジオールを用いたものやAO付加物におけるAOとしてPO、1,2−,2,3−又は1,3−ブチレンオキサイド及び3−メチルテトラヒドロフラン等を用いたもの等であり、更に好ましいのは分岐アルキル差を有する2価アルコールの脂肪族ポリエーテルジオール、特に好ましいのはポリオキシプロピレングリコール及びポリオキシエチレン/オキシプロピレングリコール、最も好ましいのはポリオキシプロピレングリコールである。
(a2)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ジオール成分(A)として好ましいのは、ポリエステルジオール(a1)及びポリエステルジオール(a1)とポリエーテルジオール(a2)の混合物、更に好ましいのは(a1)である。
ポリエステルジオール(a1)及びポリエーテルジオール(a2)のMnは、接着性の観点から、それぞれ好ましくは500〜10,000、更に好ましくは1,000〜4,000である。
鎖伸長剤(B)としては、必須成分としての炭素数4〜24のポリアルキレンポリアミン、任意成分としての炭素数2〜12のジアミン及び前記化学式量又はMnが500未満のジオール等が挙げられる。(B)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
炭素数4〜24のポリアルキレンポリアミンとしては、ポリ(n=2〜6)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜7)アミン(ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジヘキシレントリアミン、トリエチレンテトラミン、トリプロピレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、テトラプロピレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ペンタプロピレンヘキサミン及びヘキサエチレンヘプタミン等)等が挙げられ、再溶解性及び耐溶剤性の観点から好ましいのはジエチレントリアミン及びジプロピレントリアミン、特にジエチレントリアミンである。
炭素数2〜12のジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、トルエンジアミン及びピペラジン等が挙げられ、再溶解性の観点から好ましいのはイソホロンジアミンである。
化学式量又はMnが500未満のジオールの内、鎖伸長剤として再溶解性及び耐溶剤性の観点から好ましいのは1,4−ブタンジオールである。
有機ジイソシアネート成分(C)としては、従来ポリウレタンの製造に使用されているものが使用でき、炭素数4〜22の脂肪族ジイソシアネート(c1)、炭素数8〜18の脂環式ジイソシアネート(c2)、炭素数8〜26の芳香族ジイソシアネート(c3)及び炭素数10〜18の芳香脂肪族ジイソシアネート(c4)等が挙げられる。
炭素数4〜22の脂肪族ジイソシアネート(c1)としては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート及びビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート等が挙げられる。
炭素数8〜18の脂環式ジイソシアネート(c2)としては、例えばイソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略記)、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート及び2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。
炭素数8〜26の芳香族ジイソシアネート(c3)としては、例えば1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−又は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ポリアリールジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5−ナフチレンジイソシアネート及びm−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられる。
炭素数10〜18の芳香脂肪族ジイソシアネート(c4)としては、例えばm−又はp−キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネートが挙げられる。
これらの内で接着性の観点から好ましいのは、炭素数8〜18の脂環式ジイソシアネート(c2)であり、更にポリウレタンウレア樹脂(U)の再溶解性の観点から好ましいのはIPDIである。
有機ジイソシアネート(C)は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリウレタンウレア樹脂(U)を得るに当たっては、前記(A)、(B)及び(C)の必須成分に加えて、反応停止剤(D)を使用することができる。
反応停止剤(D)としては、炭素数1〜10のモノアルコール(メタノール、プロパノール、ブタノール及び2−エチルヘキサノール等)及び炭素数2〜8のモノアミン[炭素数2〜8のモノ又はジアルキルアミン(n−ブチルアミン及びジ−n−ブチルアミン等)、炭素数2〜6のモノ又はジアルカノールアミン(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びプロパノールアミン等)]等が挙げられる。これらの内で好ましいのは炭素数2〜6のモノ又はジアルカノールアミンである。反応停止剤(D)は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
ポリウレタンウレア樹脂(U)中の架橋点密度は、再溶解性と耐溶剤性の観点から、通常0.001〜0.1mmol/g、好ましくは0.01〜0.05mmol/g、更に好ましくは0.02〜0.03mmol/gである。
本発明におけるポリウレタンウレア樹脂(U)中の架橋点密度は、次式から求めることができる。
架橋点密度(mmol/g)=(F−2)×Ma/W
上記数式におけるFは、用いる炭素数4〜24のポリアルキレンポリアミンの1分子中の窒素原子の数であり、Maは炭素数4〜24のポリアルキレンポリアミンの使用重量(g)をその分子量で除して1000を乗じた値(単位:mmol)を表し、Wはポリウレタンウレア樹脂(U)を構成する全てのジオール成分(A)、鎖伸長剤(B)、有機ジイソシアネート成分(C)及び反応停止剤(D)の合計重量(g)である。尚、炭素数4〜24のポリアルキレンポリアミンを2種以上用いる場合それぞれについて上記式により求めた架橋点密度の合計値がポリウレタンウレア樹脂(U)中の架橋点密度となる。
ポリウレタンウレア樹脂(U)中のウレタン基[−NHCOO−]濃度とウレア基[−NHCONH−]濃度の合計値は、再溶解性と接着性の観点から、好ましくは0.8〜1.5mmol/g、更に好ましくは0.9〜1.4mmol/g、特に好ましくは1.1〜1.2mmol/gである。
ポリウレタンウレア樹脂(U)を製造する方法は特に制限されず、ジオール成分(A)、鎖伸長剤(B)、有機ジイソシアネート成分(C)及び必要により反応停止剤(D)を一度に反応させるワンショット法又は段階的に反応させる多段法[例えば(A)と(C)とを反応させてイソシアネート基末端プレポリマーを形成した後、(B)及び必要により(D)を加えて更に反応させて製造する方法等]のいずれの方法でもよいが、接着性の観点からはイソシアネート基末端プレポリマーを形成した後、鎖伸長剤(B)として炭素数4〜24のポリアルキレンポリアミン及び炭素数2〜12のジアミンをプレポリマーが有するイソシアネート基の当量に対してアミンが有するアミノ基とイミノ基の当量の合計値が過剰となるように用いてポリウレタン分子鎖の末端にアミノ基を導入する方法が好ましい。
ポリウレタンウレア樹脂(U)の製造に当たって、有機ジイソシアネート(C)のイソシアネート基と、ジオール成分(A)、鎖伸長剤(B)及び必要により使用する反応停止剤(D)の活性水素含有基の当量比(イソシアネート基:活性水素含有基)は、通常0.7:1〜0.99:1、好ましくは0.8:1〜0.98:1である。
ジオール成分と(A)と有機ジイソシアネート成分(C)の反応は通常20〜140℃、好ましくは40〜120℃の温度で行われる。但し、アミンを反応させる場合は通常100℃以下、好ましくは0〜80℃である。
前記反応に際しては、反応を促進させるため、必要により通常のウレタン反応において使用される触媒[アミン触媒(トリエチルアミン、N−エチルモルホリン及びトリエチレンジアミン等)、錫系触媒(ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート及びオクチル酸錫等)及びチタン系触媒(テトラブチルチタネート等)]等を使用してもよい。触媒の使用量はポリウレタンウレア樹脂に対して通常0.1重量%以下である。
また、前記反応は有機溶剤中で行ってもよく、有機溶剤を反応途中又は反応後に加えてもよい。有機溶剤としては、エステル系溶剤(酢酸エチル、酢酸ブチル及びエチルセロソルブアセテート等)、ケトン系溶剤(アセトン、メチルイソブチルケトン及びメチルイソブチルケトン等)、エーテル系溶剤(ジオキサン、テトラヒドロフラン及びプロピレングリコールモノメチルエーテル等)、脂肪族炭化水素系溶剤(n−ヘキサン、n−ヘプタン及びシクロヘキサン等)及びアルコール系溶剤(エタノール、メタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール及びn−ブタノール等)等が挙げられる。
これらの内、ポリウレタンウレア樹脂(U)の再溶解性の観点から好ましいのは、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、n−プロピルアルコール及びイソプロピルアルコールであり、更に好ましいのは酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びイソプロピルアルコールである。
有機溶剤は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明におけるポリウレタンウレア樹脂(U)の重量平均分子量(以下、Mwと略記)は、ポリウレタンウレア樹脂(U)の樹脂物性、再溶解性及び耐溶剤性の観点から好ましくは50,000〜200,000、更に好ましくは100,000〜150,000である。
本発明におけるMwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、例えば以下の条件で測定することができる。
装置:「HLC−8220GPC」[東ソー(株)製]
カラム:「Guardcolumn α」(1本)、「TSKgel α−M」(1本)[いずれも東ソー(株)製]
試料溶液:0.125重量%のジメチルホルムアミド溶液
溶液注入量:100μl
流量:1ml/分
測定温度:40℃
検出装置:屈折率検出器
基準物質:標準ポリスチレン
本発明のポリウレタンウレア樹脂(U)からなる本発明の印刷インキ用バインダーは、ハンドリング性等の観点から、ポリウレタンウレア樹脂(U)を前述の有機溶剤に溶解させた溶液(ワニス)として用いることが好ましい。(U)の有機溶剤溶液の樹脂濃度はハンドリング性等の観点から好ましくは10〜60重量%、更に好ましくは20〜50重量%である。また、(U)の有機溶剤溶液の20℃での粘度は、同様の観点から好ましくは50〜100,000mPa・s、更に好ましくは100〜10,000mPa・sである。
本発明の印刷インキは、本発明の印刷インキ用バインダー、顔料及び溶剤を必須成分としてなる。顔料としては特に制限はなく、通常の印刷インキに用いられる無機顔料及び有機顔料等が使用できる。
また、必要により印刷インキに通常使用される他の樹脂類及び顔料分散剤等の添加剤を配合することもできる。他の樹脂類及び添加剤は、それぞれ1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
他の樹脂類としては、例えばポリアミド樹脂、ニトロセルロース、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレンマレイン酸共重合系樹脂、エポキシ樹脂及びロジン系樹脂等が挙げられる。これら他の樹脂類の添加量は印刷インキ中通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下である。
印刷インキの製造方法は特に制限はなく、公知の方法等、例えば三本ロール、ボールミル及びサンドグラインダーミル等の通常のインキ製造装置を用いて印刷インキを製造できる。
本発明の印刷インキの配合処方の一例を示せば下記の通りである。
本発明のバインダー(樹脂固形分の量):5〜40重量%(好ましくは10〜30重量%)
顔料:5〜40重量%(好ましくは10〜30重量%)
他の樹脂類:0〜30重量%(好ましくは0〜20重量%)
溶剤:30〜80重量%(好ましくは40〜70重量%)
本発明の印刷インキ用バインダーを用いてなる印刷インキは、一液型印刷インキとして使用してもよいが、例えばポリイソシアネート系硬化剤と併用して二液型印刷インキとして使用することもできる。この場合のポリイソシアネート系硬化剤としては、例えばトリメチロールプロパン1モルと、1,6−ヘキサメチレンジイソイシアネート、トリレンジイオシアネート又はIPDI3モルとからのアダクト体;1,6−ヘキサメチレンジイソイシアネート又はIPDIのイソシアネート基の環状三量化によって合成されるイソシアヌレート基含有の三量体;水1モルと1,6−ヘキサメチレンジイソイシアネート3モルとから誘導される部分ビュレット反応物及びこれらの2種以上の混合物が好適である。二液型印刷インキとして使用する場合、ポリイソシアネート系硬化剤の使用量は、本発明の印刷インキ用バインダーの重量に基づいて通常0.5〜10重量%である。
本発明の印刷インキを用いた印刷方法としては、従来のプラスチックフィルムの印刷に使用される特殊グラビア印刷、インクジェット印刷、オフセット印刷及び感熱転写印刷等の印刷方法が挙げられる。
本発明の印刷インキは、ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、表面処理又は無処理ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、アセテートフィルム、ポリ塩化ビニルフィルム及びこれらのフィルムにアルミ蒸着を施したフィルム等の各種プラスチックフィルムの印刷に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、以下において「部」は重量部を示す。
実施例1
撹拌装置を備えた反応装置に、ポリブチレン−ネオペンチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター45625」:Mn=2500]100部、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール[クラレ(株)製「クラレポリオールP−2010」:Mn=2000]100部、1,4−ブタンジオール0.28部、及びIPDI 31.9部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、NCO含量1.75重量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル373部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール187部を加えて均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン6.03部、ジエチレントリアミン0.56部、及びモノエタノールアミン1.03部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタンウレア樹脂(U−1)の溶液を得た。(U−1)のMwは140,000であった。
実施例2
撹拌装置を備えた反応装置に、ポリブチレン−ネオペンチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター45625」:Mn=2500]100部、ポリネオペンチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター5620」:Mn=2000]100部、1,4−ブタンジオール0.28部、及びIPDI 29.5部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、NCO含量1.36重量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル366部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール184部を加えて均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン4.15部、ジエチレントリアミン0.73部、及びモノエタノールアミン0.71部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタンウレア樹脂(U−2)の溶液を得た。(U−2)のMwは150,000であった。
実施例3
撹拌装置を備えた反応装置に、ポリエチレン−ブチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター24625Y」:Mn=2500]100部、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール[クラレ(株)製「クラレポリオールP−2010」:Mn=2000]150部、1,4−ブタンジオール0.12部、及びIPDI 39.9部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、NCO含量1.75重量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル465部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール233部を加えて均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン7.10部、ジエチレントリアミン0.92部、及びモノエタノールアミン1.21部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタンウレア樹脂(U−3)の溶液を得た。(U−3)のMwは155,000であった。
実施例4
撹拌装置を備えた反応装置に、ポリブチレン−ネオペンチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター45625」:Mn=2500]200部、ポリオキシプロピレングリコール[三洋化成工業(株)製「サンニックスPP−400」:Mn=400]6.4部、及びIPDI 32.9部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、NCO含量1.75重量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル384部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール193部を加えて均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン6.34部、ジエチレントリアミン0.51部、及びモノエタノールアミン1.08部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタンウレア樹脂(U−4)の溶液を得た。(U−4)のMwは130,000であった。
実施例5
撹拌装置を備えた反応装置に、ポリブチレン−ネオペンチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター45625」:Mn=2500]150部、ポリオキシエチレン・プロピレングリコール[三洋化成工業(株)製「ニューポール80−4000」:Mn=4000]50部、1,4−ブタンジオール0.69部、及びIPDI 33.5部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、NCO含量2.45重量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル382部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール191部を加えて均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン9.34部、ジエチレントリアミン0.13部、及びモノエタノールアミン1.86部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタンウレア樹脂(U−5)の溶液を得た。(U−5)のMwは150,000であった。
実施例6
撹拌装置を備えた反応装置に、ポリブチレン−ネオペンチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター45625」:Mn=2500]150部、ポリオキシプロピレングリコール[三洋化成工業(株)製「サンニックスPP−2000」:Mn=2000]50部、1,4−ブタンジオール0.37部、及びIPDI 30.5部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、NCO含量1.68重量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル369部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール185部を加えて均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン4.38部、ジエチレントリアミン1.22部、及びモノエタノールアミン0.79部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタンウレア樹脂(U−6)の溶液を得た。(U−6)のMwは105,000であった。
実施例7
撹拌装置を備えた反応装置に、ポリブチレン−ネオペンチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター45625」:Mn=2500]100部、ポリエチレン−ブチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター24625Y」:Mn=2500]100部、1,4−ブタンジオール0.33部、及びIPDI 20.5部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、NCO含量0.25重量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル344部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール173部を加えて均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン0.09部、ジエチレントリアミン0.64部、及びモノエタノールアミン0.01部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタンウレア樹脂(U−7)の溶液を得た。(U−7)のMwは143,000であった。
実施例8
撹拌装置を備えた反応装置に、ポリネオペンチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター5620」:Mn=2000]100部、ポリエチレン−ブチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター24625Y」:Mn=2500]100部、1,4−ブタンジオール0.55部、及びIPDI 40.0部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、NCO含量2.80重量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル394部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール198部を加えて均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン10.67部、ジエチレントリアミン0.27部、及びモノエタノールアミン2.13部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタンウレア樹脂(U−8)の溶液を得た。(U−8)のMwは132,000であった。
比較例1
撹拌装置を備えた反応装置に、ポリブチレン−ネオペンチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター45625」:Mn=2500]100部、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール[クラレ(株)製「クラレポリオールP−2010」:Mn=2000]100部、1,4−ブタンジオール0.28部、及びIPDI 31.9部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、NCO含量1.75重量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル373部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール187部を加えて均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン7.15部、及びモノエタノールアミン1.22部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタンウレア樹脂(U’−1)の溶液を得た。(U’−1)のMwは80,000であった。
比較例2
撹拌装置を備えた反応装置に、ポリブチレン−ネオペンチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター45625」:Mn=2500]100部、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール[クラレ(株)製「クラレポリオールP−2010」:Mn=2000]100部、1,4−ブタンジオール0.28部、及びIPDI 31.9部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、NCO含量1.75重量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル370部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール185部を加えて均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン3.06部、ジエチレントリアミン1.96部、及びモノエタノールアミン0.69部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタンウレア樹脂(U’−2)の溶液を得た。(U’−2)のMwは180,000であった。
比較例3
撹拌装置を備えた反応装置に、ポリブチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター4620」:Mn=2000]100部、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール[クラレ(株)製「クラレポリオールP−4010」:Mn=4000]150部、及びIPDI 60.8部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、NCO含量4.97重量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル537部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール269部を加えて均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン26.8部、及びモノエタノールアミン8.14部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタンウレア樹脂(U’−3)の溶液を得た。(U’−3)のMwは70,000であった。
比較例4
撹拌装置を備えた反応装置に、ポリエチレン−ブチレンアジペートジオール[三洋化成工業(株)製「サンエスター24625Y」:Mn=2500]100部、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール[クラレ(株)製「クラレポリオールP−4010」:Mn=4000]150部、1,4−ブタンジオール0.56部、及びIPDI 21.0部を仕込み、窒素雰囲気下110℃で10時間反応させ、NCO含量0.26重量%のウレタンプレポリマーを得た。40℃に冷却後、酢酸エチル425部を加え均一な溶液とした。次にイソプロパノール213部を加えて均一になるまで撹拌後、イソホロンジアミン1.95部、及びジブチルアミン0.30部を加え、40℃で1時間反応させて本発明の印刷インキ用バインダーであるポリウレタンウレア樹脂(U‘−4)の溶液を得た。(U’−4)のMwは142,000であった。
実施例9〜16及び比較例5〜8
実施例1〜8及び比較例1〜4で得られたポリウレタンウレア樹脂の溶液を用いて、以下の処方にて実施例9〜16及び比較例5〜8の印刷インキを作製した。
[青インキの作製]
ポリウレタンウレア樹脂の溶液100部、顔料(β型フタロシアニンブルー)30部、イソプロピルアルコール30部、酢酸エチル70部及びガラスビーズ150部からなる混合物をペイントコンデイショナー(レッドデビル社製)にて1時間混練し、ガラスビーズをろ過により除去して青インキを得た。
得られた印刷インキを使用して以下の性能試験を行った結果を、使用した各ポリウレタンウレア樹脂中の架橋点密度、ポリウレタンウレア樹脂中のウレタン基濃度及びウレア基濃度の合計値と共に表1に示す。
[接着性の試験方法]
表面処理ポリプロピレンフィルム(OPP)[東洋紡績株式会社製「パイレンP−2161」(厚さ30μm)]、表面処理ポリエステルフィルム(PET)[東洋紡績株式会社製「エスペットE−5102」(厚さ12μm)]及び表面処理ナイロンフィルム[東洋紡績株式会社製「ハーデンN−1130」(厚さ15μm)]に印刷インキを固形分で2〜3μmの厚みになるようにバーコーターで塗布し、60℃で1分間乾燥後、塗布面にセロハンテープ(ニチバン製、12mm巾)を貼り、このセロハンテープの一端を塗面に対して直角方向に急速に引き剥がしたときの塗布面状態を観察して以下の基準で評価した。
<評価基準>
◎:インキがまったく剥がれない。
○:インキが80%以上残る。
×:インキの残りが80%未満。
[耐溶剤性の試験方法]
接着性試験方法に記載した方法で表面処理ポリエステルフィルム(PET)に印刷インキを塗布、乾燥し、酢酸エチルを含ませた脱脂綿にて塗布面をこすり、インキの溶解状態を目視観察して以下の基準で評価した。
<評価基準>
○:インキがまったく溶解しない
△:インキが80%以上残る。
×:インキの残りが80%未満。
[再溶解性の試験方法]
版詰まりグラビア印刷試験機(TS−1型印刷機;東谷鉄工所製)で、深度35μmのグラビア版を用いて、30m/分のスピードでOPPフィルムに印刷インキを100m印刷した後、グラビア版に付着した余分のインキをイソプロピルアルコールと酢酸エチルの混合溶剤(重量比3:7)でかるく洗い落とした後、セルの目詰まり状態を観察した。
<評価基準>
○:セル中のインキの残りが30%未満。
×:セル中のインキが30%以上残る。
Figure 2015028159
本発明のバインダーは溶剤への再溶解性、耐溶剤性及び接着性に優れることから、各種プラスチックフィルム(ポリエステルフィルム、ナイロンフィルム、ポリプロピレンフィルム及びセロファンフィルム等)用特殊グラビアインキ用バインダーとして特に好適である。また、本発明のバインダーは前記用途だけではなく、フレキソ印刷インキ用バインダー、塗料用のバインダー、接着剤及び紙等のコーテング剤としても有用である。

Claims (6)

  1. 数平均分子量が500以上のジオール成分(A)、鎖伸長剤(B)及び有機ジイソシアネート成分(C)を必須成分として反応させて得られるポリウレタンウレア樹脂(U)からなり、前記鎖伸長剤(B)が炭素数4〜24のポリアルキレンポリアミンを含有し、ポリウレタンウレア樹脂(U)中の架橋点密度が0.001〜0.1mmol/gであることを特徴とする印刷インキ用バインダー。
  2. 前記ジオール成分(A)が、分岐アルキル鎖を有するポリエステルジオールを含有する請求項1記載の印刷インキ用バインダー。
  3. 前記ジオール成分(A)が、更に分岐アルキル鎖を有するポリエーテルジオールを含有する請求項1又は2記載の印刷インキ用バインダー。
  4. 前記有機ジイソシアネート成分(C)が、炭素数8〜18の脂環式ジイソシアネート(c2)である請求項1〜3のいずれか記載の印刷インキ用バインダー。
  5. 前記ポリウレタンウレア樹脂(U)中のウレタン基濃度とウレア基濃度の合計値が、0.8〜1.5mmol/gである請求項1〜4のいずれか記載の印刷インキ用バインダー。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の印刷インキ用バインダーを含有し、トルエンを含有しない印刷インキ。
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