JP6989424B2 - ポリウレタン樹脂被覆顔料水分散体 - Google Patents
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Description
これらの内、親水性樹脂で被覆する方法は分散安定性が高いことや顔料水分散体の粘度が比較的低粘度であることから検討が進められている。例えば、アニオン性基を含有する有機高分子化合物類で被覆した顔料分散体(例えば特許文献1)やロジン等で表面処理した顔料を、樹脂を用いて被覆した顔料分散体(例えば特許文献2)等が挙げられる。
しかしながら、インク等として使用する場合に基材との密着性が不十分であったり、経時で分散状態が変化し粘度が増減したりする課題がある。
即ち本発明は、顔料(P0)がポリウレタン樹脂(U)で被覆されてなる顔料(P)の水分散体であって、ポリウレタン樹脂(U)がポリエステルジオール(A1)、ポリカーボネートジオール(A2)、及びポリエーテルジオール(A3)からなる群より選ばれるポリオール(A)、脂肪族ジイソシアネート(B1)及び/又は脂環式ジイソシアネート(B2)、並びにカルボキシル基及び/又はカルボキシレートアニオン基を有するジオール(D)を必須構成単量体とし、ポリウレタン樹脂(U)の重量に基づくカルボキシレート アニオン基の含有量が4〜80mg/gであるポリウレタン樹脂被覆顔料水分散体(R);及びこのポリウレタン樹脂被覆顔料水分散体を含む水性インクである。
AOとしてはエチレンオキサイド(以下、EOと略称することがある)、プロピレンオキサイド(以下、POと略称することがある)1,2−、1,3−、2,3−又は1,4−ブチレンオキサイド等が挙げられる。
縮合型ポリエステルポリオールに使用できる低分子量2価アルコールの内好ましいのは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサングリコール、ビスフェノールAのEO又はPO低モル付加物及びこれらの併用である。
縮合型ポリエステルジオールの構成成分として、3価以上のアルコール及び3価以上のカルボン酸又はそのエステル形成性誘導体を含んでいてもよい。
20[Mn=2,000のポリエチレンアジペートジオール、三洋化成工業(株)製]、クラレポリオールP−2010[Mn=2,000のポリ−3−メチル−1,5−ペンタ
ンアジペートジオール]、クラレポリオールP−3010[Mn=3,000のポリ−3
−メチル−1,5−ペンタンアジペートジオール]、クラレポリオールP−6010[Mn=6,000のポリ−3−メチル−1,5−ペンタンアジペートジオール]、クラレポ
リオールP−2020[Mn=2,000のポリ−3−メチル−1,5−ペンタンテレフ
タレートジオール]、P−2030[Mn=2,000のポリ−3−メチル−1,5−ペ
ンタンイソフタレートジオール]等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールの具体例としては、例えばポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール及びポリカプロラクトントリオール等が挙げられる。
例えば、ポリエステルジオール(A1)では、コート紙、PETフィルムに対して親和性が高く、ポリウレタン樹脂にしたときの凝集力が高いため、前記基材に対しての密着性が高い。製膜後の柔軟性が劣るため、布帛に対しての密着性は低い。
ポリカーボネートジオール(A2)も同様の理由でコート紙、PETフィルムに対して密着性が高い反面、布帛に対する密着性は低い。なお、ポリエステルジオールよりもPETフィルムへの密着性が優れ、コート紙への密着性は劣る。
ポリエーテルジオール(A3)では、製膜後の柔軟性が高いため、布帛に対しての密着性に優れる。一方、凝集力が低いため、コート紙、PETフィルムに対しての密着性はポリエステルジオール(A1)、ポリカーボネートジオール(A2)に比べると密着性は劣る。
ここで、カルボキシレートアニオン基の重量はその対カチオンの重量は含まない。
ポリウレタン樹脂(U)中の(U)の重量に基づくカルボキシレートアニオン基の含有量の測定方法はJIS K 0070:1992記載の方法(電位差滴定法)で測定される酸価から算出できる。
(R)の固形分濃度は、(R)の重量に基づいて好ましくは10〜80重量%、更に好ましくは20〜40重量%である。
なお、この体積平均粒子径の測定方法は光散乱粒度分布測定装置で測定される。
分散剤の物理吸着は、吸着していない分散剤が存在するため、粘度が高くなる傾向にある。また、吸着、脱離の平衡状態であるため、安定性が悪いといった課題がある。
顔料表面の親水基の化学修飾は、分子量の大きいカーボンブラックでは自己分散化が達成できるが、有機顔料は分子量が小さいため、親水基付与によって水に可溶となり、染料化することがある。
このような物理的、化学的な顔料の表面修飾の課題解決のため、顔料を水に対し不溶で、かつ水に対し自己分散性を持つ樹脂で被覆する樹脂被覆顔料分散体があげられる。
このうち、本発明のポリウレタン樹脂被覆顔料水分散体(R)を製造するのに最も適しているのは、体積平均粒子径、インクビヒクルへの安定性の観点から転相乳化法である。
本発明のポリウレタン樹脂被覆顔料水分散体(R)は、例えば以下の工程にて製造される。
(i)ポリウレタンプレポリマー(T)を得る工程。
(ii)ポリウレタンプレポリマー(T)を有機溶剤(L)に溶解した液と顔料(P0)を混合、機械的解砕によって微細化し、有機溶媒系顔料スラリー(S)を得る工程。
(iii)中和剤(K)にて中和する工程。
(iv)得られた中和物を水に分散させて、鎖伸長剤(H)、反応停止剤(J)及び/若しくは水で反応させた後必要により有機溶剤(L)を除去する工程。
ポリウレタンプレポリマー(T)は、ポリエステルジオール(A1)及び/若しくはポリカーボネートジオール(A2)、脂肪族ジイソシアネート(B1)及び/若しくは脂環式ジイソシアネート(B2)、並びにカルボキシル基及び/若しくはカルボキシレートアニオン基を有するジオール(D)を、加熱可能な設備で加熱して反応することで得られる。例えば、容器中に(A1)及び/若しくは(A2)、(B1)及び/若しくは(B2)、(D)を仕込んで均一撹拌後、加熱乾燥機や加熱炉で無撹拌下に加熱する方法や、簡易加圧反応装置(オートクレーブ)、コルベン、一軸若しくは二軸の混練機、プラストミル又は万能混練機等で、攪拌又は混練しながら加熱して反応する方法等が挙げられる。なかでも、攪拌又は混練しながら加熱して反応する方法は、得られる(T)の均質性が高くなり、得られる皮膜の機械的物性、耐久性、耐薬品性及び耐磨耗性等がより優れる傾向があるため好ましい。
ポリウレタンプレポリマー(T)と顔料(P0)を混合する装置としては、(T)の合成に用いられた装置をそのまま使用することができる。
顔料(P0)を機械的解砕によって微細化する際に用いる分散機としては、例えば、ペイントシェーカーや、ボールミル、サンドミル、ナノミルを列挙することができる。具体的には、SCミル(日本コークス工業製)、TSU−6U(アイメックス製)などである。
必要により該ポリウレタンプレポリマー(T)に導入されたカルボキシル基部分を中和剤(K)にて中和する。中和剤(K)は、ウレタン化反応前、ウレタン化反応中、ウレタン化反応後、乳化前、乳化中又は乳化水性媒体分散後のいずれの時期に添加しても良いが、ウレタン樹脂の安定性及びインク用複合粒子分散体の安定性の観点から、乳化前又は乳化中に添加することが好ましい。
工程(iii)で得られた中和物を乳化する方法としては、例えば必要により有機溶剤(L)、分散剤(e)、鎖伸長剤(H)及び反応停止剤(J)の存在下で水性媒体に分散して、イソシアネート基が実質的に無くなるまで反応[水、(H)による鎖伸長、及び必要により(J)による反応停止]させ、必要により用いた有機溶剤(L)を留去する方法が挙げられる。
消泡剤としては、長鎖アルコール(オクチルアルコール等)、ソルビタン誘導体(ソルビタンモノオレート等)、シリコーンオイル(ポリメチルシロキサン及びポリエーテル変性シリコーン等)等が挙げられる。
劣化防止剤及び安定化剤(紫外線吸収剤及び酸化防止剤等)としてはヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ヒドラジン系、リン系、ベンゾフェノン系及びベンゾトリアゾール系劣化防止剤及び安定化剤等が挙げられる。
凍結防止剤としては、エチレングリコール及びプロピレングリコール等が挙げられる。
粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、劣化防止剤、安定化剤及び凍結防止剤の含有量は、水性塗料の重量に基づいてそれぞれ通常好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。
水性インク(X)の固形分濃度は、好ましくは3〜70重量%、更に好ましくは7〜60重量%である。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置にポリエステルジオール(A−1)としてサンエスター 4620(三洋化成工業製)57.8部、ヘキサメチレンジイソシアネート(B1−1)10.5部、2,2−ジメチロールプロピオン酸(D−1)1.7部及びメチルエチルケトン30部を仕込んで85℃で10時間攪拌してウレタン化反応を行い、ポリウレタンプレポリマー(T−1)のメチルエチルケトン溶液(V−1)を製造した。
次いで、顔料(P)としてカーボンブラックMA230(P−1)を17.5部加え、ガラスビーズ(ASGB−320、アズワン製)を117.5部加えた後、顔料分散機(TSU−6U、アイメックス製)にて4時間解砕させ、有機溶媒系顔料スラリー(S−1)を得た。
有機溶媒系顔料スラリー(S−1)235部に中和剤(K)としてトリエチルアミン1.0部を加え均一化した後、200rpmで撹拌しながら水を38部加え、混合物を分散させた。得られた分散体に鎖伸長剤(H)である10重量%のジエチレントリアミン水溶液を5.2部加え、減圧下に65℃で8時間かけてメチルエチルケトンを留去、ガラスビーズをフィルター除去し、ポリウレタン樹脂(U)に被覆された顔料水分散体(R−1)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置にポリエステルジオール(A−1)ヘキサメチレンジイソシアネート(B1−1)15.3部、2,2−ジメチロールプロピオン酸(D−1)4.8部及びメチルエチルケトン30部を仕込んで85℃で10時間攪拌してウレタン化反応を行い、ポリウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液(V−2)を製造した。次いで、カーボンブラックMA230(P−1)を17.5部加え、ガラスビーズを117.5部加えた後、顔料分散機にて4時間解砕させ、有機溶媒系顔料スラリー(S−2)を得た。
有機溶媒系顔料スラリー(S−2)235部にトリエチルアミン3.6部を加え均一化した後、200rpmで撹拌しながら水を388部加え混合物を分散させた。得られた分散体にジエチレントリアミン水溶液を8.5部加え、減圧下に65℃で8時間かけてメチルエチルケトンを留去、ガラスビーズをフィルター除去し、ポリウレタン樹脂(U)に被覆された顔料水分散体(R−2)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置にクラレポリオール P−2020(クラレ製)(A1−2)16.2部、ヘキサメチレンジイソシアネート(B1−1)22.6部、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(B2−1)14.5部、2,2−ジメチロールプロピオン酸(D−1)16.7部及びメチルエチルケトン30部を仕込んで85℃で10時間攪拌してウレタン化反応を行い、ポリウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液(V−3)を製造した。次いで、カーボンブラックMA230(P−1)を17.5部加え、ガラスビーズを117.5部加えた後、顔料分散機にて4時間解砕させ、有機溶媒系顔料スラリー(S−3)を得た。
有機溶媒系顔料スラリー(S−3)235部にトリエチルアミン12.6部を加え均一化した後、200rpmで撹拌しながら水を388部加え混合物を分散させた。得られた分散体にジエチレントリアミン水溶液を11.5部加え、減圧下に65℃で8時間かけてメチルエチルケトンを留去、ガラスビーズをフィルター除去し、ポリウレタン樹脂(U)に被覆された顔料水分散体(R−3)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置にエタナコール UH−200(宇部興産製)(A2−1)20.4部、4,4'−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(B2−1)39.2部、2,2−ジメチロールプロピオン酸(D−1)10.4部及びメチルエチルケトン30部を仕込んで85℃で10時間攪拌してウレタン化反応を行い、ポリウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液(V−4)を製造した。次いで、ピグメントブルー15:3(P−2)を35.0部加え、ガラスビーズを117.5部加えた後、顔料分散機にて4時間解砕させ、有機溶媒系顔料スラリー(S−4)を得た。
有機溶媒系顔料スラリー(S−4)270部にトリエチルアミン7.9部を加え均一化した後、200rpmで撹拌しながら水を388部加え混合物を分散させた。得られた分散体にジエチレントリアミン水溶液を19.3部加え、減圧下に65℃で8時間かけてメチルエチルケトンを留去、ガラスビーズをフィルター除去し、ポリウレタン樹脂(U)に被覆された顔料水分散体(R−4)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置にクラレポリオール P−2020(A1−2)21.6部、エタナコール UH−200(A2−1)21.6部、ヘキサメチレンジイソシアネート(B1−1)20.5部、2,2−ジメチロールプロピオン酸(D−1)6.3部及びメチルエチルケトン30部を仕込んで85℃で10時間攪拌してウレタン化反応を行い、ポリウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液(V−5)を製造した。次いでピグメントブルー15:3(P−2)を17.5部加え、ガラスビーズ(ASGB−320 アズワン製)を117.5部加えた後、顔料分散機にて4時間解砕させ、有機溶媒系顔料スラリー(S−5)を得た。
有機溶媒系顔料スラリー(S−5)235部にトリエチルアミン4.7部を加え均一化した後、200rpmで撹拌しながら水を388部加え混合物を分散させた。得られた分散体にジエチレントリアミン水溶液を16.8部加え、減圧下に65℃で8時間かけてメチルエチルケトンを留去、ガラスビーズをフィルター除去し、ポリウレタン樹脂(U)に被覆された顔料水分散体(R−5)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置にPTMG2000[Mn=2,000のポリ(オキシテトラメチレン)グリコール、三菱化学(株)製](A3−1)46.1部、ヘキサメチレンジイソシアネート(B1−1)17.6部、2,2−ジメチロールプロピオン酸(D−1)6.3部及びメチルエチルケトン30部を仕込んで85℃で10時間攪拌してウレタン化反応を行い、ポリウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液(V−6)を製造した。次いで、カーボンブラックMA230(P−1)を35.0部加え、ガラスビーズを135部加えた後、顔料分散機にて4時間解砕させ、有機溶媒系顔料スラリー(S−6)を得た。
有機溶媒系顔料スラリー(S−6)270部にトリエチルアミン4.7部を加え均一化した後、200rpmで撹拌しながら水を388部加え混合物を分散させた。得られた分散体にジエチレントリアミン水溶液を10.1部加え、減圧下に65℃で8時間かけてメチルエチルケトンを留去、ガラスビーズをフィルター除去し、ポリウレタン樹脂(U)に被覆された顔料水分散体(R−6)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置にサンエスター 4620(A1−1)61.6部、ヘキサメチレンジイソシアネート(B1−1)8.2部、2,2−ジメチロールプロピオン酸(D−1)0.2部及びメチルエチルケトン30部を仕込んで85℃で10時間攪拌してウレタン化反応を行い、ポリウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液(V’−1)を製造した。次いで、カーボンブラックMA230(P−1)を17.5部加え、ガラスビーズを117.5部加えた後、顔料分散機にて4時間解砕させ、有機溶媒系顔料スラリー(S’−1)を得た。
有機溶媒系顔料スラリー(S’−1)235部にトリエチルアミン0.1部を加え均一化した後、200rpmで撹拌しながら水を388部加え混合物を分散させた。得られた分散体にジエチレントリアミン水溶液を3.6部加え、減圧下に65℃で8時間かけてメチルエチルケトンを留去、ガラスビーズをフィルター除去し、ポリウレタン樹脂(U)に被覆された顔料水分散体(R’−1)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置にクラレポリオール P−2020(A1−2)24.3部、ヘキサメチレンジイソシアネート(B1−1)28.4部、2,2−ジメチロールプロピオン酸(D−1)17.3部及びメチルエチルケトン30部を仕込んで85℃で10時間攪拌してウレタン化反応を行い、ポリウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液(V’−2)を製造した。次いで、ピグメントブルー15:3(P−2)を17.5部加え、ガラスビーズを117.5部加えた後、顔料分散機にて4時間解砕させ、有機溶媒系顔料スラリー(S’−2)を得た。
有機溶媒系顔料スラリー(S’−2)235部にトリエチルアミン13.1部を加え均一化した後、200rpmで撹拌しながら水を382部加え混合物を分散させた。得られた分散体にジエチレントリアミン水溶液を6.9部加え、減圧下に65℃で8時間かけてメチルエチルケトンを留去、ガラスビーズをフィルター除去し、ポリウレタン樹脂(U)に被覆された顔料水分散体(R’−2)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置にサンエスター 4620(A1−1)33.8部、芳香族ジイソシアネートのジフェニルメタンジイソシアネート(B’−1)27.8部、2,2−ジメチロールプロピオン酸(D−1)8.4部及びメチルエチルケトン30部を仕込んで85℃で10時間攪拌してウレタン化反応を行い、ポリウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液(V’−3)を製造した。次いでカーボンブラックMA230(P−1)を17.5部加え、ガラスビーズを117.5部加えた後、顔料分散機にて4時間解砕させ、有機溶媒系顔料スラリー(S’−3)を得た。
有機溶媒系顔料スラリー(S’−3)235部にトリエチルアミン6.3部を加え均一化した後、200rpmで撹拌しながら水を385部加え混合物を分散させた。得られた分散体にジエチレントリアミン水溶液を9.0部加え、減圧下に65℃で8時間かけてメチルエチルケトンを留去、ガラスビーズをフィルター除去し、ポリウレタン樹脂(U)に被覆された顔料水分散体(R’−3)を得た。
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置にサンエスター 4620(A1−1)46.1部、ヘキサメチレンジイソシアネート(B1−1)17.6部、2,2−ジメチロールプロピオン酸(D−1)6.3部及びメチルエチルケトン30部を仕込んで85℃で10時間攪拌してウレタン化反応を行い、ポリウレタンプレポリマーのメチルエチルケトン溶液(V’−4)を得た。
得られた(V’−4)82.5部にトリエチルアミンを3.6部加え均一化した後、200rpmで撹拌しながら水を318部加えポリウレタン樹脂を分散させた。得られたポリウレタン樹脂水分散体にジエチレントリアミン水溶液を8.5部加え、減圧下に65℃で8時間かけてメチルエチルケトンを留去し、ポリウレタン樹脂水分散体を得た。
さらに顔料水分散体[「Aqua−Black162」、東海カーボン(株)製、固形分20wt%]を87.5部加えポリウレタン樹脂水分散体と顔料水分散体との配合物(W−1)を得た。
表2に記載したように、実施例1〜6、比較例1〜3で得られたポリウレタン樹脂被覆水分散体(R−1)〜(R−6)、(R’−1)〜(R’−3)100部、プロピレングリコール25部、グリセリン25部、及びイオン交換水20部を配合し、10分間混合して、インク(X−1)〜(X−6)、(X’−1)〜(X’−3)を得た。
比較例5で得られたポリウレタン樹脂水分散体と顔料水分散体との配合物(W−1)100部、プロピレングリコール25部、グリセリン25部、及びイオン交換水20を配合し、10分間混合して、インク(X’−4)を得た。
<体積平均粒子径>
水性インクを、イオン交換水で顔料の固形分が0.01重量%となるよう希釈した後、光散乱粒度分布測定装置(堀場製作所製ナノ粒子解析装置SZ−100)を用いて測定した。
水性インクの粘度は東機産業(株)製TVE−25型粘度計粘度計を用いて、回転数20rpmで測定した。
水性インクをスクリュー管に入れて70℃で1週間保存し、増粘および凝集の状態に関する保存安定性を保存前後の粘度変化率で評価した。
粘度変化率(%)=[1週間後の粘度−初期の粘度]×100/初期の粘度
水性インクを5cm×20cmのコート紙(「オーロラコート」、日本製紙製)に乾燥後の膜厚が2μmとなるよう塗布し、140℃で10分乾燥し、塗膜を作製した。この塗膜面をセロテープ(登録商標)にて剥離テストを行い、残留する1mm角塗膜の数を調べた。
◎:残留量90%以上
○:残留量80%以上90%未満
△:残留量60%以上80%未満
×:残留量60%未満
表面処理ポリエステルフィルム(「エスペットE−5102」、東洋紡績製)に水性インクを固形分で2μmの厚みになるようにバーコーター塗布し、60℃で1分間乾燥後、この塗膜面をセロテープ(登録商標)にて剥離テストを行い、残留する1mm角塗膜の数を調べた。
◎:残留量90%以上
○:残留量80%以上90%未満
△:残留量60%以上80%未満
×:残留量60%未満
綿ブロード布に水性インクを塗布量が1mg/cm2となるように塗布し、160℃の循風乾燥機で5分間乾燥後、得られた布帛を用いてJIS L0849(II型)に規定された方法に準拠して湿潤試験を実施し、汚染グレースケールを基準として摩擦用白綿布への汚染を評価した。
○:摩擦堅牢性 湿摩擦4級
△:摩擦堅牢性 湿摩擦3級
×:摩擦堅牢性 湿摩擦2級
また、実施例7〜12のポリウレタン樹脂被覆顔料水性分散体を含有する水性インクは、コート紙、PETフィルム、布帛のいずれかの基材に対して80%以上の優れた密着性を発揮する。一方、比較例6〜9はいずれの基材に対しても密着性が80%未満であった。
Claims (5)
- 顔料(P0)がポリウレタン樹脂(U)で被覆されてなる顔料(P)の水分散体であって、ポリウレタン樹脂(U)がポリエステルジオール(A1)、ポリカーボネートジオール(A2)、及びポリエーテルジオール(A3)からなる群より選ばれる1種以上のポリオール(A)、脂肪族ジイソシアネート(B1)及び/又は脂環式ジイソシアネート(B2)、並びにカルボキシル基及び/又はカルボキシレートアニオン基を有するジオール(D)を必須構成単量体とし、ポリウレタン樹脂(U)の重量に基づくカルボキシル基とカルボキシレートアニオン基の合計の含有量が4〜80mg/gであり、ポリウレタン樹脂(U)と顔料(P0)との合計重量に基づいて顔料(P0)の含有量が10〜40重量%であるポリウレタン樹脂被覆顔料水分散体(R)。
- 脂肪族ジイソシアネート(B1)及び脂環式ジイソシアネート(B2)に含まれるイソシアネート基と、ポリエステルジオール(A1)、ポリカーボネートジオール(A2)及びジオール(D)に含まれる水酸基との当量比(NCO/OH)が1.2〜1.8である請求項1に記載の顔料水分散体。
- 光散乱測定法による顔料(P)の体積平均粒子径が10〜300nmである請求項1又は2に記載の顔料水分散体。
- ポリオール(A)が分子内に芳香環を有するポリオールを含む請求項1〜3のいずれか1項に記載の顔料水分散体。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂被覆顔料水分散体(R)を含む水性インク(X)。
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