JP2017160423A - インクジェットインク用ポリウレタン樹脂水分散体 - Google Patents

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裕 澤田
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Abstract

【課題】 インクジェットインクの吐出安定性・保存安定性を満足しながら、画像の画像濃度・密着性に優れるインクジェットインク用ポリウレタン樹脂水分散体を提供する。
【解決手段】
水とポリウレタン樹脂(U)を含有し、以下の(1)〜(5)の全てを満たすインクジェットインク用ポリウレタン樹脂水分散体(Q)。
(1)(U)中のウレタン基含量が(U)の重量に基づいて0.5〜5.0mmol/gである。
(2)(U)中の末端アミノ基含量が(U)の重量に基づいて0.35mmol/g以下である。
(3)(U)の数平均分子量(Mn)が1万以上である。
(4)(U)の25℃におけるエタノールに対する膨潤率が(U)の重量に対して300重量%以下である。
(5)(U)を含有する粒子の体積平均粒子径(Dv)が0.01〜1μmである。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェットインク用ポリウレタン樹脂水分散体及びその製造方法に関する。
近年、インクの着色剤は耐光性の観点から、染料よりも顔料が選択されることが多い。また、顔料を着色剤とすることで染料と比較して様々な印刷メディアに印刷できる点が優位であるため、昨今、顔料を用いた印刷技術が盛んに検討されている。一般に、顔料を用いたインクジェットインクによる画像においては、高画像濃度、高密着性が求められる。一方、インクジェットインクを用いた印刷工程においては、ノズルを目詰まりさせない吐出安定性、保存中の増粘が少ない保存安定性が求められる。ここで、画像濃度は、インク中のバインダー樹脂濃度、顔料濃度を高くすることにより向上するが、この方法ではインクの粘度が上昇してしまい、インクの吐出安定性が損なわれるという問題点があった。
高画質化を実現するためには顔料を安定に分散させる必要が有り、高分子分散剤を使用する方法が提案されている(特許文献1)。しかし、提案の方法では顔料表面からの分散剤の脱落が経時で起こるため分散安定性が不十分であり、かつ脱落した分散剤がインクの表面張力を下げるという問題点があった。
特開2010−222405号公報
本発明の課題は、インクジェットインクの吐出安定性・保存安定性を満足しながら、画像の画像濃度・密着性に優れるインクジェットインク用ポリウレタン樹脂水分散体を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、上記の課題を解決できるインクジェットインク用ポリウレタン樹脂水分散体を見出した。即ち、本発明は、水とポリウレタン樹脂(U)を含有し、以下の(1)〜(5)の全てを満たすインクジェットインク用ポリウレタン樹脂水分散体;該ポリウレタン樹脂水分散体を含有するインクジェットインク組成物である。
(1)(U)中のウレタン基含量が(U)の重量に基づいて0.5〜5.0mmol/gである。
(2)(U)中の末端アミノ基含量が(U)の重量に基づいて0.35mmol/g以下である。
(3)(U)の数平均分子量(Mn)が1万以上である。
(4)(U)の25℃におけるエタノールに対する膨潤率が(U)の重量に対して300重量%以下である。
(5)(U)を含有する粒子の体積平均粒子径(Dv)が0.01〜1μmである。
本発明により、インクジェットインクの吐出安定性・保存安定性を満足しながら、画像の画像濃度・密着性に優れるインクジェットインク用ポリウレタン樹脂水分散体を提供することができる。
<ポリウレタン樹脂(U)>
本発明のポリウレタン樹脂水分散体は、上記の5つの要件をすべて満たすものである。
各要件について説明する。
(1) ポリウレタン樹脂(U)中のウレタン基含量は、(U)の重量に基づいて、0.5〜5.0mmol/gであり、インクジェットインクの吐出安定性、画像の密着性等の観点から、好ましくは0.6〜4.2mmol/g、更に好ましくは0.7〜3.4mmol/gである。ウレタン基含量が0.5mmol/g未満の場合はインクジェットインクの吐出安定性が悪化し、5.0mmol/gを超えると画像の密着性が悪化する。
ポリオール(a)、ポリイソシアネート(b)並びに必要により使用する親水性基と活性水素原子を含有する化合物(c)、鎖伸長剤(d)及び反応停止剤(e)の量を適宜調整することにより、ポリウレタン樹脂(U)のウレタン基含量を所望の範囲とすることができる。
ここで親水性基とは、カルボキシル基、スルホ基、−NHSOH、及びそれらのアニオン基等のアニオン性親水性基、4級アミノ基等のカチオン性親水性基、ポリオキシエチレン基等のノニオン性親水性基等をさすものとする。
ウレタン基含量は、窒素分析計によって定量されるN原子含量と1H−NMRによって定量されるウレタン基とウレア基の比率及びアロハネート基及びビューレット基含量から算出する。
(2) 一般にポリウレタン樹脂の分子末端は、原料の水酸基に由来する水酸基、又はイソシアネート基と水の反応若しくは原料のアミノ基に由来するアミノ基となる。また、ポリウレタン樹脂(U)を水中に分散する工程において、ウレタン基、ウレア基、アロハネート基又はビューレット基が加水分解することで、末端アミノ基が生成する。末端アミノ基は、架橋剤と経時で反応を起こすため、末端アミノ基の含量が高いポリウレタン樹脂は、インクジェットインクの保存安定性を低下させる。また、末端アミノ基の含量が高いポリウレタン樹脂は、黄変しやすく、画像濃度が低下する。
従って、本発明において、ポリウレタン樹脂(U)中の末端アミノ基含量は、(U)の重量に基づいて0.35mmol/g以下であり、インクジェットインクの保存安定性・画像の画像濃度の観点から、好ましくは0.2mmol/g以下、更に好ましくは0.15mmol/g以下、特に好ましくは0.1mmol/g以下である。末端アミノ基含量が0.35mmol/gを超えるとインクジェットインクの保存安定性、画像の画像濃度が悪化する。
ポリオール(a)、ポリイソシアネート(b)並びに必要により使用する親水性基と活性水素原子を含有する化合物(c)、鎖伸長剤(d)及び反応停止剤(e)の量を適宜調整することにより、ポリウレタン樹脂(U)の末端アミノ基含量を所望の範囲にすることができる。
末端アミノ基含量は全アミン価と3級アミン価から求めることが出来る。
(3) 本発明において、ポリウレタン樹脂(U)のMnは、1万以上であり、インクジェットインクの吐出安定性及び画像の密着性の観点から、好ましくは1万〜100万、更に好ましくは1万〜50万、最も好ましくは1万〜30万である。
Mnが1万未満であるとインクジェットインクの吐出安定性及び画像の密着性等が悪化する。
ポリオール(a)、ポリイソシアネート(b)並びに必要により使用する親水性基と活性水素原子を含有する化合物(c)、鎖伸長剤(d)及び反応停止剤(e)の量を適宜調整することにより、ポリウレタン樹脂(U)のMnを所望の範囲にすることができる。
Mnはゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することが出来る。
GPC測定において、測定に用いられる溶剤に対するポリウレタン樹脂(U)の溶解度が90%未満の場合はGPCの測定精度が低下する。その場合、分子量の正確な測定が困難なため、当該ポリウレタン樹脂の分子量は無限大とした。
(4)(U)の25℃におけるエタノールに対する膨潤率(以下エタノール膨潤率と記載する。)は(U)の重量に対して300%以下であり、インクジェットインクの保存安定性の観点から、好ましくは280重量%以下さらに好ましくは250%以下である。25℃エタノールに対する膨潤率が300%を超えるとインクジェットインクの保存安定性が悪化する。
ポリウレタン樹脂(U)のエタノール膨潤率は、ウレタン皮膜のエタノール浸漬前後での重量変化から算出する。
エタノール膨潤率とは、ポリウレタン樹脂の架橋量の目安となるものである。
ポリウレタン樹脂(U)中のエタノール膨潤率を所望の範囲とするには、(U)の3官能以上の構成単量体の含有量を適宜調整すればよい。例えば、具体的には下記[1]〜[4]の含有量を適宜調整すればよい。
[1]鎖伸長剤(d)の内、炭素数2〜10のポリアルキレンポリアミン類(例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等)。
[2]鎖伸長剤(d)に含まれる炭素数2〜30のポリエポキシ化合物の内、3官能以上のもの(例えば、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等)。
[3]Mn300未満の低分子ポリオール(a2)の内、3価以上の脂肪族アルコール(例えば、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等)。
[4] ポリイソシアネート(b)の内、3個以上のイソシアネート基を有するもの(例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート化合物等)。
(5)本発明において、ポリウレタン樹脂(U)を含有する粒子の体積平均粒子径(Dv)は、0.01〜1μmであり、インクジェットインクの吐出安定性・画像の画像濃度の観点から、好ましくは0.02〜0.7μm、更に好ましくは0.03〜0.4μmである。(Dv)が0.01μm未満の粒子は合成が困難であり、1μmを超えると画像の画像濃度が低下する。
(U)を含有する粒子の体積平均粒子径(Dv)は、(U)中の親水性基、分散剤量及び分散工程で使用する分散機の種類及び運転条件によってきまる。従って、(U)を含有する粒子の体積平均粒子径(Dv)を所望の範囲とするためには、分散工程において、後述の回転式分散機、超音波式分散機及び混練機から選択される装置を用いると共に、必要により(U)中に導入される親水性基の含有量と、必要により添加する分散剤(h)の量を適宜調整すればよい。
体積平均粒子径(Dv)は光散乱粒度分布測定装置で測定される。
本発明のポリウレタン樹脂水分散体は、下記の要件を満たすことが好ましい。
本発明において、ポリウレタン樹脂(U)中のウレア基含量は、画像の密着性及び耐水性の観点から、(U)の重量に基づいて2.0mmol/g以下であることが好ましく、更に好ましくは1.5mmol/g以下、特に好ましくは1.0mmol/g以下、とりわけ好ましくは0.7mmol/g以下である。
ポリウレタン樹脂(U)中のウレア基含量を所望の範囲とするには、(U)の原料中のアミノ基含量、水分含量及びイソシアネート基含量を適宜調整すればよい。
ウレア基含量は窒素分析計によって定量されるN原子含量と1H−NMRによって定量されるウレタン基とウレア基の比率及びアロハネート基及びビューレット基含量から算出する。
本発明において、ポリウレタン樹脂(U)中のアロハネート基及びビューレット基の含有量の合計値は、画像の密着性及び耐水性の観点から、(U)の重量に基づいて0.1mmol/g以下であることが好ましく、更に好ましくは0.03mmol/g以下、特に好ましくは0.01mmol/g以下、とりわけ好ましくは0.003mmol/g以下、最も好ましくは0.001mmol/g以下である。
ポリウレタン樹脂(U)のアロハネート基及びビューレット基の含有量の合計値を所望の範囲とするには、(U)の原料中のアミノ基含量、水酸基及びアミノ基の当量に対するイソシアネート基の当量の比、ウレタン化反応温度等を適宜調整すればよい。特に、反応温度については、120℃以下又は180℃以上とすることによりアロハネート基及びビューレット基の生成を抑えることができる。
アロハネート基及びビューレット基の含有量はガスクロマトグラフィー法で測定される。
ポリウレタン樹脂(U)はポリオール(a)及びポリイソシアネート(b)を構成単量体としてなり、必要により親水性基と活性水素原子を含有する化合物(c)、鎖伸長剤(d)及び反応停止剤(e)を構成単量体としてなる樹脂である。
以下各成分について説明する。
ポリオール(a)としては、数平均分子量(以下、Mnと略記)300以上の高分子ポリオール(a1)及びMn300未満の低分子ポリオール(a2)が挙げられる。
尚、本発明におけるポリオールのMnはポリエチレングリコールを標準としてゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されるものである。但し、低分子ポリオールのMnは化学式からの計算値である。
Mn300以上の高分子ポリオール(a1)としては、ポリエーテルポリオール(a11)及びポリエステルポリオール(a12)等が挙げられる。
ポリエーテルポリオール(a11)としては、脂肪族ポリエーテルポリオール及び芳香族環含有ポリエーテルポリオールが挙げられる。
脂肪族ポリエーテルポリオールとしては、例えばポリオキシエチレンポリオール[ポリエチレングリコール(以下、PEGと略記)等]、ポリオキシプロピレンポリオール[ポリプロピレングリコール等]、ポリオキシエチレン/プロピレンポリオール及びポリテトラメチレンエーテルグリコール等が挙げられる。
脂肪族ポリエーテルポリオールの市販品としては、PTMG1000[Mn=1,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール、三菱化学(株)製]、PTMG2000[Mn=2,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール、三菱化学(株)製]、PTMG3000[Mn=3,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール、三菱化学(株)製]、PTGL3000[Mn=3,000の変性PTMG、保土谷化学工業(株)製]、及びサンニックスジオールGP−3000[Mn=3,000のポリプロピレンエーテルトリオール、三洋化成工業(株)製]等が挙げられる。
芳香族ポリエーテルポリオールとしては、例えばビスフェノールAのエチレンオキサイド(以下、EOと略記)付加物[ビスフェノールAのEO2モル付加物、ビスフェノールAのEO4モル付加物、ビスフェノールAのEO6モル付加物、ビスフェノールAのEO8モル付加物、ビスフェノールAのEO10モル付加物及びビスフェノールAのEO20モル付加物等]及びビスフェノールAのプロピレンオキサイド(以下、POと略記)付加物[ビスフェノールAのPO2モル付加物、ビスフェノールAのPO3モル付加物、ビスフェノールAのPO5モル付加物等]等のビスフェノール骨格を有するポリオール並びにレゾルシンのEO又はPO付加物等が挙げられる。
(a11)のMnは、インクジェットインクの吐出安定性及び画像の密着性の観点から、通常300以上、好ましくは300〜10,000、更に好ましくは300〜6,000である。
ポリエステルポリオール(a12)としては、縮合型ポリエステルポリオール、ポリラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール及びヒマシ油系ポリオールが挙げられる。
縮合型ポリエステルポリオールは、低分子量(Mn300未満)多価アルコールと炭素数2〜10の多価カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体とのポリエステルポリオールである。
低分子量多価アルコールとしては、Mn300未満の2価〜8価又はそれ以上の脂肪族多価アルコール及びMn300未満の2価〜8価又はそれ以上のフェノールのアルキレンオキサイド(EO、PO、1,2−、1,3−、2,3−又は1,4−ブチレンオキサイド等を表し、以下AOと略記)低モル付加物が使用できる。
縮合型ポリエステルポリオールに使用できる低分子量多価アルコールの内好ましいのは、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサングリコール、ビスフェノールAのEO又はPO低モル付加物及びこれらの併用である。
縮合型ポリエステルポリオールに使用できる炭素数2〜10の多価カルボン酸又はそのエステル形成性誘導体としては、脂肪族ジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、フマル酸及びマレイン酸等)、脂環式ジカルボン酸(ダイマー酸等)、芳香族ジカルボン酸(テレフタル酸、イソフタル酸及びフタル酸等)、3価又はそれ以上のポリカルボン酸(トリメリット酸及びピロメリット酸等)、これらの無水物(無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸及び無水トリメリット酸等)、これらの酸ハロゲン化物(アジピン酸ジクロライド等)、これらの低分子量アルキルエステル(コハク酸ジメチル及びフタル酸ジメチル等)並びこれらの併用が挙げられる。
縮合型ポリエステルポリオールの具体例としては、ポリエチレンアジペートジオール、ポリブチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンアジペートジオール、ポリヘキサメチレンイソフタレートジオール、ポリネオペンチルアジペートジオール、ポリエチレンプロピレンアジペートジオール、ポリエチレンブチレンアジペートジオール、ポリブチレンヘキサメチレンアジペートジオール、ポリジエチレンアジペートジオール、ポリ(ポリテトラメチレンエーテル)アジペートジオール、ポリ(3−メチルペンチレンアジペート)ジオール、ポリエチレンアゼレートジオール、ポリエチレンセバケートジオール、ポリブチレンアゼレートジオール、ポリブチレンセバケートジオール及びポリネオペンチルテレフタレートジオール等が挙げられる。
縮合型ポリエステルポリオールの市販品としては、サンエスター2610[Mn=1,000のポリエチレンアジペートジオール、三洋化成工業(株)製]、サンエスター4620[Mn=2,000のポリテトラメチレンアジペートジオール]、及びサンエスター2620[Mn=2,000のポリエチレンアジペートジオール、三洋化成工業(株)製]等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールは、上記低分子量多価アルコールへのラクトンの重付加物であり、ラクトンとしては、炭素数4〜12のラクトン(例えばγ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン及びε−カプロラクトン)等が挙げられる。
ポリラクトンポリオールの具体例としては、例えばポリカプロラクトンジオール、ポリバレロラクトンジオール及びポリカプロラクトントリオール等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、上記低分子量多価アルコールと、低分子カーボネート化合物(例えば、アルキル基の炭素数1〜6のジアルキルカーボネート、炭素数2〜6のアルキレン基を有するアルキレンカーボネート及び炭素数6〜9のアリール基を有するジアリールカーボネート)とを、脱アルコール反応させながら縮合させることによって製造されるポリカーボネートポリオール等が挙げられる。低分子量多価アルコール及びアルキレンカーボネートはそれぞれ2種以上併用してもよい。
ポリカーボネートポリオールの具体例としては、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、ポリペンタメチレンカーボネートジオール、ポリテトラメチレンカーボネートジオール及びポリ(テトラメチレン/ヘキサメチレン)カーボネートジオール(例えば1,4−ブタンジオールと1,6−ヘキサンジオールをジアルキルカーボネートと脱アルコール反応させながら縮合させて得られるジオール)等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールの市販品としては、ニッポラン980R[Mn=2,000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール、日本ポリウレタン工業(株)製]、クラレポリオールC−3090[Mn=3,000のポリ(3−メチル−5−ペンタンジオール/ヘキサメチレン)カーボネートジオール]、及びT4672[Mn=2,000のポリ(テトラメチレン/ヘキサメチレン)カーボネートジオール、旭化成ケミカルズ(株)製]等が挙げられる。
ヒマシ油系ポリオールには、ヒマシ油、及びポリオール又はAOで変性された変性ヒマシ油が含まれる。変性ヒマシ油はヒマシ油とポリオールとのエステル交換及び/又はAO付加により製造できる。ヒマシ油系ポリオールとしては、ヒマシ油、トリメチロールプロパン変性ヒマシ油、ペンタエリスリトール変性ヒマシ油、ヒマシ油のEO(4〜30モル)付加物等が挙げられる。
ポリエステルポリオール(a12)の内好ましいのは、縮合型ポリエステルポリオール及びポリカーボネートポリオールである。
Mn300未満の低分子ポリオール(a2)としては、脂肪族2価アルコール、脂肪族3価アルコール及び4価以上の脂肪族アルコールが挙げられる。(a2)の内、画像の画像濃度の観点から好ましいのは、2〜3価の脂肪族アルコールであり、脂肪族2価アルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,6−ヘキサンジオールが特に好ましく、脂肪族3価アルコールとしては、トリメチロールプロパンが特に好ましい。
ポリウレタン樹脂(U)の必須構成成分であるポリイソシアネート(b)としては、従来ポリウレタン樹脂製造に使用されているものが使用できる。ポリイソシアネート(b)としては、2〜3個又はそれ以上のイソシアネート基を有する炭素数6〜20(イソシアネート基中の炭素を除く、以下同様)の芳香族ポリイソシアネート(b1)、炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート(b2)、炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート(b3)、炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート(b4)及び(b1)〜(b4)の誘導体(例えばイソシアヌレート化物)が挙げられる。
炭素数6〜20の芳香族ポリイソシアネート(b1)としては、例えば1,3−又は1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−又は2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、4,4’−又は2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4’’−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−又はp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネート、クルードMDI等が挙げられる。
炭素数2〜18の脂肪族ポリイソシアネート(b2)としては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエート等が挙げられる。
炭素数4〜15の脂環式ポリイソシアネート(b3)としては、例えばイソホロンジイソシアネート(IPDI)、4,4−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−又は2,6−ノルボルナンジイソシアネート等が挙げられる。
炭素数8〜15の芳香脂肪族ポリイソシアネート(b4)としては、例えばm−及び/又はp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等が挙げられる。
ポリイソシアネート(b)の内、画像の画像濃度の観点から好ましいのは(b2)及び(b3)、更に好ましいのは(b3)、特に好ましいのはIPDI及び水添MDIである。
親水性基と活性水素原子を含有する化合物(c)としては、アニオン性基と活性水素原子を含有する化合物(c1)及びカチオン性基と活性水素原子を含有する化合物(c2)が挙げられる。
(c1)としては、例えばアニオン性基としてカルボキシル基を含有し、炭素数が2〜10の化合物[ジアルキロールアルカン酸(例えば2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸、2,2−ジメチロールヘプタン酸及び2,2−ジメチロールオクタン酸)、酒石酸及びアミノ酸(例えばグリシン、アラニン及びバリン)等]、アニオン性基としてスルホン酸基を含有し、炭素数が2〜16の化合物[3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸及びスルホイソフタル酸ジ(エチレングリコール)エステル等]、アニオン性基としてスルファミン酸基を含有し、炭素数が2〜10の化合物[N,N−ビス(2−ヒドロキシルエチル)スルファミン酸等]等並びにこれらの化合物を中和剤で中和した塩が挙げられる。
(c1)の塩に用いられる中和剤としては、例えばアンモニア、炭素数1〜20のアミン化合物又はアルカリ金属水酸化物(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム及び水酸化リチウム等)が挙げられる。
炭素数1〜20のアミン化合物としては、モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン及びモノエタノールアミン等の1級アミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジエタノールアミン及びジイソプロパノールアミン、メチルプロパノールアミン等の2級アミン並びにトリメチルアミン、トリエチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチルモノエタノールアミン及びトリエタノールアミン等の3級アミンが挙げられる。
(c1)の塩に用いられる中和剤としては、生成するポリウレタン樹脂水分散体の乾燥性及び画像の耐水性の観点から、25℃における蒸気圧が高い化合物が好適である。このような観点から、(c1)の塩に用いられる中和剤としては、アンモニア、モノメチルアミン、モノエチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン及びジメチルエチルアミンが好ましく、更に好ましいのはアンモニア、モノエチルアミン、ジメチルアミン及びジエチルアミン、特に好ましいのはアンモニアである。
(c1)の内、ポリウレタン樹脂水分散体の分散安定性及びインクジェットインクの吐出安定性の観点から好ましいのは、2,2−ジメチロールプロピオン酸及び2,2−ジメチロールブタン酸及びこれらの塩類であり、更に好ましいのは2,2−ジメチロールプロピオン酸及び2,2−ジメチロールブタン酸のアンモニア又は炭素数1〜20のアミン化合物による中和塩である。
カチオン性基と活性水素原子を含有する化合物(c2)としては、例えば炭素数1〜20の3級アミノ基含有ジオール[N−アルキルジアルカノールアミン(例えばN−メチルジエタノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン及びN−メチルジプロパノールアミン)及びN,N−ジアルキルモノアルカノールアミン(例えばN,N−ジメチルエタノールアミン)等]等の化合物を中和剤で中和した塩が挙げられる。
(c2)に用いられる中和剤としては、例えば炭素数1〜10のモノカルボン酸(例えばギ酸、酢酸、プロパン酸等)、炭酸、炭酸ジメチル、硫酸ジメチル、メチルクロライド及びベンジルクロライド等が挙げられる。
(c2)に用いられる中和剤としては、生成するポリウレタン樹脂の水分散体の乾燥性及び画像の耐水性の観点から、25℃における蒸気圧が高い化合物が好適である。このような観点から(c2)に用いられる中和剤としては、炭素数1〜10のモノカルボン酸及び炭酸が好ましく、更に好ましいのはギ酸及び炭酸、特に好ましいのは炭酸である。
(c1)及び(c2)に用いられる中和剤は、ウレタン化反応前、ウレタン化反応中、ウレタン化反応後、水分散工程前、水分散工程中又は水分散後のいずれの時期に添加しても良いが、ウレタン樹脂の安定性及び水分散体の安定性の観点から、水分散工程前又は水分散工程中に添加することが好ましい。
(c)の使用量は、(U)中の親水性基の含有量が、(U)の重量に基づいて、通常0.01〜5重量%、好ましくは0.1〜4重量%、更に好ましくは0.5〜3重量%となるよう調節する。
本発明における親水性基の含有量とは、未中和のカチオン性基又はアニオン性基の重量%を意味し、対イオンの重量は含まない。例えば、(c1)における親水性基の含有量は、2,2−ジメチロールプロピオン酸のトリエチルアミン塩の場合は、カルボキシル基(−COOH)の重量%を、3−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−1−プロパンスルホン酸のトリエチルアミン塩の場合はスルホ基(−SO3H)の重量%を指す。また、(c2)における親水性基の含有量は、3級アミノ基中の窒素原子のみの重量%を指す。
鎖伸長剤(d)としては、水、炭素数2〜10のジアミン類(例えばエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、トルエンジアミン及びピペラジン)、炭素数2〜10のポリアルキレンポリアミン類(例えばジエチレントリアミン及びトリエチレンテトラミン)、ヒドラジン又はその誘導体(二塩基酸ジヒドラジド例えばアジピン酸ジヒドラジド等)、炭素数2〜30のポリエポキシ化合物(例えば、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル等)及び炭素数2〜10のアミノアルコール類(例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール及びトリエタノールアミン)等が挙げられる。
反応停止剤(e)としては、炭素数1〜8のモノアルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、セロソルブ類及びカルビトール類等)、炭素数1〜10のモノアミン類(モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン及びモノオクチルアミン等のモノ又はジアルキルアミン;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びジイソプロパノールアミン等のモノ又はジアルカノールアミン等)が挙げられる。
(d)及び(e)の使用量は、(U)のMn、末端アミノ基含量及びウレア基含量に影響するため、本発明の効果を損ねない範囲で使用する必要がある。具体的には、(U)のMnが後述の値となるように、また、アミン化合物を使用する場合は、(U)の末端アミノ基含量が後述の値となる範囲で使用する必要がある。また、(U)中のウレア基含量が後述の値となる量を使用することが好ましい。
ポリウレタン樹脂は、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。

本発明におけるポリウレタン樹脂(U)は分子内にアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有することができる。分子内にアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有するポリウレタン樹脂(U)を製造する方法としては、例えば、アミノ基またはカルボキシル基および/もしくはその塩を有するポリウレタン樹脂(U2)と、分子内にグリシジルエーテル基ならびにアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する化合物(X)とを反応させる方法(1−1)、イソシアネート基を有するポリウレタン樹脂と分子内にアミノ基ならびにアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する化合物(Y)を反応させる方法(1−2)が挙げられる。
方法(1−1)に用いられる化合物(X)としては、炭素数7〜20のグリシドキシアルキルトリアルコキシシラン、炭素数7〜20のグリシドキシアルキル(アルキル)ジアルコキシシランおよび炭素数7〜20のグリシドキシアルキル(ジアルキル)アルコキシシラン等およびこれらの加水分解物(前記化合物におけるアルコキシ基が水酸基に変換されてシラノール基となったもの)が挙げられ、具体的には3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシランおよび3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン等およびこれらの加水分解物(前記化合物におけるアルコキシ基が水酸基に変換されてシラノール基となったもの)が挙げられる。化合物(X)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
方法(1−1)に用いられるアミノ基またはカルボキシル基および/もしくはその塩を有するポリウレタン樹脂(U2)の内のアミノ基を有するポリウレタン樹脂を得る方法としては、炭素数2〜10のジアミンおよびポリ(n=2〜6)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜7)アミン等の多官能アミンを用いて末端にアミノ基を導入する方法、活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の反応において、イソシアネート基と反応する活性水素(水酸基およびアミノ基等)に対して、イソシアネート基のモル量を過剰にして末端にイソシアネート基を導入した後、水と反応させて末端アミノ基とする方法、ケチミン結合(−C=N−)を有するモノアミンを用いて、樹脂末端にケチミン結合を導入後、ケチミン結合を加水分解して末端アミノ基とする方法等が挙げられる。
前記ケチミン結合を有するモノアミンは、1分子中に1個のアミノ基と少なくとも1個のケチミン結合を有していれば特に限定されず、炭素数2〜10のジアミンまたはポリ(n=2〜6)アルキレン(炭素数2〜6)ポリ(n=3〜7)アミンとケトンを反応させて得られるケチミン化合物が挙げられる。ケチミン結合が加水分解してアミノ基を生成する際のケトンの留去のしやすさの観点から、ケトンとしてはアセトン、ジエチルケトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケトンおよびメチルイソブチルケトン等の沸点が120℃以下のものを用いることが好ましい。
また、方法(1−1)に用いられるアミノ基またはカルボキシル基および/もしくはその塩を有するポリウレタン樹脂(U2)の内のカルボキシル基および/またはその塩を有するものを得る方法としては、ウレタン樹脂の製造時に前記カルボキシル基含有ポリオールおよびその塩(a3)を活性水素成分(A)として用いる方法等が挙げられる。
グリシジルエーテル基とアミノ基またはカルボキシル基および/もしくはその塩等との反応の温度および時間等の条件は、通常これらの基の反応に用いられる条件と同様でよい。
方法(1−2)に用いられる化合物(Y)としては、炭素数4〜20のアミノアルキルトリアルコキシシラン、炭素数4〜20のアミノアルキル(アルキル)ジアルコキシシランおよび炭素数4〜20のアミノアルキル(ジアルキル)アルコキシシラン等およびこれらの加水分解物(前記化合物におけるアルコキシ基が水酸基に変換されてシラノール基となったもの)が挙げられ、具体的には3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン等およびこれらの加水分解物(前記化合物におけるアルコキシ基が水酸基に変換されてシラノール基となったもの)が挙げられる。化合物(Y)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
方法(1−2)に用いられるイソシアネート基を有するポリウレタン樹脂を製造する方法としては、活性水素成分(A)と有機イソシアネート成分(B)の反応における、イソシアネート基と反応する活性水素(水酸基およびアミノ基等)に対して、イソシアネート基のモル量を過剰にして、末端にイソシアネート基を導入する方法等が挙げられる。
ポリウレタン樹脂(U)が分子内にアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有するポリウレタン樹脂(U1)である場合、印刷時の乾燥の前は優れた吐出安定性を有しつつ、印刷時の乾燥等により、アルコキシシリル基および/またはシラノール基が架橋することにより架橋構造が形成され、密着性、耐水性、耐薬品性および耐傷付性に優れた画像が得られる。
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)は、必要により酸化防止剤、着色防止剤、耐候安定剤、可塑剤及び離型剤等の添加剤を含有することができる。これらの添加剤の使用量は(U)の重量に基づいて通常10重量%以下、更に好ましくは3重量%以下、特に好ましくは1重量%以下である。
<ポリウレタン樹脂水分散体、その製造方法>
本発明におけるポリウレタン樹脂(U)の水分散体(Q)は、ポリウレタン樹脂(U)を水中に分散して製造することができる。
ポリウレタン樹脂(U)は、ポリオール(a)及びポリイソシアネート(b)を必須成分とし、更に必要により、親水性基と活性水素原子を含有する化合物(c)、鎖伸長剤(d)及び反応停止剤(e)を反応させることにより製造される。
また、(U)は分子中に架橋構造を有しており、(U)へ分子内架橋構造を導入するためには、ポリオール(a)、ポリイソシアネート(b)及び/又は鎖伸長剤(d)に3官能以上の多官能モノマーを使用することにより、(U)中に分子内架橋構造を導入することが可能である。
また、(U)の水への分散性の観点から、親水性基と活性水素原子を含有する化合物(c)を成分として用いることが好ましい。従って、(U)は親水性基を有したポリウレタン樹脂が好ましい。
本発明におけるポリウレタン樹脂水分散体(Q)は、(U)の分散性及び水分散体の安定性の観点から、必要により(U)を分散剤(h)の存在下で水に分散させることができる。
分散剤(h)としては、ノニオン性界面活性剤(h1)、アニオン性界面活性剤(h2)、カチオン性界面活性剤(h3)、両性界面活性剤(h4)及びその他の乳化分散剤(h5)が挙げられる。(h)は単独で使用してもよいし、2種以上を併用することもできる。
(h1)としては、例えばAO付加型ノニオン性界面活性剤及び多価アルコール型ノニオン性界面活性剤が挙げられる。AO付加型としては、炭素数10〜20の脂肪族アルコールのEO付加物、フェノールのEO付加物、ノニルフェノールのEO付加物、炭素数8〜22のアルキルアミンのEO付加物及びポリプロピレングリコールのEO付加物等が挙げられ、多価アルコール型としては、多価(3〜8価又はそれ以上)アルコール(炭素数2〜30)の脂肪酸(炭素数8〜24)エステル(例えばグリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート及びソルビタンモノオレエート等)及びアルキル(炭素数4〜24)ポリ(重合度1〜10)グリコシド等が挙げられる。
(h2)としては、例えば炭素数8〜24の炭化水素基を有するエーテルカルボン酸又はその塩[ラウリルエーテル酢酸ナトリウム及び(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1〜100)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム等];炭素数8〜24の炭化水素基を有する硫酸エステル又はエーテル硫酸エステル及びそれらの塩[ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1〜100)ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1〜100)ラウリル硫酸トリエタノールアミン及び(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1〜100)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム等];炭素数8〜24の炭化水素基を有するスルホン酸塩[ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等];炭素数8〜24の炭化水素基を1個又は2個有するスルホコハク酸塩;炭素数8〜24の炭化水素基を有するリン酸エステル又はエーテルリン酸エステル及びそれらの塩[ラウリルリン酸ナトリウム及び(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1〜100)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム等];炭素数8〜24の炭化水素基を有する脂肪酸塩[ラウリン酸ナトリウム及びラウリン酸トリエタノールアミン等];並びに炭素数8〜24の炭化水素基を有するアシル化アミノ酸塩[ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン、N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸ナトリウム及びラウロイルメチル−β−アラニンナトリウム等]が挙げられる。
(h3)としては、例えば第4級アンモニウム塩型[塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム及びエチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等]並びにアミン塩型[ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩及びオレイルアミン乳酸塩等]が挙げられる。
(h4)としては、例えばベタイン型両性界面活性剤[ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等]並びにアミノ酸型両性界面活性剤[β−ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等]が挙げられる。
(h5)としては、例えばポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体並びにポリアクリル酸ソーダ等のカルボキシル基含有(共)重合体及び米国特許第5906704号明細書に記載のウレタン基又はエステル基を有する乳化分散剤[例えばポリカプロラクトンポリオールとポリエーテルジオールをポリイソシアネートで連結させたもの]等が挙げられる。
分散剤(h)は、ウレタン樹脂(U)のウレタン化反応前、ウレタン化反応中、ウレタン化反応後、(U)の水分散工程前、水分散工程中又は水分散後のいずれの時期に添加しても良いが、(U)の分散性及び水分散体の安定性の観点から、水分散工程前又は水分散工程中に添加することが好ましい。
(h)の含有量はポリウレタン樹脂(U)の重量に基づいて通常0.01〜20重量%、好ましくは0.01〜10重量%、更に好ましくは0.1〜5重量%である。
(U)は親水性基を有したポリウレタン樹脂である場合は、(U)の重量に基づく(c)の含有量と(h)の含有量の合計量は、通常0.01〜20重量%、好ましくは0.1〜15重量%、更に好ましくは0.6〜10重量%である。
本発明におけるポリウレタン樹脂水分散体(Q)は、有機溶剤[ケトン系溶剤(例えばアセトン及びメチルエチルケトン)、エステル系溶剤(例えば酢酸エチル)、エーテル系溶剤(例えばテトラヒドロフラン)、アミド系溶剤(例えばN,N−ジメチルホルムアミド及びN−メチルピロリドン)、アルコール系溶剤(例えばイソプロピルアルコール)及び芳香族炭化水素系溶剤(例えばトルエン)等]を含有してもよい。
本発明におけるポリウレタン樹脂水分散体(Q)は架橋剤(K)を含有することができる。(K)は、ポリウレタン骨格中のカルボキシル基と反応し得る官能基を分子内に2個以上含有する水溶性または水分散性の化合物であり、カルボキシル基と反応しうる官能基としては、カルボジイミド基、オキサゾリン基、エポキシ基、シクロカーボネート基、アジリジン基などが挙げられ、これらの1種または2種以上を用いることができる。これらの中でも、架橋性能、ポリウレタン樹脂水性分散体の貯蔵安定性、安全性の観点でカルボジイミド基(c1)、オキサゾリン基(c2)からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
カルボジイミド基を有する架橋剤としては、例えば日清紡績株式会社製「カルボジライトE−01」、「カルボジライトE−02」、「カルボジライトV−02」などを挙げることができ、オキサゾリン基を有する架橋剤としては、例えば日本触媒株式会社製「エポクロスK−2010E」、「エポクロスK−2020E」、「エポクロスWS−500」などを挙げることができる。
架橋剤の配合量としては、ポリウレタン樹脂(U)100重量部に対して、架橋剤の有効成分が0.5〜20重量部であることが好ましく、1.0〜15重量部であることがより好ましく、1.5〜10重量部であることがさらに好ましい。
本発明において、ポリウレタン樹脂(U)は、ポリオール(a)、ポリイソシアネート(b)並びに必要により使用する親水性基と活性水素原子を含有する化合物(c)、鎖伸長剤(d)及び反応停止剤(e)を、加熱可能な設備で加熱して反応することで得られる。例えば、容器中に(U)の原料を仕込んで均一撹拌後、加熱乾燥機や加熱炉で無撹拌下に加熱する方法や、簡易加圧反応装置(オートクレーブ)、コルベン、一軸若しくは二軸の混練機、プラストミル又は万能混練機等で、攪拌又は混練しながら加熱して反応する方法等が挙げられる。なかでも、攪拌又は混練しながら加熱して反応する方法は、得られるウレタン樹脂(U)の均質性が高くなり、得られる皮膜の機械的物性、耐久性、耐薬品性及び耐磨耗性等がより優れる傾向があるため好ましい。
ポリウレタン樹脂(U)を製造する際の反応温度は、ポリウレタン樹脂(U)のアロハネート基及びビューレット基の含有量の観点から、60〜120もしくは180〜250℃が好ましく、更に好ましくは60〜110℃もしくは180〜240℃であり、最も好ましくは60〜100℃もしくは180〜230℃である。また、(U)を製造する際の時間は、使用する設備により適宜選択することができるが、一般的に1分〜100時間が好ましく、更に好ましくは3分〜30時間であり、特に好ましくは5分〜20時間である。この範囲であれば、本発明の効果を十分に発揮できる(U)が得られる。
ウレタン化反応速度をコントロールするために、公知の反応触媒(オクチル酸錫及びビスマスオクチル酸塩等)及び反応遅延剤(リン酸等)等を使用することができる。これらの触媒又は反応遅延剤の添加量は、(U)の重量に基づき、好ましくは0.001〜3重量%、更に好ましくは0.005〜2重量%、特に好ましくは0.01〜1重量%である。
ポリウレタン樹脂(U)を水中へ分散する工程における取扱い易さの観点から、分散前の(U)の形状を0.2〜500mmの粒状又はブロック状にすることができる。その大きさは、好ましくは0.5〜100mm、更に好ましくは0.7〜30mm、最も好ましくは1〜10mmである。
形状を粒状又はブロック状に調整する手段としては、例えば裁断、ペレット化、粒子化、或いは粉砕する等の手段を用いることができる。この粒状又はブロック状への調整は、水中或いは、水の非存在下において実施することができる。
例えば、シート状に圧延したポリウレタン樹脂(U)を角型ペレタイザーで粒状にする方法、鋏や超音波カッター等で裁断してブロック状にする方法、ストランド状に取り出したポリウレタン樹脂(U)をペレタイザーでカットしてペレット状にするという方法等が例示される。
ポリウレタン樹脂(U)を水中に分散する装置としては、分散能力のある装置(A)であれば使用可能であるが、温度調整、粒状又はブロック状樹脂の供給及び分散能力等の観点から、回転式分散混合装置(A1)、超音波式分散機(A2)又は混練機(A3)を用いることが好ましく、なかでも分散能力が特に優れる(A1)が更に好ましい。
回転式分散混合装置(A1)の主たる分散原理は、駆動部の回転等によって処理物に外部から剪断力を与えて微粒子化し、分散させるというものである。また、(A1)は、常圧、減圧又は加圧下で稼働させることができる。
回転式分散混合装置(A1)としては、例えばマックスブレンドやヘリカル翼等の一般的な攪拌羽を有する混合装置、TKホモミキサー[プライミクス(株)製]、クレアミックス[エムテクニック(株)製]、フィルミックス[プライミクス(株)製]、ウルトラターラックス[IKA(株)製]、エバラマイルダー[荏原製作所(株)製]、キャビトロン(ユーロテック社製)及びバイオミキサー[日本精機(株)製]等が例示される。
回転式分散混合装置(A1)を用いてポリウレタン樹脂(U)を分散処理する際の回転数は、分散能力の観点から、通常10〜30000rpm、好ましくは20〜20000rpm、更に好ましくは30〜10000rpmである。
超音波式分散装置(A2)の主たる分散原理は、駆動部の振動によって処理物に外部からエネルギーを与えて微粒子化し、分散させるというものである。また、(A2)は、常圧、減圧又は加圧下で稼働させることができる。
超音波式分散装置(A2)としては、池本理化工業(株)、コスモ・バイオ(株)及び(株)ギンセン等から市販されている超音波式分散装置等を使用できる。
超音波式分散装置(A2)を用いてポリウレタン樹脂(U)を分散処理する際の振動数は、分散能力の観点から、通常1〜100kHz、好ましくは3〜60kHz、特に好ましくは10〜30kHzである。
混練機(A3)の主たる分散原理は、(A3)の回転部で処理物を練ることでエネルギーを与えて微粒子化し、分散させるというものである。また(A3)は、常圧、減圧又は加圧下で稼働させることができる。
混練機(A3)としては、二軸押出機[池貝(株)製PCM−30等]、ニーダー[(株)栗本鐵工所製KRCニーダー等]、万能混合機[プライミクス(株)製ハイビスミックス等]及びプラストミル[(株)東洋精機製作所製ラボプラストミル等]等が例示される。
混練機(A3)を用いてポリウレタン樹脂(U)を分散処理する際の回転数は、分散能力の観点から、通常1〜1000rpm、好ましくは3〜500rpm、特に好ましくは10〜200rpmである。
分散装置(A)に供給される(U)と水の重量比は、目的とする水分散体の樹脂成分含有量によって適宜選択されるが、通常は、(U)/水=10/2〜10/100であり、好ましくは10/5〜10/50である。
また、(U)と水を分散装置(A)で処理する時間は、分散体である(U)の分解や劣化等を防ぐ観点から、通常10秒〜10時間、更に好ましくは1分〜3時間、最も好ましくは10〜60分である。
分散装置(A)にて分散を行う際は、必要に応じて、pH調整剤、消泡剤、抑泡剤、酸化防止剤、着色防止剤、可塑剤及び離型剤等から選ばれる添加剤を1種以上を添加することができる。また、必要に応じて、分散後に脱溶剤、濃縮、希釈等を行ってもよい。
本発明の製造方法で得られるポリウレタン樹脂水分散体の固形分濃度(揮発性成分以外の成分の含有量)は、水分散体の取り扱い易さの観点から、好ましくは20〜65重量%、更に好ましくは25〜55重量%である。固形分濃度は、水分散体約1gをペトリ皿上にうすく伸ばし、精秤した後、循環式定温乾燥機を用いて130℃で、45分間加熱した後の重量を精秤し、加熱前の重量に対する加熱後の残存重量の割合(百分率)を計算することにより得ることができる。
本発明の製造方法で得られるポリウレタン樹脂水分散体の粘度は、好ましくは10〜100,000mPa・s、更に好ましくは10〜5,000mPa・sである。粘度はBL型粘度計を用いて、25℃の定温下で測定することができる。
本発明の製造方法で得られるポリウレタン樹脂水分散体のpHは、好ましくは2〜12、更に好ましくは4〜10である。pHは、pH Meter M−12[堀場製作所(株)製]で25℃で測定することができる。
以下において本発明のポリウレタン樹脂水性分散体を用いた、インクジェットインク組成物の調製について説明する。
インクジェットインク組成物には、本発明のポリウレタン樹脂水性分散体の他に、顔料(P)、保湿安定助剤(M)が含有される。
顔料(P)としては、水への溶解度が1以下の無機顔料(例えば白色顔料、黒色顔料、灰色顔料、赤色顔料、茶色顔料、黄色顔料、緑色顔料、青色顔料、紫色顔料及びメタリック顔料)並びに有機顔料(例えば天然有機顔料合成系有機顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、顔料色素型アゾ顔料、水溶性染料からつくるアゾレーキ、難溶性染料からつくるアゾレーキ、塩基性染料からつくるレーキ、酸性染料からつくるレーキ、キサンタンレーキ、アントラキノンレーキ、バット染料からの顔料及びフタロシアニン顔料)等が挙げられる。顔料の含有量は、水性塗料の重量に基づいて通常50重量%以下、好ましくは30重量%以下である。
保湿安定助剤(M)としては、特に限定されないが、水酸基を有する化合物であって、沸点が100℃以上であるものが好ましい。例えば、ジグリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、トリエチレングリコールモノブチルエーテルが挙げられる。
インクジェットインク組成物には、塗膜形成補助やバインダー機能の向上等を目的として、必要により本発明のポリウレタン樹脂水性分散体におけるウレタン樹脂(A)以外に、他の水性媒体分散性樹脂又は水溶性樹脂を併用していてもよい。
インクジェットインク組成物に併用される他の水性媒体分散性樹脂又は水溶性樹脂としては、例えば本発明におけるポリウレタン樹脂以外の水性媒体分散性又は水溶性のポリウレタン樹脂、ポリアクリル樹脂及びポリエステル樹脂等が挙げられる。
インクジェットインク組成物における本発明のポリウレタン樹脂水性分散体の固形分の含有量は、インクジェットインクの重量に基づいて通常0.1〜60重量%、好ましくは1〜50重量%である。
インクジェットインク組成物は、更に粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、劣化防止剤、安定化剤、凍結防止剤及び水等を1種又は2種以上含有することができる。
粘度調整剤としては増粘剤、例えば無機系粘度調整剤(ケイ酸ソーダやベントナイト等)、セルロース系粘度調整剤(Mnが20,000以上のメチルセルロール、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロース等)、タンパク質系粘度調整剤(カゼイン、カゼインソーダ及びカゼインアンモニウム等)、アクリル系(Mnが20,000以上のポリアクリル酸ナトリウム及びポリアクリル酸アンモニウム等)及びビニル系粘度調整剤(Mnが20,000以上のポリビニルアルコール等)が挙げられる。
消泡剤としては、長鎖アルコール(オクチルアルコール等)、ソルビタン誘導体(ソルビタンモノオレート等)、シリコーンオイル(ポリメチルシロキサン及びポリエーテル変性シリコーン等)等が挙げられる。
防腐剤としては、有機窒素硫黄化合物系防腐剤及び有機硫黄ハロゲン化物系防腐剤等が挙げられる。
劣化防止剤及び安定化剤(紫外線吸収剤及び酸化防止剤等)としてはヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ヒドラジン系、リン系、ベンゾフェノン系及びベンゾトリアゾール系劣化防止剤及び安定化剤等が挙げられる。
凍結防止剤としては、エチレングリコール及びプロピレングリコール等が挙げられる。
粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、劣化防止剤、安定化剤及び凍結防止剤の含有量は、水性塗料の重量に基づいてそれぞれ通常5重量%以下、好ましくは3重量%以下である。
本発明のインクジェットインク組成物を使用する印刷の方法としては、特に限定されないが、家庭における印刷、業務における印刷、サイングラフィック用印刷、顔料捺染印刷等が挙げられる。特に好ましくは、サイングラフィック用印刷、顔料捺染印刷が挙げられる。
以下、実施例を以て本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。以下、部は重量部を意味する。
<実施例1>
表1に記載の各原料を攪拌装置が付いた容器で混合後に、窒素雰囲気下で二軸混練機であるKRCニーダーに仕込み210℃で15分間混練してウレタン化反応を行った。反応物を取り出し、180℃に加熱した加圧プレス機で圧延後、角形ペレタイザーにて裁断してポリウレタン樹脂(U−1)を得た。続いて、温度制御可能な耐圧容器に表2に記載の各原料を仕込み、TKホモミキサー[プライミクス(株)製]を用いて表3記載の条件下で分散処理することでポリウレタン樹脂水分散体(Q−1)を得た。続いて、表4に記載の各原料を仕込み、10分間混合し、インクジェットインク組成物(R−1)を得た。
<実施例2>
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に表1に記載の各原料、および表2記載の鎖伸長剤ジエチレントリアミン12.40部を仕込んで、180℃で15分間攪拌してウレタン化反応を行い、ポリウレタン樹脂(U−2)のトルエン溶液を得た。続いて、温度制御可能な耐圧容器に表2に記載の各原料(ジエチレントリアミン以外)を仕込み、超音波式分散装置を用いて表3記載の条件下で分散処理した後、減圧下90℃で5時間トルエンを留去することでポリウレタン樹脂水分散体(Q−2)を得た。続いて、表4に記載の各原料を仕込み、10分間混合し、インクジェットインク組成物(R−2)を得た。
<実施例3>
表1に記載の各原料を攪拌装置が付いた容器で混合後に、窒素雰囲気下で二軸混練機であるKRCニーダーに仕込み210℃で15分間混練してウレタン化反応を行った。反応物を取り出し、180℃に加熱した加圧プレス機で圧延後、角形ペレタイザーにて裁断してポリウレタン樹脂(U−3)を得た。続いて、温度制御可能な耐圧容器に表2に記載の各原料を仕込み、TKホモミキサー[プライミクス(株)製]を用いて表3記載の条件下で分散処理した。続いて、撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置へ移し、100℃で2時間攪拌して、シランカップリング剤とカルボキシル基との反応を行い、ポリウレタン樹脂水分散体(Q−3)を得た。続いて、表4に記載の各原料を仕込み、10分間混合し、インクジェットインク組成物(R−3)を得た。
<実施例4>
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に表1に記載の各原料、および表2記載の鎖伸長剤ジエチレントリアミン12.40部を仕込んで、180℃で15分間攪拌してウレタン化反応を行い、ポリウレタン樹脂(U−4)のトルエン溶液を得た。続いて、温度制御可能な耐圧容器に表2に記載の各原料(ジエチレントリアミンとカルボジライトE−05以外)を仕込み、超音波式分散装置を用いて表3記載の条件下で分散処理した後、減圧下90℃で5時間トルエンを留去した後、カルボジライトE−05を79.66部添加し攪拌してポリウレタン樹脂水分散体(Q−4)を得た。続いて、表4に記載の各原料を仕込み、10分間混合し、インクジェットインク組成物(R−4)を得た。
<実施例5>
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に表1に記載の各原料を仕込んで、95℃で10時間攪拌してウレタン化反応を行いウレタンプレポリマー(P−1)を得た。続いて、ウレタンプレポリマー(P−1)を撹拌しながら中和剤であるトリエチルアミン0.20部を仕込み、30分間の均一化後、イオン交換水300部で分散処理した。その分散体を減圧下で65℃、3時間アセトンを留去した後、所定の濃度に調整してポリウレタン樹脂水分散体(Q−5)を得た。続いて、表4に記載の各原料を仕込み、10分間混合し、インクジェットインク組成物(R−5)を得た。
<実施例6>
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に表1に記載の各原料を仕込んで、180℃で15分間攪拌してウレタン化反応を行い、ポリウレタン樹脂(U−5)のトルエン溶液を得た。続いて、温度制御可能な耐圧容器に表2に記載の各原料を仕込み、クレアミックスを用いて表3記載の条件下で分散処理した後、減圧下90℃で5時間トルエンを留去することでポリウレタン樹脂水分散体(Q−6)を得た。続いて、表4に記載の各原料を仕込み、10分間混合し、インクジェットインク組成物(R−6)を得た。
<実施例7>、<実施例8>
表1に記載の各原料を仕込む以外は実施例3と同様の方法でポリウレタン樹脂水分散体(Q−7)、(Q−8)、インクジェットインク組成物(R−7)、(R−8)を得た。
<実施例9>
表1に記載の各原料を仕込む以外は実施例5と同様の方法でウレタンプレポリマー(P−2)、ポリウレタン樹脂水分散体(Q−9)、インクジェットインク組成物(R−9)を得た。
<比較例1>
表1に記載の各原料を混合後に、窒素雰囲気下で二軸混練機であるKRCニーダーに仕込み210℃で15分間混練してウレタン化反応を行った。反応物を取り出し、180℃に加熱した加圧プレス機で圧延後、角形ペレタイザーにて裁断してポリウレタン樹脂(U’−1)を得た。続いて、温度制御可能な耐圧容器に表2に記載の各原料を仕込み、クレアミックスを用いて表3記載の条件下で分散処理することでポリウレタン樹脂水分散体(Q’−1)を得た。続いて、表4に記載の各原料を仕込み、10分間混合し、インクジェットインク組成物(R’−1)を得た。
<比較例2>
撹拌機及び加熱装置を備えた簡易加圧反応装置に表1に記載の各原料を仕込んで、95℃で10時間攪拌してウレタン化反応を行い、ウレタンプレポリマー(P’−1)のアセトン溶液を得た。続いて、温度制御可能な耐圧容器に表2に記載の各原料を仕込み、クレアミックスを用いて表3記載の条件下で分散処理した後、減圧下90℃で5時間トルエンを留去することでポリウレタン樹脂水分散体(Q’−2)を得た。続いて、表4に記載の各原料を仕込み、10分間混合し、インクジェットインク組成物(R’−2)を得た。
<比較例3>
表1に記載の各原料を混合後に、比較例2と同様の方法でポリウレタン樹脂(P’−2)を得た。続いて、表2に記載の原料を簡易加圧反応装置に仕込み、40℃で撹拌しながらトリエチルアミン(中和剤)12.85部を加え60rpmで30分間均一化した後、温度を30℃に保ち、50rpm攪拌下、水589.59部を徐々に添加することで乳化した後、鎖伸長剤であるエチレンジアミン2.50部を加え、減圧下に65℃で8時間かけてアセトンを留去し、ポリウレタン樹脂水分散体(Q’−3)を得た。続いて、表4に記載の各原料を仕込み、10分間混合し、インクジェットインク組成物(R’−3)を得た。
<比較例4>
表1に記載の各原料を混合後に、窒素雰囲気下で二軸混練機であるKRCニーダーに仕込み210℃で15分間混練してウレタン化反応を行った。反応物を取り出し、180℃に加熱した加圧プレス機で圧延後、角形ペレタイザーにて裁断してポリウレタン樹脂(U’−2)を得た。続いて、表2に記載の原料を簡易加圧反応装置に仕込み、40℃、60rpmで30分間均一化した後、温度を30℃に保ち、50rpm攪拌下、水340.00部を徐々に添加することで乳化した後、減圧下に65℃で8時間かけてアセトンを留去し、ポリウレタン樹脂水分散体(Q’−4)を得た。続いて、表4に記載の各原料を仕込み、10分間混合し、インクジェットインク組成物(R’−4)を得た。
<比較例5>
表1に記載の各原料を混合後に、窒素雰囲気下で二軸混練機であるKRCニーダーに仕込み210℃で15分間混練してウレタン化反応を行った。反応物を取り出し、180℃に加熱した加圧プレス機で圧延後、角形ペレタイザーにて裁断してポリウレタン樹脂(U’−3)を得た。続いて、温度制御可能な耐圧容器に表2に記載の各原料を仕込み、TKホモミキサーを用いて表3記載の条件下で分散処理することでポリウレタン樹脂水分散体(Q’−5)を得た。続いて、表4に記載の各原料を仕込み、10分間混合し、インクジェットインク組成物(R’−5)を得た。
<比較例6>〜<比較例7>
比較例2と同様の方法で表1、表2に記載の原料を使用し、ウレタンプレポリマー(P’−3)、(P’−4)、ポリウレタン樹脂水分散体(Q’−6)、(Q’−7)、インクジェットインク組成物(R’−6)、(R’−7)得た。
Figure 2017160423
サンエスター4620:Mn=2,000のポリテトラメチレンアジペートジオール、三洋化成工業(株)製
サンエスター2620:Mn=2,000のポリエチレンアジペートジオール、三洋化成工業(株)製
980R: Mn=2,000のポリヘキサメチレンカーボネートジオール、日本ポリウレタン工業(株)製
C3090:Mn=3,000のポリ(3−メチル−5−ペンタンジオール/ヘキサメチレン)カーボネートジオール、クラレ(株)製
T4672:Mn=2,000のポリ(テトラメチレン/ヘキサメチレン)カーボネートジオール、旭化成ケミカルズ(株)製
PTMG2000:Mn=2,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール、三菱化学(株)製
Figure 2017160423
Figure 2017160423
Figure 2017160423
実施例1〜9及び比較例1〜7で得られたポリウレタン樹脂水分散体(Q−1)〜(Q−9)及び(Q’−1)〜(Q’−7)の各種物性値を表5に示す。また、実施例1〜9及び比較例1〜7で得られたインクジェットインク組成物(R−1)〜(R−9)及び(R’−1)〜(R’−7)の評価結果を表6に示す。尚、本発明における各種物性値の測定方法及び評価方法は以下の通りである。
各種物性値の測定方法
<ウレタン基含量及びウレア基含量>
ポリウレタン樹脂のウレタン基含量及びウレア基含量は、窒素分析計[ANTEK7000(アンテック社製)]によって定量されるN原子含量と1H−NMRによって定量されるウレタン基とウレア基の比率及び後述のアロハネート基及びビューレット基含量から算出する。1H−NMR測定については、「NMRによるポリウレタン樹脂の構造研究:武田研究所報34(2)、224−323(1975)」に記載の方法で行う。すなわち1H−NMRを測定して、脂肪族を使用した場合、化学シフト6ppm付近のウレア基由来の水素の積分量と化学シフト7ppm付近のウレタン基由来の水素の積分量の比率からウレア基とウレタン基の重量比を測定し、該重量比と上記のN原子含量及びアロハネート基及びビューレット基含量からウレタン基及びウレア基含量を算出する。芳香族イソシアネートを使用した場合、化学シフト8ppm付近のウレア基由来の水素の積分量と化学シフト9ppm付近のウレタン基由来の水素の積分量の比率からウレア基とウレタン基の重量比を算出し、該重量比と上記のN原子含量からウレア基含量を算出する。
<末端イソシアネート基含量>
0.5mol/lジ−n−ブチルアミンのトルエン溶液30mlにポリウレタン樹脂を溶解後、イソプロピルアルコール100mlを加え、0.5mol/l塩酸滴定用溶液を用いて自動電位差滴定装置で自動滴定を行い、滴定ml数を読み取り、次式により末端イソシアネート基含量(mmol/g)を算出する。
末端イソシアネート基含量(mmol/g)=[0.5×( B−A)×f×100]/S
A:本試験に要した0.5mol/l塩酸滴定用溶液のml数。
B:空試験に要した0.5mol/l塩酸滴定用溶液のml数。
f:0.5mol/l塩酸滴定用溶液の力価。
S:ポリウレタン樹脂採取量(g)
<末端アミノ基含量>
以下の方法でポリウレタン樹脂の全アミン価及び3級アミン価を求めて、次式により末端アミノ基含量(mmol/g)を算出する。
末端アミノ基含量(mmol/g)=(全アミン価−3級アミン価)/56.1
(1)全アミン価
100mlのフラスコ中でトルエン50mlにポリウレタン樹脂を溶解後、無水酢酸20mlを加えて、キシレンシアノールFF・メチルオレンジ混合指示薬を用いて、0.5mol/l塩酸・メチルアルコール滴定用溶液で滴定を行い(終点は、指示薬の色が緑色から赤褐色になった点)滴定ml数を読み取り、次式により全アミン価を算出する。
全アミン価=a ×f/ (S×28.05)
a:0.5mol/l塩酸・メチルアルコール滴定用溶液の滴定ml数。
f:0.5mol/l塩酸・メチルアルコール滴定用溶液の力価。
S:ポリウレタン樹脂採取量(g)
(2)3級アミン価
100mlのフラスコ中でトルエン50mlにポリウレタン樹脂を溶解後、無水酢酸20mlを加えてよく振とうし、30分間室温にて放置。キシレンシアノールFF・メチルオレンジ混合指示薬を用いて、0.5mol/l塩酸・メチルアルコール滴定用溶液で滴定を行い(終点は、指示薬の色が緑色から赤褐色になった点)滴定ml数を読み取り、次式により3級アミン価を算出する。
3級アミン価=a ×f/ (S×28.05)
a:0.5mol/l塩酸・メチルアルコール滴定用溶液の滴定ml数
f:0.5mol/l塩酸・メチルアルコール滴定用溶液の力価
S:ポリウレタン樹脂採取量(g)
<アロハネート基及びビューレット基の含量>
ポリウレタン樹脂のアロハネート基及びビューレット基の含量の合計は、ガスクロマトグラフ[Shimadzu GC−9A{島津製作所(株)製}]によって算出する。0.01重量%のジ−n−ブチルアミンと0.01重量%のナフタレン(内部標準)とを含む50gのDMF溶液を調整する。サンプルを共栓付き試験管に測り取り、上記のDMF溶液を2g加え、試験管を90℃の恒温水槽で2時間加熱する。常温に冷却後、10μlの無水酢酸を加え10分間振とう攪拌する。更に50μlのジ−n−プロピルアミンを添加し、10分間振とう後、ガスクロマトグラフ測定を行う。並行してブランク測定を行い、試験値との差よりアミンの消費量を求め、アロハネート基及びビューレット基の含量の合計を測定した。
(ガスクロマトグラフ条件)
装置 :Shimadzu GC−9A
カラム:10%PEG−20M on Chromosorb WAW DMLS 60/80meshガラスカラム 3mmφ×2m
カラム温度:160℃、試料導入部温度:200℃、キャリアガス:窒素 40ml/分
検出器:FID、試料注入量:2μl
(アロハネート基及びビューレット基の含量の合計の算出式)
アロハネート基及びビューレット基の含量の合計={(B−A)/B}×0.00155/S
A:試料の(ジ−n−ブチルアセトアミドのピーク面積/ナフタレンのピーク面積)
B:ブランクの(ジ−n−ブチルアセトアミドのピーク面積/ナフタレンのピーク面積)
S:ポリウレタン樹脂採取量(g)
<Mw及びMn>
ポリウレタン樹脂又はポリウレタン水分散体を、DMF中にポリウレタン樹脂固形分が0.0125重量%となるように加えて、常温で1時間撹拌溶解後、0.3μmの孔径のフィルターでろ過して、得られたろ液に含まれているウレタン樹脂のMwとMnを、DMFを溶媒として、また、ポリスチレンを分子量標準として用いて、GPCにより測定した。
<エタノール膨潤率>
ポリウレタン樹脂(U)のエタノール膨潤率は次に記載の方法で測定した。
ポリウレタン樹脂水分散体10部を、縦10cm×横20cm×深さ1cmのポリプロピレン製モールドに、水分乾燥後のフィルム膜厚が200μmになる量を流し込み、室温で12時間乾燥後、循風乾燥機で、105℃で3時間加熱乾燥することによって得られるフィルムを2cm×8cmにカットして試験片を作成し、小数点以下4桁まで計量可能な電子天秤で重量(W0)を測定した。得られた試験片をエタノール中に浸漬し、25℃24時間浸漬した後取り出し、130℃循風乾燥機で3時間乾燥し、重量(W1)を測定した。得られた数値を用いて下記式にのっとって溶剤への膨潤率を算出した。
膨潤率(%) = [(W1)/(W0)]×100
W1;ウレタン皮膜のエタノール浸漬後の重量
W0;ウレタン皮膜のエタノール浸漬前の重量
<体積平均粒子径(Dv)>
ポリウレタン樹脂水分散体(Q)を、イオン交換水でポリウレタン樹脂の固形分が0.01重量%となるよう希釈した後、光散乱粒度分布測定装置[ELS−8000{大塚電子(株)製}]を用いて測定した。
<ポリウレタン樹脂水分散体の分散安定性>
25℃に温調したポリウレタン樹脂水分散体を12時間静置しておき、沈降物の発生を目視にて評価した。沈降物が発生しない場合を○、沈降物が発生した場合を×とした。
<(Q)の固形分濃度>
ポリウレタン樹脂水分散体約1gをペトリ皿上にうすく伸ばし、精秤した後、循環式定温乾燥機を用いて130℃で、45分間加熱した後の重量を精秤し、加熱前の重量に対する加熱後の残存重量の割合(百分率)を計算することにより得た。
<(Q)の粘度>
25℃に温調したポリウレタン樹脂水分散体を、BL型粘度計を用いて測定した。
評価方法
<インクの吐出安定性>
作製したインクジェットインク組成物(R−1)〜(R−9)、(R’−1)〜(R’−7)を、吐出性評価装置(マイクロジェット(株)製「インクジェット吐出実験キット;IJHC−10」)を用いて、以下の基準で評価した。
○:ノズルつまりが無い
×:ノズルつまりが有る
<インクの保存安定性>
作製したインクジェットインク組成物(R−1)〜(R−9)、(R’−1)〜(R’−7)をスクリュー管に入れて70℃で1週間保存し、保存前後の粘度変化率を測定した。
<画像濃度>
作製したインクジェットインク組成物(R−1)〜(R−9)、(R’−1)〜(R’−7)を5cm×10cmのPVCフィルムに乾燥後の膜厚が2μmとなるよう、バーコーターで塗布し、80℃で5分加熱して印刷物を作製した。印刷面を画像濃度計(GretagMacbeth社製)により測定した。
<画像の密着性>
作製したインクジェットインク組成物(R−1)〜(R−9)、(R’−1)〜(R’−7)を、を5cm×20cmのコート紙[「オーロラコート」、日本製紙(株)製]に乾燥後の膜厚が2μmとなるよう、バーコーターで塗布し、100℃で10分加熱して印刷物を作製した。この印刷面に印刷していないコート紙を重ね、ブロッキングテスターを用いて、1kg/cm2の荷重を加えながら、40℃のオーブンで24時間放置した。その後、試験サンプルを取り出して、重ね合わせたコート紙を剥離した。剥離した印刷していないコート紙への色移りを目視により以下の評価基準で評価した。
○:印刷していないコート紙に色移りしない。
×:印刷していないコート紙に色移りする。
Figure 2017160423
Figure 2017160423
本発明のインクジェットインク用ポリウレタン樹脂水分散体は、インクジェットプリンター用水性インク組成物等に好適に使用できる。

Claims (6)

  1. 水とポリウレタン樹脂(U)を含有し、以下の(1)〜(5)の全てを満たすインクジェットインク用ポリウレタン樹脂水分散体(Q)。
    (1)(U)中のウレタン基含量が(U)の重量に基づいて0.5〜5.0mmol/gである。
    (2)(U)中の末端アミノ基含量が(U)の重量に基づいて0.35mmol/g以下である。
    (3)(U)の数平均分子量(Mn)が1万以上である。
    (4)(U)の25℃におけるエタノールに対する膨潤率が(U)の重量に対して300重量%以下である。
    (5)(U)を含有する粒子の体積平均粒子径(Dv)が0.01〜1μmである。
  2. 前記ポリウレタン樹脂(U)がカルボキシル基を有し、かつ前記ポリウレタン樹脂水分散体(Q)が架橋剤(K)を含有し、該架橋剤(K)がカルボキシル基と反応性を有する 請求項1に記載のポリウレタン樹脂水分散体(Q)。
  3. 前記架橋剤(K)が、カルボジイミド基(k1)および/またはオキサゾリン基(k2)を1分子中に2個以上有する化合物である請求項2に記載のポリウレタン樹脂水分散体(Q)。
  4. 前記ポリウレタン樹脂(U)が、分子内にアルコキシシリル基および/またはシラノール基を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリウレタン樹脂水分散体(Q)。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のインクジェットインク用ポリウレタン樹脂水分散体(Q)、顔料(P)、及び保湿安定助剤(M)を含有するインクジェットインク組成物(R)。
  6. 保湿安定助剤(M)が水酸基を有する化合物であって、沸点が100℃以上である請求項5に記載のインクジェットインク組成物(R)。









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Title
WEN-YUAN CHUANG ET AL.: "Swelling behavior of hydrophobic polymers in water/ethanol mixtures", POLYMER, vol. Polymer41, JPN6017042076, 2000, pages 8339 - 8347, ISSN: 0003820617 *

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