JP7011437B2 - 塗料組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、塗料組成物に関する。
従来、自動車の外装塗膜は、洗車機による擦り傷や鍵穴の周りの引っ掻き傷の防止対策が望まれてきた。最近、外観を重視する自動車のユーザーからこれらの傷に対する更なる改善の要求が高まっている。このため、自動車メーカーにとって、自動車の商品力を高めることのできる「耐洗車擦り傷性」及び「耐引っ掻き傷性」に優れた塗膜の得られる塗料の開発が重要課題となっている。
しかし、自動車の外装塗膜は、耐洗車擦り傷性や鍵穴の周りの耐引っ掻き傷性にとどまらず、耐衝撃性、耐候性、仕上がり性、付着性等の多くの塗膜性能を兼ね備えなければならない。そのため、塗膜を軟らかくする又は硬くするという技術だけでは、これら全てを満足する塗膜は得られず、自動車用塗料メーカーは多性能を同時に満足するバランスのとれた自動車用のクリア塗料組成物の開発に苦慮している。
特許文献1には、耐擦り傷性を向上させた自動車用のクリア塗料組成物が開示されている。具体的には、炭素数4以上の長鎖ヒドロキシアルキル基を有するモノマー及びラクトン変性モノマーに由来するセグメントを特定の割合で含有する水酸基含有アクリル樹脂と、ポリイソシアネート化合物とを含有するクリア塗料組成物が開示されている。
特許文献2には、脂肪族オリゴカーボネートポリオール及びヒドロキシ官能ポリアクリレートポリオールを含有するポリオール成分と、OH反応性(ポリ)イソシアネート架橋剤と、を含有する塗料が開示されている。
特開2006-176632号公報 特開2007-016231号公報
しかしながら、特許文献1に開示された塗料組成物において、ラクトン変性モノマーに由来するセグメントの含有量の増加に伴い、耐擦り傷性は向上するが、耐酸性が低下する。そのため、耐傷性及び耐酸性を両立させることは困難であった。
また、特許文献2では、脂肪族オリゴカーボネートポリオールの効果により、耐薬品性(耐アルカリ性、耐酸性)の改良は見られるが、耐擦り傷性については十分とは言えず、改良が望まれていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、塗膜形成初期における耐傷性、傷を受けた後の傷回復性及び耐酸性に優れた塗膜が得られる塗料組成物を提供する。
すなわち、本発明は、以下の態様を含む。
本発明の第1態様に係る塗料組成物は、(a)ポリカーボネートポリオールと、(b)硬化剤と、を含有し、前記(b)硬化剤が下記一般式(I)で示されるトリイソシアネート化合物を含み、更に、前記(a)ポリカーボネートポリオール10質量部に対して、(c)水酸基含有アクリル樹脂を40質量部以上90質量部以下含有し、前記(c)水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基を有するアクリル系単量体に由来する構造単位を含む重合体、又は、水酸基を有するアクリル系単量体に由来する構造単位と、カルボキシル基若しくはエステル基を有するアクリル系単量体及びビニル系単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体に由来する構造単位と、を含む共重合体である
Figure 0007011437000001
[一般式(I)中、複数あるYは、それぞれ独立に、単結合、又は、エステル基及びエーテル基からなる群より選択される1種以上を含んでもよい炭素数1~20の2価の炭化水素基である。複数あるYは、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。Rは、水素原子又は炭素数1~12の1価の炭化水素基である。]
前記(a)ポリカーボネートポリオールが下記一般式(II)で示される繰り返し単位と末端に水酸基とを有してもよい。
Figure 0007011437000002
[一般式(II)中、Yは、炭素数2~20の2価の脂肪族炭化水素基である。]
前記一般式(II)で示される繰り返し単位のモル総量に対する、Yが炭素数3~8の2価の脂肪族炭化水素基である前記一般式(II)で示される繰り返し単位のモル量の割合が、20モル%以上であってもよい。
前記(a)ポリカーボネートポリオール由来の水酸基と前記(c)水酸基含有アクリル樹脂由来の水酸基との合計と、前記(b)硬化剤由来のイソシアネート基とのモル比(OH/NCO)が、1/2以上1/0.5以下であってもよい。
上記第1態様の塗料組成物は、更に、塗料組成物の総質量に対して、(d)不活性有機溶剤を1質量%以上90質量%以下含有してもよい。
上記態様の塗料組成物によれば、塗膜形成初期における耐傷性、傷を受けた後の傷回復性及び耐酸性に優れた塗膜が得られる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と称する)について詳細に説明する。
≪塗料組成物≫
本発明の一実施形態に係る塗料組成物は、(a)ポリカーボネートポリオール及び(b)硬化剤を含有する。さらに、(b)硬化剤は、下記一般式(I)で示されるトリイソシアネート化合物(以下、「トリイソシアネート化合物(I)」と称する)を含む。
Figure 0007011437000003
[一般式(I)中、複数あるYは、それぞれ独立に、単結合、又は、エステル基及びエーテル基からなる群より選択される1種以上を含んでもよい炭素数1~20の2価の炭化水素基である。複数あるYは、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。Rは、水素原子又は炭素数1~12の1価の炭化水素基である。]
本実施形態の塗料組成物は、上記(a)ポリカーボネートポリオール及び上記トリイソシアネート化合物(I)を含有することで、塗膜形成初期における優れた耐傷性、傷を受けた後の傷回復性及び耐酸性に優れた塗膜が得られる。
本実施形態の塗料組成物の構成成分について、以下に詳細を説明する。
<塗料組成物の構成成分>
[(a)ポリカーボネートポリオール]
((a)ポリカーボネートポリオールの構造)
本実施形態の塗料組成物に含まれる(a)ポリカーボネートポリオールは、下記一般式(II)で示される繰り返し単位(以下、「繰り返し単位(II)」と称する)と末端に水酸基とを有するものである。
Figure 0007011437000004
[一般式(II)中、Yは、炭素数2~20の2価の脂肪族炭化水素基である。]
(Y
繰り返し単位(II)中のYは、炭素数2~20の2価の脂肪族炭化水素基である。
の炭素数は、2~15であることが好ましく、2~10であることがより好ましく3~8であることがさらに好ましい。
また、前記2価の脂肪族炭化水素基は、鎖状であってもよく、環状であってもよい。また、鎖状である場合、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
前記2価の脂肪族炭化水素基として具体的には、例えば、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-へキシレン基、n-ヘプチレン基、n-オクチレン基、n-ノニレン基、n-デシレン基等の直鎖状アルキレン基;2-メチルプロピレン基、2-メチルへキシレン基、テトラメチルエチレン基等の分岐鎖状アルキレン基;シクロプロピレン基、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロへキシレン、シクロペプチレン、シクロオクチレン、シクロノニレン、シクロデシレン等の環状アルキレン(シクロアルキレン)基等が挙げられる。
中でも、Yとしては、炭素数2~10の直鎖状アルキレン基であることが好ましく、炭素数3~8の直鎖状アルキレン基であることがより好ましい。
(繰り返し単位(II)のモル総量に対する、Yが炭素数3~8の2価の脂肪族炭化水素基である繰り返し単位(II)のモル量の割合)
本実施形態の塗料組成物に含まれる(a)ポリカーボネートポリオールにおいて、繰り返し単位(II)のモル総量(x)に対する、Yが炭素数3~8の2価の脂肪族炭化水素基である繰り返し単位(II)のモル量(y)の割合(y/x)は、20モル%以上であることが好ましく、40モル%以上であることがより好ましく、60モル%以上であることがさらに好ましい。
y/xが、上記下限値以上であることにより、塗料組成物から得られる塗膜の傷回復性がより良好となる。
一方、y/xの上限値については、特別な限定はなく、例えば、100モル%以下であってもよい。
なお、y/xは、核磁気共鳴(Nuclear Magnetic Resonance;NMR)分光法により構成される成分の割合を求めて得ることができる。
((a)ポリカーボネートポリオールの数平均分子量)
本実施形態の塗料組成物に含まれる(a)ポリカーボネートポリオールの数平均分子量は500以上5000以下であることが好ましく、900以上3000以下であることがより好ましく、1000以上2000以下であることがさらに好ましい。数平均分子量が上記下限値以上であることで、塗膜の傷回復性がより良好となる。また、数平均分子量が上記上限値以下であることで、硬化時のイソシアネートとの反応がより早くなり、乾燥時間をより短縮できる。さらに、塗膜形成初期における耐傷付き性がより良好となる。
なお、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定することができる。
((a)ポリカーボネートポリオールの製造方法)
(a)ポリカーボネートポリオールは、特に限定されないが、例えば、2官能ジオール化合物と、炭酸エステルとを原料に用い、「Polymer Reviews 第9巻、第9~20頁」(参考文献1)に記載されるエステル交換反応により合成することができる。
前記2官能ジオール化合物は特に限定されないが、具体例として、例えば、エチレングリコール、1,3-プロパンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、1,10-デカンジオール、2-メチル-1,8-オクタンジオール、ネオペンチルグリコール、2-イソプロピル-1,4-ブタンジオール、2-エチル-1,6-ヘキサンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジメチル-1,5-ペンタンジオール、2,4-ジエチル-1,5-ペンタンジオール、1,3-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジメタノール、2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)-プロパン等の炭素数2~20の2価の脂肪族炭化水素基を有するジオール類が挙げられる。これら2官能ジオール化合物は、1種類のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、(a)ポリカーボネートポリオールの原料として、2官能ジオールの他に、3官能以上の多価アルコール化合物を用いてもよい。
前記多価アルコール化合物としては、特に限定されないが、例えば、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、グリセリン等が挙げられる。
[(b)硬化剤]
(トリイソシアネート化合物(I))
○トリイソシアネート化合物(I)の構造
本実施形態の塗料組成物に含まれる(b)硬化剤は、トリイソシアネート化合物(I)を含む。
Figure 0007011437000005
[一般式(I)中、複数あるYは、それぞれ独立に、単結合、又は、エステル基及びエーテル基からなる群より選択される1種以上を含んでもよい炭素数1~20の2価の炭化水素基である。複数あるYは、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。Rは、水素原子又は炭素数1~12の1価の炭化水素基である。]
・Y
一般式(I)中、複数あるYは、それぞれ独立に、単結合、又は、エステル基及びエーテル基からなる群より選択される1種以上を含んでもよい炭素数1~20の2価の炭化水素基である。複数あるYは、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
前記炭素数1~20の2価の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
前記脂肪族炭化水素基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、n-プロピレン基、n-ブチレン基、n-ペンチレン基、n-へキシレン基、n-ヘプチレン基、n-オクチレン基、n-ノニレン基、n-デシレン基等の直鎖状アルキレン基;2-メチルプロピレン基、2-メチルへキシレン基、テトラメチルエチレン基等の分岐鎖状アルキレン基;シクロプロピレン基、シクロブチレン、シクロペンチレン、シクロへキシレン、シクロペプチレン、シクロオクチレン、シクロノニレン、シクロデシレン等の環状アルキレン(シクロアルキレン)基等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニレン基等のアリーレン基が挙げられる。
中でも、前記炭素数1~20の2価の炭化水素基としては、直鎖状アルキレン基であることが好ましい。
における前記エステル基(-COO-)及びエーテル基(-O-)からなる群より選択される1種以上を含んでもよい炭素数1~20の2価の炭化水素基としては、上述した炭素数1~20の2価の炭化水素基のC-C結合の1又は複数の間にエステル基及びエーテル基からなる群より選択される1種以上を含むものである。中でも、下記一般式(I-1)で表される基(以下、「基(I-1)」と称する場合がある」)が好ましい。
-(CHn1-Y-(CHn2- ・・・(I-1)
基(I-1)において、-(CHn1-のYと反対の結合手が上記一般式(I)中のCと結合しており、-(CHn2-のYと反対の結合手が上記一般式(I)中のNCOと結合している。また、n1及びn2は、1≦n1+n2≦20となる整数である。すなわち、n1及びn2の両方とも0になることはなく、n1、n2のうち、NCOと結合している側は1以上であることが好ましい。
中でも、n1及びn2はそれぞれ独立して、0~20の整数であることが好ましく、0~4がより好ましく、0~2がさらに好ましい。n1及びn2の組み合わせとしては、例えば、n1=0、n2=2の組み合わせ、n1=2、n2=2の組み合わせが好ましい。
基(I-1)において、Yは、エステル基又はエーテル基である。中でも、反応速度が上がることから、Yはエステル基であることが好ましい。
一般式(I)において、中でも、Yとしては、単結合、又は、エステル基を含んでもよい炭素数1~20の直鎖状アルキレン基であることが好ましい。
複数あるYが、単結合、脂肪族炭化水素基及び芳香族炭化水素基からなる群の1種以上である場合、本実施形態の塗料組成物から得られる塗膜性能をより向上させることができる。
また、複数あるYの全てが、単結合又は脂肪族炭化水素基である場合、本実施形態の塗料組成物から得られた塗膜の耐候性をより良好とすることができる。
複数あるYのうち少なくとも1つが、エーテル基を有する場合、本実施形態の塗料組成物から得られた塗膜の耐加水分解性をより良好とすることができる。
また、複数あるYのうち少なくとも1つが、エステル基を有する場合、イソシアネート基の反応性をより高めることができ、本実施形態の塗料組成物から得られた塗膜の耐熱性をより向上することができる。
・R
は、水素原子、又は、炭素数1~12の1価の炭化水素基である。Rにおける炭化水素基としては、特に限定されず、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。中でも、Rとしては、水素原子が好ましい。
本実施形態において、複数あるYの全てが、単結合、脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を有する場合、トリイソシアネート化合物(II)で好ましいものとして具体的には、例えば、特公昭63-15264号公報(参考文献2)に開示されている4-イソシアネートメチル-1,8-オクタメチレンジイソシアネート(以下、「NTI」と称する、分子量251)、特開昭57-198760号公報(参考文献3)に開示されている1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート(以下、「HTI」と称する、分子量209)、特公平4-1033号公報(参考文献4)に開示されているビス(2-イソシアナトエチル)2-イソシアナトグルタレート(以下、「GTI」と称する、分子量311)、特開昭53-135931号公報(参考文献5)に開示されているリジントリイソシアネート(以下、「LTI」と称する、分子量267)等が挙げられる。
本実施形態において、複数あるYのうち少なくとも1つが、エーテル基を有する場合、トリイソシアネート化合物(II)で好ましいものとして具体的には、例えば、特公昭63-15264号公報(参考文献2)に開示されているNTI(分子量251)、特開昭57-198760号公報(参考文献3)に開示されているHTI(分子量209)等が挙げられる。
本実施形態において、複数あるYのうち少なくとも1つが、エステル基を有する場合、トリイソシアネート化合物(II)で好ましいものとして具体的には、例えば、特公平4-1033号公報(参考文献4)に開示されているGTI(分子量311)、特開昭53-135931号公報(参考文献5)に開示されているLTI(分子量267)等が挙げられる。
○トリイソシアネート化合物の製造方法
本実施形態において、イソシアネート成分に含まれるトリイソシアネート化合物は、例えば、アミノ酸誘導体、エーテルアミン及びアルキルトリアミン等のアミンをイソシアネート化して得ることができる。
前記アミノ酸誘導体としては、例えば2,5-ジアミノ吉草酸、2,6-ジアミノヘキサン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸等が挙げられる。これらアミノ酸誘導体はジアミンモノカルボン酸又はモノアミンジカルボン酸であるため、カルボキシ基を、例えばエタノールアミン等のアルカノールアミンでエステル化することで、エステル基を有するトリアミンとすることができる。得られたエステル基を有するトリアミンは、アミンのホスゲン化等により、エステル基を含むトリイソシアネート化合物とすることができる。
前記エーテルアミンとしては、例えば、ポリオキシアルキレントリアミンである三井化学ファイン社の商品名「D403」等が挙げられる。これらエーテルアミンはトリアミンであり、アミンのホスゲン化等により、エーテル構造を含むトリイソシアネート化合物とすることができる。
前記アルキルトリアミンとしては、例えば、トリイソシアナトノナン(4-アミノメチル-1,8-オクタンジアミン)等が挙げられる。これらアルキルトリアミンはトリアミンであり、アミンのホスゲン化等により、炭化水素のみを含むトリイソシアネート化合物とすることができる。
(その他硬化剤)
本実施形態の塗料組成物は(b)硬化剤として、上記トリイソシアネート化合物(I)の他に、更に、他の硬化剤を含有してもよい。
前記他の硬化剤としては、例えば、脂肪族(鎖式及び環式を含む)又は芳香族のイソシアネート基を有するジイソシアネート及びポリイソシアネート等が挙げられる。
なお、ここでいう「ポリイソシアネート」とは、イソシアネート基を1つ以上有する化合物を複数結合させて得られる複数のイソシアネート基を有する反応物を意味する。
前記ジイソシアネートとしては例えば、以下のもの等が挙げられる。
(1)1,4-テトラメチレンジイソシアネート(以下、「TMDI」と称する場合がある)、ペンタメチレンジイソシアネート(以下、「PDI」と称する場合がある)、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、「HDI」と称する場合がある)、2,2,4-トリメチル-1,6-ジイソシアナトヘキサン、2,4,4-トリメチル-1,6-ヘキサメチレンジイソイシアネート、2-メチルペンタン-1,5-ジイソシアネート(以下、「MPDI」と称する場合がある)、リジンジイソシアネート(以下、「LDI」と称する場合がある)等の鎖式脂肪族ジイソシアネート
(2)イソホロンジイソシアネート(以下、「IPDI」と称する場合がある)、1,3-ビス(ジイソシアネートメチル) シクロヘキサン(以下、「1,3-H6-XDI」と称する場合がある)、3(4)-イソシアナトメチル-1-メチル-シクロヘキシルイソアネート(以下、「IMCI」と称する場合がある)、ビス(イソシアナトメチル)-ノルボルナン(以下、「NBDI」と称する場合がある)、4,4’-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、「H12MDI」と称する場合がある)等の環式脂肪族(脂環族)ジイソシアネート
(3)1,3-ビス(イソシアナトメチル)-ベンゼン、1,3-ビス(2-イソシアナトプロピル-2)ベンゼン、ジフェニルメタン-4,4´-ジイソシアネート(以下、「MDI」と称する場合がある)、1,5-ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート(TDI)、キシリレンジイソシアネート、m-テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)等の芳香族ジイソシアネート
中でも、ジイソシアネートとしては、得られる塗膜の耐候性がより良好となること、及び、工業的入手の容易さから、HDI又はIPDIが好ましい。これらジイソシアネートを1種含有してもよく、2種以上含有してもよい。
また、前記ポリイソシアネートは、イソシアヌレート構造(以下、「イソシアヌレート型ポリイソシアネート」と称する場合がある)、ビウレット構造(以下、「ビウレット型ポリイソシアネート」と称する場合がある)、アロファネート構造(以下、「アロファネート型ポリイソシアネート」と称する場合がある)、及びウレタン構造(以下、「ウレタン変性ポリイソシアネート」と称する場合がある)からなる群から選択される1種類以上を含んでもよい。
(b)硬化剤中のイソシアネート基の数の総量に対する、その他の硬化剤に由来するイソシアネート基の数の割合は、0%以上70%以下であることが好ましく、0%以上50%以下であることがより好ましく、0%以上30%以下であることがさらに好ましい。
前記割合が上記範囲内にあることにより、本実施形態の塗料組成物から得られる塗膜の傷回復性をより向上させることができる。
なお、硬化剤中のイソシアネート基の数の総量に対する、その他の硬化剤に由来するイソシアネート基の数の割合は、例えば、その他の硬化剤の配合量から算出することができる。
[(c)水酸基含有アクリル樹脂]
本実施形態の塗料組成物は、更に、(c)水酸基含有アクリル樹脂を含有してもよい。
((c)水酸基含有アクリル樹脂の構成成分)
(c)水酸基含有アクリル樹脂は、塗料組成物の主剤として用いることができ、表面硬度、耐水性、耐候性、耐熱性等を付与することができる成分である。(c)水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基を有するアクリル系単量体に由来する構造単位を必須とした重合体であればよく、重合体を構成する構造単位の種類については特に限定はない。
(c)水酸基含有アクリル樹脂は、例えば、カルボキシル基又はエステル基を有するアクリル系単量体、ビニル系単量体等に由来する構造単位をさらに含んだ共重合体であってもよい。
○水酸基を有するアクリル系単量体
水酸基を有するアクリル系単量体として具体的には、例えば、(メタ)アクリル酸1-ヒドロキシメチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸3-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、又は、これらのε-カプロラクトン付加物等が挙げられる。これらの単量体は、1種のみ、又は、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
○カルボキシル基を有するアクリル系単量体
カルボキシル基を有するアクリル系単量体として具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、又は、これらの無水物等の不飽和カルボン酸類等が挙げられる。これらの単量体は、1種のみ、又は、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
○エステル基を有するアクリル系単量体
エステル基を有するアクリル系単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、t-ブチル(メタ)アクリレート、n-アミル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、n-ヘキシル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの単量体は、1種のみ、又は、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
○ビニル系単量体
ビニル系単量体としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N-メチロールアクリルアミド、N,N-ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等のアクリルアミド系モノマー;スチレン等が挙げられる。これらの単量体は、1種のみ、又は、必要に応じて2種以上を併用してもよい。
((c)水酸基含有アクリル樹脂の水酸基価)
(c)水酸基含有アクリル樹脂の水酸基価は、特に限定されないが、50mgKOH/g以上300mgKOH/g以下であることが好ましく、70mgKOH/g以上200mgKOH/g以下であることがより好ましい。
水酸基価が上記下限値以上であることで、塗料組成物から得られる塗膜の塗膜硬度や塗膜強度をより向上させることができる。さらに、塗膜形成初期における耐傷付き性がより良好なものとすることができる。
また、上記上限値以下であることで、塗料組成物から得られる塗膜の架橋密度が適切な範囲に調整され、傷回復性がより良好なものとすることができる。
なお、水酸基価は、JIS K1557-1に準じて測定することができる。
((c)水酸基含有アクリル樹脂の数平均分子量)
(c)水酸基含有アクリル樹脂の数平均分子量は、特に限定されないが、500以上10000以下であることが好ましく、1500以上8000以下であることがより好ましく、2000以上6000以下であることがさらに好ましい。
(c)水酸基含アクリル樹脂の数平均分子量が上記下限値以上であることで、塗料組成物から得られる塗膜の傷回復性をより良好にすることができる。また、(c)水酸基含アクリル樹脂の数平均分子量が上記上限値以上であることで、塗料組成物の粘度が適切な範囲に調整され、塗装外観をより良好とすることができる。また、塗膜形成初期における耐傷付き性をより良好にすることができる。
なお、水酸基含有アクリル樹脂の数平均分子量は、(a)ポリカーボネートポリオールの数平均分子量の測定方法と同様の方法を用いて、測定することができる。
((c)水酸基含有アクリル樹脂のガラス転移温度)
(c)水酸基含有アクリル樹脂のガラス転移温度は、特に限定されないが、-20℃以上60℃以下であることが好ましく、0℃以上40℃以下であることがより好ましい。
(c)水酸基含有アクリル樹脂のガラス転移温度が上記下限値以上であることで、塗料組成物から得られる塗膜の表面硬度がより高くなり、塗膜形成初期における耐傷付き性をより良好にすることができる。また、(c)水酸基含有アクリル樹脂のガラス転移温度が上記上限値以下であることで、塗料組成物から得られる塗膜の硬度が適切な範囲に調整され、傷回復性をより良好にすることができる。
なお、ガラス転移温度は、示差走査熱量測定(Differential scanning calorimetry;DSC)により測定することができる。
((c)水酸基含有アクリル樹脂の含有量)
本実施形態の塗料組成物において、(c)水酸基含有アクリル樹脂を含有する場合、上記(a)ポリカーボネートポリオール10質量部に対して、(c)水酸基含有アクリル樹脂を0質量部より多く200質量部以下含有することが好ましく、5質量部以上150質量部以下含有することがより好ましく、10質量部以上100質量部以下含有することがさらに好ましい。(a)ポリカーボネートポリオール10重量部に対する(b)水酸基含有アクリル樹脂の含有量が上記上限値以下であることにより、塗料組成物から得られる塗膜の傷回復性をより優れたものとすることができる。
((c)水酸基含有アクリル樹脂の製造方法)
水酸基含有アクリル樹脂は、例えば、上記水酸基を有するアクリル系単量体、並びに、必要に応じて、上記その他のアクリル系単量体及び上記ビニル系単量体から、適宜単量体を選択して、ラジカル重合開始剤及び連鎖移動剤等により重合させることによって得られる。
[(d)不活性有機溶剤]
本実施形態の塗料組成物は、塗装時の作業性を調整するために、必要に応じて、更に、(d)不活性有機溶剤を含有してもよい。
(d)不活性有機溶剤としては、特に限定されないが、実質的に(b)硬化剤に含まれるトリイソシアネート化合物(又は、その他硬化剤として含まれるジイソシアネート又はポリイソシアネート)に対して不活性な有機溶媒であり且つ活性水素を有しないものであることが好ましい。
なお、「実質的に不活性である」とは、当該有機溶媒を、(b)硬化剤に含まれるトリイソシアネート化合物(又は、その他硬化剤として含まれるジイソシアネート又はポリイソシアネート)と混合し、塗料組成物の作製する際、又は、当該塗料組成物を用いて塗膜を形成させる際に、反応しないことを意味する。又は、当該有機溶媒を、(b)硬化剤に含まれるトリイソシアネート化合物(又は、その他硬化剤として含まれるジイソシアネート又はポリイソシアネート)と混合し、塗料組成物の作製する際、又は、当該塗料組成物を用いて塗膜を形成させる際に、本実施形態の塗料組成物の効果が損なわれない程度の極微量しか反応しないことを意味する。
(d)不活性有機溶剤として具体的には、特に限定されないが、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、石油エーテル、石油ベンジン、リグロイン、石油スピリット、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素類、トリクロロフルオロエタン、テトラクロロジフルオロエタン、パーフルオロエーテル等の弗素化油等の弗素系不活性液体;パーフルオロシクロヘキサン、パーフルオロブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロデカリン、パーフルオロ-n-ブチルアミン、パーフルオロポリエーテル、ジメチルポリシロキサン;メチルエチルケトン、アセトン、酢酸エチル、酢酸ブチル、トルエン、キシレン等が挙げられる。これら不活性有機溶剤を単独で含有してもよく、2種以上の混合溶媒として含有してもよい。
本実施形態の塗料組成物の総質量に対して、(d)不活性有機溶剤を1質量%以上90質量%以下含有することが好ましく、10質量%以上70質量%以下であることがより好ましく、20質量%以上50質量%以下であることがさらに好ましい。
[(e)その他添加剤]
本実施形態の塗料組成物は、上記(a)ポリカーボネートポリオール、上記(b)硬化剤、上記(c)水酸基含有アクリル樹脂、及び、上記(d)不活性有機溶剤の他に、各種用途に応じて、更に、(e)その他添加剤を含有してもよい。
(e)その他添加剤としては、硬化促進剤(触媒)、充填剤、有機又は無機顔料(染料、着色剤)、難燃剤、離型剤、流動性調整剤、レベリング剤、可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、消泡剤等が挙げられる。中でも、本実施形態の塗料組成物は、更に、少なくとも酸化防止剤、光安定剤及び熱安定剤を含有することが好ましい。
硬化促進剤としては、特に限定されないが、例えば、モノアミンであるトリエチルアミン、N,N-ジメチルシクロヘキシルアミン、ジアミンであるテトラメチルエチレンジアミン、その他トリアミン、環状アミン、ジメチルエタノールアミンのようなアルコールアミン、エーテルアミン、金属触媒としては特に限定されないが、例えば、酢酸カリウム、2-エチルへキサン酸カリウム、酢酸カルシウム、オクチル酸鉛、ジブチル錫ジラウレート、オクチル酸錫、ビスマスネオデカノエート、ビスマスオキシカーボネート、ビスマス2-エチルヘキサノエート、オクチル酸亜鉛、亜鉛ネオデカノエート、ホスフィン、ホスホリン等、一般的に用いられるものが挙げられる。
充填剤、有機又は無機顔料としては、特に限定されないが、例えば、織布、ガラス繊維、炭素繊維、ポリアミド繊維、雲母、カオリン、ベントナイト、金属粉、アゾ顔料、カーボンブラック、クレー、シリカ、タルク、石膏、アルミナ白、炭酸バリウム等、一般的に用いられているものが挙げられる。
難燃剤としては、特に限定されないが、例えば、環状窒素化合物、リン系化合物、シリコン系化合物、籠状シルセスキオキサン又はその部分開裂構造体、シリカ系化合物が挙げられる。
離型剤、流動性調整剤及びレベリング剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン、エアロジル、ワックス、ステアリン酸塩、BYK-331(BYKケミカル社製)等のポリシロキサン等が挙げられる。
可塑剤としては、特に限定されないが、例えば、フタル酸エステル類、リン酸系化合物、ポリエステル系化合物が挙げられる。これらを単独で含有してもよく、2種以上含有してもよい。
酸化防止剤、光安定剤及び熱安定剤としては、特に限定されないが、例えば、燐酸若しくは亜燐酸の脂肪族、芳香族又はアルキル基置換芳香族エステルや次亜燐酸誘導体;フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、ジフェニルホスホン酸、ポリホスホネート、ジアルキルペンタエリスリトールジホスファイト、ジアルキルビスフェノールAジホスファイト等のリン化合物;フェノール系誘導体(特に、ヒンダードフェノール化合物)、チオエーテル系化合物、ジチオ酸塩系化合物、メルカプトベンズイミダゾール系化合物、チオカルバニリド系化合物、チオジプロピオン酸エステル等のイオウを含む化合物;スズマレート、ジブチルスズモノオキシド等のスズ系化合物等が挙げられる。これらを単独で含有してもよく、2種以上含有してもよい。
紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾトリアジン系化合物、ベンゾエート系化合物、ベンゾフェノン系化合物、オキシベンゾフェノン系化合物、フェノール系化合物、オキサゾール系化合物、マロン酸エステル系化合物、シアノアクリレート系化合物、ラクトン系化合物、サリチル酸エステル系化合物、ベンズオキサジノン系化合物等が挙げられる。これらを単独で含有してもよく、2種以上含有してもよい。
消泡剤としては、特に限定されないが、例えば、シリコーン系化合物、鉱物油系化合物等が挙げられる。これらを単独で含有してもよく、2種以上含有してもよい。
<塗料組成物の製造方法>
本実施形態の塗料組成物は、(a)ポリカーボネートポリオール及び(b)硬化剤、並びに、必要に応じて、(c)水酸基含有アクリル樹脂、(d)不活性有機溶剤及び(e)その他添加剤を均一に混合することで製造することができる。又は、予め、(b)硬化剤以外を混合しておき、塗布直前に(b)硬化剤を添加し、均一に混合することで製造してもよい。
<塗料組成物の物性>
[OH/NCO]
本実施形態の塗料組成物において、(a)ポリカーボネートポリオール由来の水酸基と(c)水酸基含有アクリル樹脂由来の水酸基との合計と、(b)硬化剤由来のイソシアネート基とのモル比(OH/NCO)は、1/2以上1/0.5以下であることが好ましく、1/1.3以上1/0.7以下であることがより好ましく、1/1.2以上1/0.8以下であることがさらに好ましい。
モル比が上記下限値以上であることで、硬化速度をより速くすることができ、また得られる塗膜の柔軟性がより優れたものとなる。一方、モル比が上記上限値以下であることで、塗膜物性をより良好なものとすることができる。
なお、上記モル比の算出方法としては、後述の実施例に示すように、まず、本実施形態の塗料組成物に配合する(a)ポリカーボネートポリオール由来の水酸基、(b)硬化剤由来のイソシアネート基、及び、(c)水酸基含有アクリル樹脂由来の水酸基の各成分内でのモル比を、それぞれ核磁気共鳴(NMR)分光法を用いて測定する。次いで、得られた各モル比及び配合量から、OH/NCOを算出することができる。
<塗料組成物の塗装方法>
本実施形態の塗料組成物は、以下に示す塗装方法により、塗膜を形成させることができる。塗装方法としては、特に限定されないが、例えば、スプレー、ロール、はけ等で基材に塗布する方法等が挙げられる。
<用途>
本実施形態の塗料組成物は、耐傷付き性、傷回復性及び耐酸性に優れるため、自動車外装用クリア塗料、自動車内装用塗料として好適に使用される。また、家電製品、OA製品、皮革(合成皮革を含む)の表面処理等に好ましく用いることができる。
以下、実施例等を用いて、本実施形態を更に詳細に説明するが、本実施形態はこれらの例によって何ら限定されるものではない。なお、実施例1~4は参考例である。
≪試験方法≫
<物性1>水酸基価
ポリカーボネートポリオール及び水酸基含有アクリル樹脂の水酸基価は、JIS K1557-1に準じて測定した。
<物性2>数平均分子量
ポリカーボネートポリオールの数平均分子量は、下記の装置を用いたゲルパーミエーションクロマトグラフ(以下、「GPC」と称する場合がある)測定により、ポリスチレン基準の数平均分子量で求めた。
装置:東ソー社製「HLC-8120GPC」(商品名)
カラム:東ソー社製「TSKgel SuperH1000」(商品名)×1本
「TSKgel SuperH2000」(商品名)×1本
「TSKgel SuperH3000」(商品名)×1本
キャリアー:テトラハイドロフラン
検出方法:示差屈折計
<物性3>ポリカーボネートポリオールの組成
核磁気共鳴装置(Bruker社製、商品名:Biospin Avance600)を用いた、13C-NMRの測定によって、構成するジオール成分の構造を特定し、水酸基に隣接していた炭素元素数の比率より計算して求めた。
<物性4>NCO含有率
NCO含有率[質量%]は、合成例で製造したトリイソシアネートのイソシアネート基を過剰の2Nアミンで中和した後、1N塩酸による逆滴定によって求めた。
<物性5>ペンドラム硬度
実施例及び製造例で得られた塗膜について、23℃の恒温室にて24時間置いた後、ペンドラム硬度の評価に供した。ペンドラム硬度は、BYK-Gardner社製ペンドラム式硬度計(ケーニッヒ振り子使用)にて測定した。
<評価1>耐傷付き性(光沢保持率)
実施例及び製造例で得られた塗膜について、まず、初期光沢(グロス)(G0)を測定した。次いで、塗面上(初期光沢(グロス)(G0)を測定した箇所)に、インダストリーコーワ社製の4行真鍮ブラシを用いて、柄に対して並行に、加重:600g、ストローク速度:30cm/秒、ストローク幅:5cmで20往復して傷を付けた。傷を付けた直後に、傷の付いた部分をスガ試験機株式会社製、変角光沢計にて60度角度の光沢(グロス)(G1)を測定した。次いで、下記式(A)を用いて、光沢保持率[%]を算出した。
光沢保持率[%]=(G1/G0)×100 ・・・(A)
(評価基準)
なお、上記算出された光沢保持率から、その値が高い程、耐傷付き性に優れると評価した。
<評価2>傷回復率
次いで、上記「評価1」の耐傷付き性評価にて使用したサンプルを、23℃の恒温室にて24時間放置した。次いで、上記「評価1」で測定した傷を付けた部分の光沢(グロス)(G2)を測定した。次いで、下記式(B)を用いて、傷回復率[%]を算出した。
傷回復率[%]={(G2-G1)/G0}×100 ・・・(B)
<評価3>耐酸性
実施例及び製造例で得られた塗膜について、JIS K5600-6-1に従い、点滴法により外観変化を観察した。酸は0.1N硫酸を用い、12時間後の外観を観察した。
(評価基準)
外観変化の無い場合を〇、わずかに液痕が有る場合を△、明らかに液痕が認められる場合を×とした。
[合成例1]NTIの合成
撹拌機、温度計、ガス導入管を取り付けた4ツ口フラスコ内に4-アミノメチル-1,8-オクタメチレンジアミン(以下、「トリアミン」と称する場合がある)1060gをメタノール1500gに溶かし、これに35%濃塩酸1800mLを冷却しながら徐々に滴下した。次いで、減圧下にてメタノール及び水を除去して濃縮し、60℃/5mmHgにて24時間乾燥して、白色固体のトリアミン塩酸塩を得た。得られたトリアミン塩酸塩650gを微粉末としてo-ジクロルベンゼン5000gに懸濁させ、かきまぜながら反応液を昇温した。次いで、反応液が100℃に達した時点でホスゲンを200g/Hrの速度にて吹込みはじめ、さらに昇温を続けた。次いで、反応液が180℃に達したら、そのまま温度を保持し、12時間ホスゲンを吹込み続けた。次いで、減圧下にて溶存ホスゲン及び溶媒を留去した。次いで、真空蒸留することにより、沸点161~163℃/1.2mmHgの無色透明なNTI 420gを得た。NTIのNCO含有率は、50質量%であった。
[合成例2]LTIの合成
撹拌機、温度計、ガス導入管を取り付けた4ツ口フラスコ内にエタノールアミン122.2g、o-ジクロロベンゼン100mL、及び、トルエン420mLを入れ、氷冷化塩化水素ガスを導入し、エタノールアミンを塩酸塩に転換した。次いで、リジン塩酸塩182.5gを添加し、反応液を加熱して80℃まで昇温し、エタノールアミン塩酸塩を溶解させ、塩化水素ガスを導入してリジン二塩酸塩とした。次いで、塩化水素ガスを20~30mL/分で通過させ、反応液を加熱して116℃まで昇温し、水が留出しなくなるまでこの温度を維持した。次いで、生成した反応混合物をメタノール及びエタノールの混合液中で再結晶して、リジンβ-アミノエチルエステル三塩酸塩165gを得た。このリジンβ-アミノエチルエステル三塩酸塩100gを微粉末としてo-ジクロロベンゼン1200mLに懸濁させ、かきまぜながら反応液を昇温した。次いで、反応液が120℃に達した時点でホスゲンを0.4モル/時間の速度にて吹込みはじめ、10時間保持した。次いで、反応液を150℃まで昇温し、反応液中のリジンβ-アミノエチルエステル三塩酸塩をほとんど溶解させた。次いで、冷却後ろ過し、減圧下にて溶存ホスゲン及び溶媒を留去した。次いで、真空蒸留することにより、沸点155~157℃/0.022mmHgの無色透明なLTI 80.4gを得た。LTIのNCO含有率は、47.1質量%であった。
[合成例3]GTIの合成
撹拌機、温度計、ガス導入管を取り付けた4ツ口フラスコ内にグルタミン酸塩酸塩275g、エタノールアミン塩酸塩800g、及び、トルエン150mLを入れ、塩化水素ガスを吹き込みながら、水が共沸しなくなるまで110℃にて24時間加熱還流した。次いで、生成した反応混合物をメタノール及びエタノールの混合液中で再結晶して、ビス(2-アミノエチル)グルタメート三塩酸塩270gを得た。このビス(2-アミノエチル)グルタメート三塩酸塩85gをo-ジクロロベンゼン680gに懸濁させ、かきまぜながら反応液を昇温した。次いで、反応液が135℃に達した時点でホスゲンを0.8モル/時間の速度にて吹込みはじめ、温度をそのまま保持し、13時間ホスゲンを吹込み続けた。次いで、反応生成物をろ過後、減圧濃縮した。さらに、薄膜蒸発缶で精製することにより、GTI 54gを得た。GTIのNCO含有率は、39.8質量%であった。
[合成例4]ポリカーボネートポリオールの合成
規則充填物を充填した精留塔と攪拌装置とを備えた2Lのガラス製フラスコに1,6-ヘキサンジオール(1,6-HDO)236g(2mol)、1,4-シクロヘキサンジメタノール(1,4-CHMD)288g(2mol)、及び、エチレンカーボネート352g(4mol)を仕込んだ。次いで、70℃で撹拌溶解した後、触媒としてチタンテトラブトキシド0.05gを加えた。次いで、この混合液を175℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温150℃、真空度1.0~1.5kPaで、還流ヘッドから還流比4で留分の一部を抜きながら、20時間反応させた。次いで、精留塔を単蒸留装置に取り替え、165℃に設定したオイルバスで加熱し、フラスコの内温150~160℃、真空度を0.5kPaまで落として、フラスコ内に残ったジオールとエチレンカーボネートとを除去した。次いで、オイルバスの設定を190℃に上げ、フラスコの内温180~185℃で、生成するジオールを除去しながら、さらに10時間反応させた。この反応により、常温で粘調な液体としてポリカーボネートポリオール(以下、「PC-1」と称する場合がある)を得た。得られたPC-1は、数平均分子量が1000(ポリスチレン換算)であった。PC-1の組成[モル%]は1,6-HDL:1,4-CHMD=45:55であった。また、PC-1において、繰り返し単位(II)のモル総量(x)に対する、Yが炭素数3~8の2価の脂肪族炭化水素基である繰り返し単位(II)のモル量(y)の割合(y/x)は、100モル%であった。水酸基価が130mgKOH/g、1分子中の平均水酸基価数が2.5であった。
[実施例1]
(1)塗料組成物1の製造
ポリカーボネートポリオールとして旭化成(株)社製デュラノール(登録商標)T5652(以下、「T5652」と称する場合がある)を300g、レベリング剤BYK-331(BYKケミカル社製)2g、ジブチル錫ジラウレート(Air Product社製)1.2g、並びに、キシレン及び酢酸ブチルの混合溶媒(キシレン:酢酸ブチル=70:30)を添加して撹拌混合し、固形分50質量%の塗料主剤を得た。これに硬化剤としてNTIをNCO/OH(モル比)=1/1となるように添加し、混合して塗料組成物1を得た。
なお、塗料組成物1の製造に用いた旭化成(株)社製デュラノール(登録商標)T5652の物性としては、C5とC6との共重合体であり、数平均分子量が2000である。また、y/xは、100モル%である。また、固形分換算水酸基価51~61mgKOH/gである。
(2)塗膜1の製造
(1)で得られた塗料組成物1を、乾燥後の塗膜厚さが30μmとなるように、ガラス板上に均一に塗布し、室温にて15分乾燥した。次いで、140℃のオーブンにて60分間乾燥した後、オーブンより取り出して塗膜1を得た。得られた塗膜1について、上記試験方法を用いて、ペンドラム硬度の測定、耐傷付き性、傷回復率及び耐酸性の評価を実施した。結果を以下の表1に示す。
[実施例2]
(1)塗料組成物2の製造
水酸基含有アクリル樹脂として、Nuplex社製Setalux1152(溶媒:キシレン及びメトキシピロピルアセテートの混合溶液、固形分61重量%、固形分換算水酸基価139mgKOH/g、水酸基含有アクリル樹脂の数平均分子量3000)(以下、「Setalux1152」と称する場合がある)を295g、ポリカーボネートポリオールとしてT5652を20g、レベリング剤BYK-331(BYKケミカル社製)2.06g、ジブチル錫ジラウレート(Air Product社製)1.2g、及び、キシレン及び酢酸ブチルの混合溶媒(キシレン:酢酸ブチル=70:30)を添加して撹拌混合し、固形分50質量%の塗料主剤を得た(溶剤を除く主剤中のポリカーボネートポリオールの割合は10%)。これに硬化剤としてNTIをNCO/OH(モル比)=1/1となるように添加し、混合して塗料組成物2を得た。
(2)塗膜2の製造
(1)で得られた塗料組成物2を用いて、実施例1の(2)と同様の方法により、塗膜2を得た。得られた塗膜2について、上記試験方法を用いて、ペンドラム硬度の測定、耐傷付き性、傷回復率及び耐酸性の評価を実施した。結果を以下の表1に示す。
[実施例3~7]
(1)塗料組成物3~7の製造
以下の表1に記載の(a)ポリカーボネートポリオール、(b)硬化剤、及び、(c)水酸基含有アクリル樹脂の種類及び含有量とした以外は、実施例2の(1)と同様の方法を用いて、塗料組成物3~7を得た。
なお、塗料組成物3の製造に用いた旭化成(株)社製デュラノール(登録商標)T5651(以下、「T5651」と称する場合がある)の物性は、数平均分子量1000、固形分換算水酸基価100~120mgKOH/g、y/xは、100モル%である。
また、塗料組成物4の製造に用いた旭化成(株)社製デュラノール(登録商標)G4672(以下、「G4672」と称する場合がある)の物性は、数平均分子量2000、固形分換算水酸基価45~56mgKOH/g、y/xは、100モル%である。
また、塗料組成物5の製造に用いた旭化成(株)社製デュラノール(登録商標)G3452(以下、「G3452」と称する場合がある)の物性は、数平均分子量2000、固形分換算水酸基価51~61mgKOH/g、y/xは、100モル%である。
また、塗料組成物6の製造に用いた旭化成(株)社製デュラノール(登録商標)T5650E(以下、「T5650E」と称する場合がある)の物性は、数平均分子量500、固形分換算水酸基価200~250mgKOH/g、y/xは、100モル%である。
(2)塗膜3~7の製造
(1)で得られた塗料組成物3~7を用いて、実施例1の(2)と同様の方法により、塗膜3~7を得た。得られた塗膜3~7について、上記試験方法を用いて、ペンドラム硬度の測定、耐傷付き性、傷回復率及び耐酸性の評価を実施した。結果を以下の表1に示す。
[実施例8]
(1)塗料組成物8の製造
T5652の添加量を60g、Setalux1152の添加量を230gとした以外は、実施例2の(1)と同様の方法を用いて、塗料組成物8を得た。
(2)塗膜8の製造
(1)で得られた塗料組成物8を用いて、実施例1の(2)と同様の方法により、塗膜8を得た。得られた塗膜8について、上記試験方法を用いて、ペンドラム硬度の測定、耐傷付き性、傷回復率及び耐酸性の評価を実施した。結果を以下の表1に示す。
[実施例9]
(1)塗料組成物9の製造
Setalux1152の替わりに、Setalux1184(溶媒:キシレン及びメトキシピロピルアセテートの混合溶液、固形分52重量%、固形分換算水酸基価66mgKOH/g、水酸基含有アクリル樹脂の数平均分子量3000)を用い、Setalux1184の添加量を346gとした以外は、実施例2の(1)と同様の方法を用いて、塗料組成物9を得た。
(2)塗膜9の製造
(1)で得られた塗料組成物9を用いて、実施例1の(2)と同様の方法により、塗膜9を得た。得られた塗膜9について、上記試験方法を用いて、ペンドラム硬度の測定、耐傷付き性、傷回復率及び耐酸性の評価を実施した。結果を以下の表1に示す。
[比較例1]
(1)塗料組成物10の製造
ポリカーボネートポリオール配合しなかったこと以外は、実施例2の(1)と同様の方法を用いて、塗料組成物10を得た。
(2)塗膜10の製造
(1)で得られた塗料組成物10を用いて、実施例1の(2)と同様の方法により、塗膜10を得た。得られた塗膜10について、上記試験方法を用いて、ペンドラム硬度の測定、耐傷付き性、傷回復率及び耐酸性の評価を実施した。結果を以下の表2に示す。
[比較例2]
(1)塗料組成物11の製造
TTIの替わりに、旭化成株式会社製デュラネートTPA-100(ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)のイソシアヌレート型ポリイソシアネート)を用いた以外は、実施例1の(1)と同様の方法を用いて、塗料組成物11を得た。
(2)塗膜11の製造
(1)で得られた塗料組成物11を用いて、実施例1の(2)と同様の方法により、塗膜11を得た。得られた塗膜11について、上記試験方法を用いて、ペンドラム硬度の測定、耐傷付き性、傷回復率及び耐酸性の評価を実施した。結果を以下の表2に示す。
[比較例3]
(1)塗料組成物12の製造
TTIの替わりに、旭化成株式会社製デュラネートTPA-100を用いた以外は、実施例2の(1)と同様の方法を用いて、塗料組成物12を得た。
(2)塗膜12の製造
(1)で得られた塗料組成物12を用いて、実施例1の(2)と同様の方法により、塗膜12を得た。得られた塗膜12について、上記試験方法を用いて、ペンドラム硬度の測定、耐傷付き性、傷回復率及び耐酸性の評価を実施した。結果を以下の表2に示す。
Figure 0007011437000006
Figure 0007011437000007
表1から、(a)ポリカーボネートポリオール、及び、(b)硬化剤として、トリイソシアネート化合物を含有する塗料組成物である実施例1~9では、耐傷付き性(光沢保持率が75%以上)、傷回復性(傷回復率が7%以上)及び耐酸性(○)が全て優れていた。
さらに、(c)水酸基含有アクリル樹脂を含有する塗料組成物である実施例2~9は、(c)水酸基含有アクリル樹脂を含有しない実施例1と比較して、ベンドラム硬度(75以上)が高く、耐傷付き性(光沢保持率が85%以上)がより優れていた。
表2から、(b)硬化剤として、トリイソシアネート化合物(NTI)、及び(c)水酸基含有アクリル樹脂を含有し、(a)ポリカーボネートポリオールを含有しない塗料組成物である比較例1では、耐傷付き性(光沢保持率が60%)、傷回復性(傷回復率が3%)及び耐酸性の全てが劣っていた。
また、(a)ポリカーボネートポリオール、及び、(b)硬化剤として、TPA-100(イソシアヌレート型ポリイソシアネート)を含有する比較例2では、耐酸性(○)が優れていたが、耐傷付き性(光沢保持率が70%)及び傷回復性(傷回復率が5%)が劣っていた。
また、(a)ポリカーボネートポリオール、(b)硬化剤として、TPA-100(イソシアヌレート型ポリイソシアネート)、及び、(c)水酸基含有アクリル樹脂を含有する塗料組成物である比較例3では、耐酸性(○)及び耐傷付き性(光沢保持率が95%)が優れていたが、傷回復性(傷回復率が5%)が劣っていた。
以上のことから、本実施形態の塗料組成物を用いることで、塗膜形成初期における耐傷性、傷を受けた後の傷回復性及び耐酸性に優れた塗膜が得られることが確かめられた。
本実施形態の塗料組成物は、傷回復塗料として、自動車の外装及び内装、並びに、家電製品、OA製品及び皮革(合成皮革を含む)の表面処理等に好ましく用いられる。

Claims (5)

  1. (a)ポリカーボネートポリオールと、(b)硬化剤と、を含有し、
    前記(b)硬化剤が下記一般式(I)で示されるトリイソシアネート化合物を含み、
    更に、前記(a)ポリカーボネートポリオール10質量部に対して、(c)水酸基含有アクリル樹脂を40質量部以上90質量部以下含有し、
    前記(c)水酸基含有アクリル樹脂は、水酸基を有するアクリル系単量体に由来する構造単位を含む重合体、又は、水酸基を有するアクリル系単量体に由来する構造単位と、カルボキシル基若しくはエステル基を有するアクリル系単量体及びビニル系単量体からなる群より選ばれる1種以上の単量体に由来する構造単位と、を含む共重合体である塗料組成物。
    Figure 0007011437000008
    [一般式(I)中、複数あるYは、それぞれ独立に、単結合、又は、エステル基及びエーテル基からなる群より選択される1種以上を含んでもよい炭素数1~20の2価の炭化水素基である。複数あるYは、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。Rは、水素原子又は炭素数1~12の1価の炭化水素基である。]
  2. 前記(a)ポリカーボネートポリオールが下記一般式(II)で示される繰り返し単位と末端に水酸基とを有する請求項1に記載の塗料組成物。
    Figure 0007011437000009
    [一般式(II)中、Yは、炭素数2~20の2価の脂肪族炭化水素基である。]
  3. 前記一般式(II)で示される繰り返し単位のモル総量に対する、Yが炭素数3~8の2価の脂肪族炭化水素基である前記一般式(II)で示される繰り返し単位のモル量の割合が、20モル%以上である請求項2に記載の塗料組成物。
  4. 前記(a)ポリカーボネートポリオール由来の水酸基と前記(c)水酸基含有アクリル樹脂由来の水酸基との合計と、前記(b)硬化剤由来のイソシアネート基とのモル比(OH/NCO)が、1/2以上1/0.5以下である請求項1~のいずれか一項に記載の塗料組成物。
  5. 更に、塗料組成物の総質量に対して、(d)不活性有機溶剤を1質量%以上90質量%以下含有する請求項1~のいずれか一項に記載の塗料組成物。
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