JP3854512B2 - 多光軸光電式安全装置用の表示モニタ - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
この発明は、多光軸光電センサを含む多光軸光電式安全装置に関し、より詳しくは、その入光/遮光状態を表示するモニタを含む多光軸光電式安全装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
作業エリアの境界に防護フェンスを作るのに、一列に数多くの投光素子を配置した投光器と、投光素子と同じ数の受光素子を一列に配置した受光器とを1ユニットとした多光軸光電センサユニットを含む多光軸光電式安全装置が用いられている。
【0003】
多光軸光電式安全装置は、典型的には、工作機械、パンチ機、プレス機、鋳造機、自動制御機など作業エリアの境界に多光軸光電センサユニットを設置してライトカーテンを作り、オペレータの指先など身体の一部が作業エリアに侵入すると、これを多光軸光電センサで検知して、直ちに機械の動作を停止する及び/又は警報を発することにより、オペレータや作業員を保護する。
【0004】
この種の多光軸光電式安全装置において、センサユニットの入光/遮光状態を表示するための表示手段を備えたものが知られている。その具体例を例示すれば、次の通りである。
【0005】
(1)出力表示灯によって全ての光軸の入光又は遮光光軸の存在だけを示す;(2)一列に複数のLEDをバー状態に配置し、入光光軸数の割合を表示する;
(3)数字表示によって、入光光軸数又は遮光光軸数を表示する;
(4)数字表示によって、入光光軸番号又は遮光光軸番号を表示する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の表示方法によれば、遮光している光軸の数や位置の概要を知ることができるが、これを具体的に特定した情報まで表示するものではないため、ユーザは、具体的に特定するのが難しい。例えば、特定の光軸にブランキング機能のような特殊機能をティーチングにより設定したときに、意図した光軸に正しく設定されているか否かは、従来の表示手段だけで判断するのは困難である。
【0007】
例えば、数字表示による従来の表示手段によれば、例えば遮光光軸の番号を確認することができるものの、複数の光軸にブランキング機能を設定したときには、これらの光軸番号を個々に表示させる必要があり、一見して直ちに全ての光軸を確認できない、という問題がある。
【0008】
また、複数の多光軸光電センサユニットを連結して使用する場合、各ユニットに含まれる光軸に関する遮光などを確認するには、対応するユニットの表示手段を個々に確認することが必要となり、ユニットの設置場所によっては、この確認作業が面倒であることも考えられるだけでなく、システム全体として入光/遮光の状態を把握するのが難しいという問題がある。
【0009】
そこで、本発明の目的は、多光軸光電式安全装置に含まれる数多くの光軸毎の入光/遮光状態の確認を容易にすることのできる多光軸光電式安全装置用の表示モニタを提供することにある。
本発明の他の目的は、ユーザが光軸毎に任意に設定可能な特殊機能を多光軸光電式安全装置が含む場合に、光軸毎に特殊機能の設定状態を容易に確認することのできる多光軸光電式安全装置用の表示モニタを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、本発明の第1の観点によれば、
数多くの投光素子を一列に配置した投光器と、該投光器の投光素子と同じ数の受光素子を一列に配置した受光器とを含む多光軸光電センサユニットを含む多光軸光電式安全装置に組み込まれる表示モニタであって、
複数の表示灯で構成され、前記多光軸光電センサユニットの投光素子と受光素子とで形成される光軸の入光/遮光を表示するための第1の表示手段と、
前記多光軸光電センサユニットの投光素子と受光素子とで形成される数多くの光軸を、前記第1の表示手段の表示灯の数を単位としてブロック分けした光軸エリアを選択するための第1のスイッチ手段とを有し、
該第1のスイッチ手段を操作することにより、前記光軸エリアを選択して、該選択された光軸エリアに含まれる光軸の受光/遮光の情報を前記第1の表示手段によって表示することを特徴とする表示モニタを提供することにより達成される。
【0011】
上記課題は、本発明の第2の観点によれば、
数多くの投光素子を一列に配置した投光器と、該投光器の投光素子と同じ数の受光素子を一列に配置した受光器とを含む多光軸光電センサユニットを含み、ユーザが光軸毎に任意に設定可能な特殊機能を有する多光軸光電式安全装置に組み込まれる表示モニタであって、
複数の表示灯で構成され、前記多光軸光電センサユニットの投光素子と受光素子とで形成される光軸の入光/遮光を表示するための第1の表示手段と、
前記第1の表示手段と同じ数の表示灯で構成され、前記多光軸光電センサユニットの光軸毎に前記特殊機能が設定されているか否かを表示するための第3の表示手段と、
前記多光軸光電センサユニットの投光素子と受光素子とで形成される数多くの光軸を、前記第1の表示手段の表示灯の数を単位としてブロック分けした光軸エリアを選択するための第1のスイッチ手段とを有し、
該第1のスイッチ手段を操作することにより、前記光軸エリアを選択して、該選択された光軸エリアに含まれる光軸の受光/遮光の情報を前記第1の表示手段によって表示し、また、該選択された光軸エリアに含まれる光軸の前記特殊機能の設定の有無を前記第3の表示手段によって表示することを特徴とする表示モニタを提供することにより達成される。
【0012】
上記課題は、本発明の第3の観点によれば、数多くの投光素子を一列に配置した投光器と、該投光器の投光素子と同じ数の受光素子を一列に配置した受光器とを含む多光軸光電センサユニットを直列に複数連結可能であり、各ユニットの光軸毎にユーザが任意に設定可能な特殊機能を有する多光軸光電式安全装置に組み込まれる表示モニタであって、前記多光軸光電式安全装置に含まれる光軸をブロック分けした光軸エリアに含まれる光軸の各々の入光/遮光状態を表示する複数の表示灯からなる入光/遮光状態表示灯群と、該入光/遮光状態表示灯群と同じ数の表示灯からなり、前記光軸エリアに含まれる光軸の各々の前記特殊機能の設定状態を表示するモード状態表示灯群と、前記複数の多光軸光電センサユニットのうち前記入光/遮光状態表示灯群及び前記モード状態表示灯群に表示すべきユニットを選択するための第1の選択手段と、該第1の選択手段により選択されたユニットを視覚的に明らかにするための第1の群の複数の表示灯と、前記光軸エリアを選択するための第2の選択手段と、該第2の選択手段により選択された光軸エリアを視覚的に明らかにするための第2の群の複数の表示灯と、前記複数の特殊機能のうち前記表示モニタに表示すべき特殊機能を選択するための第3の選択手段と、該第3の選択手段により選択された特殊機能を視覚的に明らかにするための第3の群の複数の表示灯とを有することを特徴とする表示モニタを提供することにより達成される。
【0013】
本発明の上記目的及び他の目的、その作用効果は、以下の、本発明の好ましい実施例の詳しい説明から明らかになろう。
【0014】
【実施例】
図1を参照すると、実施例の多光軸光電式安全装置1は、一対の投受光器2、3からなる多光軸光電センサユニット4を含み、このユニット4は、通信線又は信号線Lを介して直列及び/又は並列に増設可能である。
【0015】
投光器2は、細長いケースを有し、このケースの中に、その長手方向に沿って一列にN個の投光素子5(図2、図3)が等間隔に配置されている。隣接する投光素子5、5間の間隔は、特に限定するものではないが、例えば20mmである。
【0016】
同様に、受光器3は、細長いケースを有し、このケースの中に、その長手方向に沿って一列に、投光素子と同じ数の受光素子6(図2、図4)が等間隔に配置されており、隣接する受光素子6、6間の間隔は、上述した投光器2の投光素子間隔と同じである。
【0017】
投光器2と受光器3は、同一平面上において互いに対面して配置され、投光器2の各投光素子5から、これに対応する受光器3の受光素子6に向けて光ビームが発射されることにより投光器2と受光器3との間にライトカーテンが形成される。図1に示す参照符号10は光軸を示す。
【0018】
投光器2及び受光器3には、共に、複数の発光ダイオード(LED)セグメントを上下に隣接して配置した光軸調整表示部11が設けられている。この光軸調整表示部11は、投光器2又は受光器3のいずれか一方に設けるようにしてもよい。光軸調整表示部11は、LEDセグメントは例えば赤色又は緑色に発光する2色発光ダイオードによって構成されている。
【0019】
また、投光器2及び受光器3は、例えば通常時には緑色に発光し、他方、通常時以外の、予定されていない光軸が遮光又は受光したような場合又はシステムそのものがフェールしたような場合には赤色に発光するLEDからなる出力表示灯12を有しているのが好ましく、この出力表示灯12にあっても、投光器2又は受光器3のいずれか一方に設けるようにしてもよい。
【0020】
光軸調整表示部11の表示態様としては、特に限定するものではないが、全ての光軸又は光ビームが受光器3に全て入光しているときには、全てのLEDセグメントが緑色に発色する。光軸調整表示部11は、一部の光軸が遮光されたときには、遮光された光軸の割合、換言すれば入光した光軸の割合に応じた数のセグメントが下から赤色に発光し、遮光された光軸に応じた数のセグメントが上から消灯する。すなわち、入光率が大きくなるに従って又は光軸調整の度合い、つまり遮光光軸と入光光軸との比率に応じて赤色のバーが上方に延びるバー形式の表示を行うなど、次に例示する表示態様を行うものであるのが好ましい。
【0021】
(1)全ての光軸が入光して光軸調整が完了すると、点灯又は消灯する表示灯;
(2)全ての光軸が入光して光軸調整が完了すると、例えば赤色から緑色に色が変化する表示灯;
(3)受光器3の受光光量の大小に応じて、点灯するLEDの数が増減する表示灯;
(4)遮光光軸と入光光軸との比率に応じて点滅速度が変化する表示灯;
(5)受光器3の受光光量に応じて点滅速度が変化する表示灯。
【0022】
変形例として、光軸調整表示部11は、入光光軸の数又は遮光光軸の数或いは入光光軸と遮光光軸との比率を数字で表示する液晶表示器又は7セグメントLEDであってもよい。
【0023】
多光軸光電式安全装置1は、コントロールユニット13(図1、図5)を有し、このコントロールユニット13は、後に詳しく説明する状態表示モニタ14(図6)を含む。
【0024】
図2〜図5は、多光軸光電式安全装置1に関連したブロック図である。ここに、図2は多光軸光電式安全装置1の全体構成を示すブロック図であり、図3は投光器2のブロック図であり、図4は受光器3のブロック図であり、図5はコントロールユニット13のブロック図である。
【0025】
特に図3を参照して、投光器2は、N個の発光ダイオードなどからなる投光素子5を駆動するN個の投光回路21と、これらの投光回路21を時分割でスキャンする投光素子切替回路22と、投光器2を全体的に制御する投光器制御回路23とを備え、投光器制御回路23から光軸調整表示部11及び出力表示灯12に制御信号が出力される。
【0026】
また、投光器制御回路23には、クロック発生回路24からのクロック信号が入力され、N個の投光素子5を順次発光させる投光タイミングを生成する。すなわち、N個の投光素子5は、例えば、図2を参照して説明すれば、最下端の投光素子5から最上端に位置する投光素子5に向けて順次、所定のタイミングで光ビームを発射する。
【0027】
投光器2は、更に、受光器3及びコントロールユニット13又は他のユニットの投光器2との双方向の信号の送受信を制御する第1投光器通信制御回路25と、直列に接続した他のユニットの投光器2との間の通信を制御する第2投光器通信制御回路26と、受光器3及び/又はコントロールユニット13からのタイミング信号を受信するタイミング受信回路27とを備えている。
【0028】
他方、特に図4を参照して、受光器3は、N個の発光ダイオードなどからなる受光素子6を駆動するN個の受光回路30と、これらの受光回路30を時分割でスキャンする受光素子切替回路31と、増幅回路32と、受光器3を全体制御する受光器制御回路33とを備え、受光器制御回路33から光軸調整表示部11及び出力表示灯12に制御信号が出力される。
【0029】
また、受光器制御回路33には、クロック発生回路34からの信号が入力され、N個の受光素子6を順次受光可能にし、選択された受光素子6以外は受光不能にする。すなわち、N個の受光素子6は、例えば、図1を参照して説明すれば、最下端の受光素子6から最上端に位置する受光素子6に向けて順次、所定のタイミングで受光可能な状態が生成される。
【0030】
受光器3は、更に、投光器2又は直列に接続された他のユニットの受光器3との双方向の信号の送受信を制御する第1受光器通信制御回路35と、直列に接続した他のユニットの受光器3との間の通信を制御する第2受光器通信制御回路36と、投光器2にタイミング信号を送信するタイミング送信回路37とを備えている。受光器制御回路33で生成された遮光信号は、出力回路38を介してコントロールユニット13に送出され、このコントロールユニット13から、例えば、投光器2と受光器3とで形成されるライトカーテンで囲まれたプレス装置の制御ユニットや警報灯などの外部機器(図示せず)に送出されて、典型的にはプレス装置の動作が直ちに停止される。変形例として、受光器制御回路33で生成された遮光信号をコントロールユニット13を経由することなく、直ちにプレス装置の制御ユニットや警報灯などの外部機器に送出するようにしてもよい。
【0031】
特に図5を参照して、コントロールユニット13は、コントローラ制御回路40と設定状態記憶部41とコントローラ通信制御回路42とを含み、コントローラ通信制御回路42によって投受光器2、3との双方向の信号の送受信が制御される。また、受光器3の出力回路38からの遮光信号は、コントローラ制御回路40に入力され、このコントローラ制御回路40から出力回路43を経由して、先に説明したように、プレス装置の制御ユニットや警報灯などの外部機器に出力される。
【0032】
コントロールユニット13に接続されているユニット4の数の情報や、各光軸の入光/遮光の情報は、受光器3から通信線又は信号線Lを介してコントロールユニット13に伝達される。通信線又は信号線Lを通じて、投光器2から同期タイミングを受光器3及びコントロールユニット13に伝達される。つまり、通信線又は信号線Lは、投受光器2、3及びコントロールユニット13の間の通信を行うだけでなく、入遮光情報の授受にも用いられる(図7)。図7から分かるように、通信線又は信号線Lの信号は、投光器2からのタイミング信号出力と、受光器3からの入光/遮光情報信号出力とを合わせたものである。
【0033】
コントロールユニット13は、また、状態表示モニタ14、入出力制御回路45、入出力回路46を有する。入出力制御回路45には、モニタ14の表示モードを切り替えるための第1〜第3のスイッチ47〜49(図6)からの信号が入力され、また、入出力回路46には、例えば、図外のパーソナルコンピュータやティーチングモードスイッチなどが接続される。
【0034】
コントロールユニット13に設けられた第1〜第3のスイッチ47〜49は、図6から分かるように、好ましくは縦方向に一列に互いに間隔を隔てて配置され、その右側のエリアに、状態表示モニタ14が設けられている。
【0035】
以下に、16光軸(投受光器2、3に含まれる投受光素子が「16」)の多光軸光電センサユニット4を用意し、このユニット4を4つ直列に配置した場合(図1)に好適な状態表示モニタ14について説明する。
【0036】
状態表示モニタ14は第1群50の複数のLEDからなる表示灯で構成された表示手段51〜54を含む。この第1群の表示灯51〜54は、第1のスイッチ47の右隣りに配置され、4つの表示灯51〜54は僅かな間隔を隔てて好ましくは縦方向に一列に配置されている。また、第2のスイッチ48の右隣りには、第2群60の8つの表示灯などの表示手段61〜68が僅かな間隔を隔てて好ましくは縦方向に一列に配置されている。また、第3のスイッチ49の右隣りには、第3群70の3つの表示灯などの表示手段71〜73が僅かな間隔を隔てて好ましくは縦方向に一列に配置されている。
【0037】
第1群〜第3群50、60、70の表示灯は、多少オフセットしていてもよいが、縦方向に一列に整列しているのが視覚などの観点から好ましい。第1〜第3のスイッチ47〜49の機能及び表示灯51〜54、61〜68、71〜73の機能については後に説明する。
【0038】
第1群〜第3群の表示灯の右隣りには、複数のLEDから構成されたモード状態表示灯群80が配置され、このモード状態表示灯群80は、特に限定されるものではないが、この実施例では好ましくは縦方向に一列に配置された、光軸数の基本単位としての16個のLEDからなる表示灯81〜96で構成されている。
【0039】
モード状態表示灯群80の右隣りには、複数のLEDからなる表示手段で構成された入光/遮光状態表示灯群100が配置され、この入光/遮光状態表示灯群100は、特に限定されるものではないが、この実施例では好ましくは縦方向に一列に配置された、光軸数の基本単位としての16個のLEDからなる表示灯101〜116で構成されている。
【0040】
第1スイッチ47は、状態表示モニタ14に表示するユニットをユーザが任意に選択可能な選択手段を構成する。すなわち、現在、第1番目のユニット4(No.1)に関連した情報が表示されているとすると、ユーザが第1スイッチ47を押すと、第2番目のユニット4(No.2)に関連した情報の表示に切り替わり、更に、第1スイッチ47を押すと、第3番目のユニット4(No.3)に関連した情報の表示に切り替わり、更に、第1スイッチ47を押すと、第4番目のユニット4(No.4)に関連した情報の表示に切り替わり、更に、第1スイッチ47を押すと、第1番目のユニット4(No.1)に関連した表示に戻る。
【0041】
No.1〜No.4ユニットのうち、どのユニット4に関して表示が行われいるかは、第1群50の4つの表示灯51〜54によって表示される。すなわち、縦方向に一列に並んだ表示灯51〜54は、上から順に、No.1ユニットに関する表示灯51、No.2ユニットに関する表示灯52、No.3ユニットに関する表示灯53、No.4ユニットに関する表示灯54に割り当てられている。この割り当てを文字で視覚的に明らかにするために、各表示灯51〜54の右隣り又は上又は下に、「UNIT1」、「UNIT2」、「UNIT3」、「UNIT4」などの識別符号又は文字を付記しておくのが好ましい。
【0042】
表示灯51〜54の割り当ては任意であり、下から順に、No.1ユニット、No.2ユニット、No.3ユニット、No.4ユニットを割り当ててもよい。また、この第1群50に含まれる複数の表示灯を横並びに配置したときには、右から順にNo.1ユニット、No.2ユニット、No.3ユニット、No.4ユニットを割り当ててもよく、逆に、左から順にNo.1ユニット、No.2ユニット、No.3ユニット、No.4ユニットを割り当ててもよい。
【0043】
第2スイッチ48は、一つのユニット4が最大128光軸を具備する場合を想定して、16光軸区切りでモード状態表示灯群80及び入光/遮光状態表示灯群100で表示する光軸エリアを選択する選択手段を構成する。すなわち、この実施例ではユニット4は16光軸であるので問題は無いが、ユニット4が例えば64光軸を具備する場合、現在、第1光軸〜第16光軸からなる第1ブロックの光軸エリアが選択されているとすると、この第1光軸〜第16光軸に関する各々の光軸のモード状態表示及び入光/遮光状態表示が、モード状態表示灯群80及び入光/遮光状態表示灯群100によって行われる。
【0044】
次に、ユーザが第2スイッチ48を押すと、第17光軸〜第32光軸からなる第2ブロックの光軸エリアが選択されて、この第17光軸〜第32光軸に関する各々の光軸のモード状態表示及び入光/遮光状態表示が、モード状態表示灯群80及び入光/遮光状態表示灯群100によって行われる。更に、第2スイッチ48を押すと、第33光軸〜第48光軸からなる第3ブロックの光軸エリアが選択されて、この第33光軸〜第48光軸に関する各々の光軸のモード状態表示及び入光/遮光状態表示が、モード状態表示灯群80及び入光/遮光状態表示灯群100によって行われる。更に、第2スイッチ48を押すと、第49光軸〜第64光軸からなる第4ブロックの光軸エリアが選択されて、この第49光軸〜第64光軸に関する各々の光軸のモード状態表示及び入光/遮光状態表示が、モード状態表示灯群80及び入光/遮光状態表示灯群100によって行われる。
【0045】
第1光軸〜第128光軸を、基本単位としての16光軸毎に、8ブロックに分割したのうち、モード状態表示灯群80及び入光/遮光状態表示灯群100によってどのブロックの光軸に関する表示が行われているかは、第2群60の8つの表示灯61〜68によって表示される。すなわち、縦方向に一列に並んだ表示灯61〜68は、上から順に、第1〜16光軸の第1の光軸エリアに関する表示灯61、第17〜32光軸の第2の光軸エリアに関する表示灯62、第33〜48光軸の第3の光軸エリアに関する表示灯63、第49〜64光軸の第4の光軸エリアに関する表示灯64、第65〜80光軸の第5の光軸エリアに関する表示灯65、第81〜96光軸の第6の光軸エリアに関する表示灯66、第97〜112光軸の第7の光軸エリアに関する表示灯67、第113〜128光軸の第8の光軸エリアに関する表示灯68に割り当てられている。この割り当てを視覚的に明らかにするために、各表示灯61〜68の右隣り又は上又は下に、「1〜16」、「17〜32」・・・「113〜128」の識別符号又は数字を付記しておくのが好ましい。
【0046】
表示灯61〜68の割り当ては任意であり、下から順に、第1〜16光軸、第17〜32光軸・・・第97〜112光軸に割り当ててもよい。また、第2群60に含まれる複数の表示灯を横並びに配置したときには、右から順に第1〜16光軸、第17〜32光軸・・・第97〜112光軸を割り当ててもよく、逆に、左から順に第1〜16光軸、第17〜32光軸・・・第97〜112光軸を割り当ててもよい。
【0047】
第3スイッチ49は、多光軸光電式安全装置1が具備する複数の特殊機能つまりユーザが光軸毎に任意に設定可能な機能(この実施例では3つの特殊機能)に関連した表示をモード状態表示灯群80によって行うための選択スイッチである。具体的には、多光軸光電式安全装置1は、特殊機能として、固定ブランキング機能(Fixed Blanking)と、浮動ブランキング機能(Floating Blanking)と、限定ミュート機能(Limited Mute)とを有し、上記第3スイッチ49は、この3つの特殊機能から表示すべき特殊機能を選択するための手段を構成する。多光軸光電式安全装置1の上記の特殊機能は、ライトカーテンの全検出エリアつまり全ての光軸に対して設定することもできるが、任意の限定したエリアに対しても設定することができる。
【0048】
第1の特殊機能である固定ブランキング機能は、ライトカーテン内に例えば定置した障害物が存在する場合に、この障害物が存在するエリアでは、障害物の存在を無視するように、当該エリアの光軸の論理を変更する機能である。つまり、ブランキング機能とは、遮光でON状態となるようにその光軸の論理を変更する機能である。例えば、プレス機の一部が、常時、第3光軸〜第7光軸と干渉する場合に、この第3光軸〜第7光軸に固定ブランキング機能を例えばティーチングによって設定することにより、第3〜7光軸については遮光状態であったとしても多光軸光電式安全装置1がプレス機に向けて動作停止信号を出力しない。
【0049】
第2の特殊機能である浮動ブランキング機能は、例えばプレス機に棒材などのワークを作業者が手で持ちながら挿入して作業を行うような場合、連続した複数の光軸、典型的には隣接する2光軸が遮光したときに初めてプレス機を強制的に停止させる機能である。この浮動ブランキング機能は、ライトカーテンの全検出エリアに設定することも勿論可能であるが、ワークを挿入するエリアだけに限定して設定することができる。この場合、他のエリアでは一つの光軸が遮光状態になれば、直ちに、プレス機の動作を停止する遮光信号が出力される。
【0050】
浮動ブランキング機能は、例えばティーチングにより、ライトカーテンの一部の検出エリアに限定して設定することができる。
【0051】
第3の特殊機能である限定ミューティング機能は、例えばワークを搬送するベルトコンベアを横断するようにライトカーテンを設置する場合に、ワークがライトカーテンを通過するエリアをティーチングにより設定したときに、ベルトコンベアで搬送されるワークの存在を無視する機能である。この限定ミューティング機能も、例えばティーチングにより、ライトカーテンの一部の検出エリアに限定して設定することができる。
【0052】
第3スイッチ49は、これを押すと、各光軸毎に第1の機能の設定の有無がモード状態表示灯群80によって表示され、更にこれを押すと、各光軸毎に第2の機能の設定の有無がモード状態表示灯群80によって表示され、更にこれを押すと、各光軸毎に第3の機能の設定の有無がモード状態表示灯群80によって表示される。
【0053】
いま、図1に示すように、16光軸のユニット4が直列に4ユニット接続された場合を説明すると、最も右側に位置する入光/遮光状態表示灯群100は、各ユニット毎に第1〜第16光軸の各光軸の入光及び遮光状態を示し、この入光/遮光状態表示灯群100の現在の表示がどのユニットに関するものであるかは、第1の表示灯群50を見ることによって確認することができる。
【0054】
動作中、受光器3からコントロールユニット13に通信線又は信号線Lを通じて入遮光情報が常に供給されるため、リアルタイムで、コントロールユニット13の状態表示モニタ14の表示が更新され、入光/遮光状態表示灯群100は、第1〜第16光軸の各光軸の入光及び遮光状態をリアルタイムで表示する。
【0055】
他方、モード状態つまり特殊機能が設定の有無は、コントロールユニット13内の例えばEEPROM内に記憶され、この記憶された情報に基づいてモード状態表示灯群80の表示が行われる。
【0056】
例えば状態表示モニタ14の表示が、図8に図示の態様にあるとすると、この表示態様を例に、モニタ14の表示の意味を具体的に説明する。この図8は、各ユニット4が16光軸を備えた16光軸ユニット4に関するものである。
【0057】
第1スイッチ47の右隣りの第1群50の表示灯を見ると、上から2番目の表示灯52が点灯している。これにより、モニタ14の表示がNo.2ユニット4に関するものであることが分かる。
【0058】
次に、第2スイッチ48の右隣りの第2群60の表示灯を見ると、一番上の表示灯61が点灯している。これにより、モニタ14の表示がNo.2ユニット4の第1〜16光軸に関するものであることが分かる。
【0059】
次に、第3スイッチ49の右隣りの第3群70の表示灯を見ると、一番上の表示灯71が点灯している。これにより、モニタ14のモード状態表示灯群80は、第1の特殊機能(固定ブランキング機能)に関するものであることが分かる。
【0060】
次に、モード状態表示灯群80の表示灯を見ると、下2つの表示灯81、82が点灯している。これにより、No.2ユニット4は、第1光軸と第2光軸に固定ブランキング機能が設定されていることが分かる。他の特殊機能の設定状態を確認するのであれば、第3スイッチ49を操作すればよい。
【0061】
次に、入光/遮光状態表示灯群100の表示灯を見ると、下から3〜4番目の表示灯103、104が消灯し、それ以外の表示灯が点灯している。これにより、No.2ユニット4の第3光軸と第4光軸が遮光されていることが分かる。
【0062】
図9は、状態表示モニタ14の別の表示例を示す。この図9は、各ユニット4が64光軸を備えた64光軸ユニット4に関するものである。
【0063】
第1スイッチ47の右隣りの第1群50の表示灯を見ると、一番上の表示灯51が点灯している。これにより、モニタ14の表示がNo.1ユニット4に関するものであることが分かる。
【0064】
次に、第2スイッチ48の右隣りの第2群60の表示灯を見ると、上から3番目の表示灯63が点灯している。これにより、モニタ14の表示がNo.1ユニット4の第33〜48光軸に関するものであることが分かる。
【0065】
次に、第3スイッチ49の右隣りの第3群70の表示灯を見ると、一番上の表示灯71が点灯している。これにより、モニタ14のモード状態表示灯群80は、第1の特殊機能(固定ブランキング機能)に関するものであることが分かる。
【0066】
次に、モード状態表示灯群80の表示灯を見ると、下6つの表示灯81〜86が点灯している。これにより、No.1ユニット4は、第33〜38光軸に固定ブランキング機能が設定されていることが分かる。他の特殊機能の設定状態を確認するのであれば、第3スイッチ49を操作すればよい。
【0067】
次に、入光/遮光状態表示灯群100の表示灯を見ると、下から6番目の表示灯106(第38光軸に関する表示灯)が消灯し、それ以外の表示灯が点灯している。この第38光軸は固定ブランキング機能が設定されて、論理が逆になっているのであるから、この第39光軸に関する表示灯106が消灯しているということは、本来、入光してはならない第38光軸が受光ユニット3に入光していることを意味している。このことから、ユーザは、第38光軸に関してティーチングに不備があったこと、つまり第38光軸に関するブランキング機能の設定が上手く行っていないことを知ることになり、ユーザは、第38光軸に関するブランキング機能の再設定が必要であることを認識する。
【0068】
No.1ユニット4の他の光軸の入光/遮光状態を確認したいのであれば、第2スイッチ48を操作すればよい。
【0069】
この図9から理解できるように、64光軸のユニット4の全光軸を確認するために、この光軸数に相当する表示灯の数のモード状態表示灯群80及び入光/遮光状態表示灯群100を用意したときには、モニタ14の表示面積が極めて大きくなり、また、コストや消費電流が増加することになるという問題があるが、この問題は、本発明のように、表示の基本エリア(光軸数)を限定し、表示すべきエリアをユーザに選択させることで解消することができる。換言すれば、本発明に従うモニタ14を用意することで、任意の数の光軸数を備えたユニット4に対応することができる。
【0070】
選択されていないユニット及び/又は光軸エリア、図9の例で言えば、No.1ユニットの他の第1〜16光軸など光軸や、第2〜第4ユニットに遮光光軸や特殊機能が設定された光軸が存在する場合には、この光軸を含むユニット番号の表示灯(第1表示灯群50)や光軸エリア(第2表示灯群60)或いは第3表示灯群70の該当する表示灯を、例えば反復的に点滅させる、別の色で点灯させる等により視覚的に明らかにすることができる。ユーザは、これを見ることで、確認すべき光軸やユニットを第1〜3のスイッチ47〜49を操作することで直ちにその詳細を知ることができる。
【0071】
以上、状態表示を各表示灯群のLEDの点灯又は消灯させることによって行うものとして説明したが、LEDの色を、例えば、緑から赤、赤から緑というように異なる色相を使って状態表示するようにしてもよい。
【0072】
以上の説明から理解できるように、本発明に従う多光軸光電式安全装置1によれば、直列に増設した複数の多光軸光電センサユニット4の遮光/入光状態及び/又は特殊機能の設定状態を単一のモニタ14で集中的に管理することができる。また、単一の多光軸光電センサユニット4に含まれる光軸数が様々であったとしても、表示すべき光軸エリアを選択して全ての光軸に関する情報を表示することができる。換言すれば、数多くの光軸数を備えた多光軸光電センサユニット4であったとしても、これに対応した数の表示灯を用意する必要がない。
【0073】
例えば、表示灯の点滅によって、どのユニット及び/又はどの光軸エリアで特殊機能が設定され、及び/又は遮光状態にあるかを表示することで、ユーザは、その概要を直ちに把握することができ、詳細を確認するのであれば、点滅しているLEDに対応するユニット及び/又は光軸エリアをスイッチ47〜49を操作して選択することで直ちに確認することができる。また、典型的にはティーチングにより特殊機能の設定した後に、これが間違い無く所定の光軸で有効になっている事実を確認できるだけでなく、リアルタイムに更新されている入光/遮光情報が更新されていることから、この入光/遮光の表示を確認した後に、特殊機能の設定を行うことができる。
【0074】
コントロールユニット13を、後に説明するように、例えばパーソナルコンピュータで代用して、状態表示モニタ14をパーソナルコンピュータのソフトウエアで生成するようにしてもよい。また、スイッチ47〜49は、機械的なスイッチであってもよく、また、表示画面のタッチパネルで構成してもよい。
【0075】
また、並列に配置した複数列のユニット4群を含む場合に、状態表示モニタ14に複数列のユニット4群から特定の列のユニット群を選択するためのスイッチを設け、このスイッチを操作することにより、表示したい列のユニット4群を選択させるようにしてもよい。
【0076】
図10〜図11は、コントロールユニット13を、後に説明するように、例えばパーソナルコンピュータで代用して、状態表示モニタ14をパーソナルコンピュータのソフトウエアで生成した例を示す。
【0077】
図10に示す多光軸光電式安全装置1は、例示として2組の多光軸光電センサユニット4を含む。第1のユニット4(No.1)は、12個の投受光素子を含む12光軸ユニットであり、第2のユニット4(No.2)は、32個の投受光素子を含む32光軸ユニットである。
【0078】
図10に図示のユニット4は、図1と対比して理解できるように、光軸調整表示部11及び出力表示灯12を含んでいないが、図1に例示のシステムも同様であるが、光軸調整表示部11及び出力表示灯12の有無は本質的なものではない。したがって、図10に例示のユニット4は、光軸調整表示部11及び出力表示灯12の図示を単に省略したものである、と理解することもできる。
【0079】
図11は、コントロールユニット13を実質的に構成するパーソナルコンピュータの表示画面120を示す。この図11から理解できるように、表示画面120は、その左側に、例えば、多光軸光電式安全装置1の全体をビジュアルに示す図形121が表示され、右側に、状態表示モニタ14が表示されている。
【0080】
表示画面120のビジュアル図形121は、コントロールユニット13と第1、第2の多光軸光電センサユニット4とを含むが、コントロールユニット13の表示を省略して、第1、第2のユニット4だけを表示するようにしてもよい。このユニット表示に関し、光軸20を図示するのが後の理由により好ましい。
【0081】
状態表示モニタ14は、多光軸光電式安全装置1に含まれる多光軸光電センサユニット4の光軸数を考慮に入れて、モード状態表示灯群80及び入光/遮光状態表示灯群100に含まれる表示灯の数が調整される。この例では、12光軸の第1ユニット4の光軸数に合わせて、モード状態表示灯群80及び入光/遮光状態表示灯群100は12個の表示灯で構成されている。
【0082】
また、状態表示モニタ14は、表示しているユニットの番号を表示する第1群50が、多光軸光電式安全装置1に含まれる多光軸光電センサユニット4の数に合わせて2つの表示灯51、52で構成され、また、表示している光軸エリアを表示する第2群60が、多光軸光電式安全装置1に含まれる多光軸光電センサユニット4の最大光軸数を考慮に入れて3つの表示灯61〜63で構成されている。
【0083】
このような状態表示モニタ14の構成は、多光軸光電式安全装置1に含まれるユニット4の数や各ユニット4の光軸数を入力する、或いは各ユニット4から光軸数を表す情報を送信することで、パーソナルコンピュータで自動的に生成するようにするのが好ましい。変形例として、例えば図12に示す設定画面130を表示して、この設定画面130の例えば光軸数入力欄131にユーザが所定の情報(光軸数)を入力することにより、状態表示モニタ14の構成を自在に設定できるようにしてもよい。
【0084】
特に好ましくは、表示ユニットを特定するスイッチ47に連係して、ユーザが選択した多光軸光電センサユニット4のユニット番号に関連して、選択したユニット4に適した表示態様となるように、状態表示モニタ14の表示態様を変化させるようにしてもよい。
【0085】
例えば、ユーザがスイッチ47を操作することにより、12光軸の第1多光軸光電センサユニット4(No.1)を選択したときには、図11に示すように、12個の表示灯からなるモード状態表示灯群80及び入光/遮光状態表示灯群100を状態表示モニタ14に表示させ、他方、ユーザが32光軸の第2多光軸光電センサユニット4(No.2)を選択したときには、図6に示すように、この32光軸ユニットを2つの光軸エリアに分割して表示することのできる16個の表示灯からなるモード状態表示灯群80及び入光/遮光状態表示灯群100を状態表示モニタ14に表示させようにしてもよい。
【0086】
また、ユーザが第1ユニット4(12光軸)を選択したときには、表示すべき光軸エリアを選択する必要がないことから、図11に破線で示すように、第2スイッチ48の表示及び第2群60の表示灯をグレーアウトする、或いは、これらの表示を行わないようにし、他方、ユーザが32光軸の第2多光軸光電センサユニット4(No.2)を選択したときには、第2スイッチ48を表示すると共に、第2群60を第1光軸エリアを示す表示灯61と第2光軸エリアを示す表示灯62を表示するようにしてもよい。
【0087】
以上のことに関連して、例えば12光軸の光電センサを含む安全装置1に、図6を参照して説明した状態表示モニタ14をそのまま使用した場合には、モード状態表示灯群80及び入光/遮光状態表示灯群100を各々構成する16個の表示灯は、第1〜12までの表示灯は、12光軸の光電センサの各光軸に対応した状態表示を行うことになるが、それ以外の第13〜16までの表示灯は、非表示状態となる。
【0088】
この非表示状態の第13〜16までの表示灯をユーザが見たときに、その表示が、「対応する光軸が存在しなための単なる非表示状態」なのか、「何らかなの問題が存在することによる非表示状態」なのかを瞬時に判断することができない、という不都合が想定できる。このような問題の発生は、図11を参照して説明した状態表示モニタ14の表示態様を採用することにより回避することができる。
【0089】
また、状態表示モニタ14に、図11の左側に表示したようなシステム全体の構成の図形121に、現在表示している光軸エリアを示す色分けなどの識別表示を行うのが好ましい。例えば、現在表示しているユニットを示すために、該当する表示投受光器2、3を赤色及び/又は点滅で示し、他のユニットを緑色で示すようにしてもよい。また、現在表示しているユニットのうち、現在表示している光軸エリアを示すために、該当する光軸エリアに含まれる光軸10を赤色及び/又は点滅で示し、それ以外の光軸エリアを緑色で示すようにしてもよい。
【0090】
また、別の変形例として、図11の第2スイッチ48の好ましくは近傍に、ユーザに入力を求める単数又は複数の入力欄135、136を設け、この入力欄135、136に光軸番号を入力することにより、入力された光軸番号を含む光軸エリアがモード状態表示灯群80及び入光/遮光状態表示灯群100に表示されるようにしてもよい。
【0091】
例えば、第2の多光軸光電センサユニット4(No.2)は、先に説明したように、32光軸ユニットであり、基本的な表示形態では、第1〜16光軸までの第1の光軸エリアと、第17〜32光軸までの第2の光軸エリアとに分割して、モード状態表示灯群80及び入光/遮光状態表示灯群100に表示されるが、例えばフローティングブランキング機能のような特殊機能が第16光軸と第17光軸と跨って設定された場合、フローティングブランキング機能が設定された光軸エリアが分割して表示されるのは好ましくない。
【0092】
例えば、2つ記入欄135、136を用意した場合、特殊機能を設定した光軸エリアの始まりの光軸番号と終わりの光軸番号を記入欄135、136に入力することで特定した光軸エリアが、モード状態表示灯群80及び入光/遮光状態表示灯群100の例えば真ん中に現れるように、モード状態表示灯群80及び入光/遮光状態表示灯群100で表示する表示エリアを調整するのが好ましい。
【0093】
これによれば、特殊機能が設定された光軸エリアの状態を一つの画面で確認することができる。変形例として、ユーザが表示したい光軸エリアの始まりの光軸番号及び/又は終わりの光軸番号を記入欄135及び/又は136に入力することで、これにより指定された光軸エリアをモード状態表示灯群80及び入光/遮光状態表示灯群100に表示するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う表示モニタを含むコントロールユニットと直列に接続された複数の多光軸光電センサユニットを有する多光軸光電式安全装置の全体概要を説明するための図である。
【図2】本発明に従う表示モニタを含むコントロールユニットと、直列に接続された複数の多光軸光電センサユニットとの全体構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の実施例を好適に適用可能な多光軸光電センサユニットを構成する投光器のブロック図である。
【図4】本発明の実施例を好適に適用可能な多光軸光電センサユニットを構成する受光器のブロック図である。
【図5】本発明の実施例を好適に適用可能な多光軸光電式安全装置を構成するコントロールユニットのブロック図である。
【図6】実施例の表示モニタのスイッチ及び表示灯群の配置例を説明するための図である。
【図7】多光軸光電センサユニットとコントロールユニットとの間の通信及び信号を説明するための図である。
【図8】実施例の表示モニタのある瞬間の表示態様を示す図である。
【図9】実施例の表示モニタの他の瞬間の表示態様を示す図である。
【図10】パーソナルコンピュータで状態表示モニタを構成した場合の多光軸光電式安全装置の全体概要を示す。
【図11】図10の実施例でパーソナルコンピュータの表示画面に表示されるモニタ画面を例示する図である。
【図12】ユーザの入力に従って表示モニタの表示態様を設定するための設定画面の一例を示す。
【符号の説明】
1 多光軸光電式安全装置
4 多光軸光電センサユニット
13 コントロールユニット
14 状態表示モニタ
47 第1のスイッチ
48 第2のスイッチ
49 第3のスイッチ
50 第1の表示灯群
60 第2の表示灯群
70 第3の表示灯群
80 モード状態表示灯群
100 入光/遮光状態表示灯群
Claims (10)
- 数多くの投光素子を一列に配置した投光器と、該投光器の投光素子と同じ数の受光素子を一列に配置した受光器とを含む多光軸光電センサユニットを含む多光軸光電式安全装置に組み込まれる表示モニタであって、
複数の表示灯で構成され、前記多光軸光電センサユニットの投光素子と受光素子とで形成される光軸の入光/遮光を表示するための第1の表示手段と、
前記多光軸光電センサユニットの投光素子と受光素子とで形成される数多くの光軸を、前記第1の表示手段の表示灯の数を単位としてブロック分けした光軸エリアを選択するための第1のスイッチ手段とを有し、
該第1のスイッチ手段を操作することにより、前記光軸エリアを選択して、該選択された光軸エリアに含まれる光軸の受光/遮光の情報を前記第1の表示手段によって表示することを特徴とする表示モニタ。 - 前記多光軸光電式安全装置が、直列に配置可能な複数の多光軸光電センサユニットを含み、
該複数の多光軸光電センサユニットのうち、前記第1の表示手段で表示する多光軸光電センサユニットを選択するための第2スイッチ手段を更に有する請求項1の表示モニタ。 - 前記第2のスイッチ手段により選択された多光軸光電センサユニットを視覚的に明らかにするための第2の表示手段を更に有する請求項2の表示モニタ。
- 数多くの投光素子を一列に配置した投光器と、該投光器の投光素子と同じ数の受光素子を一列に配置した受光器とを含む多光軸光電センサユニットを含み、ユーザが光軸毎に任意に設定可能な特殊機能を有する多光軸光電式安全装置に組み込まれる表示モニタであって、
複数の表示灯で構成され、前記多光軸光電センサユニットの投光素子と受光素子とで形成される光軸の入光/遮光を表示するための第1の表示手段と、
前記第1の表示手段と同じ数の表示灯で構成され、前記多光軸光電センサユニットの光軸毎に前記特殊機能が設定されているか否かを表示するための第3の表示手段と、
前記多光軸光電センサユニットの投光素子と受光素子とで形成される数多くの光軸を、前記第1の表示手段の表示灯の数を単位としてブロック分けした光軸エリアを選択するための第1のスイッチ手段とを有し、
該第1のスイッチ手段を操作することにより、前記光軸エリアを選択して、該選択された光軸エリアに含まれる光軸の受光/遮光の情報を前記第1の表示手段によって表示し、また、該選択された光軸エリアに含まれる光軸の前記特殊機能の設定の有無を前記第3の表示手段によって表示することを特徴とする表示モニタ。 - 前記多光軸光電式安全装置が、直列に配置された複数の多光軸光電センサユニットを含み、前記第1及び第3の表示手段で表示する多光軸光電センサユニットを選択するための第2スイッチ手段を更に有する請求項4の表示モニタ。
- 前記多光軸光電式安全装置が、複数の前記特殊機能を有し、
該複数の特殊機能のうち、前記第3の表示手段に表示すべき特殊機能を選択するための第3のスイッチ手段を更に有する請求項4又は5の表示モニタ。 - 前記複数の特殊機能のうち、第3のスイッチ手段により選択された特殊機能を視覚的に明らかにするための第4の表示手段を更に有する請求項6の表示モニタ。
- 数多くの投光素子を一列に配置した投光器と、該投光器の投光素子と同じ数の受光素子を一列に配置した受光器とを含む多光軸光電センサユニットを直列に複数連結可能であり、各ユニットの光軸毎にユーザが任意に設定可能な特殊機能を有する多光軸光電式安全装置に組み込まれる表示モニタであって、
前記多光軸光電式安全装置に含まれる光軸をブロック分けした光軸エリアに含まれる光軸の各々の入光/遮光状態を表示する複数の表示灯からなる入光/遮光状態表示灯群と、該入光/遮光状態表示灯群と同じ数の表示灯からなり、前記光軸エリアに含まれる光軸の各々の前記特殊機能の設定状態を表示するモード状態表示灯群と、
前記複数の多光軸光電センサユニットのうち前記入光/遮光状態表示灯群及び前記モード状態表示灯群に表示すべきユニットを選択するための第1の選択手段と、
該第1の選択手段により選択されたユニットを視覚的に明らかにするための第1の群の複数の表示灯と、
前記光軸エリアを選択するための第2の選択手段と、
該第2の選択手段により選択された光軸エリアを視覚的に明らかにするための第2の群の複数の表示灯と、
前記複数の特殊機能のうち前記表示モニタに表示すべき特殊機能を選択するための第3の選択手段と、
該第3の選択手段により選択された特殊機能を視覚的に明らかにするための第3の群の複数の表示灯とを有することを特徴とする表示モニタ。 - 選択されていないユニット及び/又は光軸エリアで、特殊機能が設定されている及び/又は遮光状態にあることを前記第1〜第3の表示灯群で表示可能である請求項8の表示モニタ。
- 前記表示モニタはさらに、前記前記多光軸光電式安全装置に含まれる光軸をブロック分けした光軸エリアの始まりの光軸番号及び/または終わりの光軸番号を指定する指定手段を有し、
前記入光/遮光状態表示灯群及びモード状態表示灯群は、前記指定された光軸エリアの光軸の表示を行う請求項8の表示モニタ。
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