ところで、上記のように、多光軸光電センサの異常箇所を特定できたとしても、異常原因や対処方法が複数存在する場合、その異常原因や対処方法の特定に時間を要する。しかも、特定された異常箇所において、多光軸光電センサの例えば起動時と検出動作時といった異常状態の発生タイミングのそれぞれでは起こり易い異常が異なる。具体的には、センサユニット間で異常が発生した場合、起動時に直列接続用ケーブルの断線等の故障が異常の原因であることは比較的少なく、検出動作時に多光軸光電センサを設置した際の接続不良が原因であることは比較的少ない。従って、このようなことを熟知していない作業者にとっては特に、異常原因や対処方法を的確に把握するまでに時間を要し、異常への的確な対応を迅速に行うことができなかった。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、多光軸光電センサの動作異常に的確且つ迅速に対応することが可能な多光軸光電センサシステム、多光軸光電センサ、異常特定装置、異常特定方法及び記憶媒体を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、複数種類の自身の異常状態を検出可能な多光軸光電センサユニットが複数直列接続されて構成される多光軸光電センサと、前記多光軸光電センサユニットそれぞれの異常状態の検出に基づいて前記多光軸光電センサの異常を特定する異常特定装置とを備えてなる多光軸光電センサシステムであって、前記異常特定装置は、前記多光軸光電センサでの異常箇所を含むエラー情報を、前記多光軸光電センサユニットの前記異常状態に関する異常情報とその多光軸光電センサユニットの前記多光軸光電センサにおける位置情報と前記多光軸光電センサの前記異常状態の発生タイミング情報とに関連付けて記憶するエラー情報記憶手段と、前記多光軸光電センサユニットの異常情報を、前記多光軸光電センサにおける位置情報及び前記異常状態の発生タイミング情報と関連付けて取得する異常情報取得手段と、前記異常情報取得手段が取得した前記異常情報と前記位置情報と前記発生タイミング情報とに基づいて前記エラー情報記憶手段に記憶した前記エラー情報を外部に報知する異常報知手段とを備えた。
同構成によれば、異常報知手段は、異常情報と位置情報と発生タイミング情報とに基づいてエラー情報記憶手段に記憶したエラー情報を外部に報知するため、操作者(作業者)は、動作異常の発生タイミングに応じたエラー情報を容易に把握することができる。よって、多光軸光電センサの動作異常に的確且つ迅速に対応することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の多光軸光電センサシステムにおいて、前記異常報知手段は、前記異常情報取得手段が取得した前記発生タイミング情報に関連付けられた前記エラー情報を優先して報知する。
同構成によれば、異常報知手段は、異常情報取得手段が取得した発生タイミング情報に関連付けられたエラー情報を優先して報知するため、操作者は、優先報知されたエラー情報に基づいて、多光軸光電センサの動作異常に、より的確且つ迅速に対応することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の多光軸光電センサシステムにおいて、前記異常報知手段は、前記異常情報取得手段が取得した前記発生タイミング情報に関連付けられた前記エラー情報のみを報知する。
同構成によれば、異常報知手段は、異常情報取得手段が取得した発生タイミング情報に関連付けられたエラー情報のみを報知するため、操作者は、限定報知されたエラー情報に基づいて、多光軸光電センサの動作異常に、より的確且つ迅速に対応することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の多光軸光電センサシステムにおいて、前記異常報知手段は、外部に報知する前記エラー情報の内、前記異常情報取得手段が取得した前記発生タイミング情報に関連付けられたものが複数存在する場合、複数の前記エラー情報を前記エラー情報毎に設定された優先度に関連付けて報知する。
同構成によれば、異常報知手段は、外部に報知するエラー情報の内、異常情報取得手段が取得した発生タイミング情報に関連付けられたものが複数存在する場合、複数のエラー情報をエラー情報毎に設定された優先度に関連付けて報知するため、操作者は、多光軸光電センサの動作異常に、より一層的確且つ迅速に対応することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4の何れか1項に記載の多光軸光電センサシステムにおいて、前記エラー情報は、異常状態である前記多光軸光電センサユニットを含む前記多光軸光電センサの異常内容を含み、前記異常報知手段は、前記異常内容を含んだエラー情報を報知する。
同構成によれば、異常報知手段は、異常状態である多光軸光電センサユニットを含む多光軸光電センサの異常内容を含んだエラー情報を報知するため、操作者は、そのエラー情報に基づいて異常内容を容易に把握でき、多光軸光電センサの動作異常に迅速に対応することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5の何れか1項に記載の多光軸光電センサシステムにおいて、前記エラー情報は、異常状態である前記多光軸光電センサユニットを含む前記多光軸光電センサが異常状態となった異常原因を含み、前記異常報知手段は、前記異常原因を含んだエラー情報を報知する。
同構成によれば、異常報知手段は、異常状態である多光軸光電センサユニットを含む多光軸光電センサが異常状態となった異常原因を含んだエラー情報を報知するため、操作者は、そのエラー情報に基づいて異常原因を容易に把握でき、多光軸光電センサの動作異常に迅速に対応することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜6の何れか1項に記載の多光軸光電センサシステムにおいて、前記エラー情報は、異常状態である前記多光軸光電センサユニットを含む前記多光軸光電センサの異常状態を解消するための対処方法を含み、前記異常報知手段は、前記対処方法を含んだエラー情報を報知する。
同構成によれば、異常報知手段は、異常状態である多光軸光電センサユニットを含む多光軸光電センサの異常状態を解消するための対処方法を含んだエラー情報を報知するため、操作者は、そのエラー情報に基づいて対処方法を直接把握でき、多光軸光電センサの動作異常に迅速に対応することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1〜7の何れか1項に記載の多光軸光電センサシステムにおいて、前記異常情報取得手段は、操作者に複数の前記多光軸光電センサユニットの接続順序に応じた順序で前記異常情報の入力を促す。
同構成によれば、異常情報取得手段は、操作者に複数の多光軸光電センサユニットの接続順序に応じた順序で異常情報の入力を促すため、操作者による異常情報の入力間違いを低減することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項1〜8の何れか1項に記載の多光軸光電センサシステムにおいて、前記異常情報取得手段は、操作者による選択的な入力により前記異常情報を取得するものである。
同構成によれば、異常情報取得手段は、操作者による選択的な入力により異常情報を取得するものであるため、操作者による異常情報の入力が容易で、且つ入力間違いを低減することができる。
請求項10に記載の発明は、請求項9に記載の多光軸光電センサシステムにおいて、前記異常情報取得手段は、前記複数種類の自身の異常状態にそれぞれ対応する複数の前記異常情報から選択的に取得された前記多光軸光電センサユニット毎の異常情報を、複数の前記多光軸光電センサユニットそれぞれについて取得するものであり、先に選択的に入力された前記多光軸光電センサユニットにおける前記異常情報に基づいて、次に選択的に入力される多光軸光電センサユニットにおける前記複数の異常情報のうち先に選択的に入力された前記多光軸光電センサユニットにおける前記異常情報に関連しない異常情報を選択不能とした。
同構成によれば、異常情報取得手段は、先に選択的に入力された異常情報に関連しない異常情報を次の選択入力時に選択不能としたため、次の選択入力時における操作者による入力間違いを低減することができる。
請求項11に記載の発明は、請求項1〜10の何れか1項に記載の多光軸光電センサシステムにおいて、前記異常情報取得手段は、前記多光軸光電センサユニットそれぞれの異常状態の検出に基づく前記多光軸光電センサユニットそれぞれからの異常検出信号の入力に基づいて前記異常情報を取得する。
同構成によれば、異常情報取得手段は、多光軸光電センサユニットそれぞれの異常状態の検出に基づく多光軸光電センサユニットそれぞれからの異常検出信号の入力に基づいて異常情報を取得するため、異常情報取得手段に異常情報を操作者が入力することなくエラー情報を得ることができる。
請求項12に記載の発明は、請求項1〜11の何れか1項に記載の多光軸光電センサシステムにおいて、直列接続された前記多光軸光電センサユニットの接続数を取得する接続ユニット数取得手段を備え、前記異常情報取得手段は、操作者に前記多光軸光電センサユニットの接続数に応じた数の前記異常情報の入力を促す。
同構成によれば、異常情報取得手段は、操作者に多光軸光電センサユニットの接続数に応じた数の異常情報の入力を促すため、余分な入力項目が廃除されることとなり、操作者の入力にかかる手間を低減することができる。また、操作者による入力間違いも低減することができる。
請求項13に記載の発明は、請求項1〜12の何れか1項に記載の多光軸光電センサシステムにおいて、複数種類の前記多光軸光電センサの機種の中から1つの前記多光軸光電センサの機種を選択する機種選択手段を備え、前記エラー情報記憶手段は、前記複数種類の機種の前記多光軸光電センサごとに前記多光軸光電センサでの異常箇所を含むエラー情報を記憶し、前記異常報知手段は、前記機種選択手段が取得した前記多光軸光電センサの機種と、前記異常情報取得手段が取得した前記多光軸光電センサユニットの前記異常情報と前記位置情報と前記発生タイミング情報とに基づいて前記エラー情報記憶手段に記憶した前記エラー情報を報知する。
同構成によれば、異常報知手段は、多光軸光電センサの機種と異常情報と位置情報と発生タイミング情報とに基づいて読み出したエラー情報を報知するため、複数種類の機種の多光軸光電センサを有する多光軸光電センサシステムの動作異常に的確且つ迅速に対応することが可能となり、汎用性が向上する。
請求項14に記載の発明は、請求項1〜13の何れか1項に記載の多光軸光電センサシステムにおいて、前記異常報知手段は、前記異常箇所を図式的に表示する異常箇所表示手段を備えた。
同構成によれば、異常箇所表示手段には異常箇所が図式的に表示されるため、操作者は異常箇所を容易に把握することが可能となり、多光軸光電センサシステムの動作異常に迅速に対応することができる。
請求項15に記載の発明は、複数種類の自身の異常状態を検出可能な多光軸光電センサユニットが複数直列接続されて構成される多光軸光電センサであって、前記多光軸光電センサでの異常箇所を含むエラー情報を、前記多光軸光電センサユニットの前記異常状態に関する異常情報とその多光軸光電センサユニットの前記多光軸光電センサにおける位置情報と少なくとも前記多光軸光電センサの前記異常状態の発生タイミング情報とに関連付けて記憶するエラー情報記憶手段と、前記多光軸光電センサユニットの異常情報を、前記多光軸光電センサにおける位置情報及び前記異常状態の発生タイミング情報と関連付けて取得する異常情報取得手段と、前記異常情報取得手段が取得した前記異常情報と前記位置情報と前記発生タイミング情報とに基づいて前記エラー情報記憶手段に記憶した前記エラー情報を外部に報知する異常報知手段とを備えた。
同構成によれば、異常報知手段は、異常情報と位置情報と発生タイミング情報とに基づいてエラー情報記憶手段に記憶したエラー情報を外部に報知するため、操作者は、動作異常の発生タイミングに応じたエラー情報を容易に把握することができる。よって、多光軸光電センサの動作異常に的確且つ迅速に対応することができる。
請求項16に記載の発明は、複数種類の自身の異常状態を検出可能な多光軸光電センサユニットが複数直列接続されて構成される多光軸光電センサの異常を特定する異常特定装置であって、前記多光軸光電センサでの異常箇所を含むエラー情報を、前記多光軸光電センサユニットの前記異常状態に関する異常情報とその多光軸光電センサユニットの前記多光軸光電センサにおける位置情報と前記多光軸光電センサの前記異常状態の発生タイミング情報とに関連付けて記憶するエラー情報記憶手段と、前記多光軸光電センサユニットの異常情報を、前記多光軸光電センサにおける位置情報及び前記異常状態の発生タイミング情報と関連付けて取得する異常情報取得手段と、前記異常情報取得手段が取得した前記異常情報と前記位置情報と前記発生タイミング情報とに基づいて前記エラー情報記憶手段に記憶した前記エラー情報を外部に報知する異常報知手段とを備えた。
同構成によれば、異常報知手段は、異常情報と位置情報と発生タイミング情報とに基づいてエラー情報記憶手段に記憶したエラー情報を外部に報知するため、操作者は、動作異常の発生タイミングに応じたエラー情報を容易に把握することができる。よって、多光軸光電センサの動作異常に的確且つ迅速に対応することができる。
請求項17に記載の発明は、複数種類の自身の異常状態を検出可能な多光軸光電センサユニットが複数直列接続されて構成される多光軸光電センサの異常を特定する異常特定方法であって、前記多光軸光電センサユニットの前記異常状態に関する異常情報を、前記多光軸光電センサにおける位置情報及び前記異常状態の発生タイミング情報と関連付けて取得する異常情報取得ステップと、前記異常情報取得ステップにて取得した前記異常情報と前記位置情報と前記発生タイミング情報とに基づいて、前記多光軸光電センサユニットの前記異常状態に関する異常情報とその多光軸光電センサユニットの前記多光軸光電センサにおける位置情報と前記異常状態の発生タイミング情報とに関連付けて記憶された前記多光軸光電センサでの異常箇所を含むエラー情報を外部に報知する異常報知ステップとを備えた。
同構成によれば、異常情報と位置情報と発生タイミング情報とに基づいてエラー情報が外部に報知されるため、操作者は、動作異常の発生タイミングに応じたエラー情報を容易に把握することができる。よって、多光軸光電センサの動作異常に的確且つ迅速に対応することができる。
請求項18に記載の発明は、コンピュータにより実行され、複数種類の自身の異常状態を検出可能な多光軸光電センサユニットが複数直列接続されて構成される多光軸光電センサの異常を特定するためのプログラムを記憶した記憶媒体であって、前記多光軸光電センサユニットの前記異常状態に関する異常情報を、前記多光軸光電センサにおける位置情報及び前記異常状態の発生タイミング情報と関連付けて取得する異常情報取得処理と、前記異常情報取得処理にて取得した前記異常情報と前記位置情報と前記発生タイミング情報とに基づいて、前記多光軸光電センサユニットの前記異常状態に関する異常情報とその多光軸光電センサユニットの前記多光軸光電センサにおける位置情報と前記異常状態の発生タイミング情報とに関連付けて記憶された前記多光軸光電センサでの異常箇所を含むエラー情報を外部に報知する異常報知処理とを前記コンピュータが実行するためのプログラムを記憶した。
同構成によれば、異常情報と位置情報と発生タイミング情報とに基づいてエラー情報が外部に報知されるため、操作者は、動作異常の発生タイミングに応じたエラー情報を容易に把握することができる。よって、多光軸光電センサの動作異常に的確且つ迅速に対応することができる。
本発明によれば、多光軸光電センサの動作異常に的確且つ迅速に対応することが可能な多光軸光電センサシステム、多光軸光電センサ、異常特定装置、異常特定方法及び記憶媒体を提供することができる。
以下、本発明を具体化した一実施の形態を図面に従って説明する。
図1に示すように、本実施の形態に係る多光軸光電センサシステムは、多光軸光電センサ1と、多光軸光電センサ1の異常を特定する異常特定装置2とから構成されている。
多光軸光電センサ1は、互いに対向配置される投光器10及び受光器20と、投光器10及び受光器20にそれぞれ接続されたケーブル10a,20aを介して投光器10及び受光器20に接続されたコントローラ30とを備えている。
投光器10は、複数のセンサユニットとしての投光ユニット11a〜11cが直列に接続されてなる。メインユニットである第1投光ユニット11aの上部には、サブユニットである第2投光ユニット11bが接続されている。その第2投光ユニット11bの上部には、他のサブユニットである第3投光ユニット11cが接続されている。各投光ユニット11a〜11cは着脱可能に構成されており、投光器10を構成する投光ユニット11a〜11cの数(接続数)を本実施の形態では1台〜3台に変更することが可能となっている。各投光ユニット11a〜11cには、それぞれ発光ダイオード(LED)よりなる4つの投光素子12が長手方向(図1中、上下方向)に等間隔で一列に配されている。
受光器20は、複数のセンサユニットとしての受光ユニット21a〜21cが直列に接続されてなる。メインユニットである第1受光ユニット21aの上部には、サブユニットである第2受光ユニット21bが接続されている。その第2受光ユニット21bの上部には、他のサブユニットである第3受光ユニット21cが接続されている。各受光ユニット21a〜21cは着脱可能に構成されており、受光器20を構成する受光ユニット21a〜21cの数(接続数)を本実施の形態では1台〜3台に変更することが可能となっている。各受光ユニット21a〜21cには、それぞれフォトダイオード(PD)よりなる4つの受光素子22が長手方向(図1中、上下方向)に等間隔で一列に配されている。
投光器10に配される各投光素子12と、受光器20に配される各受光素子22とは、上下方向でそれぞれ同じ順位に配された素子同士が互いに正規の相手方となる。そして、本実施の形態では、12個の投光素子12と12個の受光素子22とにより、下端側からの順次時分割の投光に基づく12本の光軸Lにて投光器10と受光器20との間に所定範囲の検出エリアが形成される。この検出エリアに被検出体が侵入し、投光器10及び受光器20間を通過する光が遮断されると、その旨をコントローラ30に出力するようになっている。
コントローラ30は、CPUなどを備え、多光軸光電センサ1を統括的に制御する。コントローラ30は、前記投光器10及び受光器20にスタートパルス信号を出力する。投光器10及び受光器20は、コントローラ30から出力されたスタートパルス信号に基づいて前記投光素子12若しくは受光素子22の動作を開始する。また、コントローラ30は、投光器10及び受光器20にクロックパルス信号を出力する。投光器10及び受光器20は、コントローラ30から出力されたクロックパルス信号に基づいて前記投光素子12若しくは受光素子22を動作させる。なお、本実施の形態では、コントローラ30にてスタートパルス信号及びクロックパルス信号の同期信号を生成し投光器10及び受光器20に出力する構成となっているが、例えば投光器10(投光制御回路14)若しくは受光器20(受光制御回路24)にて同期信号を生成し他方側へ出力する構成としてもよい。なお、この場合、投光器10及び受光器20を同期線により接続し、投光器10若しくは受光器20からスタートパルス信号及びクロックパルス信号が出力されるようにしてもよい。
投光器10の第1投光ユニット11aには、前記投光素子12を制御する投光制御回路14が設けられている。投光制御回路14は、前記コントローラ30に接続されており、コントローラ30から出力されるクロックパルス信号に同期した駆動信号を出力する。
各投光ユニット11a〜11cには、各投光ユニット11a〜11cにそれぞれ配された4つの投光素子12に接続される4つのスイッチ素子と、それらスイッチ素子に接続される1つのシフトレジスタとを備えた投光回路15が設けられている。各投光回路15は、それぞれ各投光ユニット11a〜11cの接続部に設けられた直列接続用ケーブル(図示略)を介して電気的に接続される。第1投光ユニット11aの投光回路15は前記投光制御回路14に接続されており、各投光ユニット11a〜11cの投光回路15は第1投光ユニット11aの投光制御回路14に電気的に接続される。
投光制御回路14から所定のスイッチ素子をオンさせるための駆動信号が順次出力されると、各投光回路15は、駆動信号に基づいて作動し、例えば投光器10の下端側の投光素子12から上端側の投光素子12へと順次に駆動信号を出力するといった動作を短い周期で繰り返す。これにより、投光器10の下端側の投光素子12から順次に前記クロックパルス信号に同期した光信号が時分割で照射される。
受光器20の第1受光ユニット21aには、前記受光素子22を制御する受光制御回路24が設けられている。受光制御回路24は、前記コントローラ30に接続されており、コントローラ30から出力されるクロックパルス信号に同期した駆動信号を出力する。
各受光ユニット21a〜21cには、各受光ユニット21a〜21cにそれぞれ配された4つの受光素子22に接続される4つのスイッチ素子と、それらスイッチ素子に接続される1つのシフトレジスタとを備えた受光回路25が設けられている。各受光回路25は、それぞれ各受光ユニット21a〜21cの接続部に設けられた直列接続用ケーブル(図示略)を介して電気的に接続される。第1受光ユニット21aの受光回路25は前記受光制御回路24に接続されており、各受光ユニット21a〜21cの受光回路25は第1受光ユニット21aの受光制御回路24に電気的に接続される。
受光制御回路24から所定のスイッチ素子をオンさせるための駆動信号が順次出力されると、各受光回路25は、駆動信号に基づいて作動し、例えば受光器20の下端側の受光素子22から上端側の受光素子22へと順次に駆動信号を与えるといった動作を短い周期で繰り返す。各スイッチ素子は、常にはオフ状態となっており、受光制御回路24から与えられる駆動信号によりオンしたスイッチ素子に接続される受光素子22の受光信号が前記クロックパルス信号に同期して、受光制御回路24に順次取り込まれるようになっている。つまり、コントローラ30は、上下方向に整列配置された各投光素子12のうち所定の順位の投光素子12が光信号を投光した瞬間に、その投光素子12と同じ順位に配された受光素子22に接続されるスイッチ素子のみをオンさせる。これにより、各受光素子22が正規の相手方の投光素子12からの光信号を受信したときにのみ、その受光素子22から出力された受光信号が受光制御回路24に取り込まれ、コントローラ30に出力される。
コントローラ30は、各受光素子22から出力された受光信号に基づいて上記検出エリアに入る被検出体の有無を判定し、その判定結果に応じた検出信号Dを加工機などの外部装置(図示略)に出力する。なお、被検出体の有無の判定は、コントローラ30ではなく、受光制御回路24で行う構成としてもよい。この場合は、受光制御回路24から検出信号Dが直接外部装置に出力される構成としてもよい。外部装置は検出信号Dが出力されると停止するようになっており、安全状態に保持される。
また、各投光ユニット11a〜11c及び受光ユニット21a〜21cには、エラー検出回路16,26が設けられている。エラー検出回路16,26は、各投光ユニット11a〜11cに設けられた投光回路15若しくは各受光ユニット21a〜21cに設けられた受光回路25に接続されており、各投光ユニット11a〜11c及び受光ユニット21a〜21c内での異常を検出する。
また、各投光ユニット11a〜11c及び受光ユニット21a〜21cには、エラー表示灯13,23がそれぞれ1つずつ設けられている。このエラー表示灯13,23は、エラー検出回路16,26により検出された異常状態をその異常内容に応じた表示態様(例えば、「1」〜「7」、「C」、「F」等のデジタル表示や点滅等)で報知する。
詳述すると、本実施の形態のエラー表示灯13,23は、7セグメントディスプレイからなり、例えば、投光回路15に接続されたエラー検出回路16は、投光器10及び受光器20間のシステム異常を検出すると、エラー表示灯13に「1」を表示させ、投光ユニット11a〜11cの接続異常を検出すると、エラー表示灯13に「2」を表示させる。また、投光回路15に接続されたエラー検出回路16は、内部回路(投光回路15)の故障を検出すると、エラー表示灯13に「F」を表示させる。また、例えば、受光回路25に接続されたエラー検出回路26は、投光器10及び受光器20間のシステム異常を検出すると、エラー表示灯23に「1」を表示させ、受光ユニット21a〜21cの接続異常を検出すると、エラー表示灯23に「2」を表示させる。また、受光回路25に接続されたエラー検出回路26は、内部回路(受光回路25)の故障を検出すると、エラー表示灯23に「F」を表示させる。
異常特定装置2は、CPU、RAM、ROMを有するパーソナルコンピュータよりなり、異常情報取得手段、異常報知手段、接続ユニット数取得手段、機種選択手段及び異常箇所表示手段を構成する制御部41を備えている。制御部41は、ハードディスクなどの記憶装置42に記憶された多光軸光電センサ1の異常を特定するためのプログラムを実行する。なお、このプログラムは、フレキシブルディスクやCD−ROMなどの可搬型記憶媒体M(図1参照)に格納されて提供される。
制御部41には、液晶ディスプレイなどの表示装置43が接続されており、表示装置43には、制御部41にて生成された画像データに基づく画像(異常特定画面50(図2参照)や表示内容入力画面60(図3参照)など)が表示される。
また、制御部41には、キーボード及びマウスなどの入力装置44が接続されており、エラー表示灯13,23の表示内容(異常情報)と、対応する投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21cの接続順位(位置情報)とを作業者により入力することが可能となっている。また、多光軸光電センサ1の起動時か否かの異常状態の発生タイミングを作業者により入力することが可能となっている。制御部41は、各投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21cのエラー表示灯13,23の表示内容と、対応する投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21cの接続順位と、異常状態の発生タイミングとを取得する(異常情報取得処理)。
前記記憶装置42には、エラー情報記憶手段としてのエラー情報記憶部42aが設けられている。エラー情報記憶部42aには、多光軸光電センサ1でのエラー情報が、エラー表示灯13,23の表示内容と投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21cの接続順位とで判定される複数のエラー候補のそれぞれが異常状態の発生タイミングと関連付けられて記憶されている。エラー情報には、各投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21cが異常状態となった異常原因と、各投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21cの異常状態を解消するための対処方法とが含まれている。異常原因及び対処方法は、テキストにて表示される。
例えば、エラー表示灯13の表示内容と投光ユニット11a〜11cの接続順位とによる判定で、異常箇所が「第1及び第2投光ユニット11a,11bの間」と判定された場合、異常原因の候補として「接続不良」「直列接続用ケーブルの断線」がある。「接続不良」は、多光軸光電センサ1を設置した直後の起動時の異常原因である場合が比較的多いため、この異常原因とともにこれに対する対処方法が「起動時」に関連付けられエラー候補としてエラー情報記憶部42aに記憶されている。また、「直列接続用ケーブルの断線」は、多光軸光電センサ1へ電源が投入され正常な動作が確認された後の検出動作時の異常原因である場合が比較的多いため、この異常原因とともにこれに対する対処方法が「検出動作時」に関連付けられエラー候補としてエラー情報記憶部42aに記憶されている。エラー情報には、多光軸光電センサ1の動作異常に対して有効な順(例えば、各異常状態の発生タイミングにおいて発生する可能性の高い順)に優先度が設定されている。また、本実施の形態では、エラー情報記憶部42aには、複数種類の機種の多光軸光電センサ1(例えば、異常内容をデジタル表示により報知するものと点滅により報知するもの)での異常箇所を含むエラー情報が、多光軸光電センサ1の種類毎に記憶されている。制御部41は、多光軸光電センサ1の種類毎の前記表示内容と接続順位とで判定される複数のエラー候補を異常状態の発生タイミングに基づいた有効な順に外部に報知する(異常報知処理)。
制御部41は、異常特定装置2が起動され多光軸光電センサ1の異常を特定するためのプログラムが実行されると、まず、異常特定画面50を表示するための画像データを生成し表示装置43に出力する。図2に示すように、異常特定画面50の上部中央部分には、機種名表示欄50aが設けられており、対象となっている多光軸光電センサ1の種類(機種名)が表示される。異常特定画面50の下部中央部分には、機種選択手段を構成するセッティングボタン51が設けられており、複数種類の前記多光軸光電センサ1の機種の中から1つの多光軸光電センサ1の機種を選択することが可能となっている。
異常特定画面50の中央部分には、異常報知手段及び異常箇所表示手段を構成する接続状態表示部52が設けられている。接続状態表示部52の左部分には投光器10の接続状態が図式的に表示され、接続状態表示部52の右部分には、受光器20の接続状態が図式的に表示される。
異常特定画面50の左下端部には、接続ユニット数取得手段を構成する接続台数選択部53が設けられている。本実施の形態の接続台数選択部53には、それぞれ「直列接続構成1台」、「直列接続構成2台」及び「直列接続構成3台」と表示された3つのユニット数選択ボタンが設けられている。制御部41は、選択されたユニット数選択ボタンに対応する数の投光ユニット11a〜11c及び受光ユニット21a〜21cが直列接続された画像を、前記接続状態表示部52に表示させる。
異常特定画面50において接続状態表示部52の両側には、異常情報取得手段を構成する異常状態入力部54a,54bが設けられており、作業者によりエラー表示灯13,23の表示内容を投光ユニット11a〜11c及び受光ユニット21a〜21c毎に入力できるようになっている。
詳述すると、接続状態表示部52の左側の異常状態入力部54aには、各投光ユニット11a〜11cにそれぞれ対応するユニット選択ボタンが設けられ、接続状態表示部52の右側の異常状態入力部54bには、各受光ユニット21a〜21cにそれぞれ対応するユニット選択ボタンが設けられている。作業者により1つのユニット選択ボタンが操作(選択)されると、制御部41は、図3に示すように、そのユニット選択ボタンに対応する投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21cについての表示内容入力画面60を表示させる。表示内容入力画面60には、前記エラー表示灯13,23に表示される表示内容(数字若しくは記号)に対応する表示内容入力部61が設けられており、作業者は、対応する投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21cのエラー表示灯13,23の表示内容に応じた入力ボタンを操作(選択)する。即ち、制御部41は、作業者による選択的な入力によりエラー表示灯13,23の表示内容を取得する。なお、表示内容入力画面60の右下部分には、キャンセルボタン62が設けられており、このキャンセルボタン62が操作されると、異常特定画面50に戻るようになっている。
図2に示すように、異常特定画面50の左上端部には、発生タイミング入力部55が設けられており、作業者により異常状態の発生タイミングを入力できるようになっている。詳述すると、発生タイミング入力部55には、「起動時」及び「検出動作時」と表示された2つの発生タイミング入力ボタンが設けられている。制御部41は、選択されたタイミング入力ボタンに対応する発生タイミングを、異常状態の発生タイミング情報として取得する。
異常特定画面50の右上端部には、確認ボタン56が設けられている。また、接続状態表示部52の右下側には、異常報知手段を構成するエラー原因表示部57aが設けられ、エラー原因表示部57aの下側には、異常報知手段を構成する対処方法表示部57bが設けられている。確認ボタン56が操作されると、制御部41は、作業者により入力された表示内容を、多光軸光電センサ1の種類と対応する投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21cの接続順位と異常状態の発生タイミング情報とに関連付けて取得する。そして、制御部41は、多光軸光電センサ1の種類毎の前記表示内容と接続順位とで判定される複数のエラー候補を異常状態の発生タイミングに基づいた有効な順に外部に報知する。
制御部41は、取得したエラー情報に基づいて、接続状態表示部52に表示された多光軸光電センサ1の異常箇所に対応する部分を点滅させて報知する。また、制御部41は、取得したエラー情報に基づいて、異常状態である各投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21cを含む多光軸光電センサ1が異常状態となった異常原因をエラー原因表示部57aに表示させる。また、制御部41は、取得したエラー情報に基づいて、異常状態である各投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21cを含む多光軸光電センサ1の異常状態を解消するための対処方法を対処方法表示部57bに表示させる。なお、確認ボタン56の左側には、入力内容を取り消すためのクリアボタン56aが設けられている。
接続状態表示部52の左下側には、表示切替え部58が設けられており、複数のエラー情報を、作業者の操作に応じて切り換えて報知するようになっている。詳述すると、本実施の形態では、表示切替え部58には、カーソルボタンが設けられており、取得した多光軸光電センサ1の種類と表示内容と接続順位に関連付けられたエラー情報(エラー候補)が複数存在する場合、制御部41は、取得した発生タイミング情報に関連付けられたエラー情報を優先して報知する。また、取得した発生タイミング情報に関連付けられたエラー情報(エラー候補)が複数存在する場合、制御部41は、複数のエラー情報をエラー情報毎に設定された優先度に関連付けて(例えば優先度の高い順)切り替えて報知する。なお、表示切替え部58には、各エラー情報に対応する番号が表示されるようになっており、作業者がその番号に基づいて例えば対応表などから1つのエラー情報を得ることができるようにもなっている。また、異常特定画面50の右下端部には終了ボタン59が設けられており、この終了ボタン59が操作されると、制御部41は本処理を終了する。
このような多光軸光電センサシステムにおいて、多光軸光電センサ1の異常を特定する場合、作業者は、まず、セッティングボタン51を操作して、対象となる多光軸光電センサ1の種類(本実施の形態では、異常内容をデジタル表示により報知するもの)を入力する。また、作業者は、接続台数選択部53を操作して、対象となる多光軸光電センサ1における投光ユニット11a〜11c及び受光ユニット21a〜21cの接続数を入力する。また、作業者は、発生タイミング入力部55を操作して、異常状態の発生タイミングを入力する。詳しくは、作業者は、多光軸光電センサ1の電源投入時にエラーが表示された場合、「起動時」と表示されたタイミング入力ボタンを操作し、多光軸光電センサ1の検出動作時にエラーが表示された場合、「検出動作時」と表示されたタイミング入力ボタンを操作する。そして、作業者は、投光器10の各投光ユニット11a〜11c若しくは受光器20の各受光ユニット21a〜21cに設けられたエラー表示灯13,23の表示内容を確認し、異常状態入力部54a,54bを操作してその表示内容を入力する。例えば、第1投光ユニット11aのエラー内容を入力する場合、作業者は、異常特定画面50の左側の異常状態入力部54aに設けられた第1投光ユニット11aに対応するユニット選択ボタンを選択し、図3に示すような表示内容入力画面60を表示させる。表示内容入力画面60には、「無表示」、「1」、「2」、「7」、「c」、「上記以外」と表示された6つの入力ボタンが表示される。作業者は、第1投光ユニット11aに設けられたエラー表示灯13に何も表示されていない場合は「無表示」と表示された入力ボタンを操作し、「1」、「2」、「c」の何れかが表示されている場合は対応する入力ボタンを操作し、「3」〜「6」が表示されている場合は「上記以外」と表示された入力ボタンを操作する。表示内容入力画面60において入力ボタンが操作されると、再び異常特定画面50が表示される。作業者は、他の投光ユニット11b,11cに対応するユニット選択ボタンを選択し、投光器10に設けられた全てのエラー表示灯13の表示内容を順次入力して確認ボタンを操作する。
すると、異常特定画面50の接続状態表示部52に表示された多光軸光電センサ1の異常箇所に対応する部分が点滅する(図4又は図5参照)。また、異常特定画面50のエラー原因表示部57aに、各投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21cが異常状態となった異常原因が表示され、対処方法表示部57bに、各投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21cの異常状態を解消するための対処方法が表示される。従って、作業者は、複数の投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21cが接続された場合においても、エラー表示灯13,23の表示内容を入力することにより容易に多光軸光電センサ1の異常箇所を特定することができるようになっている。
ここで、エラー表示灯13,23の表示内容と投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21cの接続順位とによる判定により、エラー候補として「起動時」に関連付けられたエラー情報と「検出動作時」に関連付けられたエラー情報とが存在したとする。発生タイミング入力部55の「起動時」と表示されたタイミング入力ボタンが操作されていた場合、図4に示すように、異常特定画面50のエラー原因表示部57aには、多光軸光電センサ1を設置した直後の起動時の異常原因である場合が比較的多い異常原因が先に表示され、対処方法表示部57bには、これに対する対処方法が先に表示される。一方、発生タイミング入力部55の「検出動作時」と表示されたタイミング入力ボタンが操作されていた場合、図5に示すように、異常特定画面50のエラー原因表示部57aには、多光軸光電センサ1へ電源が投入され正常な動作が確認された後の検出動作時の異常原因が先に表示され、対処方法表示部57bには、これに対する対処方法が先に表示される。従って、異常状態の発生タイミングに基づいた、より適切なエラー情報が優先的に報知され、作業者は、動作異常の発生タイミングに応じたエラー情報を容易に把握することができる。
次に、上記実施の形態の作用効果を以下に記載する。
(1)異常特定装置2は、表示内容と接続順位と発生タイミングとに基づいてエラー情報を外部に報知するため、作業者は、動作異常の発生タイミングに応じたエラー情報を容易に把握することができる。よって、多光軸光電センサ1の動作異常に的確且つ迅速に対応することができる。
(2)異常特定装置2は、取得した発生タイミング情報に関連付けられたエラー情報を優先して報知するため、作業者は、優先報知されたエラー情報に基づいて、多光軸光電センサ1の動作異常に、より的確且つ迅速に対応することができる。
(3)異常特定装置2は、外部に報知するエラー情報の内、取得した発生タイミング情報に関連付けられたものが複数存在する場合、複数のエラー情報をエラー情報毎に設定された優先度に関連付けて報知するため、作業者は、多光軸光電センサ1の動作異常に、より一層的確且つ迅速に対応することができる。
(4)異常特定装置2は、異常状態である投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21c(多光軸光電センサ1)が異常状態となった異常原因を含んだエラー情報を報知する。そのため、作業者は、そのエラー情報に基づいて投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21cの異常原因を容易に把握でき、多光軸光電センサ1の動作異常に迅速に対応することができる。
(5)異常特定装置2は、異常状態である投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21c(多光軸光電センサ1)の異常状態を解消するための対処方法を含んだエラー情報を報知する。そのため、作業者は、そのエラー情報に基づいて対処方法を直接把握でき、多光軸光電センサ1の動作異常に迅速に対応することができる。
(6)異常特定装置2は、作業者による選択的な入力により表示内容を取得するものであるため、作業者による表示内容の入力が容易で、且つ入力間違いを低減することができる。
(7)異常特定装置2は、作業者に投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21cの接続数に応じた数の表示内容の入力を促すため、余分な入力項目が廃除されることとなり、作業者の入力にかかる手間を低減することができる。また、作業者による入力間違いも低減することができる。
(8)異常特定装置2は、多光軸光電センサ1の種類と表示内容と接続順位と発生タイミング情報とに基づいて読み出したエラー情報を報知するため、複数種類の多光軸光電センサ1を有する多光軸光電センサシステムの動作異常に的確且つ迅速に対応することが可能となり、汎用性が向上する。
(9)異常特定装置2の表示装置43には異常箇所が図式的に表示されるため、作業者は異常箇所を容易に把握することが可能となり、多光軸光電センサシステムの動作異常に迅速に対応することができる。
(10)異常特定装置2は、取得した表示内容と接続順位に基づいて複数のエラー情報を取得した場合、それら複数のエラー情報を切替えて報知するため、作業者は複数のエラー情報が報知される場合でも各エラー情報を的確に把握することができる。
尚、本発明の実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、作業者が異常状態の発生タイミングを入力するようにしたが、このような態様に限定されない。例えば、異常特定装置2に多光軸光電センサ1への電源投入に基づく電源投入信号が入力される構成とし、異常特定装置2が多光軸光電センサ1への電源投入時から異常状態が発生するまでの時間に基づいて異常状態の発生タイミングを判別し取得するようにしてもよい。このような構成によれば、異常特定装置2に異常状態の発生タイミングを作業者が入力することなくエラー情報を得ることができる。
・上記実施の形態では、異常特定装置2は、外部に報知するエラー情報が複数存在する場合、取得した発生タイミング情報に関連付けられたエラー情報を優先して報知するようにしたが、例えば、取得した発生タイミング情報に関連付けられたエラー情報のみを報知するようにしてもよい。このような構成によれば、作業者は、限定報知されたエラー情報に基づいて、多光軸光電センサ1の動作異常に、より的確且つ迅速に対応することができる。また、制御部41は、複数のエラー情報をエラー情報毎に設定された優先度に関連付けて切り替えて表示するようになっているが、全てのエラー情報を同時に表示させてもよい。
・上記実施の形態では、多光軸光電センサ1を設置した直後の起動時の異常原因である場合が比較的多いエラー情報を、「起動時」に関連付けてエラー情報記憶部42aに記憶したが、このような態様に限定されない。例えば、多光軸光電センサ1の毎回の電源投入時に発生し易いエラー情報を、「起動時」に関連付けてエラー情報記憶部42aに記憶してもよい。また、上記実施の形態では、「起動時」及び「検出動作時」の2つの発生タイミングで区別したが、「起動時」及び「検出動作時」とは異なる他の発生タイミングを含む3つ以上の発生タイミングで区別してもよく、他の発生タイミングで区別するようにしてもよい。
・上記実施の形態では、発生タイミング入力部55に、「起動時」及び「検出動作時」に対応する発生タイミング入力ボタンを設けたが、例えば「起動時」及び「検出動作時」の何れか一方の発生タイミング入力ボタンのみを設け、発生タイミング入力ボタンが操作されているか否かに基づいて、異常状態の発生タイミングを取得するようにしてもよい。なお、この場合、異常状態の発生タイミングを、起動時か否かで判別してもよく、検出動作時か否かで判別してもよい。
・上記実施の形態では、一列に配されているものとしたが、直列に接続されるものであればコ字状に配されるようにしてもよい。
・上記実施の形態では、投光器10及び受光器20を、複数の投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21cから構成したが、1つのユニットから構成してもよい。
・上記実施の形態においては、異常特定装置2は、投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21cそれぞれの異常状態の検出に基づく投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21cそれぞれからの異常検出信号の入力に基づいて表示内容を取得するようにしてもよい。このような構成によれば、異常特定装置2に表示内容を作業者が入力することなくエラー情報を得ることができる。なお、この場合、例えば多光軸光電センサ1(コントローラ30)と異常特定装置2(制御部41)とを通信線にて接続する。また、異常検出信号は、コントローラ30を介して異常特定装置2(制御部41)に入力されてもよく、投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21cから直接異常特定装置2(制御部41)に入力されてもよい。
・上記実施の形態では、異常原因を表示するエラー原因表示部57aと対処方法を表示する対処方法表示部57bとを設けたが、何れか一方を省略してもよい。また、異常状態である投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21c(多光軸光電センサ1)の異常内容がテキストで表示される異常内容表示部を設けてもよい。
・上記実施の形態では、異常特定画面50の異常状態入力部54a,54bには各投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21cにそれぞれ対応する全部のユニット選択ボタンが予め設けられているがこのような態様に限定されない。例えば、まず第1投光ユニット11aに対応するユニット選択ボタンを表示させ、作業者により表示内容が入力された後に、順次第2投光ユニット11b及び第3投光ユニット11cに対応するユニット選択ボタンを表示させ、接続順序に応じた順序で作業者に表示内容の入力を促すようにしてもよい。また、投光器10(投光ユニット11a〜11c)に対応するユニット選択ボタンが操作された場合は、受光器20(受光ユニット21a〜21c)に対応するユニット選択ボタンが表示されないようにしてもよい。このような構成によれば、作業者による表示内容の入力間違いを低減することができる。
・上記実施の形態においては、例えば、第1投光ユニット11aの表示内容を先に選択的に入力した場合、先に入力した表示内容に関連しない表示内容(同時に起こりえない表示内容)を第2投光ユニット11bの表示内容の入力時に選択不能としてもよい。このような構成によれば、次の表示内容の選択入力時における作業者による入力間違いを低減することができる。
・上記実施の形態では、異常特定画面50には、接続台数選択部53が設けられているが、省略してもよい。また、異常特定画面50には、機種選択手段としてのセッティングボタン51が設けられているが、省略してもよい。また、上記実施の形態では、異常特定画面50には、接続状態表示部52が設けられているが、省略してもよい。
・上記実施の形態では、異常特定装置としての異常特定装置2を設けたが、多光軸光電センサ1に異常特定装置としての機能を持たせてもよい。このような構成によれば、異常特定装置2を特別に設ける必要がない。また、メインユニット(第1投光ユニット11a及び第1受光ユニット21a)に異常特定装置としての機能を持たせれば、サブユニット(第2及び第3投光ユニット11b,11c、第2及び第3受光ユニット21b,21c)が変更されたり追加されたりした場合でも、多光軸光電センサ1の異常箇所を容易に把握することができる。また、上記実施の形態では、異常特定装置2を多光軸光電センサ1の異常を特定するためのプログラムが予め記憶されたパーソナルコンピュータとしたが、専用の異常特定装置を用いてもよい。
・上記実施の形態では、多光軸光電センサ1の異常を特定するためのプログラムは、フレキシブルディスクやCD−ROMなどの可搬型記憶媒体Mに格納されて提供されるとしたが、インターネットなどのネットワークを介して提供されてもよい。
・上記実施の形態では、多光軸光電センサ1は、最大3つの投光ユニット11a〜11c若しくは受光ユニット21a〜21cから構成されるとしたが、2つでもよく、また、4つ以上であってもよい。また、上記実施の形態では、投光ユニット11a〜11c及び受光ユニット21a〜21cには投光素子12若しくは受光素子22が4つずつ設けられているが、その数は適宜変更可能である。また、上記実施の形態では、コントローラ30を省略してもよい。なお、この場合、例えば投光器10及び受光器20を同期線により接続して投光器10(投光制御回路14)若しくは受光器20(受光制御回路24)にてスタートパルス信号及びクロックパルス信号を生成し他方側へ出力する構成とし、例えば受光制御回路24にて検出エリアに入る被検出体の有無を判定する構成とする。また、同期線を省略し投光器10及び受光器20を光で同期させてもよい。
・上記実施の形態では、投光器10及び受光器20からなる多光軸光電センサ1に適用したが、例えば被検出体からの反射光を検出する、投光素子及び受光素子をともに備えた光電センサなどを直列接続した場合にも適用可能である。
1…多光軸光電センサ、2…異常特定装置、11a…センサユニット及びメインユニットとしての第1投光ユニット、11b,11c…センサユニット及びサブユニットとしての第2及び第3投光ユニット、21a…センサユニット及びメインユニットとしての第1受光ユニット、21b,21c…センサユニット及びサブユニットとしての第2及び第3受光ユニット、41…異常情報取得手段、異常報知手段、接続ユニット数取得手段、機種選択手段及び異常箇所表示手段を構成する制御部、42a…エラー情報記憶手段としてのエラー情報記憶部、51…機種選択手段を構成するセッティングボタン、52…異常報知手段及び異常箇所表示手段を構成する接続状態表示部、53…接続ユニット数取得手段を構成する接続台数選択部、54a,54b…異常情報取得手段を構成する異常状態入力部、55…異常情報取得手段を構成する発生タイミング入力部、57a…異常報知手段を構成するエラー原因表示部、57b…異常報知手段を構成する対処方法表示部、58…異常報知手段を構成する表示切替え部。