JP3842386B2 - インクジェット印刷用紙の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は表面処理方法に関するものであり、特にインクジェットによる印刷後の耐水性が向上する表面処理方に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット印刷用紙の耐水化剤としてはカチオン性の重合体が一般的に使用されている。用紙には専用紙と共用紙とよばれる種類があり、専用紙は微粉末シリカ、ポリビニルアルコールおよび耐水化剤が主要薬品であり、共用紙はポリビニルアルコールや塗工用デンプンに耐水化剤を配合したものを塗工し表面処理を行なう。
【0003】
耐水性を向上させるための一般的な方法としては耐水化剤のカチオン当量値を増加させることであるが、副作用として印刷後の発色の品位が低下してしまう。発色の低下を抑えるために非イオンあるいはカチオン性のゲルあるいは不溶性微粒子、または微粒子とともにカチオン性重合体を塗工する方法などが存在するがこの方法は耐水性が不十分である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は耐水性を向上させようとすると印刷後の発色が低下し、発色を向上させようとすると耐水性が低下するという矛盾を解決しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため種々検討を行なってきたが、N−ビニルホルムアミドとカチオン性単量体を含有する単量体の重合体を含む塗工液を紙の表面に塗布することにより印刷の発色状態を高品位に維持したまま耐水性を高度に向上させることが可能であることが分かり本発明を完成させた。
【0006】
本発明の請求項1の発明は、下記式(1)で表されるN−ビニルホルムアミド10〜80モル%と下記式(2)および/または下記式(3)で表されるカチオン性単量体20〜90モル%を含有する単量体混合物の重合体と、(a)あるいは(b)のいずれかの成分を含有する塗工液を紙の表面に塗布することを特徴とするインクジェット印刷用紙の製造方法である。
(a)酸化デンプン
(b)ポリビニルアルコールおよび微粉末シリカ
【化4】
(但し、式中、RはHを表す)
【化5】
(但し、式中、AはOまたはNH;BはC2 H4 、C3 H6 、C3 H5 OH;R1 はHまたはCH3 ;R2 ,R3 は炭素数1〜4のアルキル基;R4 は水素、メチル基またはベンジル基;X- はアニオン性対イオンを表す。)
【化6】
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の第一の限定は、下記式(1)で表されるN−ビニルホルムアミド10〜80モル%と下記式(2)および/または下記式(3)で表されるカチオン性単量体20〜90モル%を含有する単量体混合物の重合体と、(a)あるいは(b)のいずれかの成分を含有する塗工液を紙の表面に塗布することを特徴とするインクジェット印刷用紙の製造方法である。
(a)酸化デンプン
(b)ポリビニルアルコールおよび微粉末シリカ
【化7】
(但し、式中、RはH を表す)
【化8】
(但し、式中、AはOまたはNH;BはC2 H4 、C3 H6 、C3 H5 OH;R1 はHまたはCH3 ;R2 ,R3 は炭素数1〜4のアルキル基;R4 は水素、メチル基またはベンジル基;X- はアニオン性対イオンを表す。)
【化9】
【0008】
本発明で使用するN−ビニルカルボン酸アミド具体的例はN−ビニルホルムアミドである。またカチオン性単量体の具体的例としては(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドなどの有機、無機酸の塩、あるいはハロゲン化メチルあるいはハロゲン化ベンジルによる四級アンモニウム塩、さらにジメチルジアリルアンモニウムハロゲン化物などが工業的に使用し得るものである。またこれらN−ビニルカルボン酸アミドとカチオン性単量体のほかに対象とする紙の機能、用途に応じてその他のイオン性、非イオン性単量体、たとえばアクリルアミド、N−ビニルピロリドン、スチレン、アクリル酸などを共重合することも可能である。
【0009】
次にN−ビニルホルムアミドとカチオン性単量体の共重合比率について述べる。N−ビニルホルムアミドのモル比としては10〜80モル%が一般的であるが、好ましくは5〜60モル%、さらに好ましくは10〜50モル%である。一方カチオン性単量体は20〜95モル%が一般的であるが、30〜90モル%が好ましく、さらに好ましくは40〜90モル%である。
【0010】
本発明の重合体の分子量を回転粘度計で表現した場合、重合体濃度20%、25℃において一般的には5〜100、000mpa・sであるが、好ましくは10〜50、000mpa・s、さらに好ましくは20〜5、000mpa・sである。一般的にいって粘度が高くなると塗工工程における操業上の問題あるいは塗工後の印刷適性の点などトラブルが起きる可能性が高く、好ましくない。
【0011】
重合体の製造法として特に制限はなく水溶液重合、逆相乳化重合、分散重合などの重合法を用いて、有機、無機の過酸化物あるいはアゾ系化合物、さらに過酸化物と還元剤によるレドックスシステムでラジカル重合を行ない重合体の水溶液や分散液を得ることができる。重合は一般的には0〜70℃で行なうことができ、反応は単量体濃度として10〜50%で行なうのが効率的である。
【0012】
本発明で使用する重合体は共用紙の処方であれば、重合体単独で0.5〜5%の重合体濃度で、塗工用デンプンやポリビニルアルコールと配合して使用するなら、塗工液中に重量比で10〜50%添加する。また専用紙の処方であれば微粉末シリカ、ポリビニルアルコール、重合体の合計に対して1〜10%配合する。塗工操作はサイズプレスやゲートロールコーターを用いて行なう一般の塗工と同様であるが、通常使用している表面サイズ剤、各種填料類、表面強度剤、染料類および消泡剤類などと同時に配合しても問題はない。
【0013】
【実施例】
以下実施例により発明をさらに具体的に説明する。
【0014】
(重合体の合成)単量体濃度22%、pH5.5において各種組成の単量体溶液を調製し重合度調節剤として2−メルカプトエタノールを表1に示す量添加し、2、2アゾビスアミジノプロパン二塩化物を開始剤として用い55℃、8時間重合した。重合後、溶液を20%に調節し回転粘度計により25℃における溶液粘度を測定した。結果は表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】
(実施例1〜10)合成した各種重合体NO.1〜8、NO.10〜11につき坪量70g/m2 、ステキヒトサイズ度約25秒の上質紙を原紙として用い、下記の様な塗工、印刷、耐水性の評価試験を行なった。塗工用酸化デンプンとして敷島スターチ製,M−200を5%に加熱溶解し、各重合体溶液の5%溶液とともに重量比でデンプン対重合体を4:1に混合し、コーテイングロッドで固形分で片面1.0±0.1g/m2 塗布した後、100℃、5分間乾燥し塗工紙を得た。3時間放置後、キャノン製バブルジェット式プリンターBJC−600Jで印字およびベタ印刷した。その後以下の性能評価試験を行なった。
(1)ベタ印刷部均一性。
目視による観察。
(2)印刷後のベタ部の発色状態。
日本電色製比色計NR−3000を用いて測定(3)流水による耐水性試験。
5ml/secで流れる水中に10分間浸し、試験前後の変化を比色計で測定。
変化量をΔEで表す。ここでΔE={(L* 2 −L* 1 )2 +(a* 2−a* 1 )2 +(b* 2 −b* 1 )2 }1/2ここにL* 2 、a* 2、b* 2 は試験後の測定値、L* 1 、a* 1 、b* 1 は試験前の測定値である。L* 、a* 、b* は規格化されたハンターの色空間座標パラメーターを表す。 以上の結果は表2に示す。
【0017】
(比較例1〜3)合成した各種重合体NO.9〜10、また一級アミノ化率68%のp−(ビニルホルムアミド−ビニルアミン)塩化物、25℃における20%溶液粘度117mpa・s(比較品1)を用い、実施例と同様に性能評価をおこなった。結果を表2に示す。
【0018】
【表2】
【0019】
(実施例11〜20)実施例1〜10と同様の原紙、試験条件で重合体NO.1〜8、NO.10〜11につき以下の組成の塗工液を固形分20%に調製し片面5g/m2 塗布し、各試験を行ない表3のような結果を得た。
微粉末シリカ(アエロジル380、日本アエロジル製);50%ポリビニルアルコール117(クラレ製) ;46%本発明重合体 ; 4%上記組成にて混合しホモジナイザーで10000rpm,3分間攪拌する。
【0020】
(比較例4〜6)比較例1〜3と同様の比較品を用いて実施例11〜20の塗工液の組成で塗布、印刷、性能評価試験を行なった。結果を表3に示す。
【0021】
【表3】
Claims (1)
- 下記式(1)で表されるN−ビニルホルムアミド10〜80モル%と下記式(2)および/または下記式(3)で表されるカチオン性単量体20〜90モル%を含有する単量体混合物の重合体と、(a)あるいは(b)のいずれかの成分を含有する塗工液を紙の表面に塗布することを特徴とするインクジェット印刷用紙の製造方法。
(a)酸化デンプン
(b)ポリビニルアルコールおよび微粉末シリカ
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---|---|---|---|
JP19201597A JP3842386B2 (ja) | 1997-07-03 | 1997-07-03 | インクジェット印刷用紙の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP19201597A JP3842386B2 (ja) | 1997-07-03 | 1997-07-03 | インクジェット印刷用紙の製造方法 |
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DE10161158A1 (de) * | 2001-02-23 | 2002-09-05 | Basf Ag | Streichmassen für Ink-Jet-Aufzeichnungsmaterialien |
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1997
- 1997-07-03 JP JP19201597A patent/JP3842386B2/ja not_active Expired - Fee Related
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