JP3885835B2 - インクジェット記録体用塗被組成物およびインクジェット記録体 - Google Patents

インクジェット記録体用塗被組成物およびインクジェット記録体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録体用塗被組成物およびインクジェット記録体に関する。より詳しくは、記録体のインク受容層に耐水性に優れ高解像度のインク画像を形成しうるインクジェット記録体用塗被組成物、および該インク受容層に該塗被組成物を含有してなるインクジェット記録体に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット記録方式は、低騒音、高速記録性能などの優れた特性を有するため、情報機器をはじめとする種々の分野で賞用されている。しかし、インクジェット記録方式では、水性インキが使用されるため、記録体上に形成された画像が水で滲んだり、容易に流出してしまうなどの欠点があった。
【0003】
このため、画像の耐水化方法が種々提案されており、例えば、特開昭56−84992号公報には、カチオン性高分子電解質性を支持体表面に含有するインクジェット記録シートが記載され、また特開昭59−20696号公報には、支持体にジメチルジアリルアンモニウムクロライド重合物を塗工または含浸してなるインクジェット記録体が記載されている。更には、前記二公報に記載の記録シートに比べて、耐水性を一層改良した第4級アンモニウム塩型高分子電解質を支持体表面に含有するインクジェット記録シートが記載されている(特開昭61−252189号公報)。更には、第3級アミノ基または第4級アンモニウム基を有するカチオン性重合体の水性分散体を支持体表面に含有するインクジェット記録シートが記載されている(特開昭62−221592号公報)。
【0004】
しかしながら、前記公報に記載の高分子電解質や重合物は、耐水性や耐黄変性が不充分であり、更に改善の余地がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、記録体のインク受容層に高解像度で、耐水性、耐黄変性に優れたインク画像を形成しうるインクジェット記録体用塗被組成物、および該インク受容層に該塗被組成物を含有するインクジェット記録体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決すべく、インク受容層を形成する塗被組成物に着目して鋭意研究を重ねた結果、特定のカチオン性ミクロゲルを必須成分として含有する塗被組成物を用いることにより前記課題を悉く解決しうるという知見を得、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、第3級アミノ基または第4級アンモニウム基を含有するカチオン性重合体水溶液の存在下に不飽和単量体を乳化重合してなる架橋構造を有するカチオン性ミクロゲルの水性分散体を、有効成分として含有することを特徴とするインクジェット記録体用塗被組成物、並びに支持体表面に設けられたインク受容層が、該インクジェット記録体用塗被組成物により形成されることを特徴とするインクジェット記録体に係る。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明で使用するカチオン性ミクロゲルは、第3級アミノ基または第4級アンモニウム基を含有するカチオン性重合体水溶液の存在下に不飽和単量体を乳化重合して得られるものである。ここに該カチオン性重合体は、不飽和単量体を乳化重合する際の高分子乳化分散剤として機能するものであり、以下のような不飽和単量体から構成される。
【0009】
すなわち、該カチオン性重合体の分子内に第3級アミノ基または第4級アンモニウム基を導入するための必須構成単量体であるカチオン性不飽和単量体、および該カチオン性重合体のカチオン性を調整するための必須構成単量体であるノニオン性不飽和単量体からなる。
【0010】
該カチオン性不飽和単量体としては、例えばジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート(ここに、(メタ)アクリレートとは、当該アクリレートまたはジメメタクリレートを意味する。以下同様)、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、アリルアミン、ジアリルアミンまたはトリアリルアミンなどの第3級アミノ基を有する不飽和単量体;該第3級アミノ基を有する不飽和単量体と、塩酸、硫酸、酢酸などの無機酸との塩類;該第3級アミノ基を有する不飽和単量体と(メタ)アクリル酸などの有機酸との塩類;該第3級アミノ基含有不飽和単量体と、メチルクロライド、ベンジルクロライド、ジメチル硫酸、エピクロルヒドリン、アルキルグリシジルエーテル、グリシジルメタクリレート、スルトン、置換スルホネートなど公知の4級化剤との反応によって得られる第4級アンモニウム塩を含有する不飽和単量体などが挙げられる。該カチオン性不飽和単量体は、いずれか1種単独でまたは2種以上の混合物として使用できる。なお、前記塩類の形成は、第3級アミノ基を有する不飽和単量体を構成単位とするカチオン性重合体を製造した後、該重合体に対してなされるのが一般的である。
【0011】
上記カチオン性不飽和単量体と共重合させるノニオン性不飽和単量体としては、特に限定はされず、例えばアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、スチレン、酢酸ビニルなど各種公知のものが使用でき、該ノニオン性不飽和単量体は1種単独でまたは2種以上の混合物として使用できる。なお、アニオン性不飽和単量体を使用することもできるが、該単量体の使用により得られるカチオン性重合体のカチオン性が低下するため、一般には好ましくない。
【0012】
本発明では、該カチオン性不飽和重合体が水溶性を有し、かつミクロゲル製造時の乳化重合に際して乳化分散剤としての性能、更には最終的に得られるカチオン性ミクロゲルのカチオン性を考慮する必要があり、そのため前記カチオン性不飽和単量体とノニオン性不飽和単量体との使用割合が重要となる。通常は、両者の合計100モル%に対し、カチオン性不飽和単量体の使用量は10〜70モル%程度、好ましくは15〜50モル%とされ、ノニオン性ビニル単量体の使用量は30〜90モル%程度、好ましくは50〜85モル%とされる。カチオン性不飽和単量体の使用量が10モル%未満では得られるカチオン性重合体の水溶性が低下し、乳化重合時の乳化分散能が不充分となり、同様に該使用量が70モル%を越える場合にも乳化分散能が不充分となり、目的とするカチオン性ミクロゲルを収得できない。
【0013】
前記カチオン性重合体の製造法は、特に限定はされず、例えば水溶液重合法、イソプロピルアルコールなどを用いた溶液重合法など従来公知の各種製造法を適用できる。該単量体を重合反応系に供給するには、一括添加、分割添加、連続滴下などいずれの方法を用いてもよい。また。該重合体の製造に際しては、通常は不活性気流下に、重合開始剤、前記単量体および必要により連鎖移動剤を撹拌下に供給し、60〜90℃で1〜8時間程度、共重合させればよい。なお、水溶液重合法で用いる重合開始剤としては、2,2′−アゾビス(2−アミノプロパン)二塩酸塩、2,2′−アゾビス[2−メチルプロピオンアミジン]二塩酸塩、2,2′−アゾビス{2−[1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}二塩酸塩などの水溶性アゾ系重合開始剤が好ましく、一方、イソプロピルアルコールを用いる溶液重合法の場合には、アゾイソブチロニトリル、過酸化物などの油溶性重合開始剤が好ましく、該使用量は、前記単量体総量100モル部に対し0.03〜1モル部程度とされる。また、重合反応終了後、前記の酸で中和したり、4級化剤と反応させることにより、3級塩や4級塩となすことができる。イソプロピルアルコールなどを用いた溶液重合法による場合は、重合反応終了後、必要に応じて水蒸気蒸留により溶剤を留去したのち、3級塩や4級塩となすことができる。
【0014】
本発明では、前記のようにして得られたカチオン性重合体水溶液の存在下、以下のような不飽和単量体を乳化重合することにより、目的とするカチオン性ミクロゲルを製造することが必須とされる。すなわち、乳化重合に供する不飽和単量体としては、特に限定はされず、公知のカチオン性不飽和単量体、ノニオン性不飽和単量体のうちのいずれか少なくとも1種を使用できる。より具体的には、該カチオン性不飽和単量体としては、前記カチオン性重合体の構成成分である第3級アミノ基または第4級アンモニウム基を含有するカチオン性不飽和単量体を使用でき、また該ノニオン性不飽和単量体としては、同様に、前記カチオン性重合体の構成成分であるノニオン性ビニル単量体を使用できる。該不飽和単量体の好ましい使用割合は、該カチオン性不飽和単量体0〜50モル%、該ノニオン性ビニル単量体50〜100モル%の範囲である。なお、アニオン性不飽和単量体を使用することもできるが、該単量体の使用により得られるカチオン性重合体のカチオン性が低下するため、一般には好ましくない。
【0015】
本発明では、前記カチオン性重合体水溶液の存在下に、前記単量体を乳化重合することによって架橋構造を有するカチオン性ミクロゲルを収得しうる限り、該乳化重合時に、必ずしも架橋剤を前記単量体と併用しなくてもよい。例えば、乳化分散剤である前記カチオン性重合体の分子中に、二重結合が存在する場合(例えば、第3級アミノ基を有するビニル単量体をグリシジルメタクリレートで4級化してなる構成単位を含有する重合体)には、該重合体中の二重結合が、乳化重合に供する不飽和単量体と共重合して架橋構造を形成するため、必ずしも架橋剤を使用しなくてよい。
【0016】
しかしながら、乳化分散剤である前記カチオン性重合体が、二重結合を有していない場合(例えば、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートの酢酸塩を構成成分とするカチオン性重合体)には、乳化重合時に架橋剤として機能せず、該乳化重合生成物は架橋構造を付与し得ないため、目的とするカチオン性ミクロゲルを収得できない。従って、かかる場合には、架橋構造を付与しカチオン性ミクロゲルの耐水性を向上させるべく、架橋剤を前記単量体と併用することが必須とされる。該架橋剤としては、例えばエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート類、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド等のビス(メタ)アクリルアミド類、アジビン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル等のジビニルエステル類、アリルメタクリレート、エポキシアクリレート類、ウレタンアクリレート類、N−メチロールアクリルアミド、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウム、ジアリルフタレート、ジアリルクロレンデート、ジビニルベンゼン等の2官能性単量体;1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−s−トリアジン、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルアミン、トリアリルトリメリテート、N,N−ジアリルアクリルアミド等の3官能性単量体;テトラメチロールエタンテトラアクリレート、テトラアリルピロメリテート、N,N,N′,N′−テトラアリル−1,4−ジアミノブタン、テトラアリルアミン塩、テトラアリルオキシエタン等の4官能性単量体が挙げられる。
【0017】
前記のようにして得られたカチオン性重合体水溶液の存在下に、前記単量体および必要により架橋剤を乳化重合するに際しては、重合温度、重合時間、重合開始剤、連鎖移動剤、重合媒体などの諸条件に関する格別の限定はなく、公知の乳化重合における諸条件から適宜決定すれば足りる。より具体的には、該条件の内の多くは、前記カチオン性高分子の製造条件と同様である。なお、得られるカチオン性ミクロゲルの性能に直接的に影響を及ぼす要因が該乳化重合時の重要条件とされ、本発明では、乳化分散剤として機能するカチオン性重合体と、乳化重合に供する単量体および必要により使用する架橋剤との使用割合が、特に重要となる。カチオン性重合体の使用量(固形分換算)は、乳化重合に供する単量体および必要により使用する架橋剤の総和100部に対し、通常は35〜300重量部程度、好ましくは50〜200重量部とされる。該使用量が35重量部に満たない場合には乳化重合時の安定性が低下するため凝集物が生じ易く、一方300重量部を越える場合には乳化重合時に凝集物が発生したり、得られるカチオン性ミクロゲルの耐水性が低下する傾向がある。なお、該乳化重合に際しては、得られるカチオン性ミクロゲルの性能を低下させない範囲であれば、低分子界面活性剤やカゼイン、レシチン、ポリビニルアルコール、各種変性デンプン、アクリルアミド系共重合体などの水溶性高分子化合物を使用できる。
【0018】
前記のようにして得られるカチオン性ミクロゲルの水分散体は、その固形分が通常10〜50重量%であり、平均粒子径が通常50〜200nm程度のものである。
【0019】
該カチオン性ミクロゲルは、強度が高く、支持体との密着性に優れるため、これを単独使用した場合であっても良好な塗被組成物となすことができ、その結果、効率的にインクジェット記録体を製造しうる。なお、インク受容層の強度補強や支持体との密着性を一層改善する目的で、(メタ)アクリル系共重合体エマルジョン、スチレン・ブタジエン系共重合体ラテックス、天然ゴムラテックス、ポリビニルアルコール、酸化澱粉などの各種公知の高分子バインダーを添加しても差し支えながなく、またインク受容層のインク吸収性を高めるために、シリカ、クレー、タルク、ケイソウ土、炭酸カルシウム、アルミナなどの各種公知の充填剤を配合してもよい。
【0020】
前記のようにして得られる本発明の塗被組成物を、各種公知の支持体上に塗工することにより、本発明の目的とするインクジェット記録体を収得できる。なお、支持体としては、紙や合成紙に限定されず、各種の合成樹脂フィルムも適用可能であり、また塗被組成物の塗工方法も格別の限定はなく、サイズプレス、ロールコーター、その他の形式のコーターを使用して支持体に塗工することでき、塗被組成物の塗工量(固形分換算)は、通常0.1〜6g/m2 程度、好ましくは0.2〜5g/m2 である。
【0021】
本発明のインクジェット記録体に対しては、従来公知の各種水性インクが問題なく使用できる。該水性インクには、水溶性酸性染料および水溶性直接染料のうち少くとも1種が含有され、必要に応じ湿潤剤、染料溶解剤、防腐剤、防黴剤等も添加される。なお、該水溶性酸性染料としては、C.I.アシッドブラック、C.I.アシッドブルー、C.I.アシッドレッド、C.I.アシッドイエロー等が挙げられ、水溶性直接染料としては、C.I.アシッドダイレクトブラック、C.I.アシッドダイレクトブルー、C.I.アシッドダイレクトレッド、C.I.アシッドダイレクトイエロー等が挙げられる。
【0022】
【発明の効果】
本発明の塗被組成物を用いてなるインクジェット記録体は、耐水性が良好なため、画像の解像度が高く、更には耐黄変性、耐光性などにも優れる。本発明のインクジェット記録体が、かかる特性を発揮する理由は定かでないが、本発明の塗被組成物に含有される特定のカチオン性ミクロゲルと、前記水性インク中の染料とが結合し、染料の溶出が防止されるためと思料される。
【0023】
【実施例】
以下に、製造例、実施例及び比較例をあげて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。尚、各例中、部及び%は特記しない限りすべて重量基準である。
【0024】
製造例1
(1)カチオン性重合体の製造
撹拌機、還流冷却器、窒素導入管及び温度計を備えた反応容器に、スチレン120部、ブチルアクリレート40部、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート40部、イソプロピルアルコール100部、及び重合開始剤としてアゾイソブチロニトリル5部を仕込み、撹拌して均一にした。窒素雰囲気下、撹拌しながら80℃に昇温し2時間保温した。ついで、アゾイソブチロニトリル1部を追加し、更に80℃で4時間保温し、重合を完結させた。60℃まで冷却し、酢酸15.3部を添加し30分間撹拌した後、イオン交換水600g、エピクロルヒドリン23.2部を加えて60℃で3時間保温し、4級化した。イオン交換水で固形分25%に調整し、乳化分散剤であるカチオン性重合体の水溶液aを得た。該水溶液のpHは5.5、粘度は200cpsであった。
(2)カチオン性ミクロゲルの製造
同様の反応容器に、前記水溶液a400部及びイオン交換水500gを仕込んだ後、撹拌下にスチレン100部、ジビニルベンゼン1部を加えて乳化した。ついで、2,2′−アゾビス(2−アミノプロパン)二塩酸塩の1%水溶液10部を添加し、窒素雰囲気下、撹拌しながら80℃に昇温し4時間保温して、重合を完結させ、カチオン性ミクロゲル水分散液Aを得た。カチオン性ミクロゲル水分散液Aの固形分は20%であり、光散乱法測定による該ミクロゲルの平均粒子径は80nmであった。
【0025】
製造例2
(1)カチオン性重合体の製造
製造例1(1)において、エピクロルヒドリン23.2部に代えてグリシジルメタクリレート36.2部を用いた他は、同様に操作して、固形分25%のカチオン性高分子乳化剤水溶液bを得た。該水溶液のpHは6.3、粘度は100cpsであった。
(2)カチオン性ミクロゲルの製造
同様の反応容器に、前記水溶液b400部及びイオン交換水500gを仕込んだ後、撹拌下にスチレン100部を加えて乳化した。ついで、2,2′−アゾビス(2−アミノプロパン)二塩酸塩の1%水溶液10部を添加し、窒素雰囲気下、撹拌しながら80℃に昇温し4時間保温し、重合を完結させ、カチオン性ミクロゲル水分散液Bを得た。カチオン性ミクロゲル水分散液Bの固形分は20%であり、光散乱法測定による該ミクロゲルの平均粒子径は75nmであった。
【0026】
製造例3
同様の反応容器に、前記水溶液b400部及びイオン交換水550gを仕込んだ後、撹拌下にスチレン50部を加えて乳化した。ついで、2,2′−アゾビス(2−アミノプロパン)二塩酸塩の1%水溶液5部を添加し、窒素雰囲気下、撹拌しながら80℃に昇温し4時間保温し、重合を完結させ、カチオン性ミクロゲル水分散液Cを得た。カチオン性ミクロゲル水分散液Cの固形分は15%であり、光散乱法測定による該ミクロゲルの平均粒子径は90nmであった。
【0027】
製造例4
同様の反応容器に、前記水溶液b200部及びイオン交換水450gを仕込んだ後、撹拌下にn−ブチルアクリレート100部を加えて乳化した。ついで、2,2′−アゾビス(2−アミノプロパン)二塩酸塩の1%水溶液10部を添加し、窒素雰囲気下、撹拌しながら80℃に昇温し4時間保温し、重合を完結させ、カチオン性ミクロゲル水分散液Dを得た。カチオン性ミクロゲル水分散液Dの固形分は20%であり、光散乱法測定による該ミクロゲルの平均粒子径は90nmであった。
【0028】
実施例1(クリアー型塗被組成物及びインクジェット記録体の調製)
製造例1で得たカチオン性ミクロゲル水分散液A4部(固形分1部)、ポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製、商品名ゴーセノールN−300)4部、および所定量の水を均一混合して、固形分濃度5%のクリア型塗料組成物を調製した。ついで、支持体(市販上質紙、坪量63g/m2 )の片側に該塗被組成物を固形分換算で3g/m2 となるようにバーコーターを用いて塗布し、105℃で1分間乾燥し、インクジェット記録体を得た。
【0029】
実施例2〜4
実施例1において、カチオン性ミクロゲル水分散液Aに代えて表2に示す各種のカチオン性ミクロゲル水分散液を用いた他は、同様にして固形分濃度5%のクリアー型塗料組成物を調製した。また同様にしてインクジェット記録体を得た。
【0030】
比較例1
撹拌機、温度計、圧力計を備えたオートクレーブ中に、平均分子量3万のエピクロルヒドリンポリマー200部とトリメチルアミン30%水溶液500部を仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、撹拌下に120℃で10時間反応を行った。ついで未反応のトリメチルアミンを留去した後、脱イオン水を加えて固形分30%の高分子電解質水溶液(以下、該固形分を比較樹脂1という)を得た。実施例1において、カチオン性ミクロゲル水分散液Aに代えて比較樹脂1の水溶液を用いた他は、同様にして固形分濃度5%のクリアー型塗料組成物を調製した。また同様にしてインクジェット記録体を得た。
【0031】
比較例2
比較例1と同様のオートクレーブ中に、オルトキシリルトリメチルアンモニウム10部、ジビニルベンゼン2部、スチレン88部、脱イオン水400部、乳化剤としてカチオン性界面活性剤(花王アトラス(株)製、商品名コータミン24W)1部、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.5部を仕込み、系内を窒素ガスで置換した後、撹拌下に60℃で3時間重合を行ない、カチオン性共重合体の水分散物(以下、該固形分を比較樹脂2という)を得た。実施例1において、カチオン性ミクロゲル水分散液Aに代えて比較樹脂2の水溶液を用いた他は、同様にして固形分濃度5%のクリアー型塗料組成物を調製した。また同様にしてインクジェット記録体を得た。
【0032】
実施例5(コート型塗被組成物及びインクジェット記録体の調製)
製造例1で得たカチオン性ミクロゲル水分散液A20部(固形分5部)、ホワイトカーボン(塩野義製薬(株)製、商品名カープレックス80)75部、ポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製、商品名ゴーセノールN−300)20部、および所定量の水を混練分散して、固形分濃度15%のコート型塗料組成物を調製した。ついで、支持体(市販上質紙、坪量63g/m2 )の片側に該塗被組成物を固形分換算で5g/m2 となるようにバーコーターを用いて塗布し、105℃で1分間乾燥し、インクジェット記録体を得た。
【0033】
実施例6
実施例5において、カチオン性ミクロゲル水分散液Aに代えて製造例2で得たカチオン性ミクロゲル水分散液Bを用いた他は、同様にして固形分濃度15%のコート型塗料組成物を調製した。また同様にしてインクジェット記録体を得た。
【0034】
比較例3
実施例5において、カチオン性ミクロゲル水分散液Aに代えて比較例1で得た比較樹脂1の水溶液を用いた他は、同様にして固形分濃度15%のコート型塗料組成物を調製した。また同様にしてインクジェット記録体を得た。
【0035】
比較例4
実施例5において、カチオン性ミクロゲル水分散液Aに代えて比較例2で得た比較樹脂2の水溶液を用いた他は、同様にして固形分濃度15%のコート型塗料組成物を調製した。また同様にしてインクジェット記録体を得た。
【0036】
(インクジェット記録体の性能)
前記実施例1〜6および比較例1〜4で得られたインクジェット記録体の性能評価は、下記の測定方法に基づき行った。結果は表2に示す。
(1)耐黄変性
記録体を20℃、65%RHの条件下に1ケ月間放置し、記録体のインク受容層面の黄変度合を目視観察した。
○:殆んど変化ない、△:やや変色、×:明らかに変色
(2)耐水性
C.I.アシッドブラックインクでベタ印写し、得られた画像を1時間自然乾燥後、30℃の水に5分間浸漬し、浸漬後の画像濃度をマクベス濃度計RD514を用いて測定し、浸漬後濃度を浸漬前濃度で除した100分率を耐水性の目安とした。数値の高い程、耐水性は良好である。
(3)耐光性
C.I.アシッドブラックインクでベタ印写し、得られた画像をキセノンフェードメーターで40℃、60%RH、照度63W/m2 で50時間照射し、照射前後の色濃度で除した100分率を耐光性の目安とした。数値の高い程、耐光性は良好である。
【0037】
【表1】
Figure 0003885835
【0038】
【表2】
Figure 0003885835

Claims (8)

  1. 第3級アミノ基または第4級アンモニウム基を含有するカチオン性重合体水溶液の存在下に不飽和単量体を乳化重合してなる架橋構造を有するカチオン性ミクロゲルの水性分散体を、有効成分として含有することを特徴とするインクジェット記録体用塗被組成物。
  2. 前記カチオン性ミクロゲルが、第3級アミノ基または第4級アンモニウム基を含有するカチオン性重合体水溶液の存在下に不飽和単量体および架橋剤を乳化重合してなるものである請求項1記載の塗被組成物。
  3. 前記カチオン性重合体が、第3級アミノ基または第4級アンモニウム基を含有するカチオン性不飽和単量体とノニオン性不飽和単量体との共重合体である請求項1または2記載の塗被組成物。
  4. 第3級アミノ基または第4級アンモニウム基を含有するカチオン性不飽和単量体10〜70モル%とノニオン性不飽和単量体30〜90モル%との共重合体である請求項3記載の塗被組成物。
  5. 前記乳化重合に供する不飽和単量体が、第3級アミノ基または第4級アンモニウム基を含有するカチオン性不飽和単量体および/またはノニオン性ビニル単量体である請求項1または2記載の塗被組成物。
  6. 第3級アミノ基または第4級アンモニウム基を含有するカチオン性不飽和単量体0〜50モル%およびノニオン性ビニル単量体50〜100モル%である請求項5記載の塗被組成物。
  7. 前記カチオン性重合体の固形分使用量が、乳化重合に供する不飽和単量体および必要により使用する架橋剤の総和100重量部に対し、35〜300重量部である請求項1〜6のいずれかに記載の塗被組成物。
  8. 支持体上に設けられたインク受容層が、請求項1〜7のいずれかに記載のインクジェット記録体用塗被組成物により形成されることを特徴とするインクジェット記録体。
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