JP3584811B2 - 塗工紙 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、紙基体上に顔料と水性バインダーを主体とする塗工層を設けてなる塗工紙に関するものである。さらに詳しくは、事実上ホルムアルデヒドの発生がなく、耐水性やインキ受理性に優れるとともに、良好な印刷光沢を与える塗工紙に関するものである。なお、本明細書における「紙」という語は広義の意味であって、狭義の意味でいう紙のほか、いわゆる板紙をも包含する。
【0002】
【従来の技術】
顔料と水性バインダーを主体とした塗工組成物を紙に塗布し、乾燥、カレンダー処理などの必要な処理を施して得られる塗工紙は、その優れた印刷効果などの特長から、商業印刷物や雑誌・書籍などに広く用いられているが、品質要求の高度化、印刷の高速化などに伴って、塗工紙の品質改良努力が今もなお続けられている。とりわけ印刷の多くを占めるオフセット印刷においては、湿し水の影響下でのインキ受理性、ウェットピックなどの耐水性、及び輪転印刷での耐ブリスター性に加えて、印刷光沢の改良・向上が求められている。
【0003】
従来よりこうした課題に対して、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、特公昭 44−11667 号公報や特開昭 55−31837号公報(= USP 4,246,153)に示されるようなポリアミドポリ尿素−ホルムアルデヒド樹脂、特開昭 63−120197号公報に示されるようなブロックグリオキザール樹脂などを、耐水化剤やバインダー用添加剤として塗工組成物に添加する手法が知られている。しかし、これら従来の耐水化剤やバインダー用添加剤は、いずれも有効な長所を有する反面、一部の特性において重大な欠点又は効果の不十分さが認められることから、実用上必ずしも満足しうるものではない。
【0004】
例えば、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂や尿素−ホルムアルデヒド樹脂などのいわゆるアミノプラスト樹脂は、作業時の、あるいは塗工紙からのホルムアルデヒドの発生が多いのみならず、インキ受理性や耐ブリスター性の改良効果がほとんど得られないことや、塗工組成物のpHが高くなると耐水化効果も発揮されにくくなることなどの問題がある。また、ポリアミドポリ尿素−ホルムアルデヒド樹脂は、インキ受理性や耐水性の向上といった塗工紙品質については一定の改良効果を与えるものの、原料にホルムアルデヒドを用いるため、ホルムアルデヒドの発生を皆無にすることはできない。一方、ホルムアルデヒド不含のバインダー用添加剤として知られているブロックグリオキザール樹脂は、湿し水に対する耐水性をある程度付与できるものの、インキ受理性や耐ブリスター性などの塗工紙品質の改良にはほとんど効果がない。
【0005】
このような状況のもとで、本発明者らは先に、塗工紙の高品質化を図るべく、特開平 10−77599 号公報において、紙用塗工組成物の樹脂成分として、脂肪族アミンと、アルデヒド類、グリシジル化合物及びイソシアネート類から選ばれる化合物との反応生成物である架橋アミン化合物を用いることを提案した。さらに特開平 11−140792号公報では、脂肪族アミンのなかでも複素環アミンを用い、これをグリシジル化合物と反応させた架橋アミン化合物を紙用塗工組成物の樹脂成分として用いることを提案した。
【0006】
一方、前記のアミノプラスト樹脂やポリアミドポリ尿素ホルムアルデヒド樹脂などの耐水化剤を配合した塗工組成物を紙基体に塗布して得られる塗工紙は、それらを配合せず、実質的に顔料と水性バインダーからなる塗工組成物を塗布して得られる塗工紙に比べて、印刷光沢が低下する傾向を示すという問題があった。すなわち、塗工紙の非印刷部分(白い部分)に比べて印刷部分の光沢度が大きいほど、コントラストに富んだ印刷が可能となり、高級感が出るところ、印刷光沢の低下は、このような高級感を減ずることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記の特開平 10−77599 号公報や特開平 11−140792号公報で提案したアミンとグリシジル化合物との反応生成物である架橋アミン化合物を樹脂成分として用いた場合、他の成分との組合せや架橋アミン化合物の使用量などによっては、塗工組成物の増粘や流動特性の悪化などが起こり得ることを知見した。このような問題を解決し、さらには印刷光沢の低下も少ない塗工紙を開発すべく、さらに研究を重ねた結果、本発明に至ったものである。
【0008】
そこで本発明の目的は、塗工紙品質に対する要求に応え、増粘や流動特性悪化などの不都合を起こしにくく、樹脂成分にホルムアルデヒド由来成分を含まない塗工組成物を用いて、印刷光沢をあまり損なうことなく、高度のインキ受理性及び耐水性が付与された塗工紙を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、紙基体及びその表面に設けられた塗工層からなり、該塗工層が、顔料、水性バインダー、脂肪族アミンと分子内にグリシジル基を少なくとも2個有するグリシジル化合物との反応生成物である架橋アミン化合物、並びに、尿素、メチル尿素、ジメチル尿素、チオ尿素、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン及び1−(2−アミノエチル)−2−イミダゾリジノンからなる群から選ばれる少なくとも1種の非重合体の不揮発性物質を含有する塗工紙が提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明においては、紙基体上に特定の成分を含有する塗工層が形成される。この塗工層は、紙基体の少なくとも片面に設けられていればよく、もちろん両面に設けることも可能である。この塗工層は、顔料、水性バインダー、特定成分の反応生成物である架橋アミン化合物及び不揮発性物質を含有するものである。これらのうち、顔料及び水性バインダーは、塗工紙の製造に従来から一般に用いられているものでよい。
【0011】
顔料としては、白色無機顔料や白色有機顔料が使用できる。白色無機顔料としては、例えば、カオリン、タルク、炭酸カルシウム(重質又は軽質)、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、酸化チタンなどが挙げられる。また白色有機顔料としては、例えば、ポリスチレン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。これらの顔料は、塗工層中に少なくとも1種存在すればよく、もちろん、所望により2種以上存在していてもよい。
【0012】
水性バインダーとしては、水溶性のバインダーや水乳化系のバインダーが使用できる。水溶性バインダーとしては、例えば、酸化でんぷんやリン酸エステル化でんぷんをはじめとする無変性の又は変性されたでんぷん類、ポリビニルアルコール、カゼインやゼラチンをはじめとする水溶性プロテイン、カルボキシメチルセルロースをはじめとする変性セルロース類などが挙げられる。また水乳化系バインダーとしては、例えば、場合によりカルボキシル基やニトリル基を有することもあるスチレン−ブタジエン系樹脂(SBRラテックス)、アクリロニトリル−ブタジエン系樹脂(NBRラテックス)、クロロプレン系樹脂(CRラテックス)、メチルメタクリレート−ブタジエン系樹脂(MBRラテックス)、アクリル系モノマー2種以上の共重合樹脂、アクリル系モノマーと酢酸ビニルとの共重合樹脂、アクリル系モノマーとスチレンとの共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。なお、ここでいうアクリル系モノマーとは、アクリル酸、メタクリル酸及びそれらのメチル、エチル、ブチル等のエステルから選ばれる化合物をいう。これらの水性バインダーも、塗工層中に少なくとも1種存在すればよく、もちろん、所望により2種以上存在していてもよい。
【0013】
以上のような顔料及び水性バインダーに加えて、本発明に係る塗工紙の塗工層はさらに、特定の成分を反応させて得られる架橋アミン化合物及び非重合体の不揮発性物質を含有する。以下、これらの成分について説明する。
【0014】
架橋アミン化合物は、脂肪族アミンと、分子内にグリシジル基を少なくとも2個有するグリシジル化合物とを反応させることにより得られる。ここで用いる脂肪族アミンは、1級又は2級のアミノ基が脂肪族炭素原子に結合する化合物であり、アミノ基が結合する脂肪族炭素原子は、非芳香族の環を形成するものであってもよい。このように、本発明で規定する脂肪族アミンは、アミノ基が脂肪族炭素原子に結合したものであればよく、分子内に脂肪族炭化水素基以外の例えば芳香族環を含んでいてもよい。また、アミノ基が分子内に複数あってもよい。具体的には、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、分子内に2個又はそれより多くのアミノ基を有するポリアミン、窒素原子を少なくとも一つの環構成原子とする脂肪族複素環アミンなどを挙げることができる。これらの脂肪族アミンは、それぞれ単独で用いることも、また2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0015】
モノアルキルアミンは、アルキルに1級アミノ基が結合する化合物であって、そのアルキルは炭素数1〜10程度であることができる。具体例としては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミンなどが挙げられる。ジアルキルアミンは、2個のアルキルを2級アミノ基で結合する化合物であって、それぞれのアルキルは同じでも異なってもよく、それぞれ炭素数1〜10程度であることができる。具体例としては、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、ジブチルアミン、メチルエチルアミンなどが挙げられる。ポリアミンは、分子内に複数のアミノ基を有する化合物であって、ここでは、後述する複素環アミン以外のものを意味する。その具体例としては、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イソホロンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、キシリレンジアミンなどが挙げられる。
【0016】
また、複素環アミンは、炭素原子に加えて少なくとも1個の窒素原子を環構成原子とする環状化合物であり、複素環を構成する原子は炭素と窒素に限られるわけではなく、他に酸素やイオウなどのヘテロ原子も環を構成しうる。この化合物は、窒素を環原子とする複素環を含んでいればよく、この複素環以外に、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、アシル基などを含んでいてもよい。さらには、これらの炭化水素基を介して、環状アミノ基とは別のアミノ基や、その他ハロゲンなどの置換基が結合していてもよい。複素環アミンの具体例としては、ピロリジン、ピペリジン、2−、3−又は4−ピペコリン及び2,4−、2,6−又は3,5−ルペチジンのような複素環モノアミン類、ピペラジン、ホモピペラジン、N−アルキル(例えば、メチル、エチル又はプロピル)ピペラジン、N−メチルホモピペラジン、N−アシル(例えば、アセチル)ピペラジン、N−アシル(例えば、アセチル)ホモピペラジン及び1−(クロロフェニル)ピペラジンのような複素環ジアミン類、N−アミノアルキル(例えば、エチル又はプロピル)ピペリジン、N−アミノアルキル(例えば、エチル又はプロピル)ピペラジン、N−アミノアルキル(例えば、エチル又はプロピル)モルホリン、N−アミノプロピル−2−又は−4−ピペコリン、1,4−ビス(アミノエチル)ピペラジン及び1,4−ビス(アミノプロピル)ピペラジンのようなアミノアルキルが結合した複素環アミンなどが挙げられる。
【0017】
これらの脂肪族アミンのなかでは、モノアルキルアミン、ジアルキルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、複素環アミンなどが工業的に有利であり、特に複素環アミンが有利である。なかでも好ましい複素環アミンには、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、N−アミノプロピルピペラジン、1,4−ビス(アミノエチル)ピペラジン、1,4−ビス(アミノプロピル)ピペラジンなどが包含される。
【0018】
本発明で用いる脂肪族アミンは、前述のとおり1級又は2級のアミノ基を少なくとも1個有するが、グリシジル化合物との反応性を考慮すると、複素環アミンの場合は、複素環を構成する2級又は3級アミノ基のほかに1級アミノ基を少なくとも1個有するのが有利である。なかでも、窒素を環原子とする複素環にアミノアルキルが結合した化合物、例えば、N−アミノエチルピペラジン、N−アミノプロピルピペラジン、1,4−ビス(アミノエチル)ピペラジン、1,4−ビス(アミノプロピル)ピペラジンなどを、単独で又は他のアミンと組み合わせて用いた場合に、優れた効果が発揮される。
【0019】
脂肪族アミンと反応させるグリシジル化合物は、分子内にグリシジル基を少なくとも2個有するものである。複数のグリシジル基を結ぶ基は特に限定されず、脂肪族、芳香族、脂環式などのいずれでもよい。グリシジル化合物の具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル及びプロピレングリコールジグリシジルエーテルのようなアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル及びポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルのようなポリオキシアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、レゾルシンジグリシジルエーテル及びビスフェノールAジグリシジルエーテルのような芳香族ジグリシジルエーテル類、トリメチロールプロパンジ−又はトリ−グリシジルエーテル、ソルビトールジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−又はヘキサ−グリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジ−、トリ−又はテトラ−グリシジルエーテルなどが挙げられる。これらのグリシジル化合物は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。これらのなかでも、芳香族グリシジルエーテルが有利に用いられる。
【0020】
グリシジル化合物は、脂肪族アミン1モルに対し、一般には0.1〜1モルの範囲で、好ましくは0.2〜0.9モル、さらに好ましくは0.3〜0.7モルの範囲で用いられる。脂肪族アミン中に反応性の1級又は2級アミノ基が複数個ある場合でも、グリシジル化合物の量を多くすると、反応生成物がゲル化しやすくなるので、アミノ基の数にかかわらず、脂肪族アミンに対するグリシジル化合物のモル比を1以下にするのが適当である。
【0021】
脂肪族アミンとグリシジル化合物との反応は、無溶媒で又は溶媒中で行うことができる。この反応は、通常30〜100℃程度の温度で行われ、好ましい反応温度は、溶媒の有無や溶媒を用いる場合はその種類などによっても変動するが、溶媒が水/有機溶媒混合系の場合は40〜90℃程度であり、溶媒が水を含まない有機溶媒の場合は40〜70℃程度である。また反応時間は、通常1〜20時間程度である。この反応は、無触媒でも進行するし、アンモニアや苛性ソーダのような塩基性触媒又は塩化アルミニウムのようなルイス酸触媒の存在下で行ってもよい。
【0022】
この反応に用いる溶媒としては、メタノール、エタノール、1−又は2−プロパノール、1−又は2−ブタノール、1−ペンタノール、3−メチル−1−ブタノール、1−ヘキサノール、4−メチル−2−ペンタノール、2,4−ジメチル−3−ペンタノール、2,6−ジメチル−4−ヘプタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−又は2−オクタノール、ラウリルアルコール、シクロヘキサノール及びベンジルアルコールのようなアルコール類、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、β,β′−ジクロロジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、フルフリルアルコール、テトラヒドロフルフリルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル及びジエチレングリコールジブチルエーテルのようなエーテル類、ブチルアルデヒドのようなアルデヒド類、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン、トルエン及びo−、m−又はp−キシレンのような炭化水素類、1,1,1−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、1−又は2−ブロモプロパン、1−ブロモブタン、臭化ラウリル、1−ブロモ−3−クロロプロパン、1,3−ジブロモプロパン、1,4−ジブロモブタン、1,5−ジブロモペンタン及び2,3−ジブロモ−1−プロパノールのような有機ハロゲン化合物、アセトン、2,4−ペンタンジオン、メチルエチルケトン、2−又は3−ペンタノン、3−メチル−2−ブタノン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、シクロヘキサノン、メシチルオキシド、イソホロン及び4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンのようなケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸 sec−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、酢酸ベンジル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸アミル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、マロン酸ジエチル、シュウ酸ジエチル、リン酸ブチル及びアセト酢酸エチルのようなエステル類などが挙げられ、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
【0023】
また、これらの有機溶媒の1種又は2種以上と水との混合物を反応溶媒とすることもできる。ただし、反応系内に存在する水の量があまり多くなると、グリシジル化合物同士の重合により水にも有機溶媒にも不溶なエポキシ樹脂が生成してしまうため、反応系内の水の量は20重量%以下、さらには10重量%以下とするのが好ましい。
【0024】
この反応は、脂肪族アミン中のアミノ基とグリシジル化合物中のグリシジル基との反応が主体となる。そして、脂肪族アミンとグリシジル化合物の使用割合やグリシジル化合物の種類、脂肪族アミンの種類などによって、反応生成物の構造は多岐にわたり、また、ある程度の分子量分布を持った低重合体となることもある。グリシジル化合物がグリシジル基(Gly と略す)を2個有する Gly−R−Glyの構造であるとして、以下に主な反応形態を例示する。
【0025】
脂肪族アミンが1級アミノ基を有する場合、それを R1−NH2 と表すと、主に次のような反応が進行するが、この生成物中の2級アミノ基にグリシジル化合物が付加し、別のアミン分子を結合した構造にもなりうる。
【0026】
R1−NH2 + Gly−R−Gly → R1−NH−CH2CH(OH)CH2−R−Gly
R1−NH−CH2CH(OH)−R−Gly + R1−NH2→ R1−NH−CH2CH(OH)CH2−R−CH2CH(OH)CH2−NH−R1
【0027】
また、脂肪族アミンが2級アミノ基を有する場合、それを R1−NH−R2 (複素環モノアミンの場合は、R1とR2が結合して環を形成しているとみればよい)と表すと、主に次のような反応が進行する。
【0028】
R1−NH−R2 + Gly−R−Gly → (R1)(R2)N−CH2CH(OH)CH2−R−Gly
(R1)(R2)N−CH2CH(OH)CH2−R−Gly + R1−NH−R2→ (R1)(R2)N−CH2CH(OH)CH2−R−CH2CH(OH)CH2N(R1)(R2)
【0029】
さらに、脂肪族アミンが複数のアミノ基を有する場合や2種以上の脂肪族アミンを併用した場合、またグリシジル化合物がグリシジル基を3個以上有する場合は、反応はさらに複雑になるが、いずれにしても、アミン分子が複数架橋した化合物が主体的に生成することになる。
【0030】
以上のように、脂肪族アミンとグリシジル化合物との反応により得られる架橋アミン化合物は、原料脂肪族アミンの構造によってはある程度の分子量分布を持った低重合体となりうるが、分子量の目安として、その50重量%水溶液の25℃における粘度は、一般に10〜100,000mPa・sの範囲をとりうる。特にこの粘度は、100mPa・s 以上、さらには1,000mPa・s 以上、また50,000mPa・s 以下であるのが、より好ましい。
【0031】
脂肪族アミンとグリシジル化合物との反応生成物である架橋アミン化合物は、液状媒体中に溶解又は分散させた状態で用意するのが好ましい。脂肪族アミンとグリシジル化合物を液状媒体中で反応させるか、又は両者を反応させた後に液状媒体を加えて溶解又は分散させることにより、架橋アミン化合物の溶液又は分散液が得られる。ここで用いる液状媒体は、架橋アミン化合物及び後述する不揮発性物質を溶解又は均一に分散するものであればよく、水及び/又は有機溶媒であることができる。先に架橋アミン化合物を得る際の反応溶媒として例示した各種のものが、この際の液状媒体ともなりうるが、特にアルコール類は、架橋アミン化合物に対する溶解性又は分散性に優れているので、液状媒体として有機溶媒を用いる場合は、アルコール類のいずれかを単独で若しくは2種以上混合して、又は他の有機溶媒と組み合わせて用いるのが有利である。
【0032】
架橋アミン化合物の一方の原料であるグリシジル化合物が水だけには溶けにくい場合は、脂肪族アミンとグリシジル化合物の反応時に水と有機溶媒を混合して用い、この液状媒体をそのまま架橋アミン化合物のための液状媒体とすることができる。場合によっては、反応終了後に水を加えて、架橋アミン化合物を溶解又は分散する液状媒体中の有機溶媒の割合を低くすることもできる。架橋アミン化合物を溶解又は分散する液状媒体中の有機溶媒と水の割合は任意であるが、通常は水が1〜100重量%、そして有機溶媒が99〜0重量%の割合で使用され、特に水/有機溶媒混合系とする場合、好ましくは、水3〜50重量%、そして有機溶媒97〜50重量%の割合で使用される。
【0033】
また、脂肪族アミンとグリシジル化合物の反応を有機溶媒中で行い、反応終了後にその有機溶媒を留去してから水を加えるという方法を採用することにより、架橋アミン化合物のための液状媒体を実質的に水のみとすることもできる。この場合は、グリシジル化合物をケトン類に溶解させ、一方で脂肪族アミンをケトン類以外の親水性有機溶媒に溶解させ、両溶液を混合して反応させるのが有利である。グリシジル化合物を溶解させるケトン類は、先に架橋アミン化合物を得る際の反応溶媒として例示した各種のものであることができるが、なかでもアセトンが有利に使用される。一方、脂肪族アミンを溶解させるケトン類以外の親水性有機溶媒も、先に架橋アミン化合物を得る際の反応溶媒として例示したケトン類以外の各種親水性有機溶媒であることができるが、なかでもアルコール類、それもメタノールが工業的には有利に使用される。
【0034】
反応終了後に行う溶媒の留去は、一般には常圧蒸留で行われるが、減圧蒸留や水蒸気蒸留で行うこともでき、また常圧蒸留の後に水蒸気蒸留を行うなど、2種又はそれ以上の方法を組み合わせてもよい。常圧蒸留の場合、あまり温度を上げすぎると、架橋アミン化合物が着色してしまうため、溶媒の沸点から100℃以内の範囲で、さらには60℃以内の範囲で昇温するのが好ましい。溶媒留去後の水の添加は、50〜120℃の範囲で行うのが好ましい。有機溶媒を留去した状態では、架橋アミン化合物が単独で存在し、粘性が極めて高いので、水を添加する際の温度があまり低いと、溶解不良を起こしやすい。また、水を添加する際の温度があまり高くなると、突沸などの危険があるため、防災上好ましくない。
【0035】
次に不揮発性物質について説明すると、これは、常温で揮発性がなく、上記架橋アミン化合物との共存下で、液状媒体中に溶解又は均一に分散した状態をとりうる有機又は無機の非重合体化合物である。ここでいう非重合体とは、一定の分子量を持つことを意味する。不揮発性物質は、架橋アミン化合物が本来具備する紙に対して優れた印刷適性及び印刷効果を付与する効果を損なうことなく、当該架橋アミン化合物を塗工組成物の成分として用いた場合に発生することがある増粘や流動特性の悪化といった悪影響を軽減するために用いられるので、このような性質を持っていればよい。
【0036】
不揮発性物質として具体的には、尿素、メチル尿素、ジメチル尿素、チオ尿素、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン及び1−(2−アミノエチル)−2−イミダゾリジノンのような尿素類などが挙げられる。尿素類のうち、1−(2−アミノエチル)−2−イミダゾリジノンは、ジエチレントリアミンと尿素との脱アンモニア反応によって得ることができ、この反応生成物には、1−(2−アミノエチル)−2−イミダゾリジノン以外の副生物も存在するが、通常、その副生物を含む混合物のまま使用できる。これらの不揮発性物質のなかでも、尿素類が、架橋アミン化合物との相溶性や種々の溶媒への溶解性などの点で好ましい。尿素類のなかでも好ましいものは、尿素及びイミダゾリジノン類であり、工業的な見地からは、特に尿素が好ましい。
【0037】
本発明の塗工紙は、以上説明した顔料、水性バインダー、架橋アミン化合物及び不揮発性物質を含有する塗工組成物を、紙基体の片面又は両面に塗布し、乾燥後、必要に応じてスーパーカレンダーなどで平滑化処理を施す方法により、製造することができる。塗布にあたっては、例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーター、キャストコーターなど、公知の各種コーターを用いることができる。
【0038】
塗工組成物の調製にあたり、顔料、水性バインダー、架橋アミン化合物及び不揮発性物質の添加混合順序は任意であり、特に制限されないが、一般には、架橋アミン化合物と不揮発性物質を含有する樹脂組成物を調製したうえで、顔料及び水性バインダーに配合するのが有利である。より具体的には、液状媒体に架橋アミン化合物及び不揮発性物質が溶解又は分散された樹脂組成物を、顔料及び水性バインダーの混合物に添加混合する方法、上記の樹脂組成物を予め顔料又は水性バインダーに添加混合しておき、これを残りの成分と配合する方法などが採用できる。
【0039】
架橋アミン化合物及び不揮発性物質を含有する樹脂組成物を調製するにあたっても、両者の混合順序は特に制限されない。例えば、予め液状媒体に架橋アミン化合物を分散又は溶解させておき、そこに不揮発性物質を混合する方法、予め液状媒体に不揮発性物質を分散又は溶解させておき、これを架橋アミン化合物に加える方法、架橋アミン化合物及び不揮発性物質をそれぞれ同一又は異なる液状媒体に分散又は溶解させたものを用意し、これらを混合して均一化する方法などによって、架橋アミン化合物及び不揮発性物質を含む樹脂組成物を調製ことができる。操作の簡便さからは、予め液状媒体に架橋アミン化合物を分散又は溶解させておき、そこに不揮発性物質を混合する方法が好ましい。また、架橋アミン化合物と不揮発性物質を混合する際の温度も特に制限されないが、使用する液状媒体への両者の溶解性又は混和性が十分でない場合は、必要により液状媒体が揮発しない程度まで加熱してもよく、逆に、架橋アミン化合物及び不揮発性物質の一方又は双方が液状媒体と溶媒和して激しく発熱するような場合には、凍結しない程度まで冷却してもよい。
【0040】
本発明において、塗工層中の架橋アミン化合物と不揮発性物質の割合は、前者/後者の重量比で、一般には1/99〜90/10の範囲、好ましくは5/95〜70/30の範囲である。したがって、顔料及び水性バインダーを含有する塗工組成物中、あるいは顔料及び水性バインダーと混合する前の樹脂組成物中においても、架橋アミン化合物と不揮発性物質との割合が上記範囲となるようにしておけばよい。
【0041】
また、顔料と水性バインダーの割合は、用途や目的に応じて決定され、当業界で一般に採用されている組成と特に異なるところはない。両者の好ましい組成割合は、顔料100重量部に対し、水性バインダーが1〜200重量部程度、より好ましくは5〜50重量部程度である。架橋アミン化合物及び不揮発性物質は、顔料100重量部に対し、両者の合計量として0.05〜5重量部程度、さらには、0.1重量部以上、また2重量部以下程度存在させるのが有利である。したがって、塗工組成物中でも、各成分をこのような割合で存在させておけばよい。
【0042】
本発明に係る塗工紙の塗工層には、上記の架橋アミン化合物及び不揮発性物質に加えて、他の耐水化剤や印刷適性向上剤などの樹脂成分が必要に応じて存在していてもよい。またその他の成分として、例えば、防腐剤、潤滑剤、保水剤、染料や有色顔料のような着色剤なども、必要に応じて存在させることができる。これらの成分を存在させる場合は、塗工組成物中に配合しておけばよい。この塗工組成物はさらに、取扱い性や塗工適性を調整するために、分散剤、粘度・流動性調整剤、消泡剤などを含有することもできる。
【0043】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。例中、含有量又は使用量を表す%及び部は、特に断らないかぎり重量基準である。また、粘度及びpHは、25℃において測定した値である。
【0044】
合成例1:
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた四つ口フラスコに、N−(2−アミノエチル)ピペラジン92.9g(0.72モル)及びメタノール99.0gを仕込み、内温を45〜55℃に保って、そこへ、ビスフェノールAジグリシジルエーテル105.0g(0.29モル)とアセトン99.0gを予め混合した溶液をゆっくりと滴下した。滴下終了後、内温45〜55℃でさらに4時間反応させ、次いで還流冷却器をリービッヒ冷却器に取り替えた後、アセトン及びメタノールを系外に抜きながら、内温を120℃まで上げた。その後、水243.4gを徐々に加えながら冷却して、不揮発分39.9%、pH12.1、粘度1,898mPa・s(50%濃度品に換算すると約9,000mPa・s)の架橋アミン化合物の水溶液を得た。さらに、この架橋アミン化合物の水溶液80.9g、尿素129.1g及び水106.4gを混合した後、十分に攪拌して、有効成分51%、pH12.3、粘度10.0mPa・sの架橋アミン含有水溶液を得た。これを樹脂成分Aとする。
【0045】
合成例2:
合成例1で用いたのと同様の反応容器に、N−(2−アミノエチル)ピペラジン90.6g(0.70モル)及びメタノール96.5gを仕込み、内温を45〜55℃に保って、そこへ、ビスフェノールAジグリシジルエーテル102.5g(0.31モル)とアセトン96.6gを予め混合した溶液をゆっくり滴下した。滴下終了後、内温45〜55℃でさらに4時間反応させ、次に還流冷却器をリービッヒ冷却器に取り替えた後、アセトン及びメタノールを系外に抜きながら内温を120℃まで上げた。その後、水233.7gを徐々に加えながら冷却して、不揮発分38.7%、pH12.2、粘度560mPa・s(50%濃度品に換算すると約3,000mPa・s)の架橋アミン化合物の水溶液を得た。さらに、この架橋アミン化合物の水溶液129.3g、尿素116.8g及び水81.0gを混合した後、十分に攪拌して、有効成分51%、pH12.0、粘度17.5mPa・sの架橋アミン含有水溶液を得た。これを樹脂成分Bとする。
【0046】
実施例1及び2並びに対照1及び2:
これらの例では、表1に示す組成で、固形分濃度64.5%の水系マスターカラーを用いた。
【0047】
【表1】
【0048】
(表1の脚注)
*1 顔料: ウルトラホワイト90(米国エンゲルハードミネラルズ社製のクレー)60部とカービタル90(富士カオリン(株)製の炭酸カルシウム)40部の割合。
*2 分散剤: 市販のポリアクリル酸系顔料分散剤。
*3 水性バインダー: 市販のスチレン−ブタジエン系ラテックス11部と市販の酸化でんぷん4部の割合。
【0049】
表1に示すマスターカラーへ、その中の顔料100部あたり、実施例1及び2では、上記の合成例で得た樹脂成分A又はBをそれぞれ固形分量として0.2部添加し、対照1では、特開昭 55−31837 号公報(= USP 4,246,153 )の実施例3に記載される方法に準じて製造された有効成分50%の熱硬化性ポリアミドポリ尿素ホルムアルデヒド樹脂水溶液(表中では「PAPU」と略す)を固形分量として0.6部添加し、そして対照2では、表1のマスターカラーをそのまま用いた。それぞれの混合物につき、水と10%苛性ソーダ水溶液を用いて濃度及びpHを調整し、総固形分64%の塗工組成物とした。こうして得られたそれぞれの塗工組成物を、米坪量80g/m2の上質紙の片面に、ワイヤーロッドを用いて塗工量が14g/m2となるように塗布した。塗布後ただちに、120℃にて30秒間熱風乾燥し、次いで温度20℃、相対湿度65%にて16時間調湿し、さらに温度60℃、線圧60kg/cmの条件で2回スーパーカレンダー処理を施して、塗工紙を得た。得られたそれぞれの塗工紙について、以下の方法で物性を評価し、その結果を表2に示した。
【0050】
(1) 耐水性:ウェットピック法(WP法)
RI試験機(明製作所製)を使用し、塗工面を給水ロールで湿潤させた後に印刷し、紙むけ状態を肉眼で観察して判定した。判定基準は次のように行った。
耐水性 (劣)1〜5(優)
【0051】
(2) インキ受理性
(2−1) A 法
RI試験機を使用して、塗工面を給水ロールで湿潤させた後に印刷し、インキの受理性を肉眼で観察して判定した。判定基準は次のように行った。
インキ受理性 (劣)1〜5(優)
【0052】
(2−2) B 法
RI試験機を使用して、金属ロールとゴムロールの間にわずかな間隙をあけ、その間隙に水を注いだ後速やかに印刷し、インキの受理性を肉眼で観察して判定した。判定基準は次のように行った。
インキ受理性 (劣)1〜5(優)
【0053】
(3) 白紙光沢度Gw
デジタル光度計“GM−26D”(村上色彩技術研究所製)を用い、75°−75°の反射角における塗工紙の正反射光量(%)を求めた。
【0054】
(4) 印刷光沢度Gp
RI試験機を使用して紅インキで2回重色印刷を行い、この印刷面について、上記(3) で用いたのと同じデジタル光度計“GM−26D”を用い、60°−60°の反射角における正反射光量(%)を求めた。数値が大きいほど印刷光沢に優れることを意味する。
【0055】
(5) 光沢度差ΔG
印刷光沢度Gp と白紙光沢度Gw との差Gp−Gwを光沢度差ΔGとした。ΔGが大きいほど、印刷部分と印刷部分の光沢差が大きく、コントラクストに富んだ印刷が可能となる。
【0056】
【表2】
【0057】
表2から明らかなように、塗工層中に樹脂成分を含有しない対照2、公知のポリアミドポリ尿素ホルムアルデヒド樹脂を含有する対照1、並びに本発明に従って架橋アミン化合物と不揮発性物質を含有する実施例1及び2のいずれも、白紙光沢度についてはほとんど差がない。一方、印刷光沢度については、塗工層中に樹脂成分を含有しない対照2に比べ、公知のポリアミドポリ尿素ホルムアルデヒド樹脂を含有する対照1では下がりぎみであり、したがって印刷光沢度と白紙光沢度の差ΔGが小さくなっている。これに対し、本発明に従って塗工層中に架橋アミン化合物と不揮発性物質を含有する実施例1及び2では、対照2に比べても印刷光沢度が向上しており、したがってΔGも一層大きくなっている。また実施例1及び2では、インキ受理性も顕著に向上している。
【0058】
【発明の効果】
本発明の塗工紙は、塗工層を構成する樹脂成分中にホルムアルデヒド由来物を含む必要がないので、樹脂成分に由来するホルムアルデヒドの発生がない。またこの塗工紙は、インキ受理性及び耐水性に優れるとともに、樹脂成分を含有しない場合に比べて、印刷光沢の低下が少ないか、ないしは印刷光沢もむしろ向上するなど、種々の優れた効果を奏するものである。
Claims (4)
- 紙基体及びその表面に設けられた塗工層からなり、該塗工層が、顔料、水性バインダー、脂肪族アミンと分子内にグリシジル基を少なくとも2個有するグリシジル化合物との反応生成物である架橋アミン化合物、並びに、尿素、メチル尿素、ジメチル尿素、チオ尿素、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン及び1−(2−アミノエチル)−2−イミダゾリジノンからなる群から選ばれる少なくとも1種の非重合体の不揮発性物質を含有することを特徴とする塗工紙。
- 脂肪族アミンが複素環アミンである請求項1記載の塗工紙。
- 複素環アミンが、複素環を構成する2級又は3級アミノ基のほかに1級アミノ基を少なくとも1個有する請求項2記載の塗工紙。
- グリシジル化合物が芳香族グリシジルエーテルである請求項1〜3のいずれかに記載の塗工紙。
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