JP2864738B2 - 紙用塗工組成物 - Google Patents
紙用塗工組成物Info
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Description
ものであり、特に、紙に対して優れた印刷適性および印
刷効果を付与することができる紙用塗工組成物を提供し
ようとするものである。
組成物を紙に塗布し、乾燥、カレンダー処理などの必要
な工程を施して得られる塗工紙は、その優れた印刷効果
などの特長から、商業印刷物や雑誌・書籍などに広く用
いられているが、品質要求の高度化、印刷の高速化など
に伴って、塗工紙の品質改良努力が今もなお続けられて
いる。とりわけ印刷の多くを占めるオフセット印刷にお
いては、しめし水の影響下でのインキ受理性、ウエット
ピックやウエットラブなどの耐水性、輪転印刷での耐ブ
リスター性の改良・向上が業界の重要な課題となってい
る。
−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹
脂、またはポリアミドポリ尿素−ホルムアルデヒド樹
脂、例えば特公昭 44-11667 号公報や特公昭 59-32597
号公報等に示されるような耐水化剤や印刷適性向上剤な
どを添加する手法が知られている。
向上剤などは、いずれも有効な特性を有する反面、一部
の特性において重大な欠点ないしは効果の不十分さが認
められることから、実用上必ずしも満足しうるものでは
なかった。
や尿素−ホルムアルデヒド樹脂などのアミノプラスト樹
脂は、作業時の、あるいは塗工紙からのホルムアルデヒ
ドの発生が多いのみならず、インキ受理性や耐ブリスタ
ー性の改良効果がほとんど得られず、また塗工組成物の
pHが高くなると耐水化効果も発揮しにくくなるといっ
た問題がある。
脂は、耐水性の向上と同時にインキ受理性および耐ブリ
スター性の向上に有効ではあるが、それらの向上度合
は、近年の塗工紙品質の高度化要求に対して必ずしも充
分なものとはいいがたかった。そこで、一層の品質向上
に向けた努力がなされており、例えば特開昭 62-125093
号公報などには、さらに改良された紙用塗工組成物が開
示されている。しかし、その後の塗工紙品質に対する要
求の高度化に伴い、より一層の高性能化が必要となって
きている。
対して高度の耐水性、インキ受理性などを付与するとと
もに、特に従来の技術では得られにくかった高い耐ブリ
スター性が付与できる紙用塗工組成物を提供することに
ある。
意研究を行った結果、特定の水溶性樹脂を含有する紙用
塗工組成物が優れた性能を発揮することを見出し、本発
明を完成した。
アミン(a1)と尿素類(a2)との縮合反応物(a) に、メラミ
ン−ホルムアルデヒド樹脂(b) を反応させて得られる水
溶性樹脂(A) を含む樹脂成分を含有する紙用塗工組成物
を提供する。本発明における樹脂成分(III) は、水溶性
樹脂(A) に加えて、ポリアルキレンポリアミン(c) およ
び/またはポリアルキレンポリアミンと4級化剤との反
応生成物(d) 〔以下、これらポリアルキレンポリアミン
(c) および/または反応生成物(d) をポリアミン(B) と
呼称する〕を含有することができる。また本発明におけ
る樹脂成分(III) は、水溶性樹脂(A) に、さらにポリア
ミン(B) を反応させて得られる生成物(C) であってもよ
い。
る。
の原料となるアルキレンジアミンまたはポリアルキレン
ポリアミン(a1)としては、例えば、エチレンジアミン、
プロピレンジアミンなどの脂肪族ジアミン類、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレ
ンペンタミン、イミノビスプロピルアミン、3−アザヘ
キサン−1,6−ジアミン、4,7−ジアザデカン−
1,10−ジアミンなどのポリアルキレンポリアミン類
が挙げられる。これらのなかでは、ジエチレントリアミ
ンおよびトリエチレンテトラミンが工業的に有利であ
る。これらのアルキレンジアミンまたはポリアルキレン
ポリアミン(a1)は、それぞれ単独で用いることもできる
し、また二種以上の混合物として用いることもできる。
素、グアニル尿素、メチル尿素、ジメチル尿素などを挙
げることができる。工業的見地からは、尿素が好ましく
用いられる。
の原料となるメラミン−ホルムアルデヒド樹脂(b) は、
例えば米国特許第 2,197,357号に記載されているような
公知の方法によって製造することができる。
レンジアミンまたはポリアルキレンポリアミン(a1)と尿
素類(a2)との縮合反応物(a) に、メラミン−ホルムアル
デヒド樹脂(b) を反応させることにより得られる。
ポリアミン(a1)と尿素類(a2)との縮合反応は、通常10
0〜180℃程度、好ましくは110〜160℃程度の
温度で、発生するアンモニアを系外に除去しながら、1
〜6時間程度実施される。尿素類(a2)の使用量は、アル
キレンジアミンまたはポリアルキレンポリアミン(a1)の
1級および2級アミノ基1モルに対して、 0.5〜1モル
が好ましい。この際、尿素類(a2)の一部を、アルキレン
ジアミンまたはポリアルキレンポリアミン(a1)と120
〜180℃、好ましくは140〜160℃で反応させて
一次の脱アンモニアを行ったあと、残りの尿素類(a2)を
加え、さらに100〜180℃、好ましくは110〜1
60℃で反応させて二次の脱アンモニアを行うといった
ように、反応を2段階で実施することもできる。
にメラミン−ホルムアルデヒド樹脂(b) と反応させるこ
とにより、水溶性樹脂(A) が得られる。縮合反応物(a)
とメラミン−ホルムアルデヒド樹脂(b) との反応は、好
ましくは両者の合計濃度が約20〜80重量%程度、よ
り好ましくは30〜70重量%程度の水溶液中で行われ
る。この反応は、好ましくは酸、例えば塩酸、硫酸、リ
ン酸、ギ酸、酢酸などによりpHを7以下、より好まし
くはpH2〜6に調整したあと、40〜80℃程度で1
〜10時間程度実施される。メラミン−ホルムアルデヒ
ド樹脂(b) の使用量は、縮合反応物(a) 1モルに対し、
メラミン核基準で0.02〜2モル程度が好ましく、より好
ましくは 0.1〜1モルである。
や苛性カリなどを用いて、pH6〜10に調整すること
により、本発明で用いる水溶性樹脂(A) が得られる。こ
の水溶性樹脂(A) は水溶液の状態で得られ、好ましくは
60%水溶液の25℃における粘度が50〜1000cp
s であり、かつpHが6〜10である。
性バインダー(II)、および以上説明した水溶性樹脂(A)
を含む樹脂成分(III) を含有するものであり、ここで樹
脂成分(III) は、水溶性樹脂(A) 単独でもよいし、他の
成分を含んでもよいし、また水溶性樹脂(A) をさらに他
の成分と反応させたものであってもよい。例えば、水溶
性樹脂(A) に加えて、さらにポリアルキレンポリアミン
(c) および/またはポリアルキレンポリアミンと4級化
剤との反応生成物(d) 〔前述の如く、ポリアミン(B) と
呼称する〕を含有するのも有効である。また、上記水溶
性樹脂(A) にさらにポリアミン(B) を反応させて得られ
る生成物(C) を、樹脂成分(III) として用いるのも有効
である。
応原料となるポリアルキレンポリアミンとは、分子中に
2個の1級アミノ基および少なくとも1個の2級アミノ
基を有する化合物であり、具体的には例えば、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレ
ンペンタミン、イミノビスプロピルアミン、3−アザヘ
キサン−1,6−ジアミン、4,7−ジアザデカン−
1,10−ジアミンなどが挙げられる。
ンポリアミンと反応させられる4級化剤としては、以下
のような各種のものが使用できる。
度)、低級アルケニル基(例えば炭素数2〜6程度)、
ベンジル基またはフェノキシエチル基を表し、Xはハロ
ゲン原子を表す〕で示されるハロゲン含有化合物。好ま
しい例としては例えば、塩化メチル、塩化エチル、塩化
プロピル、塩化アリル、塩化ベンジル、塩化フェノキシ
エチル、ならびにこれら塩化物に対応する臭化物および
沃化物が挙げられる。
度)を表し、vは1また2を表す〕で示されるジアルキ
ルサルファイトおよびジアルキルサルフェート。好まし
い例としては、ジメチルサルフェート、ジエチルサルフ
ェート、ジメチルサルファイト、ジエチルサルファイト
などが挙げられる。
(例えば炭素数1〜6程度)、ヒドロキシ低級アルキル
基(例えば炭素数1〜6程度)またはフェニル基を表
す〕で示されるエチレンオキサイド誘導体。好ましい例
としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、グリシ
ドールなどが挙げられる。
1、2または3を表す〕で示されるエピハロヒドリン。
好ましい例としては、エピクロロヒドリン、エピブロモ
ヒドリンなどが挙げられる。
を表す〕で示されるモノハロヒドリン。好ましい例とし
ては、エチレンクロロヒドリン、エチレンブロモヒドリ
ンなどが挙げられる。
びZの一方はハロゲン原子、他方は水酸基を表す〕で示
されるジハロヒドリン。好ましい例としては、1,3−
ジクロロ−2−プロパノール、2,3−ジクロロ−1−
プロパノールなどが挙げられる。
ものとしてエピクロロヒドリンが挙げられる。以上のよ
うな4級化剤となる化合物は、それぞれ単独で、あるい
は2種以上混合して使用することができる。
ポリアミン(c) だけを用いてもよいし、ポリアルキレン
ポリアミンと4級化剤との反応生成物(d) だけを用いて
もよいし、またポリアルキレンポリアミン(c) と反応生
成物(d) を同時に用いてもよい。
ば、カオリン、タルク、炭酸カルシウム(重質または軽
質)、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、酸化チタ
ンなどの白色無機顔料、およびポリスチレン、メラミン
−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂
などの白色有機合成顔料が挙げられ、これらをそれぞれ
単独で、あるいは2種以上混合して用いることができ
る。またさらには、有色の無機または有機顔料を併用す
ることもできる。
は、例えば、酸化でんぷん、リン酸エステル化でんぷ
ん、ポリビニルアルコール、カゼイン、ゼラチン、カル
ボキシメチルセルロースなどの水溶性バインダーや、ス
チレン−ブタジエン系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン
−酢酸ビニル樹脂、メチルメタクリレート樹脂などの水
乳化系バインダーが挙げられ、これらをそれぞれ単独
で、あるいは2種以上混合して用いることができる。
い組成割合は、顔料(I) 100重量部に対し、水性バイ
ンダー(II)5〜200重量部、より好ましくは10〜5
0重量部、樹脂成分(III) 0.05〜5重量部、より好まし
くは 0.1〜2重量部である。ここでいう樹脂成分(III)
の量は、水溶性樹脂(A) を単独で用いる場合、水溶性樹
脂(A) とポリアミン(B) の両者を用いる場合、および水
溶性樹脂(A) にさらにポリアミン(B) を反応させて得ら
れる生成物(C) を用いる場合のいずれにもあてはまる。
は紙用塗工組成物を調製する際に添加混合されるが、予
め顔料スラリーまたは水性バインダーに添加混合してお
き、これを残りの成分と配合する態様を採用しても、本
発明の効果を達成することができる。
分として例えば、分散剤、粘度・流動性調整剤、消泡
剤、防腐剤、潤滑剤、保水剤や、染料・有色顔料等の着
色剤などを、必要に応じて配合することができる。
の方法、例えばブレードコーター、エアーナイフコータ
ー、バーコーター、サイズプレスコーター、ゲートロー
ルコーター、キャストコーターなど通常用いられている
方法で、紙基体上に塗布される。そのあと必要な乾燥を
行い、さらに必要に応じてスーパーカレンダーなどで平
滑化処理を施すことにより、塗工紙を製造することがで
きる。
広義の意味であり、狭義の意味でいう紙および板紙を包
含する。
さらに詳細に説明する。文中の%は、特にことわりがな
い限り重量基準である。また粘度は、25℃における値
である。
コに、トリエチレンテトラミン 146.2g(1.0モル) と尿
素 180.2g(3.0モル) を仕込み、内温120〜140℃
で2時間加熱して脱アンモニア反応を行った。そのあ
と、水 191.1gを加えて樹脂水溶液とした。さらに、メ
ラミン1モルに対しホルムアルデヒド 3.3モルを用いて
調製した75%メラミン樹脂水溶液75.8g(0.25モル)
を加え、70%硫酸で系のpHを 4.0に調整し、70℃
で4時間反応させた。そのあと、苛性ソーダ水溶液でp
Hを 7.0に調整し、濃度60%、粘度340cps の水溶
性樹脂の水溶液を得た。
トリエチレンテトラミン14.6g(0.1モル) と水 9.7gを
加え、濃度60%、粘度330cps 、pH 8.0の水溶性
樹脂の水溶液を得た。
ミン43.9g(0.3モル) と水 140.3gを仕込み、内温を5
0℃以下に保ったままさらにエピクロロヒドリン 166.6
g(1.8モル) を滴下した。そのあと、参考例1と同様に
して得られた樹脂水溶液 525.2gを加え、50℃で1時
間反応させて、濃度60%、粘度300cps 、pH 6.5
の水溶性樹脂の水溶液を得た。
コに、トリエチレンテトラミン 146.2g(1.0モル) と尿
素30.0g(0.5モル) を仕込み、内温140〜160℃で
3.5時間加熱して脱アンモニア反応を行った。そのあ
と、アジピン酸73.1g(0.5モル) を仕込み、内温を15
0〜160℃に保って、5時間脱アミド化反応を行っ
た。次いで内温を130℃に下げ、尿素 120.1g(2.0モ
ル) を仕込み、120〜130℃で2時間脱アンモニア
反応を行った。そのあと水 284.5gを加えて樹脂水溶液
とした。さらに37%ホルマリン69.0g( 0.75モル) を
仕込み、70%硫酸で系のpHを4〜5に調整し、内温
70℃で4時間反応させた。そのあと苛性ソーダ水溶液
でpHを 6.5に調整し、濃度50%、粘度140cps の
樹脂水溶液を得た。
溶液を用いて、第一表に示した配合による紙用塗工組成
物を調製した。
0%、pHが約 9.0となるように、各々水と10%苛性
ソーダ水溶液で調整したあと、ワイヤーロッドを用い
て、米坪量80g/m2である上質紙の片面または両面
に、塗工量が14g/m2となるよう塗布した。塗布後
ただちに120℃にて30秒間熱風乾燥し、次いで温度
20℃、相対湿度65%にて16時間調湿し、さらに温
度60℃、線圧60kg/cmの条件で2回スーパーカレン
ダー処理をして、塗工紙を得た。
理性および耐ブリスター性の試験に供した。試験結果を
第二表に示した。なお、試験方法は以下のとおりであ
る。
し、指先で7回摩擦し、溶出分を黒紙に移行させて、溶
出量を肉眼で判定した。判定基準は次のように行った。 耐水性 (劣)1〜5(優) (ロ) ウエットピック法 RI試験機(明製作所)を使用し、コート面を給水ロー
ルで湿潤させたあと印刷し、紙むけ状態を肉眼で観察し
て判定した。判定基準は次のように行った。 耐水性 (劣)1〜5(優)
あとに印刷し、インキの受理性を肉眼で観察して判定し
た。判定基準は次のように行った。 インキ受理性 (劣)1〜5(優) (ロ) B 法 RI試験機を使用してインキに水を練り込みながら印刷
し、インキ受理性を肉眼で観察して判定した。判定基準
は次のように行った。 インキ受理性 (劣)1〜5(優)
して両面塗工紙に両面印刷を行い、調湿後、加熱したシ
リコーンオイル浴中に浸し、ブリスターの発生量を肉眼
で判定した。判定基準は次のように行った。 耐ブリスター性 (劣)1〜5(優)
工紙は、インキ受理性および耐水性に優れ、また特に耐
ブリスター性にも優れ、さらにはホルムアルデヒド臭の
発生がほとんどないなど、種々の優れた有効な特性を有
する。
Claims (3)
- 【請求項1】(I) 顔料、 (II) 水性バインダー、および (III) アルキレンジアミンまたはポリアルキレンポリア
ミン(a1)と尿素類(a2)との縮合反応物(a) に、メラミン
−ホルムアルデヒド樹脂(b) を反応させて得られる水溶
性樹脂(A) を含む樹脂成分 を含有することを特徴とする紙用塗工組成物。 - 【請求項2】樹脂成分(III) がさらに、ポリアルキレン
ポリアミン(c) およびポリアルキレンポリアミンと4級
化剤との反応生成物(d) から選ばれるポリアミン(B) を
含有する請求項1記載の紙用塗工組成物。 - 【請求項3】樹脂成分(III) が、水溶性樹脂(A) に、さ
らにポリアルキレンポリアミン(c) およびポリアルキレ
ンポリアミンと4級化剤との反応生成物(d) から選ばれ
るポリアミン(B) を反応させて得られる生成物(C) であ
る請求項1記載の紙用塗工組成物。
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1990
- 1990-12-05 JP JP40048190A patent/JP2864738B2/ja not_active Expired - Fee Related
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