JP2617309B2 - 紙用印刷適性向上剤及び塗工組成物 - Google Patents

紙用印刷適性向上剤及び塗工組成物

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JP2617309B2
JP2617309B2 JP62098536A JP9853687A JP2617309B2 JP 2617309 B2 JP2617309 B2 JP 2617309B2 JP 62098536 A JP62098536 A JP 62098536A JP 9853687 A JP9853687 A JP 9853687A JP 2617309 B2 JP2617309 B2 JP 2617309B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は紙用印刷適性向上剤及び紙用塗工組成物に係
り、さらに詳しくは印刷用塗工紙の塗工組成物の性能を
改善するようにしたものに関する。
従来の技術 印刷用紙には新聞紙のような未塗工紙も用いられてい
るが、美麗な印刷を行なうために塗工紙も多く用いられ
ている。この塗工紙は抄き上げた紙にクレー、炭酸カル
シウム等の顔料、ラテックス、澱粉等の接着剤から主と
してなる塗工組成物を塗工したものである。
ところで、近年、印刷はその生産性を向上させるため
により高速になり、その印刷画質も例えば写真のような
高度なものが要求されることにより、精密になり、さら
には色調に対する要求も高度化して多色化が図られるに
つれて、印刷用塗工紙に対して益々高度な性能が求めら
れている。これらの性能には例えば印刷時のインキの付
着状態を示すインキ受理性が一般的なものとして挙げら
れるが、さらにオフセット印刷では湿し水に対する耐水
性が特に要求される。
このような印刷時に必要な性能を紙に付与するため
に、例えばメラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホ
ルムアルデヒド樹脂もしくはポリアミド−尿素−ホルム
アルデヒド樹脂等のホルムアルデヒド系樹脂、あるいは
ポリアミド−エピハロヒドリン樹脂、ポリアミド−尿素
−エピハロヒドリン樹脂、ポリアミド−尿素−ホルムア
ルデヒド−エピハロヒドリン樹脂及びポリアミン−エピ
ハロヒドリン樹脂などの如きカチオン性エポキシ変性樹
脂を併用した塗工組成物がすでに知られている。
ところで、このような樹脂を併用した塗工組成物に対
しても上記のような表面性能を付与できるような品質の
向上、塗布層の乾燥エネルギーコストの低減、さにらは
塗工速度を向上して生産性を向上させる等流動性に優れ
た作業性の良い、いわゆる高濃度低粘度塗工組成物の開
発が望まれている。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上記のような樹脂を用いた塗工組成
物、例えば特公昭46-7607号公報、特開昭61-123633号公
報に開示されているポリアミドポリアミン樹脂とエピク
ロロヒドリンからなる樹脂を用いた塗工組成物、特公昭
53-44567号公報に開示されている樹脂族アミンとエピハ
ロヒドリンの反応物を用いた塗工組成物、特開昭61-552
86号公報に開示されているポリアルキレンポリアミン、
あるいはアルキレンジアミンとエピハロヒドリンの反応
物を用いた塗工組成物、特開昭61-195124号公報に開示
されている特定のモノアミンとエピハロヒドリンの反応
物を用いた塗工組成物等アミン化合物とエピハロヒドリ
ンの化合物を用いた塗工組成物あるいは特開昭61-25239
6号公報に開示されている上記と同類の系の化合物をさ
らに4級化した化合物を用いた塗工組成物は、pHが高い
状態(例えばpH10以上)では使用できるが、通常用いら
れているpH9を中心とした領域では高濃度になるほど増
粘の程度が著しくなり、通常の塗工手段では高濃度塗工
を行うことができなかった。
また、特公昭61-58599号公報に開示されているように
カチオン性有機化合物と、スチレンと、例えばアクリル
酸からなるアニオン性化合物とを併用した塗工組成物も
提案されているが、これも通常用いられているpH9を中
心とした領域では上記のように増粘し、高濃度塗工を十
分には行なえなかった。
そこで、本発明者等は、特開昭61-281127号公報でポ
リアミドポリアミン及び/又はポリ尿素ポリアミドと尿
素の脱アンモニア反応物、ホルマリン及びエピハロヒド
リンからなる反応生成物に亜硫酸水素ナトリウム等のア
ニオン化剤を反応させて得た樹脂を用いた塗工組成物に
ついて提案し、これは流動性に優れることを示した。し
かし、インキ受理性、ウェット・ピック抵抗等の印刷適
性についてはまだ改善の余地があった。
問題点を解決するための手段 本発明者等は、前記問題点を解決するために鋭意検討
の結果、インキ受理性及び耐水性に優れることは勿論の
こと、さらに通常用いられているpH9を中心とした領域
でも高濃度低粘度で流動性に優れ、作業性、生産性の良
い紙用塗工剤を見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、アンモニア及び/又は樹脂族ア
ミンのアミン類と、エチレン性カルボン酸類と、エピハ
ロヒドリンの反応生成物であってミカエル反応によって
導入したカルボキシル基を有する三元付加反応生成物を
含有することを特徴とする紙用印刷適性向上剤を提供す
るものである。
また、本発明は、アンモニア及び/又は脂肪族アミン
のアミン類と、エチレン性カルボン酸類と、エピハロヒ
ドリンの反応生成物であってミカエル反応によって導入
したカルボキシル基を有する三元付加反応生成物を含有
する紙用印刷適性向上剤と、顔料と、接着剤を含有し、
塗工紙用に使用されることを特徴とする紙用塗工組成物
を提供するものである。
次に本発明を詳細に説明する。
本発明ではアンモニア及び/又は脂肪族アミンのアミ
ン類が用いられるが、この脂肪族アミンとしては第1ア
ミノ基又は第2アミノ基のいずれかを単数又は複数含有
する化合物であり、例えばメチルアミン、ジメチルアミ
ン、エチルアミン、ジエチルアミン、プロピルアミン、
ブチルアミン、エタノールアミン、ピロリジン、ピペリ
ジン等のモノアミン、エチレンジアミン、ヘキサメチレ
ンジアミン等のジアミン、及びジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、
ペンタエチレヘキサミン、イミノビスプロピルアミン、
メチルイミノビスプロピルアミン等のポリアミン等が例
示され、これは単独または複数用いられる。
また、エチレン性カルボン酸類としては、例えばアク
リル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、
フマル酸、イタコン酸等が例示される。また、ケン化に
より容易にカルボン酸となる上記エチレン性カルボン酸
のエステル類を用い、ケン化してアニオン基を導入する
ようにしても良い。
これらのエチレン性カルボン酸類を用いないアミン−
エピハロヒドリン樹脂を用いて塗工組成物を調製し、塗
工紙を製造した場合には、塗工組成物を増粘させ、塗工
作業性を著しく低下させる。
また、エピハロヒドリンとしては、エピクロロヒドリ
ン、エピブロモヒドリンが例示され、これらは単独又は
複数混合して使用される。
これらアミン類、エチレン性カルボン酸類及びエピハ
ロヒドリンからなる反応生成物は、これらの各成分の反
応順序に制限はなく、アミン類とエチレン性カルボン酸
類とのミカエル反応物にエピハロヒドリンを反応させて
も良く、また、アミン類とエピハロヒドリン反応物にエ
チレン性カルボン酸類を反応させても良く、さらにはア
ミン類、エチレン性カルボン酸類及びエピハロヒドリン
を同時に反応させても良く、いずれの場合もアミノ基と
エチレン基とのミカエル反応によりカルボキシル基が導
入された化合物が生じる。例えばアミン類としてジエチ
レントリアミン、エチレン性カルボン酸としてアクリル
酸、エピハロヒドリンとしてエピクロロヒドリンを用い
た場合、例えば〔I〕〜〔V〕式で示される生成物が考
えられる。
注)〔V〕はエタレン性カルボン酸類とアミン類の塩
を示す。
これらの内、〔I〕、〔II〕、〔III〕が〔IV〕と適
当な割合で混在することが望ましい。
このような化合物を得るには、エチレン性カルボン酸
類の使用する割合は、アンモニア及び/又は脂肪族アミ
ンのアミン類が有する第1アミノ基及び第2アミノ基の
当量数の総和1当量に対し、0.01〜2当量が適当で、こ
れより少ない場合には塗工組成物を増粘させることがあ
り、また、これより多い場合には塗工組成物を増粘させ
ることはないが、インキ受理性及び耐水性を向上する効
果が小さくなることがある。また、エピハロヒドリンの
使用割合は、上記アミン類の有するアミノ基(第1アミ
ノ基、第2アミノ基及び第3アミノ基)の当量数の総和
1当量に対し、0.03〜2当量が適当で、これより少なく
ても、また多くてもインキ受理性及び耐水性を顕著には
向上させることができない。
このようなアミン類とエチレン性カルボン酸類とエピ
ハロヒドリンからなる化合物は、上述した特開昭61-281
127号公報に記載されているポリアミドポリアミン及び
/又はポリ尿素ポリアミドと尿素の脱アンモニア反応
物、ホルマリン及びエピハロヒドリンからなる反応生成
物に亜硫酸塩を反応させて得たものと比べると、塗工組
成物における流動性という点では同じ程度で格別の問題
はないが、インキ受理性及びウェット・ピック抵抗にお
いて後者より格段に優れる。また、特開昭61-195124号
公報に記載されている分子量150以下のモノアミンのう
ちから選ばれた1種類もしくは2種類以上の低分子量の
モノアミンを10モル%以上含有するアミノ化合物とエピ
ハロヒドリンとの反応生成物を用いた塗工組成物と比べ
ると、そのpHが比較的高い場合には優れた流動性を示す
とともに、インキの受理性、ウェットピック抵抗等の印
刷適性についても十分満足できるものである点ではほぼ
同じであるが、塗工組成物のpHが低くなるにつれ後者の
ものはその流動性が悪くなるのに対し、本願発明のもの
にはこの傾向がない。
本発明における紙用印刷適性向上剤は、これのみを用
いて紙用塗工組成物とすることもできるが、他の成分と
ともに用いて紙用塗工組成物とすることが好ましい。他
の成分として接着剤を使用するときは、例えば澱粉、変
性澱粉(酸化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、
酵素変性澱粉、アルファー化澱粉、カチオン化澱粉
等)、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク、酵母タンパ
ク、セルロース誘導体(カルボキシメチルセルロース、
ヒドロキシエチルセルロース等)等の天然高分子化合物
あるいはその誘導体、およびスチレン−ブタジエン系樹
脂、(メタ)アクリレート−ブタジエン系樹脂、(メ
タ)アクリレート系樹脂、ポリビニルアルコール、酢酸
ビニル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、スチレン−(メ
タ)アクリレート系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹
脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂等の合成高分子化合物
が例示される。
また、本発明の紙用塗工組成物に使用される顔料とし
ては、クレー、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸
カルシウム、サチンホワイト、二酸化チタン、水酸化ア
ルミニウム、硫酸バリウム、亜硫酸カルシウム、合成シ
リカ、酸化亜鉛などの無機顔料およびスチレン系ポリマ
ー、尿素系ポリマーなどの有機顔料があり、これらのう
ちの1種類又は2種類以上を混合して使用することがて
きる。
本発明の紙用塗工組成物は、上記の顔料、接着剤のほ
か、分散剤、滑剤、耐水化剤、インキ受理性向上剤、増
粘剤、減粘剤、消泡剤、抑泡剤、防腐剤、防カビ剤、保
水剤、蛍光増白剤、染料、導電剤、キトサン、エポキシ
化合物などの各種助剤も必要に応じて適宜配合すること
ができる。
本発明の紙用塗工組成物を製造するには、例えば顔料
を分散剤とともに水中に分散させ、これに接着剤、さら
に必要に応じて粘度調節剤等の助剤を加え、これに予め
調製しておいた本発明の印刷適性向上剤を加え、攪拌す
る。そしてさらに必要に応じて苛性ソーダ等でpHを調節
して完成させる。しかし、これに限らず顔料以外のもの
を混合しておき、これに顔料を入れて混合しても良い。
この際、顔料を微細化するように混合しても良い。
本発明の紙用塗工組成物は、従来より公知の方法で基
紙上に塗工される。すなわち、ブレードコーター、エア
ーナイフコーター、バーコーター、ロールコーター、サ
イズプレスコーター、ドクトルコーター、ブラシコータ
ー、カーテンコーター、グラビアコーター、キャストコ
ーター、チャンプレックスコーター等通常用いられる方
法で塗工され、オンマシンコーティング、オフマシンコ
ーティングのいずれであっても良い。また、一層塗工で
あっても多層塗工であっても良く、さらに片面塗工、両
面塗工のいずれでも可能である。
塗工後の乾燥は例えば、ガスヒーター、電気ヒータ
ー、蒸気加熱ヒーター、熱風加熱等の通常の方法で行わ
れ、乾燥後は必要に応じてスーパーカレンダー、水カレ
ンダー、グロスカレンダーなどの仕上げ工程によって光
沢を付与することが可能であり、その他一般的な加工手
段はいずれも使用することができる。
本発明による紙用塗工組成物を上記コーターで塗工し
た塗工紙、例えばアート紙は特にインキ受理性、および
耐水性に優れるとともに、その流動性は高濃度かつ比較
的低いpHにおいても良好である。
なおこの紙用塗工組成物はダンボールの表面加工等他
の紙の表面加工等にも使用できる。
実施例 次に本発明を実施例により説明する。
実施例1 温度計、還流冷却器、滴下ロート及び攪拌棒を備えた
四つ口フラスコに水332.9gとトリエチレンテトラミン14
6.2g(1モル、第1アミノ基2当量、第2アミノ基第2
当量)50%ジメチルアミン90.2g(1モル、第2アミノ
基1当量)及び無水マレイン酸98.1g(1当量)を加
え、60℃で1時間攪拌した後、十分攪拌しながらエピク
ロロヒドリン277.6g(3当量)を滴下した。滴下終了後
60℃〜70℃で3時間保持した後、水を加えて固形分50%
の樹脂水溶液である紙用印刷適性向上剤aを得た。
なお、上記各反応成分の使用量の当量数を表1に示
す。
この紙用印刷適性向上剤aを用いて下記に示す配合物
を調製し、さらに固形分濃度が50%となるように水を加
えてから30%水酸化ナトリウム水溶液によりpH12に調整
して紙用塗工組成物を調製した。
ウルトラホワイト90 80部 (米国エンゲルハルト・ミネラルズ社製クレー) サチンホワイト 20部 (白石工業(株)製) JSR-0616 12部 (日本合成ゴム(株)製ラテックス) 王子エースC 6部 (王子コーンスターチ(株)製澱粉) アロンT−40 0.5部 (東亜合成化学工業(株)製分散剤) 印刷適性向上剤a 0.5部 なお、上記の「部」は固形分重量を示す。
この塗工組成物をアプリケータを使用して坪量75g/m2
の原紙に塗工量が約14g/m2となるように片面コートを行
った。その後直ちに100℃で1分間、熱風乾燥器中で乾
燥させてから温度60℃、線圧75Kg/cmなる条件で2回カ
レンダー処理をした。得られた片面塗工紙は20℃、65%
RH(相対湿度)の条件下で24時間コンディショニングを
行った後、その塗工紙のインキ受理性、ウェット・ピッ
ク、ドライ・ピック等のRI印刷適性を測定した。さらに
塗工組成物の粘度についても測定した。
これらの測定結果を表1に示す。各試験方法は次の通
りである。
インキ受理性 RI印刷試験機(明製作所製)を使用し、コート面を給
水ロールで湿潤させたのち印刷をして、インキの受理性
を肉眼で観察し、5を優とし、1を劣として5段階評価
を行った。
ウェット・ピック(耐水性試験) 上記RI印刷試験機を使用し、コート面を給水ロールで
湿潤させたのち印刷をして、紙むけ状態を肉眼で観察
し、5を優とし、1を劣として5段階評価を行なった。
ドライ・ピック(表面強度試験) 上記RI印刷試験機で印刷して、紙むけ状態を肉眼で観
察し、5を優とし、1を劣として5段階評価を行った。
紙用塗工組成物の粘度 B型粘度計(形式:BM型、東京計器製作所製)を用い
て60rpmにて紙用塗工組成物調製直後及び室温で24時間
静置後の紙用塗工組成物の粘度を測定した。なお測定温
度は25℃である。
実施例2 実施例1と同様の反応容器に水504.4gとジエチルトリ
アミン206.4g(2モル、第1アミノ基4当量、第2アミ
ノ基2当量)及び80%アクリル酸90.0g(1当量)を仕
込み、70℃で2時間撹拌した後、50%ジメチルアミン9
0.2g(1モル、第2アミノ基1当量)を加え、十分攪拌
しながらエピクロロヒドリン370.1g(4当量)を滴下し
た。滴下終了後60℃〜70℃で3時間保持した後、水を加
えて固形分50%の樹脂水溶液である紙用印刷適性向上剤
bを得た。
また、この紙用印刷適性向上剤bを紙用印刷適性向上
剤aの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして紙用
塗工組成物を調製し、これを実施例1と同様に基紙に塗
布し、得られた塗工紙について試験した結果を実施例1
と同様に紙用印刷適性向上剤の組成とともに表1に示
す。
実施例3 実施例1と同様の反応容器にテトラエチレンペンタミ
ン189.3g(1モル、第1アミノ基2当量、第2アミノ基
3当量)及びメタアクリル酸8.6g(0.1当量)を加え、1
00〜110℃で2時間攪拌を続けてさらに水571.5gを加え
る。これを20℃に冷却した後28%アンモニア水12.5g
(0.1モル、アンモニア0.1当量)及びエピクロロヒドリ
ン185.1g(2当量)を反応温度が30℃以上にならないよ
うに冷却しながら滴下した。水を加えて固形分30%の樹
脂水溶液である紙用印刷適性向上剤cを得た。
また、この紙用印刷適性向上剤cを紙用印刷適性向上
剤aの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして紙用
塗工組成物を調製し、これを実施例1と同様に基紙に塗
布し、得られた塗工紙について試験した結果を実施例1
と同様に表1に示す。
実施例4 実施例1と同様の反応容器に水284.5g、ピペリジン8
5.2g(1モル、第2アミノ基1当量)、90%モノエタノ
ールアミン67.9g(1モル、第1アミノ基1当量)を仕
込み、十分攪拌しながらエピクロロヒドリン277.6g(3
当量)を滴下した。滴下終了後、イタコン酸13.0g(0.1
当量)を加えて70℃で2時間攪拌した。この後水を加え
て固形分50%の樹脂水溶液である紙用印刷適性向上剤d
を得た。
また、この紙用印刷適性向上剤dを紙用印刷適性向上
剤aの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして紙用
塗工組成物を調製し、これを実施例1と同様に基紙に塗
布し、得られた塗工紙について試験した結果を実施例1
と同様に表1に示す。
実施例5 温度計、還流冷却器、攪拌棒及び2本の滴下ロートを
備えた五つ口フラスコに水245.4g、ペンタエチレヘキサ
ミン232.4g(1モル、第1アミノ基2当量、第2アミノ
基4当量)を仕込み、80%アクリル酸225.1g(2.5当
量)及びエピクロロヒドリン23.1g(0.25当量)を同時
に滴下した。60〜70℃で5時間攪拌した後、水を加えて
固形分50%の樹脂水溶液である紙用印刷適性向上剤eを
得た。
また、この紙用印刷適性向上剤eを紙用印刷適性向上
剤aの代わりに用いた以外は実施例1と同様にして紙用
塗工組成物を調製し、これを実施例1と同様に基紙を塗
布し、得られた塗工紙について試験した結果を実施例1
と同様に表1に示す。
実施例6 脂肪族アミンとしてジエチレントリアミン103.2g(1
モル、第1アミノ基2当量、第2アミノ基1当量)、エ
チレン性カルボン酸として無水マレイン酸196.1g(2当
量)、またエピクロロヒドリン92.5g(1当量)を用い
た以外は実施例1と同様に反応を行い固形分50%の樹脂
水溶液である紙用印刷適性向上剤fを得た。
この紙用印刷適性向上剤fを用いて下記に示す配合物
を調製し、固形分濃度が60重量%になるように水を加
え、さらに30重量%水酸化ナトリウム水溶液によりpH8
の紙用塗工組成物を調製した。
ウルトラホワイト90 95部 (米国エンゲルハルト・ミネラルズ社製クレー) カービタル90 5部 (富士カオリン(株)製炭酸カルシウム) JSR-0692 10部 (日本合成ゴム(株)製ラテックス) 日食MS-4600 5部 (日本食品加工(株)製澱粉) アロンT−40 0.4部 (東亜合成化学工業(株)製分散剤) 印刷適性向上剤f 0.8部 なお、上記の「部」は固形分重量を示す。
この塗工組成物をアプリケータを使用して坪量75g/m2
の原紙に塗工量が約16g/m2となるように片面コートし
た。その後直ちに100℃で1分間、熱風乾燥器中で乾燥
させてから温度50℃、線圧80Kg/cmなる条件で2回カレ
ンダー処理をした。得られた片面塗工紙は20℃、65%RH
(相対湿度)の条件下で24時間コンディショニングを行
った後、その塗工紙のインキ受理性、ウェット・ピッ
ク、ドライ・ピック等のRI印刷適性を測定した。さらに
塗工組成物の粘度についても測定した。その結果を紙用
印刷適性向上剤の組成とともに表2に示す。
実施例7 実施例1と同様の反応容器に水1058.9g、ヘキサメチ
レンジアミン116.2g(1モル、第1アミノ基2当量)及
びジエチレントリアミン103.2g(1モル、第1アミノ基
2当量、第2アミノ基1当量)を仕込み、50℃に保温し
た。十分攪拌しながら50〜60℃でアクリル酸メチル258.
3g(3当量)を投入した後、直ちにエピクロロヒドリン
92.5g(1当量)を滴下した。滴下終了後水酸化ナトリ
ウム20gを加えて60℃〜70℃で3時間保持した後、水を
加えて固形分30%の樹脂水溶液である紙用印刷適性向上
剤gを得た。
また、この紙用印刷適性向上剤gを紙用印刷適性向上
剤fの代わりに用いた以外は実施例6と同様にして紙用
塗工組成物を調製し、これを実施例6と同様に基紙に塗
布し、得られた塗工紙について試験した結果を実施例6
と同様に表2に示す。
実施例8 実施例1と同様の反応容器に水645.7gとジエチレント
リアミン103.2g(1モル、第1アミノ基2当量、第2ア
ミノ基1当量)、テトラエチレントリアミン146.2g(1
モル、第1アミノ基2当量、第2アミノ基2当量)及び
無水マレイン酸490.3g(5当量)を仕込み、70℃で3時
間攪拌した後、エピクロロヒドリン138.8g(1.5当量)
を滴下した。滴下終了後80%アクリル酸180.1g(2当
量)を加えてさらに70℃で3時間攪拌した後、水を加え
て固形分50%の樹脂水溶液である紙用印刷適性向上剤h
を得た。
また、この紙用印刷適性向上剤hを紙用印刷適性向上
剤fの代わりに用いた以外は実施例6と同様にして紙用
塗工組成物を調製し、これを実施例6と同様に基紙に塗
布し、得られた塗工紙について試験した結果を実施例6
と同様に表2に示す。
実施例9 実施例1と同様の反応容器にジエチレントリアミン10
3.2g(1モル、第1アミノ基2当量、第2アミノ基1当
量)及びフマル酸232.1g(2当量)を加え、100〜110℃
で2時間攪拌を続け、水544.7g加えて30℃に冷却した。
エピクロロヒドリン27.8g(0.3当量)を滴下した後、水
を加えて固形分30%の樹脂水溶液である紙用印刷適性向
上剤iを得た。
また、この紙用印刷適性向上剤iを紙用印刷適性向上
剤fの代わりに用いた以外は実施例6と同様にして紙用
塗工組成物を調製し、これを実施例6と同様に基紙に塗
布し、得られた塗工紙について試験した結果を実施例6
と同様に表2に示す。
実施例10 実施例1と同様の反応容器に水136.3g、エチレンジア
ミン60.1g(1モル、第1アミノ基2当量)を加え、エ
ピクロロヒドリン9.3g(0.1当量)を滴下した。さらに8
0%アクリル酸270.1g(3当量)を加えて70℃で2時間
攪拌した後水を加えて固形分50%の樹脂水溶液である紙
用印刷適性向上剤jを得た。
また、この紙用印刷適性向上剤jを紙用印刷適性向上
剤fの代わりに用いた以外は実施例6と同様にして紙用
塗工組成物を調製し、これを実施例6と同様に基紙を塗
布し、得られた塗工紙について試験した結果を実施例6
と同様に表2に示す。
比較例1 実施例1において、無水マレイン酸を使用しなかった
以外は同様にして固形分50%の樹脂水溶液r−1を得
た。
また、この樹脂水溶液r−1を紙用印刷適性向上剤a
の代わりに用いた以外は実施例1と同様にして紙用塗工
組成物を調製し、これを実施例1と同様に基紙に塗布
し、得られた塗工紙について試験した結果をその樹脂の
反応成分の使用量の当量数とともに表1に示す。
比較例2 実施例1と同様の反応容器にジエチレントリアミン20
6.3g(2モル、第1アミノ基4当量、第2アミノ基2当
量)を仕込み、アジピン酸146.2g(1当量)を加えて16
0〜170℃で3時間縮合反応を行い、発生する水を系外に
除去した。ついでこれを120℃まで冷却した後、尿素12
0.1g(2当量)を加えて120〜140℃で3時間脱アンモニ
ア反応を行った。しかるのち、これに水を加えて50%ポ
リアミド尿素の水溶液を得た。次に無水重亜硫酸ナトリ
ウム19.0g(亜硫酸塩0.2当量)、エピクロロヒドリン18
5.1g(2当量)を用いて実施例1と同様に反応を行い固
形分50%の樹脂水溶液r−2を得た。
また、この樹脂水溶液r−2紙用印刷適性向上剤aの
代わりに用いた以外は実施例1と同様にして紙用塗工組
成物を調製し、これを実施例1と同様に基紙に塗布し、
得られた塗工紙について試験した結果を樹脂水溶液の樹
脂の反応成分の使用量の当量数とともに表1に示す。
比較例3 実施例1において、エピノックスP−9007Y(ディッ
ク・ハーキュレス社製ポリアミドポリ尿素系樹脂溶液)
を紙用印刷適性向上剤aの代わりに用いた以外は同様に
して紙用塗工組成物を調製し、これを実施例1と同様に
基紙に塗布し、得られた塗工紙について試験した結果を
表1に示す。
比較例4 実施例1において、紙用印刷適性向上剤を使用しない
以外は同様にして紙用塗工組成物を調製し、これを実施
例1と同様に基紙に塗布し、得られた塗工紙について試
験した結果を表1に示す。
比較例5 実施例6において、無水マレイン酸を使用しなかった
以外は同様にして固形分50%の樹脂水溶液であるr−3
を得た。
また、この樹脂水溶液r−3を紙用印刷適性向上剤f
の代わりに用いた以外は実施例6と同様にして紙用塗工
組成物を調製し、これを実施例6と同様に基紙に塗布
し、得られた塗工紙について試験した結果をその樹脂の
反応成分の使用量の当量数とともに表2に示す。
比較例6 実施例6において、エピノックスP−9007Y(ディッ
ク・ハーキュレス社製ポリアミドポリ尿素系樹脂溶液)
を紙用印刷適性向上剤fの代わりに用いた以外は同様に
して紙用塗工組成物を調製し、これを実施例6と同様に
基紙に塗布し、得られた塗工紙について試験した結果を
表2に示す。
比較例7 実施例6において、紙用印刷適性向上剤fを使用しな
い以外は同様にして紙用塗工組成物を調製し、これを実
施例6と同様に基紙に塗布し、得られた塗工紙について
試験した結果を表2に示す。
上記結果より、実施例のものはいずれもその粘度から
みれば,塗工する際の流動性を備え、その粘度の経時変
化も少なく安定性に優れるのみならず、インキ受理性や
ウェット・ピック抵抗、ドライ・ピック抵抗にも優れて
いることがわかる。これに比べ、無水マレイン酸の導入
されていないポリアミン−エピハロヒドリン樹脂(比較
例1、比較例5の樹脂)はpHの比較的低い塗工組成物は
勿論のこと、pHの高い塗工組成物においても、特に例え
ば顔料としての安定性の乏しいサチンホワイトを多く含
むような場合において著しい増粘を起こし、塗工は不可
能であり、また、ポリアミドポリアミン−尿素−エピハ
ロヒドリン−アニオン化剤反応生成物(比較例2の樹
脂)は塗工組成物の流動性には優れるが、インキ受理性
及びウェット・ピック抵抗は不十分であることがわか
る。
発明の効果 以上説明したように、本発明によれば、アンモニア及
び又は脂肪族アミン、エチレン性カルボン酸及びエピハ
ロヒドリンの反応生成物であってミカエル反応によって
導入したカルボキシル基を有する三元付加反応生成物を
紙用印刷適性向上剤として供給できるので、これを配合
した紙用塗工組成物を使用することにより塗工紙の表面
強度を維持しながら、インキ受理性、耐水性が向上し、
特に湿し水を使用するオフセット印刷に好適となるとと
もに、この紙用塗工組成物の流動性を比較的低いpH領域
においても良くすることができ、高濃度塗工組成物を作
ることを可能にする。このようにして塗工紙の表面に優
れた印刷適性を付与することができるとともに、その塗
工効率を高め、乾燥エネルギーコストを低減して、生産
性及びコストダウンの向上に寄与することができる。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アンモニア及び/又は脂肪族アミンのアミ
    ン類と、エチレン性カルボン酸類と、エピハロヒドリン
    の反応生成物であってミカエル反応によって導入したカ
    ルボキシル基を有する三元付加反応生成物を含有するこ
    とを特徴とする紙用印刷適性向上剤。
  2. 【請求項2】エチレン性カルボン酸類がアミン類の有す
    る第1アミノ基、第2アミノ基の当量数の総和1当量に
    対し0.01〜2当量であることを特徴とする特許請求の範
    囲第1項記載の紙用印刷適性向上剤。
  3. 【請求項3】エピハロヒドリンがアミン類の有する第1
    アミノ基、第2アミノ基及び第3アミノ基の当量数の総
    和1当量に対し0.03〜2当量であることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項記載の紙用印刷適性向上剤。
  4. 【請求項4】アンモニア及び/又は脂肪族アミンのアミ
    ン類と、エチレン性カルボン酸類と、エピハロヒドリン
    の反応生成物であってミカエル反応によって導入したカ
    ルボキシル基を有する三元付加反応生成物を含有する紙
    用印刷適性向上剤と、顔料と、接着剤を含有し、塗工紙
    用に使用されることを特徴とする紙用塗工組成物。
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