JP3237247B2 - 紙塗工用樹脂および紙塗工用組成物 - Google Patents

紙塗工用樹脂および紙塗工用組成物

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JP3237247B2 JP32900892A JP32900892A JP3237247B2 JP 3237247 B2 JP3237247 B2 JP 3237247B2 JP 32900892 A JP32900892 A JP 32900892A JP 32900892 A JP32900892 A JP 32900892A JP 3237247 B2 JP3237247 B2 JP 3237247B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、塗工紙のインキ受理
性、耐水性、耐ブリスター性およびドライピックの4性
能をバランスよく向上させる紙塗工用樹脂およびそれを
含有した紙塗工用組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】印刷用紙として広く用いられている塗工
紙は、従来より原紙にクレー、炭酸カルシウム等の顔料
やラテックス、澱粉等の接着剤を主成分とする組成物を
塗工することによって製造されている。近年、高速化・
精密化・多色化等に代表される印刷技術の目ざましい進
歩に伴なって、この塗工紙にもより高度な印刷適性が要
求されるようになってきた。特に印刷時のインキの着肉
状態を示すインキ受理性、オフセット印刷時のドライピ
ックと湿し水に対する耐水性、およびオフセット輪転印
刷におけるインキ乾燥の際に要求される耐ブリスター性
の向上が強く要求されている。
【0003】これに応えて従来、印刷時に必要な上記諸
性能を付与するための印刷適性向上剤として、ポリアル
キレンポリアミン−尿素−アルデヒド樹脂、ポリアミド
−尿素−アルデヒド樹脂、アミン−エピハロヒドリン樹
脂等を使用することが開発され、また、上記樹脂に脂環
式化合物、アルキル化剤を導入することでさらに優れた
樹脂が開発されてきた(特公昭44−11667号、特
開昭51−121041号、特公昭56−28929
号、特公昭59−32597号、特公昭61−4293
1号、特開昭61−281127号、特開昭62−10
1621号、特開平1−77696号、特開平2−21
6297号)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の従来技術はいずれも、インキ受理性、耐水性、耐ブリ
スター性およびドライピックの4性能をバランスよく向
上せしめる点については十分ではなく、例えば、インキ
受理性を著しく向上させるものはドライピックの低下が
大きく、逆にドライピックの低下を抑えるよう工夫され
たものはインキ受理性向上効果が不十分であったため、
より優れた樹脂の開発が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意検討の結果、ポリアルキレンポリア
ミン−尿素類(−脂環式アミシ化合物又は/および脂環
式エポキシ化合物)(−二塩基性カルボン酸系化合物)
(−アルキル化剤)−ホルムアルデヒド又は/及びジア
ルデヒドの1種又は2種以上の樹脂にカーボネート類を
導入することにより目的が達成できることを見いだし本
発明に到達した。
【0006】すなわち、本発明は、ポリアルキレンポリ
アミンと、カーボネート類と、尿素類と、ホルムアルデ
ヒド又は/及びジアルデヒド類の1種または2種以上
と、必要により脂環式アミノ化合物、脂環式エポキシ化
合物、二塩基性カルボン酸系化合物、アルキル化剤から
選ばれる少なくとも1種以上との反応生成物からなる紙
塗工用樹脂、並びにこれらを含有する紙塗工用組成物を
提供するものである。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられるポリアルキレンポリアミンとしては、分子中
に少なくとも2個の第一アミノ基と少なくとも1個の第
二アミノ基とを有する化合物が好ましい。その代表的な
例を挙げると、ポリエチレンポリアミン、ポリプロピレ
ンポリアミン、ポリブチレンポリアミン等であるが、そ
のうちでもポリエチレンポリアミンが好ましく、さらに
好ましくはジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、テトラエチレンペンタミンである。
【0008】これらポリアルキレンポリアミンは1種類
のみでもよく、また、2種類以上の併用でもよい。ま
た、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメ
チレンジアミン等のジアミンやジメチルアミン、モノエ
タノールアミン、ベンジルアミン等のモノアミンをポリ
アルキレンポリアミン100モルに対して60モル以下
の範囲で併用することもできる。
【0009】本発明に用いられる尿素類としては、尿
素、チオ尿素、グアニル尿素、メチル尿素、ジメチル尿
素等が挙げられるが、特に尿素が好ましい。
【0010】本発明に用いられるカーボネート類として
は、鎖状カーボネート類と環状カーボネート類が挙げら
れる。鎖状カーボネート類の例としては、ジメチルカー
ボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネ
ート、ジ−ターシャリーブチル−カーボネート、メチル
エチルカーボネート等のジアルキルカーボネートが挙げ
られる。アルキル基がシクロヘキシル、シクロペンチル
等のアリサイクリック基でもよい。また、ジアリルカー
ボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネー
ト等の不飽和結合を含むカーボネートも挙げられる。メ
チルフェニルカーボネート、アリルフェニルカーボネー
ト等のアリールアルキルカーボネートおよびジフェニル
カーボネート、ジ(エチルフェニル)カーボネート、フ
ェニルトリルカーボネート等のジアリールカーボネート
等も挙げられる。
【0011】環状カーボネート類の例としては、エチレ
ンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカ
ーボネート等のアルキレンカーボネートが挙げられる。
また、該カーボネート類のアルキル基、アリサイクリッ
ク基、アリール基、アラルキル基の水素原子がハロゲン
原子、アルコキシ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シア
ノ基等の置換基によって置換されていてもよい。
【0012】本発明に用いられる脂環式アミノ化合物と
しては、分子中に少なくとも1個の活性水素基を有する
脂環式アミノ化合物であり、例えばシクロヘキシルアミ
ン、ジシクロヘキシルアミン、1,3−ジアミノシクロ
ヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4′
−ジアミノ−3,3′−ジメチル−ジシクロヘキシルメ
タン、4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルジシク
ロヘキサン、4,4′−ビス(パラアミノシクロヘキシ
ル)メタン、イソホロンジアミン、1,3(又は2,
4)−ビス−(アミノメチル)シクロヘキサン、N−ア
ミノプロピルシクロヘキシルアミン、オクタハイドロ−
4,7−メタノインデン−1(2),5(6)−ジメタ
ンアミン、2,2′−ビス−(4−アミノシクロヘキシ
ル)プロパン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メ
タン、4,4′−オキシビス(シクロヘキシルアミ
ン)、4,4′−スルホンビス(シクロヘキシルアミ
ン)、1,3,5−トリアミノシクロヘキサン、2,
4′−又は4,4′−ジアミノ−3,3′,5,5′−
テトラアルキルジシクロヘキシルアルカン等が挙げられ
る。
【0013】本発明に用いられる脂環式エポキシ化合物
としては、シクロヘキサン環に直接、間接にエポキシ基
が結合した化合物をいう。直接結合した具体例として、
シクロヘキセンオキサイド、ビニルシクロヘキセンジオ
キサイド、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシル)ア
ジペート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−
3,4−エポキシ−シクロヘキサン−カルボキシレー
ト、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル−5,5−
スピロ−3,4−エポキシ)シクロヘキサン−メタージ
オキサン等が挙げられる。
【0014】また、ここで間接とは、例えばグリシジル
基のようなエポキシ基をシクロヘキサン環とともに含有
することを表す。具体例として、ビス−グリシジル−ヘ
キサヒドロ−フタレート、2,2−ビス(4′−グリシ
ジルオキシシクロヘキシル)プロパン等が挙げられる。
【0015】本発明に用いられる二塩基性カルボン酸系
化合物には、二塩基性カルボン酸、その半エステル、お
よびジエステルが含まれる。二塩基性カルボン酸として
はコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、マレイン酸等の
脂肪族二塩基性カルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘ
キサヒドロフタル酸、シクロヘキサン−1,4−ジカル
ボン酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒ
ドロフタル酸等の脂環式二塩基性カルボン酸、イソフタ
ル酸、フタル酸、テレフタル酸等の芳香族二塩基性カル
ボン酸およびこれらの無水物が挙げられる。
【0016】二塩基性カルボン酸の半エステル、ジエス
テルとしては、上記の二塩基性カルボン酸の半エステ
ル、ジエステルが挙げられる。特に炭素数1〜3の低級
アルコールのエステルが望ましい。これらは、1種のみ
で用いても、2種以上併用してもよい。また、酢酸、プ
ロピオン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、安息香酸、フ
ェニル酢酸等の脂肪族もしくは芳香族の一塩基性カルボ
ン酸又は/およびそのエステルも併用することができ
る。
【0017】本発明に用いられるアルキル化剤として
は、以下のものが使用できる。 (1)(R1 O)2 SOV (R1 は低級アルキル基を、
Vは1又は2を示す。)で表されるジエチルサルファイ
ト、ジメチルサルファイト等のジアルキルサルファイ
ト、ジアルキルサルフェート等が挙げられる。
【0018】(2)X−R2 −Y(X:ハロゲン原子、
OTs(Tsはトシル基を表す)、又はOMs(Msは
メシル基を表す)、エポキシ基から選ばれた基、R2
低級アルキル基、アルケニル基、ベンジル基、フェノキ
シエチル基から選ばれた基、Y:H,OR(RはH、低
級アルキル基、アルケニル基から選ばれた基)、SO3
Na、ハロゲン原子、OTs(Tsはトシル基を表
す)、OMs(Msはメシル基を表す)、エポキシ基か
ら選ばれた基)。
【0019】例えば、塩化メチル、塩化エチル、塩化プ
ロピル、塩化アリル、塩化ベンジル、およびこれら塩化
物に対応する臭化物およびヨウ化物、メチルトシレー
ト、エチルトシレート、メチルメシレート、エチルメシ
レート、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、
ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、エピハロヒ
ドリンとしてエピクロロヒドリン、エピブロモヒドリ
ン、モノハロヒドリンとしてエチレンクロロヒドリン、
エチレンブロモヒドリン、プロピレンクロロヒドリン、
プロピレンブロモヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プ
ロパノール、2,3−ジクロロプロパノール、クロロプ
ロパンジオールが挙げられる。
【0020】(3)ギ酸とホルマリン(Leuckar
t反応)
【0021】本発明に用いられるジアルデヒド類として
は、グリオキザール、グルタルアルデヒド等が挙げられ
る。
【0022】本発明における紙塗工用樹脂のポリアルキ
レンポリアミン、尿素類、カーボネート類、脂環式アミ
ノ化合物、脂環式エポキシ化合物、二塩基性カルボン酸
系化合物の各反応成分の比率は、ポリアルキレンポリア
ミン1モルに対して、尿素類0.5〜10モル、脂環式
アミシ化合物又は/および脂環式エポキシ化合物0.0
2〜5モル(併用の場合は両方の和)、カーボネート類
0.02〜2モル、二塩基性カルボン酸系化合物0.1
〜2モルの範囲が好ましい。また、アルキル化剤、ホル
ムアルデヒド、ジアルデヒド類の単独使用量としては、
ポリアルキレンポリアミン1モルに対して0.1〜3モ
ルが好ましく、2種以上を併用するときの使用量として
は0.1〜4モルが好ましい。
【0023】反応順序に関しては、ポリアルキレンポリ
アミン、尿素類、脂環式アミノ化合物、脂環式エポキシ
化合物、カーボネート類、二塩基性カルボン酸系化合
物、アルキル化剤は任意の順序で反応させることができ
る。例えば、ポリアルキレンポリアミンとカーボネート
類を60〜120℃で0.5〜5時間反応させた後、尿
素を加えて80〜200℃で0.5〜10時間脱アンモ
ニア反応させ、次に水で希釈した後、ホルムアルデヒド
又は/及びジアルデヒドの1種又は2種以上を公知の方
法で任意の順序で反応させる。
【0024】もしくはポリアルキレンポリアミンとカー
ボネート類を60〜120℃で0.5〜5時間反応させ
た後、尿素を加えて80〜200℃で0.5〜10時間
脱アンモニア反応させ、次に二塩基性カルボン酸系化合
物を加えて80〜200℃で0.5〜10時間脱水縮合
反応させた後、さらに尿素を加えて80〜200℃で
0.5〜10時間脱アンモニア反応させる。次に水で希
釈した後、ホルムアルデヒド又は/及びジアルデヒドの
1種又は2種以上を公知の方法で任意の順序で反応させ
る。
【0025】もしくは、ポリアルキレンポリアミンと脂
環式エポキシ化合物を60〜200℃で0.5〜5時間
反応させた後、脂環式アミノ化合物とカーボネート類を
加えて60〜120℃で0.5〜5時間反応させる。次
に尿素を加えて80〜200℃で0.5〜5時間脱アン
モニア反応させた後、二塩基性カルボン酸系化合物を加
えて80〜200℃で0.5〜10時間脱水縮合反応さ
せた後、さらに尿素を加えて80〜200℃で0.5〜
10時間脱アンモニア反応させる。次に水で希釈した
後、ホルムアルデヒド又は/及びジアルデヒドの1種又
は2種以上を公知の方法で任意の順序で反応させる。
【0026】もしくは、ポリアルキレンポリアミンとア
ルキル化剤を60〜200℃で0.5〜5時間反応させ
た後、脂環式アミノ化合物とカーボネート類を加えて6
0〜120℃で0.5〜5時間反応させる。次に尿素を
加えて80〜200℃で0.5〜10時間脱アンモニア
反応させる。次に水で希釈した後、ホルムアルデヒド又
は/及びジアルデヒドの1種又は2種以上を公知の方法
で任意の順序で反応させる。
【0027】もしくは、ポリアルキレンポリアミンと尿
素を80〜200℃で0.5〜5時間脱アンモニア反応
させた後、脂環式エポキシ化合物を加えて60〜200
℃で0.5〜5時間反応させる。次に尿素を加えて80
〜200℃で0.5〜10時間脱アンモニア反応させた
後、カーボネート類を加えて100〜150℃で0.5
〜5時間反応させる。次に水で希釈した後、ホルムアル
デヒド又は/及びジアルデヒドの1種又は2種以上を公
知の方法で任意の順序で反応させる。
【0028】本発明の紙塗工用樹脂は単独でも使用され
るが、好ましくは顔料、接着剤および必要によりその他
の成分を添加して紙塗工用組成物にして使用される。こ
の場合に用いられる顔料としては、クレー、タルク、重
質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、サチンホワイ
ト、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、硫酸バリウ
ム、亜硫酸カルシウム、合成シリカ、酸化亜鉛等の無機
顔料およびスチレン系ポリマー、尿素系ポリマー等の有
機顔料があり、これらのうち1種類又は2種類以上を混
合して使用することができる。
【0029】また、接着剤としては澱粉、変性澱粉(酸
化澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、酵素変性澱
粉、アルファー化澱粉、カチオン化澱粉等)、カゼイ
ン、ゼラチン、大豆タンパク、酵母タンパク、セルロー
ス誘導体(カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエ
チルセルロース等)等の天然高分子化合物あるいはその
誘導体、およびスチレン−ブタジエン系樹脂、(メタ)
アクリレート−ブタジエン系樹脂、(メタ)アクリレー
ト系樹脂、ポリビニルアルコール、酢酸ビニル系樹脂、
アクリルアミド系樹脂、スチレン−(メタ)アクリレー
ト系樹脂、スチレン−マレイン酸系樹脂、エチレン−酢
酸ビニル系樹脂等の合成高分子化合物が例示される。
【0030】本発明の紙塗工用組成物には、上記の顔
料、接着剤のほか分散剤、滑剤、増粘剤、減粘剤、消泡
剤、抑泡剤、防腐剤、防カビ剤、保水剤、蛍光増白剤、
染料、導電剤、pH調整剤等の各種助剤も必要に応じて
適宜配合することができる。
【0031】組成物中のそれぞれの配合量は顔料を10
0重量部としたときに、紙塗工用樹脂が0.05〜5重
量部、接着剤が固形分として5〜50重量部の範囲であ
ることが好ましい。
【0032】本発明の紙塗工用組成物を製造するには、
例えば顔料を分散剤とともに水中に分散させ、これに接
着剤、および必要に応じて粘度調節剤や苛性ソーダ、お
よびアンモニア水等のpH調整剤等の助剤を加え、これ
に本発明の紙塗工用樹脂を加えて調製する。
【0033】本発明の紙塗工用組成物は、公知の方法で
原紙上に塗工される。すなわち、ブレードコーター、エ
アーナイフコーター、バーコーター、ロールコーター、
サイズプレスコーター、ドクトルコーター、ブラシコー
ター、カーテンコーター、グラビアコーター、キャスト
コーター、チャンプレックスコーター等通常用いられる
方法で塗工され、オンマシンコーティング、オフマシン
コーティングのいずれであってもよい。また、一層塗工
であっても多層塗工であってもよく、さらに片面塗工、
両面塗工のいずれも可能である。
【0034】塗工後の乾燥は例えばガスヒーター、電気
ヒーター、蒸気加熱ヒーター、赤外線ヒーター、熱風加
熱ヒーター等の通常の方法で行われ、乾燥後は必要に応
じてスーパーカレンダー、水カレンダー、グロスカレン
ダー等の仕上げ工程によって光沢度を付与することが可
能であり、その他一般的な加工手段はいずれも使用可能
である。
【0035】本発明の紙塗工用組成物は、填料として炭
酸カルシウム等を使用した中性抄造紙、タルク等を使用
した酸性抄造紙等の種々の紙、中性ないし酸性で抄造さ
れた種々の板紙、その他無機質繊維等を含んだシート等
に塗工することができる。また、この紙塗工用樹脂は紙
薬品以外の用途にも使用することができる。
【0036】
【実施例】次に本発明を実施例、比較例によって説明す
る。
【0037】実施例1 温度計、コンデンサーおよび撹拌棒を備えた四つ口フラ
スコにトリエチレンテトラミン292gとジエチルカー
ボネート59gを仕込み、100℃にて1時間反応させ
た。ついでこれに尿素60gを加えて150℃で1.5
時間脱アンモニア反応させ、さらにテトラヒドロ無水フ
タル酸76gを加えて脱水反応させた。ついでこれに尿
素240gを加えて120℃で4.5時間脱アンモニア
反応を行った後、水を加えて固形分60%の水溶液とし
た。ついでこれに37%ホルマリン146gを加えた
後、98%硫酸にてpHを5に調整して80℃で2.5
時間撹拌しながら保持した。ついで28%アンモニア水
にてpHを7に調整した後、水を加えて50%の水溶性
樹脂を得た。以下、これを樹脂水溶液(A)と略記す
る。
【0038】実施例2 実施例1と同様の反応容器にトリエチレンテトラミン2
92gとジエチルカーボネート59gを仕込み、100
℃にて1時間反応させた。ついでこれに尿素60gを加
えて150℃で1.5時間脱アンモニア反応させ、さら
にテトラヒドロ無水フタル酸76gを加えて脱水反応さ
せた。ついでこれに尿素240gを加えて120℃で
4.5時間脱アンモニア反応を行った後、水を加えて固
形分60%の水溶液とした。ついでこれにジエチル硫酸
154gを加えて90℃で1.5時間撹拌しながら保持
した。ついでこれに37%ホルマリン162gを加えた
後、98%硫酸にてpHを5に調整して80℃で2.5
時間撹拌しながら保持した。ついで28%アンモニア水
にてpHを7に調整した後、水を加えて50%の水溶性
樹脂を得た。以下、これを樹脂水溶液(B)と略記す
る。
【0039】実施例3 実施例1と同様の反応容器にジエチレントリアミン20
6gとシクロヘキセンオキサイド20gを仕込み、11
0℃で1時間反応させ、さらにエチレンカーボネート2
6gを加えて90℃で0.5時間反応させた。次いでこ
れにイソホロンジアミン34gと尿素60gを加えて1
40℃で2時間脱アンモニア反応させ、さらにアジピン
酸44gを加えて160℃で1.5時間脱水反応させ
た。ついでこれに尿素180gを加えて120℃で3時
間脱アンモニア反応させた後、水を加えて固形分60%
の水溶液とした。ついでこれに、37%ホルマリン16
2gを加えた後、98%硫酸にてpHを5.5に調整し
て80℃にて2時間撹拌しながら保持した。ついで28
%アンモニア水にてpHを7に調整した後、水を加えて
固形分50%の水溶性樹脂を得た。以下、これを樹脂水
溶液(C)と略記する。
【0040】実施例4 樹脂水溶液(C)にエピクロロヒドリン74gを加えて
70℃で2.5時間撹拌しながら保持した。水を加えて
固形分50%の水溶性樹脂を得た。以下、これを樹脂水
溶液(D)と略記する。
【0041】実施例5 実施例1と同様の反応容器にトリエチレンテトラミン2
92gとジエチル硫酸31gを仕込み、100℃で1時
間反応させた。ついでこれにイソホロンジアミン51g
とエチレンカーボネート35gを加えて100℃で0.
5時間反応させた。ついでこれに尿素450gを加えて
120℃で3時間脱アンモニア反応させた後、水を加え
て固形分70%の水溶液とした。ついでこれに37%ホ
ルマリン122gを加え、98%硫酸にてpHを5に調
整して80℃で4時間撹拌しながら保持した。ついでこ
れを28%アンモニア水でpH7に調整し、水を加えて
固形分60%の水溶性樹脂を得た。以下これを樹脂水溶
液(E)と略記する。
【0042】実施例6 実施例1と同様の反応容器にトリエチレンテトラミン2
92gとオクタハイドロ−4,7−メタノインデン−1
(2),5(6)−ジメタンアミン29gとジメチルカ
ーボネート9gを仕込み、80℃で0.5時間反応さ
せ、さらに塩化ベンジル25gを添加して80℃で0.
5時間反応させた。ついでこれに尿素468gを加えて
120℃で2.5時間脱アンモニア反応させた後、水を
加えて固形分60%の水溶液とした。ついでこれに37
%ホルマリン162gを加え、95%硫酸にてpHを5
に調整して80℃で3.5時間撹拌しながら保持した。
ついでこれを28%アンモニア水にてpH7に調整し、
水を加えて固形分50%の水溶性樹脂を得た。以下これ
を樹脂水溶液(F)と略記する。
【0043】実施例7 実施例1と同様の反応容器にトリエチレンテトラミン2
92gとジフェニルカーボネート39gを仕込み、80
℃で1.5時間反応させた。ついでこれに尿素60gを
加えて150℃で1.5時間脱アンモニア反応させ、さ
らに尿素300gを加えて120℃で3時間脱アンモニ
ア反応させた後、水を加えて固形分70%の水溶液とし
た。ついでこれに37%ホルマリン162gを加えて9
8%硫酸にてpHを4.5に調整し、80℃で3時間撹
拌しながら保持した。ついでこれを28%アンモニア水
にてpHを7に調整し、水を加えて固形分60%の水溶
性樹脂を得た。以下これを樹脂水溶液(G)と略記す
る。
【0044】実施例8 実施例1と同様の反応容器にトリエチレンテトラミン2
92gとジエチレングリコールビスアリルカーボネート
49gを仕込み、90℃で1.5時間反応させた。つい
でこれにオクタハイドロ−4,7−メタノインデン−1
(2),5(6)−ジメタンアミン29gと尿素60g
を加えて150℃で2時間脱アンモニア反応を行い、さ
らに尿素312gを加えて120℃で4時間脱アンモニ
ア反応させた後、水を加えて固形分70%の水溶液とし
た。ついでこれに37%ホルマリン162gを加えて9
8%硫酸にてpHを4.5に調整し、80℃で3時間撹
拌しながら保持した。ついでこれを28%アンモニア水
にてpHを7に調整し、水を加えて固形分60%の水溶
性樹脂を得た。以下これを樹脂水溶液(H)と略記す
る。
【0045】実施例9 実施例1と同様の反応容器にジエチレントリアミン20
6gとジメチルカーボネート45gを仕込み、90℃で
1.5時間反応させた。ついでこれに尿素300gを加
えて120℃で3.5時間脱アンモニア反応させた後、
水を加えて固形分70%の水溶液とした。ついでこれに
37%ホルマリン81gを加えて80℃で1.5時間撹
拌しながら保持した。ついでこれを室温まで冷却した
後、95%硫酸にてpHを5に調整して80℃で2時間
撹拌しながら保持した。ついでこれにエピクロロヒドリ
ン93gを加えて70℃で2.5時間撹拌しながら保持
した後、水を加えて固形分60%の水溶性樹脂を得た。
以下これを樹脂水溶液(I)と略記する。
【0046】比較例1 実施例1と同様の反応容器にトリエチレンテトラミン2
92gとイソホロンジアミン85gと尿素420gを仕
込み、120℃で5時間脱アンモニア反応を行った後、
水を加えて固形分70%の水溶液とした。ついでこれに
37%ホルマリン146gを加え、98%硫酸にてpH
を5.5に調整して80℃で5時間撹拌しながら保持し
た。ついでこれに水を加えて固形分60%の水溶性樹脂
を得た。以下これを樹脂水溶液(a)と略記する。
【0047】比較例2 実施例1と同様の反応容器にトリエチレンテトラミン2
92gと尿素60gを仕込み、160℃で2時間脱アン
モニア反応させた後、アジピン酸146gを加えて17
0℃で1時間脱水縮合反応を行った。ついでこれに尿素
240gを加え、120℃で5時間脱アンモニア反応を
行った後、水を加えて固形分60%の水溶液とした。つ
いでこれに37%ホルマリン122gを加えた後、98
%硫酸にてpHを4.5に調整して70℃で4時間撹拌
しながら保持した。ついで28%アンモニア水にてpH
を7に調整した後、水を加えて固形分50%の水溶性樹
脂を得た。以下これを樹脂水溶液(b)と略記する。
【0048】実施例10 実施例1〜9、比較例1、2に示す樹脂A〜I、a、b
を用い下記に示す紙塗工用組成物を調製し、さらに固形
分濃度が61%となるように水を加えた後、30%水酸
化ナトリウム水溶液によりpH9に調整して紙塗工用組
成物を得た。なお、樹脂水溶液を配合しない紙塗工組成
物(比較例3)も同様に調製した。
【0049】 「ウルトラホワイト90」 60部 (米国エンゲルハルト・ミネラルズ社製クレー) 「カービタル90」 40部 (イー・シー・シー・ジャパン(株)製炭酸カルシウ
ム) 「SBRラテックス」 12部 「MS−4600」 4部 (日本食品化工(株)製澱粉) 「アロン T−40」 0.2部 (東亞合成化学工業(株)製分散剤) 「滑剤AD−950」 0.5部 (日本PMC(株)製滑剤) 「紙塗工用樹脂」 0.5部 なお、上記の「部」は固形分重量を示す。
【0050】この塗工組成物をNo.4ワイヤーロッド
を用いて坪量80g/m2 の上質紙に塗工量が13g/
2 になるように片面に塗布した。その後ただちに11
0℃で30秒間熱風乾燥を行った(耐ブリスター性測定
用塗工紙については裏面にも同様に塗布乾燥を行っ
た)。さらにロール温度60℃、線圧75kg/cmな
る条件で2回カレンダー処理を行った(耐ブリスター性
測定用塗工紙については裏面にも同様にカレンダー処理
を行った)。得られた塗工紙は、20℃、65%RH
(相対湿度)の条件下で24時間コンディショニングを
行った後、その塗工紙のインキ受理性、ウェットピッ
ク、ドライピック等のRI印刷適性試験を行った。さら
に塗工組成物の調製直後の粘度についても測定した。得
られた両面塗工紙は、片面塗工紙と同様の条件下でコン
ディショニングを行った後、耐ブリスター性の測定を行
った。これらの測定結果を表1に示す。なお、各試験方
法は次の通りである。
【0051】塗工液の粘度 B型粘度計(形式:BM型、東京計器製作所製)を用い
て、塗工液調製直後に25℃、60rpm にて測定した。
【0052】インキ受理性 RI印刷試験機(明製作所製)を使用し、コート面を給
水ロールで湿潤させた後、印刷をして、インキの受理性
を肉眼で観察し、優5〜劣1に至る等級を段階的に判定
した。
【0053】ウェットピック RI印刷試験機を使用し、コート面を給水ロールで湿潤
させた後、印刷をして、紙むけ状態を肉眼で観察し、優
5〜劣1に至る等級を段階的に判定した。
【0054】ドライピック RI印刷試験機を使用して印刷をし、紙むけ状態を肉眼
で観察し、優5〜劣1に至る等級を段階的に判定した。
【0055】耐ブリスター性 RI印刷試験機を用いて、オフ輪用インキを両面コート
の両面に「印刷」した後、シリコンオイルを満たした恒
温槽に3秒間浸漬した。このときのブリスターの発生状
態を肉眼で観察し、優5〜劣1に至る等級を段階的に判
定した。
【0056】ウェットラブ コート紙表面上にイオン交換水約0.1mlを滴下し、
指先で3回、5回、10回、15回および20回摩擦し
て、それぞれの回数に応じた溶出部を黒紙に移動させ、
その際の溶出量を肉眼で観察し、耐水性優5〜劣1の判
定を行った。
【0057】上記の結果より、印刷適性向上剤を含まな
い比較例3と比べて、カーボネート類を含有しない比較
例1はインキ受理性、ウェットピック、ウェットラブ、
耐ブリスター性は優れているが、ドライピックの低下が
大きく、また、比較例2はドライピックの低下は少ない
もののインキ受理性、ウエットラブ、耐ブリスター性の
向上効果が不十分であることがわかる。一方、本願実施
例の水溶性樹脂はいずれも、インキ受理性、ウェットピ
ック、ウェットラブ、耐ブリスター性、に優れ、且つド
ライピックの低下が非常に少ないことは明白である。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ポリアルキレンポリアミン−尿素類(−脂環式アミノ化
合物又は/および脂環式エポキシ化合物)(−二塩基性
カルボン酸系化合物)(−アルキル化剤)−ホルムアル
デヒド又は/及びジアルデヒド類の1種又は2種以上の
樹脂にカーボネート類を導入した水溶性樹脂を紙用印刷
適性向上剤として紙塗工用組成物に使用することによ
り、塗工紙のインキ受理性、ウェットピック、ドライピ
ック、耐ブリスター性、ウェットラブ等をバランス良く
向上させることができ、その工業的効果は大きい。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 蔦 康宏 千葉県市原市八幡海岸通17番2 日本ピ ー・エム・シー株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−57694(JP,A) 特開 平6−101195(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 11/00 - 27/42

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアルキレンポリアミンと、カーボネ
    ート類と、尿素類と、ホルムアルデヒド又は/及びジア
    ルデヒド類の1種または2種以上と、必要により脂環式
    アミノ化合物、脂環式エポキシ化合物、二塩基性カルボ
    ン酸系化合物、アルキル化剤から選ばれる少なくとも1
    種以上との反応生成物からなる紙塗工用樹脂。
  2. 【請求項2】 顔料100重量部に対し請求項1記載の
    紙塗工用樹脂0.05〜5重量部、接着剤5〜50重量
    部(固形分として)を含む紙塗工用組成物。
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