JP2913845B2 - 紙用塗工組成物 - Google Patents

紙用塗工組成物

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JP2913845B2
JP2913845B2 JP14991A JP14991A JP2913845B2 JP 2913845 B2 JP2913845 B2 JP 2913845B2 JP 14991 A JP14991 A JP 14991A JP 14991 A JP14991 A JP 14991A JP 2913845 B2 JP2913845 B2 JP 2913845B2
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義史 吉田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は紙用塗工組成物に関する
ものであり、さらに詳しくは、紙に対して優れた印刷適
性および印刷効果を付与することができる紙用塗工組成
物を提供しようとするものである。
【0002】
【従来の技術】顔料と水性バインダーを主体とした塗工
組成物を紙に塗布し、乾燥、カレンダー処理などの必要
な工程を施して得られる塗工紙は、その優れた印刷効果
などの特長から、商業印刷物や雑誌・書籍などに広く用
いられているが、品質要求の高度化、印刷の高速化など
に伴って、塗工紙の品質改良努力が今もなお続けられて
いる。とりわけ印刷の多くを占めるオフセット印刷にお
いては、しめし水の影響下でのインキ受理性、ウエット
ピックやウエットラブなどの耐水性、輪転印刷での耐ブ
リスター性の改良・向上が業界の重要な課題となってい
る。
【0003】従来よりこうした課題に対して、メラミン
−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹
脂、またはポリアミドポリ尿素−ホルムアルデヒド樹
脂、例えば特公昭 44-11667 号公報や特公昭 59-32597
号公報等に示されるような耐水化剤や印刷適性向上剤な
どを添加する手法が知られている。
【0004】しかし、これら従来の耐水化剤や印刷適性
向上剤などは、いずれも有効な特性を有する反面、一部
の特性において重大な欠点ないしは効果の不十分さが認
められることから、実用上必ずしも満足しうるものでは
なかった。
【0005】例えば、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂
や尿素−ホルムアルデヒド樹脂などのアミノプラスト樹
脂は、作業時の、あるいは塗工紙からのホルムアルデヒ
ドの発生が多いのみならず、インキ受理性や耐ブリスタ
ー性の改良効果がほとんど得られず、また塗工組成物の
pHが高くなると耐水化効果も発揮しにくくなるといっ
た問題がある。
【0006】ポリアミドポリ尿素−ホルムアルデヒド樹
脂は、耐水性の向上と同時にインキ受理性および耐ブリ
スター性の向上に有効ではあるが、それらの向上度合
は、近年の塗工紙品質の高度化要求に対して必ずしも充
分なものとはいいがたかった。そこで一層の品質向上に
向けた努力がなされており、例えば特開昭62-125093号
公報などには、さらに改良された紙用塗工組成物が開示
されている。しかし、その後の塗工紙品質に対する要求
の高度化に伴い、より一層の高性能化が必要となってき
ている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、紙に
対して高度の耐水性、インキ受理性などを付与するとと
もに、特に従来の技術では得られにくかった高い耐ブリ
スター性が付与できる紙用塗工組成物を提供することに
ある。
【0008】本発明者らは、かかる課題解決のために鋭
意研究を行った結果、特定の水溶性樹脂を含有する紙用
塗工組成物が優れた性能を発揮することを見出し、本発
明を完成した。
【0009】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、 (I) 顔料、 (II) 水性バインダー、ならびに (III) アルキレンジアミンまたはポリアルキレンポリア
ミン(a1)、脂肪族または芳香族モノカルボン酸(a2)およ
び尿素類(a3)の縮合反応物(a) に、さらにアルデヒド類
(b1)、エピハロヒドリン類(b2)およびα, γ−ジハロ−
β−ヒドリン類(b3)から選ばれる化合物(b) を反応させ
て得られる水溶性樹脂(A) を含む樹脂成分 を含有する紙用塗工組成物を提供する。本発明における
樹脂成分(III) は、水溶性樹脂(A) に加えて、ポリアル
キレンポリアミン(c) および/またはポリアルキレンポ
リアミンと4級化剤との反応生成物(d) 〔以下、これら
ポリアルキレンポリアミン(c) および/または反応生成
物(d) をポリアミン(B) と呼称する〕を含有することが
できる。また本発明における樹脂成分(III) は、水溶性
樹脂(A) に、さらにポリアミン(B) を反応させて得られ
る生成物(C) であってもよい。以下、本発明についてさ
らに詳細に説明する。
【0010】本発明において使用される水溶性樹脂(A)
の原料となるアルキレンジアミンまたはポリアルキレン
ポリアミン(a1)としては、例えば、エチレンジアミン、
プロピレンジアミンなどの脂肪族ジアミン類、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレ
ンペンタミン、イミノビスプロピルアミン、3−アザヘ
キサン−1,6−ジアミン、4,7−ジアザデカン−
1,10−ジアミンなどのポリアルキレンポリアミン類
が挙げられる。これらのなかでは、ジエチレントリアミ
ンおよびトリエチレンテトラミンが工業的に有利であ
る。これらのアルキレンジアミンまたはポリアルキレン
ポリアミン(a1)は、それぞれ単独で用いることもできる
し、また2種以上の混合物として用いることもできる。
【0011】別の原料である脂肪族または芳香族モノカ
ルボン酸(a2)としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉
草酸、ピバル酸、カプロン酸、カプリル酸、カプリン
酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸のような脂肪族飽和モノカルボン酸類、オレイン
酸、リノール酸、リノレン酸のような脂肪族不飽和モノ
カルボン酸類、シクロヘキシルカルボン酸、シクロペン
チルカルボン酸、シクロヘキシル酢酸のような脂環式モ
ノカルボン酸類、安息香酸、ナフトエ酸、けい皮酸、サ
リチル酸のような芳香族モノカルボン酸類などが挙げら
れる。これらの脂肪族または芳香族モノカルボン酸は、
それぞれ単独で用いることもできるし、また2種以上の
混合物として用いることもできる。
【0012】また尿素類(a3)としては、尿素、チオ尿
素、グアニル尿素、メチル尿素、ジメチル尿素などを挙
げることができる。工業的見地からは、尿素が好ましく
用いられる。
【0013】アルデヒド類(b1)としては、ホルムアルデ
ヒド、アセトアルデヒド、プロピルアルデヒド等のアル
キルアルデヒド類、グリオキザール、プロパンジアー
ル、ブタンジアール等のアルキルジアルデヒド類などを
用いることができる。工業的には、ホルムアルデヒドお
よびグリオキザールが好ましい。これらのアルデヒド類
(b1)は、それぞれ単独で用いることもできるし、あるい
は2種以上の混合物として用いることもできる。
【0014】エピハロヒドリン類(b2)は、一般式
【0015】
【化1】
【0016】〔式中、Xはハロゲン原子を表し、Wは
1、2または3を表す〕で示される。好ましい例として
は、エピクロロヒドリン、エピプロモヒドリンなどが挙
げられる。これらは、それぞれ単独で、あるいは2種以
上の混合物として用いることができる。
【0017】α,γ−ジハロ−β−ヒドリン類(b3)とし
ては、一般式
【0018】
【化2】
【0019】〔式中XおよびZはハロゲン原子を表す〕
で示されるもの、例えば、1,3−ジクロロ−2−プロ
パノールなどが挙げられる。
【0020】本発明における水溶性樹脂(A) は、アルキ
レンジアミンまたはポリアルキレンポリアミン(a1)、脂
肪族または芳香族モノカルボン酸(a2)および尿素類(a3)
の縮合反応物(a) にさらに、アルデヒド類(b1)、エピハ
ロヒドリン類(b2)およびα, γ−ジハロ−β−ヒドリン
類(b3)から選ばれる化合物(b) を反応させることによ
り、得られる。
【0021】縮合反応物(a) を得る反応は、任意の順序
で行なうことができる。例えば、アルキレンジアミンま
たはポリアルキレンポリアミン(a1)と脂肪族または芳香
族モノカルボン酸(a2)を先に反応させ、しかるのち尿素
類(a3)を反応させる方法が採用できる。また別の方法と
して、まずアルキレンジアミンまたはポリアルキレンポ
リアミン(a1)と尿素類(a3)を反応させ、次いで脂肪族ま
たは芳香族モノカルボン酸(a2)を反応させ、しかるのち
もう一度、尿素類(a3)を反応させることもできる。さら
に別の方法として、アルキレンジアミンまたはポリアル
キレンポリアミン(a1)、脂肪族または芳香族モノカルボ
ン酸(a2)および尿素類(a3)を同時に反応させ、得られる
反応生成物にさらに、尿素類(a3)を反応させることもで
きる。
【0022】まず第一の態様、すなわちアルキレンジア
ミンまたはポリアルキレンポリアミン(a1)と脂肪族また
は芳香族モノカルボン酸(a2)を先に反応させ、次いで尿
素類(a3)を反応させる場合について説明する。
【0023】アルキレンジアミンまたはポリアルキレン
ポリアミン(a1)と、脂肪族または芳香族モノカルボン酸
(a2)との縮合反応は、通常約120〜250℃、好まし
くは130〜200℃程度の温度で、生成する水を系外
に除去しながら、約2〜12時間実施される。脂肪族ま
たは芳香族モノカルボン酸(a2)の使用量は、アルキレン
ジアミンまたはポリアルキレンポリアミン(a1)1モルに
対して、0.01〜2モル程度、好ましくは 0.1〜1モル程
度が適当である。
【0024】このようにして得られた脱水縮合反応生成
物と尿素類(a3)との反応は、通常約100〜180℃程
度、好ましくは110〜160℃程度の温度で、発生す
るアンモニアを系外に除去しながら、1〜6時間程度実
施される。尿素類(a3)の使用量は、アルキレンジアミン
またはポリアルキレンポリアミン(a1)の1級および2級
アミノ基1モルに対して、 0.3〜1モル程度が好まし
い。
【0025】次に第二の態様、すなわち、まずアルキレ
ンジアミンまたはポリアルキレンポリアミン(a1)と尿素
類(a3)を反応させ、次いで脂肪族または芳香族モノカル
ボン酸(a2)を反応させ、さらに尿素類(a3)を反応させる
場合について説明する。
【0026】アルキレンジアミンまたはポリアルキレン
ポリアミン(a1)と尿素類(a3)との反応は、120〜18
0℃程度、好ましくは140〜160℃程度の温度で、
発生するアンモニアを系外に除去しながら、約1〜6時
間行われる。尿素類(a3)の使用量は、アルキレンジアミ
ンまたはポリアルキレンポリアミン(a1)1モルに対し
て、 0.2〜1モル程度、好ましくは 0.3〜0.8 モル程度
が適当である。
【0027】このようにして得られた脱アンモニア縮合
反応物と、脂肪族または芳香族モノカルボン酸(a2)との
反応は、約120〜250℃、好ましくは130〜20
0℃程度の温度で、生成する水を系外に除去しながら、
約2〜12時間実施される。脂肪族または芳香族モノカ
ルボン酸(a2)の使用量は、アルキレンジアミンまたはポ
リアルキレンポリアミン(a1)1モルに対して、0.01〜2
モル程度、好ましくは0.1 〜1モル程度が適当である。
【0028】得られた脱アンモニア脱水縮合反応生成物
はさらに、尿素類(a3)と反応させられる。この反応は、
通常100〜180℃程度、好ましくは110〜160
℃程度の温度で、発生するアンモニアを系外に除去しな
がら、約1〜6時間実施される。この工程での尿素類(a
3)の使用量は、アルキレンジアミンまたはポリアルキレ
ンポリアミン(a1)の1級および2級アミノ基1モルに対
して、 0.1〜1モル程度が適当である。
【0029】次に第三の態様、すなわち、アルキレンジ
アミンまたはポリアルキレンポリアミン(a1)、脂肪族ま
たは芳香族モノカルボン酸(a2)および尿素類(a3)の3者
を同時に反応させ、得られる反応生成物にさらに、尿素
類(a3)を反応させる場合について説明する。
【0030】最初のアルキレンジアミンまたはポリアル
キレンポリアミン(a1)、脂肪族または芳香族モノカルボ
ン酸(a2)および尿素類(a3)の反応は、約100〜180
℃、好ましくは110〜160℃程度の温度で、生成す
る水およびアンモニアを系外に除去しながら、約2〜1
2時間実施される。ここでは、アルキレンジアミンまた
はポリアルキレンポリアミン(a1)1モルに対して、脂肪
族または芳香族モノカルボン酸(a2)を約0.01〜2モル、
好ましくは 0.1〜1モル程度、また尿素類(a3)を約 0.2
〜1モル、好ましくは 0.3〜0.8 モル程度用いるのが適
当である。
【0031】このようにして得られた反応生成物を、も
う一度尿素類(a3)と反応させる。この反応は、約100
〜180℃、好ましくは110〜160℃程度の温度
で、1〜6時間程度行われる。この工程での尿素類(a3)
の使用量は、アルキレンジアミンまたはポリアルキレン
ポリアミン(a1)の1級および2級アミノ基1モルに対し
て、 0.1〜1モル程度が適当である。
【0032】以上のように、アルキレンジアミンまたは
ポリアルキレンポリアミン(a1)、脂肪族または芳香族モ
ノカルボン酸(a2)および尿素類(a3)を任意の順序で反応
させることにより、縮合反応物(a) が得られる。得られ
た縮合反応物(a) は、さらにアルデヒド類(b1)、エピハ
ロヒドリン類(b2)およびα, γ−ジハロ−β−ヒドリン
類(b3)から選ばれる少なくとも1種の化合物(b) と反応
させることにより、水溶性樹脂(A) が製造される。
【0033】縮合反応物(a) と、アルデヒド類(b1)、エ
ピハロヒドリン類(b2)またはα,γ−ジハロ−β−ヒド
リン類(b3)との反応は、好ましくは各成分の合計濃度約
20〜80重量%、より好ましくは約30〜70重量%
の水溶液中で行われる。ここでは、アルデヒド類(b1)、
エピハロヒドリン類(b2)およびα,γ−ジハロ−β−ヒ
ドリン類(b3)から選ばれる化合物(b) を、1種または2
種以上用いる。したがってこれらの化合物(b) は、もち
ろんそれぞれ単独で用いてもよいし、また2種以上組み
合わせて用いてもよい。例えば、アルデヒド類(b1)とエ
ピハロヒドリン類(b2)を組み合わせて用いることもでき
るし、またアルデヒド類(b1)とα,γ−ジハロ−β−ヒ
ドリン類(b3)を組み合わせて用いることもできる。
【0034】縮合反応物(a) とアルデヒド類(b1)とを反
応させる場合は、好ましくは、酸、例えば塩酸、硫酸、
リン酸、ギ酸、酢酸などによりpHを7以下、より好ま
しくはpH3〜6に調整したあと、約40〜80℃で1
〜10時間程度反応を行う。また、pH8〜12のアル
カリ性下でまず反応を行い、そのあとpHを7以下、よ
り好ましくはpH3〜6の酸性に調整して反応を続ける
方法も好ましい。後者の場合、アルカリ性下での反応は
約40〜80℃で 0.5〜5時間程度、また酸性下での反
応は約40〜80℃で 0.5〜5時間程度行うのが好まし
い。アルデヒド類(b1)の使用量は、縮合反応物(a) 1モ
ルに対し、アルデヒド基が 0.1〜3モル程度となるよう
にするのが好ましく、より好ましくは 0.3〜1.5 モルで
ある。
【0035】縮合反応物(a) を、エピハロヒドリン類(b
2)またはα, γ−ジハロ−β−ヒドリン類(b3)と反応さ
せる場合には、好ましくはpH5以上、より好ましくは
pH6〜9の条件下で、温度約30〜90℃、好ましく
は40〜80℃で、1〜10時間程度反応を行う。エピ
ハロヒドリン類(b2)またはα, γ−ジハロ−β−ヒドリ
ン類(b3)の使用量は、縮合反応物(a) 1モルに対し、
0.1〜3モル程度が好ましく、より好ましくは 0.3〜2
モルである。
【0036】以上の反応終了後、必要により苛性ソーダ
や苛性カリなどを用いて、pH6〜10に調整すること
により、本発明で用いる水溶性樹脂(A) が得られる。こ
の水溶性樹脂(A) は水溶液の状態で得られ、好ましくは
60%水溶液の25℃における粘度が50〜2000cp
s であり、かつpHが6〜10である。
【0037】本発明の紙用塗工組成物は、顔料(I) 、水
性バインダー(II)、および以上説明した水溶性樹脂(A)
を含む樹脂成分(III) を含有するものであり、ここで樹
脂成分(III) は、水溶性樹脂(A) 単独でもよいし、他の
成分を含んでもよいし、また水溶性樹脂(A) をさらに他
の成分と反応させたものであってもよい。例えば、水溶
性樹脂(A) に加えて、さらにポリアルキレンポリアミン
(c) および/またはポリアルキレンポリアミンと4級化
剤との反応生成物(d) 〔前述の如く、ポリアミン(B) と
呼称する〕を含有するのも有効である。また、上記水溶
性樹脂(A) に、さらにポリアミン(B) を反応させて得ら
れる生成物(C) を、樹脂成分(III) として用いるのも有
効である。
【0038】ここで、ポリアミン(B) 自体またはその反
応原料となるポリアルキレンポリアミンとは、分子中に
2個の1級アミノ基および少なくとも1個の2級アミノ
基を有する化合物であり、具体的には例えば、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレ
ンペンタミン、イミノビスプロピルアミン、3−アザヘ
キサン−1,6−ジアミン、4,7−ジアザデカン−
1,10−ジアミンなどが挙げられる。
【0039】また、ポリアミン(B) のうち、反応生成物
(d) を得る際にポリアルキレンポリアミンと反応させら
れる4級化剤としては、以下のような各種のものが使用
できる。
【0040】 一般式 R1−X 〔式中、R1 は低級アルキル基(例えば炭素数1〜6程
度)、低級アルケニル基(例えば炭素数2〜6程度)、
ベンジル基またはフェノキシエチル基を表し、Xはハロ
ゲン原子を表す〕で示されるハロゲン含有化合物。好ま
しい例としては例えば、塩化メチル、塩化エチル、塩化
プロピル、塩化アリル、塩化ベンジル、塩化フェノキシ
エチル、ならびにこれら塩化物に対応する臭化物および
沃化物が挙げられる。
【0041】 一般式 (R2O)2SOv 〔式中、R2 は低級アルキル基(例えば炭素数1〜6程
度)を表し、vは1または2を表す〕で示されるジアル
キルサルファイトおよびジアルキルサルフェート。好ま
しい例としては、ジメチルサルフェート、ジエチルサル
フェート、ジメチルサルファイト、ジエチルサルファイ
トなどが挙げられる。
【0042】 一般式
【0043】
【化3】
【0044】〔式中、R3 は水素原子、低級アルキル基
(例えば炭素数1〜6程度)、ヒドロキシ低級アルキル
基(例えば炭素数1〜6程度)またはフェニル基を表
す〕で示されるエチレンオキサイド誘導体。好ましい例
としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイ
ド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、グリシ
ドールなどが挙げられる。
【0045】 一般式
【0046】
【化4】
【0047】〔式中、Xはハロゲン原子を表し、wは
1、2または3を表す〕で示されるエピハロヒドリン。
好ましい例としては、エピクロロヒドリン、エピブロモ
ヒドリンなどが挙げられる。
【0048】 一般式 HOCH2(CH2)wX 〔式中、Xはハロゲン原子を表し、wは1、2または3
を表す〕で示されるモノハロヒドリン。好ましい例とし
ては、エチレンクロロヒドリン、エチレンブロモヒドリ
ンなどが挙げられる。
【0049】 一般式
【0050】
【化5】
【0051】〔式中、Xはハロゲン原子を表し、Yおよ
びZの一方はハロゲン原子、他方は水酸基を表す〕で示
されるジハロヒドリン。好ましい例としては、1,3−
ジクロロ−2−プロパノール、2,3−ジクロロ−1−
プロパノールなどが挙げられる。
【0052】これら4級化剤のなかでも、特に好ましい
ものとしてエピクロロヒドリンが挙げられる。以上のよ
うな4級化剤となる化合物は、それぞれ単独で、あるい
は2種以上混合して使用することができる。
【0053】ポリアミン(B) としては、ポリアルキレン
ポリアミン(c) だけを用いてもよいし、ポリアルキレン
ポリアミンと4級化剤との反応生成物(d) だけを用いて
もよいし、またポリアルキレンポリアミン(c) と反応生
成物(d) を同時に用いてもよい。
【0054】本発明における顔料(I) としては、例え
ば、カオリン、タルク、炭酸カルシウム(重質または軽
質)、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、酸化チタ
ンなどの白色無機顔料、およびポリスチレン、メラミン
−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂
などの白色有機合成顔料が挙げられ、これらをそれぞれ
単独で、あるいは2種以上混合して用いることができ
る。またさらには、有色の無機または有機顔料を併用す
ることもできる。
【0055】本発明における水性バインダー(II)として
は、例えば、酸化でんぷん、リン酸エステル化でんぷ
ん、ポリビニルアルコール、カゼイン、ゼラチン、カル
ボキシメチルセルロースなどの水溶性バインダーや、ス
チレン−ブタジエン系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン
−酢酸ビニル樹脂、メチルメタクリレート樹脂などの水
乳化系バインダーが挙げられ、これらをそれぞれ単独
で、あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0056】本発明の紙用塗工組成物における好ましい
組成割合は、顔料(I) 100重量部に対し、水性バイン
ダー(II)5〜200重量部、より好ましくは10〜50
重量部、樹脂成分(III) 0.05〜5重量部、より好ましく
は 0.1〜2重量部である。ここでいう樹脂成分(III) の
量は、水溶性樹脂(A) を単独で用いる場合、水溶性樹脂
(A) とポリアミン(B) の両者を用いる場合、および水溶
性樹脂(A) にさらにポリアミン(B) を反応させて得られ
る生成物(C)を用いる場合のいずれにもあてはまる。
【0057】本発明で用いる樹脂成分(III) は、一般に
は紙用塗工組成物を調製する際に添加混合されるが、予
め顔料スラリーまたは水性バインダーに添加混合してお
き、これを残りの成分と配合する態様を採用しても、本
発明の効果を達成することができる。
【0058】本発明の紙用塗工組成物には、その他の成
分として例えば、分散剤、粘度・流動性調整剤、消泡
剤、防腐剤、潤滑剤、保水剤や、染料・有色顔料等の着
色剤などを、必要に応じて配合することができる。
【0059】本発明の紙用塗工組成物は、従来より公知
の方法、例えばブレードコーター、エアーナイフコータ
ー、バーコーター、サイズプレスコーター、ゲートロー
ルコーター、キャストコーターなど通常用いられている
方法で、紙基体上に塗布される。そのあと必要な乾燥を
行い、さらに必要に応じてスーパーカレンダーなどで平
滑化処理を施すことにより、塗工紙を製造することがで
きる。
【0060】なお、本明細書で用いる「紙」という語は
広義の意味であり、狭義の意味でいう紙および板紙を包
含する。
【0061】
【実施例】以下、参考例および実施例により、本発明を
さらに詳細に説明する。文中の%は、特にことわりがな
い限り重量基準である。また粘度は、25℃における値
である。
【0062】参考例1 温度計、リービッヒ冷却器および攪拌棒を備えた四つ口
フラスコに、トリエチレンテトラミン 146.2g(1.0モ
ル) とカプリル酸36.1g(0.25モル) を仕込み、内温を
150〜160℃に保って10時間脱水アミド化反応を
行った。そのあとリービッヒ冷却器を還流冷却器に交換
し、尿素 165.2g(2.75モル) を仕込み、内温120〜
140℃で2時間脱アンモニア反応を行った。さらに3
7%ホルムアルデヒド 56.8 g(0.7モル) を加え、70
℃で4時間反応させた。そのあと、苛性ソーダ水溶液で
pHを 7.0に調整し、濃度60%、粘度390cps の水
溶性樹脂の水溶液を得た。
【0063】参考例2 参考例1と同様にしてトリエチレンテトラミン 146.2g
とカプリル酸 36.1 gを用いた脱水アミド化反応を行な
い、次いで尿素 165.2gを加えて脱アンモニア反応を行
ったあと、水 240.6gを加え、さらにエピクロロヒドリ
ン 64.8 g(0.7モル) を加え、70℃で4時間反応させ
て、濃度60%、粘度290cps 、pH6.2 の水溶性樹
脂の水溶液を得た。
【0064】参考例3 参考例1で得られた樹脂水溶液 528.7gに、トリエチレ
ンテトラミン 14.6 g(0.1モル) と水97gを加え、濃
度60%、粘度380cps 、pH8.0 の水溶性樹脂の水
溶液を得た。
【0065】参考例4 温度計、還流冷却器および攪拌棒を備えた四つ口フラス
コに、トリエチレンテトラミン 43.9 g(0.3モル) と水
140.3gを仕込み、さらに内温を50℃以下に保ったま
ま、エピクロロヒドリン 166.6g(1.8モル) を滴下し
た。そのあと、参考例1で得られた樹脂水溶液 528.7g
を加え、50℃で1時間反応させて、濃度60%、粘度
340cps 、pH 6.5の水溶性樹脂の水溶液を得た。
【0066】比較参考例1 温度計、還流冷却器および撹拌棒を備えた四ツ口フラス
コに、トリエチレンテトラミン 146.2g(1.0モル) と尿素 3
0.0 g(0.5モル) を仕込み、内温140〜160℃で
3.5時間加熱して脱アンモニア反応を行った。そのあ
と、アジピン酸73.1g(0.5モル) を仕込み、内温を15
0〜160℃に保って5時間脱水アミド化反応を行っ
た。次いで内温を130℃に下げ、尿素 120.1g(2.0モ
ル) を仕込み、120〜130℃で2時間脱アンモニア
反応を行った。そのあと水 284.5gを加えて樹脂水溶液
とした。さらに37%ホルマリン60.9g (0.75モル) を
仕込み、70%硫酸で系のpHを4〜5に調整し、内温
70℃で4時間反応させた。そのあと苛性ソーダ水溶液
でpHを 6.5に調整し、濃度50%、粘度140cps の
樹脂水溶液を得た。
【0067】実施例 参考例1〜4および比較参考例1で得た水溶性樹脂の水
溶液を用いて、第一表に示した配合による紙用塗工組成
物を調製した。
【0068】第 一 表
【0069】調製した紙用塗工組成物は、総固形分が6
0%、pHが約 9.0となるように、各々水と10%苛性
ソーダ水溶液で調整した。この組成物について、次のと
おり物性測定を行い、その結果を第二表に示した。
【0070】塗工組成物の物性 (イ) p H ガラス電極式水素イオン濃度計〔東亜電波工業(株)〕
を用い、調製直後の塗工組成物のpHを25℃にて測定
した。 (ロ) 粘 度 B型粘度計〔(株)東京計器、BL型〕を用い、60rp
m 、25℃で、調製直後の塗工組成物の粘度を測定し
た。
【0071】この塗工組成物を、米坪量80g/m2であ
る上質紙の片面または両面に、ワイヤーロッドを用いて
塗工量が14g/m2となるように塗布した。塗布後ただ
ちに120℃にて30秒間熱風乾燥し、次いで温度20
℃、相対湿度65%にて16時間調湿し、さらに温度6
0℃、線圧60kg/cmの条件で2回スーパーカレンダー
処理をして、塗工紙を得た。こうして得た塗工紙を、耐
水性、インキ受理性および耐ブリスター性の試験に供し
た。試験結果を第二表に示した。なお、試験方法は以下
のとおりである。
【0072】耐 水 性 (イ) ウエットラブ法 コート面上にイオン交換水を約 0.1ミリリットル滴下
し、指先で7回摩擦し、溶出分を黒紙に移行させて、溶
出量を肉眼で判定した。判定基準は次のように行った。 耐水性 (劣)1〜5(優) (ロ) ウエットピック法 RI試験機(明製作所)を使用し、コート面を給水ロー
ルで湿潤させたあと印刷し、紙むけ状態を肉眼で観察し
て判定した。判定基準は次のように行った。 耐水性 (劣)1〜5(優)
【0073】インキ受理性 (イ) A 法 RI試験機を使用して塗工面を給水ロールで湿潤させた
あとに印刷し、インキの受理性を肉眼で観察して判定し
た。判定基準は次のように行った。 インキ受理性 (劣)1〜5(優) (ロ) B 法 RI試験機を使用してインキに水を練り込みながら印刷
し、インキ受理性を肉眼で観察して判定した。判定基準
は次のように行った。 インキ受理性 (劣)1〜5(優)
【0074】耐ブリスター性 RI試験機を用い、オフセット輪転印刷用インキを使用
して両面塗工紙に両面印刷を行い、調湿後、加熱したシ
リコーンオイル浴中に浸し、ブリスターの発生量を肉眼
で判定した。判定基準は次のように行った。 耐ブリスター性 (劣)1〜5(優)
【0075】第 二 表
【0076】
【発明の効果】本発明の紙用塗工組成物を用いて得た塗
工紙は、インキ受理性および耐水性に優れ、また特に耐
ブリスター性にも優れ、さらにはホルムアルデヒド臭の
発生がほとんどないなど、種々の優れた有効な特性を有
する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D21H 19/62 C09D 161/24 C09D 163/00 C09D 179/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(I) 顔料、 (II) 水性バインダー、ならびに (III) アルキレンジアミンまたはポリアルキレンポリア
    ミン(a1)、脂肪族または芳香族モノカルボン酸(a2)およ
    び尿素類(a3)の縮合反応物(a) に、さらにアルデヒド類
    (b1)、エピハロヒドリン類(b2)およびα, γ−ジハロ−
    β−ヒドリン類(b3)から選ばれる化合物(b) を反応させ
    て得られる水溶性樹脂(A) を含む樹脂成分 を含有することを特徴とする紙用塗工組成物。
  2. 【請求項2】樹脂成分(III) がさらに、ポリアルキレン
    ポリアミン(c) およびポリアルキレンポリアミンと4級
    化剤との反応生成物(d)から選ばれるポリアミン(B) を
    含有する請求項1記載の紙用塗工組成物。
  3. 【請求項3】樹脂成分(III) が、水溶性樹脂(A) にさら
    に、ポリアルキレンポリアミン(c) およびポリアルキレ
    ンポリアミンと4級化剤との反応生成物(d) から選ばれ
    るポリアミン(B) を反応させて得られる生成物(C) であ
    る請求項1記載の紙用塗工組成物。
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