JP3141583B2 - 紙塗工用樹脂およびそれを含有する紙用塗工組成物 - Google Patents

紙塗工用樹脂およびそれを含有する紙用塗工組成物

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JP3141583B2 JP04316904A JP31690492A JP3141583B2 JP 3141583 B2 JP3141583 B2 JP 3141583B2 JP 04316904 A JP04316904 A JP 04316904A JP 31690492 A JP31690492 A JP 31690492A JP 3141583 B2 JP3141583 B2 JP 3141583B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紙塗工用樹脂およびそ
れを含有する紙用塗工組成物に関するものである。さら
に詳しくは、紙に対して優れた印刷適性および印刷効果
を付与することができる紙塗工用樹脂およびそれを含有
する紙用塗工組成物を提供しようとするものである。
【0002】なお、本明細書で用いる「紙」という語は
広義の意味であり、狭義の意味でいう紙および板紙を包
含する。
【0003】
【従来の技術】顔料と水性バインダーを主体とした塗工
組成物を紙に塗布し、乾燥、カレンダー処理などの必要
な工程を施して得られる塗工紙は、その優れた印刷効果
などの特長から、商業印刷物や雑誌・書籍などに広く用
いられているが、品質要求の高度化、印刷の高速化など
に伴って、塗工紙の品質改良努力が今もなお続けられて
いる。とりわけ印刷の多くを占めるオフセット印刷にお
いては、しめし水の影響下でのインキ受理性、ウエット
ピックやウエットラブなどの耐水性、輪転印刷での耐ブ
リスター性の改良・向上が業界の重要な課題となってい
る。
【0004】従来よりこうした課題に対して、メラミン
−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹
脂、またはポリアミドポリ尿素−ホルムアルデヒド樹
脂、例えば特公昭 44-11667 号公報や特公昭 59-32597
号公報等に示されるような耐水化剤や印刷適性向上剤な
どを添加する手法が知られている。
【0005】しかし、これら従来の耐水化剤や印刷適性
向上剤などは、いずれも有効な特性を有する反面、一部
の特性において重大な欠点ないしは効果の不十分さが認
められることから、実用上必ずしも満足しうるものでは
なかった。
【0006】例えば、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂
や尿素−ホルムアルデヒド樹脂などのアミノプラスト樹
脂は、作業時の、あるいは塗工紙からのホルムアルデヒ
ドの発生が多いのみならず、インキ受理性や耐ブリスタ
ー性の改良効果がほとんど得られないことや、また塗工
組成物のpHが高くなると耐水化効果も発揮しにくくな
るといった問題がある。
【0007】ポリアミドポリ尿素−ホルムアルデヒド樹
脂は、耐水性の向上と同時にインキ受理性および耐ブリ
スター性の向上に有効ではあるが、それらの向上度合
は、近年の塗工紙品質の高度化要求に対して必ずしも充
分なものとはいいがたかった。そこで一層の品質向上に
向けた努力がなされており、例えば特開昭 62-125093号
公報、特開平 4-100996 号公報、特開平 4-100997 号公
報などには、さらに改良された紙用塗工組成物が開示さ
れている。しかし、その後の塗工紙品質に対する要求の
高度化に伴い、より一層の高性能化が必要となってきて
いる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
の技術では得ることが困難であった、紙に対して高度の
インキ受理性、耐水性および耐ブリスター性を同時に付
与しうる紙塗工用樹脂および紙用塗工組成物を提供する
ことにある。
【0009】本発明者らは、かかる課題解決のために鋭
意研究を行った結果、特定の水溶性樹脂が、顔料および
水性バインダーと組み合わせて紙塗工に用いた場合に優
れた性能を発揮することを見出し、本発明を完成した。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、 (a) アルキレンジアミンまたはポリアルキレンポリアミ
ン、 (b) 尿素類、 (c) (c1)及び/又は(c2)の有機イソシアネート (c1):下記から選ばれる少なくとも1種類の有機イソシ
アネート類 シクロヘキシルイソシアネート、イソホロンジイソシア
ネート、 3−(2′−イソシアナトシクロヘキシル)プ
ロピルイソシアネ ート、ビス(イソシアナトメチル)シ
クロヘキサン、イソプロピ リデンビス(シクロヘキシル
イソシアネート)、トランスシクロ ヘキサン 1,4−
ジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイ ソシアネー
ト、ブチルイソシアネート、オクタデシルイソシアネ
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキ
サメチ レンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナト
ヘキサン酸メチ ル、フェニルイソシアネート、トリレン
ジイソシアネート、ジフ ェニルメタンジイソシアネー
ト、トリジンジイソシアネート、ナ フタレンジイソシア
ネート、トリフェニルメタン トリイソシア ネート、ト
リス(イソシアナトフェニル)チオフォスフェート、
ェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
ト、ジ アニシジンジイソシアネート、ジフェニルエーテ
ルジイソシアネ ート、トシルイソシアネート (c2):(c1)とアミン類又はポリオール類との反応物、 (c1)のアダクト体および(c1)のブロック化イソシアネー
トから選 ばれる少なくとも1種類の有機イソシアネート
の反応物 (d) アルデヒド類(d1)、エピハロヒドリン類(d2)および
α,γ−ジハロ−β−ヒドリン類(d3)から選ばれる化合
物を反応させて得られる水溶性樹脂(A) を含有する紙塗
工用樹脂を提供するものである。
【0011】本発明はさらに、(I) 顔料、(II) 水性
バインダー、および(III) 前記水溶性樹脂(A) を含む樹
脂成分を含有する紙用塗工組成物を提供する。
【0012】本発明における紙塗工用樹脂は、前記水溶
性樹脂(A) に加えて、ポリアルキレンポリアミン(e) お
よび/または活性水素含有アミノ化合物と4級化剤との
反応生成物(f) 〔以下、これらポリアルキレンポリアミ
ン(e) および/または反応生成物(f) をアミン(B) と呼
称する〕を含有することができる。また本発明における
紙塗工用樹脂は、水溶性樹脂(A) に、さらにアミン(B)
を反応させて得られる生成物(C) であってもよい。
【0013】以下、本発明についてさらに詳細に説明す
る。
【0014】本発明において水溶性樹脂(A) の原料とな
るアルキレンジアミンまたはポリアルキレンポリアミン
(a) としては例えば、エチレンジアミン、プロピレンジ
アミン、トリメチレンジアミンのような脂肪族ジアミン
類および、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピル
アミン、3−アザヘキサン−1,6−ジアミン、4,7
−ジアザデカン−1,10−ジアミンのようなポリアル
キレンポリアミン類が挙げられる。これらのなかでは、
ジエチレントリアミンおよびトリエチレンテトラミンが
工業的に有利である。これらのアルキレンジアミンまた
はポリアルキレンポリアミン(a) は、それぞれ単独で用
いることもできるし、また2種以上の混合物として用い
ることもできる。
【0015】また、尿素類(b) としては例えば、尿素、
チオ尿素、グアニル尿素、メチル尿素、ジメチル尿素な
どを挙げることができる。工業的見地からは、尿素が好
ましく用いられる。
【0016】有機イソシアネートまたはその反応物(c)
には、有機イソシアネート類(c1)および、その有機イソ
シアネート類とそれらに対して反応活性を有する化合物
との反応物(c2)が含まれる。
【0017】有機イソシアネート類(c1)としては例え
ば、シクロヘキシルイソシアネート、イソホロンジイソ
シアネート、3−(2′−イソシアナトシクロヘキシ
ル)プロピルイソシアネート、ビス(イソシアナトメチ
ル)シクロヘキサン、イソプロピリデンビス(シクロヘ
キシルイソシアネート)、トランスシクロヘキサン
1,4−ジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソ
シアネートのような脂環式イソシアネート類;ブチルイ
ソシアネート、オクタデシルイソシアネート、ヘキサメ
チレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジ
イソシアネート、2,6−ジイソシアナトヘキサン酸メ
チル(リジンジイソシアネートとも呼ばれる)のような
脂肪族イソシアネート類;フェニルイソシアネート、ト
リレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシア
ネート、トリジンジイソシアネート、ナフタレンジイソ
シアネート、トリフェニルメタン トリイソシアネー
ト、トリス(イソシアナトフェニル)チオフォスフェー
ト、フェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシ
アネート、ジアニシジンジイソシアネート、ジフェニル
エーテルジイソシアネート、トシルイソシアネートのよ
うな芳香族イソシアネート類が挙げられる。なかでも特
に、脂環式イソシアネート類が好ましく用いられる。
【0018】また、有機イソシアネートの反応物(c2)と
しては例えば、アンモニアまたは、メチルアミン、エチ
ルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、
トリエチレンテトラミンのような脂肪族アミン、シクロ
ヘキシルアミン、ジシクロヘキシルジアミン、イソホロ
ンジアミン、イソプロピリデンビス(アミノメチルシク
ロヘキサン)、メチレンビス(アミノメチルシクロヘキ
サン)のような脂環式アミンまたは、アニリン、ジアミ
ノトルエン、テトラアミノジフェニルメタンのような芳
香族アミンなどのアミン類と、上記イソシアネート類(c
1)との反応物;エチレングリコール、プロピレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリメチロールプロパン
のようなポリオール類と、上記イソシアネート類(c1)
(通常はジイソシアネート類)との反応物であるいわゆ
るポリウレタン類;水やひまし油などと、上記イソシア
ネート類(c1)との反応によって得られるいわゆるアダク
ト体と呼ばれるポリイソシアネート類;亜硫酸塩類、フ
ェノール、カプロラクタム、アセト酢酸エステル、アセ
チルアセトンなどと、上記イソシアネート類(c1)との反
応物であるいわゆるブロック化イソシアネート(イソシ
アネート再生体)などが挙げられる。イソシアネート類
(c1)に対して反応活性を有する化合物のなかでは、アミ
ン類およびアンモニア、特にアンモニアが好ましく用い
られる。有機イソシアネートの反応物(c2)を用いる場合
も、特に脂環式イソシアネート類の反応物が好ましい。
【0019】有機イソシアネート類と、その有機イソシ
アネートに対して反応活性を有する化合物を反応させる
場合、有機イソシアネート類は、それぞれ単独で用いて
もよいし、また2種以上組み合わせて用いてもよく、そ
してその有機イソシアネートに反応させる化合物も、そ
れぞれ単独で用いてもよいし、また2種以上組み合わせ
て用いてもよい。さらには、有機イソシアネートまたは
その反応物(c) としても、それぞれ単独で用いてもよい
し、また2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0020】アルデヒド類(d1)としては、ホルムアルデ
ヒド、アセトアルデヒドやプロピルアルデヒドのような
アルキルアルデヒド類、グリオキザール、プロパンジア
ールやブタンジアールのようなアルキルジアルデヒド類
などが挙げられる。工業的には、ホルムアルデヒドおよ
びグリオキザールが好ましい。これらのアルデヒド類
は、それぞれ単独で用いることもできるし、また2種以
上の混合物として用いることもできる。
【0021】エピハロヒドリン類(d2)は、次の一般式で
示される。
【0022】
【化1】
【0023】式中、Xはハロゲン原子を表し、wは1、
2または3を表す。好ましい例としては、エピクロロヒ
ドリン、エピブロモヒドリンなどが挙げられる。これら
のエピハロヒドリン類は、それぞれ単独で用いてもよい
し、2種以上の混合物として用いてもよい。
【0024】α,γ−ジハロ−β−ヒドリン類(d3)は、
次の一般式で示される。
【0025】
【化2】
【0026】式中、XおよびZはハロゲン原子を表す。
例えば、1,3−ジクロロ−2−プロパノールなどが挙
げられる。
【0027】本発明においては、アルデヒド類(d1)、エ
ピハロヒドリン類(d2)およびα,γ−ジハロ−β−ヒド
リン類(d3)から選ばれる化合物(d) を1種または2種以
上用いる。したがってこれらは、もちろん単独で用いて
もよいし、また2種以上組み合わせて用いてもよい。例
えば、アルデヒド類(d1)とエピハロヒドリン類(d2)を組
み合わせて用いることもできるし、またアルデヒド類(d
1)とα,γ−ジハロ−β−ヒドリン類(d3)を組み合わせ
て用いることもできる。
【0028】本発明における水溶性樹脂(A) は、次の4
成分を反応させることにより得られる。
【0029】(a) アルキレンジアミンまたはポリアルキ
レンポリアミン、(b) 尿素類、(c) 有機イソシアネート
(c1)またはその反応物(c2)、ならびに(d) アルデヒド類
(d1)、エピハロヒドリン類(d2)およびα,γ−ジハロ−
β−ヒドリン類(d3)のうちの少なくとも1種の化合物。
【0030】この際の反応の順序は任意であり、特に制
限されるものではないが、例えば、アルキレンジアミン
またはポリアルキレンポリアミン(a) 、尿素類(b) およ
び有機イソシアネートまたはその反応物(c) を反応させ
て得られる生成物(A1)に、さらにアルデヒド類(d1)、エ
ピハロヒドリン類(d2)およびα,γ−ジハロ−β−ヒド
リン類(d3)のうちの少なくとも1種の化合物(d) を反応
させることができる。またこれとは別に、アルキレンジ
アミンまたはポリアルキレンポリアミン(a) と尿素類
(b) との縮合反応物(A2)に、さらに有機イソシアネート
の反応物(c2)ならびに、アルデヒド類(d1)、エピハロヒ
ドリン類(d2)およびα,γ−ジハロ−β−ヒドリン類(d
3)のうちの少なくとも1種の化合物(d) を反応させても
よい。
【0031】まず前者の態様、すなわちアルキレンジア
ミンまたはポリアルキレンポリアミン(a) 、尿素類(b)
および有機イソシアネートまたはその反応物(c) を反応
させて得られる生成物(A1)に、さらにアルデヒド類(d
1)、エピハロヒドリン類(d2)およびα,γ−ジハロ−β
−ヒドリン類(d3)のうちの少なくとも1種の化合物(d)
を反応させる態様について説明する。
【0032】この場合の、アルキレンジアミンまたはポ
リアルキレンポリアミン(a) 、尿素類(b) および有機イ
ソシアネートまたはその反応物(c) の反応において、尿
素類(b) および有機イソシアネートまたはその反応物
(c) は、アルキレンジアミンまたはポリアルキレンポリ
アミン(a) の1級および2級アミノ基1モルに対して、
両者の合計で0.5〜1モル程度使用するのが好ましい。
また有機イソシアネートまたはその反応物(c) 自体は、
尿素類(b) 1モルあたり、0.01〜1モル程度使用する
のが好ましい。
【0033】反応生成物(A1)を得るにあたって、有機イ
ソシアネートまたはその反応物(c)は、有機イソシアネ
ート類(c1)であるのが好ましく、また有機イソシアネー
トの反応物(c2)である場合には、特に反応性イソシアナ
ト基(-N=C=O)を残存しているか、あるいは、加熱により
アミノ基と反応しうる官能基を有するブロック化イソシ
アネートや、イソシアネートとアンモニアとの反応物で
あることが好ましい。
【0034】反応生成物(A1)を得る際の反応の順序は任
意であり、例えば、アルキレンジアミンまたはポリアル
キレンポリアミン(a) 、尿素類(b) および有機イソシア
ネートまたはその反応物(c) の3成分を、同時に反応さ
せることができる。また、これら3成分のうちの2成
分、特にアルキレンジアミンまたはポリアルキレンポリ
アミン(a) と他の1成分をまず反応させ、しかるのち残
りの1成分を反応させるといったように、反応を2段階
で行うこともできる。
【0035】例えば、まずアルキレンジアミンまたはポ
リアルキレンポリアミン(a) と尿素類(b) とを、100
〜180℃程度、好ましくは100〜160℃程度で脱
アンモニア反応させ、しかるのち有機イソシアネートま
たはその反応物(c) を加え、有機イソシアネートまたは
その反応物(c) がイソシアナト基を有する場合には、さ
らに0〜130℃程度、好ましくは10〜110℃程度
で反応を行い、また有機イソシアネートまたはその反応
物(c) が加熱によりアミノ基と反応しうる官能基を有す
るイソシアネートの反応物である場合には、40〜20
0℃程度、好ましくは50〜180℃程度で反応を行う
ことができる。あるいは、まずアルキレンジアミンまた
はポリアルキレンポリアミン(a) と有機イソシアネート
またはその反応物(c) とを、有機イソシアネートまたは
その反応物(c) がイソシアナト基を有する場合には、0
〜130℃程度、好ましくは10〜110℃程度で反応
させ、また有機イソシアネートまたはその反応物(c) が
加熱によりアミノ基と反応しうる官能基を有するイソシ
アネートの反応物である場合には、40〜200℃程
度、好ましくは50〜180℃程度で反応させ、しかる
のち尿素類(b) を加えて、さらに100〜180℃程
度、好ましくは100〜160℃程度で脱アンモニア反
応を行うこともできる。
【0036】このようにして得られる反応生成物(A1)を
さらに、アルデヒド類(d1)、エピハロヒドリン類(d2)お
よびα,γ−ジハロ−β−ヒドリン類(d3)のうちの少な
くとも1種の化合物(d) と反応させることにより、水溶
性樹脂(A) が得られる。反応生成物(A1)と化合物(d) と
の反応は、好ましくは各成分の合計濃度が20〜80重
量%程度、より好ましくは30〜70重量%程度の水溶
液中で行われる。
【0037】反応生成物(A1)とアルデヒド類(d1)とを反
応させる場合には、好ましくは、例えば塩酸、硫酸、リ
ン酸、ギ酸、酢酸などの酸を用いてpHを7以下、より
好ましくはpH3〜6に調整したあと、40〜80℃程
度で1〜10時間程度反応を行う。また、pH8〜12
のアルカリ性下でまず反応させ、そのあとpHを7以
下、より好ましくはpH3〜6の酸性に調整して反応を
続ける方法も好ましい。後者の場合、アルカリ性下での
反応は、40〜80℃で0.5〜5時間程度、また酸性下
での反応は、40〜80℃で1〜10時間程度実施され
る。アルデヒド類(d1)の使用量は、最初に用いたアルキ
レンジアミンまたはポリアルキレンポリアミン(a) 1モ
ルに対し、アルデヒド基が0.1〜3モル程度となるよう
にするのが好ましく、より好ましくは0.3〜1.5モル程
度である。
【0038】反応生成物(A1)とエピハロヒドリン類(d2)
またはα,γ−ジハロ−β−ヒドリン類(d3)とを反応さ
せる場合には、好ましくはpH5以上、より好ましくは
pH6〜10の条件下、温度30〜90℃程度、好まし
くは40〜80℃程度で、1〜10時間程度反応を行
う。エピハロヒドリン類(d2)またはα,γ−ジハロ−β
−ヒドリン類(d3)の使用量は、最初に用いたアルキレン
ジアミンまたはポリアルキレンポリアミン(a) 1モルに
対し、0.1〜3モル程度が好ましく、より好ましくは
0.3〜2モル程度である。
【0039】次に、水溶性樹脂(A) を得る際のもう一つ
の態様、すなわち、アルキレンジアミンまたはポリアル
キレンポリアミン(a) と尿素類(b) との縮合反応物(A2)
に、さらに有機イソシアネートの反応物(c2)と、アルデ
ヒド類(d1)、エピハロヒドリン類(d2)およびα,γ−ジ
ハロ−β−ヒドリン類(d3)のうちの少なくとも1種の化
合物(d) とを反応させる態様について説明する。この場
合は、縮合反応物(A2)および/または有機イソシアネー
トの反応物(c2)が、化合物(d) を介して架橋するような
反応となる。
【0040】この場合のアルキレンジアミンまたはポリ
アルキレンポリアミン(a) と尿素類(b) との縮合反応
は、通常100〜180℃程度、好ましくは100〜1
60℃程度の温度で、発生するアンモニアを系外に除去
しながら、1〜6時間程度実施される。尿素類(b) の使
用量は、アルキレンジアミンまたはポリアルキレンポリ
アミン(a) の1級および2級アミノ基1モルに対して、
0.5〜1モル程度が好ましい。この際、尿素類(b) の一
部を、アルキレンジアミンまたはポリアルキレンポリア
ミン(a) と、120〜180℃程度、好ましくは140
〜160℃程度で反応させて一次の脱アンモニアを行っ
たあと、残りの尿素類(b) を加え、さらに100〜18
0℃程度、好ましくは100〜160℃程度で反応させ
て二次の脱アンモニアを行うといったように、反応を2
段階で実施することもできる。
【0041】こうして得られる縮合反応物(A2)を、さら
に有機イソシアネートの反応物(c2)ならびに、アルデヒ
ド類(d1)、エピハロヒドリン類(d2)およびα,γ−ジハ
ロ−β−ヒドリン類(d3)のうちの少なくとも1種の化合
物(d) と反応させることにより、水溶性樹脂(A) が得ら
れる。縮合反応物(A2)と、有機イソシアネートの反応物
(c2)および化合物(d) との反応は、好ましくは各成分の
合計濃度が20〜80重量%程度、より好ましくは30
〜70重量%程度の水溶液中で行われる。
【0042】この反応における有機イソシアネートの反
応物(c2)の使用量は、最初に用いたアルキレンジアミン
またはポリアルキレンポリアミン(a) 1モルに対して、
0.1〜1モル程度が好ましい。また、アルデヒド類(d
1)、エピハロヒドリン類(d2)およびα,γ−ジハロ−β
−ヒドリン類(d3)のうちの少なくとも1種の化合物(d)
は、縮合反応物(A2)と有機イソシアネートの反応物(c2)
の合計1モルに対し、アルデヒド類(d1)中のアルデヒド
基として、あるいはエピハロヒドリン類(d2)またはα,
γ−ジハロ−β−ヒドリン類(d3)として、それぞれ0.1
〜3モル程度用いるのが好ましく、より好ましくは0.3
〜1.5モル程度用いられる。
【0043】縮合反応物(A2)、有機イソシアネートの反
応物(c2)およびアルデヒド類(d1)を反応させる場合に
は、好ましくは酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸、ギ酸、
酢酸などによりpHを7以下、より好ましくはpH3〜
6に調整したあと、40〜80℃程度で1〜10時間程
度反応を行う。また、pH8〜12のアルカリ性下でま
ず反応させ、そのあとpHを7以下、より好ましくはp
H3〜6の酸性に調整して反応を続ける方法も好まし
い。後者の場合、アルカリ性下での反応は、40〜80
℃程度で0.5〜5時間程度、また酸性下での反応は、4
0〜80℃程度で1〜10時間程度実施される。
【0044】縮合反応物(A2)、有機イソシアネートの反
応物(c2)および、エピハロヒドリン類(d2)またはα,γ
−ジハロ−β−ヒドリン類(d3)を反応させる場合には、
好ましくはpH5以上、より好ましくはpH6〜9の条
件下で、温度30〜90℃程度、好ましくは40〜80
℃程度で、1〜10時間程度反応を行う。
【0045】以上のようにして、アルキレンジアミンま
たはポリアルキレンポリアミン(a)、尿素類(b) 、有機イ
ソシアネートまたはその反応物(c) ならびに、アルデヒ
ド類(d1)、エピハロヒドリン類(d2)およびα,γ−ジハ
ロ−β−ヒドリン類(d3)のうちの少なくとも1種の化合
物(d) を反応させたあと、必要に応じて苛性ソーダや苛
性カリなどを用いてpHを6〜10に調整することによ
り、本発明で用いる水溶性樹脂(A) が得られる。この水
溶性樹脂(A) は水溶液の状態で得られ、好ましくは60
重量%水溶液の25℃における粘度が100〜1000
cps の範囲にあり、かつpHが6〜10の範囲にある。
【0046】本発明の紙塗工用樹脂は、以上説明した水
溶性樹脂(A) を含有するものであるが、この樹脂は、水
溶性樹脂(A) 単独でもよいし、他の成分を含んでもよい
し、また水溶性樹脂(A) をさらに他の成分と反応させた
ものであってもよい。例えば水溶性樹脂(A) に加えて、
さらにポリアルキレンポリアミン(e) および/または活
性水素含有アミノ化合物と4級化剤との反応生成物(f)
〔前述の如く、アミン(B) と呼称する〕を含有するのも
有効である。また、上記水溶性樹脂(A) にさらにアミン
(B) を反応させて得られる生成物(C) を、紙塗工用樹脂
として用いるのも有効である。
【0047】ここで、ポリアルキレンポリアミン(e) と
は、分子中に2個の1級アミノ基および少なくとも1個
の2級アミノ基を有する化合物であり、具体的には例え
ば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミ
ン、3−アザヘキサン−1,6−ジアミン、4,7−ジ
アザデカン−1,10−ジアミンなどが挙げられる。
【0048】また、4級化剤との反応に供される活性水
素含有アミノ化合物は、前記ポリアルキレンポリアミン
(e) でありうるし、その他、少なくとも1個の1級また
は2級アミノ基を有する有機アミン類、例えばエチルア
ミン、イソプロピルアミン、ジエチルアミンのような脂
肪族アミン類、シクロヘキシルアミン、ビス(アミノエ
チル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、メチレン
ビス(アミノメチルシクロヘキサン)、ジシクロヘキシ
ルジアミンのような脂環式アミン類、 アニリン、ジア
ミノトルエン、テトラアミノジフェニルメタンのような
芳香族アミン類も包含する。4級化剤との反応にあたっ
て、これらの活性水素含有アミノ化合物は、それぞれ単
独で、あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0049】活性水素含有アミノ化合物との反応に供さ
れる4級化剤としては、以下のような各種のものが使用
できる。
【0050】 次の一般式で示されるハロゲン含有化
合物。 R1−X
【0051】式中、R1 は低級アルキル基(例えば炭素
数1〜6程度)、低級アルケニル基(例えば炭素数2〜
6程度)、ベンジル基またはフェノキシエチル基を表
し、Xはハロゲン原子を表す。好ましい例としては例え
ば、塩化メチル、塩化エチル、塩化プロピル、塩化アリ
ル、塩化ベンジル、塩化フェノキシエチル、ならびにこ
れら塩化物に対応する臭化物および沃化物が挙げられ
る。
【0052】 次の一般式で示されるジアルキルサル
ファイトおよびジアルキルサルフェート。 (R2O)2SOv
【0053】式中、R2 は低級アルキル基(例えば炭素
数1〜6程度)を表し、vは1または2を表す。好まし
い例としては、ジメチルサルフェート、ジエチルサルフ
ェート、ジメチルサルファイト、ジエチルサルファイト
などが挙げられる。
【0054】 次の一般式で示されるエチレンオキサ
イド系化合物。
【0055】
【化3】
【0056】式中、R3 は水素原子、低級アルキル基
(例えば炭素数1〜6程度)、ヒドロキシ低級アルキル
基(例えば炭素数1〜6程度)またはフェニル基を表
す。好ましい例としては、エチレンオキサイド、プロピ
レンオキサイド、ブチレンオキサイド、スチレンオキサ
イド、グリシドールなどが挙げられる。
【0057】 次の一般式で示されるエピハロヒドリ
ン。
【0058】
【化4】
【0059】式中、Xはハロゲン原子を表し、wは1、
2または3を表す。好ましい例としては、エピクロロヒ
ドリン、エピブロモヒドリンなどが挙げられる。
【0060】 次の一般式で示されるモノハロヒドリ
ン。 HOCH2(CH2)wX 式中、Xはハロゲン原子を表し、wは1、2または3を
表す。好ましい例としては、エチレンクロロヒドリン、
エチレンブロモヒドリンなどが挙げられる。
【0061】 次の一般式で示されるジハロヒドリ
ン。
【0062】
【化5】
【0063】式中、Xはハロゲン原子を表し、Yおよび
Zの一方はハロゲン原子、他方は水酸基を表す。好まし
い例としては、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、
2,3−ジクロロ−1−プロパノールなどが挙げられ
る。
【0064】これら4級化剤のなかでも特に好ましいも
のとして、エピクロロヒドリンが挙げられる。以上のよ
うな4級化剤となる化合物は、それぞれ単独で、あるい
は2種以上混合して使用することができる。
【0065】アミン(B) としては、ポリアルキレンポリ
アミン(e) だけを用いてもよく、活性水素含有アミノ化
合物と4級化剤との反応生成物(f) だけを用いてもよ
く、さらにはポリアルキレンポリアミン(e) と反応生成
物(f) を同時に用いてもよい。もちろん、ポリアルキレ
ンポリアミン(e) 同士および/または反応生成物(f) 同
士を、それぞれ2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0066】以上のようにして得られる水溶性樹脂(A)
、水溶性樹脂(A) とアミン(B) との混合物、あるいは
水溶性樹脂(A) とアミン(B) との反応によって得られる
生成物(C) は、紙塗工用の耐水化剤ないしは印刷適性向
上剤として用いられる。これらの樹脂は一般に、顔料
(I) および水性バインダー(II)と混合して、紙用塗工組
成物が調製される。したがって本発明の紙用塗工組成物
は、顔料(I) 、水性バインダー(II)、および以上説明し
たような水溶性樹脂(A) を含む樹脂成分(III) を含有す
るものである。
【0067】本発明における紙用塗工組成物の成分とな
る顔料(I) は、紙の塗工に従来から一般に用いられてい
るものでよく、白色無機顔料および白色有機顔料が使用
しうる。白色無機顔料としては例えば、カオリン、タル
ク、炭酸カルシウム(重質および軽質)、水酸化アルミ
ニウム、サチンホワイト、酸化チタンなどが挙げられ
る。また白色有機顔料としては例えば、ポリスチレン、
メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデ
ヒド樹脂などが挙げられる。これらはそれぞれ単独で、
あるいは2種以上混合して用いることができる。またさ
らには、有色の無機または有機顔料を併用することもで
きる。
【0068】また、本発明における紙用塗工組成物のも
う一つの成分である水性バインダー(II)も、紙の塗工に
従来から一般に用いられているものでよく、水溶性のバ
インダーや水乳化系のバインダーが使用しうる。水溶性
バインダーとしては例えば、酸化でんぷんやリン酸エス
テル化でんぷんをはじめとする無変性のまたは変性され
たでんぷん類、ポリビニルアルコール、カゼインやゼラ
チンをはじめとする水溶性プロテイン、カルボキシメチ
ルセルロースをはじめとする変性セルロール類などが挙
げられる。また水乳化系バインダーとしては例えば、ス
チレン−ブタジエン系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン
−酢酸ビニル樹脂、メチルメタクリレート樹脂などが挙
げられる。これらの水性バインダーは、それぞれ単独
で、あるいは2種以上混合して用いることができる。
【0069】本発明の紙用塗工組成物を調製するにあた
って、顔料(I) および水性バインダー(II)は、用途や目
的に応じてそれぞれの組成割合が決定され、当業界で一
般に採用されている組成と特に異なるところはない。両
者の好ましい組成割合は、顔料(I) 100重量部に対
し、水性バインダー(II)5〜200重量部程度、より好
ましくは10〜50重量部程度である。また樹脂成分(I
II) は、顔料(I) 100重量部に対し、固形分として
0.05〜5重量部程度、より好ましくは0.1〜2重量部
程度配合される。ここでいう樹脂成分(III) の配合量
は、水溶性樹脂(A) を単独で用いる場合、水溶性樹脂
(A) とアミン(B) の両者を用いる場合、および水溶性樹
脂(A) にさらにアミン(B) を反応させて得られる生成物
(C) を用いる場合のいずれにもあてはまる。
【0070】本発明で用いる樹脂成分(III) は、一般に
は紙用塗工組成物を調製する際に添加混合されるが、予
め顔料スラリーまたは水性バインダーに添加混合してお
き、これを残りの成分と配合する態様を採用しても、本
発明の効果を達成することができる。
【0071】本発明の紙用塗工組成物には、その他の成
分として例えば、分散剤、粘度・流動性調整剤、消泡
剤、防腐剤、潤滑剤、保水剤や、染料・有色顔料等の着
色剤などを、必要に応じて配合することができる。
【0072】本発明の紙用塗工組成物は、従来より公知
の方法、例えばブレードコーター、エアーナイフコータ
ー、バーコーター、サイズプレスコーター、ゲートロー
ルコーター、キャストコーターなど、公知の各種コータ
ーを用いる方法により、紙基体に塗布される。そのあと
必要な乾燥を行い、さらに必要に応じてスーパーカレン
ダーなどで平滑化処理を施すことにより、塗工紙を製造
することができる。
【0073】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらによって限定されるものでな
い。例中の%および部は、特にことわりがないかぎり重
量基準である。また粘度は、25℃における値である。
【0074】実施例1
【0075】温度計、還流冷却器および攪拌棒を備えた
四ツ口フラスコに、ジエチレントリアミン103.2g
(1.0モル)、水55.9gおよび尿素120.1g(2.0
モル)を仕込み、内温100〜110℃で4時間加熱し
て脱アンモニア反応を行った。そのあと、イソホロンジ
イソシアネート55.8g(0.25モル)を加え、70〜
100℃で2時間反応させた。 次いで、水102.3g
および37%ホルマリン32.5g(0.4モル)を加え、
90℃で1時間反応させたあと、70%硫酸で系のpH
を4.0に調整し、さらに70℃で4時間反応させて、p
H6.7、濃度60%、粘度430cps の水溶性樹脂水溶
液を得た。
【0076】実施例2
【0077】実施例1で用いたのと同様の装置に、28
%アンモニア水121.6g(2.0モル)を仕込み、そこ
へイソホロンジイソシアネート111.7g(0.5モル)
を滴下した。滴下終了後、系内温度を30〜50℃に保
温し、そのあとさらに、ジエチレントリアミン103.2
g(1.0モル)および尿素120.1g(2.0モル)を加
え、100〜110℃で8時間加熱して脱アンモニア反
応を行った。次いで、水80.1gおよび37%ホルマリ
ン40.6g(0.5モル)を加え、90℃で1時間反応さ
せたあと、70%硫酸で系のpHを4.0に調整し、さら
に70℃で4時間反応させて、pH6.2、濃度60%、
粘度270cps の水溶性樹脂水溶液を得た。
【0078】実施例3
【0079】実施例1で用いたのと同じ装置に、28%
アンモニア水60.8g(1.0モル)を仕込み、そこへイ
ソホロンジイソシアネート55.8g(0.25モル)を滴
下した。 そのあと50〜70℃に保温し、さらにジエ
チレントリアミン103.2g(1.0モル)を加えてか
ら、還流冷却器をリービッヒ冷却器に交換し、系内の水
を抜きながら、150〜170℃で5時間加熱して脱ア
ンモニア反応を行った。次いで、尿素120.1g(2.0
モル)を加え、100〜130℃で3時間脱アンモニア
反応を行った。そのあと、水117.9gおよび37%ホ
ルマリン89.3g(1.1モル)を加え、70%硫酸で系
のpHを4.0に調整し、さらに70℃で4時間保温し
て、pH6.3、濃度60%、粘度410cps の水溶性樹
脂水溶液を得た。
【0080】実施例4
【0081】実施例1と同様に脱アンモニア反応および
イソホロンジイソシアネートとの反応を行ったあと、水
139.4gおよびエピクロロヒドリン37.0g(0.4モ
ル)を加え、70℃で4時間反応させた。これにより、
pH6.5、濃度60%、粘度400cps の水溶性樹脂水
溶液を得た。
【0082】実施例5
【0083】実施例2と同様に脱アンモニア反応までを
行ったあと、水126.5gおよびエピクロロヒドリン4
6.3g(0.5モル)を加え、70℃で4時間反応させ
た。これにより、pH6.0、濃度60%、粘度250cp
s の水溶性樹脂水溶液を得た。
【0084】実施例6
【0085】実施例1と同様にして得られた水溶性樹脂
水溶液446.7gに、さらにトリエチレンテトラミン1
4.6g(0.1モル)および水9.7gを加えて、濃度60
%、粘度400cps 、pH8.0の水溶性樹脂水溶液を得
た。
【0086】実施例7
【0087】実施例1で用いたのと同じ装置に、トリエ
チレンテトラミン43.9g(0.3モル)および水14
0.3gを仕込み、内温を50℃以下に保ったまま、さら
にエピクロロヒドリン166.6g(1.8モル)を滴下し
た。そこへ、実施例1と同様にして得られた水溶性樹脂
水溶液446.7gを加え、50℃で1時間反応させて、
濃度60%、粘度450cps 、pH6.5の水溶性樹脂水
溶液を得た。
【0088】比較例1
【0089】温度計、還流冷却器および撹拌棒を備えた
四ツ口フラスコに、トリエチレンテトラミン146.2g
(1.0モル) および尿素30.0g(0.5モル) を仕込
み、内温140〜160℃で3.5時間加熱して脱アンモ
ニア反応を行った。そのあと、アジピン酸73.1g
(0.5モル) を仕込み、内温を150〜160℃に保っ
て、5時間脱アミド化反応を行った。次いで内温を13
0℃に下げ、尿素120.1g(2.0モル) を仕込み、1
20〜130℃で2時間脱アンモニア反応を行った。そ
のあと水284.5gを加えて、樹脂水溶液とした。さら
に、37%ホルマリン60.9g(0.75モル) を仕込
み、70%硫酸で系のpHを4〜5に調整し、内温70
℃で4時間反応させた。そのあと苛性ソーダ水溶液でp
Hを6.5に調整して、濃度50%、粘度140cps の樹
脂水溶液を得た。
【0090】実施例8
【0091】実施例1〜7および比較例1で得た水溶性
樹脂の水溶液を用いて、表1に示した配合による紙用塗
工組成物を調製した。
【0092】
【表1】 *1 ウルトラホワイト90: 米国エンゲルハードミネ
ラルズ社製クレー*2 カービタル90: 富士カオリン(株)製炭酸カル
シウム*3 スミレーズレジン DS-10: 住友化学工業(株)製
ポリアクリル酸系顔料分散剤*4 SN−307: 住友ダウ(株)製スチレンブタジ
エン系ラテックス*5 MS−4600: 日本食品(株)製リン酸エステ
ル化でんぷん*6 配合比は固形分重量による割合で表した。
【0093】調製した紙用塗工組成物は、総固形分が6
0%、pHが約9.0となるように、各々水と10%苛性
ソーダ水溶液で調整した。この組成物について、次のと
おり物性測定を行い、その結果を表2に示した。
【0094】塗工組成物の物性 (イ) p H ガラス電極式水素イオン濃度計〔東亜電波工業(株)
製〕を用い、調製直後の塗工組成物のpHを25℃にて
測定した。
【0095】(ロ) 粘 度 B型粘度計〔(株)東京計器製、BL型〕を用い、60
rpm 、25℃で、調製直後の塗工組成物の粘度を測定し
た。
【0096】この塗工組成物を、米坪量83g/m2であ
る上質紙の片面または両面に、ワイヤーロッドを用い
て、塗工量が15g/m2となるように塗布した。塗布後
ただちに、120℃にて30秒間熱風乾燥し、次いで温
度20℃、相対湿度65%にて16時間調湿し、さらに
温度60℃、線圧60kg/cmの条件で2回スーパーカレ
ンダー処理をして、塗工紙を得た。
【0097】こうして得た塗工紙を、耐水性、インキ受
理性および耐ブリスター性の試験に供した。試験結果を
表2に示した。なお、試験方法は以下のとおりである。
【0098】耐 水 性 (イ) ウエットラブ法(WR法) コート面上にイオン交換水を約0.1ミリリットル滴下
し、指先で7回摩擦し、溶出分を黒紙に移行させて、溶
出量を肉眼で判定した。判定基準は次のように行った。 耐水性 (劣)1〜5(優)
【0099】(ロ) ウエットピック法(WP法) RI試験機(明製作所製)を使用し、コート面を給水ロ
ールで湿潤させたあと印刷し、紙むけ状態を肉眼で観察
して判定した。判定基準は次のように行った。 耐水性 (劣)1〜5(優)
【0100】インキ受理性 (イ) A 法 RI試験機を使用して、塗工面を給水ロールで湿潤させ
たあとに印刷し、インキの受理性を肉眼で観察して判定
した。判定基準は次のように行った。 インキ受理性 (劣)1〜5(優)
【0101】(ロ) B 法 RI試験機を使用してインキに水を練り込みながら印刷
し、インキ受理性を肉眼で観察して判定した。判定基準
は次のように行った。 インキ受理性 (劣)1〜5(優)
【0102】耐ブリスター性 RI試験機を用い、オフセット輪転印刷用インキを使用
して、両面塗工紙に両面印刷を行い、調湿後、加熱した
シリコーンオイル浴中に浸し、ブリスターの発生量を肉
眼で判定した。判定基準は次のように行った。 耐ブリスター性 (劣)1〜5(優)
【0103】
【表2】
【0104】
【発明の効果】本発明の紙塗工用樹脂を用いて得た塗工
紙は、インキ受理性および耐水性に優れ、また耐ブリス
ター性にも優れ、さらにはホルムアルデヒド臭の発生が
ほとんどないなど、種々の優れた有効な特性を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−101515(JP,A) 特開 昭62−10127(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D21H 19/00 - 19/84 C09D 161/20 - 161/32 C09D 175/04 - 175/16

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(a) アルキレンジアミンまたはポリアルキ
    レンポリアミン、 (b) 尿素類、 (c) (c1)及び/又は(c2)の有機イソシアネート (c1):下記から選ばれる少なくとも1種類の有機イソシ
    アネート類 シクロヘキシルイソシアネート、イソホロンジイソシア
    ネート、 3−(2′−イソシアナトシクロヘキシル)プ
    ロピルイソシアネ ート、ビス(イソシアナトメチル)シ
    クロヘキサン、イソプロピ リデンビス(シクロヘキシル
    イソシアネート)、トランスシクロ ヘキサン 1,4−
    ジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイ ソシアネー
    ト、ブチルイソシアネート、オクタデシルイソシアネ
    ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキ
    サメチ レンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナト
    ヘキサン酸メチ ル、フェニルイソシアネート、トリレン
    ジイソシアネート、ジフ ェニルメタンジイソシアネー
    ト、トリジンジイソシアネート、ナ フタレンジイソシア
    ネート、トリフェニルメタン トリイソシア ネート、ト
    リス(イソシアナトフェニル)チオフォスフェート、
    ェニレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネー
    ト、ジ アニシジンジイソシアネート、ジフェニルエーテ
    ルジイソシアネ ート、トシルイソシアネート (c2):(c1)とアミン類又はポリオール類との反応物、 (c1)のアダクト体および(c1)のブロック化イソシアネー
    トから選 ばれる少なくとも1種類の有機イソシアネート
    の反応物 (d) アルデヒド類(d1)、エピハロヒドリン類(d2)および
    α,γ−ジハロ−β−ヒドリン類(d3)から選ばれる化合
    物を反応させて得られる水溶性樹脂(A) を含有する紙塗
    工用樹脂。
  2. 【請求項2】水溶性樹脂(A) が、アルキレンジアミンま
    たはポリアルキレンポリアミン(a)、尿素類(b) および有
    機イソシアネートまたはその反応物(c) を反応させて得
    られる生成物(A1)に、アルデヒド類(d1)、エピハロヒド
    リン類(d2)およびα,γ−ジハロ−β−ヒドリン類(d3)
    から選ばれる化合物(d) を反応させて得られる請求項1
    記載の紙塗工用樹脂。
  3. 【請求項3】水溶性樹脂(A) が、アルキレンジアミンま
    たはポリアルキレンポリアミン(a)と尿素類(b) の縮合
    反応物(A2)に、有機イソシアネートの反応物(c2)ならび
    に、アルデヒド類(d1)、エピハロヒドリン類(d2)および
    α,γ−ジハロ−β−ヒドリン類(d3)から選ばれる化合
    物(d) を反応させて得られる請求項1記載の紙塗工用樹
    脂。
  4. 【請求項4】さらに、ポリアルキレンポリアミン(e) お
    よび活性水素含有アミノ化合物と4級化剤との反応生成
    物(f) から選ばれるアミン(B) を含有する請求項1〜3
    のいずれかに記載の紙塗工用樹脂。
  5. 【請求項5】水溶性樹脂(A) がさらに、ポリアルキレン
    ポリアミン(e) および活性水素含有アミノ化合物と4級
    化剤との反応生成物(f) から選ばれるアミン(B) と反応
    させたものである請求項1〜3のいずれかに記載の紙塗
    工用樹脂。
  6. 【請求項6】有機イソシアネートまたはその反応物(c)
    が、脂環式イソシアネートまたはその反応物である請求
    項1〜5のいずれかに記載の紙塗工用樹脂。
  7. 【請求項7】(I) 顔料、 (II) 水性バインダー、および (III) 請求項1〜6のいずれかに記載の樹脂を含有して
    なる紙用塗工組成物。
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