JP2008019520A - 紙塗工用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 本発明の目的は、ホルムアルデヒドの発生がなく、さらに向上された耐水性を有する塗工紙を与える紙塗工用樹脂組成物を提供することにある。
【解決手段】(A)ポリアミン類、(B)(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類および/または(B−2)グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物、(C)尿素類、(D)架橋性化合物および(E)ラクタム類の5または6成分を反応せしめてなる樹脂組成物であって、(A)ポリアミン類のモル数1モルに対し、(D)架橋性化合物が、0.001モル以上、0.25モル以下であることを特徴とする紙塗工用樹脂組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】(A)ポリアミン類、(B)(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類および/または(B−2)グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物、(C)尿素類、(D)架橋性化合物および(E)ラクタム類の5または6成分を反応せしめてなる樹脂組成物であって、(A)ポリアミン類のモル数1モルに対し、(D)架橋性化合物が、0.001モル以上、0.25モル以下であることを特徴とする紙塗工用樹脂組成物。
【選択図】 なし
Description
本発明は、紙の塗工、特に顔料及び水性バインダーと混合して紙に塗工するのに有用な紙塗工用樹脂組成物、及びそれの紙塗工への適用に関するものである。さらに詳しくは、ホルムアルデヒドの発生がなく、紙に対して優れた耐水性を付与することができる紙塗工用組成物、及びそれに有用な紙塗工用樹脂組成物を提供しようとするものである。なお、本明細書で用いる「紙」という語は広義の意味であり、狭義の意味でいう紙及び板紙を包含する。
顔料と水性バインダーを主体とした紙塗工組成物を紙に塗布し、乾燥、カレンダー処理などの必要な処理を施して得られる塗工紙は、その優れた印刷効果などの特徴から、商業印刷物や雑誌・書籍などに広く用いられているが、品質要求の高度化、印刷の高速化などに伴って、塗工紙の品質改良努力が今もなお続けられている。とりわけ印刷の多くを占めるオフセット印刷においては、湿し水の影響下でのインキ受理性、ウエットピックなどの耐水性、及び輪転印刷での耐ブリスター性の改良・向上が、業界の重要な課題となっている。
従来より、上記課題に対して、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミドポリ尿素−ホルムアルデヒド樹脂(特許文献1)、ブロックグリオキザール樹脂(特許文献2)、アミン−エピハロヒドリン樹脂(特許文献3)、ポリアミドポリ尿素−エピハロヒドリン−ホルムアルデヒド樹脂(特許文献4)など、耐水化剤やバインダー用添加剤として添加する手法が開示されている。しかし、これら従来の耐水化剤やバインダー用添加剤は、最近の品質要求の高度化やそれに伴う配合組成の変化により現在では、一部の特性において重大な欠点又は効果の不十分さが認められることから、実用上必ずしも満足しうるものではない。
例えば、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂や尿素−ホルムアルデヒド樹脂などのいわゆるアミノプラスト樹脂は、作業時の、あるいは塗工紙からのホルムアルデヒドの発生が多いのみならず、インキ受理性や耐ブリスター性の改良効果がほとんど得られないことや、塗工組成物のpHが高くなると耐水化効果も発揮されにくくなることなどの問題がある。またポリアミドポリ尿素-ホルムアルデヒド樹脂はアミノプラスト樹脂同様、作業時の、あるいは塗工紙からのホルムアルデヒドの発生の問題がある。一方、ホルムアルデヒド不含のバインダー用添加剤として知られているブロックグリオキザール樹脂は、湿し水に対する耐水性をある程度付与できるものの、インキ受理性や耐ブリスター性などの塗工紙品質の改良にはほとんど効果がない。また、アミン−エピハロヒドリン樹脂も、耐水性やインキ受理性などの塗工紙品質の改良にあまり有効でないとともに、エピハロヒドリン由来の吸着性有機ハロゲン化合物が存在するため、その使用が差し控えられる傾向にある。
さらに昨今では、品質要求の高度化、印刷の高速化が進行しており、さらなる塗工紙の品質改良努力が今もなお続けられている。とりわけ印刷の多くを占めるオフセット印刷においては、湿し水の影響下でのウエットピックなどの耐水性の改良・向上が、業界の重要な課題となっている。
前記課題に対して、本発明者らは、先にインキ受理性および耐水性に優れた塗工紙を与える紙塗工用樹脂組成物として、ポリアミン類、脂環式二塩基性カルボン酸類、尿素類、アルキル化剤を反応せしめてなる樹脂組成物(特許文献5)を提案した。 前記樹脂組成物は、顔料に対する紙塗工用樹脂組成物を従来と同様に添加した場合には、従来の紙塗工用組成物よりはインキ受理性や耐水性が向上するが、耐水性については、顔料に対する紙塗工用樹脂組成物の添加量を低減した場合には耐水性が劣るという欠点を有し、耐水性について、顔料に対する紙塗工用樹脂組成物の添加量を低減しても耐水性の優れた紙塗工用樹脂組成物の開発が望まれていた。
これらの要望に対して、本発明者らは、先に(A)ポリアミン類、(B)(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類および/または(B−2)グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物および(C)尿素類の3または4成分を反応せしめてなる紙塗工用樹脂組成物および(A)ポリアミン類、(B)(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類および/または(B−2)グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物、(C)尿素類および(D)架橋性化合物の4または5成分を反応せしめてなる樹脂組成物であって、(A)ポリアミン類のモル数1モルに対し、(D)架橋性化合物が、0.001モル以上、0.25モル以下である紙塗工用樹脂組成物(特許文献6)を提案した。
本発明の目的は、ホルムアルデヒドの発生がなく、優れた耐水性を有する塗工紙を与える紙塗工用樹脂組成物を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべくホルムアルデヒド及びホルムアルデヒドを発生させる化合物を含まない樹脂組成物について鋭意検討した結果、(A)ポリアミン類、(B)(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類および/または(B−2)グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物、(C)尿素類、(D)架橋性化合物および(E)ラクタム類の5または6成分を反応せしめてなる樹脂組成物であって、(A)ポリアミン類のモル数1モルに対し、(D)架橋性化合物が、0.001モル以上、0.25モル以下である紙塗工用樹脂組成物を用いることにより、特願2006−173236号において、本発明者らが提案したものと同様に、従来の紙塗工用樹脂組成物よりも優れた耐水性を有し、これを含有する紙塗工用組成物において顔料に対する添加量を低減できることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の紙塗工用樹脂組成物は、従来の紙塗工用樹脂組成物よりも優れた耐水性を有し、これを含有する紙塗工用組成物において紙塗工用樹脂組成物の顔料に対する添加量を低減できる。また、本発明の紙塗工用樹脂組成物は印刷適性向上剤および耐水化剤にも使用し得る。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明における(A)ポリアミン類とは、分子中に1級又は2級アミノ基を少なくとも2個有する脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、複素環ポリアミンであり、例えば、エチレンイミンを重合して得られるポリエチレンイミン;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の炭素数1〜10程度のアルキレン基を含有するアルキレンジアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン、3−アザヘキサン−1,6−ジアミン、4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等のポリアルキレンポリアミン;イソホロンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどの脂環式ポリアミン;複素環ポリアミン等が挙げられる。
本発明における(A)ポリアミン類とは、分子中に1級又は2級アミノ基を少なくとも2個有する脂肪族ポリアミン、脂環式ポリアミン、複素環ポリアミンであり、例えば、エチレンイミンを重合して得られるポリエチレンイミン;エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等の炭素数1〜10程度のアルキレン基を含有するアルキレンジアミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレンヘキサミン、テトラエチレンペンタミン、イミノビスプロピルアミン、3−アザヘキサン−1,6−ジアミン、4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン等のポリアルキレンポリアミン;イソホロンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどの脂環式ポリアミン;複素環ポリアミン等が挙げられる。
ここで複素環ポリアミンとは、分子中に窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原子を少なくとも1個含有する複素環を含み、1級又は2級アミノ基を少なくとも2個有するポリアミンのことである。中でも、複素環に窒素原子を含有する複素環ポリアミンが好ましく、具体例としては、ピペラジン、ホモピペラジン等のような複素環ジアミン類;N−アミノエチルピペラジン、N−アミノプロピルピペラジン、及び1,4−ビス(アミノプロピル)ピペラジンのような複素環アミンとアミノアルキル基とからなる複素環ポリアミンなどが挙げられる。
(A)ポリアミン類として、異なる2種類以上のポリアミン類を用いてもよい。ポリアミン類としては、中でも、ポリアルキレンポリアミンが好ましく、とりわけ、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンが好適である。
本発明における(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類は、分子内に2個のカルボキシル基を有するもの、又はそれから誘導されるものであり、例えば、遊離酸、エステル類、酸無水物などであることができる。
(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類のうち、遊離酸としては、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマール酸などが挙げられる。中でもコハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸が好ましく、とりわけアジピン酸が好ましい。
(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類のうち、エステル類としては、例えば、上記遊離酸と低級アルコールとのモノ−又はジ−エステル類、上記遊離酸とグリコール類とのポリエステル類などが挙げられる。また酸無水物の具体例としては、無水コハク酸などが挙げられる。
本発明の(B−2)グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物において用いられるグリコール類としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール等のアルキレングリコール類、ブテンジオール、オクテンジオール等のアルケニレングリコール類、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール類等が例示され、中でもエチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリンが好適に使用される。 これらグリコール類は、単独で使用しても、あるいは異なる2種類以上を併用してもよい。
(B−2)グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物としては、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、およびセバシン酸から選ばれる少なくとも1種類の脂肪族二塩基性カルボン酸類とエチレングリコール又はジエチレングリコール又はグリセリンから選ばれる少なくとも1種類のグリコール類との反応生成物が好ましく、アジピン酸とエチレングリコール、アジピン酸とジエチレングリコール、アジピン酸とグリセリンの反応生成物がさらに好ましい。
(B−2)グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物は、グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られ、グリコール類1モルに対する脂肪族二塩基性カルボン酸類のモル量は、1モルより多ければよいが、反応系の均一性の点から、1モルより多く、10モル以下が好ましく、1モルより多く5モル以下が更に好ましい。グリコール類のモル数1モルに対し、脂肪族二塩基性カルボン酸類のモル量が1モルより少ない場合、耐水性が低下するため好ましくなく、10モルより多い場合は、反応系が不均一なる傾向がある。(B−2)グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物の反応条件としては、必要に応じて生成する水を留去しながら、通常、温度100〜200℃、好ましくは120〜180℃程度で2〜10時間程度、好ましくは3〜8時間程度攪拌することによって得ることができる。
これらの(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類や(B−2)グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物は、それぞれ単独で用いても、また2種以上組み合わせて用いてもよい。(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類や(B−2)分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物は、(A)ポリアミン類1モルに対して、一般的には0.2〜2モルの範囲で、好ましくは0.3〜1.3モルの範囲で、更に好ましくは0.3〜1.1モルの範囲で用いられる。(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類が(A)ポリアミン類1モルに対して、0.2モルを下回ったり、2モルを上回ったりすると耐水性が低下する傾向がある。
本発明における(C)尿素類としては、例えば、尿素、メチル尿素、ジメチル尿素、チオ尿素、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン、1−(2−アミノエチル)−2−イミダゾリジノン等が挙げられ、中でも尿素が好適である。
これらの(C)尿素類は、それぞれ単独で用いても、また2種以上組み合わせて用いてもよい。(C)尿素類は、ポリアミン類(A)の1級アミノ基と2級アミノ基の合成モル数 1モルに対して、一般的には0.025〜0.8モルの範囲で、好ましくは0.025〜0.7モルの範囲で、更に好ましくは0.03〜0.5モルの範囲で用いられる。(C)尿素類が(A)ポリアミン類1モルに対して、0.025モルを下回ったり、0.8モルを上回ったりすると耐水性が低下する傾向がある。
本発明における(D)架橋性化合物としては、例えば、エピハロヒドリン類、モノハロヒドリン類、α,γ−ジハロ−β−ヒドリン類、グリシジル化合物又はイソシアネート類等が挙げられる。本発明において(D)架橋性化合物を用いることにより、紙塗工用樹脂組成物の保存時の安定性(均一性)が向上する傾向があり好ましい。(D)架橋性化合物のうちのエピハロヒドリン類は、式(1)
エピハロヒドリン類の好ましい例としては、例えば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン等が挙げられる。
(D)架橋性化合物のうちのモノハロヒドリン類は、式(2)
モノハロヒドリン類の好ましい例としては、例えば、エチレンクロロヒドリン、エチレンブロモヒドリン等が挙げられる。
(D)架橋性化合物のうちのα,γ−ジハロ−β−ヒドリン類は、式(3)
かかるα,γ−ジハロ−β−ヒドリン類の好ましい例としては、例えば1,3−ジクロロ−2−プロパノール等が挙げられる。
(D)架橋性化合物のうちのグリシジル化合物は通常、分子内にグリシジル基を少なくとも2個有するものである。その具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテルやプロピレングリコールジグリシジルエーテルのようなアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルやポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルのようなポリオキシアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、レゾルシンジグリシジルエーテルやビスフェノールAジグリシジルエーテルのような芳香族ジグリシジルエーテル類、トリメチロールプロパンジ−又はトリ−グリシジルエーテル、ソルビトールジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−又はヘキサ−グリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジ−、トリ−又はテトラ−グリシジルエーテルなどが挙げられる。
(D)架橋性化合物のうちのイソシアネート類は通常、分子内にイソシアナト基を少なくとも2個有するものである。その具体例としては、イソホロンジイソシアネート、3−(2−イソシアナトシクロヘキシル)プロピルイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソプロピリデンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、 トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネートのような脂環式イソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトヘキサン酸メチル(リジンジイソシアネートとも呼ばれる)のような脂肪族イソシアネート類及び、トリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアナトフェニル)チオフォスフェート、フェニレンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネートのような芳香族イソシアネート類が挙げられる。
これらの(D)架橋性化合物は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。もちろん、エピハロヒドリン類、α,γ−ジハロ−β−ヒドリン類、グリシジル化合物及びイソシアネート類のうちで、異なる種類に属するものを2種以上併用することもできる。中でもエピハロヒドリン類、及びα,γ−ジハロ−β−ヒドリン類が工業的に好ましく、とりわけエピハロヒドリン類が好適である。(D)架橋性化合物を反応させる場合、(D)架橋性化合物は、(A)ポリアミン類1モルに対して、0.001モル以上、0.25モル以下の範囲であるが、好ましくは0.001モル以上、0.2モル以下の範囲で、さらに好ましくは0.001モル以上、0.1モル未満の範囲で、最も好適には0.001モル以上、0.07モル以下の範囲で用いられる。架橋性化合物(D)がポリアミン類(A) 1モルに対して、0.25モルより多い場合、耐水性が低下する。
本発明における(E)ラクタム類は、環内に -CONH- なる原子団を有する環状化合物であり、例えば、γ−ラクタム、δ−ラクタム、ε−カプロラクタム、ラウリルラクタム、グリコシアミジン、オキシドール、イサチンなどが挙げられるが、工業上一般的に使用されているε−カプロラクタムが好ましく用いられる。これらのラクタム類を用いる場合は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。ラクタム類は、(A)ポリアミン類1モルに対して、一般的には0.001〜0.5モルの範囲で、好ましくは0.01〜0.3モルの範囲で、さらに好ましくは0.01〜0.05モルの範囲で用いられる。
本発明における紙塗工用樹脂組成物の製造方法としては、(A)ポリアミン類、(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類や(B−2)グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物、(C)尿素類、(D)架橋性化合物および(E)ラクタム類の5または6成分を反応させる場合、例えば、(ア):(A)ポリアミン類と(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類および/または(B−2)グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物とをアミド化反応させたのち、続いて(C)尿素類と脱アンモニア反応せしめ、続いて(D)架橋性化合物を反応せしめ、さらに(E)ラクタム類を反応させる方法、(イ):(A)ポリアミン類と(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類および/または(B−2)グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物とをアミド化反応させたのち、続いて(D)架橋性化合物を反応せしめ、続いて(C)尿素類と脱アンモニア反応せしめ、さらに(E)ラクタム類を反応させる方法、(ウ):(A)ポリアミン類と(D)架橋性化合物とを反応させたのち、続いて(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類および/または(B−2)グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物とをアミド化反応せしめ、続いて(C)尿素類と脱アンモニア反応せしめ、さらに(E)ラクタム類を反応させる方法、(エ):(A)ポリアミン類と(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類および/または(B−2)グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物と(E)ラクタム類とをアミド化反応させたのち、続いて(C)尿素類と脱アンモニア反応せしめ、さらに(D)架橋性化合物を反応させる方法、(オ):(A)ポリアミン類と(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類および/または(B−2)グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物と(E)ラクタム類とをアミド化反応させたのち、続いて(D)架橋性化合物を反応せしめ、さらに(C)尿素類と脱アンモニア反応させる方法、(カ):(A)ポリアミン類と(D)架橋性化合物とを反応させたのち、続いて(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類および/または(B−2)グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物と(E)ラクタム類とをアミド化反応せしめ、さらに(C)尿素類と脱アンモニア反応させる方法、(キ):(A)ポリアミン類と(E)ラクタム類とを反応させたのち、続いて(D)架橋性化合物を反応せしめ、続いて(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類および/または(B−2)グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物とをアミド化反応せしめ、さらに(C)尿素類と脱アンモニア反応させる方法、(ク):(A)ポリアミン類と(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類および/または(B−2)グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物と(C)尿素類と(D)架橋性化合物と(E)ラクタム類を同時に反応させ、アミド化反応と脱アンモニア反応と架橋反応を同時にさせる方法などが例示されるが、架橋性化合物(D)を反応させたあと、尿素類(C)を脱アンモニア反応させた方が、耐水性がより高くなり好ましい。
(A)ポリアミン類と(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類および/または(B−2)グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物との反応は(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類や(B−2)グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物の種類によって、反応温度および反応時間が異なるが、例えば、(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類および/または(B−2)分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物と、ポリアミン類(A)とをアミド化反応させる場合、通常、130〜250℃程度で、水等を留去しながら、2〜10時間程度反応させる方法;(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類の脂肪族二塩基性カルボン酸無水物とポリアミン類(A)とをアミド化反応させる場合、通常、50〜200℃程度で、水等を留去しながら、1〜10時間程度反応させる方法;(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類の脂肪族二塩基性カルボン酸エステルと(A)ポリアミン類とをアミド化反応させる場合、通常、80〜250℃程度で、水またはアルコール等を留去しながら、2〜10時間程度反応させる方法等が挙げられる。
(A)ポリアミン類のアミノ基と(C)尿素類との脱アンモニア反応は、通常、80〜180℃程度、好ましくは90〜160℃程度で、発生するアンモニアを留去しながら4〜30時間程度、好ましくは5〜20時間度反応させる方法等が挙げられる。
(A)ポリアミン類のアミノ基と(D)架橋性化合物との反応は、通常、30〜120℃程度、好ましくは50〜100℃程度にて1〜20時間程度、好ましくは2〜10時間程度反応させる方法等が挙げられる。
(A)ポリアミン類のアミノ基と(E)ラクタム類との反応は、通常、130〜250℃程度で、2〜15時間程度反応させる方法等が挙げられる。
このようにして得られた紙塗工用樹脂組成物は、必要に応じて、リン酸、硫酸、塩酸、硝酸などの無機酸や、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、アジピン酸などの有機酸を用いて、pH6〜10程度に調製してもよい。
かくして得られた紙塗工用樹脂組成物は、顔料および水性バインダーとともに紙用塗工組成物として調製される。ここで、顔料としては、例えば、白色無機顔料、白色有機顔料などが挙げられる。白色無機顔料の具体例としては、カオリン、タルク、炭酸カルシウム(重質又は軽質)、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、酸化チタンなどが挙げられる。また白色有機顔料の具体例としては、例えば、ポリスチレン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。顔料として、2種類以上の顔料を使用してもよい。
水性バインダーとしては、例えば、水溶性バインダー、水乳化系バインダーなどが挙げられる。水溶性バインダーの具体例としては、酸化でんぷん、無変性でんぷん、リン酸エステルなどで変性されたでんぷん等のでんぷん類;カゼイン、ゼラチンなどの水溶性プロテイン;カルボキシメチルセルロースなどの変性セルロース類;部分または完全けん化されたポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。水乳化系バインダーの具体例としては、カルボキシル基やニトリル基を有することもあるスチレン−ブタジエン系樹脂(SBRラテックス)、アクリロニトリル−ブタジエン系樹脂(NBRラテックス)、クロロプレン系樹脂(CRラテックス)、メチルメタクリレート−ブタジエン系樹脂(MBRラテックス)、アクリル系モノマー2種以上の共重合樹脂、アクリル系モノマーと酢酸ビニルとの共重合樹脂、アクリル系モノマーとスチレンとの共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。水性バインダーとして、2種類以上の異なる水性バインダーを使用しても良い。
本発明の紙用塗工組成物における顔料、水性バインダー(固形分)および紙塗工用樹脂(固形分)の重量比率としては、通常、顔料100重量部に対して、水性バインダーが1〜200重量部、とりわけ好ましくは5〜50重量部であり、紙塗工用樹脂組成物が0.01〜5重量部、とりわけ好ましくは、0.05〜2重量部である。
紙用塗工組成物を調製するにあたり、顔料、水性バインダー及び紙塗工用樹脂組成物の添加混合順序は任意であり、特に制限されない。例えば、紙塗工用樹脂樹脂組成物を顔料及び水性バインダーの混合物に添加混合する方法、樹脂組成物を予め顔料又は水性バインダーに添加混合しておき、これを残りの成分と配合する方法などが採用できる。
さらに、紙用塗工組成物に、例えば、アロンT−40(東亞合成社製)、スミレーズレジンDS-10(住友化学社製)などの分散剤、粘度・流動性調製剤、消泡剤、防腐剤、潤滑剤、保水剤、染料・有色顔料等の着色剤、ならびに、本発明の紙塗工用樹脂組成物とは異なる印刷適性向上剤および耐水化剤などを含有せしめてもよい。
本発明の塗工紙とは、前記紙塗工用組成物を片面または両面に含有する紙である。紙の製造方法としては、例えば、製紙科学(中外産業調査会発行(1982))、Pulp and Paper:Chemistry and Chemical Technology、 Vol.II、 John Wiley & Sons (1980)などに記載の方法により、化学パルプ、機械パルプ、故紙パルプなどを抄紙する方法などが挙げられる。本発明に用いられる紙に、必要により、填料、サイジング剤、バンド剤、紙力増強剤、染料などの添加剤を含有せしめた紙であってもよい。なお、本発明の紙とは広義の意味であって、狭義の意味でいう紙のほか、いわゆる板紙をも包含する。
本発明の塗工紙の製造方法としては、例えば、紙に紙用塗工組成物を1回塗工する方法、紙用塗工組成物の配合比率が同じまたは異なる紙用塗工組成物を複数回塗工する方法などが挙げられる。ここで、塗工方法としては、例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーター、キャストコーターなどのコーターを用いて塗工組成物を塗工原紙に塗布し、その後、必要な乾燥を行い、さらに必要に応じてスーパーカレンダーなどで平滑化処理を施す方法などが挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定される物ではない。例中、部および%は、特に断わらないかぎり重量基準である。また、固形分は、JIS K6828の4.9に準じて乾燥することにより求めた蒸発残分であり、pHは、ガラス電極式水素イオン濃度計〔東亜電波工業(株)製〕を用い、調製直後の試料のpHを25℃にて測定した値であり、粘度は、B型粘度計〔(株)東京計器製、BL型〕を用い、60rpm 、25℃で、調製直後の塗工組成物の粘度を測定した値である。
(合成例1)
<(B−2)成分の製造例1:樹脂1−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、エチレングリコール60.0部(0.97モル比)を仕込み、内温を125℃まで昇温させ、内温を125〜135℃に保って、(B−1)アジピン酸282.5部(1.93モル比)を添加し、さらに71%硫酸0.96部を滴下した後、生成する水を留去しながら内温を150℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温150〜155℃で1時間攪拌し、(B−2)末端に遊離カルボキシル基を有する樹脂(1−1)316.7部を得た。このとき、留去した水の重量は23.7部であった。該反応生成物は、エチレングリコールがすべて反応したとして、0.97モル比とみなした。
<(B−2)成分の製造例1:樹脂1−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、エチレングリコール60.0部(0.97モル比)を仕込み、内温を125℃まで昇温させ、内温を125〜135℃に保って、(B−1)アジピン酸282.5部(1.93モル比)を添加し、さらに71%硫酸0.96部を滴下した後、生成する水を留去しながら内温を150℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温150〜155℃で1時間攪拌し、(B−2)末端に遊離カルボキシル基を有する樹脂(1−1)316.7部を得た。このとき、留去した水の重量は23.7部であった。該反応生成物は、エチレングリコールがすべて反応したとして、0.97モル比とみなした。
<(A)成分と(B−2)成分と(E)成分との生成物の製造例1:樹脂1−2の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(B−2)樹脂(1−1)を316.7部(0.97モル比、ポリアミンに対して0.5モル比)を仕込み、(E)85%ε−カプロラクタム水溶液7.0部(0.052モル比、ポリアミンに対して0.027モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させ、内温を110〜135℃に保って、(A)トリエチレンテトラミン282.7部(1.93モル比、合計アミノ基として7.73モル比)を滴下した。滴下終了後、生成する水を留去しながら内温を145℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温145〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は15.4部であった。その後、水223.5部を加えて固形分濃度70%のポリアミド樹脂水溶液(樹脂1−2)812.0部(トリエチレンテトラミン基準で1.93モル比、合計アミノ基として7.73モル比)を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(B−2)樹脂(1−1)を316.7部(0.97モル比、ポリアミンに対して0.5モル比)を仕込み、(E)85%ε−カプロラクタム水溶液7.0部(0.052モル比、ポリアミンに対して0.027モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させ、内温を110〜135℃に保って、(A)トリエチレンテトラミン282.7部(1.93モル比、合計アミノ基として7.73モル比)を滴下した。滴下終了後、生成する水を留去しながら内温を145℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温145〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は15.4部であった。その後、水223.5部を加えて固形分濃度70%のポリアミド樹脂水溶液(樹脂1−2)812.0部(トリエチレンテトラミン基準で1.93モル比、合計アミノ基として7.73モル比)を得た。
<(A)成分と(B−2)成分と(E)成分と(D)成分との生成物の製造例1:樹脂1−3の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(1−2)を812.0部(トリエチレンテトラミン基準で1.93モル比、合計アミノ基として7.73モル比)を仕込み、水3.8部を滴下した後、内温を70℃まで昇温させ、内温を70〜75℃に保って、そこに(D)エピクロロヒドリン8.9部(0.10モル比、ポリアミンに対して0.05モル比)を滴下した。滴下終了後、さらに内温70〜75℃で4時間反応させ、固形分濃度70%の変性ポリアミド樹脂水溶液(樹脂1−3)824.2部(トリエチレンテトラミン基準で1.93モル比、合計アミノ基として7.73モル比)を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(1−2)を812.0部(トリエチレンテトラミン基準で1.93モル比、合計アミノ基として7.73モル比)を仕込み、水3.8部を滴下した後、内温を70℃まで昇温させ、内温を70〜75℃に保って、そこに(D)エピクロロヒドリン8.9部(0.10モル比、ポリアミンに対して0.05モル比)を滴下した。滴下終了後、さらに内温70〜75℃で4時間反応させ、固形分濃度70%の変性ポリアミド樹脂水溶液(樹脂1−3)824.2部(トリエチレンテトラミン基準で1.93モル比、合計アミノ基として7.73モル比)を得た。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例1:紙塗工用樹脂組成物1の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(1−3)を210.0部(トリエチレンテトラミン基準で0.25モル比、合計アミノ基として0.99モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素4.4部(0.074モル比、合計アミノ基に対して0.0375モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水37.1部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分56.5%、pH9.85、粘度1100mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂1)249.5部を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(1−3)を210.0部(トリエチレンテトラミン基準で0.25モル比、合計アミノ基として0.99モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素4.4部(0.074モル比、合計アミノ基に対して0.0375モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水37.1部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分56.5%、pH9.85、粘度1100mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂1)249.5部を得た。
(合成例2)
<紙塗工用樹脂組成物の製造例2:紙塗工用樹脂組成物2の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(1−3)を205.4部(トリエチレンテトラミン基準で0.24モル比、合計アミノ基として0.96モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素7.2部(0.12モル比、合計アミノ基に対して0.0625モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水37.7部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分56.4%、pH9.75、粘度975mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂2)249.0部を得た。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例2:紙塗工用樹脂組成物2の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(1−3)を205.4部(トリエチレンテトラミン基準で0.24モル比、合計アミノ基として0.96モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素7.2部(0.12モル比、合計アミノ基に対して0.0625モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水37.7部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分56.4%、pH9.75、粘度975mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂2)249.0部を得た。
(合成例3)
<紙塗工用樹脂組成物の製造例3:紙塗工用樹脂組成物3の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(1−3)を201.4部(トリエチレンテトラミン基準で0.24モル比、合計アミノ基として0.94モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素14.2部(0.24モル比、合計アミノ基に対して0.125モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水40.3部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分57.0%、pH9.60、粘度854mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂3)252.3部を得た。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例3:紙塗工用樹脂組成物3の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(1−3)を201.4部(トリエチレンテトラミン基準で0.24モル比、合計アミノ基として0.94モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素14.2部(0.24モル比、合計アミノ基に対して0.125モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水40.3部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分57.0%、pH9.60、粘度854mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂3)252.3部を得た。
(合成例4)
<(B−2)成分の製造例4:樹脂4−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、エチレングリコール87.2部(1.4モル比)を仕込み、内温を125℃まで昇温させ、内温を125〜135℃に保って、(B−1)アジピン酸410.6部(2.8モル比)を添加し、さらに71%硫酸1.4部を滴下した後、生成する水を留去しながら内温を140℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温140〜155℃で1時間攪拌し、(B−2)末端に遊離カルボキシル基を有する樹脂(4−1)464.6部を得た。このとき、留去した水の重量は32.7部であった。該反応生成物は、エチレングリコールがすべて反応したとして、1.4モル比とみなした。
<(B−2)成分の製造例4:樹脂4−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、エチレングリコール87.2部(1.4モル比)を仕込み、内温を125℃まで昇温させ、内温を125〜135℃に保って、(B−1)アジピン酸410.6部(2.8モル比)を添加し、さらに71%硫酸1.4部を滴下した後、生成する水を留去しながら内温を140℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温140〜155℃で1時間攪拌し、(B−2)末端に遊離カルボキシル基を有する樹脂(4−1)464.6部を得た。このとき、留去した水の重量は32.7部であった。該反応生成物は、エチレングリコールがすべて反応したとして、1.4モル比とみなした。
<(A)成分と(B−2)成分と(E)成分との生成物の製造例4:樹脂4−2の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(B−2)樹脂(10−1)を207.7部(0.63モル比、ポリアミンに対して0.5モル比)を仕込み、(E)85%ε−カプロラクタム水溶液4.5部(0.034モル比、ポリアミンに対して0.027モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させ、内温を110〜135℃に保って、(A)トリエチレンテトラミン183.6部(1.26モル比、合計アミノ基として5.02モル比)を滴下した。滴下終了後、生成する水を留去しながら内温を145℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温145〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は10.6部であった。その後、水147.6部を加えて固形分濃度70%のポリアミド樹脂水溶液(樹脂4−2)531.4部(トリエチレンテトラミン基準で1.26モル比、合計アミノ基として5.02モル比)を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(B−2)樹脂(10−1)を207.7部(0.63モル比、ポリアミンに対して0.5モル比)を仕込み、(E)85%ε−カプロラクタム水溶液4.5部(0.034モル比、ポリアミンに対して0.027モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させ、内温を110〜135℃に保って、(A)トリエチレンテトラミン183.6部(1.26モル比、合計アミノ基として5.02モル比)を滴下した。滴下終了後、生成する水を留去しながら内温を145℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温145〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は10.6部であった。その後、水147.6部を加えて固形分濃度70%のポリアミド樹脂水溶液(樹脂4−2)531.4部(トリエチレンテトラミン基準で1.26モル比、合計アミノ基として5.02モル比)を得た。
<(A)成分と(B−2)成分と(E)成分と(D)成分との生成物の製造例4:樹脂4−3の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(4−2)を531.4部(トリエチレンテトラミン基準で1.26モル比、合計アミノ基として5.02モル比)を仕込み、水2.5部を滴下した後、内温を70℃まで昇温させ、内温を70〜75℃に保って、そこに(D)エピクロロヒドリン5.8部(0.063モル比、ポリアミンに対して0.03モル比)を滴下した。滴下終了後、さらに内温70〜75℃で4時間反応させ、固形分濃度70%の変性ポリアミド樹脂水溶液(樹脂4−3)539.4部(トリエチレンテトラミン基準で1.26モル比、合計アミノ基として5.02モル比)を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(4−2)を531.4部(トリエチレンテトラミン基準で1.26モル比、合計アミノ基として5.02モル比)を仕込み、水2.5部を滴下した後、内温を70℃まで昇温させ、内温を70〜75℃に保って、そこに(D)エピクロロヒドリン5.8部(0.063モル比、ポリアミンに対して0.03モル比)を滴下した。滴下終了後、さらに内温70〜75℃で4時間反応させ、固形分濃度70%の変性ポリアミド樹脂水溶液(樹脂4−3)539.4部(トリエチレンテトラミン基準で1.26モル比、合計アミノ基として5.02モル比)を得た。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例4:紙塗工用樹脂組成物4の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(4−3)を151.6部(トリエチレンテトラミン基準で0.35モル比、合計アミノ基として1.41モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素21.2部(0.35モル比、合計アミノ基に対して0.25モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水35.4部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分58.0%、pH9.63、粘度950mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂4)202.8部を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(4−3)を151.6部(トリエチレンテトラミン基準で0.35モル比、合計アミノ基として1.41モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素21.2部(0.35モル比、合計アミノ基に対して0.25モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水35.4部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分58.0%、pH9.63、粘度950mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂4)202.8部を得た。
(合成例5)
<紙塗工用樹脂組成物の製造例5:紙塗工用樹脂組成物5の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(4−3)を136.0部(トリエチレンテトラミン基準で0.32モル比、合計アミノ基として1.27モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素38.0部(0.63モル比、合計アミノ基に対して0.5モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水40.8部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分58.4%、pH9.54、粘度620mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂5)208.3部を得た。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例5:紙塗工用樹脂組成物5の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(4−3)を136.0部(トリエチレンテトラミン基準で0.32モル比、合計アミノ基として1.27モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素38.0部(0.63モル比、合計アミノ基に対して0.5モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水40.8部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分58.4%、pH9.54、粘度620mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂5)208.3部を得た。
(合成例6)
<紙塗工用樹脂の製造例6:紙塗工用樹脂組成物6の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(4−3)を129.5部(トリエチレンテトラミン基準で0.30モル比、合計アミノ基として1.21モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素54.3部(0.90モル比、合計アミノ基に対して0.75モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水47.5部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分58.3%、pH9.45、粘度322mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂6)224.8部を得た。
<紙塗工用樹脂の製造例6:紙塗工用樹脂組成物6の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(4−3)を129.5部(トリエチレンテトラミン基準で0.30モル比、合計アミノ基として1.21モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素54.3部(0.90モル比、合計アミノ基に対して0.75モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水47.5部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分58.3%、pH9.45、粘度322mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂6)224.8部を得た。
(合成例7)
<(A)成分と(B−1)成分と(E)成分とグリコール類との生成物の製造例7:樹脂7−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(A)トリエチレンテトラミン146.2部(1.0モル比、合計アミノ基として4.0モル比)を仕込み、エチレングリコール15.5部(0.25モル比)を滴下し、さらに(E)85%ε−カプロラクタム水溶液2.7部(0.020モル比、ポリアミンに対して0.020モル比)を滴下した後、内温を125℃まで昇温させ、内温を125〜135℃に保って、(B−1)アジピン酸146.1部(1.0モル比、ポリアミンに対して1.0モル比)を添加し、さらに71%硫酸0.9部を滴下した後、生成する水を留去しながら内温を145℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温145〜155℃で2時間反応させた。このとき、留去した水の重量は17.0部であった。その後、水149.9部を加えて固形分濃度70%のポリアミド樹脂水溶液(樹脂7−1)442.3部(トリエチレンテトラミン基準で1.0モル比、合計アミノ基として4.0モル比)を得た。この反応生成物は(A)成分と(B−1)成分の反応生成物、および(B−1)成分とグリコール類成分の反応生成物である(B−2)成分と(A)成分の反応生成物、および(A)成分と(E)成分の反応生成物、および(A)成分と(B−1)成分と(E)成分の反応生成物、および(B−1)成分とグリコール類成分の反応生成物である(B−2)成分と(A)成分と(E)成分の反応生成物の混合物である。
<(A)成分と(B−1)成分と(E)成分とグリコール類との生成物の製造例7:樹脂7−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(A)トリエチレンテトラミン146.2部(1.0モル比、合計アミノ基として4.0モル比)を仕込み、エチレングリコール15.5部(0.25モル比)を滴下し、さらに(E)85%ε−カプロラクタム水溶液2.7部(0.020モル比、ポリアミンに対して0.020モル比)を滴下した後、内温を125℃まで昇温させ、内温を125〜135℃に保って、(B−1)アジピン酸146.1部(1.0モル比、ポリアミンに対して1.0モル比)を添加し、さらに71%硫酸0.9部を滴下した後、生成する水を留去しながら内温を145℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温145〜155℃で2時間反応させた。このとき、留去した水の重量は17.0部であった。その後、水149.9部を加えて固形分濃度70%のポリアミド樹脂水溶液(樹脂7−1)442.3部(トリエチレンテトラミン基準で1.0モル比、合計アミノ基として4.0モル比)を得た。この反応生成物は(A)成分と(B−1)成分の反応生成物、および(B−1)成分とグリコール類成分の反応生成物である(B−2)成分と(A)成分の反応生成物、および(A)成分と(E)成分の反応生成物、および(A)成分と(B−1)成分と(E)成分の反応生成物、および(B−1)成分とグリコール類成分の反応生成物である(B−2)成分と(A)成分と(E)成分の反応生成物の混合物である。
<(A)成分と(B−1)成分と(B−2)成分と(E)成分と(D)成分との生成物の製造例7:樹脂7−2の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(7−1)を442.3部(トリエチレンテトラミン基準で1.0モル比、合計アミノ基として4.0モル比)を仕込み、水2.0部を滴下した後、内温を70℃まで昇温させ、内温を70〜75℃に保って、そこに(D)エピクロロヒドリン4.6部(0.050モル比、ポリアミンに対して0.05モル比)を滴下した。滴下終了後、さらに内温70〜75℃で4時間反応させ、固形分濃度70%の変性ポリアミド樹脂水溶液(樹脂7−2)448.9部(トリエチレンテトラミン基準で1.0モル比、合計アミノ基として4.0モル比)を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(7−1)を442.3部(トリエチレンテトラミン基準で1.0モル比、合計アミノ基として4.0モル比)を仕込み、水2.0部を滴下した後、内温を70℃まで昇温させ、内温を70〜75℃に保って、そこに(D)エピクロロヒドリン4.6部(0.050モル比、ポリアミンに対して0.05モル比)を滴下した。滴下終了後、さらに内温70〜75℃で4時間反応させ、固形分濃度70%の変性ポリアミド樹脂水溶液(樹脂7−2)448.9部(トリエチレンテトラミン基準で1.0モル比、合計アミノ基として4.0モル比)を得た。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例7:紙塗工用樹脂組成物7の調整>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(7−2)を141.8部(トリエチレンテトラミン基準で0.32モル比、合計アミノ基として1.26モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素9.5部(0.16モル比、合計アミノ基に対して0.125モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水25.5部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分54.6%、pH9.58、粘度321mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂7)172.9部を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(7−2)を141.8部(トリエチレンテトラミン基準で0.32モル比、合計アミノ基として1.26モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素9.5部(0.16モル比、合計アミノ基に対して0.125モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水25.5部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分54.6%、pH9.58、粘度321mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂7)172.9部を得た。
(合成例8)
<紙塗工用樹脂組成物の製造例8:紙塗工用樹脂組成物8の調整>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(7−2)を140.0部(トリエチレンテトラミン基準で0.31モル比、合計アミノ基として1.25モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素18.7部(0.31モル比、合計アミノ基に対して0.25モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水27.0部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分56.6%、pH9.21、粘度322mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂8)179.3部を得た。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例8:紙塗工用樹脂組成物8の調整>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(7−2)を140.0部(トリエチレンテトラミン基準で0.31モル比、合計アミノ基として1.25モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素18.7部(0.31モル比、合計アミノ基に対して0.25モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水27.0部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分56.6%、pH9.21、粘度322mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂8)179.3部を得た。
(合成例9)
<(B−2)成分の製造例9:樹脂9−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、ジエチレングリコール136.6部(1.29モル比)を仕込み、内温を125℃まで昇温させ、内温を125〜135℃に保って、(B−1)アジピン酸376.3部(2.57モル比)を添加し、さらに71%硫酸1.4部を滴下した後、生成する水を留去しながら内温を140℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温140〜155℃で1時間攪拌し、(B−2)末端に遊離カルボキシル基を有する樹脂(9−1)480.9部を得た。このとき、留去した水の重量は30.7部であった。該反応生成物は、ジエチレングリコールがすべて反応したとして、1.29モル比とみなした。
<(B−2)成分の製造例9:樹脂9−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、ジエチレングリコール136.6部(1.29モル比)を仕込み、内温を125℃まで昇温させ、内温を125〜135℃に保って、(B−1)アジピン酸376.3部(2.57モル比)を添加し、さらに71%硫酸1.4部を滴下した後、生成する水を留去しながら内温を140℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温140〜155℃で1時間攪拌し、(B−2)末端に遊離カルボキシル基を有する樹脂(9−1)480.9部を得た。このとき、留去した水の重量は30.7部であった。該反応生成物は、ジエチレングリコールがすべて反応したとして、1.29モル比とみなした。
<(A)成分と(B−2)成分と(E)成分との生成物の製造例9:樹脂9−2の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(B−2)樹脂(9−1)を199.8部(0.53モル比、ポリアミンに対して0.5モル比)を仕込み、(E)85%ε−カプロラクタム水溶液3.9部(0.029モル比、ポリアミンに対して0.027モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させ、内温を110〜135℃に保って、(A)トリエチレンテトラミン156.4部(1.07モル比、合計アミノ基として4.28モル比)を滴下した。滴下終了後、生成する水を留去しながら内温を145℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温145〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は7.9部であった。その後、水133.8部を加えて固形分濃度70%のポリアミド樹脂水溶液(樹脂9−2)484.9部(トリエチレンテトラミン基準で1.07モル比、合計アミノ基として4.28モル比)を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(B−2)樹脂(9−1)を199.8部(0.53モル比、ポリアミンに対して0.5モル比)を仕込み、(E)85%ε−カプロラクタム水溶液3.9部(0.029モル比、ポリアミンに対して0.027モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させ、内温を110〜135℃に保って、(A)トリエチレンテトラミン156.4部(1.07モル比、合計アミノ基として4.28モル比)を滴下した。滴下終了後、生成する水を留去しながら内温を145℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温145〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は7.9部であった。その後、水133.8部を加えて固形分濃度70%のポリアミド樹脂水溶液(樹脂9−2)484.9部(トリエチレンテトラミン基準で1.07モル比、合計アミノ基として4.28モル比)を得た。
<(A)成分と(B−2)成分と(E)成分と(D)成分との生成物の製造例9:樹脂9−3の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(9−2)を484.9部(トリエチレンテトラミン基準で1.07モル比、合計アミノ基として4.28モル比)を仕込み、水2.1部を滴下した後、内温を70℃まで昇温させ、内温を70〜75℃に保って、そこに(D)エピクロロヒドリン4.9部(0.053モル比、ポリアミンに対して0.05モル比)を滴下した。滴下終了後、さらに内温70〜75℃で4時間反応させ、固形分濃度70%の変性ポリアミド樹脂水溶液(樹脂9−3)491.5部(トリエチレンテトラミン基準で1.07モル比、合計アミノ基として4.28モル比)を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(9−2)を484.9部(トリエチレンテトラミン基準で1.07モル比、合計アミノ基として4.28モル比)を仕込み、水2.1部を滴下した後、内温を70℃まで昇温させ、内温を70〜75℃に保って、そこに(D)エピクロロヒドリン4.9部(0.053モル比、ポリアミンに対して0.05モル比)を滴下した。滴下終了後、さらに内温70〜75℃で4時間反応させ、固形分濃度70%の変性ポリアミド樹脂水溶液(樹脂9−3)491.5部(トリエチレンテトラミン基準で1.07モル比、合計アミノ基として4.28モル比)を得た。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例9:紙塗工用樹脂9の調整>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(9−3)を152.6部(トリエチレンテトラミン基準で0.33モル比、合計アミノ基として1.33モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素20.0部(0.33モル比、合計アミノ基に対して0.25モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水35.0部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分57.1%、pH9.62、粘度879mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂9)203.0部を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(9−3)を152.6部(トリエチレンテトラミン基準で0.33モル比、合計アミノ基として1.33モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素20.0部(0.33モル比、合計アミノ基に対して0.25モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水35.0部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分57.1%、pH9.62、粘度879mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂9)203.0部を得た。
(合成例10)
<(B−2)成分の製造例10:樹脂10−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、グリセリン48.9部(0.53モル比)を仕込み、内温を125℃まで昇温させ、内温を125〜135℃に保って、(B−1)アジピン酸233.0部(1.59モル比)を添加し、さらに71%硫酸0.8部を滴下した後、生成する水を留去しながら内温を140℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温140〜155℃で1時間攪拌し、(B−2)末端に遊離カルボキシル基を有する樹脂(10−1)265.8部を得た。このとき、留去した水の重量は15.5部であった。該反応生成物は、グリセリンがすべて反応したとして、0.53モル比とみなした。
<(B−2)成分の製造例10:樹脂10−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、グリセリン48.9部(0.53モル比)を仕込み、内温を125℃まで昇温させ、内温を125〜135℃に保って、(B−1)アジピン酸233.0部(1.59モル比)を添加し、さらに71%硫酸0.8部を滴下した後、生成する水を留去しながら内温を140℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温140〜155℃で1時間攪拌し、(B−2)末端に遊離カルボキシル基を有する樹脂(10−1)265.8部を得た。このとき、留去した水の重量は15.5部であった。該反応生成物は、グリセリンがすべて反応したとして、0.53モル比とみなした。
<(A)成分と(B−2)成分と(E)成分との生成物の製造例10:樹脂10−2の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(B−2)樹脂(10−1)を209.1部(0.42モル比、ポリアミンに対して0.33モル比)を仕込み、(E)85%ε−カプロラクタム水溶液4.5部(0.034モル比、ポリアミンに対して0.027モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させ、内温を110〜135℃に保って、(A)トリエチレンテトラミン183.4部(1.25モル比、合計アミノ基として5.02モル比)を滴下した。滴下終了後、生成する水を留去しながら内温を145℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温145〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は12.5部であった。その後、水149.4部を加えて固形分濃度70%のポリアミド樹脂水溶液(樹脂10−2)533.0部(トリエチレンテトラミン基準で1.25モル比、合計アミノ基として5.02モル比)を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(B−2)樹脂(10−1)を209.1部(0.42モル比、ポリアミンに対して0.33モル比)を仕込み、(E)85%ε−カプロラクタム水溶液4.5部(0.034モル比、ポリアミンに対して0.027モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させ、内温を110〜135℃に保って、(A)トリエチレンテトラミン183.4部(1.25モル比、合計アミノ基として5.02モル比)を滴下した。滴下終了後、生成する水を留去しながら内温を145℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温145〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は12.5部であった。その後、水149.4部を加えて固形分濃度70%のポリアミド樹脂水溶液(樹脂10−2)533.0部(トリエチレンテトラミン基準で1.25モル比、合計アミノ基として5.02モル比)を得た。
<(A)成分と(B−2)成分と(E)成分と(D)成分との生成物の製造例10:樹脂10−3の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(10−2)を533.0部(トリエチレンテトラミン基準で1.25モル比、合計アミノ基として5.02モル比)を仕込み、水2.5部を滴下した後、内温を70℃まで昇温させ、内温を70〜75℃に保って、そこに(D)エピクロロヒドリン5.8部(0.063モル比、ポリアミンに対して0.05モル比)を滴下した。滴下終了後、さらに内温70〜75℃で4時間反応させ、固形分濃度70%の変性ポリアミド樹脂水溶液(樹脂10−3)541.1部(トリエチレンテトラミン基準で1.25モル比、合計アミノ基として5.02モル比)を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(10−2)を533.0部(トリエチレンテトラミン基準で1.25モル比、合計アミノ基として5.02モル比)を仕込み、水2.5部を滴下した後、内温を70℃まで昇温させ、内温を70〜75℃に保って、そこに(D)エピクロロヒドリン5.8部(0.063モル比、ポリアミンに対して0.05モル比)を滴下した。滴下終了後、さらに内温70〜75℃で4時間反応させ、固形分濃度70%の変性ポリアミド樹脂水溶液(樹脂10−3)541.1部(トリエチレンテトラミン基準で1.25モル比、合計アミノ基として5.02モル比)を得た。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例10:紙塗工用樹脂組成物10の調整>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(10−3)を152.8部(トリエチレンテトラミン基準で0.24モル比、合計アミノ基として0.94モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素21.3部(0.35モル比、合計アミノ基に対して0.25モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水35.6部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分59.2%、pH9.58、粘度1165mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂10)204.1部を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(10−3)を152.8部(トリエチレンテトラミン基準で0.24モル比、合計アミノ基として0.94モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素21.3部(0.35モル比、合計アミノ基に対して0.25モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水35.6部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分59.2%、pH9.58、粘度1165mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂10)204.1部を得た。
(合成例11)
<(B−2)成分の製造例11:樹脂11−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、エチレングリコール23.0部(0.37モル比)を仕込み、内温を125℃まで昇温させ、内温を125〜135℃に保って、(B−1)アジピン酸108.3部(0.74モル比)を添加し、さらに71%硫酸0.4部を滴下した後、生成する水を留去しながら内温を140℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温140〜155℃で1時間攪拌し、(B−2)末端に遊離カルボキシル基を有する樹脂(11−1)123.5部を得た。このとき、留去した水の重量は6.0部であった。該反応生成物は、エチレングリコールがすべて反応したとして、0.37モル比とみなした。
<(B−2)成分の製造例11:樹脂11−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、エチレングリコール23.0部(0.37モル比)を仕込み、内温を125℃まで昇温させ、内温を125〜135℃に保って、(B−1)アジピン酸108.3部(0.74モル比)を添加し、さらに71%硫酸0.4部を滴下した後、生成する水を留去しながら内温を140℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温140〜155℃で1時間攪拌し、(B−2)末端に遊離カルボキシル基を有する樹脂(11−1)123.5部を得た。このとき、留去した水の重量は6.0部であった。該反応生成物は、エチレングリコールがすべて反応したとして、0.37モル比とみなした。
<(A)成分と(B−2)成分と(E)成分との生成物の製造例11:樹脂11−2の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(B−2)樹脂(11−1)を123.5部(0.37モル比、ポリアミンに対して0.5モル比)を仕込み、(E)85%ε−カプロラクタム水溶液2.5部(0.019モル比、ポリアミンに対して0.025モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させ、内温を110〜135℃に保って、(A)トリエチレンテトラミン108.4部(0.74モル比、合計アミノ基として2.96モル比)を滴下した。滴下終了後、生成する水を留去しながら内温を145℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温145〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は3.4部であった。その後、水84.1部を加えて固形分濃度70%のポリアミド樹脂水溶液(樹脂11−2)313.5部(トリエチレンテトラミン基準で0.74モル比、合計アミノ基として2.96モル比)を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(B−2)樹脂(11−1)を123.5部(0.37モル比、ポリアミンに対して0.5モル比)を仕込み、(E)85%ε−カプロラクタム水溶液2.5部(0.019モル比、ポリアミンに対して0.025モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させ、内温を110〜135℃に保って、(A)トリエチレンテトラミン108.4部(0.74モル比、合計アミノ基として2.96モル比)を滴下した。滴下終了後、生成する水を留去しながら内温を145℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温145〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は3.4部であった。その後、水84.1部を加えて固形分濃度70%のポリアミド樹脂水溶液(樹脂11−2)313.5部(トリエチレンテトラミン基準で0.74モル比、合計アミノ基として2.96モル比)を得た。
<(A)成分と(B−2)成分と(E)成分と(D)成分との生成物の製造例11:樹脂11−3の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(11−2)を149.9部(トリエチレンテトラミン基準で0.35モル比、合計アミノ基として1.42モル比)を仕込み、水29.4部を滴下した後、内温を70℃まで昇温させ、内温を70〜75℃に保って、そこに(D)エピクロロヒドリン6.6部(0.071モル比、ポリアミンに対して0.2モル比)を滴下した。滴下終了後、さらに内温70〜75℃で4時間反応させ、固形分濃度60%の変性ポリアミド樹脂水溶液(樹脂11−3)185.4部(トリエチレンテトラミン基準で0.35モル比、合計アミノ基として1.42モル比)を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(11−2)を149.9部(トリエチレンテトラミン基準で0.35モル比、合計アミノ基として1.42モル比)を仕込み、水29.4部を滴下した後、内温を70℃まで昇温させ、内温を70〜75℃に保って、そこに(D)エピクロロヒドリン6.6部(0.071モル比、ポリアミンに対して0.2モル比)を滴下した。滴下終了後、さらに内温70〜75℃で4時間反応させ、固形分濃度60%の変性ポリアミド樹脂水溶液(樹脂11−3)185.4部(トリエチレンテトラミン基準で0.35モル比、合計アミノ基として1.42モル比)を得た。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例11:紙塗工用樹脂組成物11の調整>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(11−3)を185.4部(トリエチレンテトラミン基準で0.35モル比、合計アミノ基として1.42モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素21.3部(0.35モル比、合計アミノ基に対して0.25モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水10.2部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分58.5%、pH8.72、粘度1372mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂11)211.5部を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(11−3)を185.4部(トリエチレンテトラミン基準で0.35モル比、合計アミノ基として1.42モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素21.3部(0.35モル比、合計アミノ基に対して0.25モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水10.2部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分58.5%、pH8.72、粘度1372mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂11)211.5部を得た。
(合成例12)
<(B−2)成分の製造例12:樹脂12−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、エチレングリコール15.2部(0.25モル比)を仕込み、内温を125℃まで昇温させ、内温を125〜135℃に保って、(B−1)アジピン酸71.7部(0.49モル比)を添加し、さらに71%硫酸0.24部を滴下した後、生成する水を留去しながら内温を150℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温150〜155℃で1時間攪拌し、(B−2)末端に遊離カルボキシル基を有する樹脂(12−1)82.9部を得た。このとき、留去した水の重量は3.2部であった。該反応生成物は、エチレングリコールがすべて反応したとして、0.25モル比とみなした。
<(B−2)成分の製造例12:樹脂12−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、エチレングリコール15.2部(0.25モル比)を仕込み、内温を125℃まで昇温させ、内温を125〜135℃に保って、(B−1)アジピン酸71.7部(0.49モル比)を添加し、さらに71%硫酸0.24部を滴下した後、生成する水を留去しながら内温を150℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温150〜155℃で1時間攪拌し、(B−2)末端に遊離カルボキシル基を有する樹脂(12−1)82.9部を得た。このとき、留去した水の重量は3.2部であった。該反応生成物は、エチレングリコールがすべて反応したとして、0.25モル比とみなした。
<(A)成分と(B−2)成分と(E)成分との生成物の製造例12:樹脂12−2の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(B−2)樹脂(12−1)を82.9部(0.25モル比、ポリアミンに対して0.5モル比)を仕込み、(E)85%ε−カプロラクタム16.3部(0.12モル比、ポリアミンに対して0.25モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させ、内温を110〜135℃に保って、(A)トリエチレンテトラミン71.8部(0.49モル比、合計アミノ基として1.96モル比)を滴下した。滴下終了後、生成する水を留去しながら内温を145℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温145〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は0.4部であった。その後、水56.6部を加えて固形分濃度70%のポリアミド樹脂水溶液(樹脂12−2)226.2部(トリエチレンテトラミン基準で0.49モル比、合計アミノ基として1.96モル比)を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(B−2)樹脂(12−1)を82.9部(0.25モル比、ポリアミンに対して0.5モル比)を仕込み、(E)85%ε−カプロラクタム16.3部(0.12モル比、ポリアミンに対して0.25モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させ、内温を110〜135℃に保って、(A)トリエチレンテトラミン71.8部(0.49モル比、合計アミノ基として1.96モル比)を滴下した。滴下終了後、生成する水を留去しながら内温を145℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温145〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は0.4部であった。その後、水56.6部を加えて固形分濃度70%のポリアミド樹脂水溶液(樹脂12−2)226.2部(トリエチレンテトラミン基準で0.49モル比、合計アミノ基として1.96モル比)を得た。
<(A)成分と(B−2)成分と(E)成分と(D)成分との生成物の製造例12:樹脂12−3の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(12−2)を226.2部(トリエチレンテトラミン基準で0.49モル比、合計アミノ基として1.96モル比)を仕込み、水38.7部を滴下した後、内温を70℃まで昇温させ、内温を70〜75℃に保って、そこに(D)エピクロロヒドリン1.5部(0.016モル比、ポリアミンに対して0.03モル比)を滴下した。滴下終了後、さらに内温70〜75℃で4時間反応させ、固形分濃度60%の変性ポリアミド樹脂水溶液(樹脂12−3)266.1部(トリエチレンテトラミン基準で0.49モル比、合計アミノ基として1.96モル比)を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(12−2)を226.2部(トリエチレンテトラミン基準で0.49モル比、合計アミノ基として1.96モル比)を仕込み、水38.7部を滴下した後、内温を70℃まで昇温させ、内温を70〜75℃に保って、そこに(D)エピクロロヒドリン1.5部(0.016モル比、ポリアミンに対して0.03モル比)を滴下した。滴下終了後、さらに内温70〜75℃で4時間反応させ、固形分濃度60%の変性ポリアミド樹脂水溶液(樹脂12−3)266.1部(トリエチレンテトラミン基準で0.49モル比、合計アミノ基として1.96モル比)を得た。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例12:紙塗工用樹脂組成物12の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(12−3)を266.1部(トリエチレンテトラミン基準で0.49モル比、合計アミノ基として1.96モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素29.5部(0.49モル比、合計アミノ基に対して0.25モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水14.1部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分58.3%、pH9.34、粘度222mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂12)302.8部を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(12−3)を266.1部(トリエチレンテトラミン基準で0.49モル比、合計アミノ基として1.96モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素29.5部(0.49モル比、合計アミノ基に対して0.25モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水14.1部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分58.3%、pH9.34、粘度222mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂12)302.8部を得た。
(合成例13)
<(B−2)成分の製造例13:樹脂13−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、エチレングリコール15.2部(0.24モル比)を仕込み、内温を125℃まで昇温させ、内温を125〜135℃に保って、(B−1)アジピン酸71.6部(0.49モル比)を添加し、さらに71%硫酸0.24部を滴下した後、生成する水を留去しながら内温を150℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温150〜155℃で1時間攪拌し、(B−2)末端に遊離カルボキシル基を有する樹脂(13−1)82.1部を得た。このとき、留去した水の重量は3.2部であった。該反応生成物は、エチレングリコールがすべて反応したとして、0.24モル比とみなした。
<(B−2)成分の製造例13:樹脂13−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、エチレングリコール15.2部(0.24モル比)を仕込み、内温を125℃まで昇温させ、内温を125〜135℃に保って、(B−1)アジピン酸71.6部(0.49モル比)を添加し、さらに71%硫酸0.24部を滴下した後、生成する水を留去しながら内温を150℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温150〜155℃で1時間攪拌し、(B−2)末端に遊離カルボキシル基を有する樹脂(13−1)82.1部を得た。このとき、留去した水の重量は3.2部であった。該反応生成物は、エチレングリコールがすべて反応したとして、0.24モル比とみなした。
<(A)成分と(B−2)成分と(E)成分との生成物の製造例13:樹脂13−2の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(B−2)樹脂(13−1)を82.1部(0.24モル比、ポリアミンに対して0.5モル比)を仕込み、(E)85%ε−カプロラクタム水溶液26.1部(0.20モル比、ポリアミンに対して0.40モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させ、内温を110〜135℃に保って、(A)トリエチレンテトラミン71.6部(0.49モル比、合計アミノ基として1.96モル比)を滴下した。滴下終了後、生成する水を留去しながら内温を145℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温145〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は0.5部であった。その後、水57.7部を加えて固形分濃度70%のポリアミド樹脂水溶液(樹脂13−2)236.3部(トリエチレンテトラミン基準で0.49モル比、合計アミノ基として1.96モル比)を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(B−2)樹脂(13−1)を82.1部(0.24モル比、ポリアミンに対して0.5モル比)を仕込み、(E)85%ε−カプロラクタム水溶液26.1部(0.20モル比、ポリアミンに対して0.40モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させ、内温を110〜135℃に保って、(A)トリエチレンテトラミン71.6部(0.49モル比、合計アミノ基として1.96モル比)を滴下した。滴下終了後、生成する水を留去しながら内温を145℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温145〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は0.5部であった。その後、水57.7部を加えて固形分濃度70%のポリアミド樹脂水溶液(樹脂13−2)236.3部(トリエチレンテトラミン基準で0.49モル比、合計アミノ基として1.96モル比)を得た。
<(A)成分と(B−2)成分と(E)成分と(D)成分との生成物の製造例13:樹脂13−3の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(13−2)を236.3部(トリエチレンテトラミン基準で0.49モル比、合計アミノ基として1.96モル比)を仕込み、水40.4部を滴下した後、内温を70℃まで昇温させ、内温を70〜75℃に保って、そこに(D)エピクロロヒドリン1.5部(0.017モル比、ポリアミンに対して0.03モル比)を滴下した。滴下終了後、さらに内温70〜75℃で4時間反応させ、固形分濃度60%の変性ポリアミド樹脂水溶液(樹脂13−3)278.0部(トリエチレンテトラミン基準で0.49モル比、合計アミノ基として1.96モル比)を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(13−2)を236.3部(トリエチレンテトラミン基準で0.49モル比、合計アミノ基として1.96モル比)を仕込み、水40.4部を滴下した後、内温を70℃まで昇温させ、内温を70〜75℃に保って、そこに(D)エピクロロヒドリン1.5部(0.017モル比、ポリアミンに対して0.03モル比)を滴下した。滴下終了後、さらに内温70〜75℃で4時間反応させ、固形分濃度60%の変性ポリアミド樹脂水溶液(樹脂13−3)278.0部(トリエチレンテトラミン基準で0.49モル比、合計アミノ基として1.96モル比)を得た。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例13:紙塗工用樹脂組成物13の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(13−3)を278.0部(トリエチレンテトラミン基準で0.49モル比、合計アミノ基として1.96モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素29.4部(0.49モル比、合計アミノ基に対して0.25モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水14.1部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分58.5%、pH9.30、粘度235mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂13)314.2部を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂(13−3)を278.0部(トリエチレンテトラミン基準で0.49モル比、合計アミノ基として1.96モル比)を仕込み、80℃まで内温を昇温させた。次に、(C)尿素29.4部(0.49モル比、合計アミノ基に対して0.25モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温105℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温105℃程度で8時間反応させた。その後、水14.1部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分58.5%、pH9.30、粘度235mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂樹脂13)314.2部を得た。
(比較合成例1)
<紙塗工用樹脂組成物の製造例14:紙塗工用樹脂組成物14の調整>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(A)トリエチレンテトラミン75.0部(0.51モル比、合計アミノ基として2.05モル比)を仕込み、内温を120℃まで昇温させ、内温を120〜135℃に保って、テトラヒドロ無水フタル酸101.4部(0.67モル比、ポリアミンに対して1.3モル比)を添加した。添加終了後、生成する水を留去しながら内温を170℃まで昇温させ、生成する水を留去しながら、さらに内温170℃程度で1時間反応させた。このとき、留去した水の重量は9.0部であった。その後、内温を100℃以下に冷却し、水41.9部を加え、さらに(C)尿素15.4部(0.26モル比、合計アミノ基に対して0.125モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温110℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温110℃程度で8時間反応させた。その後、水71.4部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分61.4%、pH8.72、粘度672mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂組成物14)290.9部を得た。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例14:紙塗工用樹脂組成物14の調整>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(A)トリエチレンテトラミン75.0部(0.51モル比、合計アミノ基として2.05モル比)を仕込み、内温を120℃まで昇温させ、内温を120〜135℃に保って、テトラヒドロ無水フタル酸101.4部(0.67モル比、ポリアミンに対して1.3モル比)を添加した。添加終了後、生成する水を留去しながら内温を170℃まで昇温させ、生成する水を留去しながら、さらに内温170℃程度で1時間反応させた。このとき、留去した水の重量は9.0部であった。その後、内温を100℃以下に冷却し、水41.9部を加え、さらに(C)尿素15.4部(0.26モル比、合計アミノ基に対して0.125モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温110℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温110℃程度で8時間反応させた。その後、水71.4部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分61.4%、pH8.72、粘度672mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂組成物14)290.9部を得た。
(比較合成例2)
<紙塗工用樹脂組成物の製造例15:紙塗工用樹脂組成物15の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた四つ口フラスコに、(A)ペンタエチレンヘキサミン232.4部(1.0モル比、合計アミノ基として6.0モル比)及びアジピン酸73.1部(0.5モル比、ポリアミンに対して0.5モル比)を仕込み、生成する水を留去しながら内温を140℃まで昇温させ、生成する水を留去しながらさらに内温140〜160℃で、5時間反応させた。次に内温を120℃に下げて、内温を140℃まで昇温させ、さらに内温140〜160℃で5時間反応させた。そこへ、(C)尿素264.3部(4.4モル比、合計アミノ基に対して0.73モル比)及び水139.6部を仕込み、内温を90〜110℃に保って、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、12時間反応させた。その後内温を40℃に下げ、(D)エピクロロヒドリン27.8部(0.3モル比、ポリアミンに対して0.3モル比)及び水201.4部を仕込んで、内温70℃で4時間反応させた。さらに硫酸と水でpH及び濃度の調製を行い、不揮発分60.4%、pH7.0、粘度264mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂組成物15)861.5部を得た。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例15:紙塗工用樹脂組成物15の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた四つ口フラスコに、(A)ペンタエチレンヘキサミン232.4部(1.0モル比、合計アミノ基として6.0モル比)及びアジピン酸73.1部(0.5モル比、ポリアミンに対して0.5モル比)を仕込み、生成する水を留去しながら内温を140℃まで昇温させ、生成する水を留去しながらさらに内温140〜160℃で、5時間反応させた。次に内温を120℃に下げて、内温を140℃まで昇温させ、さらに内温140〜160℃で5時間反応させた。そこへ、(C)尿素264.3部(4.4モル比、合計アミノ基に対して0.73モル比)及び水139.6部を仕込み、内温を90〜110℃に保って、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、12時間反応させた。その後内温を40℃に下げ、(D)エピクロロヒドリン27.8部(0.3モル比、ポリアミンに対して0.3モル比)及び水201.4部を仕込んで、内温70℃で4時間反応させた。さらに硫酸と水でpH及び濃度の調製を行い、不揮発分60.4%、pH7.0、粘度264mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂組成物15)861.5部を得た。
(比較合成例3)
<紙塗工用樹脂組成物の製造例16:紙塗工用樹脂組成物16の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(A)ジエチレントリアミン300.0部(2.91モル比、合計アミノ基として8.72モル比)を仕込み、水21.5部を滴下した後、(B−1)アジピン酸403.6部(2.76モル比、ポリアミンに対して0.95モル比)を添加した。添加終了後、71%硫酸8.8部を滴下し、その後、生成する水を留去しながら内温を160℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温160℃程度で6時間反応させた。このとき、留去した水の重量は105.6部であった。その後、水589.7部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分50.3%、pH9.91、粘度531mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂組成物16)1212.7部を得た。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例16:紙塗工用樹脂組成物16の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(A)ジエチレントリアミン300.0部(2.91モル比、合計アミノ基として8.72モル比)を仕込み、水21.5部を滴下した後、(B−1)アジピン酸403.6部(2.76モル比、ポリアミンに対して0.95モル比)を添加した。添加終了後、71%硫酸8.8部を滴下し、その後、生成する水を留去しながら内温を160℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温160℃程度で6時間反応させた。このとき、留去した水の重量は105.6部であった。その後、水589.7部を徐々に加えながら冷却して、不揮発分50.3%、pH9.91、粘度531mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂組成物16)1212.7部を得た。
(比較合成例4)
<紙塗工用樹脂組成物の製造例17:水溶性樹脂組成物(Y−1)の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(A)トリエチレントリアミン292.2部(2.00モル比、合計アミノ基として7.99モル比)、(C)尿素60.0部(1.0モル比、合計アミノ基に対して0.125モル比)を仕込み、内温を150℃に昇温させ、内温を150〜153℃に保って、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、3時間反応させた。次いで(B−1)アジピン酸146.2部(1.00モル比、ポリアミンに対して0.50モル比)を添加した。添加終了後、生成する水を留去しながら内温を155℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温155〜160℃程度に保って5時間反応させた。このとき、留去した水の重量は23.1部であった。反応終了後、内温が130℃になるまで冷却し、(C)尿素240.0部(4.0モル比、合計アミノ基に対して0.50モル比)を仕込んだ。次いで内温を130℃に昇温させ、内温を130〜135℃に保って、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、2時間反応させた。その後、水550.0部を徐々に加えながら冷却して、ポリ尿素ポリアミド水溶液を得た。次いで37%ホルマリン121.6部を添加し、20N硫酸にてpHを4に調製し、70℃で4時間保温撹拌した。その後30℃まで冷却し、30%苛性ソーダ水溶液にてpHを6.5に調製し、不揮発分50.4%、pH6.20、粘度75mPa・sの水溶液(水溶性樹脂組成物Y−1)1373.3部を得た。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例17:水溶性樹脂組成物(Y−1)の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(A)トリエチレントリアミン292.2部(2.00モル比、合計アミノ基として7.99モル比)、(C)尿素60.0部(1.0モル比、合計アミノ基に対して0.125モル比)を仕込み、内温を150℃に昇温させ、内温を150〜153℃に保って、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、3時間反応させた。次いで(B−1)アジピン酸146.2部(1.00モル比、ポリアミンに対して0.50モル比)を添加した。添加終了後、生成する水を留去しながら内温を155℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温155〜160℃程度に保って5時間反応させた。このとき、留去した水の重量は23.1部であった。反応終了後、内温が130℃になるまで冷却し、(C)尿素240.0部(4.0モル比、合計アミノ基に対して0.50モル比)を仕込んだ。次いで内温を130℃に昇温させ、内温を130〜135℃に保って、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、2時間反応させた。その後、水550.0部を徐々に加えながら冷却して、ポリ尿素ポリアミド水溶液を得た。次いで37%ホルマリン121.6部を添加し、20N硫酸にてpHを4に調製し、70℃で4時間保温撹拌した。その後30℃まで冷却し、30%苛性ソーダ水溶液にてpHを6.5に調製し、不揮発分50.4%、pH6.20、粘度75mPa・sの水溶液(水溶性樹脂組成物Y−1)1373.3部を得た。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例17:紙塗工用樹脂組成物17の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(A)トリエチレントリアミン44.0部(0.30モル比、合計アミノ基として1.20モル比)、水189.0部を仕込み、次いで(D)エピクロロヒドリン167.1部(1.80モル比、ポリアミンに対して6.0モル比)を内温を40℃程度に保って滴下した。その後、内温を40℃程度に保持したまま、さらに2時間反応させた。反応終了後、水溶性樹脂(Y−1)1373.3部を仕込み、内温を40℃程度に保持したまま、さらに2時間反応させた。次いで20N硫酸にてpHを4に調製し、不揮発分49.7%、pH4.00、粘度106mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂組成物17)1772.9部を得た。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、(A)トリエチレントリアミン44.0部(0.30モル比、合計アミノ基として1.20モル比)、水189.0部を仕込み、次いで(D)エピクロロヒドリン167.1部(1.80モル比、ポリアミンに対して6.0モル比)を内温を40℃程度に保って滴下した。その後、内温を40℃程度に保持したまま、さらに2時間反応させた。反応終了後、水溶性樹脂(Y−1)1373.3部を仕込み、内温を40℃程度に保持したまま、さらに2時間反応させた。次いで20N硫酸にてpHを4に調製し、不揮発分49.7%、pH4.00、粘度106mPa・sの水溶液(紙塗工用樹脂組成物17)1772.9部を得た。
<紙塗工用組成物の製造例>
ウルトラホワイト90(顔料、米国エンゲルハードミネラルズ社製のクレー)60重量部、カービタル90(顔料、富士カオリン(株)製の炭酸カルシウム)40重量部、ポリアクリル酸系顔料分散剤0.2重量部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(水性バインダー)9重量部及び市販の酸化でんぷん2重量部を混合し、水を加えて、固形分64.5%となるようにマスターカラーを調製した。続いて、マスターカラーの顔料100重量部に<紙塗工用樹脂組成物の製造例1>で得られた紙塗工用樹脂組成物1中の固形分が0.6重量部となる割合で添加し、固形分を64%に調製した。
得られた紙塗工組成物のpHは9.5、粘度は1490mPa・sであった。
ウルトラホワイト90(顔料、米国エンゲルハードミネラルズ社製のクレー)60重量部、カービタル90(顔料、富士カオリン(株)製の炭酸カルシウム)40重量部、ポリアクリル酸系顔料分散剤0.2重量部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(水性バインダー)9重量部及び市販の酸化でんぷん2重量部を混合し、水を加えて、固形分64.5%となるようにマスターカラーを調製した。続いて、マスターカラーの顔料100重量部に<紙塗工用樹脂組成物の製造例1>で得られた紙塗工用樹脂組成物1中の固形分が0.6重量部となる割合で添加し、固形分を64%に調製した。
得られた紙塗工組成物のpHは9.5、粘度は1490mPa・sであった。
<塗工紙の製造例>
紙塗工用組成物を、米坪量80g/m2の上質紙の片面に、ワイヤーロッドを用いて塗工量が15g/m2となるように塗布した。塗布後ただちに、130℃にて10秒間熱風乾燥し、次いで温度20℃、相対湿度65%にて16時間調湿し、さらに温度60℃、線圧60kN/mの条件で2回スーパーカレンダー処理を施して、塗工紙を得た。こうして得た塗工紙を耐水性の試験に供し、試験結果を表1に示した。なお、試験方法は以下のとおりである。
紙塗工用組成物を、米坪量80g/m2の上質紙の片面に、ワイヤーロッドを用いて塗工量が15g/m2となるように塗布した。塗布後ただちに、130℃にて10秒間熱風乾燥し、次いで温度20℃、相対湿度65%にて16時間調湿し、さらに温度60℃、線圧60kN/mの条件で2回スーパーカレンダー処理を施して、塗工紙を得た。こうして得た塗工紙を耐水性の試験に供し、試験結果を表1に示した。なお、試験方法は以下のとおりである。
<耐水性:ウェットピック法(WP法)>
RI試験機(明製作所製)を使用し、塗工面を給水ロールで湿潤させた後に印刷し、紙むけ状態を肉眼で観察して判定した。判定基準は次のように行った。
耐水性 (劣)1〜5(優)
RI試験機(明製作所製)を使用し、塗工面を給水ロールで湿潤させた後に印刷し、紙むけ状態を肉眼で観察して判定した。判定基準は次のように行った。
耐水性 (劣)1〜5(優)
(実施例2〜13、比較例1〜8)
表1〜6に記載の紙塗工用樹脂を用い、紙塗工用樹脂の添加量を表に記載した添加量に変更した以外は実施例1と同様にして、紙塗工用組成物及び塗工紙を製造し、紙塗工用樹脂組成物の物性及び塗工紙の物性を測定した。実施例1の結果とともに、結果を表1〜5に示した。
表1〜6に記載の紙塗工用樹脂を用い、紙塗工用樹脂の添加量を表に記載した添加量に変更した以外は実施例1と同様にして、紙塗工用組成物及び塗工紙を製造し、紙塗工用樹脂組成物の物性及び塗工紙の物性を測定した。実施例1の結果とともに、結果を表1〜5に示した。
(比較例9)
紙塗工用樹脂を用いない以外は実施例1と同様にして、紙塗工用組成物及び塗工紙を製造し、紙塗工用樹脂組成物の物性及び塗工紙の物性を測定した。結果を表5に示した。
紙塗工用樹脂を用いない以外は実施例1と同様にして、紙塗工用組成物及び塗工紙を製造し、紙塗工用樹脂組成物の物性及び塗工紙の物性を測定した。結果を表5に示した。
*2:(A)ポリアミン類に含有される1級及び2級合計アミノ基の合成モル数1モルに対する、(C)尿素類のモル比の合計
*3:紙塗工樹脂の製造に用いられた(A)ポリアミン類1モルに対する、用いられた(D)架橋性化合物のモル比
*4:紙塗工樹脂の製造に用いられた(A)ポリアミン類1モルに対する、用いられた(E)ラクタム類のモル比
*5:マスターカラーの顔料100重量部に対する紙塗工用樹脂組成物の固形分添加量(重量部)
Claims (5)
- (A)ポリアミン類、(B)(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類および/または(B−2)グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物、(C)尿素類、(D)架橋性化合物および(E)ラクタム類の5または6成分を反応せしめてなる樹脂組成物であって、(A)ポリアミン類のモル数1モルに対し、(D)架橋性化合物が、0.001モル以上、0.25モル以下であることを特徴とする紙塗工用樹脂組成物。
- (A)ポリアミン類のモル数1モルに対し(B)(B−1)脂肪族二塩基性カルボン酸類または(B−2)グリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数の脂肪族二塩基性カルボン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物が、0.2〜2モルであり、かつ(A)ポリアミン類の1級アミノ基と2級アミノ基の合計モル数1モルに対し、(C)尿素類が、0.025〜0.8モルであることを特徴とする請求項1に記載の紙塗工用樹脂組成物。
- (B)(B−1)がアジピン酸、(B−2)がグリコール類のモル数1モルに対し、1モルより多いモル数のアジピン酸を反応させて得られる、分子末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物であることを特徴とする請求項1〜2に記載の紙塗工用樹脂組成物。
- 請求項1〜3記載の紙塗工用樹脂組成物、顔料および水性バインダーを含有することを特徴とする紙塗工用組成物。
- 請求項4に記載の紙塗工用組成物を紙に塗工してなる塗工紙。
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- 2006-07-12 JP JP2006191204A patent/JP2008019520A/ja active Pending
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