JP3465475B2 - 水溶性樹脂及びそれの紙塗工への使用 - Google Patents

水溶性樹脂及びそれの紙塗工への使用

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紙の塗工、特に顔
料及び水性バインダーと混合して紙に塗工するのに有用
な水溶性樹脂、及びそれの紙塗工への適用に関するもの
である。さらに詳しくは、ホルムアルデヒドの発生がな
く、紙に対して優れた印刷適性及び印刷効果を付与する
ことができる紙用塗工組成物、及びそれに有用な水溶性
樹脂を提供しようとするものである。なお、本明細書で
用いる「紙」という語は広義の意味であり、狭義の意味
でいう紙及び板紙を包含する。
【0002】
【従来の技術】顔料と水性バインダーを主体とした塗工
組成物を紙に塗布し、乾燥、カレンダー処理などの必要
な処理を施して得られる塗工紙は、その優れた印刷効果
などの特徴から、商業印刷物や雑誌・書籍などに広く用
いられているが、品質要求の高度化、印刷の高速化など
に伴って、塗工紙の品質改良努力が今もなお続けられて
いる。とりわけ印刷の多くを占めるオフセット印刷にお
いては、湿し水の影響下でのインキ受理性、ウエットピ
ックなどの耐水性、及び輪転印刷での耐ブリスター性の
改良・向上が、業界の重要な課題となっている。
【0003】従来よりこうした課題に対して、メラミン
−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹
脂、特公昭 44-11667 号公報に示されるようなポリアミ
ドポリ尿素−ホルムアルデヒド樹脂、特開昭 63-120197
号公報に示されるようなブロックグリオキザール樹脂な
どを、耐水化剤やバインダー用添加剤として添加する手
法が知られている。しかし、これら従来の耐水化剤やバ
インダー用添加剤は、いずれも有効な長所を有する反
面、一部の特性において重大な欠点又は効果の不十分さ
が認められることから、実用上必ずしも満足しうるもの
ではない。
【0004】例えば、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂
や尿素−ホルムアルデヒド樹脂などのいわゆるアミノプ
ラスト樹脂は、作業時の、あるいは塗工紙からのホルム
アルデヒドの発生が多いのみならず、インキ受理性や耐
ブリスター性の改良効果がほとんど得られないことや、
塗工組成物のpHが高くなると耐水化効果も発揮されに
くくなることなどの問題がある。一方、ホルムアルデヒ
ド不含のバインダー用添加剤として知られているブロッ
クグリオキザール樹脂は、湿し水に対する耐水性をある
程度付与できるものの、インキ受理性や耐ブリスター性
などの塗工紙品質の改良にはほとんど効果がない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塗工
紙品質に対する要求に応え、紙に対して高度のインキ受
理性及び耐水性が付与できるなど、塗工紙の高品質化を
図ることができるとともに、特にホルムアルデヒドの発
生のない紙用塗工組成物を提供することにある。
【0006】本発明の別の目的は、かかる紙用塗工組成
物に有用な、ホルムアルデヒド不含の水溶性樹脂ないし
は紙塗工用樹脂を提供することにある。
【0007】本発明者らは、かかる課題解決のために鋭
意研究を行った結果、特定の成分を反応させて得られる
水溶性樹脂が紙の塗工に有用であること、及びこの樹脂
を含有する紙用塗工組成物が紙に対して優れた性能を付
与することを見出し、さらには、この水溶性樹脂を特定
のアミド化合物と組み合わせて用いれば、紙に対して一
層優れた性能が付与されることを見出し、本発明を完成
した。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、アル
キレンジアミン類及びポリアルキレンポリアミン類から
選ばれるポリアミン(a) 、並びに尿素類(b) の少なくと
も二成分を反応させたあと、グリシジル化合物及びイソ
シアネート類から選ばれる架橋性化合物(c) を反応させ
て得られる水溶性樹脂(A) を提供するものである。
【0009】水溶性樹脂(A) は、上記ポリアミン(a) 、
尿素類(b) 及び架橋性化合物(c) に加えて、他の成分を
反応させたものであってもよい。例えば、二塩基性カル
ボン酸系化合物(d) 、活性水素を少なくとも1個有する
脂環式アミン及び脂環式エポキシ化合物から選ばれる脂
環式化合物(e) 、エピハロヒドリン類及びα,γ−ジハ
ロ−β−ヒドリン類から選ばれる化合物(f) などを反応
させることができる。
【0010】このようにして得られる水溶性樹脂(A) は
紙の塗工に有用であり、したがって本発明はまた、水溶
性樹脂(A) を有効成分とする紙塗工用樹脂をも提供す
る。水溶性樹脂(A) を紙の塗工に用いる場合、それ単独
で用いることができるほか、他の樹脂成分、例えば、
α,β−不飽和カルボン酸系化合物(x) 及び1級又は2
級のアミノ基を有するアミン(y) を反応させて得られる
アミド化合物(B) と組み合わせて、両者の混合物又は反
応物として用いることもできる。
【0011】水溶性樹脂(A) を有効成分とする紙塗工用
樹脂は、特に顔料及び水性バインダーを含有する紙用塗
工組成物に適用した場合に有効である。したがって本発
明はさらに、(I) 顔料、(II)水性バインダー、及び(II
I) 水溶性樹脂(A) を含有する紙用塗工組成物をも提供
する。
【0012】
【発明の実施の形態】水溶性樹脂(A) は、アルキレンジ
アミン及びポリアルキレンポリアミンから選ばれるポリ
アミン(a) 並びに尿素類(b) の少なくとも二成分を反応
させたあと、さらにグリシジル化合物及びイソシアネー
ト類から選ばれる架橋性化合物(c) を反応させることに
より得られる。
【0013】水溶性樹脂(A) の製造に用いるポリアミン
(a) は、1級アミノ基を2個有し、両者を、途中に2級
アミノ基が存在していてもよいアルキレンで結合した化
合物である。その具体例としては、エチレンジアミン、
1,2−プロパンジアミン、1,3−プロパンジアミ
ン、ヘキサメチレンジアミンのようなアルキレンジアミ
ン類及び、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラ
ミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキ
サミン、イミノビスプロピルアミン、3−アザヘキサン
−1,6−ジアミン、4,7−ジアザデカン−1,10
−ジアミンのようなポリアルキレンポリアミン類が挙げ
られる。これらのなかでは、ジエチレントリアミン及び
トリエチレンテトラミンが工業的に有利である。これら
のポリアミン(a) は、それぞれ単独で用いることがで
き、また2種以上組み合わせて用いることもできる。
【0014】尿素類(b) は通常、式 -NHC(=Q)NHR で示
される原子団を有する尿素及びその誘導体であり、ここ
にQは酸素又は硫黄を表し、Rは水素又は炭素数1〜4
程度のアルキルを表す。尿素類(b) の具体例としては、
例えば、尿素、チオ尿素、グアニル尿素、メチル尿素、
ジメチル尿素などを挙げることができる。尿素類(b)
も、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いる
ことができる。工業的見地からは、尿素が好ましく用い
られる。尿素類(b) は、ポリアミン(a) 中の1級及び2
級アミノ基の合計量に対して、一般的には0.3〜1モル
倍の範囲で、好ましくは0.4〜1モル倍の範囲で用いら
れる。
【0015】ポリアミン(a) 及び尿素類(b) の少なくと
も二成分を反応させたあと、得られる反応生成物は、架
橋性化合物(c) との反応に供される。ここで用いる架橋
性化合物(c) は、グリシジル化合物又はイソシアネート
類である。
【0016】架橋性化合物(c) のうちのグリシジル化合
物は、分子内にグリシジル基を少なくとも2個有する。
その具体例としては、エチレングリコールジグリシジル
エーテルやプロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルのよ
うなアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、ポ
リエチレングリコールジグリシジルエーテルやポリプロ
ピレングリコールジグリシジルエーテルのようなポリオ
キシアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、レ
ゾルシンジグリシジルエーテルやビスフェノールAジグ
リシジルエーテルのような芳香族ジグリシジルエーテル
類、トリメチロールプロパンジ−又はトリ−グリシジル
エーテル、ソルビトールジ−、トリ−、テトラ−、ペン
タ−又はヘキサ−グリシジルエーテル、ペンタエリスリ
トールジ−、トリ−又はテトラ−グリシジルエーテルな
どが挙げられる。
【0017】架橋性化合物(c) のうちのイソシアネート
類も、分子内にイソシアナト基を少なくとも2個有す
る。その具体例としては、イソホロンジイソシアネー
ト、3−(2−イソシアナトシクロヘキシル)プロピル
イソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘ
キサン、イソプロピリデンビス(シクロヘキシルイソシ
アネート)、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソ
シアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネートのよ
うな脂環式イソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネ
ート、2,6−ジイソシアナトヘキサン酸メチル(リジ
ンジイソシアネートとも呼ばれる)のような脂肪族イソ
シアネート類及び、トリレンジイソシアネート、トリフ
ェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアナ
トフェニル)チオフォスフェート、フェニレンジイソシ
アネート、ジアニシジンジイソシアネート、ジフェニル
エーテルジイソシアネートのような芳香族イソシアネー
ト類が挙げられる。
【0018】これらの架橋性化合物(c) は、それぞれ単
独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
架橋性化合物(c) は、ポリアミン(a) 1モルに対して、
一般的には0.1〜2モルの範囲で、好ましくは0.2〜1
モルの範囲で用いられる。
【0019】本発明においては、ポリアミン(a) 及び尿
素類(b) の少なくとも二成分を反応させたあと、架橋性
化合物(c) との反応を行うことにより、水溶性樹脂(A)
が得られる。水溶性樹脂(A) は、上記ポリアミン(a) 、
尿素類(b) 及び架橋性化合物(c) に加えて、さらに他の
成分を反応させたものであってもよい。例えば、二塩基
性カルボン酸系化合物(d) 、活性水素を少なくとも1個
有する脂環式アミン及び脂環式エポキシ化合物から選ば
れる脂環式化合物(e) 、エピハロヒドリン類及びα,γ
−ジハロ−β−ヒドリン類から選ばれる化合物(f) など
を反応させることができる。二塩基性カルボン酸系化合
物(d) は通常、ポリアミン(a) と尿素類(b) とを反応さ
せる際に用いられ、脂環式化合物(e) は、ポリアミン
(a) と尿素類(b) とを反応させる際、及びこの反応後に
架橋性化合物(c) を反応させる際のいずれでも用いるこ
とができる。また化合物(f) は通常、架橋性化合物(c)
を反応させる際に用いられる。
【0020】二塩基性カルボン酸系化合物(d) は、分子
内に2個のカルボキシル基を有するもの、又はそれから
誘導されるものであり、例えば、遊離酸、エステル類、
酸無水物などであることができる。二塩基性カルボン酸
系化合物(d) は、脂肪族、芳香族、脂環式のいずれであ
ってもよい。
【0021】遊離の二塩基性カルボン酸としては、例え
ば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、
マレイン酸、フマール酸のような脂肪族ジカルボン酸、
フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸のような芳香族
ジカルボン酸、及び、テトラハイドロフタル酸、ヘキサ
ハイドロフタル酸、シクロヘキサン−1,3−又は−
1,4−ジカルボン酸、シクロペンタンジカルボン酸、
3−又は4−メチルテトラハイドロフタル酸、3−又は
4−メチルヘキサハイドロフタル酸のような脂環式ジカ
ルボン酸が挙げられる。なお、脂環式基が不飽和結合を
有し、その不飽和結合の位置が明示されていない場合、
その不飽和結合の位置は任意であると理解されるべきで
あり、以下の説明においても同様である。
【0022】二塩基性カルボン酸系化合物(d) は、これ
ら遊離酸のほか、そのエステル類、酸無水物などであっ
てもよい。エステル類の例としては、上記遊離酸と低級
アルコールとのモノ−又はジ−エステル類、上記遊離酸
とグリコール類とのポリエステル類などが挙げられる。
また酸無水物の具体例としては、無水コハク酸、無水フ
タル酸、テトラハイドロ無水フタル酸、ヘキサハイドロ
無水フタル酸、3−又は4−メチルテトラハイドロ無水
フタル酸、3−又は4−メチルヘキサハイドロ無水フタ
ル酸などが挙げられる。
【0023】二塩基性カルボン酸とグリコール類との反
応生成物であるポリエステルも有利に使用されるが、な
かでも遊離カルボキシル基を有するものが好ましい。こ
こで用いるグリコール類としては、エチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ブタンジオールのようなア
ルキレングリコール類、シクロペンタンジオール、シク
ロヘキサンジオールのようなシクロアルキレングリコー
ル類、ブテンジオール、オクテンジオールのようなアル
ケニレングリコール類、ジエチレングリコール、ジプロ
ピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチ
レングリコール、ポリテトラメチレングリコールのよう
なポリアルキレングリコール類、ビスフェノールAのエ
チレンオキシド付加物などを例示することができる。二
塩基性カルボン酸とグリコール類との反応にあたって、
カルボン酸過剰モル比で反応させれば、分子末端に遊離
カルボキシル基を有するポリエステルが得られる。
【0024】これらの二塩基性カルボン酸系化合物(d)
を用いる場合は、それぞれ単独で用いても、また2種以
上組み合わせて用いてもよい。二塩基性カルボン酸系化
合物(d) は、ポリアミン(a) 1モルに対して、一般には
1モル以下、好ましくは0.5モル以下の割合で用いられ
る。
【0025】脂環式化合物(e) のうち、活性水素を少な
くとも1個有する脂環式アミンは、通常、環炭素数が5
〜12程度の脂環式環、好ましくはシクロヘキサン環を
有するとともに、1級又は2級のアミノ基を少なくとも
1個有する化合物であり、ここでアミノ基は、脂環式環
に直接結合していてもよいし、またアルキレンのような
連結基を介して間接的に脂環式環と結合していてもよ
い。活性水素を少なくとも1個有する脂環式アミンの具
体例としては、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシ
ルアミン、N−メチルシクロヘキシルアミン、1,3−
又は1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4′−ジア
ミノ−3,3′−ジメチルジシクロヘキシルメタン、
4,4′−ジアミノ−3,3′−ジメチルビシクロヘキ
シル、イソホロンジアミン、1,3−、1,2−又は
1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、N−ア
ミノプロピルシクロヘキシルアミン、1,5−又は2,
6−ビス(アミノメチル)オクタハイドロ−4,7−メ
タノインデン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシ
ル)プロパン、 ビス(4−アミノシクロヘキシル)メ
タン、4,4′−オキシビス(シクロヘキシルアミ
ン)、4,4′−スルホンビス(シクロヘキシルアミ
ン)、1,3,5−トリアミノシクロヘキサン、2,
4′−又は4,4′−ジアミノ−3,3′,5,5′−
テトラメチルジシクロヘキシルメタン、メンタンジアミ
ン、N−メチル−1,3−ジアミノシクロヘキサン、
N,N−ジメチル−1,3−ジアミノシクロヘキサン、
3−N−メチルアミノ−3,5,5−トリメチルシクロ
ヘキシルアミン、N,N−ジメチルビス(4−アミノシ
クロヘキシル)メタンなどが挙げられる。
【0026】脂環式化合物(e) のうち脂環式エポキシ化
合物は、通常、環炭素数が5〜12程度の脂環式環、好
ましくはシクロヘキサン環を有するとともに、さらにエ
ポキシ基を有する化合物であり、ここでエポキシ基は、
脂環式環内の隣接する炭素原子間で形成されていても、
また脂環式環の外に形成されていてもよい。脂環式環の
外にあるエポキシ基は、脂環式環に直接結合すること
も、また例えば、グリシジル基やグリシジルオキシ基、
グリシジルオキシカルボニル基のような形で、脂環式環
に間接的に結合することもできる。脂環式エポキシ化合
物の具体例としては、シクロヘキセンオキシド、ビニル
シクロヘキセンジオキシド、ビス(3,4−エポキシシ
クロヘキシル)アジペート、3,4−エポキシシクロヘ
キシルメチル 3,4−エポキシシクロヘキサンカルボ
キシレート、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)
−8,9−エポキシ−2,4−ジオキサスピロ〔5.
5〕ウンデカン、ジグリシジルヘキサハイドロフタレー
ト、2,2−ビス(4−グリシジルオキシシクロヘキシ
ル)プロパンなどが挙げられる。
【0027】これらの脂環式化合物(e) を用いる場合
は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いる
ことができる。脂環式化合物(e) としてはもちろん、脂
環式アミンと脂環式エポキシ化合物を併用することもで
きる。脂環式化合物(e) は、ポリアミン(a) 1モルに対
して、一般には1モル以下、好ましくは0.5モル以下の
割合で用いられる。
【0028】化合物(f) のうちのエピハロヒドリン類
は、次の一般式で示される。
【0029】
【0030】式中、Xはハロゲン原子を表し、wは1、
2又は3を表す。エピハロヒドリン類の好ましい例とし
ては、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンなどが
挙げられる。これらのエピハロヒドリン類は、それぞれ
単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いても
よい。
【0031】化合物(f) のうちのα,γ−ジハロ−β−
ヒドリン類は、次の一般式で示される。
【0032】
【0033】式中、Y及びZはハロゲン原子を表す。か
かるα,γ−ジハロ−β−ヒドリン類としては、例えば
1,3−ジクロロ−2−プロパノールなどが挙げられ
る。
【0034】化合物(f) を用いる場合は、架橋性化合物
(c) の一部を化合物(f) で代替し、両者の合計量が、架
橋性化合物(c) について先に述べた範囲、すなわちポリ
アミン(a) 1モルに対して、一般的には0.1〜2モル、
好ましくは0.2〜1モルの範囲となるようにするのが適
当である。
【0035】本発明の水溶性樹脂(A) は、以上のような
ポリアミン(a) 及び尿素類(b) を反応させたあと、架橋
性化合物(c) を反応させることにより、あるいは任意に
さらに他の成分、例えば、二塩基性カルボン酸系化合物
(d) 、脂環式化合物(e) 及び/又は化合物(f) を反応さ
せることにより、得られる。
【0036】好適な水溶性樹脂(A) は、例えば、ポリア
ミン(a) 及び尿素類(b) を縮合反応させたあと、架橋性
化合物(c) を反応させ、所望ならば任意の段階で、さら
に脂環式化合物(e) を反応させることにより得られる。
【0037】ポリアミン(a) と尿素類(b) との縮合反応
においては、尿素類(b) を一括して仕込んで反応させて
もよいし、また尿素類(b) の一部を最初に仕込んでポリ
アミン(a) と反応させたあと、残りの尿素類(b) を加え
て脱アンモニア反応を行うという、二段階の反応を採用
することもできる。尿素類(b) を一括して仕込んで反応
させる場合、この反応は、通常80〜180℃程度、好
ましくは90〜160℃の温度で、発生するアンモニア
を系外に除去しながら、1〜15時間程度行われる。ポ
リアミン(a) と尿素類(b) との反応を二段階で行う場
合、一段目及び二段目の反応はそれぞれ、通常80〜1
80℃程度、好ましくは90〜160℃の温度で、発生
するアンモニアを系外に除去しながら行われ、一段目の
反応時間は1〜6時間程度、また二段目の反応時間は1
〜15時間程度が適当である。
【0038】こうして得られる脱アンモニア縮合物は、
次いで架橋性化合物(c) との反応に供される。架橋性化
合物(c) との反応は、一般に、反応物濃度10〜80重
量%程度の水溶液中、50〜100℃程度、好ましくは
70〜90℃の温度で、1〜10時間程度、好ましくは
3〜8時間かけて行われる。架橋性化合物(c) を2種以
上用いる場合、これら2種以上の架橋性化合物(c) は、
一緒に反応させてもよいし、化合物毎に反応させてもよ
い。化合物毎に反応させる場合は、それぞれの反応毎に
上記の条件を採用するのが好ましい。
【0039】所望により脂環式化合物(e) を反応させる
場合、この反応は任意の段階で行うことができる。 例
えば、ポリアミン(a) と尿素類(b) との縮合反応の段階
で脂環式化合物(e) を存在させ、三者を同時に反応させ
ることができるし、ポリアミン(a) と尿素類(b) との縮
合反応が終わったあと、架橋性化合物(c) との反応の前
に、脂環式化合物(e) を反応させることもできるし、ま
た、ポリアミン(a) と尿素類(b) との縮合反応物を架橋
性化合物(c) と反応させる段階で脂環式化合物(e) を存
在させ、これらを反応させることもできる。脂環式化合
物(e) が脂環式アミンである場合は、予めこの脂環式ア
ミンを尿素類(b) の部分量と脱アンモニア縮合させてお
き、これをさらにポリアミン(a) 及び尿素類(b) の残量
と反応させることもできる。尿素類(b) と脂環式アミン
の脱アンモニア縮合反応は、通常80〜180℃程度、
好ましくは90〜160℃の温度で、発生するアンモニ
アを系外に除去しながら、1〜15時間程度行われる。
【0040】別の好適な水溶性樹脂(A) は、ポリアミン
(a) 、尿素類(b) 及び二塩基性カルボン酸系化合物(d)
を任意の順序で反応させたあと、架橋性化合物(c) を反
応させ、所望ならば任意の段階で、さらに脂環式化合物
(e) を反応させることにより得られる。
【0041】ポリアミン(a) 、尿素類(b) 及び二塩基性
カルボン酸系化合物(d) の反応の順序は任意であるが、
この反応においても、尿素類(b) を一括して仕込んで反
応させることができ、また尿素類(b) の一部を最初に仕
込んで脱アンモニア反応を行い、後の段階で残りの尿素
類(b) を加えて再度脱アンモニア反応を行うという、二
段階の反応を採用することもできる。 例えば、ポリア
ミン(a) と二塩基性カルボン酸系化合物(d) を脱水又は
脱アルコール縮合させ、次に尿素類(b) を脱アンモニア
縮合させる方法、尿素類(b) の一部をポリアミン(a) と
脱アンモニア縮合させたあと、二塩基性カルボン酸系化
合物(d) を脱水又は脱アルコール縮合させ、さらに残り
の尿素類(b) を脱アンモニア縮合させる方法、ポリアミ
ン(a) 及び二塩基性カルボン酸系化合物(d) に、尿素類
(b) の一部を加えて脱水又は脱アルコール縮合と脱アン
モニア縮合とを行い、さらに残りの尿素類(b) を加えて
脱アンモニア縮合を行う方法などを採用することができ
る。ここで、脱水又は脱アルコール縮合反応は、通常1
20〜250℃程度、好ましくは130〜200℃の温
度で、生成する水又はアルコールを系外に除去しなが
ら、2〜12時間程度行われる。また脱アンモニア縮合
反応は、通常80〜180℃程度、好ましくは90〜1
60℃の温度で、発生するアンモニアを系外に除去しな
がら、1〜15時間程度行われる。ポリアミン(a) 、尿
素類(b) 及び二塩基性カルボン酸系化合物(d) を同時に
反応させる場合は、通常80〜200℃程度、好ましく
は90〜180℃の温度で、発生するアンモニア及び水
又はアルコールを系外に除去しながら、2〜15時間程
度行われる。
【0042】ポリアミン(a) 、尿素類(b) 及び二塩基性
カルボン酸系化合物(d) の反応により、ポリアミドポリ
尿素が得られ、このポリアミドポリ尿素は次いで、架橋
性化合物(c) との反応に供される。 架橋性化合物(c)
との反応は、一般に、反応物濃度10〜80重量%程度
の水溶液中、50〜100℃程度、好ましくは70〜9
0℃の温度で、1〜10時間程度、好ましくは3〜8時
間かけて行われる。架橋性化合物(c) を2種以上用いる
場合、これら2種以上の架橋性化合物(c) は、一緒に反
応させてもよいし、化合物毎に反応させてもよい。化合
物毎に反応させる場合は、それぞれの反応毎に上記の条
件を採用するのが好ましい。
【0043】所望により脂環式化合物(e) を反応させる
場合、この反応は任意の段階で行うことができる。例え
ば、ポリアミン(a) 、尿素類(b) 及び二塩基性カルボン
酸系化合物(d) の三者を反応させるいずれかの段階で脂
環式化合物(e) を存在させ、これらを反応させることが
できるし、ポリアミン(a) 、尿素類(b) 及び二塩基性カ
ルボン酸系化合物(d) の反応によりポリアミドポリ尿素
を生成させたあと、架橋性化合物(c) との反応の前に脂
環式化合物(e) を反応させることもできるし、また、ポ
リアミドポリ尿素を架橋性化合物(c) と反応させる段階
で、脂環式化合物(e) を存在させ、これらを反応させる
こともできる。脂環式化合物(e) が脂環式アミンである
場合は、先にポリアミン(a) と尿素類(b) との反応のと
ころで述べたのと同様に、予めこの脂環式アミンを尿素
類(b) の部分量と脱アンモニア縮合させておき、これを
さらにポリアミン(a) 、尿素類(b) の残量及び二塩基性
カルボン酸系化合物(d) と反応させることもできる。ま
た、脂環式化合物(e) が脂環式エポキシ化合物である場
合は、予めこの脂環式エポキシ化合物をポリアミン(a)
と付加反応させ、これを二塩基性カルボン酸系化合物
(d) と、さらには尿素類(b) との反応に供することもで
きる。ポリアミン(a) と脂環式エポキシ化合物の付加反
応は、通常50〜100℃程度、好ましくは70〜90
℃の温度で、1〜10時間程度行われる。
【0044】上記いずれの反応においても、エピハロヒ
ドリン類及びα,γ−ジハロ−β−ヒドリン類から選ば
れる化合物(f) を用いる場合は通常、ポリアミン(a) 、
尿素類(b) 及び任意の二塩基性カルボン酸系化合物(d)
の反応が終わったあとに行われる。すなわち、架橋性化
合物(c) を反応させる直前、架橋性化合物(c) を反応さ
せるのと同時、又は架橋性化合物(c) を反応させたあと
に、化合物(f) の反応が行われる。化合物(f) の反応は
通常、固形分濃度が10〜80重量%程度の水溶液中、
弱酸性ないしアルカリ性、例えばpH5以上、好ましく
はpH7〜12の範囲で、30〜80℃程度の温度に
て、1〜10時間程度行われる。
【0045】こうして得られる水溶性樹脂(A) は、紙塗
工用として有用である。この水溶性樹脂(A) は、それ単
独で紙塗工用に用いることができるほか、特定のアミド
化合物(B) との混合物又は反応物として用いることもで
きる。ここで用いるアミド化合物(B) は、α,β−不飽
和カルボン酸系化合物(x) とアミン(y) とを反応させる
ことにより得られる。
【0046】アミド化合物(B) の原料となるα,β−不
飽和カルボン酸系化合物(x) は、遊離酸のほか、エステ
ル類や酸無水物などの形で使用することができる。具体
的には、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブ
チル、イタコン酸、無水イタコン酸、クロトン酸、クロ
トン酸メチルなどが挙げられる。
【0047】アミド化合物(B) のもう一方の原料となる
アミン(y) は、分子内に1級又は2級のアミノ基を有す
る化合物であるが、炭素数4以上のものが好ましく、な
かでも、炭素数4以上で、かつ分子内に少なくとも2個
のアミノ基を有するものが特に好ましい。アミノ基が2
個以上ある場合は、少なくとも1個が1級又は2級のア
ミノ基であればよく、他に3級アミノ基を有していても
よい。アミン(y) の具体例には、ポリアミン(a) として
例示したもの及び脂環式化合物(e) のうちの脂環式アミ
ンとして例示したもののほか、ブチルアミン、ペンチル
アミン、ヘキシルアミン、ヘプチルアミン、2−エチル
ヘキシルアミン、オクチルアミン、ベンジルアミン、ジ
イソプロピルアミン、N−メチルベンジルアミンのよう
なモノアミン類、N−エチルエチレンジアミン、N,N
−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、N−メチルヘ
キサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサ
メチレンジアミン、キシリレンジアミンのようなジアミ
ン類及び、N−エチルイミノビスエチルアミン、N−メ
チルイミノビスプロピルアミン、N,N−ジメチルアミ
ノエチルエチレンジアミンのようなポリアミン類が包含
される。
【0048】アミド化合物(B) は、α,β−不飽和カル
ボン酸系化合物(x) とアミン(y) とを、通常100〜2
50℃程度、好ましくは130〜200℃の温度で、生
成する水又はアルコールを系外に除去しながら、2〜2
0時間程度反応させることにより、得ることができる。
また、両原料化合物を10〜80℃で1〜5時間程度反
応させたのち、100〜250℃に昇温して、留出物を
除去しながら、さらに2〜15時間程度反応を行う方法
も好ましい。この反応には、硫酸やリン酸のような酸触
媒を用いてもよい。α,β−不飽和カルボン酸系化合物
(x) は、アミン(y) の1級及び2級アミノ基の合計量に
対して、0.2〜0.5モル倍程度用いるのが好ましい。ア
ミド化合物(B) は、その70重量%水溶液の25℃にお
ける粘度が1〜1,000Pとなるもの、特に5〜500
Pとなるものが好ましい。
【0049】こうして得られるアミド化合物(B) を水溶
性樹脂(A) との反応物とする場合、この反応は通常、2
0〜100℃程度の温度で、1〜10時間程度行われ
る。エピハロヒドリン類及びα,γ−ジハロ−β−ヒド
リン類から選ばれる化合物(f)を水溶性樹脂(A) の構成
成分とし、この水溶性樹脂(A) をアミド化合物(B) と反
応させて紙塗工用樹脂とする場合、この水溶性樹脂(A)
は、アミド化合物(B) が反応する時点で形成されていれ
ばよい。例えば、アミド化合物(B) との反応系に導入す
る前に、予め化合物(f) を構成成分とする水溶性樹脂
(A) を形成させておいてもよいし、また例えば、アミド
化合物(B) との反応系内で、化合物(f) を構成成分とす
る水溶性樹脂(A) を形成させてもよい。後者の場合に
は、化合物(f)を用いることなく、又はその最終必要量
の一部を用いて、少なくともポリアミン(a) 、尿素類
(b) 及び架橋性化合物(c) を反応させたのち、アミド化
合物(B) 及び残りの量の化合物(f) を添加した反応系内
でさらに反応を進行させて、水溶性樹脂(A) を形成させ
ることができる。
【0050】水溶性樹脂(A) を有効成分とする紙塗工用
樹脂は、通常、顔料及び水性バインダーと混合して、紙
用塗工組成物とされる。この紙用塗工組成物の成分とな
る顔料は、紙の塗工に従来から一般に用いられているも
のでよく、白色無機顔料及び白色有機顔料が使用でき
る。 白色無機顔料としては、例えば、カオリン、タル
ク、炭酸カルシウム(重質又は軽質)、水酸化アルミニ
ウム、サチンホワイト、酸化チタンなどが挙げられる。
また白色有機顔料としては、例えば、ポリスチレン、メ
ラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒ
ド樹脂などが挙げられる。これらの顔料は、それぞれ単
独で、又は2種以上混合して用いることができる。さら
には、有色の無機又は有機顔料を併用することもでき
る。
【0051】水性バインダーも、紙の塗工に従来から一
般に用いられているものでよく、水溶性のバインダーや
水乳化系のバインダーが使用できる。水溶性バインダー
としては、例えば、酸化でんぷんやリン酸エステル化で
んぷんをはじめとする無変性の、又は変性されたでんぷ
ん類、ポリビニルアルコール、カゼインやゼラチンをは
じめとする水溶性プロテイン、カルボキシメチルセルロ
ースをはじめとする変性セルロース類などが挙げられ
る。また水乳化系バインダーとしては、例えば、スチレ
ン−ブタジエン系樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢
酸ビニル樹脂、メチルメタクリレート樹脂などが挙げら
れる。これらの水性バインダーは、それぞれ単独で、又
は2種以上混合して用いることができる。
【0052】紙用塗工組成物の調製にあたって、顔料と
水性バインダーの組成割合は、用途や目的に応じて決定
されるが、当業界で一般に採用されている組成と特に異
なるところはない。両者の好ましい組成割合は、顔料1
00重量部に対し、水性バインダーが5〜200重量部
程度、より好ましくは10〜50重量部程度である。水
溶性樹脂(A) のみからなる、又は水溶性樹脂(A) と他の
化合物、例えばアミド化合物(B) との混合物又は反応物
である樹脂成分は、顔料100重量部に対し、固形分と
して0.05〜5重量部程度配合するのが好ましく、より
好ましくは0.1〜2重量部程度配合する。水溶性樹脂
(A) とアミド化合物(B) の混合物又は反応物を樹脂成分
とする場合、アミド化合物(B) は、樹脂成分の固形分重
量を基準として、1〜90重量%程度の範囲、さらには
3〜80重量%程度の範囲とするのが好ましい。
【0053】紙用塗工組成物を調製するにあたって、顔
料、水性バインダー及び樹脂成分の添加混合順序は任意
であり、特に制限されないが、例えば以下のような方法
を採ることができる。水溶性樹脂(A) を単独で樹脂成分
とする場合は、この水溶性樹脂を顔料及び水性バインダ
ーに添加混合する方法、この水溶性樹脂を予め顔料スラ
リー又は水性バインダーに添加混合しておき、これを残
りの成分と配合する方法などが採用できる。水溶性樹脂
(A) をアミド化合物(B) と混合して樹脂成分とする場合
は、水溶性樹脂(A) とアミド化合物(B) を予め混合した
のち、これを顔料及び水性バインダーに添加混合する方
法、水溶性樹脂(A) とアミド化合物(B)を個々に、顔料
及び水性バインダーに添加混合する方法、水溶性樹脂
(A) 及びアミド化合物(B) の一方又は双方を、顔料スラ
リー又は水性バインダーに添加混合しておき、塗工組成
物調製の段階で全成分を混合する方法などが採用でき
る。また、水溶性樹脂(A) をアミド化合物(B) と反応さ
せて樹脂成分とする場合は、この反応物を顔料及び水性
バインダーに添加混合する方法、この反応物を予め顔料
スラリー又は水性バインダーに添加混合しておき、これ
を残りの成分と配合する方法などが採用できる。
【0054】本発明の紙用塗工組成物には、その他の成
分として、例えば、分散剤、粘度・流動性調整剤、消泡
剤、防腐剤、潤滑剤、保水剤や、染料・有色顔料のよう
な着色剤などを、必要に応じて配合することができる。
【0055】本発明の紙用塗工組成物は、従来より公知
の方法、例えばブレードコーター、エアーナイフコータ
ー、バーコーター、サイズプレスコーター、ゲートロー
ルコーター、キャストコーターなど、公知の各種コータ
ーを用いる方法により、紙基体に塗布される。その後必
要な乾燥を行い、さらに必要に応じてスーパーカレンダ
ーなどで平滑化処理を施すことにより、塗工紙を製造す
ることができる。
【0056】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳しく説
明するが、本発明はこれらによって限定されるものでは
ない。例中、含有量又は使用量を表す%及び部は、特に
ことわらないかぎり重量基準である。また、粘度及びp
Hは、25℃において測定した値である。まず、本発明
に従う水溶性樹脂(A) を合成した例を示す。
【0057】合成例1:温度計、還流冷却器及び攪拌棒
を備えた四つ口フラスコに、ジエチレントリアミン10
3.2g(1モル)及びアジピン酸73.1g(0.5モル)
を仕込み、内温140〜160℃で5時間加熱して脱水
アミド化反応を行った。次に内温を80℃に下げて、尿
素96.1g(1.6モル)を仕込み、さらに不揮発分が8
0%となるように水63.6gで希釈してから、内温90
〜110℃で12時間脱アンモニア反応を行った。その
後、内温を40℃に下げ、レゾルシンジグリシジルエー
テル44.4g(0.2モル)及び水117gを仕込んで、
内温70℃で4時間反応させた。さらに硫酸と水でpH
及び濃度の調整を行い、濃度60%、pH7.0、粘度2
90cPの水溶性樹脂水溶液472.5gを得た。
【0058】合成例2:合成例1と同様に脱水アミド化
反応及び脱アンモニア反応を行ったあと、内温を40℃
に下げ、レゾルシンジグリシジルエーテル35.5g
(0.16モル)及び水111.5gを仕込み、内温70℃
で4時間反応させた。さらに内温を70℃に保ったま
ま、エピクロロヒドリン3.7g(0.04モル)及び水
2.5gを仕込み、内温70℃で4時間反応させた。反応
終了後、硫酸と水でpH及び濃度の調整を行い、濃度6
0%、pH7.0、粘度230cPの水溶性樹脂水溶液46
6.3gを得た。
【0059】合成例3:合成例1で用いたのと同様の容
器に、ジエチレントリアミン82.5g(0.8モル)及び
トリエチレンテトラミン29.2g(0.2モル)を仕込
み、さらに水67gを添加した。次に内温を80℃にし
てから、尿素156.2g(2.6モル)を仕込み、内温を
90〜110℃に保って12時間脱アンモニア反応を行
った。その後、内温を40℃に下げて、エピクロロヒド
リン9.3g(0.1モル)、ネオペンチルグリコールジグ
リシジルエーテル43.3g(0.2モル)及び水117.1
gを仕込み、内温70℃で4時間反応させた。さらに硫
酸と水でpH及び濃度の調整を行い、濃度60%、pH
7.1、粘度180cPの水溶性樹脂水溶液485.4gを得
た。
【0060】合成例4:合成例1で用いたのと同様の容
器に、トリエチレンテトラミン146.2g(1モル)及
びグルタル酸52.8g(0.4モル)を仕込み、内温14
0〜160℃で3時間加熱して脱水アミド化反応を行っ
た。 次に内温を80℃に下げて、尿素144.2g
(2.4モル)を仕込み、さらに不揮発分が80%となる
よう水82.2gで希釈してから、内温90〜110℃で
12時間脱アンモニア反応を行った。その後、内温を7
0℃に下げ、ヘキサメチレンジイソシアネート67.3g
(0.4モル)及び水154.6gを仕込んで、内温70℃
で8時間反応させた。さらに硫酸と水でpH及び濃度の
調整を行い、濃度60%、pH7.2、粘度580cPの水
溶性樹脂水溶液618.9gを得た。
【0061】合成例5:合成例1で用いたのと同様の容
器に、 テトラエチレンペンタミン113.6g(0.6モ
ル)及び尿素12.0g(0.2モル)を仕込み、内温90
〜150℃で5時間脱アンモニア反応を行った。 次に
内温を80℃に下げて、尿素108.1g(1.8モル)を
仕込み、さらに不揮発分が80%となるように水56.7
gで希釈してから、内温90〜110℃で12時間脱ア
ンモニア反応を行った。その後、内温を70℃に下げ、
ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル72.0
g(0.2モル)及び水159.9gを仕込んで、内温70
℃で8時間反応させた。さらに硫酸と水でpH及び濃度
の調整を行い、濃度60%、pH6.9、粘度330cPの
水溶性樹脂水溶液469.4gを得た。
【0062】合成例6:合成例1で用いたのと同様の容
器に、 イミノビスプロピルアミン65.6g(0.5モ
ル)及びシクロヘキシルアミン5.0g(0.05モル)を
仕込み、さらに無水フタル酸14.8g(0.1モル)を仕
込んで、内温150〜170℃で5時間加熱して脱水ア
ミド化反応を行った。次に内温を80℃に下げて、尿素
63.1g(1.05モル)を仕込み、不揮発分が80%と
なるように水36.7gで希釈し、内温90〜110℃で
12時間加熱して脱アンモニア反応を行った。その後、
内温を40℃に下げて、エピクロロヒドリン2.8g
(0.03モル)、エチレングリコールジグリシジルエー
テル41.8g(0.24モル)及び水78.9gを仕込み、
内温70℃で4時間反応させた。さらに硫酸と水でpH
及び濃度の調整を行い、濃度60%、pH7.0、粘度1
90cPの水溶性樹脂水溶液301.3gを得た。
【0063】合成例7:合成例1で用いたのと同様の容
器に、 イミノビスプロピルアミン105.0g(0.8モ
ル)、グルタル酸5.3g(0.04モル)及びアジピン酸
46.8g(0.32モル)を仕込み、内温150〜170
℃で5時間加熱して脱水アミド化反応を行った。次に内
温を80℃に下げて、尿素61.3g(1.02モル)を仕
込み、不揮発分が80%となるように水51.4gで希釈
し、内温90〜110℃で12時間加熱して脱アンモニ
ア反応を行った。その後、内温を70℃に下げて、シク
ロヘキセンオキシド2.0g(0.02モル)及び水75.5
gを仕込み、内温80〜90℃で6時間反応させた。さ
らに内温を30℃に下げてから、エチレングリコールジ
グリシジルエーテル111.5g(0.64モル)及び水7
4.3gを仕込み、内温70〜90℃で4時間反応を行っ
た。反応終了後、硫酸と水でpH及び濃度の調整を行
い、濃度60%、pH7.0、粘度170cPの水溶性樹脂
水溶液531.1gを得た。
【0064】次に、アミド化合物(B) を合成した例を示
す。
【0065】合成例8:温度計、リービッヒ冷却器、滴
下ロート、及び攪拌棒を備えた四つ口フラスコにヘキサ
メチレンジアミン232g(2モル)を仕込み、系内を
40〜50℃に保ちつつ、メタクリル酸メチル150g
(1.5モル)を1時間かけて滴下し、さらに60〜70
℃で1時間反応させたあと、内温を120〜150℃と
して、メタノールを留出させながら5時間反応を行っ
た。反応終了後に水を加えて、濃度70%、粘度74P
のアミド化合物の水溶液477.1gを得た。
【0066】合成例9:合成例8で用いたのと同様の容
器にN,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン20
4g(2モル)を仕込み、さらにアクリル酸メチル86
g(1モル)を仕込んで、系内を100〜130℃に保
ったまま、メタノールを留出させながら5時間反応を行
った。反応終了後に水を加えて、濃度70%、粘度7.3
Pのアミド化合物の水溶液368.5gを得た。
【0067】合成例10:合成例8で用いたのと同様の
容器にイソホロンジアミン170.3g(1モル)を仕込
み、系内の温度を60〜80℃に保ちつつ、そこへ80
%アクリル酸水溶液45.0g(0.5モル)を滴下し、滴
下終了後さらに60〜80℃で1時間保温して反応させ
た。次に内温140〜160℃で5時間加熱して脱水ア
ミド化反応を行った。反応終了後に水を加えて、濃度7
0%、粘度54.3Pのアミド化合物の水溶液281.9g
を得た。
【0068】合成例11:合成例8で用いたのと同様の
容器にシクロヘキシルアミン198.36g(2モル)を
仕込み、系内の温度を60〜80℃に保ってアクリル酸
メチル86.09g(1モル)を滴下し、滴下終了後さら
に60〜80℃で1時間保温して反応させた。次に内温
を140〜160℃に保って、メタノールを留出させな
がら5時間反応を行った。 反応終了後に水を加えて、
濃度70%のアミド化合物の懸濁液360.6gを得た。
【0069】合成例12:合成例8で用いたのと同様の
容器にエチレンジアミン60.1g(1モル)を仕込み、
系内の温度を60〜80℃に保って、80%アクリル酸
水溶液45.0g(0.5モル)を滴下し、滴下終了後さら
に60〜80℃で1時間保温して反応させた。次に内温
を140〜160℃に保って、水を留出させながら5時
間反応を行った。反応終了後に水を加えて、濃度70
%、粘度5.1Pのアミド化合物の水溶液124.4gを得
た。
【0070】合成例13:合成例8で用いたのと同様の
容器に1,10−ジアミノデカン172.3g(1モル)
を仕込み、系内の温度を60〜80℃に保って、80%
アクリル酸水溶液45.0g(0.5モル)を滴下し、滴下
終了後さらに60〜80℃で1時間保温して反応させ
た。次に内温を140〜160℃に保って、水を留出さ
せながら5時間反応を行った。反応終了後に水を加え
て、濃度70%、粘度50.5Pのアミド化合物の水溶液
284.7gを得た。
【0071】次に、水溶性樹脂(A) とアミド化合物(B)
の反応物を合成した例を示す。
【0072】合成例14:温度計、還流冷却器及び攪拌
棒を備えた四つ口フラスコに、合成例1と同様にして合
成したpH調整前の約60%濃度の樹脂水溶液236.3
g、合成例10で得たアミド化合物の70%水溶液2
1.6g及び水3.6gを仕込み、60〜70℃で2時間反
応させた。最後に硫酸と水でpH及び濃度を調整して、
濃度60%、pH6.9、粘度340cPの樹脂成分水溶液
を得た。
【0073】合成例15:合成例14で用いたのと同様
の容器に、合成例1と同様にして合成したpH調整前の
約60%濃度の樹脂水溶液236.3g、合成例10で得
たアミド化合物の70%水溶液21.6g、エピクロロヒ
ドリン6.4g及び水7.9gを仕込み、60〜70℃で4
時間反応させた。最後に硫酸と水でpH及び濃度を調整
して、濃度60%、pH7.0、粘度400cPの樹脂成分
水溶液を得た。
【0074】合成例16:合成例14で用いたのと同様
の容器に、合成例4と同様にして合成したpH調整前の
約60%濃度の樹脂水溶液185.7g、 合成例12で
得たアミド化合物の70%水溶液16.9g及び水2.7g
を仕込み、60〜70℃で2時間反応させた。 最後に
硫酸と水でpH及び濃度を調整して、濃度60%、pH
7.1、粘度670cPの樹脂成分水溶液を得た。
【0075】合成例17:合成例14で用いたのと同様
の容器に、合成例6と同様にして合成したpH調整前の
約60%濃度の樹脂水溶液241g、合成例9で得たア
ミド化合物の70%水溶液22.0g及び水3.7gを仕込
み、60〜70℃で2時間反応させた。最後に硫酸と水
でpH及び濃度を調整して、濃度60%、pH7.0、粘
度240cPの樹脂成分水溶液を得た。
【0076】次に、以上の合成例で得られた各化合物な
いし樹脂を用いて、紙用塗工組成物を調製し、評価した
例を示す。以下の例では、表1に示す組成のマスターカ
ラーを用いた。
【0077】
【表1】
【0078】(表1の脚注)*1 ウルトラホワイト90: 米国エンゲルハードミネ
ラルズ社製クレー*2 カービタル90: 富士カオリン(株)製炭酸カル
シウム*3 スミレーズレジン DS-10: 住友化学工業(株)製
ポリアクリル酸系顔料分散剤*4 SN−307: 住化エービーエス・ラテックス
(株)製スチレン−ブタジエン系ラテックス*5 王子エースA: 王子ナショナル(株)製酸化でん
ぷん*6 配合比: 固形分重量による割合
【0079】適用例1〜7:表1に示したマスターカラ
ーへ、その中の顔料100部あたり、合成例1〜7で得
たそれぞれの水溶性樹脂水溶液を、その中の固形分が
0.5部の割合となるように添加した。それぞれの組成物
を、総固形分60%、pH約9となるように、各々水と
10%苛性ソーダ水溶液で調整して、塗工組成物とし
た。得られたそれぞれの塗工組成物について、以下の方
法で物性値を測定し、その結果を表2に示した。
【0080】(1) pH:ガラス電極式水素イオン濃度計
〔東亜電波工業(株)製〕を用い、調製直後の塗工組成
物のpHを25℃にて測定した。
【0081】(2) 粘度:B型粘度計〔(株)東京計器
製、BL型〕を用い、60rpm 、25℃で、調製直後の
塗工組成物の粘度を測定した。
【0082】上で得られたそれぞれの塗工組成物を、米
坪量80g/m2の上質紙の片面に、ワイヤーロッドを用
いて塗工量が14g/m2となるように塗布した。塗布後
ただちに、120℃にて30秒間熱風乾燥し、次いで温
度20℃、相対湿度65%にて16時間調湿し、さらに
温度60℃、線圧60kg/cmの条件で2回スーパーカレ
ンダー処理を施して、塗工紙を得た。こうして得た塗工
紙を耐水性及びインキ受理性の試験に供し、試験結果を
表2に示した。なお、試験方法は以下のとおりである。
【0083】(3) 耐水性:ウェットピック法(WP法) RI試験機(明製作所製)を使用し、コート面を給水ロ
ールで湿潤させたあと印刷し、紙むけ状態を肉眼で観察
して判定した。判定基準は次のように行った。 耐水性 (劣)1〜5(優)
【0084】(4) インキ受理性 (4-1) A 法 RI試験機を使用して、塗工面を給水ロールで湿潤させ
たあと印刷し、インキの受理性を肉眼で観察して判定し
た。判定基準は次のように行った。 インキ受理性 (劣)1〜5(優)
【0085】(4-2) B 法 RI試験機を使用して、インキに水を練り込みながら印
刷し、インキ受理性を肉眼で観察して判定した。判定基
準は次のように行った。 インキ受理性 (劣)1〜5(優)
【0086】
【表2】
【0087】適用例8:合成例1で得た60%の水溶性
樹脂水溶液と、合成例10で得たアミド化合物の70%
水溶液とを、固形分換算でアミド化合物が10%となる
ように混合し、さらに水と硫酸でpH及び濃度の調整を
行って、 濃度60%、pH7.0、粘度320cPの樹脂
成分水溶液とした。 この樹脂成分水溶液を、表1に示
した組成のマスターカラーへ、その中の顔料100部あ
たり樹脂成分水溶液中の固形分が0.5部の割合となるよ
うに添加した。
【0088】適用例9〜25:水溶性樹脂及びアミド化
合物の種類及び量を、それぞれ表3及び表4に示すよう
に変更した以外は、適用例8と同様にして、これらの表
に示す物性を有する樹脂成分水溶液を調製し、さらに適
用例8と同様の割合でマスターカラーへの添加を行っ
た。
【0089】以上の適用例8〜25で得られたそれぞれ
の組成物につき、適用例1〜7と同様の方法で総固形分
濃度及びpHの調整を行ったあと、それぞれの塗工組成
物を用いて塗工紙を作成し、同様の試験を行った。結果
を表3及び表4に示した。なお、表3及び表4中のアミ
ド化合物の量は、水溶性樹脂とアミド化合物の混合物で
ある樹脂成分水溶液中の、総固形分に対するアミド化合
物の重量割合を表し、次式により算出される値である。
【0090】
【0091】
【表3】
【0092】
【表4】
【0093】適用例26〜29:表1に示したマスター
カラーへ、その中の顔料100部あたり、合成例14〜
17で得たそれぞれの樹脂成分水溶液を、その中の固形
分が0.5部の割合となるように添加した。得られたそれ
ぞれの組成物につき、適用例1〜7と同様の方法で固形
分濃度及びpHの調整を行ったあと、それぞれの塗工組
成物を用いて塗工紙を作成し、同様の試験を行った。結
果を表5に示した。
【0094】
【表5】
【0095】比較合成例1:温度計、還流冷却器及び攪
拌棒を備えた四つ口フラスコに、40%グリオキザール
水溶液435g(グリオキザールとして3モル)を仕込
み、16℃に保って攪拌しながら、そこへ尿素60g
(1モル)を添加し、その後1時間以上かけて45℃ま
で昇温した。さらに45℃で4.5時間保温し、pHが変
化しなくなったのを確認してから20℃に冷却し、次に
50%苛性ソーダ水溶液0.85g及び水3.5gを添加し
て、固形分46.9%、pH6.9のブロックグリオキザー
ル樹脂水溶液を得た。
【0096】比較合成例2:比較合成例1で用いたのと
同様の容器に、40%グリオキザール水溶液406g
(グリオキザールとして2.8モル)を仕込み、15℃に
保って攪拌しながら、そこへ尿素60g(1モル)を添
加し、 その後1時間かけて46℃まで昇温した。さら
に46℃で4時間保温したあと20℃まで冷却し、次に
10%苛性ソーダ水溶液4gを添加して、固形分47.3
%、pH6.0のブロックグリオキザール樹脂水溶液を得
た。
【0097】比較合成例3:比較合成例1で用いたのと
同様の容器に、40%グリオキザール水溶液464g
(グリオキザールとして3.2モル)を仕込み、12℃に
保って攪拌しながら、そこへ尿素60g(1モル)を添
加し、 その後1時間かけて44℃まで昇温した。さら
に44℃で4時間保温したあと20℃まで冷却し、次に
10%苛性ソーダ水溶液4gを添加して、固形分46.5
%、pH6.0のブロックグリオキザール樹脂水溶液を得
た。
【0098】比較適用例1〜4:表1に示したマスター
カラーへ、その中の顔料100部あたり、比較合成例1
〜3で得た樹脂水溶液をそれぞれ固形分が0.5部の割合
となるように添加して、比較適用例1〜3の組成物を調
製した。また比較適用例4では、表1に示したマスター
カラーをそのまま用いた。それぞれの組成物につき、先
の適用例と同様の方法で固形分濃度及びpHの調整を行
ったあと、それぞれの塗工組成物を用いて塗工紙を作成
し、同様の試験を行った。結果を表6に示した。
【0099】
【表6】
【0100】
【発明の効果】本発明の水溶性樹脂は、紙の塗工に有用
であり、またホルムアルデヒドを含まないことから、紙
塗工作業時の又は塗工紙からのホルムアルデヒド発生の
恐れがない。そして、この水溶性樹脂を配合して調製し
た紙用塗工組成物は、インキ受理性及び耐水性に優れる
など、種々の改良された性能を示す塗工紙を与える。ま
た、この水溶性樹脂を特定のアミド化合物と組み合わせ
て用いることにより、一層改良された性能を示す塗工紙
が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI D21H 19/24 D21H 19/24 B C (72)発明者 佐藤 園恵 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住友化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−216297(JP,A) 特開 平4−100996(JP,A) 特開 平6−166992(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08G 18/00 - 18/87 C08G 59/40 - 59/66 C08G 71/02 C09D 1/00 - 201/10

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記(A) と(B) との混合物又は反応物を有
    効成分とする紙塗工用樹脂。 (A):アルキレンジアミン類及びポリアルキレンポリア
    ミン類から選ばれる少なくとも一種のポリアミン(a)
    と、尿素類(b) との二成分を反応させたあと、分子内に
    グリシジル基を少なくとも2個有するグリシジル化合物
    及び分子内にイソシアナト基を少なくとも2個有するイ
    ソシアネート類から選ばれる架橋性化合物(c) を反応さ
    せて得られる水溶性樹脂 (B):α,β−不飽和カルボン酸系化合物(x) と1級又
    は2級のアミノ基を有するアミン(y) とを反応させて得
    られるアミド化合物
  2. 【請求項2】水溶性樹脂(A) に、二塩基性カルボン酸系
    化合物(d) が反応している請求項1記載の紙塗工用樹
    脂。
  3. 【請求項3】二塩基性カルボン酸系化合物(d) が、遊離
    酸、エステル又は酸無水物である請求項2記載の紙塗工
    用樹脂。
  4. 【請求項4】水溶性樹脂(A) に、活性水素を少なくとも
    1個有する脂環式アミン及び脂環式エポキシ化合物から
    選ばれる脂環式化合物(e) が反応している請求項1〜3
    のいずれかに記載の紙塗工用樹脂。
  5. 【請求項5】水溶性樹脂(A) に、エピハロヒドリン類及
    びα,γ−ジハロ−β−ヒドリン類から選ばれる化合物
    (f) が反応している請求項1〜4のいずれかに記載の紙
    塗工用樹脂。
  6. 【請求項6】(I) 顔料、 (II) 水性バインダー、及び (III) 請求項1〜5いずれかに記載の紙塗工用樹脂を含
    有することを特徴とする紙用塗工組成物。
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