JP2013234413A - 紙塗工用樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】ホルムアルデヒドの発生がなく、優れた耐水性、インキ受理性を有する紙塗工用樹脂組成物を、反応中にゲル化する事なく、提供すること。
【解決手段】グリコール類(a)と、脂環式二塩基性カルボン酸類(b)との反応で得られる重縮合物(A)に、少なくともポリアミン類(c)、尿素類(d)及び架橋性化合物(e)を反応させて得られる紙塗工用樹脂の組成物であって、
(1)重縮合物(A)の酸価1モルに対し、ポリアミン類(c)を物質量(モル)基準で1.1モル以上、1.4モル以下
(2)ポリアミン類(c)の物質量1モルに対し、架橋性化合物(e)を物質量基準で0.4モル以上、0.6モル以下
反応させることにより前記課題が解決可能であることを見出した。
【選択図】なし

Description

本発明は、紙の塗工、特に顔料及び水性バインダーと混合して紙に塗工するのに有用な紙塗工用樹脂組成物、及びそれの紙塗工への適用に関するものである。さらに詳しくは、ホルムアルデヒドの発生がなく、紙に対して優れた耐水性、インキ受理性を付与することができ、かつコスト的に有利となる紙塗工用組成物、及びそれに有用な紙塗工用樹脂組成物を提供しようとするものである。なお、本明細書で用いる「紙」という語は広義の意味であり、狭義の意味でいう紙及び板紙を包含する。
顔料と水性バインダーを主体とした塗工組成物を紙に塗布し、乾燥、カレンダー処理などの必要な処理を施して得られる塗工紙は、その優れた印刷効果などの特徴から、商業印刷物や雑誌・書籍などに広く用いられているが、品質要求の高度化、印刷の高速化などに伴って、塗工紙の品質改良努力が今もなお続けられている。とりわけ印刷の多くを占めるオフセット印刷においては、湿し水の影響下でのインキ受理性、ウェットピックなどの耐水性、及び輪転印刷での耐ブリスター性の改良・向上が、業界の重要な課題となっている。
従来よりこうした課題に対して、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂、ポリアミドポリ尿素−ホルムアルデヒド樹脂(特許文献1)、ブロックグリオキザール樹脂(特許文献2)、アミン−エピハロヒドリン樹脂(特許文献3)、ポリアミドポリ尿素−エピハロヒドリン−ホルムアルデヒド樹脂(特許文献4)など、耐水化剤やバインダー用添加剤として添加する手法が開示されている。しかし、これら従来の耐水化剤やバインダー用添加剤は、最近の品質要求の高度化やそれに伴う配合組成の変化により現在では、一部の特性において重大な欠点又は効果の不十分さが認められることから、実用上必ずしも満足しうるものではない。
例えば、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂や尿素−ホルムアルデヒド樹脂などのいわゆるアミノプラスト樹脂は、作業時の、あるいは塗工紙からのホルムアルデヒドの発生が多いのみならず、インキ受理性や耐ブリスター性の改良効果がほとんど得られないことや、塗工組成物のpHが高くなると耐水化効果も発揮されにくくなることなどの問題がある。またポリアミドポリ尿素-ホルムアルデヒド樹脂はアミノプラスト樹脂同様、作業時の、あるいは塗工紙からのホルムアルデヒドの発生の問題がある。一方、ホルムアルデヒド不含のバインダー用添加剤として知られているブロックグリオキザール樹脂は、湿し水に対する耐水性をある程度付与できるものの、インキ受理性や耐ブリスター性などの塗工紙品質の改良にはほとんど効果がない。また、アミン−エピハロヒドリン樹脂も、耐水性やインキ受理性などの塗工紙品質の改良にあまり有効でないとともに、エピハロヒドリン由来の吸着性有機ハロゲン化合物が存在するため、その使用が差し控えられる傾向にある。
一方、こうした課題に対して、上記の諸問題がなく、インキ受理性および耐水性に優れた塗工紙を与える紙塗工用樹脂組成物として、グリコール類と脂環式二塩基性カルボン酸類との反応で得られる重合物、ポリアミン類、尿素類、アルキル化剤を反応せしめてなる樹脂組成物(特許文献5)が提案されている。
本発明者らが前記樹脂組成物について検討を行った所、前記樹脂組成物に用いられるアルキル化剤は、アルキル化剤であるのと同時に、ポリアミン類と反応し架橋剤として働く化合物(エピハロヒドリン類など)であり、架橋するポリアミン類とアルキル化剤のバランスによっては反応中にゲル化する事が見られた。そこで、優れた耐水性、インキ受理性を有し、反応中にゲル化する事ない紙塗工用樹脂組成物が望まれていた。
特公昭44−11667号公報
特開昭63−120197号公報
特公昭53−44567号公報
特開昭58−180529号公報
特開2004−052190号公報
本発明の目的は、ホルムアルデヒドの発生がなく、優れた耐水性、インキ受理性を有する紙塗工用樹脂組成物を、反応中にゲル化する事なく、提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、グリコール類(a)と、脂環式二塩基性カルボン酸類(b)との反応で得られる重縮合物(A)に、少なくともポリアミン類(c)、尿素類(d)及び架橋性化合物(e)を反応させて得られる紙塗工用樹脂の組成物であって、
(1)重縮合物(A)の酸価1モルに対し、ポリアミン類(c)を物質量(モル)基準で1.1モル以上、1.4モル以下
(2)ポリアミン類(c)の物質量1モルに対し、架橋性化合物(e)を物質量基準で0.4モル以上、0.6モル以下
反応させることを特徴とする紙塗工用樹脂組成物が、合成中にゲル化することもなく、さらに従来の紙塗工用樹脂組成物よりも優れたインキ受理性、耐水性を有することを見出し、本発明を完成させた。
本発明の紙塗工用樹脂組成物は、従来の紙塗工用樹脂組成物よりも優れたインキ受理性、耐水性を有し、これを含有する紙塗工用樹脂組成物において紙塗工用樹脂組成物の顔料に対する添加量を低減できる。また、本発明の紙塗工用樹脂組成物は印刷適性向上剤および耐水化剤にも使用し得る。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、重縮合物(A)について説明する。
重縮合物(A)に用いられるグリコール類(a)とは、分子中に水酸基を少なくとも2 個有する脂肪族アルコールであり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール等のアルキレングリコール類; ブテンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール等のシクロアルキレングリコール類; オクテンジオール等のアルケニレングリコール類; ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール類; グリセリン、ポリビニルアルコール等のアルキレン基を含有するポリアルキレングリコール; グルコース、フルクトース、マンニット、ソルビット等の糖類;ビスフェノールA のエチレンオキシド付加物等が挙げられる。
グリコール類として、2 種類以上のグリコール類を併用してもよい。
グリコール類としては、中では、アルキレングリコール類、アルケニレングリコール類、
ポリアルキレングリコール類が好ましく、とりわけ、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、グリセリンが工業的に有利である。
重縮合物(A)に用いられる脂環式二塩基性カルボン酸類(b)とは、分子中に2個のカルボキシル基を有する化合物、それらのエステル類、又は、それらの酸無水物である。具体的にはテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸等のカルボン酸及びこれらのエステル類、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸等の酸無水物等が挙げられる。
脂環式二塩基性カルボン酸類(b)として、2種以上の脂環式二塩基性カルボン酸類を用いてもよい。
脂環式二塩基性カルボン酸類(b)としては、中でも、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸及び4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。
本発明に用いられる重縮合物(A)は、グリコール類(a)と脂環式二塩基性カルボン酸類(b)との反応で得られる重縮合物(A)である。
重縮合物(A)の反応に用いられる単量体比率としては、グリコール類(a)に含有される水酸基1モルに対して、脂環式二塩基性カルボン酸類(b)の分子数が0.1〜1モル程度、好ましくは0.3〜1.0モルである。
重縮合物(A)の製造方法としては、グリコール類(a)と脂環式二塩基性カルボン酸類(b)の反応は脂環式二塩基性カルボン酸類(b)の種類によって、最適な反応温度および反応時間が異なるが、例えば、脂環式二塩基性カルボン酸類(b)がエステルであれば、反応温度80〜250℃で、発生するアルコールを留去しながら、2〜10時間反応する方法等が挙げられ、脂環式二塩基性カルボン酸類(b)が酸または酸無水物であれば、反応温度50〜200℃ で、発生する水を留去しながら、2〜10時間反応する方法等が挙げられる。
次に、重縮合物(A)に反応させる単量体について説明する。
本発明に用いられるポリアミン類(c)とは、分子中に1 級アミノ基(−NH)又は2
級アミノ基(=NH)を少なくとも2個有する脂肪族アミンであり、例えば、アルキレン
ジアミン、ポリアルキレンポリアミン、脂環式ポリアミン、複素環ポリアミン等が挙げら
れる。
ここで、アルキレンジアミンとは、通常、炭素数1〜10程度のアルキレン基を含有するアルキレンジアミンであり、具体的には、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキ
サメチレンジアミン等が例示される。
ポリアルキレンポリアミンとは、アルキレンジアミンを脱アンモニア反応せしめて縮合し
たものであり、具体的には、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエ
チレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、イミノビスプロピルアミン、3−アザヘ
キサン−1,6−ジアミン等が例示される。脂環式ポリアミンとしては、例えば、イソホ
ロンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,7−ジアザデカン−1,10
−ジアミンなどが例示される。
複素環ポリアミンとは、通常、分子内に、窒素原子、酸素原子、硫黄原子などのヘテロ原
子を少なくとも1 個含有する脂環式炭化水素基である複素環を含み、かつ、1級アミノ基及び/ 又は2級アミノ基を少なくとも2 個有するアミンのことである。具体的には、ピペラジン、ホモピペラジン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、N−プロピルピペラジン、N−アセチルピペラジン及び1−(クロロフェニル)ピペラジン等のような複素環ジアミン類;N−アミノエチルピペリジン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノエチルピペラジン、N−アミノプロピルピペラジン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン及び1,4−ビス(アミノプロピル)ピペラジンのようなアミノアルキルを含有した複素環アミンなどが例示される。
ポリアミン類(c)として、異なる2種以上のポリアミン類を用いてもよい。ポリアミン
類(c)の中でも、ポリアルキレンポリアミンが好ましく、とりわけ、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミンが好適である。
本発明に用いられる尿素類(d)の具体例としては、尿素、メチル尿素、ジメチル尿素、チオ尿素、4,5−ジヒドロキシ−2−イミダゾリジノン、1−(2−アミノエチル)−2−イミダゾリジノン等が挙げられるが、工業的には尿素が有利である。
本発明に用いられる架橋性化合物(e)とは、エピハロヒドリン類、モノハロヒドリン類、α,γ−ジハロ−β−ヒドリン類、グリシジル化合物又はイソシアネート類等が挙げられる。架橋性化合物(e)のうちのエピハロヒドリン類は、次の式(1)で示される。
Figure 2013234413
(式中、Xはハロゲン原子を表し、wは1〜3の整数を表す。)で示される。
エピハロヒドリン類としては、例えば、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンなどが挙げられる。
架橋性化合物(e)のうちのモノハロヒドリン類は、式(2)
Figure 2013234413
(式中、Xはハロゲン原子を表し、wは1〜3の整数を表す。)で示される。
モノハロヒドリンとしては、例えば、エチレンクロロヒドリン、エチレンブロモヒドリン等が挙げられる。
架橋性化合物(e)のうちのα,γ−ジハロ−β−ヒドリン類は、式(3)
Figure 2013234413
(式中、Xはハロゲン原子等を表し、Yはハロゲン原子又は水酸基を表し、Zは前記Yがハロゲン原子のとき水酸基を表し、前記Yが水酸基のときハロゲン原子を表す。)で示される。
かかるα,γ−ジハロ−β−ヒドリン類としては、例えば1,3−ジクロロ−2−プロパノールなどが挙げられる。
架橋性化合物(e)のうちのグリシジル化合物は通常、分子内にグリシジル基を少なくとも2個有するものである。その具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテルやプロピレングリコールジグリシジルエーテルのようなアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテルやポリプロピレングリコールジグリシジルエーテルのようなポリオキシアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、レゾルシンジグリシジルエーテルやビスフェノールAジグリシジルエーテルのような芳香族ジグリシジルエーテル類、トリメチロールプロパンジ−又はトリ−グリシジルエーテル、ソルビトールジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−又はヘキサ−グリシジルエーテル、ペンタエリスリトールジ−、トリ−又はテトラ−グリシジルエーテルなどが挙げられる。
架橋性化合物(e)のうちのイソシアネート類は通常、分子内にイソシアナト基を少なくとも2個有するものである。その具体例としては、イソホロンジイソシアネート、3−(2−イソシアナトシクロヘキシル)プロピルイソシアネート、ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、イソプロピリデンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネートのような脂環式イソシアネート類、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトヘキサン酸メチル(リジンジイソシアネートとも呼ばれる)のような脂肪族イソシアネート類及び、トリレンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアナトフェニル)チオフォスフェート、フェニレンジイソシアネート、ジアニシジンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネートのような芳香族イソシアネート類が挙げられる。
これらの架橋性化合物(e)は、それぞれ単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。もちろん、エピハロヒドリン類、α,γ−ジハロ−β−ヒドリン類、グリシジル化合物及びイソシアネート類のうちで、異なる種類に属するものを2種以上併用することもできる。中でもエピハロヒドリン類、及びα,γ−ジハロ−β−ヒドリン類が工業的に好ましく、とりわけエピハロヒドリン類、この中でもエピクロロヒドリン、エピブロモヒドリンが好適である。
本発明の紙塗工用樹脂の組成物(以下重縮合物(B)と称する)の合成に用いられるポリアミン類(c)は、重縮合物(A)の酸価1モルに対して、1.1モル以上1.4モル以下で使用される。ここで、重縮合物(A)の酸価とは、重縮合物に含まれる遊離カルボキシル基の当量数である。ポリアミン類(c)が重縮合物(A)の酸価よりも過剰に使用することから、本発明の重縮合物(B)は、重縮合物(A)を構成成分として含有する樹脂と、重縮合物(A)を構成成分として含有しない樹脂との組成物となっている。
ポリアミン類(c)が、重縮合物(A)の酸価1モルに対して1.1モルより少ないと、インキ受理性が低下する場合がある。もしくは、架橋性化合物(e)との反応の際、ゲル化する場合がある。また、1.4モルより多くなると、インキ受理性は向上するものの、耐水性が低下する可能性がある。
本発明の重縮合物(B)の合成に用いられる尿素類(d)は、ポリアミン類(c)に含まれる1級アミノ基と2級アミノ基の合計モル数(x)から、重合物(A)の酸価(y)を差し引いたモル数をモル数(z)((z)=(x)―(y))としたとき、(尿素類のモル数)/(z)が、通常、0.1〜1.2モル程度であり、好ましくは、0.3〜1.0モルである。
本発明の重縮合物(B)の合成に用いられる架橋性化合物(e)は、ポリアミン類(c)1モルに対して、0.4〜0.6モル使用し、好ましくは0.5〜0.6モル使用する。
架橋性化合物(e)が、ポリアミン類(c)1モルに対して0.4モルより少ないとインキ受理性が低下し、また、0.6より多くなると、ポリアミン類(c)と架橋性化合物(e)との反応の際、ゲル化が生じる。
本発明の重縮合物(B)は、重縮合物(A)に、ポリアミン類(c)、尿素類(d)及び架橋性化合物(e)を重縮合させた物であり、必要に応じて(c)〜(e)の単量体と共に、脂肪族カルボン酸類(f)及び/ 又はラクタム類(g)を重縮合させてもよい。
脂肪族カルボン酸類(f)を用いる場合、その使用量としては、ポリアミン類(c)1 モルに対して、通常、0.01〜0.5モル程度、好ましくは0.05〜0.3モルである。また、ラクタム類(g)を用いる場合、その使用量としては、ポリアミン類(c)1モルに対して、通常、0.01〜2モル程度、好ましくは0.02〜1.2モルである。
ここで、脂肪族カルボン酸類(f)とは、モノカルボン酸、ポリカルボン酸、これらのエステル、これらの無水物である。
具体的には、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸等の脂肪族モノカルボン酸; マロン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸等の脂肪族ジカルボン酸; ブタンテトラカルボン酸等の脂肪族ポリカルボン酸等が挙げられ、カルボン酸エステルとしては、前記脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸あるいは脂肪族ポリカルボン酸と、メタノールあるいはエタノール等の低級アルコールとのエステルが挙げられる。さらに、カルボン酸無水物としては、例えば、無水酢酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水アジピン酸等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸類(f)として、2種以上の脂肪族カルボン酸類を用いてもよい。
脂肪族カルボン酸類(f)としては、中でも、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸等の炭素数10以下の脂肪族カルボン酸が挙げられる。
ラクタム類(g)としては、例えば、γ−ラクタム、δ−ラクタム、ε−カプロラクタム
、ラウリルラクタム、グリコシアミジン、オキシドール、イサチン等が挙げられるが、工
業的にはε−カプロラクタムが有利である。
本発明の重縮合物(B)の製造方法としては、例えば(ア)重縮合物(A)とポリアミン類(c)をアミド化反応させたのち水で希釈し、さらに尿素類(d)と脱アンモニア反応をさせた後、架橋性化合物(e)と反応をさせる方法;(イ)重縮合物(A)とポリアミン類(c)をアミド化反応させたのち水で希釈し、さらに架橋性化合物(e)と反応させた後、尿素類(d)と脱アンモニア反応をさせる方法;(ウ)重縮合物(A)とポリアミン類(c)及び脂肪族カルボン酸類(f)をアミド化反応させたのち水で希釈し、さらに尿素類(d)と脱アンモニア反応をさせた後、架橋性化合物(e)と反応をさせる方法;(エ)あらかじめ、(c)〜(e)と、必要により(f)及び/ 又は(g)と重縮合させて得られた重縮合物(D)を予め製造し、別途、得られた重縮合物(A)と重縮合物(D)とを混合した後、アミド化反応をさせる方法;(オ)重縮合物(A)にポリアミン類(c)と脂肪族カルボン酸類(f)とラクタム類(g)とを同時に重縮合させたのち水で希釈し、続いて、尿素類(d)と脱アンモニア反応をさせた後、架橋性化合物(e)を反応させる方法;(カ)重縮合物(A)にポリアミン類(c)と脂肪族カルボン酸類(f)とラクタム類(g)とを同時に重縮合させたのち水で希釈し、続いて、架橋性化合物(e)を反応させたのち、尿素類(d)と脱アンモニア反応をさせる方法;(キ)重縮合物(A)と(c)〜(e)と、必要により(f)及び/ 又は(g)を同時に反応させ、アミド化反応と脱アンモニア反応と架橋反応を同時にさせる方法などが挙げられる。
グリコール類(a)と脂環式二塩基性カルボン酸類(b)との反応で得られる遊離カルボキシル基を有する重縮合物(A)とポリアミン類(c)との反応は、重縮合物(A)の種類によって反応温度および反応時間が異なるが、例えば、重縮合物(A)とポリアミン類(c)とをアミド化反応させる場合、通常、130〜250℃程度、好ましくは130〜160℃で、発生する水等を留去しながら、2〜10時間程度、好ましくは3〜5時間反応する方法等が挙げられる。
ポリアミン類(c)のアミノ基と尿素類(d)との脱アンモニア反応は、通常、80〜180℃程度、好ましくは90〜160℃で、発生するアンモニアを留去しながら4〜30時間程度、好ましくは5〜20時間反応させる方法等が挙げられる。
ポリアミン類(c)のアミノ基と架橋性化合物との反応(e)は、通常、30〜120℃程度、好ましくは50〜100℃にて1〜20時間程度、好ましくは2〜10時間反応させる方法等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸類(f)を用いる場合、ポリアミン類(c)と脂肪族カルボン酸類(f)とのアミド化反応は、通常、130〜250℃程度、好ましくは130〜160℃で、発生する水等を留去しながら、2〜10時間程度、好ましくは3〜5時間反応する方法等が挙げられる。
ラクタム類(g)を用いる場合、ポリアミン類(c)とラクタム類(g)との開環付加反応は、通常、130〜250℃程度、好ましくは130〜160℃で、2〜10時間程度、好ましくは3〜5時間反応する方法等が挙げられる。
このようにして得られた紙塗工用樹脂組成物は通常、水溶液であり、固形分10〜75%程度、好ましくは40〜65%に調整される。
また、該組成物のpHは通常、7〜11であり、必要に応じてリン酸、硫酸、塩酸、硝酸などの無機酸や、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、アジピン酸などの有機酸を用いて、pHを中性程度に調整することも可能である。
かくして得られた紙塗工用樹脂組成物は、顔料および水性バインダーとともに紙用塗工組成物として調整される。ここで、顔料としては、例えば、白色無機顔料、白色有機顔料などが挙げられる。白色無機顔料の具体例としては、カオリン、タルク、炭酸カルシウム(重質又は軽質)、水酸化アルミニウム、サチンホワイト、酸化チタンなどが挙げられる。また白色有機顔料の具体例としては、例えば、ポリスチレン、メラミン−ホルムアルデヒド樹脂、尿素−ホルムアルデヒド樹脂などが挙げられる。顔料として、2種類以上の顔料を使用してもよい。
水性バインダーとしては、例えば、水溶性バインダー、水乳化系バインダーなどが挙げられる。水溶性バインダーの具体例としては、酸化でんぷん、無変性でんぷん、リン酸エステルなどで変性されたでんぷん等のでんぷん類;カゼイン、ゼラチンなどの水溶性プロテイン;カルボキシメチルセルロースなどの変性セルロース類;部分または完全けん化されたポリビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール等が挙げられる。水乳化系バインダーの具体例としては、カルボキシル基やニトリル基を有することもあるスチレン−ブタジエン系樹脂(SBRラテックス)、アクリロニトリル−ブタジエン系樹脂(NBRラテックス)、クロロプレン系樹脂(CRラテックス)、メチルメタクリレート−ブタジエン系樹脂(MBRラテックス)、アクリル系モノマー2種以上の共重合樹脂、アクリル系モノマーと酢酸ビニルとの共重合樹脂、アクリル系モノマーとスチレンとの共重合樹脂、酢酸ビニル樹脂、スチレン−酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。水性バインダーとして、2種類以上の異なる水性バインダーを使用しても良い。
本発明の紙用塗工組成物における顔料、水性バインダー(固形分)および紙塗工用樹脂(固形分)の重量比率としては、通常、顔料100重量部に対して、水性バインダーが1〜200重量部程度、好ましくは5〜50重量部であり、紙塗工用樹脂組成物が0.01〜5重量部程度、好ましくは、0.05〜2重量部である。
紙用塗工組成物を調製するにあたり、顔料、水性バインダー及び樹脂組成物の添加混合順序は任意であり、特に制限されない。例えば、樹脂組成物を顔料及び水性バインダーの混合物に添加混合する方法、樹脂組成物を予め顔料又は水性バインダーに添加混合しておき、これを残りの成分と配合する方法などが採用できる。
さらに、塗工組成物に、例えば、アロンT−40(東亞合成社製)、スミレーズレジンDS-10(住友化学社製)などの分散剤、粘度・流動性調整剤、消泡剤、防腐剤、潤滑剤、保水剤、染料・有色顔料等の着色剤、ならびに、本発明の紙塗工用樹脂とは異なる印刷適性向上剤および耐水化剤などを含有せしめてもよい。
本発明の塗工紙とは、前記紙塗工用組成物を片面または両面に含有する紙である。紙の製造方法としては、例えば、製紙科学(中外産業調査会発行(1982))、Pulp and Paper:Chemistry and Chemical Technology、 Vol.II、 John Wiley & Sons (1980)などに記載の方法により、化学パルプ、機械パルプ、故紙パルプなどを抄紙する方法などが挙げられる。本発明に用いられる紙に、必要により、填料、サイジング剤、バンド剤、紙力増強剤、染料などの添加剤を含有せしめた紙であってもよい。なお、本発明の紙とは広義の意味であって、狭義の意味でいう紙のほか、いわゆる板紙をも包含する。
本発明の塗工紙の製造方法としては、例えば、紙に塗工組成物を1回塗工する方法、塗工組成物の配合比率が同じまたは異なる塗工組成物を複数回塗工する方法などが挙げられる。ここで、塗工方法としては、例えば、ブレードコーター、エアーナイフコーター、バーコーター、サイズプレスコーター、ゲートロールコーター、キャストコーターなどのコーターを用いて塗工組成物を塗工原紙に塗布し、その後、必要な乾燥を行い、さらに必要に応じてスーパーカレンダーなどで平滑化処理を施す方法などが挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらによって限定される物ではない。例中、部および%は、特に断わらないかぎり重量基準である。また、固形分は、JIS K6828の4.9に準じて乾燥することにより求めた蒸発残分であり、pHは、ガラス電極式水素イオン濃度計〔東亜電波工業社製〕を用い、調製直後の試料のpHを25℃にて測定した値であり、粘度は、B型粘度計〔東京計器社製、BL型〕を用い、60rpm 、25℃で、調製直後の塗工組成物の粘度を測定した値である。
<合成例1>
<重合物(A)の製造例1:樹脂1−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸および4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸の混合物68.1部(0.41モル、HN−2000 日立化成工業(株)製)及びテトラヒドロ無水フタル酸164.3部(1.08モル)を仕込み(合計1.49モル)、内温を120℃に昇温した。次に、内温120〜140℃に保温しながら、エチレングリコール46.2部(0.74モル)をゆっくりと滴下し、滴下終了後、内温140〜155℃でさらに1時間攪拌し、末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物278.5部(0.74モル、遊離カルボキシル基としての物質量1.48モル)を得た。これを樹脂組成物1−1とする。
<(重合物(A)と(c)成分と(g)成分の生成物の製造例1:樹脂1−2の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物1−1を278.5部(0.74モル、遊離カルボキシル基としての物質量1.48モル)添加し、85%ε−カプロラクタム7.4部(0.60モル、ポリアミンに対して0.032モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させて、トリエチレンテトラミン272.3部(1.86モル、遊離カルボキシル基の酸価に対するモル比1.25)を100〜130℃でゆっくりと滴下した。次いで、還流冷却器をリービッヒ冷却器に取り替えた後、生成する水を留去しながら内温を150℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温150〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は12.2部であった。その後、水211.0部を加えて固形分濃度70%のポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液755.3部(0.74モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位1.86モル)を得た。これを樹脂組成物1−2とする。
<重合物(A)と(c)成分と(g)成分と(e)成分との生成物の製造例1:樹脂1−3の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物1−2を241.3部(0.24モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位0.60モル)と水59.3部を添加し、65〜75℃に内温を保持しながら、エピクロルヒドリン28.6部(0.31モル、ポリアミン類(c)に対するモル比0.52)を4時間かけて滴下し、さらに内温65〜75℃で2時間攪拌した。その後、室温に冷却し、固形分濃度60%のエピクロルヒドリン変性ポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液326.4部(0.24モル、1級および2級アミノ基の物質量合計1.92モル)を得た。これを樹脂組成物1−3とする。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例1:紙塗工用樹脂組成物1の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂1−3を319.1部(0.23モル、1級および2級アミノ基の物質量合計1.89モル)添加し、90℃まで内温を昇温させた。次に、尿素83.4部(1.40モル、アミノ基に対して0.74モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温104℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温104〜106℃で8時間反応させた。その後、水33.2部を徐々に加えながら冷却して、固形分61.5%、pH8.52、粘度162mPa・sの水溶液428.1部を得た。これを紙塗工用樹脂組成物1とする。
<合成例2>
<(重合物(A)と(c)成分の生成物の製造例2:樹脂2−2の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物1−1を278.5部(0.74モル、遊離カルボキシル基としての物質量1.48モル)添加し、内温を110℃まで昇温させたのち、トリエチレンテトラミン272.3部(1.86モル、遊離カルボキシル基の酸価に対するモル比1.25)を100〜130℃でゆっくりと滴下した。次いで、還流冷却器をリービッヒ冷却器に取り替えた後、生成する水を留去しながら内温を150℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温150〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は11.0部であった。その後、水208.7部を加えて固形分濃度70%のポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液749.4部(0.74モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位1.86モル)を得た。これを樹脂組成物2−2とする。
<重合物(A)と(c)成分と(e)成分との生成物の製造例2:樹脂2−3の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物2−2を240.0部(0.24モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位0.60モル)と水59.1部を添加し、65〜75℃に内温を保持しながら、エピクロルヒドリン28.7部(0.31モル、ポリアミン類(c)に対するモル比0.52)を4時間かけて滴下し、さらに内温65〜75℃で2時間攪拌した。その後、室温に冷却し、固形分濃度60%のエピクロルヒドリン変性ポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液326.0部(0.24モル、1級および2級アミノ基の物質量合計1.92モル)を得た。これを樹脂組成物2−3とする。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例2:紙塗工用樹脂組成物2の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂2−3を321.1部(0.23モル、1級および2級アミノ基の物質量合計1.89モル)添加し、90℃まで内温を昇温させた。次に、尿素84.7部(1.41モル、アミノ基に対して0.75モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温104℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温104〜106℃で8時間反応させた。その後、水33.5部を徐々に加えながら冷却して、固形分61.0%、pH8.48、粘度163mPa・sの水溶液809.6部を得た。これを紙塗工用樹脂組成物2とする。
<合成例3>
<重合物(A)の製造例3:樹脂3−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸および4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸の混合物25.2部(0.15モル、HN−2000 日立化成工業(株)製)及びテトラヒドロ無水フタル酸60.9部(0.40モル)を仕込み(合計0.55モル)、内温を120℃に昇温した。次に、内温120〜140℃に保温しながら、エチレングリコール17.1部(0.28モル)をゆっくりと滴下し、滴下終了後、内温140〜155℃でさらに1時間攪拌し、末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物103.1部(0.28モル、遊離カルボキシル基としての物質量0.56モル)を得た。これを樹脂組成物3−1とする。
<(重合物(A)と(c)成分と(g)成分の生成物の製造例3:樹脂3−2の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物3−1を103.1部(0.28モル、遊離カルボキシル基としての物質量0.56モル)添加し、85%ε−カプロラクタム2.6部(0.02モル、ポリアミンに対して0.036モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させて、トリエチレンテトラミン88.8部(0.61モル、遊離カルボキシル基の酸価に対するモル比1.10)を100〜130℃でゆっくりと滴下した。次いで、還流冷却器をリービッヒ冷却器に取り替えた後、生成する水を留去しながら内温を150℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温150〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は0.1部であった。その後、水68.5部を加えて固形分濃度70%のポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液261.4部(0.28モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位0.61モル)を得た。これを樹脂組成物3−2とする。
<重合物(A)と(c)成分と(g)成分と(e)成分との生成物の製造例3:樹脂3−3の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物3−2を261.4部(0.28モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位0.61モル)と水65.7部を添加し、65〜75℃に内温を保持しながら、エピクロルヒドリン33.2部(0.36モル、ポリアミン類(c)に対するモル比0.59)を4時間かけて滴下し、さらに内温65〜75℃で2時間攪拌した。その後、室温に冷却し、固形分濃度60%のエピクロルヒドリン変性ポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液359.1部(0.28モル、1級および2級アミノ基の物質量合計1.50モル)を得た。これを樹脂組成物3−3とする。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例3:紙塗工用樹脂組成物3の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂3−3を359.1部(0.28モル、1級および2級アミノ基の物質量合計1.50モル)添加し、90℃まで内温を昇温させた。次に、尿素74.6部(1.24モル、アミノ基に対して0.83モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温104℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温104〜106℃で8時間反応させた。その後、水28.3部を徐々に加えながら冷却して、固形分61.9%、pH8.65、粘度190mPa・sの水溶液450.8部を得た。これを紙塗工用樹脂組成物3とする。
<合成例4>
<重合物(A)の製造例4:樹脂4−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸および4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸の混合物25.2部(0.15モル、HN−2000 日立化成工業(株)製)及びテトラヒドロ無水フタル酸60.9部(0.40モル)を仕込み(合計0.55モル)、内温を120℃に昇温した。次に、内温120〜140℃に保温しながら、エチレングリコール17.1部(0.28モル)をゆっくりと滴下し、滴下終了後、内温140〜155℃でさらに1時間攪拌し、末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物103.9部(0.28モル、遊離カルボキシル基としての物質量0.56モル)を得た。これを樹脂組成物4−1とする。
<(重合物(A)と(c)成分と(g)成分の生成物の製造例4:樹脂4−2の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物4−1を103.9部(0.28モル、遊離カルボキシル基としての物質量0.56モル)添加し、85%ε−カプロラクタム2.9部(0.02モル、ポリアミンに対して0.029モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させて、トリエチレンテトラミン113.0部(0.77モル、遊離カルボキシル基の酸価に対するモル比1.40)を100〜130℃でゆっくりと滴下した。次いで、還流冷却器をリービッヒ冷却器に取り替えた後、生成する水を留去しながら内温を150℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温150〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は1.6部であった。その後、水80.7部を加えて固形分濃度70%のポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液296.9部(0.28モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位0.77モル)を得た。これを樹脂組成物4−2とする。
<重合物(A)と(c)成分と(g)成分と(e)成分との生成物の製造例4:樹脂4−3の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物4−2を296.9部(0.28モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位0.77モル)と水71.6部を添加し、65〜75℃に内温を保持しながら、エピクロルヒドリン33.2部(0.36モル、ポリアミン類(c)に対するモル比0.59)を4時間かけて滴下し、さらに内温65〜75℃で2時間攪拌した。その後、室温に冷却し、固形分濃度60%のエピクロルヒドリン変性ポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液400.8部(0.28モル、1級および2級アミノ基の物質量合計2.58モル)を得た。これを樹脂組成物4−3とする。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例4:紙塗工用樹脂組成物4の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂4−3を400.8部(0.28モル、1級および2級アミノ基の物質量合計2.58モル)添加し、90℃まで内温を昇温させた。次に、尿素99.4部(1.66モル、アミノ基に対して0.64モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温104℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温104〜106℃で8時間反応させた。その後、水39.0部を徐々に加えながら冷却して、固形分61.9%、pH8.36、粘度176mPa・sの水溶液521.9部を得た。これを紙塗工用樹脂組成物4とする。
<合成例5>
<重合物(A)と(c)成分と(g)成分と(e)成分との生成物の製造例5:樹脂5−3の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物1−2を245.0部(0.24モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位0.60モル)と水55.7部を添加し、65〜75℃に内温を保持しながら、エピクロルヒドリン22.4部(0.24モル、ポリアミン類(c)に対するモル比0.40)を4時間かけて滴下し、さらに内温65〜75℃で2時間攪拌した。その後、室温に冷却し、固形分濃度60%のエピクロルヒドリン変性ポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液321.1部(0.24モル、1級および2級アミノ基の物質量合計1.92モル)を得た。これを樹脂組成物5−3とする。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例5:紙塗工用樹脂組成物5の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂5−3を321.1部(0.24モル、1級および2級アミノ基の物質量合計1.92モル)添加し、90℃まで内温を昇温させた。次に、尿素87.1部(1.45モル、アミノ基に対して0.76モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温104℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温104〜106℃で8時間反応させた。その後、水39.0部を徐々に加えながら冷却して、固形分62.1%、pH8.07、粘度162mPa・sの水溶液429.7部を得た。これを紙塗工用樹脂組成物5とする。
<合成例6>
<重合物(A)と(c)成分と(g)成分と(e)成分との生成物の製造例6:樹脂6−3の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物1−2を237.3部(0.23モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位0.58モル)と水61.2部を添加し、65〜75℃に内温を保持しながら、エピクロルヒドリン32.5部(0.35モル、ポリアミン類(c)に対するモル比0.60)を4時間かけて滴下し、さらに内温65〜75℃で2時間攪拌した。その後、室温に冷却し、固形分濃度60%のエピクロルヒドリン変性ポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液327.8部(0.23モル、1級および2級アミノ基の物質量合計1.84モル)を得た。これを樹脂組成物6−3とする。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例6:紙塗工用樹脂組成物6の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂6−3を327.8部(0.23モル、1級および2級アミノ基の物質量合計1.84モル)添加し、90℃まで内温を昇温させた。次に、尿素84.3部(1.40モル、アミノ基に対して0.76モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温104℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温104〜106℃で8時間反応させた。その後、水33.3部を徐々に加えながら冷却して、固形分61.5%、pH8.49、粘度179mPa・sの水溶液429.7部を得た。これを紙塗工用樹脂組成物6とする。
<比較合成例1>
<重合物(A)の製造例1:樹脂7−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸および4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸の混合物46.0部(0.28モル、HN−2000 日立化成工業(株)製)及びテトラヒドロ無水フタル酸111.1部(0.73モル)を仕込み(合計1.01モル)、内温を120℃に昇温した。次に、内温120〜140℃に保温しながら、エチレングリコール31.3部(0.50モル)をゆっくりと滴下し、滴下終了後、内温140〜155℃でさらに1時間攪拌し、末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物187.8部(0.50モル、遊離カルボキシル基としての物質量1.01モル)を得た。これを樹脂組成物7−1とする。
<(重合物(A)と(c)成分と(g)成分の生成物の製造例7:樹脂7−2の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物7−1を187.8部(0.50モル、遊離カルボキシル基としての物質量1.01モル)添加し、85%ε−カプロラクタム3.9部(0.03モル、ポリアミンに対して0.029モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させて、トリエチレンテトラミン147.2部(1.01モル、遊離カルボキシル基の酸価に対するモル比1.00)を100〜130℃でゆっくりと滴下した。次いで、還流冷却器をリービッヒ冷却器に取り替えた後、生成する水を留去しながら内温を150℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温150〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は8.7部であった。その後、水127.2部を加えて固形分濃度70%のポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液455.6部(0.50モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位1.01モル)を得た。これを樹脂組成物7−2とする。
<重合物(A)と(c)成分と(g)成分と(e)成分との生成物の製造例7:樹脂7−3の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物7−2を450.2部(0.50モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位1.00モル)と水114.9部を添加し、65〜75℃に内温を保持しながら、エピクロルヒドリン59.8部(0.65モル、ポリアミン類(c)に対するモル比0.65)を4時間かけて滴下した所、反応マスがゲル化した。
<比較合成例2>
<重合物(A)の製造例8:樹脂8−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸および4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸の混合物37.3部(0.22モル、HN−2000 日立化成工業(株)製)及びテトラヒドロ無水フタル酸90.0部(0.59モル)を仕込み(合計0.81モル)、内温を120℃に昇温した。次に、内温120〜140℃に保温しながら、エチレングリコール25.3部(0.41モル)をゆっくりと滴下し、滴下終了後、内温140〜155℃でさらに1時間攪拌し、末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物152.6部(0.41モル、遊離カルボキシル基としての物質量0.81モル)を得た。これを樹脂組成物8−1とする。
<(重合物(A)と(c)成分と(g)成分の生成物の製造例8:樹脂8−2の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物8−1を152.6部(0.41モル、遊離カルボキシル基としての物質量0.81モル)添加し、85%ε−カプロラクタム4.5部(0.03モル、ポリアミンに対して0.028モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させて、トリエチレンテトラミン179.0部(1.22モル、遊離カルボキシル基の酸価に対するモル比1.50)を100〜130℃でゆっくりと滴下した。次いで、還流冷却器をリービッヒ冷却器に取り替えた後、生成する水を留去しながら内温を150℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温150〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は2.8部であった。その後、水130.5部を加えて固形分濃度70%のポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液462.1部(0.41モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位1.22モル)を得た。これを樹脂組成物8−2とする。
<重合物(A)と(c)成分と(g)成分と(e)成分との生成物の製造例8:樹脂8−3の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物8−2を462.1部(0.41モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位1.22モル)と水109.7部を添加し、65〜75℃に内温を保持しながら、エピクロルヒドリン49.1部(0.53モル、ポリアミン類(c)に対するモル比0.43)を4時間かけて滴下し、さらに内温65〜75℃で2時間攪拌した。その後、室温に冷却し、固形分濃度60%のエピクロルヒドリン変性ポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液620.0部(0.41モル、1級および2級アミノ基の物質量合計4.10モル)を得た。これを樹脂組成物8−3とする。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例8:紙塗工用樹脂組成物8の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂8−3を620.0部(0.41モル、1級および2級アミノ基の物質量合計4.10モル)添加し、90℃まで内温を昇温させた。次に、尿素147.0部(2.45モル、アミノ基に対して0.60モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温104℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温104〜106℃で8時間反応させた。その後、水57.2部を徐々に加えながら冷却して、固形分60.9%、pH8.19、粘度196mPa・sの水溶液795.0部を得た。これを紙塗工用樹脂組成物8とする。
<比較合成例3>
<重合物(A)の製造例9:樹脂9−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸および4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸の混合物86.4部(0.52モル、HN−2000 日立化成工業(株)製)及びテトラヒドロ無水フタル酸208.4部(1.37モル)を仕込み(合計1.89モル)、内温を120℃に昇温した。次に、内温120〜140℃に保温しながら、エチレングリコール58.7部(0.94モル)をゆっくりと滴下し、滴下終了後、内温140〜155℃でさらに1時間攪拌し、末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物353.2部(0.94モル、遊離カルボキシル基としての物質量1.89モル)を得た。これを樹脂組成物9−1とする。
<(重合物(A)と(c)成分と(g)成分の生成物の製造例9:樹脂9−2の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物9−1を353.2部(0.94モル、遊離カルボキシル基としての物質量1.89モル)添加し、85%ε−カプロラクタム8.0部(0.06モル、ポリアミンに対して0.025モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させて、トリエチレンテトラミン345.4部(2.36モル、遊離カルボキシル基の酸価に対するモル比1.25)を100〜130℃でゆっくりと滴下した。次いで、還流冷却器をリービッヒ冷却器に取り替えた後、生成する水を留去しながら内温を150℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温150〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は12.3部であった。その後、水264.7部を加えて固形分濃度70%のポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液955.4部(0.94モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位2.36モル)を得た。これを樹脂組成物9−2とする。
<重合物(A)と(c)成分と(g)成分と(e)成分との生成物の製造例9:樹脂9−3の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物9−2を492.7部(0.49モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位1.22モル)と水104.7部を添加し、65〜75℃に内温を保持しながら、エピクロルヒドリン33.8部(0.37モル、ポリアミン類(c)に対するモル比0.30)を4時間かけて滴下し、さらに内温65〜75℃で2時間攪拌した。その後、室温に冷却し、固形分濃度60%のエピクロルヒドリン変性ポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液630.6部(0.49モル、1級および2級アミノ基の物質量合計3.94モル)を得た。これを樹脂組成物9−3とする。
<紙塗工用樹脂組成物の製造例9:紙塗工用樹脂組成物9の調製>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂9−3を216.4部(0.17モル、1級および2級アミノ基の物質量合計1.35モル)添加し、90℃まで内温を昇温させた。次に、尿素60.3部(1.00モル、アミノ基に対して0.75モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温104℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温104〜106℃で8時間反応させた。その後、水26.4部を徐々に加えながら冷却して、固形分60.5%、pH8.49、粘度113mPa・sの水溶液288.9部を得た。これを紙塗工用樹脂組成物9とする。
<比較合成例4>
<重合物(A)と(c)成分と(g)成分と(e)成分との生成物の製造例10:樹脂10−3の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物9−2を457.2部(0.45モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位1.13モル)と水125.0部を添加し、65〜75℃に内温を保持しながら、エピクロルヒドリン73.2部(0.79モル、ポリアミン類(c)に対するモル比0.70)を4時間かけて滴下した所、反応マスがゲル化した。
<塗工組成物の製造例>
ウルトラホワイト90(顔料、米国エンゲルハードミネラルズ社製のクレー)60重量部、カービタル90(顔料、富士カオリン(株)製の炭酸カルシウム)40重量部、ポリアクリル酸系顔料分散剤0.2重量部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(水性バインダー)8重量部及び市販の酸化でんぷん3重量部を混合し、水を加えて、固形分64.5%となるようにマスターカラーを調製した。続いて、マスターカラーの顔料100重量部に<紙塗工用樹脂組成物の製造例1>で得られた紙塗工用樹脂組成物1の固形分が0.6重量部となる割合で添加し、固形分を64%に調整した。
得られた塗工組成物のpHは9.2、粘度は1440mPa・sであった。
<塗工紙の製造例>
塗工組成物を、米坪量80g/m2の上質紙の片面に、ワイヤーロッドを用いて塗工量が15g/m2となるように塗布した。塗布後ただちに、115℃にて20秒間熱風乾燥し、次いで温度23℃、相対湿度50%にて16時間調湿し、さらに温度60℃、線圧60kN/mの条件で2回スーパーカレンダー処理を施して、塗工紙を得た。こうして得た塗工紙を耐水性及びインキ受理性の試験に供し、試験結果を表1に示した。なお、試験方法は以下のとおりである。
<耐水性:ウェットピック法(WP法)>
RI試験機(明製作所製)を使用し、塗工面を給水ロールで湿潤させた後に印刷し、紙むけ状態を肉眼で観察して判定した。判定基準は次のように行った。
耐水性 (劣)1〜5(優)
<インキ受理性:A法>
RI試験機(明製作所製)を使用し、塗工面を給水ロールで湿潤させた後に印刷し、インキの受理性を肉眼で観察して判定した。判定基準は次のように行った。
インキ受理性 (劣)1〜5(優)
<インキ受理性:B法>
RI試験機(明製作所製)を使用し、金属ロールとゴムロールの間にわずかな間隙をあけ、その間隙に水を注いだ後速やかに印刷し、インキの受理性を肉眼で観察して判定した。判定基準は次のように行った。
インキ受理性 (劣)1〜5(優)
(実施例2〜6、比較例2、比較例3)
表1〜4に記載の紙塗工用樹脂を用いる以外は実施例1と同様にして、塗工組成物及び塗工紙を製造し、紙塗工用樹脂組成物の物性及び塗工紙の物性を測定した。実施例1の結果とともに、結果を表1〜4に示した。
(比較例5)
紙塗工用樹脂を用いない以外は実施例1と同様にして、塗工組成物及び塗工紙を製造し、紙塗工用樹脂組成物の物性及び塗工紙の物性を測定した。結果を表5に示した。




















Figure 2013234413
*1:紙塗工用樹脂の製造に用いられたグリコール類(a)1モルに対する、用いられた脂環式二塩基性カルボン酸類(b)のモル比
*2:重合物(A)の酸価1モルに対して、用いられたポリアミン類(c)モル比
*3:ポリアミン類(c)に含まれる1級アミノ基と2級アミノ基の合計モル数(x)から重合物(A)の酸価(y)を差し引いたモル数(z)1モルに対する、用いられた尿素類(c)のモル比
*4:紙塗工用樹脂の製造に用いられたポリアミン類(c)1モルに対する、用いられた架橋性化合物(e)のモル比
*5:紙塗工用樹脂の製造に用いられたポリアミン類(c)1モルに対する、用いられたラクタム類(g)のモル比













Figure 2013234413





















Figure 2013234413

Claims (4)

  1. グリコール類(a)と、脂環式二塩基性カルボン酸類(b)との反応で得られる重縮合物(A)に、少なくともポリアミン類(c)、尿素類(d)及び架橋性化合物(e)を反応させて得られる紙塗工用樹脂の組成物であって、
    (1)重縮合物(A)の酸価1モルに対し、ポリアミン類(c)を物質量(モル)基準で1.1モル以上、1.4モル以下
    (2)ポリアミン類(c)の物質量1モルに対し、架橋性化合物(e)を物質量基準で0.4モル以上、0.6モル以下
    反応させることを特徴とする紙塗工用樹脂組成物。
  2. 重縮合物(A)に反応させる単量体として、さらにラクタム類(g)を用いることを特徴とする請求項1に記載の紙塗工用樹脂組成物。
  3. 請求項1〜2のいずれかに記載の紙塗工用樹脂組成物、顔料および水性バインダーを含有することを特徴とする紙塗工用組成物。
  4. 請求項3に記載の紙塗工用組成物を紙に塗工してなる塗工紙。
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