JP2013234413A - 紙塗工用樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】グリコール類(a)と、脂環式二塩基性カルボン酸類(b)との反応で得られる重縮合物(A)に、少なくともポリアミン類(c)、尿素類(d)及び架橋性化合物(e)を反応させて得られる紙塗工用樹脂の組成物であって、
(1)重縮合物(A)の酸価1モルに対し、ポリアミン類(c)を物質量(モル)基準で1.1モル以上、1.4モル以下
(2)ポリアミン類(c)の物質量1モルに対し、架橋性化合物(e)を物質量基準で0.4モル以上、0.6モル以下
反応させることにより前記課題が解決可能であることを見出した。
【選択図】なし
Description
(1)重縮合物(A)の酸価1モルに対し、ポリアミン類(c)を物質量(モル)基準で1.1モル以上、1.4モル以下
(2)ポリアミン類(c)の物質量1モルに対し、架橋性化合物(e)を物質量基準で0.4モル以上、0.6モル以下
反応させることを特徴とする紙塗工用樹脂組成物が、合成中にゲル化することもなく、さらに従来の紙塗工用樹脂組成物よりも優れたインキ受理性、耐水性を有することを見出し、本発明を完成させた。
重縮合物(A)に用いられるグリコール類(a)とは、分子中に水酸基を少なくとも2 個有する脂肪族アルコールであり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール等のアルキレングリコール類; ブテンジオール、シクロペンタンジオール、シクロヘキサンジオール等のシクロアルキレングリコール類; オクテンジオール等のアルケニレングリコール類; ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリアルキレングリコール類; グリセリン、ポリビニルアルコール等のアルキレン基を含有するポリアルキレングリコール; グルコース、フルクトース、マンニット、ソルビット等の糖類;ビスフェノールA のエチレンオキシド付加物等が挙げられる。
グリコール類として、2 種類以上のグリコール類を併用してもよい。
グリコール類としては、中では、アルキレングリコール類、アルケニレングリコール類、
ポリアルキレングリコール類が好ましく、とりわけ、エチレングリコール、ジエチレング
リコール、グリセリンが工業的に有利である。
脂環式二塩基性カルボン酸類(b)として、2種以上の脂環式二塩基性カルボン酸類を用いてもよい。
脂環式二塩基性カルボン酸類(b)としては、中でも、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸及び4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸が好ましい。
重縮合物(A)の反応に用いられる単量体比率としては、グリコール類(a)に含有される水酸基1モルに対して、脂環式二塩基性カルボン酸類(b)の分子数が0.1〜1モル程度、好ましくは0.3〜1.0モルである。
本発明に用いられるポリアミン類(c)とは、分子中に1 級アミノ基(−NH2)又は2
級アミノ基(=NH)を少なくとも2個有する脂肪族アミンであり、例えば、アルキレン
ジアミン、ポリアルキレンポリアミン、脂環式ポリアミン、複素環ポリアミン等が挙げら
れる。
サメチレンジアミン等が例示される。
ポリアルキレンポリアミンとは、アルキレンジアミンを脱アンモニア反応せしめて縮合し
たものであり、具体的には、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエ
チレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、イミノビスプロピルアミン、3−アザヘ
キサン−1,6−ジアミン等が例示される。脂環式ポリアミンとしては、例えば、イソホ
ロンジアミン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、4,7−ジアザデカン−1,10
−ジアミンなどが例示される。
子を少なくとも1 個含有する脂環式炭化水素基である複素環を含み、かつ、1級アミノ基及び/ 又は2級アミノ基を少なくとも2 個有するアミンのことである。具体的には、ピペラジン、ホモピペラジン、N−メチルピペラジン、N−エチルピペラジン、N−プロピルピペラジン、N−アセチルピペラジン及び1−(クロロフェニル)ピペラジン等のような複素環ジアミン類;N−アミノエチルピペリジン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノエチルピペラジン、N−アミノプロピルピペラジン、N−アミノエチルモルホリン、N−アミノプロピルモルホリン、N−アミノプロピル−2−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン及び1,4−ビス(アミノプロピル)ピペラジンのようなアミノアルキルを含有した複素環アミンなどが例示される。
類(c)の中でも、ポリアルキレンポリアミンが好ましく、とりわけ、ジエチレントリア
ミン、トリエチレンテトラミンが好適である。
架橋性化合物(e)のうちのモノハロヒドリン類は、式(2)
ポリアミン類(c)が、重縮合物(A)の酸価1モルに対して1.1モルより少ないと、インキ受理性が低下する場合がある。もしくは、架橋性化合物(e)との反応の際、ゲル化する場合がある。また、1.4モルより多くなると、インキ受理性は向上するものの、耐水性が低下する可能性がある。
架橋性化合物(e)が、ポリアミン類(c)1モルに対して0.4モルより少ないとインキ受理性が低下し、また、0.6より多くなると、ポリアミン類(c)と架橋性化合物(e)との反応の際、ゲル化が生じる。
具体的には、例えば、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸、ラウリン酸、ミスチリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、リノール酸等の脂肪族モノカルボン酸; マロン酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、スベリン酸等の脂肪族ジカルボン酸; ブタンテトラカルボン酸等の脂肪族ポリカルボン酸等が挙げられ、カルボン酸エステルとしては、前記脂肪族モノカルボン酸、脂肪族ジカルボン酸あるいは脂肪族ポリカルボン酸と、メタノールあるいはエタノール等の低級アルコールとのエステルが挙げられる。さらに、カルボン酸無水物としては、例えば、無水酢酸、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水アジピン酸等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸類(f)として、2種以上の脂肪族カルボン酸類を用いてもよい。
脂肪族カルボン酸類(f)としては、中でも、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ノナン酸等の炭素数10以下の脂肪族カルボン酸が挙げられる。
、ラウリルラクタム、グリコシアミジン、オキシドール、イサチン等が挙げられるが、工
業的にはε−カプロラクタムが有利である。
また、該組成物のpHは通常、7〜11であり、必要に応じてリン酸、硫酸、塩酸、硝酸などの無機酸や、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、アジピン酸などの有機酸を用いて、pHを中性程度に調整することも可能である。
<重合物(A)の製造例1:樹脂1−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸および4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸の混合物68.1部(0.41モル、HN−2000 日立化成工業(株)製)及びテトラヒドロ無水フタル酸164.3部(1.08モル)を仕込み(合計1.49モル)、内温を120℃に昇温した。次に、内温120〜140℃に保温しながら、エチレングリコール46.2部(0.74モル)をゆっくりと滴下し、滴下終了後、内温140〜155℃でさらに1時間攪拌し、末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物278.5部(0.74モル、遊離カルボキシル基としての物質量1.48モル)を得た。これを樹脂組成物1−1とする。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物1−1を278.5部(0.74モル、遊離カルボキシル基としての物質量1.48モル)添加し、85%ε−カプロラクタム7.4部(0.60モル、ポリアミンに対して0.032モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させて、トリエチレンテトラミン272.3部(1.86モル、遊離カルボキシル基の酸価に対するモル比1.25)を100〜130℃でゆっくりと滴下した。次いで、還流冷却器をリービッヒ冷却器に取り替えた後、生成する水を留去しながら内温を150℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温150〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は12.2部であった。その後、水211.0部を加えて固形分濃度70%のポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液755.3部(0.74モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位1.86モル)を得た。これを樹脂組成物1−2とする。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物1−2を241.3部(0.24モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位0.60モル)と水59.3部を添加し、65〜75℃に内温を保持しながら、エピクロルヒドリン28.6部(0.31モル、ポリアミン類(c)に対するモル比0.52)を4時間かけて滴下し、さらに内温65〜75℃で2時間攪拌した。その後、室温に冷却し、固形分濃度60%のエピクロルヒドリン変性ポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液326.4部(0.24モル、1級および2級アミノ基の物質量合計1.92モル)を得た。これを樹脂組成物1−3とする。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂1−3を319.1部(0.23モル、1級および2級アミノ基の物質量合計1.89モル)添加し、90℃まで内温を昇温させた。次に、尿素83.4部(1.40モル、アミノ基に対して0.74モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温104℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温104〜106℃で8時間反応させた。その後、水33.2部を徐々に加えながら冷却して、固形分61.5%、pH8.52、粘度162mPa・sの水溶液428.1部を得た。これを紙塗工用樹脂組成物1とする。
<(重合物(A)と(c)成分の生成物の製造例2:樹脂2−2の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物1−1を278.5部(0.74モル、遊離カルボキシル基としての物質量1.48モル)添加し、内温を110℃まで昇温させたのち、トリエチレンテトラミン272.3部(1.86モル、遊離カルボキシル基の酸価に対するモル比1.25)を100〜130℃でゆっくりと滴下した。次いで、還流冷却器をリービッヒ冷却器に取り替えた後、生成する水を留去しながら内温を150℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温150〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は11.0部であった。その後、水208.7部を加えて固形分濃度70%のポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液749.4部(0.74モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位1.86モル)を得た。これを樹脂組成物2−2とする。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物2−2を240.0部(0.24モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位0.60モル)と水59.1部を添加し、65〜75℃に内温を保持しながら、エピクロルヒドリン28.7部(0.31モル、ポリアミン類(c)に対するモル比0.52)を4時間かけて滴下し、さらに内温65〜75℃で2時間攪拌した。その後、室温に冷却し、固形分濃度60%のエピクロルヒドリン変性ポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液326.0部(0.24モル、1級および2級アミノ基の物質量合計1.92モル)を得た。これを樹脂組成物2−3とする。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂2−3を321.1部(0.23モル、1級および2級アミノ基の物質量合計1.89モル)添加し、90℃まで内温を昇温させた。次に、尿素84.7部(1.41モル、アミノ基に対して0.75モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温104℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温104〜106℃で8時間反応させた。その後、水33.5部を徐々に加えながら冷却して、固形分61.0%、pH8.48、粘度163mPa・sの水溶液809.6部を得た。これを紙塗工用樹脂組成物2とする。
<重合物(A)の製造例3:樹脂3−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸および4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸の混合物25.2部(0.15モル、HN−2000 日立化成工業(株)製)及びテトラヒドロ無水フタル酸60.9部(0.40モル)を仕込み(合計0.55モル)、内温を120℃に昇温した。次に、内温120〜140℃に保温しながら、エチレングリコール17.1部(0.28モル)をゆっくりと滴下し、滴下終了後、内温140〜155℃でさらに1時間攪拌し、末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物103.1部(0.28モル、遊離カルボキシル基としての物質量0.56モル)を得た。これを樹脂組成物3−1とする。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物3−1を103.1部(0.28モル、遊離カルボキシル基としての物質量0.56モル)添加し、85%ε−カプロラクタム2.6部(0.02モル、ポリアミンに対して0.036モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させて、トリエチレンテトラミン88.8部(0.61モル、遊離カルボキシル基の酸価に対するモル比1.10)を100〜130℃でゆっくりと滴下した。次いで、還流冷却器をリービッヒ冷却器に取り替えた後、生成する水を留去しながら内温を150℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温150〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は0.1部であった。その後、水68.5部を加えて固形分濃度70%のポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液261.4部(0.28モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位0.61モル)を得た。これを樹脂組成物3−2とする。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物3−2を261.4部(0.28モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位0.61モル)と水65.7部を添加し、65〜75℃に内温を保持しながら、エピクロルヒドリン33.2部(0.36モル、ポリアミン類(c)に対するモル比0.59)を4時間かけて滴下し、さらに内温65〜75℃で2時間攪拌した。その後、室温に冷却し、固形分濃度60%のエピクロルヒドリン変性ポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液359.1部(0.28モル、1級および2級アミノ基の物質量合計1.50モル)を得た。これを樹脂組成物3−3とする。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂3−3を359.1部(0.28モル、1級および2級アミノ基の物質量合計1.50モル)添加し、90℃まで内温を昇温させた。次に、尿素74.6部(1.24モル、アミノ基に対して0.83モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温104℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温104〜106℃で8時間反応させた。その後、水28.3部を徐々に加えながら冷却して、固形分61.9%、pH8.65、粘度190mPa・sの水溶液450.8部を得た。これを紙塗工用樹脂組成物3とする。
<重合物(A)の製造例4:樹脂4−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸および4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸の混合物25.2部(0.15モル、HN−2000 日立化成工業(株)製)及びテトラヒドロ無水フタル酸60.9部(0.40モル)を仕込み(合計0.55モル)、内温を120℃に昇温した。次に、内温120〜140℃に保温しながら、エチレングリコール17.1部(0.28モル)をゆっくりと滴下し、滴下終了後、内温140〜155℃でさらに1時間攪拌し、末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物103.9部(0.28モル、遊離カルボキシル基としての物質量0.56モル)を得た。これを樹脂組成物4−1とする。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物4−1を103.9部(0.28モル、遊離カルボキシル基としての物質量0.56モル)添加し、85%ε−カプロラクタム2.9部(0.02モル、ポリアミンに対して0.029モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させて、トリエチレンテトラミン113.0部(0.77モル、遊離カルボキシル基の酸価に対するモル比1.40)を100〜130℃でゆっくりと滴下した。次いで、還流冷却器をリービッヒ冷却器に取り替えた後、生成する水を留去しながら内温を150℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温150〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は1.6部であった。その後、水80.7部を加えて固形分濃度70%のポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液296.9部(0.28モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位0.77モル)を得た。これを樹脂組成物4−2とする。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物4−2を296.9部(0.28モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位0.77モル)と水71.6部を添加し、65〜75℃に内温を保持しながら、エピクロルヒドリン33.2部(0.36モル、ポリアミン類(c)に対するモル比0.59)を4時間かけて滴下し、さらに内温65〜75℃で2時間攪拌した。その後、室温に冷却し、固形分濃度60%のエピクロルヒドリン変性ポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液400.8部(0.28モル、1級および2級アミノ基の物質量合計2.58モル)を得た。これを樹脂組成物4−3とする。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂4−3を400.8部(0.28モル、1級および2級アミノ基の物質量合計2.58モル)添加し、90℃まで内温を昇温させた。次に、尿素99.4部(1.66モル、アミノ基に対して0.64モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温104℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温104〜106℃で8時間反応させた。その後、水39.0部を徐々に加えながら冷却して、固形分61.9%、pH8.36、粘度176mPa・sの水溶液521.9部を得た。これを紙塗工用樹脂組成物4とする。
<重合物(A)と(c)成分と(g)成分と(e)成分との生成物の製造例5:樹脂5−3の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物1−2を245.0部(0.24モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位0.60モル)と水55.7部を添加し、65〜75℃に内温を保持しながら、エピクロルヒドリン22.4部(0.24モル、ポリアミン類(c)に対するモル比0.40)を4時間かけて滴下し、さらに内温65〜75℃で2時間攪拌した。その後、室温に冷却し、固形分濃度60%のエピクロルヒドリン変性ポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液321.1部(0.24モル、1級および2級アミノ基の物質量合計1.92モル)を得た。これを樹脂組成物5−3とする。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂5−3を321.1部(0.24モル、1級および2級アミノ基の物質量合計1.92モル)添加し、90℃まで内温を昇温させた。次に、尿素87.1部(1.45モル、アミノ基に対して0.76モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温104℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温104〜106℃で8時間反応させた。その後、水39.0部を徐々に加えながら冷却して、固形分62.1%、pH8.07、粘度162mPa・sの水溶液429.7部を得た。これを紙塗工用樹脂組成物5とする。
<合成例6>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物1−2を237.3部(0.23モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位0.58モル)と水61.2部を添加し、65〜75℃に内温を保持しながら、エピクロルヒドリン32.5部(0.35モル、ポリアミン類(c)に対するモル比0.60)を4時間かけて滴下し、さらに内温65〜75℃で2時間攪拌した。その後、室温に冷却し、固形分濃度60%のエピクロルヒドリン変性ポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液327.8部(0.23モル、1級および2級アミノ基の物質量合計1.84モル)を得た。これを樹脂組成物6−3とする。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂6−3を327.8部(0.23モル、1級および2級アミノ基の物質量合計1.84モル)添加し、90℃まで内温を昇温させた。次に、尿素84.3部(1.40モル、アミノ基に対して0.76モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温104℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温104〜106℃で8時間反応させた。その後、水33.3部を徐々に加えながら冷却して、固形分61.5%、pH8.49、粘度179mPa・sの水溶液429.7部を得た。これを紙塗工用樹脂組成物6とする。
<重合物(A)の製造例1:樹脂7−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸および4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸の混合物46.0部(0.28モル、HN−2000 日立化成工業(株)製)及びテトラヒドロ無水フタル酸111.1部(0.73モル)を仕込み(合計1.01モル)、内温を120℃に昇温した。次に、内温120〜140℃に保温しながら、エチレングリコール31.3部(0.50モル)をゆっくりと滴下し、滴下終了後、内温140〜155℃でさらに1時間攪拌し、末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物187.8部(0.50モル、遊離カルボキシル基としての物質量1.01モル)を得た。これを樹脂組成物7−1とする。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物7−1を187.8部(0.50モル、遊離カルボキシル基としての物質量1.01モル)添加し、85%ε−カプロラクタム3.9部(0.03モル、ポリアミンに対して0.029モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させて、トリエチレンテトラミン147.2部(1.01モル、遊離カルボキシル基の酸価に対するモル比1.00)を100〜130℃でゆっくりと滴下した。次いで、還流冷却器をリービッヒ冷却器に取り替えた後、生成する水を留去しながら内温を150℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温150〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は8.7部であった。その後、水127.2部を加えて固形分濃度70%のポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液455.6部(0.50モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位1.01モル)を得た。これを樹脂組成物7−2とする。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物7−2を450.2部(0.50モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位1.00モル)と水114.9部を添加し、65〜75℃に内温を保持しながら、エピクロルヒドリン59.8部(0.65モル、ポリアミン類(c)に対するモル比0.65)を4時間かけて滴下した所、反応マスがゲル化した。
<重合物(A)の製造例8:樹脂8−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸および4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸の混合物37.3部(0.22モル、HN−2000 日立化成工業(株)製)及びテトラヒドロ無水フタル酸90.0部(0.59モル)を仕込み(合計0.81モル)、内温を120℃に昇温した。次に、内温120〜140℃に保温しながら、エチレングリコール25.3部(0.41モル)をゆっくりと滴下し、滴下終了後、内温140〜155℃でさらに1時間攪拌し、末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物152.6部(0.41モル、遊離カルボキシル基としての物質量0.81モル)を得た。これを樹脂組成物8−1とする。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物8−1を152.6部(0.41モル、遊離カルボキシル基としての物質量0.81モル)添加し、85%ε−カプロラクタム4.5部(0.03モル、ポリアミンに対して0.028モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させて、トリエチレンテトラミン179.0部(1.22モル、遊離カルボキシル基の酸価に対するモル比1.50)を100〜130℃でゆっくりと滴下した。次いで、還流冷却器をリービッヒ冷却器に取り替えた後、生成する水を留去しながら内温を150℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温150〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は2.8部であった。その後、水130.5部を加えて固形分濃度70%のポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液462.1部(0.41モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位1.22モル)を得た。これを樹脂組成物8−2とする。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物8−2を462.1部(0.41モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位1.22モル)と水109.7部を添加し、65〜75℃に内温を保持しながら、エピクロルヒドリン49.1部(0.53モル、ポリアミン類(c)に対するモル比0.43)を4時間かけて滴下し、さらに内温65〜75℃で2時間攪拌した。その後、室温に冷却し、固形分濃度60%のエピクロルヒドリン変性ポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液620.0部(0.41モル、1級および2級アミノ基の物質量合計4.10モル)を得た。これを樹脂組成物8−3とする。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂8−3を620.0部(0.41モル、1級および2級アミノ基の物質量合計4.10モル)添加し、90℃まで内温を昇温させた。次に、尿素147.0部(2.45モル、アミノ基に対して0.60モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温104℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温104〜106℃で8時間反応させた。その後、水57.2部を徐々に加えながら冷却して、固形分60.9%、pH8.19、粘度196mPa・sの水溶液795.0部を得た。これを紙塗工用樹脂組成物8とする。
<重合物(A)の製造例9:樹脂9−1の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、3−メチルテトラヒドロ無水フタル酸および4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸の混合物86.4部(0.52モル、HN−2000 日立化成工業(株)製)及びテトラヒドロ無水フタル酸208.4部(1.37モル)を仕込み(合計1.89モル)、内温を120℃に昇温した。次に、内温120〜140℃に保温しながら、エチレングリコール58.7部(0.94モル)をゆっくりと滴下し、滴下終了後、内温140〜155℃でさらに1時間攪拌し、末端に遊離カルボキシル基を有する反応生成物353.2部(0.94モル、遊離カルボキシル基としての物質量1.89モル)を得た。これを樹脂組成物9−1とする。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物9−1を353.2部(0.94モル、遊離カルボキシル基としての物質量1.89モル)添加し、85%ε−カプロラクタム8.0部(0.06モル、ポリアミンに対して0.025モル比)を滴下した後、内温を110℃まで昇温させて、トリエチレンテトラミン345.4部(2.36モル、遊離カルボキシル基の酸価に対するモル比1.25)を100〜130℃でゆっくりと滴下した。次いで、還流冷却器をリービッヒ冷却器に取り替えた後、生成する水を留去しながら内温を150℃まで昇温させ、発生する水を留去しながら、さらに内温150〜155℃で4時間反応させた。このとき、留去した水の重量は12.3部であった。その後、水264.7部を加えて固形分濃度70%のポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液955.4部(0.94モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位2.36モル)を得た。これを樹脂組成物9−2とする。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物9−2を492.7部(0.49モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位1.22モル)と水104.7部を添加し、65〜75℃に内温を保持しながら、エピクロルヒドリン33.8部(0.37モル、ポリアミン類(c)に対するモル比0.30)を4時間かけて滴下し、さらに内温65〜75℃で2時間攪拌した。その後、室温に冷却し、固形分濃度60%のエピクロルヒドリン変性ポリエステルポリアミド樹脂組成物水溶液630.6部(0.49モル、1級および2級アミノ基の物質量合計3.94モル)を得た。これを樹脂組成物9−3とする。
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂9−3を216.4部(0.17モル、1級および2級アミノ基の物質量合計1.35モル)添加し、90℃まで内温を昇温させた。次に、尿素60.3部(1.00モル、アミノ基に対して0.75モル比)を添加した後、内温を90℃まで昇温させた。続いて、発生するアンモニアを系外に留去しながら、内温104℃まで2時間かけて昇温させ、さらに、発生するアンモニアを反応器から留去しながら、内温104〜106℃で8時間反応させた。その後、水26.4部を徐々に加えながら冷却して、固形分60.5%、pH8.49、粘度113mPa・sの水溶液288.9部を得た。これを紙塗工用樹脂組成物9とする。
<重合物(A)と(c)成分と(g)成分と(e)成分との生成物の製造例10:樹脂10−3の合成>
温度計、還流冷却器及び攪拌棒を備えた反応器に、樹脂組成物9−2を457.2部(0.45モル、ポリアミン類(c)に由来する構造単位1.13モル)と水125.0部を添加し、65〜75℃に内温を保持しながら、エピクロルヒドリン73.2部(0.79モル、ポリアミン類(c)に対するモル比0.70)を4時間かけて滴下した所、反応マスがゲル化した。
ウルトラホワイト90(顔料、米国エンゲルハードミネラルズ社製のクレー)60重量部、カービタル90(顔料、富士カオリン(株)製の炭酸カルシウム)40重量部、ポリアクリル酸系顔料分散剤0.2重量部、スチレン−ブタジエン系ラテックス(水性バインダー)8重量部及び市販の酸化でんぷん3重量部を混合し、水を加えて、固形分64.5%となるようにマスターカラーを調製した。続いて、マスターカラーの顔料100重量部に<紙塗工用樹脂組成物の製造例1>で得られた紙塗工用樹脂組成物1の固形分が0.6重量部となる割合で添加し、固形分を64%に調整した。
得られた塗工組成物のpHは9.2、粘度は1440mPa・sであった。
塗工組成物を、米坪量80g/m2の上質紙の片面に、ワイヤーロッドを用いて塗工量が15g/m2となるように塗布した。塗布後ただちに、115℃にて20秒間熱風乾燥し、次いで温度23℃、相対湿度50%にて16時間調湿し、さらに温度60℃、線圧60kN/mの条件で2回スーパーカレンダー処理を施して、塗工紙を得た。こうして得た塗工紙を耐水性及びインキ受理性の試験に供し、試験結果を表1に示した。なお、試験方法は以下のとおりである。
RI試験機(明製作所製)を使用し、塗工面を給水ロールで湿潤させた後に印刷し、紙むけ状態を肉眼で観察して判定した。判定基準は次のように行った。
耐水性 (劣)1〜5(優)
RI試験機(明製作所製)を使用し、塗工面を給水ロールで湿潤させた後に印刷し、インキの受理性を肉眼で観察して判定した。判定基準は次のように行った。
インキ受理性 (劣)1〜5(優)
RI試験機(明製作所製)を使用し、金属ロールとゴムロールの間にわずかな間隙をあけ、その間隙に水を注いだ後速やかに印刷し、インキの受理性を肉眼で観察して判定した。判定基準は次のように行った。
インキ受理性 (劣)1〜5(優)
表1〜4に記載の紙塗工用樹脂を用いる以外は実施例1と同様にして、塗工組成物及び塗工紙を製造し、紙塗工用樹脂組成物の物性及び塗工紙の物性を測定した。実施例1の結果とともに、結果を表1〜4に示した。
紙塗工用樹脂を用いない以外は実施例1と同様にして、塗工組成物及び塗工紙を製造し、紙塗工用樹脂組成物の物性及び塗工紙の物性を測定した。結果を表5に示した。
*2:重合物(A)の酸価1モルに対して、用いられたポリアミン類(c)モル比
*3:ポリアミン類(c)に含まれる1級アミノ基と2級アミノ基の合計モル数(x)から重合物(A)の酸価(y)を差し引いたモル数(z)1モルに対する、用いられた尿素類(c)のモル比
*4:紙塗工用樹脂の製造に用いられたポリアミン類(c)1モルに対する、用いられた架橋性化合物(e)のモル比
*5:紙塗工用樹脂の製造に用いられたポリアミン類(c)1モルに対する、用いられたラクタム類(g)のモル比
Claims (4)
- グリコール類(a)と、脂環式二塩基性カルボン酸類(b)との反応で得られる重縮合物(A)に、少なくともポリアミン類(c)、尿素類(d)及び架橋性化合物(e)を反応させて得られる紙塗工用樹脂の組成物であって、
(1)重縮合物(A)の酸価1モルに対し、ポリアミン類(c)を物質量(モル)基準で1.1モル以上、1.4モル以下
(2)ポリアミン類(c)の物質量1モルに対し、架橋性化合物(e)を物質量基準で0.4モル以上、0.6モル以下
反応させることを特徴とする紙塗工用樹脂組成物。 - 重縮合物(A)に反応させる単量体として、さらにラクタム類(g)を用いることを特徴とする請求項1に記載の紙塗工用樹脂組成物。
- 請求項1〜2のいずれかに記載の紙塗工用樹脂組成物、顔料および水性バインダーを含有することを特徴とする紙塗工用組成物。
- 請求項3に記載の紙塗工用組成物を紙に塗工してなる塗工紙。
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