JP3833177B2 - 画像処理装置、画象処理方法、記憶媒体及びプログラム - Google Patents

画像処理装置、画象処理方法、記憶媒体及びプログラム Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、画像処理装置及び方法に関し、特に、画像データのダイナミックレンジを変更する画像処理装置及び方法、並びに、エッジ構造等を含む画像に対し鮮鋭化等の周波数強調又は抑制処理を施す画像処理装置及び方法に関する。
背景技術
例えば、X線胸部画像は、X線が透過しやすい肺野の画像領域、及びX線が非常に透過しにくい縦隔部の画像領域より構成されるため、画素値の存在するレンジが非常に広い。このため、肺野及び縦隔部の両方を同時に観察することが可能なX線胸部画像を得ることは困難であるとされてきた。
そこで、この問題を回避する方法として、SPIE Vol.626MedicineXIV/PACSIV(1986)に記載された方法がある。この方法は、処理後の画像の画素値をSD、オリジナル画像(入力画像)の画素値(入力画素値)をSorg、オリジナル画像の低周波画像の画素値をSUSとし、定数A,B,C(例えばA=3、B=0.7)を用いて、(1)式で表現されるものである。
SD=A[Sorg−SUS]+B[SUS]+C・・・・・・(1)
この方法は高周波成分(第一項)、低周波成分(第二項)の重み付けを変えることが可能で、例えばA=3、B=0.7では高周波成分を強調し、かつ全体のダイナミックレンジを圧縮する効果が得られるものである。この方法は、5人の放射線医から、処理なし画像と比較して診断に有効であるという評価が得られている。
(1)式においてAの比率を上げれば高周波成分の比率があがり鮮鋭化の効果が得られ、また、Bの比率を変更すれば低周波成分の大きさが変更され画像SDのダイナミックレンジが変更されるものである。
また、日本国特許第2509503号公報には、処理後の画素値をSD、オリジナル画素値(入力画素値)をSorg、オリジナル画像の複数のY方向プロファイルの平均プロファイルをPy、複数のX方向プロファイルの平均プロファイルをPxとして、(2)式で表現される方法が記載されている。
SD=Sorg+F[G(Px、Py)]・・・・・・(2)
ここで、関数F(x)が有する特性について説明すると、まず、「x>Dth」ではF(x)が「0」となり、「0≦x≦Dth」ではF(x)が切片を「E」、傾きを「E/Dth」として単調減少するものであり、(3)式で示される。
F(x)=E−(E/Dth)x,0≦x≦Dthのとき
=0,x>Dthのとき・・・・・・(3)
Py=(■Pyi)/n・・・・・・(4)
Px=(■Pxi)/n・・・・・・(5)
但し、(i=1〜n)、Pyi、Pxiはプロファイル。そして例えばG(Px,Py)は、
G(Px,Py)=max(Px、Py)・・・(6)
で示されるものである。この方法では、原画像の画素値(濃度値)レンジのうち、その低周波画像の画素値がDth以下の画素値(濃度値)レンジが圧縮されるものである。
また、日本国特許第2509503号公報の方法と同様な方法として、「日本放射線技術学会雑誌 第45巻第8号1989年8月1030頁阿南ほか」及び日本国特許第2663189号公報に記載された方法がある。この方法は、処理後の画素値をSD、オリジナル画素値をSorg、オリジナル画像においてマスクサイズM×M画素で移動平均をとった時の平均画素値をSUSとして、単調減少関数f(X)を用いて、(7)式及び(8)式で表現されるものである。
SD=Sorg+f(SUS)・・・・・・(7)
SUS=■Sorg/M2・・・・・・(8)
この方法は、(2)式の方法とは低周波画像の作成方法が異なる。(2)式の方法では1次元データで低周波画像を作成していたのに対し、この方法では2次元データで低周波画像を作成する。この方法も、原画像の画素値(濃度値)レンジのうち、その低周波画像の画素値がDth以下の画素値(濃度値)レンジを圧縮するものである。
上述のダイナミックレンジ圧縮方法は低周波画像を変換する関数f1()をもって(9)式のようにあらわせるものである。尚、本明細書では簡単化のため、このように関数の変数を省略して標記することがある。
SD=f1(SUS)+(Sorg−SUS)・・・・・・(9)
この(9)式では低周波成分を関数f1()で変更することによりダイナミックレンジを変更するものである。(9)式のようにあらわされるダイナミックレンジ圧縮方法を以下に説明する。図1、図2はその原理を説明する図であり、図1において一番上の図は原画像のエッジ部分のプロファイルであり、中断はその原画像の平滑化画像のプロファイルであり、下段は原画像からその平滑化画像を減じることにより作成した高周波画像のプロファイルである。図2において上段は図1の中断の平滑化画像の絶対値を1/2倍にした画像のプロファイルであり、中断は図1の高周波画像のプロファイルと同一の図であり、下段は平滑化画像の値を変換した上段の画像に中断の高周波画像を加算した画像のプロファイルである。この下段に示す画像のようにダイナミックレンジの圧縮された画像を得る処理をダイナミックレンジ圧縮処理と呼ぶ。
図1からわかるように、エッジ部において平滑化画像はエッジ構造を保持することができず、高周波成分はエッジ部で大きな値を示す。ただし、平滑化画像と高周波画像とを加算すると元の原画像にもどる。
しかし、図2に示すように、低周波画像の値を変換したものに高周波画像を加算すると、図2中に矢印で示すようにエッジ構造が崩れる。これをオーバーシュート、アンダーシュートという(以下単にオーバーシュートまたはオーバーシュート等ともいう)。
尚、(10)式は原画像を関数f1()で変更するものであり、一般的な階調変換であるが、原画像全体のダイナミックレンジを変更できるものである。
SD=f1(Sorg)・・・・・・(10)
また、近年、ラプラシアンピラミッド変換やウェーブレット変換を用いた多重周波数処理(以下、多重周波数変換処理ともいう)の開発が進められている。これら多重周波数処理では画像を周波数成分に分解して得たラプラシアン係数やウェーブレット係数(以下周波数係数)の高周波成分を図3や図4に示す非線形関数で変換することが行われている。図3、図4は横軸が入力係数であり、縦軸が出力係数を示す。これは係数が+の場合の変換曲線を示すものであるが、係数が−の場合にも同様に変換するものである。つまり奇関数の第一象限だけを示した図である。尚、本明細書では周波数係数を変換する関数はすべて奇関数とし、いずれも第一象限のみを示すことにする。また、「曲線」を「関数」と同義に用いることがある。図3は単調増加の凹関数(上に凸)を示しており、このような関数形で係数を変換すると、係数の小さい領域では係数を増加させ、係数が大きい領域では係数を飽和させることができる。従って、係数が小さい領域が微細構造などの有効画像成分をあらわしている場合には微細構造を強調する画像処理が行われると共に、係数が大きい領域の係数を飽和させることで、エッジ構造等が強調されるのを抑える効果があるものである。
また、図4の曲線形はウェーブレットの縮退と呼ばれる方法で用いられ、図4に示される所定絶対値(閾値)3001未満の周波数係数が0(ゼロ)に変換され、ノイズが抑制される効果があると言われている。
さらに、多重周波数処理において最も低周波帯の係数を変更することにより、復元処理した画像のダイナミックレンジを変更する方法も知られている。
また、近年のデジタル技術の進歩により、X線画像等の放射線画像をデジタル信号に変換し、かかるデジタル画像に画像処理を施して表示装置(例えば、CRT、液晶ディスプレイ等)に表示し、又は記録装置(プリンタ等)によりフィルム等の記録媒体に記録することが行われている。かかる画像処理は、撮像装置から得られた画像を、撮像装置の特性等に依存して補正する前処理と、前処理を経た画像(原画像)を診断に適した画質の画像に変換する画質保証(QA)処理とに分類され、このうちQA処理は原画像の高周波成分を強調する鮮鋭化処理や高周波成分を抑制するノイズ削減処理等の周波数処理を含む。
鮮鋭化処理は、例えば、図5Aに示す(エッジ部分を含む)原画像から、図5Bに示す原画像の低周波成分であるボケ画像(平滑化画像)を減算することによって、図5Cに示す原画像の高周波成分である高周波画像を作成する。そして、図6を参照するに、この高周波画像を原画像に加算することによって鮮鋭さが増した画像(鮮鋭化画像)を得る処理を基本としている。ここで、図5A,B,Cは鮮鋭化処理を説明するための波形図であって、同図Aはエッジ部分を含む原画像のプロファイルを示す波形図、同図Bは同図Aに示す原画像を平滑化した平滑化画像のプロファイルを示す波形図、同図Cは同図Aに示す原画像から同図Bに示す平滑化画像を減じることにより作成した高周波画像のプロファイルを示す波形図である。図6は、図5Aに示す原画像に図5Cに示す高周波画像を加算した鮮鋭化画像のプロファイルを示す波形図である。
(1)式に示されるダイナミックレンジ圧縮処理では、高周波成分及び低周波成分を、一律に各々異なる定数を掛けて変換している為、ダイナミックレンジ圧縮処理は行えるものの、オーバーシュートが生じてしまうという問題がある。
(2)式に示されるダイナミックレンジ圧縮処理では、高周波成分の調整を行う思想の開示がなく、低周波成分のみを変更してしまう為、ダイナミックレンジ圧縮は行えるものの、やはりオーバーシュートが生じてしまうという問題がある。
また、(9)式に示される、変換された平滑化画像(低周波成分)に高周波成分を加算するダイナミックレンジ圧縮方法では、低周波成分のみが変換され、高周波成分は不変である。よって、やはりオーバーシュートが生じてしまうという問題がある。
例えば、図2において平滑化画像全体を1/2倍に変換する場合、オーバーシュート、アンダーシュートに対応する部分の高周波成分を1/2倍すれば、ダイナミックレンジ圧縮処理の画像において、エッジ構造は保存されるものである。しかし、平滑化画像全体を1/3倍に変換したり、複雑な曲線形で変換した場合に、オーバーシュート、アンダーシュートに対応する部分の高周波成分を1/2倍にしていたのではオーバーシュート、アンダーシュートが生じてしまう。
このようなオーバーシュート、アンダーシュートを抑制する方法として本願出願人により日本国特開2000-316090号公報が出願されている。この方法はオーバーシュー、アンダーシュート部分に対応する高周波成分の値を抑制することでオーバーシュート、アンダーシュートを抑制する方法である。しかし、このような高周波成分の値の大きな部分を抑制する方法ではオーバーシュート、アンダーシュートを抑制することは可能であるが、エッジ構造を完全に保存できないという問題が残っている。したがって、高周波成分を抑制した部分に不自然な感じを覚えることがある。
一方、図1の高周波画像と平滑化画像を加算するともとの原画像になるように、高周波成分と低周波成分を同一の比率で変更すればエッジ構造は完全に保存されるものであるが、これは(10)式に示すような階調変換に他ならない。単なる階調変換ではダイナミックレンジの調整は行えるが周波数成分の調整は行えないため、例えばダイナミックレンジを圧縮した場合、微細構造などがつぶれてしまい、不都合である。また、鮮鋭化処理の効果などは得られないものである。
また、多重周波数処理における周波数係数を図3の変換曲線を用いて変換する場合にも、日本国特開2000-316090号公報と同様の効果からオーバーシュートが抑制されるものであるが、やはり、上述したようにエッジ構造は完全には保存されず、エッジ部分に不自然さが生じる問題がある。
また、最も低周波帯の係数を変更する場合も、上述と同様の原理によりエッジ構造が保存されず、オーバーシュートが生じる問題がある。つまり、エッジ部分を構成する部分的な周波数帯の係数の絶対値を変更すると、エッジ部分の構造が何らかの形で壊れることになり、その結果不自然さ(アーティファクト)が生じることになる。
また、周波数係数全体を同一比率で変更すればエッジ構造は崩れないが、上述のごとく階調変換にすぎない。したがって、周波数処理としての効果は何も奏しない。
また、図4の変換曲線で係数を変換する場合には、逆変換(例えば、逆ウェーブレット変換)した画像においてエッジ構造は保存されるものである。しかし、係数を強調する思想が全くないため、逆変換した画像で鮮鋭化の効果は全く得られないものである。なお、図4の曲線の傾きを1以外にした場合にはエッジ構造が保存されず、またはオーバーシュート等が生じるものである。
一方、従来の鮮鋭化処理は、高品質にエッジ部を含む画像を鮮鋭化することができなかった。例えば、図7に良く示されるように、エッジ部分の高周波成分は他の部分のそれと比較して極端に値が大きいため、それを加算することで得られる鮮鋭化画像にはエッジ部分に極端に突出した領域(図中、丸で示す領域aびb)が出現しまうことがある。ここで、図7は、オーバーシュートがある鮮鋭化画像のプロファイルを示す波形図である。これらの領域a及びbはオーバーシュート(領域bはアンダーシュートと呼ばれる場合もある)と呼ばれるアーティファクトである。このようにエッジ部分がオーバーシュートにより過度に強調された画像は不自然であり、特に診断に供される放射線画像等の医療画像の場合にはこのようなアーティファクトが生じることは好ましくない。その一方、オーバーシュートの抑制のため、高周波画像を所定の比率で減少させて原画像に加算することもできるがエッジ部分以外の領域において鮮鋭化処理本来の効果が減少してしまうため、好ましくない。
尚、以上の説明では画像の低周波成分を保存したまま高周波成分を強調した場合にエッジ構造が崩壊すること(高周波成分を保存したまま低周波成分を抑制しても同様)を示したが、逆に画像の低周波成分を保存したまま高周波成分を抑制した場合もエッジ構造が崩壊すること(高周波成分を保存したまま低周波成分を強調しても同様)になる。但し、この場合はオーバーシュートが発生するのでなく、エッジ部の急峻さが失われ、エッジ部がぼやける形でエッジ構造が崩壊する。
発明の開示
本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、画像のエッジ構造の崩壊またはオーバーシュートの発生を抑制または回避しつつ、ダイナミックレンジまたは部分的画素値範囲の変更された良好な画像を得ることのできる画像処理装置及び方法、並びにコンピュータ可読媒体及びプログラムを提供することを目的とする。
また、本発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、対象画像に含まれるエッジ部のエッジ構造の崩壊を抑制または回避しつつ、所望の空間周波数成分が強調又は抑制された良好な画像を得ることのできる画像処理装置及び方法、並びにコンピュータ可読媒体及びプログラムを提供することを目的とする。
本発明の第1の側面によれば、画像を階調変換する階調変換手段と、前記画像又は前記画像が前記階調変換手段により階調変換された後の画像の複数の周波数帯の周波数成分を該周波数成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づいて変換する成分変換手段とを有する画像処理装置が提供される。
本発明の第2の側面によれば、画像を階調変換する階調変換手段と、前記階調変換手段で階調変換された画像を複数の周波数帯の周波数成分に分解する周波数変換手段と、前記周波数変換手段により得た複数の周波数帯の周波数成分を該周波数成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づいて変換する成分変換手段とを有する画像処理装置が提供される。
本発明の第3の側面によれば、画像を第一の複数の周波数帯の周波数成分に分解する第一の周波数変換手段と、前記画像を階調変換する階調変換手段と、前記階調変換手段で階調変換された画像を第二の複数の周波数帯の周波数成分に分解する第二の周波数変換手段と、前記第二の複数の周波数帯の周波数成分に対し、前記第一の複数の周波数帯の周波数成分を該第一の複数の周波数帯の周波数成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づき変換して得た周波数成分を加算することにより、前記第二の複数の周波数帯の周波数成分を変換する成分変換手段とを有する画像処理装置が提供される。
本発明の第4の側面によれば、画像を階調変換する階調変換手段と、前記画像を複数の周波数帯の周波数成分に分解する周波数変換手段と、前記周波数変換手段により得た複数の周波数帯の周波数成分を該周波数成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づいて変換する成分変換手段と、前記成分変換手段で変換された周波数成分を合成して画像を生成する逆周波数変換手段と、前記逆周波数変換手段で生成された画像と前記階調変換手段で階調変換された画像とを加算する加算手段とを有する画増処理装置が提供される。
本発明の第5の側面によれば、画像を複数の周波数帯の周波数成分に分解する周波数変換手段と、前記周波数変換手段により得た複数の周波数帯の周波数成分を該周波数成分の値及び階調変換特性に基づいて変換する成分変換手段と、前記成分変換手段で変換された周波数成分を合成して画像を生成する逆周波数変換手段と、前記逆周波数変換手段で生成された画像を前記階調変換手段で階調変換する階調変換手段とを有する画像処理装置が提供される。
本発明の第6の側面によれば、画像を階調変換する階調変換手段と、前記画像又は前記画像が前記階調変換手段により階調変換された後の画像の高周波成分を該高周波成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づいて変換する成分変換手段とを有する画像処理装置が提供される。
本発明の第7の側面によれば、画像を階調変換する階調変換手段と、前記画像の高周波成分を算出する高周波成分算出手段と、前記高周波成分算出手段により得た高周波成分を該高周波成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づいて変換する成分変換手段と、前記成分変換手段で変換された高周波成分と前記階調変換手段で階調変換された画像とを加算する加算手段とを有する画像処理装置が提供される。
本発明の第8の側面によれば、画像を階調変換する階調変換手段と、前記階調変換手段で階調変換された画像の高周波成分を算出する高周波成分算出手段と、前記高周波成分算出手段により得た高周波成分を該高周波成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づいて変換する成分変換手段と、前記成分変換手段で変換された高周波成分と前記階調変換手段で階調変換された画像とを加算する加算手段とを有する画像処理装置が提供される。
本発明の第9の側面によれば、画像を階調変換する階調変換工程と、前記画像又は前記画像が前記階調変換工程により階調変換された後の画像の複数の周波数帯の周波数成分を該周波数成分の値及び前記階調変換工程の階調変換特性に基づいて変換する成分変換工程とを有する画像処理方法が提供される。
本発明の第10の側面によれば、画像を階調変換する階調変換工程と、前記階調変換工程で階調変換された画像を複数の周波数帯の周波数成分に分解する周波数変換工程と、前記周波数変換工程により得た複数の周波数帯の周波数成分を該周波数成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づいて変換する成分変換工程とを有する画像処理方法が提供される。
本発明の第11の側面によれば、画像を第一の複数の周波数帯の周波数成分に分解する第一の周波数変換工程と、前記画像を階調変換する階調変換工程と、前記階調変換工程で階調変換された画像を第二の複数の周波数帯の周波数成分に分解する第二の周波数変換工程と、前記第二の複数の周波数帯の周波数成分に対し、前記第一の複数の周波数帯の周波数成分を該第一の複数の周波数帯の周波数成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づき変換して得た周波数成分を加算することにより、前記第二の複数の周波数帯の周波数成分を変換する成分変換工程とを有する画像処理方法が提供される。
本発明の第12の側面によれば、画像を階調変換する階調変換工程と、前記画像を複数の周波数帯の周波数成分に分解する周波数変換工程と、前記周波数変換工程により得た複数の周波数帯の周波数成分を該周波数成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づいて変換する成分変換工程と、前記成分変換工程で変換された周波数成分を合成して画像を生成する逆周波数変換工程と、前記逆周波数変換工程で生成された画像と前記階調変換工程で階調変換された画像とを加算する加算工程とを有する画像処理方法が提供される。
本発明の第13の側面によれば、画像を複数の周波数帯の周波数成分に分解する周波数変換工程と、前記周波数変換工程により得た複数の周波数帯の周波数成分を該周波数成分の値及び階調変換特性に基づいて変換する成分変換工程と、前記成分変換工程で変換された周波数成分を合成して画像を生成する逆周波数変換工程と、前記逆周波数変換工程で生成された画像を前記階調変換特性で階調変換する階調変換工程とを有する画像処理方法が提供される。
本発明の第14の側面によれば、画像を階調変換する階調変換工程と、前記画像又は前記画像が前記階調変換工程により階調変換された後の画像の高周波成分を該高周波成分の値及び前記階調変換工程の階調変換特性に基づいて変換する成分変換工程とを有する画像処理方法が提供される。
本発明の第15の側面によれば、画像を階調変換する階調変換工程と、前記画像の高周波成分を算出する高周波成分算出工程と、前記高周波成分算出工程により得た高周波成分を該高周波成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づいて変換する成分変換工程と、前記成分変換工程で変換された高周波成分と前記階調変換工程で階調変換された画像とを加算する加算工程とを有する画像処理方法が提供される。
本発明の第16の側面によれば、画像を階調変換する階調変換工程と、前記階調変換工程で階調変換された画像の高周波成分を算出する高周波成分算出工程と、前記高周波成分算出工程により得た高周波成分を該高周波成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づいて変換する成分変換工程と、前記成分変換工程で変換された高周波成分と前記階調変換工程で階調変換された画像とを加算する加算工程とを有する画像処理方法が提供される。
本発明の第17の側面によれば、対象画像から該対象画像の低周波成分と少なくとも1つの周波数帯の高周波成分とを作成する分解部と、前記分解部により得られた前記低周波成分及び前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分のうち、少なくとも前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分を変換する成分変換部と、前記成分変換部により変換された後の前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分と、前記対象画像又は前記低周波成分とを用いて処理後画像を生成する画像生成部とを有し、前記成分変換部は、前記分解部により得られた前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分における所定の閾値以上の絶対値を有する第1の要素と前記低周波成分とが前記対象画像から前記処理後画像への変化において実質的に同じ比率で変化するように、前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分と前記低周波成分とを変換する第1の変換と、前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分における前記所定の閾値未満の絶対値を有する第2の要素に対する、前記第1の変換とは異なる第2の変換とを行う画像処理装置が提供される。
本発明の第18の側面によれば、対象画像から該対象画像の低周波成分と少なくとも1つの周波数帯の高周波成分とを作成するステップと、前記作成ステップにより得られた前記低周波成分及び前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分のうち、少なくとも前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分を変換するステップと、前記変換ステップにより変換された後の前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分と、前記対象画像又は前記低周波成分とを用いて処理後画像を生成するステップとを有し、前記変換ステップは、前記作成ステップにより得られた前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分における所定の閾値以上の絶対値を有する第1の要素と前記低周波成分とが前記対象画像から前記処理後画像への変化において実質的に同じ比率で変化するように、前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分と前記低周波成分とを変換する第1の変換と、前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分における前記所定の閾値未満の絶対値を有する第2の要素に対する、前記第1の変換とは異なる第2の変換とを行う画像処理方法が提供される。
本発明の第19の側面によれば、対象画像から該対象画像の低周波成分と少なくとも1つの周波数帯の高周波成分とを作成する分解部と、前記分解部により得られた前記低周波成分と前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分とを変換する成分変換部と、前記成分変換部により変換された後の前記低周波成分と前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分とを用いて処理後画像を生成する画像生成部とを有し、前記成分変換部は、前記分解部により得られた前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分における所定の閾値以上の絶対値を有する第1の要素と前記低周波成分とが前記対象画像から前記処理後画像への変化において実質的に同じ比率で変化するように、前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分と前記低周波成分とを変換する画像処理装置が提供される。
本発明の第20の側面によれば、対象画像から該対象画像の低周波成分と少なくとも1つの周波数帯の高周波成分とを作成するステップと、前記作成ステップにより得られた前記低周波成分と前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分とを変換するステップと、前記変換ステップにより変換された後の前記低周波成分と前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分とを用いて処理後画像を生成するステップとを有し、前記変換ステップは、前記作成ステップにより得られた前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分における所定の閾値以上の絶対値を有する第1の要素と前記低周波成分とが前記対象画像から前記処理後画像への変化において実質的に同じ比率で変化するように、前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分と前記低周波成分とを変換する画像処理方法が提供される。
本発明の更なる目的、特徴及び効果は以下添付図面を参照して説明される発明を実施するための最良の形態によって明らかにされるであろう。
【図面の簡単な説明】
図1はオーバーシュートの発生を説明するための図である。
図2はオーバーシュートの発生を説明するための図である。
図3は従来例の周波数係数を変換する曲線である。
図4は従来例の周波数係数を変換する曲線である。
図5A−5Cは従来の鮮鋭化処理を説明するための図である。
図6は鮮鋭化された画像のプロファイルを示す図である。
図7はオーバーシュートがある鮮鋭化画像のプロファイルを示す図である。
図8は実施の形態1の画像処理装置のブロック図である。
図9は実施の形態1の画像処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
図10はダイナミックレンジを変更する曲線の一例である。
図11A−11Cは離散ウェーブレット変換およびその逆変換の説明図である。
図12は係数変換曲線を示す図である。
図13は係数変換曲線を示す図である。
図14は実施の形態2の画像処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
図15は実施の形態3の画像処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
図16は実施の形態4、5の画像処理装置のブロック図である。
図17は実施の形態4の画像処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
図18は高周波成分を変更する曲線の一例である。
図19は実施の形態5の画像処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
図20は実施の形態6の画像処理装置のブロック図である。
図21はダイナミックレンジを変更するための階調変換曲線である。
図22は実施の形態6の画像処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
図23は周波数係数を変換する曲線である。
図24A−24Cはラプラシアンピラミッド変換およびその逆変換の説明図である。
図25は実施の形態7の画像処理装置のブロック図である。
図25は実施の形態7の画像処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
図27は周波数係数を変換する曲線である。
図28は実施の形態8の画像処理装置のブロック図である。
図29は実施の形態8の画像処理装置の処理手順を示すフローチャートである。
図30は周波数係数を変換する曲線である。
図31は実施の形態9の画像処理装置を示すブロック図である。
図32は実施の形態9の画像処理方法を示すフローチャートである。
図33は高周波成分加算部で高周波成分を変換するために用いる変換曲線である。
図34は実施の形態9の別の画像処理方法を示すフローチャートである。
図35は高周波成分加算部で高周波成分を変換するために用いる変換曲線である。
図36は実施の形態10の画像処理装置を示すブロック図である。
図37Aは離散ウェーブレット変換処理を施す例示的な回路構成を示した図であり、図37Bはラプラシアンピラミッド変換処理を施す例示的な回路構成を示した図である。
図38Aは逆離散ウェーブレット変換処理を施す例示的な回路構成を示した図であり、図38Bは逆ラプラシアンピラミッド変換処理を施す例示的な回路構成を示した図である。
図39は実施の形態10の画像処理部の処理を示すフローチャートである。
図40は2次元の変換処理により得られる2レベルの変換係数群の構成例を示す。
図41は係数変換関数F3()を示すグラフである。
図42Aは原画像のプロファイル、図42Bはエッジ構造を保存しない鮮鋭化処理後の画像のプロファイル、図42Cはエッジ構造を保存した鮮鋭化処理後の画像のプロファイルを示す図である。
図43は周波数係数を変換する曲線(関数)の例を示すグラフである。
図44は周波数係数を変換する曲線(関数)の例を示すグラフである。
図45は周波数係数を変換する曲線(関数)の例を示すグラフである。
図46は周波数係数を変換する曲線(関数)の例を示すグラフである。
図47は周波数係数を変換する曲線(関数)の例を示すグラフである。
図48は周波数係数を変換する曲線(関数)の例を示すグラフである。
図49は周波数係数を変換する曲線(関数)の例を示すグラフである。
図50は周波数係数を変換する曲線(関数)の例を示すグラフである。
図51は図37B及び図38Bに示されるローパスフィルタの1例を示す図である。
発明を実施するための最良の形態
(実施の形態1)
図8は、実施の形態1にかかるX線撮影装置100を示す。X線撮影装置100は、撮影された画像の周波数帯毎の処理を行う機能を有するX線撮影装置であり、前処理回路106、CPU108、メインメモリ109、操作パネル110、画像表示器111、画像処理回路112を備えており、CPUバス107を介して互いにデータが授受されるように構成されている。
また、X線撮影装置100は、前処理回路106に接続されたデータ収集回路105と、データ収集回路105に接続された2次元X線センサ104及びX線発生回路101とを備えており、これらの各回路はCPUバス107にも接続されている。
上述のようなX線撮影装置100において、まず、メインメモリ109は、CPU108での処理に必要な各種のデータなどを記憶すると共に、CPU108のための作業用ワークメモリとして機能する。
CPU108は、メインメモリ109を用いて、操作パネル110からの操作にしたがった装置全体の動作制御等を行う。これによりX線撮影装置100は、以下のように動作する。
先ず、X線発生回路101は、被検査体103に対してX線ビーム102を放射する。X線発生回路101から放射されたX線ビーム102は、被検査体103を減衰しながら透過して、2次元X線センサ104に到達する。2次元X線センサ104はX線画像を検出する。ここでは、X線画像を、例えば人体画像等とする。
データ収集回路105は、2次元X線センサ104から出力されたX線画像情報(電気信号)を所定の電気信号に変換して前処理回路106に供給する。前処理回路106は、データ収集回路105からの信号(X線画像信号)に対して、オフセット補正処理やゲイン補正処理等の前処理を行う。この前処理回路106で前処理が行われたX線画像信号は原画像として、CPU108の制御により、CPUバス107を介して、メインメモリ109、画像処理回路112に転送される。
112は画像処理回路の構成を示すブロック図であり、112において、113は原画像の階調変換を行う階調変換回路であり、114は階調変換回路113で階調変換された原画像に対して離散ウェーブレット変換(以後DWT変換)を施し、各周波数帯の画像成分(ウェーブレット変換係数)を得るDWT変換回路、115は離散ウェーブレット変換回路114で得られた各周波数帯の画像成分を変換する成分変換回路であり、116は成分変換回路115で変換された画像成分に基づき逆離散ウェーブレット変換(以後逆DWT変換)を行う逆DWT変換回路である。
図9は画像処理回路112での処理の流れを示すフローチャートであり、図10は階調変換回路113で画像データのダイナミックレンジを変更するために用いる階調変換曲線の一例を示す図であり、図11AはDWT変換回路114の構成を示す図であり、図11Bは2次元の変換処理により得られる2レベルの変換係数群の構成例を示し、図11Cは逆DWT変換回路116の構成を示す図である。図12,13は画像成分(DWT変換回路114により得られた変換係数)を変更する関数形の一例である。
図9の処理の流れに従い、実施の形態1における処理を説明する。
前処理回路106で前処理された原画像はCPUバス107を介して画像処理回路112に転送される。
画像処理回路112では、はじめに階調変換回路が原画像Org(x,y)を階調変換曲線f()を用いてf(Org(x、y))に変換する(s201)。ここで、x、yは原画像上の座標である。階調変換曲線f()としては例えば図10の様な曲線形を用いる。例えば、実線1は傾き1の関数である。つまり、入力値と出力値を変更しない(入力値と出力値とが等しい)場合であり、ダイナミックレンジ圧縮の効果はない。次に、破線2の場合は低画素値側のダイナミックレンジを圧縮する関数形であり、破線3は低画素値側のダイナミックレンジを拡大する関数形である。同様に破線4は高画素値側のダイナミックレンジを拡大するものであり、破線5は高画素値側のダイナミックレンジを圧縮する関数形である。
なお、実施する場合には、これらの曲線形は微分連続(微分可能かつ連続な関数)に構成する方が好ましい。微分不連続点(カーブが微分可能又は連続でない点に対応する階調変換後の画像の上の点)で擬輪郭が生じることがあるからである。
次に、DWT変換回路(離散ウェーブレット変換回路)114は階調変換後の画像f(Org(x、y))に対して2次元の離散ウェーブレット変換処理を行い、画像成分(変換係数)を計算して出力するものである。メインメモリ109に記憶された画像データは、DWT変換回路114により順次読み出されて変換処理が行われ、再びメインメモリ109に書きこまれる。本実施の形態におけるDWT変換回路114において、入力された画像信号は遅延素子およびダウンサンプラの組み合わせにより、偶数アドレスおよび奇数アドレスの信号に分離され、2つのフィルタpおよびuによりフィルタ処理が施される。図11Aのsおよびdは、各々1次元の画像信号に対して1レベルの分解を行った際のローパス係数およびハイパス係数を表しており、次式により計算されるものとする。
d(n)=x(2×n+1)−floor((x(2×n)+x(2×n+2))/2)・・・・(11)
s(n)=x(2×n)+floor((d(n−1)+d(n))/4)・・・(12)
ただし、x(n)は変換対象となる画像信号である。
以上の処理により、画像信号に対する1次元の離散ウェーブレット変換処理が行われる。2次元の離散ウェーブレット変換は、1次元の変換を画像の水平・垂直方向に対して順次行うものであり、その詳細は公知であるのでここでは説明を省略する。図11Bは2次元の変換処理により得られる2レベルの変換係数群の構成例であり、画像信号は異なる周波数帯域の画像成分HH1、HL1、LH1、...、LLに分解される(s202)。図11Bにおいて、HH1、HL1、LH1、...、LLの各々(以下サブバンドと呼ぶ)が周波数帯域毎の画像成分を示す。
そして、成分変換回路では(13)式に従いサブバンド毎の画像成分hn(x、y)を変換する。ここで、変換後の画像成分をh2n(x、y)とし、nはサブバンドのカテゴリを示す。
h2n(x、y)=(1/f’(Org(x,y)))×hn(x、y)・・・・・・(13)
この処理により、原画像Org(x,y)の画像成分に対し階調変換処理によりf’()倍(f’()はhn(x、y)に対応するOrg(x,y)における階調変換曲線f()の傾き)となった階調変換処理後の画像の画像成分を、原画像Org(x,y)の画像成分とほぼ同一の値に変換することができる。ここで、もっとも最下層の低周波成分であるLLサブバンドの画像成分は変更しない。これにより、画像全体のダイナミックレンジは変更されるが、高周波成分に対応する画像成分は原画像の画像成分とほぼ同一の値を保つことができる。尚、(13)式の右辺に所定の定数を乗算するようにしてもよく、この場合はダイナミックレンジを変更しつつ、画像の高周波成分の調節(強調または抑制)を行うことができる。(13)式によると、原画像の画素値範囲が圧縮された領域については高周波成分が強調され、原画像の画素値範囲が拡大された領域については高周波成分が抑制される。しかし、例えば上述のように(13)式の右辺に任意の定数を乗算するための調整手段を更に備えてもよい。
ところで、階調変換処理によってダイナミックレンジを変更した画像にはオーバーシュート等のアーティファクトは生じない。しかし、(13)式の処理では高周波成分を変更することで高周波成分の増幅はできるが、同時にオーバーシュート等のアーティファクトが生じる場合がある。
これを防ぐため、(13)式に代えて、(14)式のように高周波成分を変更することが有効である。
h2n(x、y)=hn(x、y)+(1/f’(x、y)−1)×fn(hn(x、y))・・・(14)
ここで、関数fn()は図12又は図13のような曲線形を有する。また、これらの曲線は微分連続(微分可能かつ連続な関数)となっており、擬輪郭等が生じないようになっている。また、エッジ部分で生じる画像成分は通常の成分(エッジ部分以外の成分)に比べ、値が大きくなっており、これらの曲線形はエッジ成分に対応する画像成分を抑制する、または0(ゼロ)にする曲線形となっている。これにより(14)式では画像成分が所定閾値より大きい場合にはfn(hn(x、y))は抑制された値または0となり、h2n(x、y)は抑制された値またはほぼhn(x、y)となる。一方、画像成分が通常の大きさである場合にはh2n(x,y)は(13)式と同様の値となるものである。
これにより、ダイナミックレンジは変更され、高周波成分のうち有効な画像成分(所定値以下の画像成分)は階調変換前の画像の画像成分の大きさと同一となる。また、高周波成分のうちオーバーシュート等が生じる原因となる画像成分(所定値を超える画像成分)は変更されない、あるいは抑えて変更されるので、オーバーシュート等を抑制することができる。また、関数形fn()の傾きを、入力値が所定値以下の範囲で1以上に(1より大きく)することで、高周波成分の強調を、オーバーシュートを抑制しながら行うことができる。よって、ダイナミックレンジの変更と高周波成分の変更とを、オーバーシュート等を抑制しながら行うことができる。
そして、逆DWT変換回路116は成分変換回路115で変換された画像成分(変換係数)に対し逆離散ウェーブレット変換を以下のように行う(s204)。メインメモリ109に記憶された変換された画像成分は逆離散ウェーブレット変換回路116により順次読み出されて変換処理が行われ、再びメインメモリ109に書きこまれる。本実施の形態における逆DWT変換回路116による逆離散ウェーブレット変換処理の構成は図11Cに示すものとする。入力された画像成分はuおよびpの2つのフィルタ処理を施され、アップサンプリングされた後に重ね合わされて画像信号x’が出力される。これらの処理は次式により行われる。
x’(2×n)=s’(n)−floor((d’(n−1)+d’(n))/4)・・・・・・(15)
x’(2×n+1)=d’(n)+floor((x’(2×n)+x’(2×n+2))/2)・・・・(16)
以上の処理により、変換係数に対する1次元の逆離散ウェーブレット変換処理が行われる。2次元の逆離散ウェーブレット変換は、1次元の逆変換を画像の水平・垂直方向に対して順次行うものであり、その詳細は公知であるのでここでは説明を省略する。
以上のように実施の形態1では、画像のダイナミックレンジが変更され、かつオーバーシュート等のアーティファクトを抑制しながら高周波成分の調節された良好な出力画像を得ることができる。さらには、ダイナミックレンジ変更処理と、周波数帯毎の画像成分の変更による周波数帯毎の強調または抑制処理とを有機的に行うように構成することもできる。
(実施の形態2)
実施の形態2について図14の処理の流れに従い説明する。実施の形態1と同様な処理については説明を省略する。
まず、DWT変換回路114で原画像Org(x,y)をDWT変換処理する。ここで得られた画像成分をhorgn(x、y)とする(s701)。次に、階調変換回路113で、原画像Org(x、y)を階調変換曲線f()で階調変換処理する(s702)。そして、階調変換処理された画像f(Org(x、y))をDWT変換回路114でDWT変換処理し、得られた画像成分をhn(x、y)とする(s703)。ここで、実施の形態1と同様にnはサブバンドのカテゴリをしめし、x、yは座標を示す。
次に、成分変換回路115は画像成分hn(x、y)に、式(17)に示すように画像成分horgn(x、y)を変換して加算し、新たな画像成分h2n(x、y)を得る(s704)。
h2n(x、y)=hn(x、y)+(1−f’(Org(x、y)))×horgn(x、y)・・・(17)
ここで、もっとも最下層の低周波成分であるLLサブバンドの画像成分は変更しない。これにより、ダイナミックレンジを変更した後の画像の高周波成分の大きさと原画像の高周波成分の大きさとをほぼ同一に保てるものである。この場合、高周波成分の足しこみを原画像の高周波成分を用いて行うため、より精度よく処理後の高周波成分の大きさを原画像の高周波成分の大きさに近づけることができる。尚、(17)式の右辺第2項に所定の定数を乗算するようにしてもよく、この場合はダイナミックレンジを変更しつつ、画像の高周波成分の調節(強調または抑制)を行うことができる。
また、(17)式に代えて(18)式のようにしても同様の効果が得られる。
h2n(x、y)=horgn(x、y)・・・・・・(18)
ところで、階調変換処理によってダイナミックレンジを変更した画像にはオーバーシュート等のアーティファクトは生じない。しかし、(17)式の処理では、原画像の高周波成分を変換して加算することで高周波成分の増幅はできるが、同時にオーバーシュート等のアーティファクトを生じさせる原因となる原画像の成分をも加算することになり、オーバーシュートが生じる場合がある。
これを防ぐため、(17)式に代えて(19)式のように高周波成分を変更することが有効である。
h2n(x、y)=hn(x、y)+(1−f’(Org(x、y)))×fn(horgn(x、y))
・・・・(19)
ここで、fn()は図12又は図13のような曲線形を有する。エッジ部分で生じる画像成分は通常の成分に比べ、値が大きくなっており、これらの曲線形はエッジ成分に対応する画像成分を抑制された値または0にする曲線形となっている。これにより(19)式では画像成分が大きい場合にはfn(horgn(x、y))は抑制された値または0となり、h2n(x、y)は抑制された値またはほぼhn(x、y)となる。一方、画像成分が通常の大きさである場合にはh2n(x,y)は(17)式と同様の値となるものである。
これにより、ダイナミックレンジは変更され、高周波成分のうち有効な画像成分(所定値以下の画像成分)は階調変換前の画像の画像成分の大きさとほぼ同一となる。また、高周波成分のうちオーバーシュート等が生じる原因となる画像成分(所定値を超える画像成分)は変更されない、あるいは抑えて変更されるので、オーバーシュート等を抑制することができる。また、関数形fn()の傾きを、入力値が所定値以下の範囲で1以上に(1より大きく)することで、高周波成分の強調を、オーバーシュートを抑制しながら行うことができる。よって、ダイナミックレンジの変更と高周波成分の変更とを、オーバーシュート等を抑制しながら行うことができる。
そして、成分変更回路115で変更した画像成分に基づき、逆DWT変換回路116では逆DWT変換処理を行う(S705)。
実施の形態2では、画像のダイナミックレンジが変更され、かつオーバーシュート等のアーティファクトを抑制しながら高周波成分の調節された良好な出力画像を得ることができる。さらには、ダイナミックレンジ変更処理と、周波数帯毎の画像成分の変更による周波数帯毎の強調または抑制処理とを有機的に行うように構成することもできる。また、加える高周波成分として原画像の高周波成分を用いるため、処理後画像の高周波成分をさらに精度よく原画像の高周波成分に近づけることができる。
(実施の形態3)
実施の形態3について図15の処理の流れに従い説明する。実施の形態1と同様な処理については説明を省略する。
まず、階調変換回路113で、原画像Org(x、y)を階調変換曲線f()で階調変換処理し処理後画像f(Org(x、y))を得る(s801)。次にDWT変換回路114で原画像をDWT変換処理し、ここで得られた画像成分をhn(x、y)とする(s802)。ここで、実施の形態1と同様にnはサブバンドのカテゴリをしめし、x、yは座標を示す。
次に、成分変換回路115は画像成分hn(x、y)を式(20)に示すように変換し、新たな画像成分h2n(x、y)を得る(s803)。
h2n(x、y)=(1−f’(Org(x、y)))×hn(x、y)・・・・・・(20)
尚、ここで最下限の低周波成分LLの値は全て0(ゼロ)とする。
これにより、h2n(x、y)を逆DWT変換すると、階調変換曲線の傾きに依存した高周波成分だけの画像Hr(x、y)を得ることができる。尚、(20)式の右辺に任意の定数を乗算するようにしてもよく、この場合は、画像の高周波成分の調節(強調または抑制)を行うことができる。
次に、逆DWT変換回路116は成分変換回路115で変換した成分に基づき、逆DWT変換を行い復元画像を得る(s804)。そして、階調変換回路113で得られた画像f(Org(x,y))と逆DWT回路116で得られた画像Hr(x,y)を(21)式に示すように加算して処理画像Prc(x,y)を得る(s805)。尚、この加算は図8の画像合成回路117によって行われる。
Prc(x、y)=f(Org(x,y))+Hr(x,y)・・・(21)
ところで、階調変換処理によってダイナミックレンジを変更した画像にはオーバーシュート等のアーティファクトは生じない。しかし、(20)式で得られた高周波成分はオーバーシュート等のアーティファクトが生じる原因となる原画像の成分を含有している可能性がある。したがって、この画像成分をそのまま逆変換した画像にはオーバーシュートの原因となる成分が含まれ、これを加算するとオーバーシュートが生じる場合がある。
これを防ぐため、(20)式に代えて(22)式のように高周波成分を変更することが有効である。
h2n(x、y)=(1−f’(Org(x、y)))×fn(hn(x、y))・・・・・・(22)
ここで、fn()は図12又は図13のような曲線形を有する。エッジ部分で生じる画像成分は通常の成分に比べ、値が大きくなっており、これらの曲線形はエッジ成分に対応する画像成分を抑制された値または0にする曲線形となっている。これにより、(22)式では画像成分が大きい場合にはfn(hn(x、y))が抑制された値または0となる結果、h2n(x、y)も抑制された値または0となる。一方、画像成分が通常の大きさである場合には、(22)式のh2n(x,y)は(20)式と同様の値となるものである。
階調変換後の画像に(20)式の画像成分を逆DWT変換した画像を加えることにより、ダイナミックレンジが変更され、かつ高周波成分は原画像の大きさとほぼ同一の画像を得ることができる。
さらに、(22)式のように画像成分の大きさに応じて画像成分を変更することで、高周波成分のうち有効な画像成分(所定値以下の画像成分)を階調変換前の画像の画像成分の大きさとほぼ同一とすることができる。また、高周波成分のうちオーバーシュート等が生じる原因となる画像成分(所定値を超える画像成分)は変更されない、または抑えて変更されるので、オーバーシュート等を抑制することができる。また、関数形fn()の傾きを、入力値が所定値以下の範囲で1以上に(1より大きく)することで高周波成分の強調を、オーバーシュートを抑制しながら行うことができる。よって、ダイナミックレンジの変更と高周波成分の変更とを、オーバーシュート等を抑制しながら行うことができる。
実施の形態3では、画像のダイナミックレンジが変更され、かつオーバーシュート等のアーティファクトを抑制しながら高周波成分の調節された良好な出力画像を得ることができる。さらには、ダイナミックレンジ変更処理と、周波数帯毎の画像成分の変更による周波数帯毎の強調または抑制処理とを有機的に行うように構成することもできる。また、加える高周波成分として原画像の高周波成分を用いるため、処理後画像の高周波成分をさらに精度よく原画像の高周波成分に近づけることができる。また、DWT変換処理を1回しか行わないため、計算時間を短縮することができる。
(実施の形態4)
実施の形態4はエッジ構造を保存した状態でダイナミックレンジを変更する第4の形態の画像処理に関するものである。実施の形態1と同様な処理については説明を省略する。図16は実施の形態4の画像処理回路112の構成を示す図であり、901は原画像から平滑化画像を減じることで高周波成分を作成する高周波成分作成回路であり、902は原画像を階調変換することでダイナミックレンジを変更する階調変換回路であり、903は高周波成分作成回路901で作成された高周波成分を変換し、階調変換回路902で用いた階調変換曲線の傾きに応じて階調変換後画像に加算する高周波成分加算回路である。
図17は実施の形態4の処理の流れを説明する図であり、図17の処理の流れに従い画像処理回路112の処理を説明する。
CPUバス107を介して前処理回路106で処理された原画像f(x、y)をCPU108の制御により受信した画像処理回路112における高周波成分作成回路601は、(23)式から(27)式に従い平滑化画像を作成する(s1001)。ここで、fus(x、y)を平滑化画像、f(x、y)を原画像、d1、d2、d3、d4をマスクサイズとする。
Figure 0003833177
d1=y+d・・・・・・(24)
d2=y−d・・・・・・(25)
d3=x+d・・・・・・(26)
d4=x−d・・・・・・(27)
このような移動平均による平滑化画像作成方法を用いると計算時間が短いという効果がある。
尚、平滑化画像fus(x、y)を(28)〜(32)式で示すようなモルフォロジ演算を用いて計算してもよい。
f2(x、y)=min{f(x+x1、y+y1)−D(x1、y1)|x1×x1+y1×y1≦r1×r1}・・・・・・(28)
f3(x、y)=max{f2(x+x1、y+y1)+D(x1、y1)|x1×x1+y1×y1≦r1×r1}・・・・・・(29)
f4(x、y)=max{f3(x+x1、y+y1)+D(x1、y1)|x1×x1+y1×y1≦r1×r1}・・・・・・(30)
fus(x、y)=min{f4(x+x1、y+y1)−D(x1、y1)|x1×x1+y1×y1≦r1×r1}・・・・・・(31)
ここで、D(x、y)は次式で示される円盤状フィルタで、r1は入力画像に応じて選択される任意の定数である。
D(x、y)=0、x×x+y×y≦r1×r1のとき
=−∞、その他のとき ・・・・・・(32)
ここで得られたfus(x、y)は、そのプロファイルがエッジ構造を保存しているものであり、従来の鮮鋭化処理の欠点であるオーバーシュート、アンダーシュートを起こしにくいものである。
また、同様にfus(x、y)をメディアンフィルタを用いて作成してもよい。この場合の平滑化画像も、エッジ構造を比較的保存するため、モルフォロジ演算を用いたときと同様、従来の鮮鋭化処理の欠点であるオーバーシュート、アンダーシュートを起こしにくいものである。
次に、高周波成分作成回路901は(33)式に従い高周波成分fh(x、y)を作成する(s1002)。
fh(x、y)=f(x、y)−fus(x、y)・・・・・・(33)
そして、階調変換回路602は階調変換曲線F1()を用いて(34)式で示すように原画像を階調変換することにより原画像のダイナミックレンジを変更し、階調変換後の出力画像f0(x、y)を得る(s1003)。
f0(x、y)=F1(f(x、y))・・・・・・(34)
(34)式における階調変換では所定の目的にそったダイナミックレンジが得られ、また、オーバーシュート等のアーティファクトは何ら生じない。しかし、単なる階調変換にすぎないため、ダイナミックレンジ(画素値範囲)が圧縮された領域では微細構造を構成する高周波成分も圧縮されるため、微細構造の観察がしにくくなる。
次に高周波成分加算回路903では高周波成分fh(x、y)を(35)式に従って変換した後の高周波成分fh2(x、y)を作成する。
fh2(x、y)=F(fh(x、y))・・・・・・(35)
ここで、変換曲線F()は例えば図18に示すような関数である。この関数の曲線形状によれば、図18に示される所定絶対値(閾値)301以上の高周波成分を0(ゼロ)として、所定絶対値301未満の高周波成分の大きさを不変(曲線の傾きが1)とすることができる。尚、所定絶対値以上の高周波成分を徐々に0まで減少させるような曲線形状や、所定絶対値未満の高周波成分の大きさを線形又は非線形に増大または減少させる曲線形状を採用することもできる。
次に、高周波成分加算回路903は、階調変換曲線の微係数(傾き)に従って(36)、(37)式に示すように高周波成分fh2(x、y)を変換し、階調変換後の画像f0(x、y)に加算することにより、処理後画像fdr(x、y)を得る(s1004)。
fdr(x、y)=f0(x、y)+F3(f(x、y))xc(f(x、y))×fh2(x、y)・・・・・・(36)
Figure 0003833177
尚、∂F1(χ/∂χは階調変換曲線F1()の傾きを表している。また、F3()は原画像f(x、y)又は平滑化画像fus(x、y)に依存した関数であり、F3()の関数形を調整することにより高周波成分の足しこみ量を調整でき、例えば、F3()>1で鮮鋭化の効果も同時に得られるものである。また、F3()を画素値の増加にともなう単調増加関数などとすると、比較的ノイズの目立つ低画素値領域で高周波成分を足しこむ量を減らすことでノイズを抑制することができる。
以上により、この処理では、微細構造などの有効情報に対応する高周波成分は復元されるとともに、エッジ部分の高周波成分は0として階調変換後の画像に加算されないため、エッジ形状が保存され、オーバーシュート等に生じない。
一般にオーバーシュートを示す高周波成分の絶対値は所定値(閾値)より大きく、微細構造に対応する高周波成分の絶対値は所定値より小さいという性質がある。また、この絶対値の大きい高周波成分は画像のエッジ部分に生じる。さらに、高周波成分を復元した処理後画像においてオーバーシュートとして感じるのはこの所定値以上の高周波成分の値が特異的に突出している場合である。
そのため、加算される高周波成分の絶対値が所定値よりも大きい場合に0とすることにより、オーバーシュートを抑制し、エッジ構造を保存することができる。
(36)式に従いダイナミックレンジ(画素値範囲)が変更された程度に応じて高周波成分が復元されるため、ダイナミックレンジが変更された後においても微細構造が良く見えるという効果がある。さらに、実施の形態1と同様の効果により、オーバーシュートの原因となる高周波成分を0としているため、処理後の画像のエッジ構造は保持されるものである。
以上のように実施の形態4によれば、階調変換によりダイナミックレンジを変更するとともに、オーバーシュートの元になる高周波成分をカットして高周波成分を復元するため,エッジ構造が保持されるとともに、微細構造が階調変換前の構造に復元された処理後画像を得ることができる。また、さらに微細構造に対応する高周波成分を所定の関数で変換することにより、階調変換前の微細構造に対し所定の強調又は抑制を行うこともできる。よって、ダイナミックレンジまたは所定画素値範囲の変更された良好な処理後画像を得ることができる。
さらに、平滑化画像をモルフォロジ演算で作成すると、本来オーバーシュートが生じにくいものであるが、さらに上述の変換曲線を用いることで、オーバーシュートに対応する高周波成分を抑制することができ、さらに効果的にオーバーシュートを抑制することができる。
同様に、平滑化画像をメディアンフィルタで作成した場合も、本来オーバーシュートが生じにくいものであるが、さらに上述の変換曲線を用いることで、オーバーシュートに対応する高周波成分を抑制することができ、さらに効果的にオーバーシュートを抑制することができる。
(実施の形態5)
実施の形態5はエッジ構造を保存した状態でダイナミックレンジを変更する第5の形態の画像処理に関するものであり、実施の形態1と同様の処理に関しては説明を省略する。実施の形態4の画像処理回路112の構成も図16を用いて説明する。902は原画像を階調変換することでダイナミックレンジを変更する階調変換回路であり、901は階調変換回路902で階調変換された画像からその平滑化画像を減じることで高周波成分を作成する高周波成分作成回路であり、903は高周波成分作成回路901で作成された高周波成分を、階調変換回路902で用いた階調変換曲線の傾きに応じて変換し階調変換後の画像に加算する高周波成分加算回路である。
図19は実施の形態5の処理の流れを説明する図であり、図19の処理の流れに従い画像処理回路112の処理を説明する。
CPUバス107を介して前処理回路106で処理された原画像f(x、y)をCPU108の制御により受信した画像処理回路112における階調変換回路902は階調変換曲線F1()を用いて(38)式で示すように原画像を階調変換することにより原画像のダイナミックレンジを変更し、階調変換後の出力画像f0(x、y)を得る(s1201)。
f0(x、y)=F1(f(x、y))・・・・・・(38)
次に高周波成分作成回路901は、階調変換後画像の平滑化画像を作成する(s1202)。ここで、fus(x、y)を平滑化画像とする。実施の形態4で示したように平滑化画像の作成には移動平均、モルフォロジ演算、メディアンフィルタ等のいずれの方法を用いてもよい。
次に、高周波成分作成回路901では(39)式に従い高周波成分fh(x、y)を作成する(s1203)。
fh(x、y)=f0(x、y)−fus(x、y)・・・・・・(39)
次に高周波成分加算回路903では高周波成分fh(x、y)を(40)式に従い変換した後の高周波成分fh2(x、y)を作成する。
fh2(x、y)=F(fh(x、y))・・・・・・(40)
ここで、変換曲線F()は例えば図18に示すような関数形をしている。
次に、高周波成分加算回路903は階調変換曲線の微係数(傾き)に従い(41)(42)式に示すように高周波成分fh2(x、y)を変換し階調変換後の画像f0(x、y)に加算し処理後画像fdr(x、y)を得る(s1204)。
fdr(x、y)=f0(x、y)+F3(f(x、y))×c(f(x、y))×fh2(x、y)・・・・・・(41)
Figure 0003833177
ただし、F3()は原画像又はその平滑化画像に依存した関数であり、F3()の関数形を調整することにより高周波成分の足しこみ量を調整でき、F3()>1で鮮鋭化の効果も同時に得られるものである。
(41)、(42)式に従いダイナミックレンジが変更された量に応じて高周波成分を復元するため、ダイナミックレンジが変更された後においても微細構造を実質的に保存することができる。さらに、実施の形態1と同様の効果により、オーバーシュートの原因となる高周波成分の足しこみ量を0としているため、処理後の画像のエッジ構造は保持されるものである。
以上の実施の形態5によれば、階調変換によりダイナミックレンジを変更し、オーバーシュートの原因となる高周波成分をカットして高周波成分を復元するため,処理後の画像においてエッジ構造を保持したまま、微細構造を実質的に保持でき、または微細構造を強調もしくは抑制することができる。
さらに、平滑化画像をモルフォロジ演算で作成した場合には本来オーバーシュートが生じにくいものであるが、さらに上述の変換曲線を用いることでオーバーシュートに対応する高周波成分を抑制することができ、さらに効果的にオーバーシュートを抑制することができる。
同様に、平滑化画像をメディアンフィルタで作成した場合にも本来オーバーシュートが生じにくいものであるが、さらに上述の変換曲線を用いることでオーバーシュートに対応する高周波成分を抑制することができ、さらに効果的にオーバーシュートを抑制することができる。
(実施の形態6)
実施の形態6は階調変換後の画像を複数の周波数帯の周波数係数に分解し、その周波数係数を変換することでエッジ構造を保存したまま,ダイナミックレンジ変更及び周波数処理の効果を得るものである。図20は実施の形態6の構成を示す図であり、実施の形態1と同様の処理については説明を省略する。図20において112は画像処理回路を示し、1301はダイナミックレンジを変更するための階調変換を行う階調変換回路を示し,1302は階調変換回路1301で階調変換された画像を例えばウェーブレット変換、ラプラシアンピラミッド変換等で複数の周波数帯に分解し周波数係数を得る周波数帯分解回路、1303は階調変換回路1301の階調変換曲線の傾き及び、原画像またはその平滑化画像の画素値に依存して周波数係数の値を変換する係数変換回路であり、1304は係数変換回路1303で変換された係数に基き、逆ウェーブレット変換、逆ラプラシアンピラミッド変換等で周波数係数を逆変換することで画像を再構成する逆変換回路である。
図21は階調変換回路1301でダイナミックレンジを変換するための階調変換曲線の一例を示す。ここで横軸は入力画像の画素値、縦軸は出力画像の画素値を示す。図22はこの発明の実施の形態6による画像処理回路112の処理の流れを示すフローチャートである。図23は周波数係数を変換する曲線形の一例を示す。横軸が入力係数であり、縦軸が出力係数である。
図22の処理の流れに従い、実施の形態6について以下に説明する。階調変換回路1301は図21に示す階調変換曲線F()に従い原画像f(x、y)の階調変換を行う(s1501)。この場合、例えば、曲線2では低画素値領域のレンジを圧縮し、逆に曲線3では同レンジを拡大することになる。同様に曲線4は高画素値領域のレンジを拡大し、曲線5は同レンジを圧縮することになる。曲線F()は偽輪郭などの発生を防ぐため微分連続(微分可能かつ連続な関数)であることが望ましい。また、S1501の処理は単なる階調変換であるため、階調変換後の画像においてオーバーシュート等は生じない。
周波数係数分解回路1302は階調変換回路1301で階調変換することによりダイナミックレンジが変更された画像F(f(x、y))に対して2次元の離散ウェーブレット変換処理を行い、周波数係数を出力するものである(s1502)。この周波数分解の方法は例えば実施の形態1で説明したウェーブレット変換を用いればよく、その場合、周波数帯ごとの周波数係数HH1、HL1、LH1、...、LLに分解される。尚、周波数分解は次に示すようなラプラシアンピラミッド変換の方法を用いてもよい。
図24Aのgおよびbは各々1レベルの分解を行った際の画像の低解像度近似画像および高周波成分係数を表しており、低解像度近似画像gは画像信号xをローパスフィルタによりフィルタ処理し、ダウンサンプリングして得られる。また、高周波成分係数bは画像信号xと、低解像度近似画像gをアップサンプリングしさらにローパスフィルタによりフィルタ処理した画像との差分をとることにより得られる。ローパスフィルタは例えば図24Bに示すようなフィルタを用いる。ラプラシアンピラミッド変換の方法はこの処理を低解像度近似画像gに対して繰り返し行うことで各周波数帯の周波数係数を得るものであり、その詳細は公知であるのでここでは説明を省略する。
また、図24Cがラプラシアンピラミッドの逆変換である。入力された高周波成分係数bと低解像度近似画像gをアップサンプリングしローパスフィルタによりフィルタ処理をしたものとを重ね合わせることにより画像信号x’が出力される。ローパスフィルタは例えば図24Bに示すようなフィルタを用いる。ラプラシアンピラミッド変換の方法はこの処理を各レベルに対して繰り返し行うことで合成画像を得るものであり、その詳細は公知であるのでここでは説明を省略する。
次に係数変換回路1303は例えば図23に示すよう変換曲線F2()に従い周波数係数を変換する(s1503)。この場合、所定絶対値(閾値)以下の領域1601の係数のみを変換し、所定絶対値を超える係数を不変に保つ。ここで、hn(x、y)はnレベルの周波数係数で所定絶対値以下の領域1601の係数とし、h2n(x、y)は(43)式に従ってhn(x、y)を係数変換した後の係数の値とする。
h2n(x、y)=f4(f(x、y))×(1/F’(x、y))×hn(x、y)・・・・・・(43)
ここでf4()を原画像f(x、y)又はその平滑化画像に依存した曲線形として、例えば所定画素値以下のとき値を小さくし、所定画素値を超えるとき値を大きくするような曲線形とする。所定絶対値(閾値)を超える周波数係数は不変に保つ。この所定絶対値は画像のエッジに対する係数の大きさにより実験的に決められる値であり、所定絶対値を超える係数を不変に保つことでエッジ構造は保存され、再構成画像においてオーバーシュート等のアーティファクト抑制することができる。尚、図23の変換曲線F2()は以上のことを模式的に表現したものであり、領域1601の係数は必ずしもリニアに変換されるのではなく、(43)式に基づいて変換される。
また、所定絶対値(閾値)以下の周波数係数(微細構造などの有効成分に対応)の大きさを階調変換曲線に基づき変換するので、処理後の画像においても、原画像と同様の微細構造のコントラストを維持することができる。さらに、所定絶対値以下の周波数係数を原画像f(x、y)等の値に基き増減させることで、原画像の画素値の大きいところの有効情報(微細構造)を再構成画像上で鮮鋭化すること等が可能となる。また低画素値領域の係数を増加させないことでノイズの強調を抑えることもできる。
尚、以上のことから(43)式は次の(43)’式のように表現することもできる。
h2n(x、y)=f4(f(x、y))×(1/F’(x、y))×hn(x、y)、
hn(x、y)が所定絶対値(閾値)以下のとき
=hn(x、y)、hn(x、y)が所定絶対値(閾値)を超えるとき
・・・・・(43)’
次に逆変換回路1304で、係数変換された画像成分を逆変換することで再構成画像を作成する(s1504)。
以上実施の形態6によればダイナミックレンジを変更するとともに、オーバーシュート等を抑制しながら、ダイナミックレンジ変更前の微細構造の情報を実質的に保持することができる。さらに、原画像やその平滑化画像の画素値に依存して周波数係数を増減することにより、再構成画像においてノイズ抑制や鮮鋭化の効果も得られる。
(実施の形態7)
実施に形態7はエッジ構造を保存したまま,ダイナミックレンジ変更及び周波数処理の効果を得るものである。図25は実施の形態7の構成を示す図であり、実施の形態1と同様の処理については説明を省略する。図25において112は画像処理回路を示し、1801は原画像をウェーブレット変換またはラプラシアンピラミッド変換の方法等で複数の周波数帯に分解し第一の周波数係数を得る第一の周波数帯分解回路、1802はダイナミックレンジを変更するための階調変換を行う階調変換回路を示し、1803は階調変換回路1802で階調変換された画像をウェーブレット変換またはラプラシアンピラミッド変換の方法等で複数の周波数帯に分解し第二の周波数係数を得る第二の周波数帯分解回路、1804は階調変換回路1802の階調変換曲線の傾き及び、原画像またはその平滑化画像の画素値に依存して第一の周波数係数の値を変換する係数変換回路であり、1805は係数変換回路1804で変換された係数を第二の周波数係数に加算する係数加算回路、1806は係数加算回路1805で得られた周波数係数を逆ウェーブレット変換または逆ラプラシアンピラミッド変換の方法等で逆変換することにより画像を再構成する逆変換回路である。
図26はこの発明の実施の形態7による画像処理回路112の処理の流れを示すフローチャートである。図27は係数変換回路1804において用いられる係数変換曲線の一例を示し、横軸が入力係数、縦軸が出力係数を示す。
図26の処理の流れに従い、実施の形態7について以下に説明する。まず、第一の周波数帯分解回路1801で原画像を周波数帯分解処理し、ここで得られた画像成分をhorgn(x、y)とする(s1901)。周波数係数に分解する方法としてはウェーブレット変換、ラプラシアンピラミッド変換の方法等いずれの方法を用いてもよいが、ここでは二次元の離散ウェーブレット変換(DWT)を用いた方法について説明する。
次に、階調変換回路1802で、原画像Org(x、y)を階調変換曲線f()で階調変換する(s1902)。そして、階調変換処理された画像f(Org(x、y))を第二の周波数帯分解回路1803でDWT変換処理し得られた周波数係数をhn(x、y)とする(s1903)。ここで、他の実施の形態と同様にnはサブバンドのカテゴリを示し、x、yは座標を示す。
次に、係数変換回路1804及び係数加算回路1805により、周波数係数hn(x、y)に、(44)式に示すように周波数係数horgn(x、y)を変換して加算し、新たな周波数係数h2n(x、y)を得る(s1904)。
h2n(x、y)=hn(x、y)+(1−f’(Org(x、y)))×horgn(x、y)・・・・・・(44)
ここで、horgn(x、y)は図27で示す変換曲線であらかじめ変換されているものであり、所定絶対値(閾値)を超える(エッジ部分に対応する)係数はあらかじめ0とされている。したがって(44)式においては微細構造に対応する有効成分のみが階調変換曲線の傾きに応じて変換されて階調変換後画像の周波数係数に加算されることになり、復元後の画像において原画像の有効な高周波成分の大きさを実質的に保存することができる。この場合、高周波成分の加算を原画像の高周波成分を用いて行うため、処理後画像の高周波成分の大きさをより精度よく原画像の高周波成分の大きさに近づけることができる。
また、(44)式にかえ(45)式の様にしても同様の効果が得られる。すなわち、エッジ構造が保存されずオーバーシュート等が生じることのないよう、この場合も、horgn(x、y)が図27の変換曲線であらかじめ変換され、当該変換されたhorgn(x、y)が0でないときのみh2n(x、y)を(当該変換された)horgn(x、y)とし、当該変換されたhorgn(x、y)が0であるときはh2n(x、y)をhn(x、y)とする。
h2n(x、y)=horgn(x、y)、変換されたhorgn(x、y)が0でないとき
=hn(x、y)、変換されたhorgn(x、y)が0であるとき
・・・(45)
係数加算回路1805で得た周波数係数に基づき、逆変換回路1806では逆変換処理を行う(s1905)。
以上の実施の形態7によれば原画像の微細構造に対応する有効な係数のみが階調変換曲線の傾きに応じて変換されて階調変換後の画像の周波数係数に加算されることになり、復元後の画像においては原画像の有効な高周波成分の大きさを実質的に保存することができる。この場合、高周波成分の加算を、原画像の高周波成分を用いて行うため、処理後画像の高周波成分の大きさをより精度よく原画像の高周波成分の大きさに近づけることができる。また、ダイナミックレンジを変更するとともに周波数処理を行った画像においても、エッジ構造が保存されるため、オーバーシュート等を抑制することができる。
(実施の形態8)
実施に形態8はエッジ構造を保存したまま,ダイナミックレンジ変更及び周波数処理の効果を得る画像処理に関するものである。図28は実施の形態8の構成を示す図であり、実施の形態1と同様の処理については説明を省略する。図において112は画像処理回路を示し、2101は原画像をウェーブレット変換またはラプラシアンピラミッド変換の方法等で複数の周波数帯に分解し周波数係数を得る周波数帯分解回路、2102は後に行うダイナミックレンジを変更するための階調変換曲線の傾きに基づき係数を変換する係数変換回路、2103は係数変換回路2102で変換して得た係数を逆変換する逆変換回路、2104は逆変換回路2103で逆変換して得た画像のダイナミックレンジを変更するための階調変換回路である。
図29はこの発明の実施の形態8による画像処理回路112の処理の流れを示すフローチャートである。図30は係数変換回路2102において用いられる係数変換曲線の一例を示し、横軸が入力係数、縦軸が出力係数を示す。
図29の処理の流れに従い、実施の形態8について以下に説明する。周波数帯分解回路2101は原画像f(x、y)に対して2次元の離散ウェーブレット変換処理を行い、周波数係数を出力するものである(s2201)。この周波数分解の方法は例えばウェーブレット変換またはラプラシアンピラミッド変換の方法等任意の方法を用いることができるが、ここでは2次元の離散ウェーブレット変換を用いて周波数帯ごとの周波数係数HH1、HL1、LH1、...、LLに分解するものとする。
次に係数変換回路2102は階調変換回路2104で用いる階調変換曲線(例えば図21に示すような変換曲線)F()に従い周波数係数を変換する(s2202)。この場合、図30に示すように所定絶対値(閾値)以下の領域2301の係数のみを変換し、所定絶対値を超える係数を不変に保つ。所定絶対値は画像のエッジ部分に対する係数の大きさにより実験的に決められる値であり、所定絶対値を超える係数を不変に保つことでエッジ構造が保存され、再構成画像においてオーバーシュート等のアーティファクトが生じるのを抑制することができる。
ここで、hn(x、y)はnレベルの周波数係数とし、h2n(x、y)は(46)式に従って、hn(x、y)が所定絶対値(閾値)以下の領域2301に属する係数であるか否かに基づいてhn(x、y)を係数変換した後の係数の値とする。
h2n(x、y)=f5(f(x、y))×(1/F’(x、y))×hn(x、y)、
hn(x、y)が所定閾値以下のとき
=hn(x、y)、hn(x、y)が所定閾値を超えるとき
・・・・・・(46)
ここで関数f5()は例えば原画像f(x、y)又はその平滑化画像の画素値に依存した曲線形を有し、例えば所定画素値以下のとき値を小さくし、所定画素値を超えるとき値を大きくするような曲線形とする。
次に、逆変換回路2103でh2n(x、y)逆変換(逆DWT変換)する(S2203)。そして復元画像f2(x、y)を得る。そして、階調変換回路2104で復元画像f2(x、y)を(47)式に示すように階調変換して、ダイナミックレンジが変更された画像f3(x、y)を得る(s2204)。
f3(x、y)=F(f2(x、y))・・・・・・(47)
以上の実施の形態8によれば、あらかじめダイナミックレンジを変更するための階調変換の曲線形に基づいて周波数係数を変更しているため、ダイナミックレンジ変更後の画像における高周波成分の大きさと原画像の高周波成分の大きさをほぼ同一に保つことができる。また、所定絶対値範囲の係数の値を変更しないため、エッジ構造が保存され、周波数処理及びダイナミックレンジ変更処理の施された画像においてもオーバーシュート等が生じるのを抑制することができる。また、原画像を多重周波数係数に分解しているため、ノイズ抑制、鮮鋭化処理、その他の処理との複合処理も容易に行うことができる。例えば、ノイズ抑制などでは原画像の係数に基づく解析処理などが行われるからである。
以上説明した各実施の形態によれば、画像のエッジ構造の崩壊またはオーバーシュートの発生を抑制または回避しつつ、画像のダイナミックレンジまたは部分的画素値範囲の変更された良好な画像を得ることができる。
(実施の形態9)
以下、添付図面を参照し、本発明の一側面としての画像処理装置4100を説明する。なお、各図において同一の参照符号は同一部材を示し、重複説明は省略する。本発明の画像処理装置4100は、例えば、X線撮影を行うときに用いられるX線撮影装置、又は当該X線撮影装置の一部(例えば、X線撮影装置の画像処理部)として実現される。
図31を参照するに、画像処理装置4100は、CPU4110と、メモリ4120と、操作パネル4130と、表示部4140と、前処理部4150と、データ収集部4160と、画像処理部4170とを有する。画像処理装置4100はCPUバス4105を有し、各要素がCPUバス4105を介し互いにデータまたは情報を授受可能に構成されている。ここで、図31は、本実施例の画像処理装置4100を示すブロック図である。なお、本実施例に示すように、画像処理装置4100はデータ収集部4160に接続された撮像部4190を有し、当該撮像部4190によって撮影されたX線画像の画像処理を一装置において可能な構成としている。しかし、本実施例の画像処理装置4100は他の撮像装置に任意に接続可能に構成されても良く、また、単に後述する画像処理(鮮鋭化等の周波数処理)を達成可能な構成のみであってもよい。
かかる構成において、画像処理装置4100は撮像部4190から得られる画像(生画像)を前処理部4150によって前処理(例えば、オフセット補正、ゲイン補正、Log補正)を施すことで原画像を作成する。原画像とは、生画像に対して前処理が施された画像、例えば撮像部190の特性に依存した補正の行われた、体裁が整えられた画像を意味する。しかしながら、原画像は医師が診断を行うには不十分であるため、更に画像処理部4170によって鮮鋭化処理等を施すことにより最も診断に適した、又は所望の画像を得ることができる。なお、この最適な画像又は所望の画像をQA画像(画質保証画像)と表現する場合もある。
CPU4110はMPUなど名称の如何を問わずいかなるプロセッサであってもよく、CPUバス4105に接続されている。CPU4110はCPUバス4105を介し各部の動作を制御する。また、CPU4110はメモリ4120に格納されたプログラムを用いて、オペレータの操作パネル4110の操作に従った画像処理装置4100全体の動作制御等を行う。
メモリ4120は、例えば、画像処理装置4100の動作プログラムや処理に必要な各種のデータなどを格納するROMなどの不揮発性メモリと、画像及び必要な制御プログラムを一時的に格納するRAMなどの揮発性メモリとを含む。
操作パネル4130は、例えば、キーボード、スイッチ、タッチパネル等より構成され、オペレータの画像処理装置4100の操作を可能とする。また、表示部4140は、例えば、CRT、液晶ディスプレイ等のような表示装置及び/又は印刷装置を含み、QA画像を出力可能に構成されている。
前処理部4150は生画像に対する前処理を実行可能に構成された回路であって、CPUバス4105及びデータ収集部4160に接続されている。なお、本実施例における前処理は、撮像部4190の後述する2次元X線センサ4194の各画素(図示しない)の特性(暗電流、検出感度等)の差によって生じる画像の誤差を補正する処理を含む。より特定的には、前処理とはオフセット補正、ゲイン補正、対数変換(Log変換)等を指し、かかる技術は当業界で周知のいかなる技術も適用可能である。前処理部部4150はデータ収集部4160より授受された生画像(又は、メモリ4120を介しデータ収集部4160より授受された生画像)をメモリ4120に格納されたデータを基に、CPU4110の制御に基づき補正を行う。なお、前処理部4150は画像処理を実行する回路の一部であり、後述する画像処理部4170の一部として構成されてもよい。前処理部4150はかかる処理を施した画像(原画像)を画像処理部4170及び/又はメモリ4120に出力する。
データ収集部4160は撮像部4190、前処理部4150及びCPUバス4105に接続され、撮像部4190より出力された生画像を所定の電気信号に変換し前処理部4150及び/又はメモリ4120に供給する。データ収集部4160は、例えば、14ビットA/D変換器を有し、撮像部4190の出力に比例したデジタル信号を前処理部4150及び/又はメモリ4120に供給する。これにより前処理部4150は上述した前処理、例えば、デジタル信号を対数変換し、X線の線量の対数に比例したデジタル信号に変換することができる。
画像処理部4170は、低周波成分作成部4171と、高周波成分作成部4172と、成分変換部4174と、高周波成分加算部4176とを有し、CPUバス4105を介し各々データを授受可能に構成されている。低周波成分作成部4171は原画像から平滑化画像(即ち、低周波成分又は低周波画像のことであり、本明細書ではいずれも原則同義として使用する)を作成する。高周波成分作成部4172は原画像から平滑化画像を減じることで高周波成分(高周波画像)を作成する。成分変換部4174は高周波成分作成部4172によって作成された高周波成分を所定の関数に従って変換する。なお、かかる所定の関数については、後述する動作において詳細に説明するものとし、ここでの説明を省略する。高周波成分加算部4176は、成分変換部4174によって変換された高周波成分を原画像又は平滑化画像に加算する。本実施例の画像処理部4170は所定の閾値以上の絶対値を有する高周波成分を原画像に足し込まない。または、画像処理部4170は所定の倍率で変換された平滑化画像に対し、所定の閾値以上の絶対値を有する高周波成分を同一の倍率(当該所定の倍率)で変換し、所定の閾値未満の絶対値を有する高周波成分を任意に変換して得た高周波成分を足し込む。これにより、エッジ構造が保存されてオーバーシュート等が抑制されると共に、鮮鋭化等の所望の周波数処理を行うことができる。
なお、図36に示すように、画像処理部4170は画像処理部4170aに置換されてもよい。ここで、図36は、本発明の別の実施例の画像処理装置4100aを示すブロック図である。画像処理部4170aは周波数係数分解部4178と、係数変換部4180と、逆変換部4182とを有し、CPUバス4105を介し各々データを授受可能に構成されている。
周波数係数分解部4178は原画像に対して離散ウェーブレット変換(DWT変換と称する場合もある)又はラプラシアンピラミッド変換の方法による周波数分解処理を施す回路を備える。かかる回路は、例えば、図37A,Bに示すような回路であるが、当業界周知のいかなる技術の適用も制限するものではない。ここで、図37Aは離散ウェーブレット変換処理を施す例示的な回路構成を示した図であり、図37Bはラプラシアンピラミッド変換の方法による周波数分解処理を施す例示的な回路構成を示した図である。かかる構成において、周波数係数分解部4178は各周波数帯毎の周波数係数(ウェーブレット変換係数又はラプラシアンピラミッド変換係数)を得る。
係数変換部4180は周波数係数分解部4178で得られた各周波数帯毎の周波数係数を変換する係数変換回路であり、所定の関数に基づき周波数係数を変換する。なお、かかる所定の関数については、後述する動作において詳細に説明するものとし、ここでの説明を省略する。
逆変換部4182は係数変換部4180で変換された周波数係数に基づき逆離散ウェーブレット変換(逆DWT変換と称する場合もある)又はラプラシアンピラミッド方法における逆変換(逆ラプラシアンピラミッド変換)を行う回路を備える。かかる回路は、例えば、図38A,Bに示すような回路であるが、当業界周知のいかなる技術の適用も制限するものではない。ここで、図38Aは逆離散ウェーブレット変換処理を施す例示的な回路構成を示した図であり、図38Bはラプラシアンピラミッド方法による逆変換処理(逆ラプラシアンピラミッド変換処理)を施す例示的な回路構成を示した図である。かかる構成において、逆変換部4182は変換された周波数係数を逆変換することでQA画像を得ることができる。
なお、画像処理部4170と画像処理部4170aは画像の処理方法において異なるが、各処理方法は後述する動作の説明において容易に理解されるであろう。
撮像部4190は、X線発生部4192と2次元X線センサ4194とを有し、データ収集部4160に接続される。図31に示されるように、撮像部4190は、被検査体Pを介しX線発生部4192と2次元X線センサ4194が対向する位置に配置される。かかる構成において、撮像部4190は、吸収及び散乱等、被検査体Pとの相互作用を経たX線を撮像し、そのX線画像(生画像)をデータ収集部4160に供給する。X線発生部4192はオペレータによって操作可能であって(オペレータが操作パネル4130を操作して、メモリ4120に格納された動作プログラムによってCPU4110が制御することの意味も含む)、例えばX線管球を含む回路より構成される。一方、2次元センサ4194は、例えば、X線の入射側から順に配置された蛍光体とアモルファス・シリコン光センサとから構成される積層構造を有し、データ収集部4160に接続されている。なお、撮像部4190は、上述の構成に限定されず、当業界周知の技術を適用可能であることは言うまでもない。また、撮像部4190は、画像処理装置4100から独立した構成要素であってもよく、本発明の画像処理装置4100は、必ずしも撮像部4190を必要としない。例えば、撮像部4190が独立の装置として画像処理装置100に接続されても良い。
以下、上述の画像処理装置4100の動作を説明する。なお、以下の説明において、画像処理装置4100は、例えば、医療用X線撮影装置として具体化されている。
先ず、操作パネル4130を操作することによってオペレータから撮影の指示がなされると、X線発生部4192は被検査体Pに対してX線ビームを放射する。X線発生部4192から放射されたX線ビームは、被検査体Pを減衰しながら透過して、2次元X線センサ4194に到達する。かかるX線ビームは2次元X線センサ4194により検出されX線画像として出力される。ここでは、2次元X線センサ4194から出力されるX線画像を、例えば、人体部画像等とする。
データ収集部4160は、2次元X線センサ4194から出力されたX線画像をデジタル信号に変換して前処理部4150に供給する。前処理部4150は、データ収集部4160から出力されたデジタル信号に対して、オフセット補正処理やゲイン補正処理等の前処理を行う。この前処理部4150で前処理が行われた信号は、原画像として、CPU4110の制御により、CPUバス4105を介しメモリ4120及び/又は画像処理部4170に転送される。
次に、図32及び図33を参照しながら、画像処理部4170の動作、即ち、本発明の好適な実施例の画像処理方法について説明する。ここで、図32は、本発明の一実施例としての画像処理方法を示すフローチャートである。図33は、成分変換部4174で高周波成分を変換するために用いる変換曲線であり、横軸が入力高周波成分、縦軸が変換後の高周波成分を示す。ここで、図33は入力成分が+の場合の変換曲線を示すものであるが、係数が−の場合にも同様に変換することができる。つまり奇関数の第一象限だけを示した図であることを理解されたい。
画像処理部4170の低周波成分作成部4171は前処理部4150より出力された画像(原画像)をCPUバス4150を介し授受する。まず、低周波成分作成部4171は原画像から以下に示す(48)式に従い平滑化画像を作成する(ステップ5000)。ここで、原画像をf(x、y)、平滑化画像をfus(x、y)、d1、d2、d3及びd4をマスクサイズとする。
Figure 0003833177
なお、d1=y+d、d2=y−d、d3=x+d、d4=x−dである。この様な移動平均による平滑化画像作成方法を用いると、計算時間が短く効果的である。
なお、ステップ5000によって作成される平滑化画像fus(x、y)は(48)式に示す関数で得られるもののみに限定されない。例えば、以下に示す(49)式乃至(52)式によって表されるモルフォロジカルフィルタ演算を用いて作成してもよい。
Figure 0003833177
Figure 0003833177
ここで、D(x、y)は円盤状フィルタ、r1は任意の定数であって、入力画像に応じて選択されるものである。なお、D(x、y)には(53)式及び(54)式に示す関係がある。
Figure 0003833177
ここで得られたfus(x、y)のプロファイルはエッジ構造を略保存しているものであり、従来の鮮鋭化処理の欠点であるオーバーシュートを起こしにくいものである。
また、同様にfus(x、y)をメディアンフィルタ演算を用いて作成してもよい。この場合には平滑化画像のエッジ構造が比較的保存されるため、モルフォロジカルフィルタ演算を用いたときと同様に従来の鮮鋭化処理の欠点であるオーバーシュートを起こしにくいものである。
次に、高周波成分作成部4172は(55)に従い高周波成分fh(x、y)を作成する。
Figure 0003833177
即ち、ステップ5000で得られた平滑化画像fus(x、y)と原画像f(x、y)との差分を計算し、高周波成分からなる差分画像を抽出する(5005)。
次に、成分変換部4174は(56)式に従い高周波成分fh(x、y)を変換曲線(関数F1())で変換し、高周波成分fh1(x、y)を作成する(ステップ5010)。
Figure 0003833177
ここで、変換関数F1()は、例えば、図33に示すような曲線形状で表される関数である。かかる曲線形によれば一定値(閾値)以上の絶対値を有する高周波成分を減少させ、一定値未満(図中、範囲a1)の絶対値を有する高周波成分の大きさを任意に変化させるものである。図33では、一定値以上の高周波成分を0とし、一定値未満の高周波成分を不変(曲線の傾きが1)として変換している。なお、閾値は予めメモリ4120に格納されたり、操作パネル4130を介しオペレータによって任意に入力されたり、または原画像の解析により原画像に基づいて自動決定されたりしてよい。
一般にオーバーシュートを示す高周波成分の絶対値は一定値より大きく、微細構造に対応する高周波成分の絶対値は小さい性質がある。また、この絶対値の大きい高周波成分は画像のエッジ部分に生じる。さらに、QA画像において、オーバーシュートとして感じるのは、エッジ部において一部の画素の画素値がその近傍の画素の画素値に対して特異的に過度に飛び出ている場合である。そのため、高周波成分の絶対値が一定値(閾値)よりも大きい場合、該高周波成分の値を0とする(その結果、該高周波成分は原画像に足し込まれない)ことで、オーバーシュートが抑制され、エッジ構造が保存されるものである。
次に、高周波成分加算部4176はこの変換された高周波成分fh1(x、y)を(57)式に示すように原画像に加算する(ステップ5015)。ここでfprc(x、y)を処理後の画像とする。
Figure 0003833177
なお、高周波成分を足しこむ割合を(58)式に示すように、原画像又はその平滑化画像の画素値に依存するようにしてもよい。
Figure 0003833177
ここで、F0()は画素値に依存した関数であって、例えば画素値の増加にともなう単調増加関数などとする。これにより、比較的ノイズの目立ちやすい低画素値領域で高周波成分を足しこむ量を減らすことでノイズの強調を防止する効果がある。
また、所定閾値未満の高周波成分を種々の線形又は非線形の変換関数で変換することにより、種々の目的に合った周波数処理を行うことができる。例えば、強調したい微細構造の高周波成分の絶対値の分布に応じ、所定絶対値範囲の高周波成分を特に強調する処理、比較的不要な高周波成分の絶対値の分布に応じ、所定絶対値範囲の高周波成分を弱く強調する、強調しない若しくは抑制する処理、又はそれらを複合した強調・抑制処理等を行うことができる。
かかる処理を実行した後の画像fprc(x、y)は画像処理部4170からメモリ4120及び表示部4140に供給される。オペレータ、例えば撮影技師、や医師は、表示部4140に出力される画像によって、撮影された画像の確認や診断を行うことができる。
以上説明したようにかかる画像処理方法は、所定閾値以上の絶対値を有する高周波成分は0とすることで原画像に加算されないので、エッジ形は保存され、またオーバーシュートが生じない。また、所定閾値未満の高周波成分だけをそのまま又は所定の関数で変換した後に原画像に加算することにより、微細構造などの有効情報に対応する高周波成分を強調する鮮鋭化、所定範囲の絶対値を有する有効な又は所望の高周波成分だけを強調する鮮鋭化等、種々の目的に合った周波数処理を行うことができる。例えば、人体に埋め込まれた金属片や骨部等のエッジ部に不自然な影響を与えず自然な強調画像を得ることができる。
なお、平滑化画像を上述のモルフォロジ演算で作成した場合には本来オーバーシュートが生じにくいものであるが、さらに上述のような変換曲線を用いた処理を行うことでオーバーシュートに対応する高周波成分を抑制することができ、さらに効率よくオーバーシュートを抑制できるものである。
同様に、平滑化画像をメディアンフィルタで作成した場合にも本来オーバーシュートが生じにくいものであるが、さらに上述のような変換曲線を用いた処理を行うことでオーバーシュートに対応する高周波成分を抑制することができ、さらに効率よくオーバーシュートを抑制できるものである。
以下、図34及び図35を参照しながら、上記画像処理方法の変形例としての画像処理方法、即ち画像処理部4170で行われる動作の変形例を説明する。ここで、図34は、本発明の別の画像処理方法を示すフローチャートである。図35は、成分変換部4174で高周波成分を変換するために用いる変換曲線であり、横軸が入力高周波成分、縦軸が変換後の高周波成分を示す。なお、図35は入力成分が+の場合の変換曲線を示すものであるが、係数が−の場合にも同様に変換することができる。つまり奇関数の第1象限だけを示した図である。また、画像処理装置4100の全体の動作は上述した通りであって、ここでの重複説明は省略する。
上述した方法と同様、画像処理部4170の低周波成分作成部4171は前処理部4150より出力された画像(原画像)をCPUバス4105を介し授受する。低周波成分作成部4171は原画像から上述した(48)式に従い平滑化画像を作成する(ステップ5100)。ここで、原画像をf(x、y)、平滑化画像をfus(x、y)とする。なお、平滑化画像fus(x、y)の作成には上述の方法と同様、モルフォロジカルフィルタリング等どのような手法を用いてもよい。
次に、高周波成分作成部4172は(55)式に従い高周波成分fh(x、y)を作成する。即ち、ステップ5100で得られた平滑化画像fus(x、y)と原画像f(x、y)との差分を計算し、高周波成分からなる差分画像を抽出する(5105)。
次に、成分変換部4174は(59)式に従い高周波成分fh(x、y)を変換曲線(関数F2())で変換し、高周波成分fh2(x、y)を作成する(ステップ5110)。
Figure 0003833177
ここで、変換曲線F2()は、例えば、図35に示すような曲線形状で表される関数である。図35に示す曲線形によれば一定値(閾値)以上の絶対値を有する高周波成分をそのまま維持する(傾き1)、つまり値を変換しない。また、一定値未満(図中、範囲a2)の絶対値を有する高周波成分の大きさを増加(減少であっても良い)させる。かかる閾値は予めメモリ4120に格納されたり、操作パネル4130を介しオペレータによって任意に入力されたり、または原画像の解析により原画像に基づいて自動決定されたりしてもよい。なお、図35に示す関数形は例示的であり、本実施例では所定の閾値以上の高周波成分とかかる閾値未満の高周波成分とを異なる倍率で変換するに足りるものである。但し、関数形の所定の閾値以上の入力値に対する傾き(微分値)は、後述する平滑化画像の所定の倍率に依存させなければならない。例えば、低周波成分が2倍又は3倍されて加算されるなら、かかる傾き(微分値)はそれに応じて2又は3とする必要がある。
次に、この変換された高周波成分fh2(x、y)を平滑化画像fus(x、y)に加算する(ステップ5115)。ここでfprc(x、y)を処理後の画像とする。
Figure 0003833177
なお、平滑化画像fus(x、y)に対し、上記所定閾値未満の高周波成分のみ、それを足しこむ割合を(58)式に示すように、原画像またはその平滑化画像の画素値に依存するようにしてもよい。また、平滑化画像fus(x、y)は所定の倍率で変換(強調又は抑制)された後、高周波成分fh2(x、y)と加算されても良い。しかし、このように平滑化画像fus(x、y)が所定の倍率で変換されると、QA画像のエッジ構造は一般的に保存されない。従って、QA画像がエッジ構造を保存する為には、低周波成分と所定の閾値以上の高周波成分とを実質的に同一の比率で変換する必要がある。より特定的には、上述したように、所定の閾値以上の高周波成分を変換する関数の傾き(微分値)が、かかる所定の倍率と同じでなければならないことに留意する必要がある。このことは、エッジ部分を構成する高周波成分の絶対値が大きいことと、エッジ部分を構成する低周波成分及び高周波成分を同一の比率で一律に変換すればエッジ構造は崩れず、逆に、エッジ部分を構成する低周波成分及び高周波成分を異なる比率で変換した場合にはエッジ構造が崩れることとから理解されよう。
よって、例えば、エッジ構造を構成する(すなわち、所定閾値以上の絶対値を有する)高周波成分及び全低周波成分を一定比率で変更しつつ、それ以外の高周波成分を不変とすれば、エッジ構造が保存されつつダイナミックレンジが変更されると共に、有効な微細構造が不変に維持された処理後画像を得ることができる。
また、所定閾値未満の高周波成分を種々の線形又は非線形の変換関数で変換することにより、種々の目的に合った周波数処理を行うことができる。例えば、強調したい微細構造の高周波成分の絶対値の分布に応じ、所定絶対値範囲の高周波成分を特に強調する処理、比較的不要な高周波成分の絶対値の分布に応じ、所定絶対値範囲の高周波成分を弱く強調する、強調しない若しくは抑制する処理、又はそれらを複合した強調・抑制処理等を行うことができる。
かかる処理を実行した後の画像fprc(x、y)は画像処理部4170からメモリ4120及び表示部4140に供給される。オペレータ、例えば撮影技師、又は医師は表示部4140に出力される画像によって、撮影された画像の確認又は診断を行うことができる。
上述の画像処理方法では関数F1()で変換された高周波成分を原画像に加算するものであるが、かかる変形例では関数F2()で変換された高周波成分を平滑化画像に加算するものである。かかる変形例であっても、上述の画像処理方法と同様の作用を奏するものである。その結果、微細構造などの有効情報に対応する高周波成分の強調による鮮鋭化、又はノイズなどの不要情報に対応する高周波成分の抑制によるノイズ削減等の効果を奏すると共に、エッジ部分の高周波成分の大きさを低周波成分の大きさに対し相対的に不変とすることでエッジ形が保存されオーバーシュートが生じないという効果がある。
(実施の形態10)
以下、図36乃至図42Cを参照しながら、画像処理装置4100の画像処理部4170を画像処理部4170aに置換した場合の画像処理方法、即ち、画像処理部4170aで行われる動作の変形例を説明する。ここで、図39は、画像処理部4170aによる処理を示すフローチャートである。図40は、2次元の離散ウェーブレット変換処理により得られる2レベルの変換係数群の構成例を示す。図41は、係数変換関数F3()の変換曲線の形状を示すグラフであり、図中の点線より右側は傾き1の直線となっている。図42Aは原画像のプロファイル、図42Bはエッジ構造を保存しない鮮鋭化処理後の画像のプロファイル、図42Cはエッジ構造を保存した場合の鮮鋭化処理後の画像のプロファイルを示す。
まず、画像処理部4170aの周波数係数分解部4178は原画像f((x、y))に対して2次元の離散ウェーブレット変換処理(DWT変換処理)を行い、周波数係数を計算して出力する。より詳細には、周波数係数分解部4178はメモリ4120に記憶された原画像データ(例えば、図42Aに示す)を順次読み出し変換処理を行う。DWT変換された周波数係数は再びメモリ4120に書きこまれる。より詳細には、入力された画像信号は遅延素子およびダウンサンプラの組み合わせにより、偶数アドレスおよび奇数アドレスの信号に分離され、2つのフィルタpおよびuによりフィルタ処理が施される。図37Aに示すように、sおよびdは各々1次元の画像信号に対して1レベルの分解を行った際のローパス係数およびハイパス係数を表しており、(61)式及び(62)式により計算されるものとする。
Figure 0003833177
ここで、x(n)は変換対象となる画像信号である。
以上の処理により、画像信号に対する1次元のDWT変換処理が行われる。2次元のDWT変換処理は、1次元の変換を画像の水平・垂直方向に対して順次行うものであり、その詳細は公知であるのでここでは説明を省略する。図40に示すように、画像信号は異なる周波数帯域の周波数係数HH1、HL1、LH1、...、LLに分解される(ステップ1200)。図40において、HH1、HL1、LH1、...、LL等(以下サブバンドと呼ぶ)が周波数帯毎のウェーブレット変換係数(周波数係数)を示す。
次に、係数変換部4180は、例えば、図41に示すような変換曲線F3()に従い周波数係数を変換する(ステップ5205)。図41は、横軸が入力係数であり、縦軸が出力係数を示す。なお、図41は入力係数が+の場合の変換曲線を示すものであるが、入力係数が−の場合にも同様に変換することができる。つまり奇関数の第一象限だけを示した図であることを理解されたい。
この曲線形(関数F3())によれば一定絶対値(閾値)以上の高周波係数を変換せず(例えば、傾き1)、一定閾値未満(a3で示す範囲)の周波数係数(高周波係数)の大きさを増加させるものである。なお、かかる関数形は、後述するように所定の閾値以上の周波数係数と所定の閾値未満の周波数係数を異なる倍率で変換するに足りるものであり、本発明が図41に示した関数形にのみ限定されることを意味するものではない。このような曲線を用いてLLサブバンド係数以外の全ての周波数係数を変換するものである。そして、メモリ4120に変換後の周波数係数を保存しておく。ここで所定閾値は予め実験的に求められている値である。あるいは、例えば、この所定閾値はサブバンド係数の絶対値の累積ヒストグラムを作成し累積頻度が80%となる係数の絶対値を所定閾値の値としてもよい。また、所定閾値は周波数分解が進んだ係数(より低周波に対応する係数)ほど大きくするほうが好ましい。より低周波に対応する係数において、エッジ成分に対応する周波数係数は大きくなるからである。尚、空間周波数の高い上位(例えばレベル1)のサブバンドの所定閾値は0でよい場合もある。
また、一定閾値未満の係数を変換する場合に、原画像の画素値又はLL成分の値に依存して係数を変更する割合を変えてもよい。例えば原画像における低画素値領域に対応する係数は増加率を減じる等する。このことにより、低画素値領域で目立ちやすいノイズが強調されてしまうことを回避できる。
このような係数空間において、微細構造などの有効情報に対応する周波数係数はその絶対値が小さく、エッジ部分に対応する周波数係数はその絶対値が大きいという特性がある。従って、図41のような曲線形(関数F3())で係数を変換すると微細構造などの有効構造に対応する周波数係数は増加し、エッジ構造に対応する周波数係数は不変に保つことになる。
図43乃至図50は同じく、所定の閾値以上の周波数係数と所定の閾値未満の周波数係数を異なる倍率で変換する例を示している。ここで、図43乃至図50は、周波数係数を変換する曲線(関数)の例を示すグラフであり、図中の点線は所定の閾値を通り縦軸に平行な線分であり、該点線を境界として変換特性(傾き等)が異なることを示している。図43は、所定絶対値(閾値)未満(図中a3a)の係数を増加させているものであり、係数0を生じさせないものである。この場合には図41に示す場合と比較して、絶対値の小さな係数ほど強調されると共に、係数のダイナミックレンジは圧縮されるという特徴がある。図44は、所定絶対値(閾値)未満(a3b)の係数を減少させると共に、係数を0から単調増加させているものである。この場合には鮮鋭化の効果はなくノイズ抑制などの効果がある。
図45は、所定絶対値(閾値)未満(a3c)の係数のみならず、所定絶対値以上の係数を増加しているが、a3c以外の範囲の係数の増加の割合を範囲a3cよりも小さくした例である。つまり、範囲a3c以外の変換曲線の傾き1より大きい場合である。この場合、エッジ構造を完全には保存できないものの、エッジ部でのオーバーシュートを抑制しつつ、微細構造等の有効成分を強調することができる。また、エッジ構造の壊れが問題にならない程に範囲a3c以外の傾きを1より大きく又は小さくすることは、範囲a3c以外の傾きを1に保つことと実質的に均等である。
図46は、所定絶対値(閾値)未満(a3d)以外、すなわち所定絶対値以上の範囲の傾きは1としたのだが、全体の曲線形を微分連続(微分可能かつ連続な関数、又は少なくとも傾きが連続)としたものである。これにより係数の変化率が連続となり、処理後の画像に偽輪郭等のアーティファクトを生じさせないために好ましい場合があり得る。尚、DWT変換処理によって得られる高周波サブバンドの場合、上述の高周波画像と異なり係数空間での表現であるため、変換関数が微分不連続(微分不可能又は不連続)であるからといって直ちに処理後の画像に偽輪郭等のアーティファクトが発生するわけではない。
図47及び図48は、所定絶対値(閾値)未満で所定の範囲(図47中a3e、及び図48中a3f)の係数のみを増減したものである。尚、図47及び図48の第2の閾値未満の曲線の傾きは1でなくてもよい。このような曲線形では範囲a3e及びa3fとそれらより係数が小さい範囲とで異なる係数の増減を行えると共に、エッジ構造も保存できるものである。これにより、ノイズ等の不要成分を抑制しながら所望の有効成分だけを強調することが可能である。
図49及び図50はエッジ構造に対応する係数(図中、a3g及びa3h)が増減する(傾きが1でない)曲線形になっている。この場合、エッジ構造に対応する全サブバンドの係数(空間周波数の最も低い成分であるLLサブバンドに関しては全係数)を同じ比率で変更するとよい。そうすれば、エッジ部分に関してはその画素値が単純に増減されるだけであり、オーバーシュートやエッジのボケは生じずエッジ構造が保存される。例えば、全サブバンドの係数を2倍した場合の復元画像は原画像のダイナミックレンジを単純に2倍した画像になり、オーバーシュートやエッジのボケは生じない。これと同様の理屈により、エッジ構造を構成する全サブバンドの係数(LLに関しては全係数)を一定比率で変更しつつ、それ以外の係数を任意に変更すれば、エッジ構造が保存されつつダイナミックレンジが変更されると共に、微細構造が変更(強調又は抑制)された処理後画像を得ることができる。尚、エッジ構造を構成する(すなわち、所定閾値以上の絶対値を有する)全サブバンドの係数(LLに関しては全係数)を一定比率で変更しつつ、それ以外の係数を不変とすれば、エッジ構造が保存されつつダイナミックレンジが変更されると共に、有効な微細構造が不変に維持された処理後画像を得ることができる。上述の図43乃至図50に示す関数形は、上記実施例(高周波画像を平滑化画像に加算する実施例)にも適用可能である。但し、上述したように、高周波画像を用いた場合には変換関数に不連続点や微分不連続点(微分不可能な点)があると偽輪郭等のアーティファクトが出やすいため、微分連続の(微分可能かつ連続な)変換関数を用いた方がよい。その場合、不連続点や折れ点を滑らかな曲線に変更すればよい。
そして、逆変換部4182は係数変換部4180で変換された周波数係数に対し逆離散ウェーブレット変換(逆DWT変換)を行う(ステップ5210)。より詳細には、関数F3()で変換されたメモリ4120に記憶された周波数係数は逆変換部4182により順次読み出され、逆変換処理が行われる。逆変換部4182で逆DWT変換された画像信号は再びメモリ4120に書きこまれる。図38Aに示すように、入力された画像成分(s’及びd’)はu及びpの2つのフィルタ処理を施される。そして、フィルタ処理された出力はアップサンプリングされた後に重ね合わされて画像信号x’が出力される。これらの処理は(63)式及び(64)式に従って行われる。
Figure 0003833177
以上の処理により、変換された係数に対する1次元の逆離散ウェーブレット変換処理が行われる。2次元の逆離散ウェーブレット変換は、1次元の逆変換を画像の水平・垂直方向に対して順次行うものであり、その詳細は公知であるのでここでは説明を省略する。
かかる処理を実行した後の画像は画像処理部4170aからメモリ4120及び表示部4140に供給される。オペレータ、例えば撮影技師、又は医師は表示部4140に出力される画像によって、撮影された画像の確認又は診断を行うことができる。
図42Bは、係数変換部4180において、LLサブバンドを除くすべてのサブバンドの係数全体を2倍に変換したものである。一方、図42Cは、図41において、範囲a3の係数を2倍とし、それ以外の係数は不変(即ち、関数F3()の傾きが1)に保った場合の結果画像である。係数全体を変換した場合には例えば図42Bの矢印で示すようにオーバーシュートが強く現れている。しかし、所定絶対値以上の係数を不変に保った図42Cでは微細構造は強調されているが、エッジ構造は保存されオーバーシュートが生じていないのがわかる。
図41において、変換関数F3()は微分不可能かつ不連続な点を有するが、逆変換後の画像では偽輪郭などのアーティファクトは生じないものである。所定の絶対値を有する係数(変換曲線の微分不可能かつ不連続な点に対応する係数)は係数空間上でランダムに散乱しているため、逆変換した画像上では、ラインなど連続的な境界線として視覚的に認識される構造が現れないためである。ウェーブレット係数はあくまで周波数係数であり、逆ウェーブレット変換処理により、周波数係数の大きさに応じて、所定の画像空間が復元されるものであるからである。尚、係数空間上で画像のエッジ部に対応して所定絶対値の周波数係数が連続的に並ぶ場合もあるが、この場合、変換関数F3()のような不連続関数により係数変換された後に現れる係数空間上での連続的な構造は、復元画像上でもエッジ部に沿って連続的な構造として現れるため、偽輪郭としては認識されない。
上述は離散ウェーブレット変換を用いて説明したが、画像を多重周波数成分に分解する方法ならなんでもよく、例えばラプラシアンピラミッド変換の方法を用いてもよい。図37Bに示す周波数係数分解部4178において、g及びbは各々1レベルの分解を行った際の画像の低解像度近似画像および高周波成分係数を表している。低解像度近似画像gは画像信号xをローパスフィルタによりフィルタ処理し、ダウンサンプリングして得られる。また高周波成分係数bは画像信号xと、低解像度近似画像gをアップサンプリングしさらにローパスフィルタによりフィルタ処理した画像との差分をとることにより得られる。ローパスフィルタは例えば図51に示すようなフィルタを用いる。図51は図37Bに示す周波数係数分解部4178に適用可能なフィルタ形を示した図である。ラプラシアンピラミッド変換の方法はこの処理を低解像度近似画像gに対して繰り返し行うことで各周波数帯の周波数係数を得るものであり、その詳細は公知であるのでここでは説明を省略する。
また、図38Bに示すように、入力された高周波成分係数bと、低解像度近似画像gをアップサンプリングしローバスフィルタによりフィルタ処理をしたものとを重ね合わせることにより画像信号x’が出力される。ローパスフィルタは例えば図51に示すようなフィルタを用いる。ラプラシアンピラミッドの方法(逆ラプラシアンピラミッド変換)はこの処理を各レベルに対して繰り返し行うことで合成画像を得るものであり、その詳細は公知であるのでここでは説明を省略する。
以上の様に、かかる実施形態の画像処理方法は画像を複数の周波数帯の周波数係数に分解し、その周波数係数を変換することでエッジ構造を保存したまま,鮮鋭化等の周波数処理の効果を得るものである。かかる方法は、エッジ構造を保ったまま、周波数帯毎との強調又は抑制の程度をきめ細かく調整できる効果がある。また、エッジ構造を保持したまま周波数処理をしても、処理後画像上に偽輪郭などのアーティファクトが生じない効果もある。また、分解レベルが低周波になるに従い所定絶対値(閾値)を大きくすることで、より効果的にエッジ構造を保存した周波数処理を行うことができる。
以上説明したように、実施の形態9以下の各実施の形態によれば、対象画像に含まれるエッジ部のエッジ構造の崩壊を抑制または回避しつつ、所望の空間周波数成分が強調又は抑制された良好な画像を得ることのできる画像処理装置及び方法、並びに、コンピュータ可読媒体及びプログラムを提供することができる。
実施の形態9による画像処理装置及び方法は、所定の閾値以上の絶対値を有する高周波成分と所定の閾値未満の絶対値を有する高周波成分とを異なる倍率で変換可能である。よって、所定の閾値以上の絶対値を有する高周波成分を強調しないようにすることができる。また、所定の閾値以上の絶対値を有する高周波成分を、平滑化画像に対する変換倍率と同様の倍率で変換することができる。この結果、オーバーシュートが抑制され、又はエッジ構造が保存される。よって、かかる画像処理装置及び方法から得られる処理後の画像は、例えばエッジ部分に不自然さをなくすことができる。また、所定の閾値未満の絶対値を有する高周波成分は任意に変換し得るので、高周波成分を適切に強調(鮮鋭化)又は抑制することができる。
また、実施の形態10による画像処理装置及び方法は、所定の閾値以上の絶対値を有する高周波数係数(高周波数帯の係数)と所定の閾値未満の絶対値を有する高周波数係数とを異なる倍率で変換することができる。この結果、所定の閾値以上の絶対値を有する高周波数係数を、例えば、不変に保ったり、又は低周波係数(低周波数帯の係数)に対する変換倍率と同様の倍率で変換できる。よって、オーバーシュートが抑制され、又はエッジ構造が保存される。更に、かかる画像処理装置及び方法は周波数帯毎の強調又は抑制度をきめ細かく調整できる。また、高周波帯毎に係数値に基づく変換を行う方法を採用したことにより、オーバーシュートを抑制し、又はエッジ構造を保存する周波数処理を実行しても、処理後画像上に他の偽輪郭(例えば、エッジ部に沿って視認され得る帯状のボケ)などが生じないという優れた効果もある。また、所定の閾値未満の絶対値を有する高周波数係数を増加又は減少することで、微細構造の強調(鮮鋭化)又はノイズの低減を図ることができる。更に、かかる画像処理装置及び方法は、前記所定の閾値未満であって、更に小さい第2の閾値未満の絶対値を有する高周波数係数を強く減少させ、又は0にする変換を行ってもよい。この構成は画像中のノイズ成分を抑制しながら画像中の有効成分を適切に変換(強調又は抑制等)することができる。また、高周波数帯の帯域毎に閾値を異ならせる(例えば、高周波数帯の帯域が低周波になるに従い閾値を大きくする)ことにより、より効果的にオーバーシュートを抑制し、又はエッジ構造を保存することができる。
(他の実施の形態)
前述した実施形態の機能の実現又は処理ステップの実行のために各種のデバイスを動作させるべく、該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに、前記実施形態の機能の実現又は処理ステップの実行のためのソフトウエアのプログラムコードを供給し、その装置あるいはシステム内のコンピュータ(CPUあるいはMPU等)が、格納されたプログラムに従って前記各種デバイスを動作させることによって前記実施形態の機能の実現又は処理ステップの実行をすることも本発明の範疇に含まれる。
またこの場合、前記ソフトウエアのプログラムコード自体が前述した実施形態の機能の実現又は処理ステップの実行をすることになり、そのプログラムコード自体、及びそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムコードを格納した記憶媒体は本発明を構成する。
かかるプログラムコードを格納する記憶媒体としては例えばフロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることが出来る。
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、前述の実施形態の機能の実現又は処理ステップの実行がなされるだけではなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)、あるいは他のアプリケーションソフトウェア等と協働して前述の実施形態の機能の実現又は処理ステップの実行がなされる場合にも、かかるプログラムコードが本発明を構成することは言うまでもない。
更に、供給されたプログラムコードが、コンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施形態の機能の実現又は処理ステップの実行がなされる場合にも、かかるプログラムコードが本発明を構成することは言うまでもない。
尚、上述のプログラムは上述のコンピュータ可読記憶媒体に格納される態様で取引対象となるだけでなく、インターネットその他の通信ネットワークを利用してオンライン配信される態様で独立の取引対象となり得ることは言うまでもない。
以上、実施の形態を詳細に説明したが、本発明はその要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。

Claims (97)

  1. 画像を階調変換する階調変換手段と、
    前記画像又は前記画像が前記階調変換手段により階調変換された後の画像の複数の周波数帯の周波数成分を該周波数成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づいて変換する成分変換手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 前記成分変換手段は前記周波数成分を前記階調変換手段の階調変換曲線の傾きに基づいて変換することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記成分変換手段は所定の低周波成分については変換を行わない、又は所定の低周波成分を0とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像処理装置。
  4. さらに、前記成分変換手段は画像を複数の周波数帯の周波数成分に分解する周波数変換手段と、画像の複数の周波数帯の周波数成分を合成して画像を生成する逆周波数変換手段とを有することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の画像処理装置。
  5. 前記成分変換手段は画像に対し離散ウェーブレット変換処理を行うと共に、該離散ウェーブレット変換処理によって得たLLサブバンドを除く所定のサブバンドの成分を前記階調変換手段の階調変換曲線の傾きに基づいて変換することを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の画像処理装置。
  6. 前記成分変換手段は前記LLサブバンドの成分については変換を行わない、又は前記LLサブバンドの成分をゼロとすることを特徴とする請求項5に記載の画像処理装置。
  7. 前記成分変換手段は所定の閾値を超える絶対値を有する周波数成分を前記閾値以下の絶対値を有する周波数成分より抑制して変換することを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の画像処理装置。
  8. 前記成分変換手段は所定の閾値を超える絶対値を有する周波数成分を実質的に変換しない、又はゼロとすることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の画像処理装置。
  9. 画像を階調変換する階調変換手段と、
    前記階調変換手段で階調変換された画像を複数の周波数帯の周波数成分に分解する周波数変換手段と、
    前記周波数変換手段により得た複数の周波数帯の周波数成分を該周波数成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づいて変換する成分変換手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  10. 前記成分変換手段は前記周波数成分を前記階調変換手段の階調変換曲線の傾きに基づいて変換することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
  11. 前記成分変換手段は所定の低周波成分については変換を行わないことを特徴とする請求項9又は10に記載の画像処理装置。
  12. さらに、複数の周波数帯の周波数成分を合成して画像を生成する逆周波数変換手段を有することを特徴とする請求項9乃至11の何れかに記載の画像処理装置。
  13. 前記周波数変換手段は離散ウェーブレット変換処理を行い、前記成分変換手段は前記離散ウェーブレット変換処理によって得たLLサブバンドを除く所定のサブバンドの成分を前記階調変換手段の階調変換曲線の傾きに基づいて変換することを特徴とする請求項9に記載の画像処理装置。
  14. 前記成分変換手段は前記LLサブバンドの成分については変換を行わないことを特徴とする請求項13に記載の画像処理装置。
  15. 前記成分変換手段は所定の閾値を超える絶対値を有する周波数成分を前記閾値以下の絶対値を有する周波数成分より抑制して変換することを特徴とする請求項9乃至14の何れかに記載の画像処理装置。
  16. 前記成分変換手段は所定の閾値を超える絶対値を有する周波数成分を実質的に変換しないことを特徴とする請求項9乃至14の何れかに記載の画像処理装置。
  17. 画像を第一の複数の周波数帯の周波数成分に分解する第一の周波数変換手段と、
    前記画像を階調変換する階調変換手段と、
    前記階調変換手段で階調変換された画像を第二の複数の周波数帯の周波数成分に分解する第二の周波数変換手段と、
    前記第二の複数の周波数帯の周波数成分に対し、前記第一の複数の周波数帯の周波数成分を該第一の複数の周波数帯の周波数成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づき変換して得た周波数成分を加算することにより、前記第二の複数の周波数帯の周波数成分を変換する成分変換手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  18. 前記成分変換手段は前記第一の複数の周波数帯の周波数成分を前記階調変換手段の階調変換曲線の傾きに基づいて変換することを特徴とする請求項17に記載の画像処理装置。
  19. 前記成分変換手段は前記第二の複数の周波数帯の周波数成分のうち所定の低周波成分については変換を行わないことを特徴とする請求項17又は18に記載の画像処理装置。
  20. さらに、前記成分変換手段により変換された後の前記第二の複数の周波数帯の周波数成分を合成して画像を生成する逆周波数変換手段を有することを特徴とする請求項17乃至19の何れかに記載の画像処理装置。
  21. 前記第一及び第二の周波数変換手段は離散ウェーブレット変換処理を行い、前記成分変換手段は前記第一の周波数変換手段における離散ウェーブレット変換処理によって得たLLサブバンドを除く所定のサブバンドの成分を前記階調変換手段の階調変換曲線の傾きに基づいて変換することを特徴とする請求項17に記載の画像処理装置。
  22. 前記成分変換手段は前記第二の周波数変換手段における離散ウェーブレット変換処理によって得たLLサブバンドの成分については変換を行わないことを特徴とする請求項21に記載の画像処理装置。
  23. 前記成分変換手段は所定の閾値を超える絶対値を有する前記第一の複数の周波数帯の周波数成分を前記閾値以下の絶対値を有する前記第一の複数の周波数帯の周波数成分より抑制して変換することを特徴とする請求項17乃至22の何れかに記載の画像処理装置。
  24. 前記成分変換手段は所定の閾値を超える絶対値を有する第二の複数の周波数帯の周波数成分を実質的に変換しないことを特徴とする請求項17乃至22の何れかに記載の画像処理装置。
  25. 画像を階調変換する階調変換手段と、
    前記画像を複数の周波数帯の周波数成分に分解する周波数変換手段と、
    前記周波数変換手段により得た複数の周波数帯の周波数成分を該周波数成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づいて変換する成分変換手段と、
    前記成分変換手段で変換された周波数成分を合成して画像を生成する逆周波数変換手段と、
    前記逆周波数変換手段で生成された画像と前記階調変換手段で階調変換された画像とを加算する加算手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  26. 前記成分変換手段は前記周波数成分を前記階調変換手段の階調変換曲線の傾きに基づいて変換することを特徴とする請求項25に記載の画像処理装置。
  27. 前記成分変換手段は所定の低周波成分の値を0とすることを特徴とする請求項25又は26に記載の画像処理装置。
  28. 前記周波数変換手段は離散ウェーブレット変換処理を行い、前記成分変換手段は前記離散ウェーブレット変換処理によって得たLLサブバンドを除く所定のサブバンドの成分を前記階調変換手段の階調変換曲線の傾きに基づいて変換することを特徴とする請求項25に記載の画像処理装置。
  29. 前記成分変換手段は前記LLサブバンドの成分の値を0とすることを特徴とする請求項28に記載の画像処理装置。
  30. 前記成分変換手段は所定の閾値を超える絶対値を有する周波数成分を前記閾値以下の絶対値を有する周波数成分より抑制して変換することを特徴とする請求項25乃至29の何れかに記載の画像処理装置。
  31. 前記成分変換手段は所定の閾値を超える絶対値を有する周波数成分を0に変換することを特徴とする請求項25乃至29の何れかに記載の画像処理装置。
  32. 画像を複数の周波数帯の周波数成分に分解する周波数変換手段と、
    前記周波数変換手段により得た複数の周波数帯の周波数成分を該周波数成分の値及び階調変換特性に基づいて変換する成分変換手段と、
    前記成分変換手段で変換された周波数成分を合成して画像を生成する逆周波数変換手段と、
    前記逆周波数変換手段で生成された画像を前記階調変換特性で階調変換する階調変換手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  33. 前記成分変換手段は前記周波数成分を前記階調変換手段の階調変換曲線の傾きに基づいて変換することを特徴とする請求項32に記載の画像処理装置。
  34. 前記成分変換手段は所定の低周波成分については変換を行わないことを特徴とする請求項32又は33に記載の画像処理装置。
  35. 前記周波数変換手段は離散ウェーブレット変換処理を行い、前記成分変換手段は前記離散ウェーブレット変換処理によって得たLLサブバンドを除く所定のサブバンドの成分を前記階調変換手段の階調変換曲線の傾きに基づいて変換することを特徴とする請求項32乃至34の何れかに記載の画像処理装置。
  36. 前記成分変換手段は前記LLサブバンドの成分については変換を行わないことを特徴とする請求項35に記載の画像処理装置。
  37. 前記成分変換手段は所定の閾値を超える絶対値を有する周波数成分を前記閾値以下の絶対値を有する周波数成分より抑制して変換することを特徴とする請求項32乃至36の何れかに記載の画像処理装置。
  38. 前記成分変換手段は所定の閾値を超える絶対値を有する周波数成分を実質的に変換しないことを特徴とする請求項32乃至36の何れかに記載の画像処理装置。
  39. 画像を階調変換する階調変換手段と、
    前記画像又は前記画像が前記階調変換手段により階調変換された後の画像の高周波成分を該高周波成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づいて変換する成分変換手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  40. 前記成分変換手段は前記高周波成分を前記階調変換手段の階調変換曲線の傾きに基づいて変換することを特徴とする請求項39に記載の画像処理装置。
  41. 前記成分変換手段は所定の閾値を超える絶対値を有する高周波成分を前記閾値以下の絶対値を有する高周波成分より抑制して変換することを特徴とする請求項39又は40に記載の画像処理装置。
  42. 前記成分変換手段は所定の閾値を超える絶対値を有する高周波成分を実質的に変換しない、又はゼロとすることを特徴とする請求項39又は40に記載の画像処理装置。
  43. 画像を階調変換する階調変換手段と、
    前記画像の高周波成分を算出する高周波成分算出手段と、
    前記高周波成分算出手段により得た高周波成分を該高周波成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づいて変換する成分変換手段と、
    前記成分変換手段で変換された高周波成分と前記階調変換手段で階調変換された画像とを加算する加算手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  44. 前記成分変換手段は前記高周波成分を前記階調変換手段の階調変換曲線の傾きに基づいて変換することを特徴とする請求項43に記載の画像処理装置。
  45. 前記成分変換手段は所定の閾値を超える絶対値を有する高周波成分を前記閾値以下の絶対値を有する高周波成分より抑制して変換することを特徴とする請求項43又は44に記載の画像処理装置。
  46. 前記成分変換手段は所定の閾値を超える絶対値を有する高周波成分を0に変換することを特徴とする請求項43又は44に記載の画像処理装置。
  47. 画像を階調変換する階調変換手段と、
    前記階調変換手段で階調変換された画像の高周波成分を算出する高周波成分算出手段と、
    前記高周波成分算出手段により得た高周波成分を該高周波成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づいて変換する成分変換手段と、
    前記成分変換手段で変換された高周波成分と前記階調変換手段で階調変換された画像とを加算する加算手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
  48. 前記成分変換手段は前記高周波成分を前記階調変換手段の階調変換曲線の傾きに基づいて変換することを特徴とする請求項47に記載の画像処理装置。
  49. 前記成分変換手段は所定の閾値を超える絶対値を有する高周波成分を前記閾値以下の絶対値を有する高周波数成分より抑制して変換することを特徴とする請求項47又は48に記載の画像処理装置。
  50. 前記成分変換手段は所定の閾値を超える絶対値を有する周波数成分を0に変換することを特徴とする請求項47又は48に記載の画像処理装置。
  51. 画像を階調変換する階調変換工程と、
    前記画像又は前記画像が前記階調変換工程により階調変換された後の画像の複数の周波数帯の周波数成分を該周波数成分の値及び前記階調変換工程の階調変換特性に基づいて変換する成分変換工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
  52. 画像を階調変換する階調変換工程と、
    前記階調変換工程で階調変換された画像を複数の周波数帯の周波数成分に分解する周波数変換工程と、
    前記周波数変換工程により得た複数の周波数帯の周波数成分を該周波数成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づいて変換する成分変換工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
  53. 画像を第一の複数の周波数帯の周波数成分に分解する第一の周波数変換工程と、
    前記画像を階調変換する階調変換工程と、
    前記階調変換工程で階調変換された画像を第二の複数の周波数帯の周波数成分に分解する第二の周波数変換工程と、
    前記第二の複数の周波数帯の周波数成分に対し、前記第一の複数の周波数帯の周波数成分を該第一の複数の周波数帯の周波数成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づき変換して得た周波数成分を加算することにより、前記第二の複数の周波数帯の周波数成分を変換する成分変換工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
  54. 画像を階調変換する階調変換工程と、
    前記画像を複数の周波数帯の周波数成分に分解する周波数変換工程と、
    前記周波数変換工程により得た複数の周波数帯の周波数成分を該周波数成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づいて変換する成分変換工程と、
    前記成分変換工程で変換された周波数成分を合成して画像を生成する逆周波数変換工程と、
    前記逆周波数変換工程で生成された画像と前記階調変換工程で階調変換された画像とを加算する加算工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
  55. 画像を複数の周波数帯の周波数成分に分解する周波数変換工程と、前記周波数変換工程により得た複数の周波数帯の周波数成分を該周波数成分の値及び階調変換特性に基づいて変換する成分変換工程と、
    前記成分変換工程で変換された周波数成分を合成した画像を生成する逆周波数変換工程と、
    前記逆周波数変換工程で生成された画像を前記階調変換特性で階調変換する階調変換工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
  56. 画像を階調変換する階調変換工程と、
    前記画像又は前記画像が前記階調変換工程により階調変換された後の画像の高周波成分を該高周波成分の値及び前記階調変換工程の階調変換特性に基づいて変換する成分変換工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
  57. 画像を階調変換する階調変換工程と、
    前記画像の高周波成分を算出する高周波成分算出工程と、
    前記高周波成分算出工程により得た高周波成分を該高周波成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づいて変換する成分変換工程と、
    前記成分変換工程で変換された高周波成分と前記階調変換工程で階調変換された画像とを加算する加算工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
  58. 画像を階調変換する階調変換工程と、
    前記階調変換工程で階調変換された画像の高周波成分を算出する高周波成分算出工程と、
    前記高周波成分算出工程により得た高周波成分を該高周波成分の値及び前記階調変換手段の階調変換特性に基づいて変換する成分変換工程と、
    前記成分変換工程で変換された高周波成分と前記階調変換工程で階調変換された画像とを加算する加算工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
  59. 請求項1乃至50の何れかに記載の画像処理装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
  60. 請求項51乃至58の何れかに記載の画像処理方法の処理ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
  61. 請求項1乃至50の何れかに記載の画像処理装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
  62. 請求項51乃至58の何れかに記載の画像処理方法の処理ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  63. 対象画像から該対象画像の低周波成分と少なくとも1つの周波数帯の高周波成分とを作成する分解部と、
    前記分解部により得られた前記低周波成分及び前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分のうち、少なくとも前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分を変換する成分変換部と、
    前記成分変換部により変換された後の前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分と、前記対象画像又は前記低周波成分とを用いて処理後画像を生成する画像生成部とを有し、
    前記成分変換部は、前記分解部により得られた前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分における所定の閾値以上の絶対値を有する第1の要素と前記低周波成分とが前記対象画像から前記処理後画像への変化において実質的に同じ比率で変化するように、前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分と前記低周波成分とを変換する第1の変換と、前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分における前記所定の閾値未満の絶対値を有する第2の要素に対する、前記第1の変換とは異なる第2の変換とを行うことを特徴とする画像処理装置。
  64. 前記成分変換部は、前記対象画像から前記処理後画像への変化において前記低周波成分を不変とする変換を行う場合には、前記対象画像から前記処理後画像への変化において前記第1の要素が実質的に不変となるように、前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分を変換することを特徴とする請求項63に記載の画像処理装置。
  65. 前記成分変換部の前記第1の変換における前記同じ比率は1であることを特徴とする請求項63に記載の画像処理装置。
  66. 前記分解部は、前記対象画像を平滑化して前記低周波成分を作成する平滑化部と、
    前記対象画像から前記平滑化部により作成された低周波成分を減算して前記高周波成分を作成する減算部とから構成されることを特徴とする請求項63に記載の画像処理装置。
  67. 前記画像生成部は、前記対象画像に前記成分変換部により変換された後の前記高周波成分を加算して前記処理後画像を得ることを特徴とする請求項66に記載の画像処理装置。
  68. 前記成分変換部は、前記第1の要素を実質的に0に変換することを特徴とする請求項67に記載の画像処理装置。
  69. 前記画像生成部は、前記低周波成分に前記成分変換部により変換された後の前記高周波成分を加算して前記処理後画像を得ることを特徴とする請求項66に記載の画像処理装置。
  70. 前記成分変換部は、前記第1の要素を実質的に不変とすることを特徴とする請求項69に記載の画像処理装置。
  71. 前記画像生成部は、前記成分変換部により所定の比率で変換された前記低周波成分に対し、前記成分変換部により変換された後の前記高周波成分を加算して前記処理後画像を得ることを特徴とする請求項66に記載の画像処理装置。
  72. 前記成分変換部は、前記第1の要素を前記所定の比率で変換することを特徴とする請求項71に記載の画像処理装置。
  73. 前記分解部は、前記対象画像を低周波成分と複数の周波数帯の高周波成分とに分解することを特徴とする請求項63に記載の画像処理装置。
  74. 前記分解部は、離散ウェーブレット変換により前記対象画像を低周波成分と複数の周波数帯の高周波成分とに分解することを特徴とする請求項73に記載の画像処理装置。
  75. 前記分解部は、ラプラシアンピラミッド変換により前記対象画像を低周波成分と複数の周波数帯の高周波成分とに分解することを特徴とする請求項73に記載の画像処理装置。
  76. 前記画像生成部は、前記低周波成分及び前記成分変換部により変換された後の前記複数の周波数帯の高周波成分を合成して前記処理後画像を得ることを特徴とする請求項73に記載の画像処理装置。
  77. 前記成分変換部は、前記第1の要素を実質的に不変とすることを特徴とする請求項76に記載の画像処理装置。
  78. 前記画像生成部は、前記成分変換部により所定の比率で変換された前記低周波成分及び前記成分変換部により変換された後の前記複数の周波数帯の高周波成分を合成して前記処理後画像を得ることを特徴とする請求項73に記載の画像処理装置。
  79. 前記成分変換部は、前記第1の要素を前記所定の比率で変換することを特徴とする請求項78に記載の画像処理装置。
  80. 前記画像生成部は、前記成分変換部により変換された後の前記低周波成分及び前記複数の周波数帯の高周波成分を逆離散ウェーブレット変換により合成することを特徴とする請求項74に記載の画像処理装置。
  81. 前記画像生成部は、前記成分変換部により変換された後の前記低周波成分及び前記複数の周波数帯の高周波成分を逆ラプラシアンピラミッド変換により合成することを特徴とする請求項75に記載の画像処理装置。
  82. 前記成分変換部における前記所定の閾値を変更可能であることを特徴とする請求項63乃至81の何れかに記載の画像処理装置。
  83. 前記成分変換部における前記所定の閾値を、前記複数の周波数帯の高周波成分における所定の高周波成分の要素の絶対値の累積頻度分布に基づいて決定することを特徴とする請求項73乃至81の何れかに記載の画像処理装置。
  84. 前記成分変換部における前記所定の閾値は、前記複数の周波数帯における所定の周波数帯毎に設定可能であることを特徴とする請求項73乃至81の何れかに記載の画像処理装置。
  85. 前記成分変換部における前記所定の閾値を、前記複数の周波数帯における所定の周波数帯の空間周波数が低くなるほど大きくすることを特徴とする請求項73乃至81の何れかに記載の画像処理装置。
  86. 対象画像から該対象画像の低周波成分と少なくとも1つの周波数帯の高周波成分とを作成するステップと、
    前記作成ステップにより得られた前記低周波成分及び前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分のうち、少なくとも前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分を変換するステップと、
    前記変換ステップにより変換された後の前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分と、前記対象画像又は前記低周波成分とを用いて処理後画像を生成するステップとを有し、
    前記変換ステップは、前記作成ステップにより得られた前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分における所定の閾値以上の絶対値を有する第1の要素と前記低周波成分とが前記対象画像から前記処理後画像への変化において実質的に同じ比率で変化するように、前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分と前記低周波成分とを変換する第1の変換と、前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分における前記所定の閾値未満の絶対値を有する第2の要素に対する、前記第1の変換とは異なる第2の変換とを行うことを特徴とする画像処理方法。
  87. 請求項63乃至85の何れかに記載の画像処理装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
  88. 請求項86に記載の画像処理方法の処理ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータ可読記録媒体。
  89. 請求項63乃至85の何れかに記載の画像処理装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラム。
  90. 請求項86に記載の画像処理方法の処理ステップをコンピュータに実行させるためのプログラム。
  91. 対象画像から該対象画像の低周波成分と少なくとも1つの周波数帯の高周波成分とを作成する分解部と、
    前記分解部により得られた前記低周波成分と前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分とを変換する成分変換部と、
    前記成分変換部により変換された後の前記低周波成分と前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分とを用いて処理後画像を生成する画像生成部とを有し、
    前記成分変換部は、前記分解部により得られた前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分における所定の閾値以上の絶対値を有する第1の要素と前記低周波成分とが前記対象画像から前記処理後画像への変化において実質的に同じ比率で変化するように、前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分と前記低周波成分とを変換することを特徴とする画像処理装置。
  92. 前記成分変換部は、前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分における前記所定の閾値未満の絶対値を有する第2の要素を実質的に不変に維持することを特徴とする請求項91に記載の画像処理装置。
  93. 対象画像から該対象画像の低周波成分と少なくとも1つの周波数帯の高周波成分とを作成するステップと、
    前記作成ステップにより得られた前記低周波成分と前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分とを変換するステップと、
    前記変換ステップにより変換された後の前記低周波成分と前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分とを用いて処理後画像を作成するステップとを有し、
    前記変換ステップは、前記作成ステップにより得られた前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分における所定の閾値以上の絶対値を有する第1の要素と前記低周波成分とが前記対象画像から前記処理後画像への変化において実質的に同じ比率で変化するように、前記少なくとも1つの周波数帯の高周波成分と前記低周波成分とを変換することを特徴とする画像処理方法。
  94. 請求項91又は92の何れかに記載の画像処理装置の機能をコンピュータに実現させるためのプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
  95. 請求項93に記載の画像処理方法の処理ステップをコンピュータに実行させるためのプログラムを記憶したコンピュータ可読記憶媒体。
  96. 請求項91又は92の何れかに記載の画像処理装置の機能をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  97. 請求項93に記載の画像処理方法の処理ステップをコンピュータに実現させるためのプログラム。
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