JPH09212623A - 画像処理方法 - Google Patents

画像処理方法

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JPH09212623A
JPH09212623A JP8014512A JP1451296A JPH09212623A JP H09212623 A JPH09212623 A JP H09212623A JP 8014512 A JP8014512 A JP 8014512A JP 1451296 A JP1451296 A JP 1451296A JP H09212623 A JPH09212623 A JP H09212623A
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JP
Japan
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image
wavelet transform
signal
frequency band
transform coefficient
Prior art date
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Withdrawn
Application number
JP8014512A
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English (en)
Inventor
Kazuo Shimura
一男 志村
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP8014512A priority Critical patent/JPH09212623A/ja
Publication of JPH09212623A publication Critical patent/JPH09212623A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 原画像データを多重解像変換してノイズを低
減する画像処理を施す画像処理方法において、画像中必
要な領域を低減することなく、ノイズ成分のみを低減さ
せる。 【構成】 原画像データ1に対してウェーブレット変換
3を施し、複数の周波数帯域毎の画像データ3を得る。
次いで、各画像データ3に対して所定の閾値以下の信号
値を0とする画像処理4を行う。その後画像処理4が施
された画像データ3に対して逆ウェーブレット変換5を
施し、処理済画像データ6を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射線画像における
所定の周波数帯域に画像処理を施す画像処理方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】画像を表す画像信号を得、この画像信号
に適切な画像処理を施した後、画像を再生表示すること
が種々の分野で行われている。例えば放射線画像の診断
性能を向上させるために、画像信号に対してボケマスク
処理等の周波数強調処理を施す方法が本出願人により提
案されている(特開昭55-163772 等)。この周波数処理
は、原画像を表す画像信号からボケマスク信号を減算し
たものに強調度を乗じたものを加える処理を施すもの
で、これにより画像において所定の空間周波数成分を強
調するようにしたものである。
【0003】一方、上述した画像信号を処理するための
方法として、画像を複数の周波数帯域毎の多重解像度画
像に変換し、各周波数帯域の画像に対して所定の処理を
行って、再度これを逆多重解像度変換することにより、
最終的な処理済画像を得るための多重解像度変換なる方
法が提案されている。この多重解像度変換の方法として
はウェーブレット変換、ラプラシアンピラミッドあるい
はフーリエ変換等の方法が知られている。
【0004】ここで、ウェーブレット変換について説明
する。
【0005】ウェーブレット変換は、周波数解析の方法
として近年開発されたものであり、ステレオのパターン
マッチング、データ圧縮等に応用がなされているもので
ある(OLIVIER RIOUL and MARTIN VETTERLI;Wavelets a
nd Signal Processing,IEEESP MAGAZINE,P.14-38,OCTOB
ER 1991、Stephane Mallat;Zero-Crossings of a Wavel
et Transform,IEEE TRANSACTIONS ON INFORMATION THEO
RY,VOL.37,NO.4,P.1019-1033,JULY 1991 )。
【0006】このウェーブレット変換は、図9に示すよ
うな関数hを基底関数として、
【0007】
【数1】
【0008】なる式においてデータを複数の周波数帯域
毎の周波数信号に変換するため、フーリエ変換のような
偽振動の問題が発生しない。すなわち、関数hの周期お
よび縮率を変化させ、原信号を移動させることによりフ
ィルタリング処理を行えば、細かな周波数から粗い周波
数までの所望とする周波数に適合した周波数信号を作成
することができる。例えば、図10に示すように、信号
Sorg をウェーブレット変換し、各周波数帯域毎に逆ウ
ェーブレット変換した信号と、図11に示すように信号
Sorg をフーリエ変換し、各周波数帯域毎に逆フーリエ
変換した信号で見てみると、ウェーブレット変換はフー
リエ変換と比べて原信号Sorg の振動と対応した周波数
帯域の周波数信号を得ることができる。すなわち、フー
リエ変換において原信号Sorg の部分Bと対応する周波
数帯域7の部分B′には振動が発生しているのに対し、
ウェーブレット変換では原信号Sorg の部分Aと対応す
る周波数帯域W7の部分A′には原信号と同様に振動は
発生していないものとなる。
【0009】一方、ラプラシアンピラミッドなる方法は
例えば特開平5-244508号、特開平6-96200 、特開平6-30
1766号に記載されており、このラプラシアンピラミッド
は、原画像に対してガウス関数で近似されたようなマス
クによりマスク処理を施した後、画像をサブサンプリン
グして画素数を間引いて半分にすることにより、原画像
の1/4のサイズのボケ画像を得、このボケ画像のサン
プリングされた画素に値が0の画素を補間して元の大き
さの画像に戻し、この画像に対してさらに上述したマス
クによりマスク処理を施してボケ画像を得、このボケ画
像を原画像から減算して原画像の所定の周波数帯域を表
す細部画像を得るものである。この処理を得られたボケ
画像に対して繰り返すことにより原画像の1/22Nの大
きさのボケ画像をN個作成するものである。ここで、ガ
ウス関数で近似されたようなマスクによりマスク処理を
施した画像に対してサンプリングを行っているため、実
際にはガウシアンフィルタを用いているが、ラプラシア
ンフィルタをかけた場合と同様の処理済画像が得られ
る。そしてこのように原画像サイズの画像から順に1/
2Nの大きさの低周波数帯域の画像が得られるため、こ
の処理の結果得られた画像はラプラシアンピラミッドと
呼ばれる。
【0010】なお、このラプラシアンピラミッドについ
ては、Burt P.J.,“Fast Filter Transforms for Image
Processing”,Computer Graphics and Image Process
ing16巻、20〜51頁、1981年;Crowley J.L.,Stern R.
M.,“Fast Computation of the Difference of Low・Pa
ss Transform”IEEETrans.on Pattern Analysis andMac
hine Intelligence、6巻、2号、1984年3月、Mallat
S.G.,“A Theory forMultiresolution Signal Decompos
ition ;The Wavelet Representation”IEEETrans.on P
attern Analysis and Machine Intelligence 、11巻、
7号、1989年7月;Ebrahimi T.,Kunt M.,“Image comp
ression by Gabor Expansion”,Optical Engineering,
30巻、7号、873 〜880 頁、1991年7月、およびPieter
Vuylsteke,Emile Schoeters,“Multiscale Image Con
trast Amplification ”SPIEVol.2167 Image Processin
g(1994),pp551 〜560 に詳細が記載されている。
【0011】そしてこのようにして得られたラプラシア
ンピラミッドの全ての周波数帯域の画像に対して、画像
の値を強調するような処理を施し、この強調処理が施さ
れた各周波数帯域の画像を逆変換して処理済画像を得る
方法が上記特開平6-301766号に記載されている。この方
法は、各周波数帯域の画像信号に対して、下記の式 y=−m×(−x/m)p (x<0) y=m×(−x/m)p (x≧0) 但し、x:画像の各画素における画素値 y:強調処理が施された画像の各画素における画素値 m:画素のとりうる値の範囲(例えば、画素のとりうる
値の範囲が10ビットである場合m=1023とな
る。) により画像の強調を行うものである。すなわち、pの値
が小さいほど強調度が大きく、pの値が大きいほど強調
度が小さくされて画像の強調が行われる。そしてこのよ
うに処理が施された画像は、各周波数帯域において画像
が強調されているため、実質的に上述したボケマスク処
理において複数のサイズのマスクによりボケマスク処理
を施したような画像となっている。
【0012】一方、放射線画像においては、放射線量が
少なく濃度が低い部分において、放射線の量子ノイズが
目立ってしまう。このため、上記特開平6-96200 号にお
いては、放射線画像をラプラシアンピラミッドにより複
数の周波数帯域の画像に分解し、各周波数帯域の画像に
対して、各周波数帯域の画像信号の局所分散値を算出
し、この局所分散値の大きさに応じて画像信号に対して
非線形処理を施し、画像中のノイズ成分を低減するよう
にしている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上記特開平6-96200 号
に記載された方法においては、各周波数帯域の画像信号
の局所分散値に基づいて処理を行うようにしているた
め、放射線画像中にノイズ以外の必要な成分が含まれて
いる場合には、分散値が大きくなり、よりノイズを低減
することができることとなるが、同時に必要な成分をも
除去することとなってしまう。このため、処理を施すこ
とにより得られた画像において、ノイズだけではなく画
像中必要な成分までもが除去されてしまい、処理がなさ
れた放射線画像を観察する上で好ましくない。
【0014】本発明は上記事情に鑑み、放射線画像中の
必要な成分を除去することなく、ノイズ成分のみを除去
することができる画像処理方法を提供することを目的と
するものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による画像処理方
法は、放射線画像を表す画像信号を多重解像度空間に変
換することにより、該画像信号を複数の周波数帯域毎の
画像を表す周波数帯域画像信号に分解し、該複数の周波
数帯域画像信号のうち所定の周波数帯域画像信号に対し
て、該各信号値の絶対値が所定の閾値以下の信号値を0
とする処理を施し、該処理が施された周波数帯域画像信
号および他の周波数帯域画像信号を逆変換することによ
り処理済画像信号を得ることを特徴とするものである。
【0016】また、上記画像処理方法においては、前記
周波数帯域画像信号のうち比較的中間周波数帯域の周波
数帯域画像信号について、前記所定の閾値を他の周波数
帯域の閾値よりも大きくすることが好ましい。
【0017】さらに、前記周波数帯域画像信号の比較的
低濃度部分の前記閾値を前記周波数帯域画像信号の比較
的高濃度部の前記閾値よりも大きくすることが好まし
い。
【0018】
【発明の効果】放射線画像において、ノイズが目立つの
は比較的信号値が小さい低濃度部分である。本発明によ
る画像処理方法は、多重解像度空間に変換された複数の
周波数帯域の画像信号に対して、この画像信号値の絶対
値が所定の閾値以下の信号を0とする処理を施すように
したため、ノイズが目立つ比較的信号値の低濃度部分は
信号値が0となる。したがって、画像中のノイズと見な
せる低濃度部分を0とすることができ、これにより画像
中のノイズ成分を除去することができる。
【0019】また、比較的中間周波数帯域の画像信号に
対しては、他の周波数帯域の画像信号よりも閾値を高く
することにより、ノイズが目立つ中間周波数帯域につい
ては、より濃度の高い部分から信号値が0とされるた
め、ノイズをより一層低減することができる。
【0020】さらに、ノイズを低減させる際に、同時に
画像中の必要な信号成分をも低減させてしまうことがあ
るが、低濃度部の閾値を高濃度部の閾値よりも大きくす
ることにより、ノイズを低減する必要のない高濃度域に
おいて、ノイズはほとんど低減されず、ノイズが目立つ
低濃度域においてのみ低減されることとなり、画像中の
ノイズをより効果的に低減することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の実施
の形態について説明する。
【0022】図1は本発明による画像処理方法の基本的
概念を表す図である。図1に示すように、本発明による
画像処理方法は、放射線画像を表す原画像データ1に対
してウェーブレット変換2を施して複数の周波数帯域毎
の画像データ3を得る。次いで、各画像データ3に対し
て後述するような画像処理4を施す。そしてこの画像処
理が施された画像データ3に対して逆ウェーブレット変
換5を施して最終的な処理済画像データ6を得るもので
ある。
【0023】以下本発明による実施の形態の詳細につい
て説明する。
【0024】本実施の形態は、例えば特開昭55-12492号
公報や特開昭56-11395号等に記録されている蓄積性蛍光
体シートを利用した放射線画像情報記録再生システムに
おいて、蓄積性蛍光体シートに記録された人体の放射線
画像をレーザビーム走査によりデジタル画像データとし
て読み取ったものを対象としている。なお、放射線画像
の読み取りは、図2に示すように、蓄積性蛍光体シート
10に対して主走査方向(横方向)にレーザビームを走査
させながらシート10を副走査方向(縦方向)に移動させ
てシート10を2次元走査することにより行われたもので
ある。
【0025】次いで、原画像データに対してウェーブレ
ット変換がなされる。
【0026】図3は、原画像データSorg に対するウェ
ーブレット変換の詳細を表す図である。
【0027】なお、本実施の形態においては、ウェーブ
レット変換の各係数が直交する直交ウェーブレット変換
を行うものであり、前述したMarc Antonini らの文献に
記載されているものである。
【0028】図3に示すように、原画像データSorg の
主走査方向に基本ウェーブレット関数より求められる関
数gと関数hとによりフィルタリング処理を行う。すな
わち、このような関数g,hによる主走査方向に並ぶ画
素の一列毎のフィルタリング処理を副走査方向に一画素
ずつズラしながら行い、原画像データSorg の主走査方
向のウェーブレット変換係数信号Wg0,Wh0を求めるも
のである。
【0029】ここで、関数g,hは基本ウェーブレット
関数より一意に求められるものであり、例えば、関数h
は、以下の表1に示すものとなる。なお、表1において
関数h′は、ウェーブレット変換がなされた画像データ
に逆ウェーブレット変換を行う際に用いる関数を表すも
のである。また以下の式(2) に示すように関数gは関数
h′から求められ、逆ウェーブレット変換を行うための
関数g′は関数hから求められる。
【0030】
【表1】
【0031】 g′=(−1)n h g =(−1)n h′ …(2) このようにして、ウェーブレット変換係数信号Wg0、W
h0が求められると、ウェーブレット変換係数信号Wg0、
Wh0について、主走査方向の画素を1画素おきに間引
き、主走査方向の画素数を1/2 にする。ついで、この画
素が間引かれたウェーブレット変換係数信号Wg0、Wh0
それぞれの副走査方向に関数g,hによりフィルタリン
グ処理を行い、ウェーブレット変換係数信号WW0 ,W
0 ,VW0 およびVV0 を得る。
【0032】次いでウェーブレット変換係数信号W
0 ,WV0 ,VW0 およびVV0 について、副走査方
向の画素を1画素おきに間引くことを行い、副走査方向
の画素数を1/2 とする処理を行う。これにより、各ウェ
ーブレット変換係数信号VV0 ,WV0 ,VW0 ,WW
0 の画素数は原画像データSorg の画素数の1/4 とな
る。次いで、ウェーブレット変換係数信号VV0 の主走
査方向に関数g,hによりフィルタリング処理を行う。
【0033】すなわち、関数g,hにより主走査方向に
並ぶ画素の一列毎のフィルタリング処理を副走査方向に
一画素ずつズラしながら行い、ウェーブレット変換係数
信号VV0 の主走査方向のウェーブレット変換係数信号
Wg1およびWh1を求めるものである。
【0034】ここでウェーブレット変換係数信号VV0
は主副両方向について画素数が原画像データの1/2 とな
っているため、画像の解像度は原画像データと比較して
半分となっている。したがって、ウェーブレット変換係
数信号VV0 を関数g,hでフィルタリング処理を施す
ことにより、原画像データの周波数成分のうちウェーブ
レット変換係数信号VV0 が表す周波数成分よりも低周
波数成分を表すウェーブレット変換係数信号Wg1,Wh1
が求められる。
【0035】このようにして、ウェーブレット変換係数
信号Wg1,Wh1が求められると、ウェーブレット変換係
数信号Wg1,Wh1について、主走査方向の画素を1画素
おきに間引き、主走査方向の画素数をさらに1/2 とす
る。次いでウェーブレット変換係数信号Wg1、Wh1それ
ぞれの副走査方向に関数g,hによりフィルタリング処
理を行い、ウェーブレット変換係数信号WW1 ,W
1 ,VW1 およびVV1 を得る。
【0036】次いでウェーブレット変換係数信号W
1 ,WV1 ,VW1 ,VV1 について、副走査方向の
画素を1画素おきに間引き、副走査方向の画素数を1/2
とする処理を行う。これにより、各ウェーブレット変換
係数信号VV1 ,WV1 ,VW1,WW1 の画素数は原
画像データSorg の画素数の1/16となる。
【0037】以下、上述したのと同様にして、画素が間
引かれたウェーブレット変換係数信号VV1 の主走査方
向に関数g,hによりフィルタリング処理を行い、さら
に得られたウェーブレット変換係数信号の主走査方向の
画素を間引き、この画素を間引いたウェーブレット変換
係数信号について、副走査方向に関数g,hによりフィ
ルタリング処理を行い、ウェーブレット変換係数信号W
2 ,WV2 ,VW2,VV2 を得る。
【0038】このようなウェーブレット変換をN回繰り
返すことによりウェーブレット変換係数信号WW0 〜W
N ,WV0 〜WVN ,VW0 〜VWN ,およびVVN
を得る。ここで、N回目のウェーブレット変換により得
られるウェーブレット変換係数信号WWN ,WVN ,V
N ,VVN は、原画像データと比較して主副各方向の
画素数が(1/2)N となっているため、各ウェーブレット
変換係数信号はNが大きいほど周波数帯域が低く、原画
像データの周波数成分のうち低周波数成分を表すデータ
となる。
【0039】したがって、ウェーブレット変換係数信号
WWi (i=0〜N、以下同様)は、原画像データSor
g の主副両方向の周波数の変化を表すものであり、iが
大きいほど低周波信号となる。またウェーブレット変換
係数信号WVi は画像信号Sorg の主走査方向の周波数
の変化を表すものであり、iが大きいほど低周波信号と
なる。さらにウェーブレット変換係数信号VWi は画像
信号Sorg の副走査方向の周波数の変化を表すものであ
り、iが大きいほど低周波信号となる。
【0040】ここで、図4にウェーブレット変換係数信
号を複数の周波数帯域毎に表す図を示す。なお、図4に
おいては便宜上3回目のウェーブレット変換を行った状
態までを表すものとする。なお、図4においてウェーブ
レット変換係数信号WW3 は原画像を主副各方向が(1/
2)3 に縮小したものとなっている。
【0041】次いで、ウェーブレット変換係数信号WV
i ,VWi ,WWi に対して画像処理がなされる。以下
この画像処理について説明する。
【0042】本実施の形態によりウェーブレット変換が
施された放射線画像において、ノイズが目立つのは比較
的信号値が小さい低濃度部分である。したがって、本発
明による画像処理方法においては、上述したウェーブレ
ット変換により得られた各ウェーブレット変換係数信号
WVi ,VWi ,WWi に対して、信号値の絶対値が所
定の閾値以下の信号を0とする処理が施される。この処
理は、各ウェーブレット変換係数信号WVi ,VWi
WWi に対して、図5に示すテーブルにより信号値を処
理することにより行われる。図5に示すテーブルは、各
ウェーブレット変換係数信号WVi ,VWi ,WWi
信号値の絶対値が閾値Th1より小さい信号値を0とす
るように処理を行うものである。なお、放射線画像の中
間周波数帯域においては他の周波数帯域よりもノイズが
目立つため、この中間周波数帯域においては他の周波数
帯域よりも閾値を大きく設定することが好ましい。例え
ば図5の閾値Th2のように閾値の絶対値がTh1より
も大きい値を設定することが好ましい。
【0043】次いで、図5に示すテーブルにより処理が
施されたウェーブレット変換係数信号WVi ,VWi
WWi に対して逆ウェーブレット変換を施す。
【0044】図6は、逆ウェーブレット変換の詳細を表
す図である。
【0045】図6に示すように、まず各ウェーブレット
変換係数信号VVN ,VWN ,WVN ,WWN について
副走査方向に並ぶ画素間に1画素分の間隔をあける処理
を行う(図では×2と表示)。次いでこの間隔があけら
れたウェーブレット変換係数信号VVN を副走査方向に
前述した関数hとは異なる関数h′により、ウェーブレ
ット変換係数信号VWN を副走査方向に前述した関数g
とは異なる関数g′によりフィルタリング処理を行う。
すなわち、関数g′,h′によるウェーブレット変換係
数信号VVN ,VWN の副走査方向に並ぶ一列の画素毎
のフィルタリング処理を主走査方向に一画素ずつズラし
ながら行い、ウェーブレット変換係数信号VVN ,VW
N の逆ウェーブレット変換係数信号を得、これを2倍し
て加算することにより逆ウェーブレット変換係数信号W
hN′を得る。
【0046】このようにウェーブレット変換を行う関数
と逆ウェーブレット変換を行う関数とを異なるものとし
ているのは、以下のような理由からである。ウェーブレ
ット変換と逆ウェーブレット変換で同一の関数となる、
すなわち、直交する関数を設計することは難しく、直交
性、連続性、関数の短さ、対称性のいずれかの条件を緩
める必要がある。そこで、直交性の条件を緩めることに
より他の条件を満たす関数を選択したものである。
【0047】以上より、本実施の形態ではウェーブレッ
ト変換を行う関数h,gと逆ウェーブレット変換を行う
関数h′,g′とを双直交の異なるものとしている。し
たがって、ウェーブレット変換係数信号VVi ,V
i ,WVi ,WWi を関数h′,g′で逆ウェーブレ
ット変換することにより、原画像データを完全に復元で
きることとなる。
【0048】一方、これと並列して、ウェーブレット変
換係数信号WVN を副走査方向に関数h′により、ウェ
ーブレット変換係数信号WWN を副走査方向に関数g′
によりフィルタリング処理を行い、ウェーブレット変換
係数信号WVN ,WWN の逆ウェーブレット変換係数信
号を得、これを2倍して加算することにより逆ウェーブ
レット変換係数信号WgN′を得る。
【0049】次いで、逆ウェーブレット変換係数信号W
hN′,WgN′について主走査方向に並ぶ画素間に1画素
分の間隔をあける処理を行う。その後逆ウェーブレット
変換係数信号WhN′を主走査方向に関数h′により、逆
ウェーブレット変換係数信号WgN′を主走査方向に関数
g′によりフィルタリング処理し、ウェーブレット変換
係数信号WhN′,WgN′の逆ウェーブレット変換係数信
号を得、これを2倍して加算することにより逆ウェーブ
レット変換係数信号VVN-1 ′を得る。
【0050】次いでこの逆ウェーブレット変換係数信号
VVN-1 ′、ウェーブレット変換係数信号VWN-1 ,W
N-1 ,WWN-1 について副走査方向に並ぶ画素間に1
画素分の間隔をあける処理を行う。その後この逆ウェー
ブレット変換係数信号VVN-1 ′を副走査方向に前述し
た関数h′により、ウェーブレット変換係数信号VW
N-1 を副走査方向に前述した関数g′によりフィルタリ
ング処理を行う。すなわち、関数g′,h′によるウェ
ーブレット変換係数信号VVN-1 ′,VWN-1 の副走査
方向に並ぶ一列の画素毎のフィルタリング処理を主走査
方向に一画素ずつズラしながら行い、ウェーブレット変
換係数信号VVN-1 ′,VWN-1 の逆ウェーブレット変
換係数信号を得、これを2倍して加算することにより逆
ウェーブレット変換係数信号WhN-1′を得る。
【0051】一方、これと並列して、ウェーブレット変
換係数信号WVN-1 を副走査方向に関数h′により、ウ
ェーブレット変換係数信号WWN-1 を副走査方向に関数
g′によりフィルタリング処理を行い、ウェーブレット
変換係数信号WVN-1 ,WWN-1 の逆ウェーブレット変
換係数信号を得、これを2倍して加算することにより逆
ウェーブレット変換係数信号WgN-1′を得る。
【0052】次いで、逆ウェーブレット変換係数信号W
hN-1′,WgN-1′について主走査方向に並ぶ画素間に1
画素分の間隔をあける処理を行う。その後逆ウェーブレ
ット変換係数信号WhN-1′を主走査方向に関数h′によ
り、逆ウェーブレット変換係数信号WgN-1′を主走査方
向に関数g′によりフィルタリング処理し、ウェーブレ
ット変換係数信号WhN-1′,WgN-1′の逆ウェーブレッ
ト変換係数信号を得、これを2倍して加算することによ
り逆ウェーブレット変換係数信号VVN-2 ′を得る。
【0053】以下、順次逆ウェーブレット変換係数信号
VVi ′(i=−1〜N)を作成し、最終的に逆ウェー
ブレット変換係数信号VV-1′を得る。この最終的な逆
ウェーブレット変換係数信号VV-1′が処理済画像デー
タ6を表すものとなる。
【0054】このようにして得られたウェーブレット変
換係数信号VV-1′は図示しない画像再生装置に送られ
て、放射線画像の再生に供せられる。
【0055】この再生装置は、CRT等のディスプレイ
手段でもよいし、感光フイルムに光走査記録を行う記録
装置であってもよい。
【0056】ここで、再生された画像における比較的低
濃度の部分は、上述したように信号値を0とする処理が
施されているため、再生された画像におけるノイズ成分
は低減されているものである。したがって、ノイズのな
い高画質の画像を再生されることとなる。
【0057】なお、上述した処理において原画像データ
に対してウェーブレット変換を施す前に、図7に示すよ
うなテーブルにより原画像データを変換することが考え
られる。このようなテーブルにより原画像データを変換
することにより、低濃度部の信号コントラストを高濃度
部と比較して相対的に低下させることができる。そして
変換された原画像データに対してウェーブレット変換を
施した後、上述した図5に示すテーブルにより各ウェー
ブレット変換係数信号WVi ,VWi ,WWiに対して
閾値処理を行うと、低濃度部は高濃度部と比較して相対
的に高い閾値処理を施したこととなる。そして、閾値を
調整することにより高濃度部に対してはほとんど閾値処
理が施されないようにすることもできる。そして処理が
施されたウェーブレット変換係数信号WVi ,VWi
WWi を逆ウェーブレット変換して逆ウェーブレット変
換信号を得、この逆ウェーブレット変換信号に対して図
7により低下されたコントラストを元のコントラストに
戻す処理を行う。この処理は図8に示すテーブルにより
逆ウェーブレット変換信号を変換することにより行う。
そしてこの図8に示すテーブルにより処理された信号が
最終的な処理済画像データ6となる。この処理済画像デ
ータ6は上述した実施の形態と同様に再生に供される。
【0058】このような処理を行うことにより、低濃度
部のノイズのみがより一層低減され、高濃度部に対して
はほとんどノイズが低減されないようにすることがで
き、これによりノイズが目立つ低濃度領域のみを効果的
に低減することができる。
【0059】また、上述した実施の形態においては、ウ
ェーブレット変換を行うための関数h,h′として表1
に示すものを用いたが、これに限定されるものではなく
以下に示す表2、表3に示すものを用いてもよい。
【0060】
【表2】
【0061】
【表3】
【0062】また、これ以外にもウェーブレット変換を
行うことのできる関数であれば、いかなる関数を用いて
もよく、例えば双直交ではなく対称ではないが直交する
ものを用いてもよい。
【0063】さらに、表1,2および3に示すようにn
=0の軸に関して左右対称な関数のみではなく、n=0
の軸に関して左右非対称な関数を用いてウェーブレット
変換を行うようにしてもよいものである。このように左
右非対称な関数を用いてウェーブレット変換を行った場
合は、ウェーブレット変換を行った関数をn=0の軸に
関して左右を反転させた関数を用いて逆ウェーブレット
変換を行うものである。すなわち、左右非対称な関数
g,hについて、逆ウェーブレット変換を行う関数
g′,h′は、 g[n]=g′[−n] h[n]=h′[−n] …(3) 但し、[−n]は左右反転を表す。
【0064】となる。
【0065】さらに、上述した実施の形態においては、
ウェーブレット変換により、画像を多重解像度画像に変
換するようにしているが、これに限定されるものではな
く、上述したラプラシアンピラミッドの手法やフーリエ
変換により画像を多重解像度に変換するようにしてもよ
いものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像処理方法の基本的概念を表す
【図2】本発明に用いられる画像信号の読み取り方式を
表す図
【図3】ウェーブレット変換の詳細を表す図
【図4】ウェーブレット変換係数信号を表す図
【図5】ウェーブレット変換係数信号に対して閾値処理
を施すテーブルを表す図
【図6】逆ウェーブレット変換の詳細を表す図
【図7】原画像データのコントラストを低減させるテー
ブルを表す図
【図8】原画像データのコントラストを元に戻すテーブ
ルを表す図
【図9】ウェーブレット変換に用いられる基本ウェーブ
レット関数を表す図
【図10】ウェーブレット変換を説明するための図
【図11】フーリエ変換を説明するための図
【符号の説明】
10 蓄積性蛍光体シート h,h′,g,g′ ウェーブレット変換を行うため
の関数 VVi ,VWi ,WVi ,WWi (i=1〜n) ウェーブレット変換係数信号

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線画像を表す画像信号を多重解像度
    空間に変換することにより、該画像信号を複数の周波数
    帯域毎の画像を表す周波数帯域画像信号に分解し、 該複数の周波数帯域画像信号のうち所定の周波数帯域画
    像信号に対して、該各信号値の絶対値が所定の閾値以下
    の信号値を0とする処理を施し、 該処理が施された周波数帯域画像信号および他の周波数
    帯域画像信号を逆変換することにより処理済画像信号を
    得ることを特徴とする画像処理方法。
  2. 【請求項2】 前記周波数帯域画像信号のうち比較的中
    間周波数帯域の周波数帯域画像信号について、前記所定
    の閾値を他の周波数帯域の閾値よりも大きくすることを
    特徴とする請求項1記載の画像処理方法。
  3. 【請求項3】 前記周波数帯域画像信号の比較的低濃度
    部分の前記閾値を、前記周波数帯域画像信号の比較的高
    濃度部の前記閾値よりも大きくすることを特徴とする請
    求項1または2記載の画像処理方法。
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