JP3833028B2 - 実像式ファインダー光学系 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、銀塩フィルム用のカメラ,デジタルカメラ,ビデオカメラ等に用いられる実像式ファインダー光学系に関するものである。
【0002】
【従来技術】
従来より、撮像視野の確認のため実像式ファインダー光学系が用いられている。この実像式ファインダー光学系で発生するフレアを防止するために各種提案がなされている。例えば、特開平9−211547号公報では、光軸上から瞳がずれた時にファインダー内のレンズ周辺部の強い屈折力により発生するフレアを防止する遮光手段を有している。一方、特開平6−95215号公報では、像正立光学系内で反射しなかった光束による迷光を除去するための遮光手段を有している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、何れの先行技術もレンズ端部の端面での反射光については考慮されておらず、それによるフレア,ゴーストが発生する。若しくはそれを防止するためにレンズそのものの径を大きくする必要があり、ファインダーが大型化してしまう。
【0004】
本発明は、従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、レンズ自体を大きくすることなく、ゴースト,フレアを抑えた見えの良い実像式ファインダー光学系を提供することにある。
本発明の第2の目的は、薄型化に好適な構成を有する実像式ファインダー光学系を提供することにある。
本発明の第3の目的は、射出成形時のゲート部を有するレンズを用いた場合であっても見えの良い実像式ファインダー光学系またはレンズを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明による実像式ファインダー光学系は、正の屈折力を有する対物光学系と、前記対物光学系により形成された像を正立させる複数の反射部を有する像正立光学系と、正立された像を観察者の眼球へ導く接眼光学系とを有する実像式ファインダー光学系であって、前記像正立光学系の最も物体側の反射部における光軸の折り曲げ角が鋭角であり、前記対物光学系中の最も像正立光学系側にあるレンズは、光軸の折り曲げ方向側の端部が切除され、前記最も像正立光学系側にあるレンズの面上にレンズの端面での反射光を遮光する遮光手段が配置され、前記遮光手段を前記レンズの切除された端部側にのみ、又は、前記レンズの全周縁に設け、それにより前記遮光手段による光束の通過するレンズ中央部の開口形状を前記レンズの切除された端部側を実質上直線としたD字形状に構成し、前記レンズの光軸位置から最も離れたレンズ有効面端部から光軸位置までの長さをR、前記レンズの光軸位置に最も近いレンズ有効面端部から光軸位置までの長さをR ' 、前記レンズの光軸位置に最も近いレンズ端部から光軸位置に向って前記遮光手段の設けられる長さをD、前記レンズの光軸上の厚さをdとした時、0.1<D/R ' <0.4及び0.4<d/R<1.0なる条件を満足することを特徴としている。
【0006】
また、請求項2に記載の発明による実像式ファインダー光学系は、前記光軸の折り曲げ角をαとした時40°<α<65°なる条件を満足することを特徴としている。
また、請求項3に記載の発明による実像式ファインダー光学系は、前記対物光学系中の最も像正立光学系側にあるレンズの切除された端部の端面を前記像正立光学系側ほど光軸に近づくように傾斜させたことを特徴としている。
また、請求項4に記載の発明による実像式ファインダー光学系は、前記対物光学系が物体側から順に負の屈折力を有する第1群と、正の屈折力を有する第2群と、正または負の屈折力を有する第3群とを含み、前記第1群、第2群、第3群の各々の間隔を変化させることにより変倍を行うことを特徴としている。
また、請求項5に記載の発明による実像式ファインダー光学系は、前記対物光学系中の最も像正立光学系側のレンズが変倍のために移動することを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示した実施例に基づき説明する。図1は本発明に係る実像式ファインダー光学系の概略構成を示す光軸に沿う断面図である。図中、1は物体側から順に配列された負の第1レンズ群L1と正の第2レンズ群L2と正の第3レンズ群L3から成る対物光学系、2は非球面で形成された入射面2aと光軸Oを鋭角に折り曲げる反射部としてのダハ反射面2bを有し負の屈折力を備えたダハプリズム、3は対物光学系1により形成される中間像位置に配置された視野枠、4はなだらかな曲面をなす入射面4aと二つの反射面4b,4cと光束の透過しない面に形成されたプリズム成形時のゲート部4dを有する合成樹脂製のプリズム、5は接眼光学系である。この場合、ダハプリズム2とプリズム4は像正立光学系を構成している。また、第1レンズ群L1は固定されたままで、第2レンズ群L2と第3レンズ群L3を光軸Oに沿って移動させることにより、ズーミングが行なわれるようになっている。プリズム4の入射面4aはなだらかな曲面をなしているため、この面への光の入射により起こるゴーストは除去され、また、ダハ反射面2bでの反射角α=48゜、反射面4bでの反射角β=105゜、反射面4cでの反射面γ=123゜となるよう選定されていて、ファインダー光学系全体は薄型化するように構成されている。
【0009】
図2は第1レンズ群L1に相当する負レンズの拡大斜視図である。図に示される通り、この負レンズL1は、正規光束の透過する部分を残して他の部分を除去した略長方形をなしていて、透過する正規光束は対物レンズ1の中心に向って収束するが、その形状に合わせて各側面6を対物レンズ1の中心側ほど光軸Oに近付くように傾斜させて形成されている。それによりレンズの軽量化が図られている。また、各側面6が光軸Oに対して平行である場合には側面での反射光が図示しない観察者の眼球へ導かれ易くなるが、この側面を傾斜させることにより側面での反射光を対物レンズ1の図示しない鏡筒部周辺へ導き、これを吸収させることによりゴーストやフレアを低減させるようにしている。この場合、レンズに反射光を遮光する遮光手段を設ければ更にゴースト、フレアの除去が可能であることは云うまでもない。
【0010】
図3は第2レンズ群L2に相当する正レンズの拡大斜視図である。この正レンズL2は、正規光束が集まる部分に配置されるためレンズ径は小さくて済む。そのため、射出成形時のゲート部7を残しても光学系全体が大型化することはない。但し、ゲート部7の近辺では面精度が悪くなるため、本実施例ではゲート部7近辺のみに遮光塗料8を塗布して光学性能を向上させるようにしている。
【0011】
図4は第3レンズ群L3に相当する正レンズの光軸に沿う拡大断面図、図5は図4の左側面図である。図5に示される通り、この正レンズL3は、ダハ反射面2bによる光軸Oの折り曲げ方向の端部9が直線状に切除されていて、正面図が略D字形状をなすように成形されている。そして、この端部9側の端面には、そこへ入射する光線を遮光するため遮光手段としての遮光塗料10が塗布されている。本実施例では、その塗布範囲は、光軸位置Pから最も遠いレンズ有効面端縁までの長さをR、光軸位置Pから最も近いレンズ有効面端縁までの長さをR′、光軸位置Pから最も近いレンズ有効面端縁から光軸位置Pへ向って遮光手段が設けられるべき長さをD、レンズの光軸上の厚さをdとした時、R=2.75mm、R′=2.3mm、D=0.68mm、d=1.7093mmで、D/R′≒0.296、d/R≒0.622となるように選定されている。
【0012】
図6は上記実施例に係る実像式ファインダーの光軸Oに沿う展開図であり、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を示している。以下、本実施例のファインダーに関する各種数値データを示す。
【0013】
【0014】
【0015】
円錐係数及び非球面係数
第2面
K=-7.4745
A4 =9.4793×10-4 A6 =7.8368×10-5
A8 =-1.1259 ×10-5 A10=3.4350×10-7
【0016】
第3面
K=-0.5225
A4 =-6.7046 ×10-4 A6 =1.1542×10-4
A8 =-1.4425 ×10-5 A10=8.2692×10-7
【0017】
第6面
K=-10.8965
A4 =-2.8795 ×10-4 A6 =3.1438×10-5
A8 =-4.2576 ×10-6 A10=3.2600×10-7
【0018】
第7面
K=1.3058
A4 =-4.6174 ×10-4 A6 =-5.4411 ×10-5
A8 =9.0328×10-6 A10=-5.2268 ×10-7
【0019】
第12面
K=1.0137
A4 =-2.1030 ×10-4 A6 =3.1374×10-6
A8 =-1.6951 ×10-7 A10=3.0109×10-9
【0020】
又、図7は本実施例のファインダーにおける収差曲線図であり、(a)は広角端,(b)は中間,(c)は望遠端での状態を示す。
なお、各種数値データにおいて、r1 ,r2 ,・・・・はレンズ等各光学素子面の曲率半径、d1 ,d2 ,・・・・は各光学素子の肉厚又はそれらの間隔、nd1 ,nd2 ,・・・・は各光学素子の屈折率、νd1 ,入d2 ,・・・・は各光学素子のアツベ数を示している。又、前記各非球面形状は、光軸上の光の進行方向をX軸、光軸と直交する方向をY軸にとり、円錐係数をK、非球面係数をA4 ,A6 ,A8 ,A10とするとき、以下に示す式により与えられる。
【0021】
本実施例は、上述のように構成されることにより、ファインダー光学系の小型化、薄型化、レンズ端面で発生するフレア、ゴーストの防止、性能の向上を図っている。
即ち、有効光束を通すために必要とする領域を確保すると共に、不要な部分を除去するべくレンズの外形を非回転対称な形状とすることにより、ファインダー光学系全体を小型化できる。しかしながら、光軸からの距離が近い端部では、そこに入射した光束がフレア、ゴーストとなる可能性が高くなるため、その非回転対称のレンズの端面での反射光を遮光する遮光手段を前記レンズに隣接して設けることにより、ファインダー光学系の小型化とゴースト、フレアの低減とを両立させることができる。
【0022】
また、像正立光学系の最も物体側の反射面における光軸の折り曲げ角を鋭角とすることにより、光軸を一旦物体側に折り曲げるため、その後の反射面の配置により実像式ファインダーの薄型化が達成できる。しかしながら、その際に対物光学系と折り曲げられた光路や周辺の部材とが干渉してしまうと、小型化の妨げとなる。そこで、対物光学系中のレンズのうち最も像正立光学系側のレンズを光軸の折り曲げ方向側の端部が除去された形状とすることにより、対物光学系と折り曲げ光路やその周辺部材との干渉を防ぐことができるので、実像式ファインダー光学系の小型化が達成できる。なお、対物光学系中のレンズのうち最も像正立光学系側のレンズの形状をD字形状とすると、除去した部分以外では、光量を十分確保できるのでより好ましい。
【0023】
なお、上記実施例では、端部の一部が切除されたD字形状のレンズの、切除された端部にのみ遮光手段を隣接配置したが、本発明はこれに限定されるものではなく、図8に示されたようにD字形状のレンズの全周縁部を遮光するようにしても良いし、図9に示されるように二方向の端部が切除されてその全周縁部を遮光するようにしても良いし、図10に示されるように三方向の端部が切除されてその全周縁部を遮光するようにしても良いし、図11に示されるように四方向の端部が切除されてその全周縁部を遮光するようにしても良く、その他種々の構成が可能である。ゲート部を有するレンズについても同様に、D字形状の開口にしてゲート側より遮光しても良い。また、遮光の仕方も塗装に限らず、レンズの前面から僅かに間隔を空けて設けた絞りを用いるようにしても良い。
【0024】
また、対物光学系も例えば負正負のレンズ構成であっても良いし、単焦点等であっても良く、種々の構成を採用し得る。
また、像正立光学系も実施例に限定されることなく、例えば、図12に示されたようにダハプリズム2とペンタプリズム11の組み合わせ、図13に示されたように二つの楔状プリズム12とダハミラー13の組み合わせ、図14に示されたようにペンタプリズム11とダハプリズム2の組み合わせ、図15に示されたように三角プリズム14とペンタダハプリズム15の組み合わせ、図16に示されたように鈍角反射面16とZ字光路をとるダハ反射面を有するプリズム17との組み合わせ等種々の構成が可能である。
なお、対物光学系1を構成するレンズ群L1,L2,L3は、ズーミングのため光軸上を移動させる場合があるが、このために各レンズには図示しない可動用の突出部を夫々一体成形しても良い。
【0025】
以上説明したように、本発明による実像式ファインダー光学系は、特許請求の範囲に記載した特徴のほかに下記の如き特徴も有する。
【0026】
(1)前記対物光学系中の最も像正立光学系側にあるレンズは、光軸の折り曲げ方向側の端部が切除されている請求項3に記載の実像式ファインダー光学系。これにより、最も干渉し易いレンズに対策が施せるので、ファインダーの薄型化に好適である。なお、対物光学系中の最も像正立光学系側のレンズの形状をD字形状にすると、除去した部分以外では光量を十分確保できるので、より好ましい。
【0027】
(2)前記光軸の折り曲げ角度αが40゜<α<65゜なる条件を満足する請求項2または3または上記(1)に記載の実像式ファインダー光学系。角度αがこの条件式の下限を越えて小さくなると光軸の折り曲げ角度が小さすぎて対物光学系と折り曲げ光路や周辺部材との干渉が起こり易くなる。また、上限を越えて大きくなると像正立光学系が大型化してしまいファインダーの小型化に不利である。
【0028】
(3)前記遮光手段は前記レンズの面上に配置されている請求項1に記載の実像式ファインダー光学系。それにより遮光手段とレンズ面との間の間隔を零にすることができて全体を薄くすることができ、また、遮光手段の取り付け誤差等の煩わしい製造誤差を考慮する必要がなくなる。レンズの物体側面に遮光塗料を塗布する構成とすると構成が簡単となり好ましい。
【0029】
(4)前記遮光手段は前記レンズの切除された端部側にのみ設けられている請求項1または3または上記(1)または(3)に記載の実像式ファインダー光学系。それにより、ゴースト、フレアの発生し易い部分では有害光が低減すると共に他の部分では必要な光量を確保することが出来る。
【0030】
(5)前記遮光手段を前記レンズの全周縁に設け、前記遮光手段による光束の通過するレンズ中央部の開口形状を光軸から最も近いレンズ端部側を実質上直線としてD字形状に構成した請求項1または3または上記(1)または(3)に記載の実像式ファインダー光学系。それにより、ゴースト、フレアの発生し易い部分では有害光を低減させると共に他の部分では光量の確保とゴースト、フレアの除去ができる。
【0031】
(6)前記非回転対称形状のレンズの光軸位置から最も離れたレンズ有効面端部までの長さをR、前記レンズの光軸位置から最も近いレンズ有効面端部までの長さをR′、前記レンズの光軸位置から最も近いレンズ端部から光軸位置に向って前記遮光手段の設けられる長さをD、前記レンズの光軸上の厚さをdとした時、0.1<D/R′<0.4及び0.4<d/R<1.0なる条件を満足する請求項1または3または上記(1),(3),(4)または(5)に記載の実像式ファインダー光学系。D/R′の値が、上記条件式の下限を越えて小さくなると遮光範囲が小さくなってフレアやゴーストの除去が不十分となり、また上限を越えて大きくなると遮光範囲が大きくなり過ぎて必要とする光束を遮断してしまうか若しくはレンズの径を大きくする必要が生じて十分な小型化が達成できなくなる。また、d/Rの値が上記条件式の下限を越えて小さくなると、レンズ径が大きくなるか必要な屈折力が得にくくなり好ましくない。逆にd/Rの値が上記条件式の上限を越えて大きくなると、ゴーストやフレアが除去しきれなくなるか必要な光量が得られなくなる。
【0032】
(7) 前記レンズの切除された端部の端面を前記像正立光学系側ほど光軸に近付くように傾斜させた請求項2または上記(1)または(2)に記載の実像式ファインダー光学系。それにより、折り曲げられた光路と対物光学系との干渉を防ぐことができ、より薄型化が図れる。特に、対物光学系中の最も像正立光学系側のレンズの端面を切除する場合に効果的である。
【0033】
(8)前記対物光学系が物体側から順に負の屈折力を有す第1群と、正の屈折力を有する第2群と、正または負の屈折力を有する第3群とを含み、前記第1群、第2群、第3群の各々の間隔を変化させることにより変倍を行う請求項1乃至3の何れかまたは上記(1)乃至(7)の何れかに記載の実像式ファインダー光学系。それにより、対物レンズ全体をレトロフォーカスタイプに構成することができるので、バックフォーカスが長く且つレンズの配置される部分の長さを短くすることができ、ファインダーの薄型化に有利となる。また、ズームレンズであるため、レンズの移動するスペースが必要でファインダー光学系全体が厚くなり易いが、上記薄型化の利点によりファインダーが厚くなるのを防止し得る。
【0034】
(9)前記対物光学系中の最も像正立光学系側のレンズが変倍のために移動する上記(8)に記載の実像式ファインダー光学系。それにより、変倍の際の光束の変化が大きくなり、移動するレンズの端部が切除されていれば像正立光学系との干渉を起こさずに移動スペースを確保できるので、高変倍化が可能である。
【0035】
(10)正の屈折力を有する対物光学系と、該対物光学系により形成された像を正立させる複数の反射部を有する像正立光学系と、該像正立光学系により正立された像を観察者の眼球へ導く接眼光学系とを有し、前記対物光学系中の少なくとも一つのレンズは端部の少なくとも一部が切除された非回転対称な外形のレンズであり、該レンズの切除された端部の端面は光軸に対して傾斜せしめられている実像式ファインダー光学系。それにより、端面が光軸と平行なときに反射光が眼球に導かれる場合、端面を光軸に対し傾斜させることで反射光の方向を変えることができ、ゴーストやフレアを低減させることが出来る。
【0036】
(11)前記端面を前記対物光学系の中心側ほど光軸に近付くように傾斜させた上記(10)に記載の実像式ファインダー光学系。それにより、像の観察に必要とする光束の光路を遮らずにレンズを軽量化することが出来る。
【0037】
(12)正の屈折力を有する対物光学系と、該対物光学系により形成された像を正立させる複数の反射面を有する像正立光学系と、正立された像を観察者の眼球へ導く接眼光学系とを有し、前記対物光学系または前記接眼光学系中の少なくとも一つのレンズが作成時に生じるゲート部を端部に有し、前記ゲート部側の端部に入射する入射光を遮光する遮光手段を前記レンズに隣接または空気間隔のみを空けて設けたことを特徴とする実像式ファインダー光学系。レンズをプラスチック等で形成する場合の溶融樹脂入口部分即ちゲート部分のレンズ面は一般に面精度が悪く、従ってその部分を通過した光では良好な像が得られないことがある。そこで、ゲート部側の端部に入射する光を遮光する遮光手段をレンズに隣接または空気間隔のみを空けて設けることにより、ゲート部近辺に入射しようとする光束を遮光し、良好な像に寄与する光束のみレンズを通過させることで良好な像を観察することが可能となる。
【0038】
(13)前記遮光手段は前記レンズの面上に配設されている上記(12)に記載の実像式ファインダー光学系。それにより、ファインダーの薄型化が達成でき、また、遮光手段の取り付け誤差等の煩わしい製造誤差に対する考慮も不要となる。遮光手段は、レンズの物体側表面に遮光塗料を塗布することにより設けるようにするのが構成上好ましい。
【0039】
(14)前記遮光手段は前記レンズのゲート部を有する端部側のみに設けられている上記(12)または(13)に記載の実像式ファインダー光学系。それにより、面精度の悪い部分を透過する光を低減させると共に、他の部分では光量を確保することが出来る。
【0040】
(15)前記遮光手段を前記レンズの全周縁部に設け、前記遮光手段による光束の通過するレンズ中央部の開口形状を、ゲート部を有する端部側を実質上直線としたD字形状に構成した上記(12)または(13)に記載の実像式ファインダー光学系。それにより、面精度の悪い部分を透過する光を低減させると共に、他の部分では光量の確保とゴーストやフレアの除去が達成され得る。
【0041】
(16)ゲート部を有するレンズであって、前記ゲート部側のレンズ端部に遮光手段を設けたことを特徴とするレンズ。
【0042】
(17)ゲート部を有するレンズであって、遮光手段を前記レンズの全周縁部に設け、光束の通過するレンズ中央部の開口形状を、前記ゲート部を有する端部側を実質上直線としたD字形状に構成したことを特徴とするレンズ。
【0043】
(18)前記遮光手段が前記レンズの面上に配設されている上記(16)または(17)に記載のレンズ。
【0044】
【発明の効果】
上述の如く、本発明によれば、構成レンズ自体を大きくすることなく、ゴーストやフレアを抑えた見えの良い実像式ファインダー光学系を提供することが出来る。また、薄型化に好適な構成を有する実像式ファインダー光学系を提供することが出来る。また、ゲート部を有するレンズを用いた場合でも見えの良い実像式ファインダー光学系を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実像式ファインダー光学系の一実施例の概略構成を示す断面図である。
【図2】図1に示された実像式ファインダー光学系における対物光学系の第1群レンズの拡大斜視図である。
【図3】図1に示された実像式ファインダー光学系における対物光学系の第2群レンズの拡大斜視図である。
【図4】図1に示された実像式ファインダー光学系における対物光学系の第3群レンズの光軸に沿う拡大断面図である。
【図5】図4の左側面図である。
【図6】図1に示す実像式ファインダー光学系の光軸に沿う展開図で、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を夫々示している。
【図7】図1に示す実像式ファインダー光学系における収差曲線図で、(a)は広角端、(b)は中間、(c)は望遠端での状態を夫々示している。
【図8】図4に示された対物光学系の第3群レンズの一変形例を示す図5と同様の側面図である。
【図9】図4に示された対物光学系の第3群レンズの他の変形例を示す図5と同様の側面図である。
【図10】図4に示された対物光学系の第3群レンズの更に他の変形例を示す図5と同様の側面図である。
【図11】図4に示された対物光学系の第3群レンズの更に他の変形例を示す図5と同様の側面図である。
【図12】本発明に係る実像式ファインダー光学系の他の実施例の概略構成を示す断面図である。
【図13】本発明に係る実像式ファインダー光学系の更に他の実施例の概略構成を示す断面図である。
【図14】本発明に係る実像式ファインダー光学系の更に他の実施例の概略構成を示す断面図である。
【図15】本発明に係る実像式ファインダー光学系の更に他の実施例の概略構成を示す断面図である。
【図16】本発明に係る実像式ファインダー光学系の更に他の実施例の概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1 対物光学系
2 ダハプリズム
2a,4a 入射面
2b ダハ反射面
3 視野枠
4,17 プリズム
4b,4c,16 反射面
4d,7 ゲート部
5 接眼光学系
6 レンズ側面
8,10 遮光塗料
9 レンズ端部
11 ペンタプリズム
12 楔上プリズム
13 ダハミラー
14 三角プリズム
15 ペンタダハプリズム
L1 第1レンズ群
L2 第2レンズ群
L3 第3レンズ群
O 光軸
Claims (5)
- 正の屈折力を有する対物光学系と、前記対物光学系により形成された像を正立させる複数の反射部を有する像正立光学系と、正立された像を観察者の眼球へ導く接眼光学系とを有する実像式ファインダー光学系であって、
前記像正立光学系の最も物体側の反射部における光軸の折り曲げ角が鋭角であり、
前記対物光学系中の最も像正立光学系側にあるレンズは、光軸の折り曲げ方向側の端部が切除され、
前記最も像正立光学系側にあるレンズの面上にレンズの端面での反射光を遮光する遮光手段が配置され、
前記遮光手段を前記レンズの切除された端部側にのみ、又は、前記レンズの全周縁に設け、それにより前記遮光手段による光束の通過するレンズ中央部の開口形状を前記レンズの切除された端部側を実質上直線としたD字形状に構成し、
前記レンズの光軸位置から最も離れたレンズ有効面端部から光軸位置までの長さをR、前記レンズの光軸位置に最も近いレンズ有効面端部から光軸位置までの長さをR ' 、前記レンズの光軸位置に最も近いレンズ端部から光軸位置に向って前記遮光手段の設けられる長さをD、前記レンズの光軸上の厚さをdとした時、
0.1<D/R ' <0.4
及び
0.4<d/R<1.0
なる条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。 - 前記光軸の折り曲げ角をαとした時
40°<α<65°
なる条件を満足することを特徴とする請求項1に記載の実像式ファインダー光学系。 - 前記対物光学系中の最も像正立光学系側にあるレンズの切除された端部の端面を前記像正立光学系側ほど光軸に近づくように傾斜させたことを特徴とする請求項1又は2に記載の実像式ファインダー光学系。
- 前記対物光学系が物体側から順に負の屈折力を有する第1群と、正の屈折力を有する第2群と、正または負の屈折力を有する第3群とを含み、前記第1群、第2群、第3群の各々の間隔を変化させることにより変倍を行うことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の実像式ファインダー光学系。
- 前記対物光学系中の最も像正立光学系側のレンズが変倍のために移動することを特徴とする請求項4に記載の実像式ファインダー光学系。
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