JP2004004447A - 実像式ファインダー光学系及びそれを備えた撮像装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】良好な光学性能を維持しつつカメラの小型化・低コスト化に好適な構成の像正立光学系を備えた実像式ファインダー光学系とそれを備えた撮像装置。
【解決手段】正屈折力の対物レンズ群10と、正屈折力の接眼レンズ群30とを有し、対物レンズ群10は、負レンズからなる第1群G1、正レンズからなる第2群G2、正レンズからなる第3群G3、負屈折力を有し像反転光学系20の一部をなす第4群G4からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1群G1は固定、第2群G2と第3群G3が可動、第4群G4が固定で、接眼レンズ群30は、像反転光学系20の一部をなす第5群G5と、正屈折力の第6群G6を有し、第1〜第3群の広角端におけるバックフォーカスに関する条件式等を満足する。
【選択図】 図1
【解決手段】正屈折力の対物レンズ群10と、正屈折力の接眼レンズ群30とを有し、対物レンズ群10は、負レンズからなる第1群G1、正レンズからなる第2群G2、正レンズからなる第3群G3、負屈折力を有し像反転光学系20の一部をなす第4群G4からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1群G1は固定、第2群G2と第3群G3が可動、第4群G4が固定で、接眼レンズ群30は、像反転光学系20の一部をなす第5群G5と、正屈折力の第6群G6を有し、第1〜第3群の広角端におけるバックフォーカスに関する条件式等を満足する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、実像式ファインダー光学系及びそれを備えた撮像装置に関し、特に、撮影光学系とファインダー光学系とが別体に構成されたレンズシャッターカメラや電子スチルカメラ等に用いるのに適した実像式ファインダー光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レンズシャッターカメラに用いられるファインダーについては、虚像式ファインダーと実像式ファインダーが一般に知られているが、カメラの小型化を実現しようとする場合、虚像式ではレンズ径が大きくなってしまうため、実像式ファインダーを用いることになる。
【0003】
近年、各メーカー共カメラの小型化・低コスト化が進んでいる。カメラに搭載されるファインダー光学系にもさらなる小型化・低コスト化が要求されている。従来より、対物レンズの光学系として、プリズムも一つのレンズ群として扱うと、2群ズームタイプ、3群ズームタイプ、4群ズームタイプ等が提案されている。この中、変倍比が大きい実像式変倍ファインダーにおいては、対物光学系の構成を4群ズームタイプとするのが収差補正を良好に行う上で好ましい。また、一つの群に2枚以上のレンズを使用すると、その分変倍時の移動群の移動量が制限されてしまい、各レンズ群のパワーを強くしなければならず、製造時の偏心誤差等による性能劣化が大きくなってしまうので好ましくないし、小型化、低コスト化のためにも対物光学系の各レンズ群は1枚のレンズ(プリズムも含む)で構成するのが好ましい。
【0004】
4群ズームタイプの中、第1レンズ群を正レンズで構成すると、入射瞳位置が一次結像面側へ寄ってしまいレンズ径が大きくなってしまうので、第1レンズ群は負レンズで構成することが望ましい。また、第2レンズ群、第3レンズ群を正レンズ群とすることで、第1レンズ群〜第3レンズ群でのバックフォーカスを長くすることができるため、プリズム構成の自由度が大きくなり、小型化する上で好ましい。第4レンズ群(プリズム)を正レンズにすると、レンズ径が大きくなってしまい好ましくない。プリズム構成の自由度を確保するためにも、より有効径の小さい負レンズにするべきである。
【0005】
このように、対物レンズ群の構成を各群1枚のレンズからなる4つの群で構成し、物体側より順に、負、正、正、負の構成をとっているファインダーとして、特許文献1〜6等のものがある。しかし、これらは何れも第1レンズ群〜第3レンズ群のバックフォーカスがまだ十分に大きいとはいえず、自由度の高いプリズム構成が可能な設計にはなっていない。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−164964号公報(段落〔0011〕〜〔0029〕、図1〜図15)
【0007】
【特許文献2】
特開平8−240769号公報(段落〔0022〕〜〔0080〕、図1〜図13)
【0008】
【特許文献3】
特開平11−194271号公報(段落〔0024〕〜〔0070〕、図1〜図5)
【0009】
【特許文献4】
特開平11−242167号公報(段落〔0041〕〜〔0218〕、図1〜図18)
【0010】
【特許文献5】
特開2000−347101号公報(段落〔0015〕〜〔0046〕、図1〜図12)
【0011】
【特許文献6】
特開2001−133700号公報(段落〔0008〕〜〔0024〕、図1〜図16)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、良好な光学性能を維持しつつカメラの小型化・低コスト化に好適な構成の像正立光学系を備えた実像式ファインダー光学系とそれを備えた撮像装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の第1の実像式ファインダー光学系は、物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とするものである。
【0014】
1.60<fb(w)/fw <3.0 ・・・(1)
ただし、fb(w)は第1レンズ群〜第3レンズ群の広角端におけるバックフォーカス、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。
【0015】
本発明の第1の実像式ファインダー光学系において、このような構成をとる理由と作用を説明する。
【0016】
対物レンズ系を、物体側から順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群とすることで、入射瞳位置を前方に配することができ、広角端で大きくなりがちな前玉径を小さくすることができると共に、バックフォーカスを大きく取ることができるので、第4レンズ群にて形成するプリズム光学系のレイアウトの自由度が高くなる。また、第4レンズ群(プリズム)を負屈折力とすることで、第4レンズ群の入射側の有効径を小さくすることができるため、これもプリズム光学系のレイアウトの自由度を高くしている。プリズム光学系のレイアウトの自由度が高くなるということは、他の構成部品の配置の自由度も高まるため、その結果、カメラを薄くしたり小さくすることが可能になる。また、変倍時には、対物レンズ系の全長を変化させることなく、第2レンズ群と第3レンズ群のみを移動させている。これにより、カム構造等が複雑になることを防ぎ、低コスト化が可能になっている。また、条件式(1)の下限の1.60を越えて小さくなると、バックフォーカスが小さくなるため、プリズムレイアウトの自由度が小さくなり不都合である。条件式(1)の上限の3.0を越えて大きくなると、十分な性能を確保することが困難になる。
【0017】
本発明の第2の実像式ファインダー光学系は、物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とするものである。
【0018】
−2.0<(D1w−D1t)/(fw −ft )<−0.7 ・・・(2)
ただし、D1wは広角端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔、D1tは望遠端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離、ft は第1レンズ群〜第4レンズ群の望遠端における合成焦点距離である。
【0019】
本発明の第2の実像式ファインダー光学系において、このような構成をとる理由と作用を説明する。
【0020】
条件式以外は、第1の実像式ファインダー光学系と同様であり、条件式(2)は、広角端から望遠端までの変倍したときの第1レンズ群と第2レンズ群との間隔の変化量を焦点距離の変化量で規格化したものである。本発明では、変倍時に第1レンズ群は移動しないので、変倍時の第1レンズ群と第2レンズ群との間隔の変化量とは即ち第2レンズ群の移動量ということになる。条件式(2)の下限の−2.0を越えて小さくなると、焦点距離の変化量に対して第2レンズ群の移動量が大きくなり、例えばテイキングレンズと変倍を同調させるためのカムの形状が正常な動作をさせるための範囲を越えてしまったりといった機械的構成上の不都合が生じる。また、条件式(2)の上限の−0.7を越えて大きくなると、焦点距離の変化量に対して第2レンズ群の移動量が小さすぎるため、第2レンズ群のパワーを強くしなければならず、偏心に対する性能劣化等が大きくなってしまうため好ましくない。
【0021】
本発明の第3の実像式ファインダー光学系は、物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とするものである。
【0022】
0.89<(D3w−D3t)/(fw −ft )<1.5 ・・・(3)
ただし、D3wは広角端における第3レンズ群と第4レンズ群との光軸上の空気間隔、D3tは望遠端における第3レンズ群と第4レンズ群との光軸上の空気間隔、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離、ft は第1レンズ群〜第4レンズ群の望遠端における合成焦点距離である。
【0023】
本発明の第3の実像式ファインダー光学系において、このような構成をとる理由と作用を説明する。
【0024】
条件式以外は、第1、第2の実像式ファインダー光学系と同様であり、条件式(3)は、広角端から望遠端までの変倍したときの第3レンズ群と第4レンズ群との間隔の変化量を焦点距離の変化量で規格化したものである。本発明では、変倍時に第4レンズ群は移動しないので、変倍時の第3レンズ群と第4レンズ群との間隔の変化量とは即ち第3レンズ群の移動量ということになる。条件式(3)の下限の0.89を越えて小さくなると、焦点距離の変化量に対して第3レンズ群の移動量が小さくなり、第3レンズ群のパワーを強くしなければならず、偏心に対する性能劣化等が大きくなってしまうため好ましくない。また、条件式(3)の上限の1.5を越えて大きくなると、焦点距離の変化量に対して第3レンズ群の移動量が大きくなり、例えばテイキングレンズと変倍を同調させるためのカムの形状が正常な動作をさせるための範囲を越えてしまったりといった機械的構成上の不都合が生じる可能性があるため好ましくない。
【0025】
本発明の第4の実像式ファインダー光学系は、物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とするものである。
【0026】
−3.0<f1 /fw <−1.52 ・・・(4)
ただし、f1 は第1レンズ群の焦点距離、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。
【0027】
本発明の第4の実像式ファインダー光学系において、このような構成をとる理由と作用を説明する。
【0028】
条件式以外は、第1〜第3の実像式ファインダー光学系と同様であり、条件式(4)は、第1レンズ群の焦点距離を広角端における第1レンズ群〜第4レンズ群の合成焦点距離により規格化したものである。条件式(4)の下限の−3.0を越えて小さくなると、第1レンズ群のパワーが弱くなり、入射瞳の位置が一次結像面側へ寄ってしまうため、レンズ径を大きくしなければならず好ましくない。条件式(4)の上限の−1.52を越えて大きくなると、第1レンズ群のパワーが強くなり、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔変化の視度に対する感度が大きくなってしまい好ましくない。
【0029】
本発明の第5の実像式ファインダー光学系は、物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とするものである。
【0030】
2.1<D1w/fw <4.0 ・・・(5)
ただし、D1wは広角端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。
【0031】
本発明の第5の実像式ファインダー光学系において、このような構成をとる理由と作用を説明する。
【0032】
条件式以外は、第1〜第4の実像式ファインダー光学系と同様であり、条件式(5)は、広角端における第1レンズ群と第2レンズ群との間隔を広角端における第1レンズ群〜第4レンズ群の合成焦点距離により規格化したものである。条件式(5)の下限の2.1を越えて小さくなると、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が狭くなり、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔変化の視度に対する感度が大きくなってしまい好ましくない。条件式(5)の上限の4.0を越えて大きくなると、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が大きくなるので、小型化するのに好ましくない状態となる。
【0033】
本発明の第6の実像式ファインダー光学系は、物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とするものである。
【0034】
6.1<SDw2/fw <10 ・・・(6)
ただし、SDw2は第1レンズ群の物体側の面から第5レンズ群の物体側の面までの光軸上の距離、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。
【0035】
本発明の第6の実像式ファインダー光学系において、このような構成をとる理由と作用を説明する。
【0036】
条件式以外は、第1〜第5の実像式ファインダー光学系と同様であり、条件式(6)は、広角端における第1レンズ群の物体側の面から第5レンズ群の物体側の面までの光軸上の距離を広角端における第1レンズ群〜第4レンズ群の合成焦点距離により規格化したものである。この条件式(6)の下限の6.1を越えて小さくなると、諸収差特に球面収差、コマ収差の補正が困難になる。この条件式(6)の上限の10を越えて大きくなると、ファインダーのカメラの厚さ方向の大きさが大きくなり、小型化するのに好ましくない。
【0037】
本発明の第7の実像式ファインダー光学系は、物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とするものである。
【0038】
0.02<D3w/D1w<0.10 ・・・(7)
ただし、D3wは広角端における第3レンズ群と第4レンズ群との光軸上の空気間隔、D1wは広角端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔である。
【0039】
本発明の第7の実像式ファインダー光学系において、このような構成をとる理由と作用を説明する。
【0040】
条件式以外は、第1〜第6の実像式ファインダー光学系と同様であり、条件式(7)は、広角端における第3レンズ群と第4レンズ群との光軸上の空気間隔と広角端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔との比を表している。この条件式(7)の下限の0.02を越えて小さくなると、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が大きくなるので、第1レンズ群のレンズ径が大きくなってしまい小型化するのに好ましくない状態となる。条件式(7)の上限の0.10を越えて大きくなると、第3レンズ群の変倍時の移動量が小さくなってしまうので、第3レンズ群のパワーを強くしなければならず、偏心に対する性能劣化等が大きくなってしまうため好ましくない。
【0041】
本発明の第8の実像式ファインダー光学系は、物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とするものである。
【0042】
0.06<D1t/ft <0.80 ・・・(8)
ただし、D1tは望遠端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔、ft は第1レンズ群〜第4レンズ群の望遠端における合成焦点距離である。
【0043】
本発明の第8の実像式ファインダー光学系において、このような構成をとる理由と作用を説明する。
【0044】
条件式以外は、第1〜第7の実像式ファインダー光学系と同様であり、条件式(8)は、望遠端における第1レンズ群と第2レンズ群との間隔を望遠端における第1レンズ群〜第4レンズ群の合成焦点距離で規格化したものである。この条件式(8)の下限の0.06を越えて小さくなると、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔変化の視度に対する感度が大きくなってしまい好ましくない。条件式(8)の上限の0.80を越えて大きくなると、変倍時の第2レンズ群の移動量を十分に取るために第2レンズ群のパワーを強くしなければならず、偏心に対する性能劣化等が大きくなってしまうため好ましくない。
【0045】
上記条件式(1)〜(8)それぞれに対して各条件式の値が以下の範囲に入るようにすれば、さらに効果が高い。
【0046】
1.85<fb(w)/fw <2.4 ・・・(1)’
−1.6<(D1w−D1t)/(fw −ft )<−0.85 ・・・(2)’
0.89<(D3w−D3t)/(fw −ft )<1.0 ・・・(3)’
−1.8<f1 /fw <−1.52 ・・・(4)’
2.1<D1w/fw <2.7 ・・・(5)’
6.1<SDw2/fw <8 ・・・(6)’
0.03<D3w/D1w<0.05 ・・・(7)’
0.1<D1t/ft <0.2 ・・・(8)’
もちろん、条件式(1)〜(8)について、各々の条件式の下限値のみを限定してもよいし、上限値のみを限定しても構わない。
【0047】
また、条件式(1)〜(8)の何れか複数を組み合わせても効果があるものである。
【0048】
以上の第1〜第8の実像式ファインダー光学系と、その実像式ファインダー光学系とは異なる入射光路を備えると共に、その実像式ファインダー光学系にて観察される被写体の像を結像する結像光学系とを備えて撮像装置を構成することができる。
【0049】
このように構成することで、ファインダーの小型化に伴い、撮像装置の小型化にも有利となる。
【0050】
ところで、以上の第1〜第8の実像式ファインダー光学系において、第4レンズ群は3回の反射を行う複数の反射面を有し、第5レンズ群はダハ反射面を有するようにすることが望ましい。
【0051】
このように構成することで、対物レンズ群の長いバックフォーカスを利用して中間像位置を像正立光学系の内部に配することができ、ファインダーの厚さ方向を小さくできる。また、ダハ反射面を用いることで、像正立光学系が厚くなることを防ぎ、よりコンパクト化が達成できる。
【0052】
また、以上の第1〜第8の実像式ファインダー光学系において、対物レンズ群による焦点面近傍に観察視野を制限する視野絞りを配すると共に、広角端における最大入射半画角ωw が以下の条件を満足することが望ましい。
【0053】
27°<ωw <45° ・・・(9)
この条件式(9)の下限の27°を越えると、一般にコンパクトカメラに必要とされる広角端画角から離れてしまう。一方、上限の45°を越えると、少ないレンズ枚数にて広角端での歪曲収差の補正を行うことが困難となってくる。
【0054】
さらに、条件式(9)の下限値を30°とすると、観察画角に対する光学性能のバランスが取れ、より好ましい。又は、その上限値を40°とすると、広角端での歪曲収差の補正に有利となる。
【0055】
また、以上の第1〜第8の実像式ファインダー光学系において、対物レンズ群による焦点面近傍に観察視野を制限する視野絞りを配すると共に、望遠端における最大入射半画角ωt が以下の条件を満足することが望ましい。
【0056】
5°<ωt <18° ・・・(10)
この条件式(10)の下限の5°を越えると、移動レンズ群の移動量が大きくなり、大型化しやすくなる。一方、上限の18°を越えると、変倍範囲が狭くなる。
【0057】
さらに、条件式(10)の下限値を8°とすると、変倍比とコンパクト化とのバランスが取りやすくなるため、より好ましい。又は、上限値を12°とすると、広角端での歪曲収差の補正に有利となる。
【0058】
また、以上の第1〜第8の実像式ファインダー光学系において、以下の条件を満足することが望ましい。
【0059】
1.7<ft /fw <6 ・・・(11)
ただし、ft は第1レンズ群〜第4レンズ群の望遠端における合成焦点距離、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。
【0060】
この条件式(11)の下限値の1.7を越えると、変倍範囲が狭くなる。上限値の6を越えると、変倍範囲は広くなるが、移動レンズ群の移動量が大きくなり、大型化しやすくなる。
【0061】
さらに、条件式(11)の下限値を2.0、又は、上限値を4.0とすると、小型化と変倍比の確保、収差補正のバランスが取りやすくなりより好ましい。
【0062】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実像式ファインダー光学系の実施例を説明する。
【0063】
本発明の実施例1〜8の実像式ファインダー光学系は、図1に実施例1の光路図を代表例として示すように、正屈折力の対物レンズ群10と、正屈折力の接眼レンズ群30とを備えてなり、対物レンズ群10は、単一の負レンズからなる第1レンズ群G1、単一の正レンズからなる第2レンズ群G2、単一の正レンズからなる第3レンズ群G3、像反転光学系20を構成する第1プリズム21であって負屈折力を有する第4レンズ群G4からなり、接眼レンズ群30は、像反転光学系20を構成する第2プリズム22からなる第5レンズ群G5、単一の正レンズからなる第6レンズ群G6からなる。
【0064】
そして、対物レンズ群10による中間像は何れの実施例においても、第2プリズム22の入射面2A位置近傍に結像され、その入射面2A近傍に視野枠11が配置されている。
【0065】
対物レンズ群10の第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3を順に経た光軸は、第1プリズム21内で光軸が交差しないように入射面1Aから入射して、光学面1B、1C、1Dの各面でこの順に反射し、反射面と透過面を兼ねる光学面1Cから射出するように第1プリズム21が構成され、第1プリズム21から出た光軸は、第2プリズム22内で光軸が交差しないように入射面2Aから入射して、光学面2B、2Cの各面でこの順に反射し、反射面と透過面を兼ねる光学面2Bから射出するように第2プリズム22が構成されており、光学面1B、1Dにミラーコートが施され、光学面2Cはダハ反射部となっており、全ての屈折面、反射面は平面を含む回転対称な曲率の面となっている。
【0066】
また、光学面1Aに入射する光軸と光学面2Bから出る光軸は平行になるように、第1プリズム21の光学面1A〜1Dと第2プリズム22の光学面2A〜2Cの角度が設定されている。
【0067】
対物レンズ群10による変倍は、第1レンズ群G1と第4レンズ群G4を固定して、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3を移動させることで、広角端から望遠端への変倍を行っている。
【0068】
なお、図1中、射出瞳(アイポイント)は符号EPで示されている。
【0069】
以下、実施例1〜8の光路展開図をそれぞれ示す図2〜図9に基づいて、各実施例を説明する。図2〜図9において、(a)は広角端、(b)は中間状態、(c)は望遠端での光路展開図である。
【0070】
実施例1の実像式ファインダー光学系は、図2に示すように、対物レンズ群10は、両凹負単レンズからなる第1レンズ群G1と、両凸正単レンズからなる第2レンズ群G2と、両凸正単レンズからなる第3レンズ群G3と、凹平負単レンズに相当する構成の第1プリズム21からなる第4レンズ群G4とからなり、接眼レンズ群30は、凸平正単レンズに相当する構成の第2プリズム22からなる第5レンズ群G5と、両凸正単レンズからなる第6レンズ群G6とからなり、第5レンズ群G5の入射側の面位置に視野枠11が配置されている。
【0071】
そして、第1レンズ群G1の入射側の面、第2レンズ群G2の入射側の面、第3レンズ群G2の両面、第4レンズ群G4の入射側の面、第6レンズ群G6の入射側の面の6面に非球面が配置されている。
【0072】
広角端から望遠端に変倍する際には、第1レンズ群G1は固定で、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間の間隔を一旦は広げ次いで狭めるように物体側へ移動し、望遠端では広角端におけるよりも第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は狭くなっている。
【0073】
実施例2の実像式ファインダー光学系は、図3に示すように、対物レンズ群10は、両凹負単レンズからなる第1レンズ群G1と、両凸正単レンズからなる第2レンズ群G2と、物体側に凹面を向けた正メニスカス単レンズからなる第3レンズ群G3と、凹平負単レンズに相当する構成の第1プリズム21からなる第4レンズ群G4とからなり、接眼レンズ群30は、凸平正単レンズに相当する構成の第2プリズム22からなる第5レンズ群G5と、両凸正単レンズからなる第6レンズ群G6とからなり、第5レンズ群G5の入射側の面位置に視野枠11が配置されている。
【0074】
そして、第1レンズ群G1の入射側の面、第2レンズ群G2の入射側の面、第3レンズ群G2の両面、第4レンズ群G4の入射側の面、第6レンズ群G6の入射側の面の6面に非球面が配置されている。
【0075】
広角端から望遠端に変倍する際には、第1レンズ群G1は固定で、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間の間隔を一旦は広げ次いで狭めるように物体側へ移動し、望遠端では広角端におけるよりも第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は狭くなっている。
【0076】
実施例3の実像式ファインダー光学系は、図4に示すように、対物レンズ群10は、両凹負単レンズからなる第1レンズ群G1と、両凸正単レンズからなる第2レンズ群G2と、物体側に凹面を向けた正メニスカス単レンズからなる第3レンズ群G3と、凹平負単レンズに相当する構成の第1プリズム21からなる第4レンズ群G4とからなり、接眼レンズ群30は、凸平正単レンズに相当する構成の第2プリズム22からなる第5レンズ群G5と、両凸正単レンズからなる第6レンズ群G6とからなり、第5レンズ群G5の入射側の面位置に視野枠11が配置されている。
【0077】
そして、第1レンズ群G1の入射側の面、第2レンズ群G2の入射側の面、第3レンズ群G2の両面、第4レンズ群G4の入射側の面、第6レンズ群G6の入射側の面の6面に非球面が配置されている。
【0078】
広角端から望遠端に変倍する際には、第1レンズ群G1は固定で、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間の間隔を一旦は広げ次いで狭めるように物体側へ移動し、望遠端では広角端におけるよりも第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は広くなっている。
【0079】
実施例4の実像式ファインダー光学系は、図5に示すように、対物レンズ群10は、両凹負単レンズからなる第1レンズ群G1と、両凸正単レンズからなる第2レンズ群G2と、物体側に凹面を向けた正メニスカス単レンズからなる第3レンズ群G3と、凹平負単レンズに相当する構成の第1プリズム21からなる第4レンズ群G4とからなり、接眼レンズ群30は、凸平正単レンズに相当する構成の第2プリズム22からなる第5レンズ群G5と、両凸正単レンズからなる第6レンズ群G6とからなり、第5レンズ群G5の入射側の面位置に視野枠11が配置されている。
【0080】
そして、第1レンズ群G1の入射側の面、第2レンズ群G2の入射側の面、第3レンズ群G2の両面、第4レンズ群G4の入射側の面、第6レンズ群G6の入射側の面の6面に非球面が配置されている。
【0081】
広角端から望遠端に変倍する際には、第1レンズ群G1は固定で、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間の間隔を一旦は広げ次いで狭めるように物体側へ移動し、望遠端では広角端におけるよりも第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は狭くなっている。
【0082】
実施例5の実像式ファインダー光学系は、図6に示すように、対物レンズ群10は、両凹負単レンズからなる第1レンズ群G1と、両凸正単レンズからなる第2レンズ群G2と、物体側に凹面を向けた正メニスカス単レンズからなる第3レンズ群G3と、凹平負単レンズに相当する構成の第1プリズム21からなる第4レンズ群G4とからなり、接眼レンズ群30は、凸平正単レンズに相当する構成の第2プリズム22からなる第5レンズ群G5と、両凸正単レンズからなる第6レンズ群G6とからなり、第5レンズ群G5の入射側の面位置に視野枠11が配置されている。
【0083】
そして、第1レンズ群G1の入射側の面、第2レンズ群G2の入射側の面、第3レンズ群G2の両面、第4レンズ群G4の入射側の面、第6レンズ群G6の入射側の面の6面に非球面が配置されている。
【0084】
広角端から望遠端に変倍する際には、第1レンズ群G1は固定で、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間の間隔を一旦は広げ次いで狭めるように物体側へ移動し、望遠端では広角端におけるよりも第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は狭くなっている。
【0085】
実施例6の実像式ファインダー光学系は、図7に示すように、対物レンズ群10は、両凹負単レンズからなる第1レンズ群G1と、両凸正単レンズからなる第2レンズ群G2と、物体側に凹面を向けた正メニスカス単レンズからなる第3レンズ群G3と、凹平負単レンズに相当する構成の第1プリズム21からなる第4レンズ群G4とからなり、接眼レンズ群30は、凸平正単レンズに相当する構成の第2プリズム22からなる第5レンズ群G5と、両凸正単レンズからなる第6レンズ群G6とからなり、第5レンズ群G5の入射側の面近傍に視野枠11が配置されている。
【0086】
そして、第1レンズ群G1の入射側の面、第2レンズ群G2の入射側の面、第3レンズ群G2の両面、第4レンズ群G4の入射側の面、第6レンズ群G6の入射側の面の6面に非球面が配置されている。
【0087】
広角端から望遠端に変倍する際には、第1レンズ群G1は固定で、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間の間隔を一旦は広げ次いで狭めるように物体側へ移動し、望遠端では広角端におけるよりも第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は狭くなっている。
【0088】
実施例7の実像式ファインダー光学系は、図8に示すように、対物レンズ群10は、両凹負単レンズからなる第1レンズ群G1と、両凸正単レンズからなる第2レンズ群G2と、物体側に凹面を向けた正メニスカス単レンズからなる第3レンズ群G3と、凹平負単レンズに相当する構成の第1プリズム21からなる第4レンズ群G4とからなり、接眼レンズ群30は、凸平正単レンズに相当する構成の第2プリズム22からなる第5レンズ群G5と、両凸正単レンズからなる第6レンズ群G6とからなり、第5レンズ群G5の入射側の面位置に視野枠11が配置されている。
【0089】
そして、第1レンズ群G1の入射側の面、第2レンズ群G2の入射側の面、第3レンズ群G2の両面、第4レンズ群G4の入射側の面、第6レンズ群G6の入射側の面の6面に非球面が配置されている。
【0090】
広角端から望遠端に変倍する際には、第1レンズ群G1は固定で、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間の間隔を広げるように物体側へ移動し、望遠端では広角端におけるよりも第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は広くなっている。
【0091】
実施例8の実像式ファインダー光学系は、図9に示すように、対物レンズ群10は、両凹負単レンズからなる第1レンズ群G1と、両凸正単レンズからなる第2レンズ群G2と、物体側に凹面を向けた正メニスカス単レンズからなる第3レンズ群G3と、凹平負単レンズに相当する構成の第1プリズム21からなる第4レンズ群G4とからなり、接眼レンズ群30は、凸平正単レンズに相当する構成の第2プリズム22からなる第5レンズ群G5と、両凸正単レンズからなる第6レンズ群G6とからなり、第5レンズ群G5の入射側の面位置に視野枠11が配置されている。
【0092】
そして、第1レンズ群G1の入射側の面、第2レンズ群G2の入射側の面、第3レンズ群G2の両面、第4レンズ群G4の入射側の面、第6レンズ群G6の入射側の面の6面に非球面が配置されている。
【0093】
広角端から望遠端に変倍する際には、第1レンズ群G1は固定で、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間の間隔を一旦は広げ次いで狭めるように物体側へ移動し、望遠端では広角端におけるよりも第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は広くなっている。
【0094】
次に、本発明の実施例9の実像式ファインダー光学系の広角端での光路図を図10に、そのの光路展開図を図11に示す。図11の(a)は広角端、(b)は中間状態、(c)は望遠端での光路展開図である。
【0095】
実施例9の実像式ファインダー光学系は、図10に示すように、正屈折力の対物レンズ群10と、正屈折力の接眼レンズ群30とを備えてなり、対物レンズ群10は、単一の負レンズからなる第1レンズ群G1、単一の正レンズからなる第2レンズ群G2、単一の正レンズからなる第3レンズ群G3、像反転光学系20を構成するダハプリズムからなる第1プリズム21であって負屈折力を有する第4レンズ群G4からなり、接眼レンズ群30は、像反転光学系20を構成するペンタプリズムからなる第2プリズム22であって正屈折力を有する第5レンズ群G5、単一の正レンズからなる第6レンズ群G6からなる。第6レンズ群G6の観察側にはカバーガラス12が配置されている。
【0096】
そして、対物レンズ群10による中間像は第2プリズム22の入射面2A’位置近傍に結像され、その入射面2A’近傍に視野枠11が配置されている。
【0097】
対物レンズ群10の第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3を順に経た光軸は、第1プリズム21内で光軸が交差しないように入射面1A’から入射して、光学面1B’で反射し、光学面1C’から射出するように第1プリズム21が構成され、第1プリズム21から出た光軸は、第2プリズム22の入射面2Aから入射して、光学面2B’、2C’の各面でこの順に反射し、光学面2B’に向かう光軸と光学面2C’で反射した光軸は第2プリズム22内で交差し、光学面2D’から射出するように第2プリズム22が構成されており、光学面1B’はダハ反射部となっており、光学面2B’、2C’にミラーコートが施されており、全ての屈折面、反射面は平面を含む回転対称な曲率の面となっている。
【0098】
また、光学面1A’に入射する光軸と光学面2D’から出る光軸は平行になるように、第1プリズム21の光学面1A’〜1C’と第2プリズム22の光学面2A’〜2D’の角度が設定されている。
【0099】
対物レンズ群10による変倍は、第1レンズ群G1と第4レンズ群G4を固定して、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3を移動させることで、広角端から望遠端への変倍を行っている。
【0100】
なお、図10中、射出瞳(アイポイント)は符号EPで示されている。
【0101】
そして、この実施例9の実像式ファインダー光学系は、図11に示すように、対物レンズ群10は、両凹負単レンズからなる第1レンズ群G1と、両凸正単レンズからなる第2レンズ群G2と、物体側に凹面を向けた正メニスカス単レンズからなる第3レンズ群G3と、凹平負単レンズに相当する構成の第1プリズム21からなる第4レンズ群G4とからなり、接眼レンズ群30は、凸平正単レンズに相当する構成の第2プリズム22からなる第5レンズ群G5と、両凸正単レンズからなる第6レンズ群G6とからなり、第5レンズ群G5の入射側の面位置近傍に視野枠11が配置され、第6レンズ群G6の観察側には平行平板からなるカバーガラス12が配置されている。
【0102】
そして、第1レンズ群G1の入射側の面、第2レンズ群G2の入射側の面、第3レンズ群G2の両面、第4レンズ群G4の入射側の面、第6レンズ群G6の入射側の面の6面に非球面が配置されている。
【0103】
広角端から望遠端に変倍する際には、第1レンズ群G1は固定で、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間の間隔を一旦は広げ次いで狭めるように物体側へ移動し、望遠端では広角端におけるよりも第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は狭くなっている。
【0104】
以下に、上記実施例1〜9の数値データを示すが、記号は上記の外、EPはアイポイント、ωは半画角、WEは広角端、STは中間状態、TEは望遠端、r1 、r2 …は各レンズ面の曲率半径、d1 、d2 …は各レンズ面間の間隔、nd1、nd2…は各レンズのd線の屈折率、νd1、νd2…は各レンズのアッベ数である。なお、非球面形状は、xを光の進行方向を正とした光軸とし、yを光軸と直交する方向にとると、下記の式にて表される。
【0105】
x=(y2 /r)/[1+{1−(K+1)(y/r)2 }1/2 ]+A4y4 +A6y6 +A8y8 + A10y10
ただし、rは近軸曲率半径、Kは円錐係数、A4、A6、A8、A10 はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
以上の実施例1〜3の無限遠物点に対する収差図をそれぞれ図12〜図14に示す。これらの収差図において、(a)は広角端、(b)は中間状態、(c)は望遠端における球面収差SA、非点収差AS、歪曲収差DT、倍率色収差CCを示す。なお、これら収差図は、射出瞳EPの位置に無収差の結像レンズを配置したときの収差である。
【0116】
次に、上記各実施例における条件式(1)〜(8)、(11)の値を示す。
【0117】
【0118】
なお、以上の実施例では、第3レンズ群G3は何れも、広角端から望遠端に変倍する際に物体側に繰り出されるものであったが、第3レンズ群G3を一旦眼側へ微動後、物体側へ繰り出すようにすることもできる。
【0119】
以上のような本発明の実像式ファインダー光学系は、例えばレンズシャッターカメラや電子スチルカメラのファインダー光学系として使用することができる。図15は、そのようなレンズシャッターカメラ又は電子スチルカメラ40に組み込んだ場合の一例の透視斜視図であり、カメラ40の前面には撮影用の対物光学系41が配置され、カメラ40内の対物光学系41の像面位置に電子撮像素子あるいは銀塩フィルム42が配置され、撮影光路43を経た光束により被写体の像を電子撮像素子あるいは銀塩フィルム42に撮影記録する。一方、撮影光路43と略平行なファインダー光路44を経て入射する同じ被写体の像は、本発明の実像式ファインダー光学系1を通してカメラ40の背面の接眼開口を通して撮影者の眼E中に結像する。この例のように、本発明の実像式ファインダー光学系1は、第1プリズム21と第2プリズム22からなる像反転光学系20中で光路を水平面あるいは垂直面内で折り曲げて入射光軸と射出光軸を平行になるようにすることにより、ファインダー光学系自身及びカメラのコンパクト化、薄型化を図ることができる。
【0120】
以上の本発明の実像式ファインダー光学系及びそれを備えた撮像装置は例えば次のように構成することができる。
【0121】
〔1〕 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
【0122】
1.60<fb(w)/fw <3.0 ・・・(1)
ただし、fb(w)は第1レンズ群〜第3レンズ群の広角端におけるバックフォーカス、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。
【0123】
〔2〕 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
【0124】
−2.0<(D1w−D1t)/(fw −ft )<−0.7 ・・・(2)
ただし、D1wは広角端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔、D1tは望遠端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離、ft は第1レンズ群〜第4レンズ群の望遠端における合成焦点距離である。
【0125】
〔3〕 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
【0126】
0.89<(D3w−D3t)/(fw −ft )<1.5 ・・・(3)
ただし、D3wは広角端における第3レンズ群と第4レンズ群との光軸上の空気間隔、D3tは望遠端における第3レンズ群と第4レンズ群との光軸上の空気間隔、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離、ft は第1レンズ群〜第4レンズ群の望遠端における合成焦点距離である。
【0127】
〔4〕 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
【0128】
−3.0<f1 /fw <−1.52 ・・・(4)
ただし、f1 は第1レンズ群の焦点距離、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。
【0129】
〔5〕 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
【0130】
2.1<D1w/fw <4.0 ・・・(5)
ただし、D1wは広角端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。
【0131】
〔6〕 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
【0132】
6.1<SDw2/fw <10 ・・・(6)
ただし、SDw2は第1レンズ群の物体側の面から第5レンズ群の物体側の面までの光軸上の距離、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。
【0133】
〔7〕 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
【0134】
0.02<D3w/D1w<0.10 ・・・(7)
ただし、D3wは広角端における第3レンズ群と第4レンズ群との光軸上の空気間隔、D1wは広角端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔である。
【0135】
〔8〕 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
【0136】
0.06<D1t/ft <0.80 ・・・(8)
ただし、D1tは望遠端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔、ft は第1レンズ群〜第4レンズ群の望遠端における合成焦点距離である。
【0137】
〔9〕 上記1から8の何れか1項記載の実像式ファインダー光学系と、該実像式ファインダー光学系とは異なる入射光路を備えると共に、該実像式ファインダー光学系にて観察される被写体の像を結像する結像光学系とを備えたことを特徴とする撮像装置。
【0138】
〔10〕 前記第4レンズ群は3回の反射を行う複数の反射面を有し、前記第5レンズ群はダハ反射面を有することを特徴とする上記1から8の何れか1項記載の実像式ファインダー光学系。
【0139】
〔11〕 前記対物レンズ群による焦点面近傍に観察視野を制限する視野絞りを配すると共に、広角端における最大入射半画角ωw が以下の条件を満足することを特徴とする上記1から8の何れか1項記載の実像式ファインダー光学系。
【0140】
27°<ωw <45° ・・・(9)
〔12〕 前記対物レンズ群による焦点面近傍に観察視野を制限する視野絞りを配すると共に、望遠端における最大入射半画角ωt が以下の条件を満足することを特徴とする上記1から8の何れか1項記載の実像式ファインダー光学系。
【0141】
5°<ωt <18° ・・・(10)
〔13〕 以下の条件を満足することを特徴とする上記1から8の何れか1項記載の実像式ファインダー光学系。
【0142】
1.7<ft /fw <6 ・・・(11)
ただし、ft は第1レンズ群〜第4レンズ群の望遠端における合成焦点距離、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。
【0143】
〔14〕 上記1の条件式(1)を満足することを特徴とする上記2から8の何れか1項記載の実像式ファインダー。
【0144】
〔15〕 上記2の条件式(2)を満足することを特徴とする上記1、3から8の何れか1項記載の実像式ファインダー。
【0145】
〔16〕 上記3の条件式(3)を満足することを特徴とする上記1、2、4から8の何れか1項記載の実像式ファインダー。
【0146】
〔17〕 上記4の条件式(4)を満足することを特徴とする上記1から3、5から8の何れか1項記載の実像式ファインダー。
【0147】
〔18〕 上記5の条件式(5)を満足することを特徴とする上記1から4、6から8の何れか1項記載の実像式ファインダー。
【0148】
〔19〕 上記6の条件式(6)を満足することを特徴とする上記1から5、7、8の何れか1項記載の実像式ファインダー。
【0149】
〔20〕 上記7の条件式(7)を満足することを特徴とする上記1から6、8の何れか1項記載の実像式ファインダー。
【0150】
〔21〕 上記8の条件式(8)を満足することを特徴とする上記1から7の何れか1項記載の実像式ファインダー。
【0151】
〔22〕 上記10から21の何れか1項記載の実像式ファインダー光学系と、該実像式ファインダーとは異なる入射光路を備えると共に、該実像式ファインダー光学系にて観察される被写体の像を結像する結像光学系とを備えたことを特徴とする撮像装置。
【0152】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によると、良好な光学性能を維持しつつカメラの小型化・低コスト化に好適な構成の像正立光学系を備えた実像式ファインダー光学系とそれを備えた撮像装置を提供することができる。本発明の実像式ファインダー光学系は、特に変倍比1.9以上のファインダーに有効であるが、変倍比2.9以上のファインダーに特に効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の実像式ファインダー光学系の光路図である。
【図2】本発明の実施例1の実像式ファインダー光学系の光路展開図である。
【図3】本発明の実施例2の実像式ファインダー光学系の光路展開図である。
【図4】本発明の実施例3の実像式ファインダー光学系の光路展開図である。
【図5】本発明の実施例4の実像式ファインダー光学系の光路展開図である。
【図6】本発明の実施例5の実像式ファインダー光学系の光路展開図である。
【図7】本発明の実施例6の実像式ファインダー光学系の光路展開図である。
【図8】本発明の実施例7の実像式ファインダー光学系の光路展開図である。
【図9】本発明の実施例8の実像式ファインダー光学系の光路展開図である。
【図10】本発明の実施例9の実像式ファインダー光学系の光路図である。
【図11】本発明の実施例9の実像式ファインダー光学系の光路展開図である。
【図12】実施例1の無限遠物点に対する収差図である。
【図13】実施例2の無限遠物点に対する収差図である。
【図14】実施例3の無限遠物点に対する収差図である。
【図15】本発明の実像式ファインダー光学系をレンズシャッターカメラ又は電子スチルカメラに組み込んだ場合の透視斜視図である。
【符号の説明】
1…実像式ファインダー光学系
1A、1B、1C、1D…光学面
1A’、1B’、1C’…光学面
2A、2B、2C…光学面
2A’、2B’、2C’、2D’…光学面
10…対物レンズ群
11…視野枠
12…カバーガラス
20… 像反転光学系
21…第1プリズム
22…第2プリズム
30…接眼レンズ群
40…レンズシャッターカメラ又は電子スチルカメラ
41…対物光学系
42…電子撮像素子又は銀塩フィルム
43…撮影光路
44…ファインダー光路
G1…第1レンズ群
G2…第2レンズ群
G3…第3レンズ群
G4…第4レンズ群
G5…第5レンズ群
G6…第6レンズ群
EP…射出瞳(アイポイント)
E…撮影者の眼
【発明の属する技術分野】
本発明は、実像式ファインダー光学系及びそれを備えた撮像装置に関し、特に、撮影光学系とファインダー光学系とが別体に構成されたレンズシャッターカメラや電子スチルカメラ等に用いるのに適した実像式ファインダー光学系に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レンズシャッターカメラに用いられるファインダーについては、虚像式ファインダーと実像式ファインダーが一般に知られているが、カメラの小型化を実現しようとする場合、虚像式ではレンズ径が大きくなってしまうため、実像式ファインダーを用いることになる。
【0003】
近年、各メーカー共カメラの小型化・低コスト化が進んでいる。カメラに搭載されるファインダー光学系にもさらなる小型化・低コスト化が要求されている。従来より、対物レンズの光学系として、プリズムも一つのレンズ群として扱うと、2群ズームタイプ、3群ズームタイプ、4群ズームタイプ等が提案されている。この中、変倍比が大きい実像式変倍ファインダーにおいては、対物光学系の構成を4群ズームタイプとするのが収差補正を良好に行う上で好ましい。また、一つの群に2枚以上のレンズを使用すると、その分変倍時の移動群の移動量が制限されてしまい、各レンズ群のパワーを強くしなければならず、製造時の偏心誤差等による性能劣化が大きくなってしまうので好ましくないし、小型化、低コスト化のためにも対物光学系の各レンズ群は1枚のレンズ(プリズムも含む)で構成するのが好ましい。
【0004】
4群ズームタイプの中、第1レンズ群を正レンズで構成すると、入射瞳位置が一次結像面側へ寄ってしまいレンズ径が大きくなってしまうので、第1レンズ群は負レンズで構成することが望ましい。また、第2レンズ群、第3レンズ群を正レンズ群とすることで、第1レンズ群〜第3レンズ群でのバックフォーカスを長くすることができるため、プリズム構成の自由度が大きくなり、小型化する上で好ましい。第4レンズ群(プリズム)を正レンズにすると、レンズ径が大きくなってしまい好ましくない。プリズム構成の自由度を確保するためにも、より有効径の小さい負レンズにするべきである。
【0005】
このように、対物レンズ群の構成を各群1枚のレンズからなる4つの群で構成し、物体側より順に、負、正、正、負の構成をとっているファインダーとして、特許文献1〜6等のものがある。しかし、これらは何れも第1レンズ群〜第3レンズ群のバックフォーカスがまだ十分に大きいとはいえず、自由度の高いプリズム構成が可能な設計にはなっていない。
【0006】
【特許文献1】
特開平5−164964号公報(段落〔0011〕〜〔0029〕、図1〜図15)
【0007】
【特許文献2】
特開平8−240769号公報(段落〔0022〕〜〔0080〕、図1〜図13)
【0008】
【特許文献3】
特開平11−194271号公報(段落〔0024〕〜〔0070〕、図1〜図5)
【0009】
【特許文献4】
特開平11−242167号公報(段落〔0041〕〜〔0218〕、図1〜図18)
【0010】
【特許文献5】
特開2000−347101号公報(段落〔0015〕〜〔0046〕、図1〜図12)
【0011】
【特許文献6】
特開2001−133700号公報(段落〔0008〕〜〔0024〕、図1〜図16)
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記のような従来技術の有する問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、良好な光学性能を維持しつつカメラの小型化・低コスト化に好適な構成の像正立光学系を備えた実像式ファインダー光学系とそれを備えた撮像装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の第1の実像式ファインダー光学系は、物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とするものである。
【0014】
1.60<fb(w)/fw <3.0 ・・・(1)
ただし、fb(w)は第1レンズ群〜第3レンズ群の広角端におけるバックフォーカス、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。
【0015】
本発明の第1の実像式ファインダー光学系において、このような構成をとる理由と作用を説明する。
【0016】
対物レンズ系を、物体側から順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群とすることで、入射瞳位置を前方に配することができ、広角端で大きくなりがちな前玉径を小さくすることができると共に、バックフォーカスを大きく取ることができるので、第4レンズ群にて形成するプリズム光学系のレイアウトの自由度が高くなる。また、第4レンズ群(プリズム)を負屈折力とすることで、第4レンズ群の入射側の有効径を小さくすることができるため、これもプリズム光学系のレイアウトの自由度を高くしている。プリズム光学系のレイアウトの自由度が高くなるということは、他の構成部品の配置の自由度も高まるため、その結果、カメラを薄くしたり小さくすることが可能になる。また、変倍時には、対物レンズ系の全長を変化させることなく、第2レンズ群と第3レンズ群のみを移動させている。これにより、カム構造等が複雑になることを防ぎ、低コスト化が可能になっている。また、条件式(1)の下限の1.60を越えて小さくなると、バックフォーカスが小さくなるため、プリズムレイアウトの自由度が小さくなり不都合である。条件式(1)の上限の3.0を越えて大きくなると、十分な性能を確保することが困難になる。
【0017】
本発明の第2の実像式ファインダー光学系は、物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とするものである。
【0018】
−2.0<(D1w−D1t)/(fw −ft )<−0.7 ・・・(2)
ただし、D1wは広角端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔、D1tは望遠端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離、ft は第1レンズ群〜第4レンズ群の望遠端における合成焦点距離である。
【0019】
本発明の第2の実像式ファインダー光学系において、このような構成をとる理由と作用を説明する。
【0020】
条件式以外は、第1の実像式ファインダー光学系と同様であり、条件式(2)は、広角端から望遠端までの変倍したときの第1レンズ群と第2レンズ群との間隔の変化量を焦点距離の変化量で規格化したものである。本発明では、変倍時に第1レンズ群は移動しないので、変倍時の第1レンズ群と第2レンズ群との間隔の変化量とは即ち第2レンズ群の移動量ということになる。条件式(2)の下限の−2.0を越えて小さくなると、焦点距離の変化量に対して第2レンズ群の移動量が大きくなり、例えばテイキングレンズと変倍を同調させるためのカムの形状が正常な動作をさせるための範囲を越えてしまったりといった機械的構成上の不都合が生じる。また、条件式(2)の上限の−0.7を越えて大きくなると、焦点距離の変化量に対して第2レンズ群の移動量が小さすぎるため、第2レンズ群のパワーを強くしなければならず、偏心に対する性能劣化等が大きくなってしまうため好ましくない。
【0021】
本発明の第3の実像式ファインダー光学系は、物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とするものである。
【0022】
0.89<(D3w−D3t)/(fw −ft )<1.5 ・・・(3)
ただし、D3wは広角端における第3レンズ群と第4レンズ群との光軸上の空気間隔、D3tは望遠端における第3レンズ群と第4レンズ群との光軸上の空気間隔、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離、ft は第1レンズ群〜第4レンズ群の望遠端における合成焦点距離である。
【0023】
本発明の第3の実像式ファインダー光学系において、このような構成をとる理由と作用を説明する。
【0024】
条件式以外は、第1、第2の実像式ファインダー光学系と同様であり、条件式(3)は、広角端から望遠端までの変倍したときの第3レンズ群と第4レンズ群との間隔の変化量を焦点距離の変化量で規格化したものである。本発明では、変倍時に第4レンズ群は移動しないので、変倍時の第3レンズ群と第4レンズ群との間隔の変化量とは即ち第3レンズ群の移動量ということになる。条件式(3)の下限の0.89を越えて小さくなると、焦点距離の変化量に対して第3レンズ群の移動量が小さくなり、第3レンズ群のパワーを強くしなければならず、偏心に対する性能劣化等が大きくなってしまうため好ましくない。また、条件式(3)の上限の1.5を越えて大きくなると、焦点距離の変化量に対して第3レンズ群の移動量が大きくなり、例えばテイキングレンズと変倍を同調させるためのカムの形状が正常な動作をさせるための範囲を越えてしまったりといった機械的構成上の不都合が生じる可能性があるため好ましくない。
【0025】
本発明の第4の実像式ファインダー光学系は、物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とするものである。
【0026】
−3.0<f1 /fw <−1.52 ・・・(4)
ただし、f1 は第1レンズ群の焦点距離、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。
【0027】
本発明の第4の実像式ファインダー光学系において、このような構成をとる理由と作用を説明する。
【0028】
条件式以外は、第1〜第3の実像式ファインダー光学系と同様であり、条件式(4)は、第1レンズ群の焦点距離を広角端における第1レンズ群〜第4レンズ群の合成焦点距離により規格化したものである。条件式(4)の下限の−3.0を越えて小さくなると、第1レンズ群のパワーが弱くなり、入射瞳の位置が一次結像面側へ寄ってしまうため、レンズ径を大きくしなければならず好ましくない。条件式(4)の上限の−1.52を越えて大きくなると、第1レンズ群のパワーが強くなり、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔変化の視度に対する感度が大きくなってしまい好ましくない。
【0029】
本発明の第5の実像式ファインダー光学系は、物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とするものである。
【0030】
2.1<D1w/fw <4.0 ・・・(5)
ただし、D1wは広角端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。
【0031】
本発明の第5の実像式ファインダー光学系において、このような構成をとる理由と作用を説明する。
【0032】
条件式以外は、第1〜第4の実像式ファインダー光学系と同様であり、条件式(5)は、広角端における第1レンズ群と第2レンズ群との間隔を広角端における第1レンズ群〜第4レンズ群の合成焦点距離により規格化したものである。条件式(5)の下限の2.1を越えて小さくなると、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が狭くなり、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔変化の視度に対する感度が大きくなってしまい好ましくない。条件式(5)の上限の4.0を越えて大きくなると、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が大きくなるので、小型化するのに好ましくない状態となる。
【0033】
本発明の第6の実像式ファインダー光学系は、物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とするものである。
【0034】
6.1<SDw2/fw <10 ・・・(6)
ただし、SDw2は第1レンズ群の物体側の面から第5レンズ群の物体側の面までの光軸上の距離、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。
【0035】
本発明の第6の実像式ファインダー光学系において、このような構成をとる理由と作用を説明する。
【0036】
条件式以外は、第1〜第5の実像式ファインダー光学系と同様であり、条件式(6)は、広角端における第1レンズ群の物体側の面から第5レンズ群の物体側の面までの光軸上の距離を広角端における第1レンズ群〜第4レンズ群の合成焦点距離により規格化したものである。この条件式(6)の下限の6.1を越えて小さくなると、諸収差特に球面収差、コマ収差の補正が困難になる。この条件式(6)の上限の10を越えて大きくなると、ファインダーのカメラの厚さ方向の大きさが大きくなり、小型化するのに好ましくない。
【0037】
本発明の第7の実像式ファインダー光学系は、物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とするものである。
【0038】
0.02<D3w/D1w<0.10 ・・・(7)
ただし、D3wは広角端における第3レンズ群と第4レンズ群との光軸上の空気間隔、D1wは広角端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔である。
【0039】
本発明の第7の実像式ファインダー光学系において、このような構成をとる理由と作用を説明する。
【0040】
条件式以外は、第1〜第6の実像式ファインダー光学系と同様であり、条件式(7)は、広角端における第3レンズ群と第4レンズ群との光軸上の空気間隔と広角端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔との比を表している。この条件式(7)の下限の0.02を越えて小さくなると、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔が大きくなるので、第1レンズ群のレンズ径が大きくなってしまい小型化するのに好ましくない状態となる。条件式(7)の上限の0.10を越えて大きくなると、第3レンズ群の変倍時の移動量が小さくなってしまうので、第3レンズ群のパワーを強くしなければならず、偏心に対する性能劣化等が大きくなってしまうため好ましくない。
【0041】
本発明の第8の実像式ファインダー光学系は、物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とするものである。
【0042】
0.06<D1t/ft <0.80 ・・・(8)
ただし、D1tは望遠端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔、ft は第1レンズ群〜第4レンズ群の望遠端における合成焦点距離である。
【0043】
本発明の第8の実像式ファインダー光学系において、このような構成をとる理由と作用を説明する。
【0044】
条件式以外は、第1〜第7の実像式ファインダー光学系と同様であり、条件式(8)は、望遠端における第1レンズ群と第2レンズ群との間隔を望遠端における第1レンズ群〜第4レンズ群の合成焦点距離で規格化したものである。この条件式(8)の下限の0.06を越えて小さくなると、第1レンズ群と第2レンズ群との間隔変化の視度に対する感度が大きくなってしまい好ましくない。条件式(8)の上限の0.80を越えて大きくなると、変倍時の第2レンズ群の移動量を十分に取るために第2レンズ群のパワーを強くしなければならず、偏心に対する性能劣化等が大きくなってしまうため好ましくない。
【0045】
上記条件式(1)〜(8)それぞれに対して各条件式の値が以下の範囲に入るようにすれば、さらに効果が高い。
【0046】
1.85<fb(w)/fw <2.4 ・・・(1)’
−1.6<(D1w−D1t)/(fw −ft )<−0.85 ・・・(2)’
0.89<(D3w−D3t)/(fw −ft )<1.0 ・・・(3)’
−1.8<f1 /fw <−1.52 ・・・(4)’
2.1<D1w/fw <2.7 ・・・(5)’
6.1<SDw2/fw <8 ・・・(6)’
0.03<D3w/D1w<0.05 ・・・(7)’
0.1<D1t/ft <0.2 ・・・(8)’
もちろん、条件式(1)〜(8)について、各々の条件式の下限値のみを限定してもよいし、上限値のみを限定しても構わない。
【0047】
また、条件式(1)〜(8)の何れか複数を組み合わせても効果があるものである。
【0048】
以上の第1〜第8の実像式ファインダー光学系と、その実像式ファインダー光学系とは異なる入射光路を備えると共に、その実像式ファインダー光学系にて観察される被写体の像を結像する結像光学系とを備えて撮像装置を構成することができる。
【0049】
このように構成することで、ファインダーの小型化に伴い、撮像装置の小型化にも有利となる。
【0050】
ところで、以上の第1〜第8の実像式ファインダー光学系において、第4レンズ群は3回の反射を行う複数の反射面を有し、第5レンズ群はダハ反射面を有するようにすることが望ましい。
【0051】
このように構成することで、対物レンズ群の長いバックフォーカスを利用して中間像位置を像正立光学系の内部に配することができ、ファインダーの厚さ方向を小さくできる。また、ダハ反射面を用いることで、像正立光学系が厚くなることを防ぎ、よりコンパクト化が達成できる。
【0052】
また、以上の第1〜第8の実像式ファインダー光学系において、対物レンズ群による焦点面近傍に観察視野を制限する視野絞りを配すると共に、広角端における最大入射半画角ωw が以下の条件を満足することが望ましい。
【0053】
27°<ωw <45° ・・・(9)
この条件式(9)の下限の27°を越えると、一般にコンパクトカメラに必要とされる広角端画角から離れてしまう。一方、上限の45°を越えると、少ないレンズ枚数にて広角端での歪曲収差の補正を行うことが困難となってくる。
【0054】
さらに、条件式(9)の下限値を30°とすると、観察画角に対する光学性能のバランスが取れ、より好ましい。又は、その上限値を40°とすると、広角端での歪曲収差の補正に有利となる。
【0055】
また、以上の第1〜第8の実像式ファインダー光学系において、対物レンズ群による焦点面近傍に観察視野を制限する視野絞りを配すると共に、望遠端における最大入射半画角ωt が以下の条件を満足することが望ましい。
【0056】
5°<ωt <18° ・・・(10)
この条件式(10)の下限の5°を越えると、移動レンズ群の移動量が大きくなり、大型化しやすくなる。一方、上限の18°を越えると、変倍範囲が狭くなる。
【0057】
さらに、条件式(10)の下限値を8°とすると、変倍比とコンパクト化とのバランスが取りやすくなるため、より好ましい。又は、上限値を12°とすると、広角端での歪曲収差の補正に有利となる。
【0058】
また、以上の第1〜第8の実像式ファインダー光学系において、以下の条件を満足することが望ましい。
【0059】
1.7<ft /fw <6 ・・・(11)
ただし、ft は第1レンズ群〜第4レンズ群の望遠端における合成焦点距離、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。
【0060】
この条件式(11)の下限値の1.7を越えると、変倍範囲が狭くなる。上限値の6を越えると、変倍範囲は広くなるが、移動レンズ群の移動量が大きくなり、大型化しやすくなる。
【0061】
さらに、条件式(11)の下限値を2.0、又は、上限値を4.0とすると、小型化と変倍比の確保、収差補正のバランスが取りやすくなりより好ましい。
【0062】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実像式ファインダー光学系の実施例を説明する。
【0063】
本発明の実施例1〜8の実像式ファインダー光学系は、図1に実施例1の光路図を代表例として示すように、正屈折力の対物レンズ群10と、正屈折力の接眼レンズ群30とを備えてなり、対物レンズ群10は、単一の負レンズからなる第1レンズ群G1、単一の正レンズからなる第2レンズ群G2、単一の正レンズからなる第3レンズ群G3、像反転光学系20を構成する第1プリズム21であって負屈折力を有する第4レンズ群G4からなり、接眼レンズ群30は、像反転光学系20を構成する第2プリズム22からなる第5レンズ群G5、単一の正レンズからなる第6レンズ群G6からなる。
【0064】
そして、対物レンズ群10による中間像は何れの実施例においても、第2プリズム22の入射面2A位置近傍に結像され、その入射面2A近傍に視野枠11が配置されている。
【0065】
対物レンズ群10の第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3を順に経た光軸は、第1プリズム21内で光軸が交差しないように入射面1Aから入射して、光学面1B、1C、1Dの各面でこの順に反射し、反射面と透過面を兼ねる光学面1Cから射出するように第1プリズム21が構成され、第1プリズム21から出た光軸は、第2プリズム22内で光軸が交差しないように入射面2Aから入射して、光学面2B、2Cの各面でこの順に反射し、反射面と透過面を兼ねる光学面2Bから射出するように第2プリズム22が構成されており、光学面1B、1Dにミラーコートが施され、光学面2Cはダハ反射部となっており、全ての屈折面、反射面は平面を含む回転対称な曲率の面となっている。
【0066】
また、光学面1Aに入射する光軸と光学面2Bから出る光軸は平行になるように、第1プリズム21の光学面1A〜1Dと第2プリズム22の光学面2A〜2Cの角度が設定されている。
【0067】
対物レンズ群10による変倍は、第1レンズ群G1と第4レンズ群G4を固定して、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3を移動させることで、広角端から望遠端への変倍を行っている。
【0068】
なお、図1中、射出瞳(アイポイント)は符号EPで示されている。
【0069】
以下、実施例1〜8の光路展開図をそれぞれ示す図2〜図9に基づいて、各実施例を説明する。図2〜図9において、(a)は広角端、(b)は中間状態、(c)は望遠端での光路展開図である。
【0070】
実施例1の実像式ファインダー光学系は、図2に示すように、対物レンズ群10は、両凹負単レンズからなる第1レンズ群G1と、両凸正単レンズからなる第2レンズ群G2と、両凸正単レンズからなる第3レンズ群G3と、凹平負単レンズに相当する構成の第1プリズム21からなる第4レンズ群G4とからなり、接眼レンズ群30は、凸平正単レンズに相当する構成の第2プリズム22からなる第5レンズ群G5と、両凸正単レンズからなる第6レンズ群G6とからなり、第5レンズ群G5の入射側の面位置に視野枠11が配置されている。
【0071】
そして、第1レンズ群G1の入射側の面、第2レンズ群G2の入射側の面、第3レンズ群G2の両面、第4レンズ群G4の入射側の面、第6レンズ群G6の入射側の面の6面に非球面が配置されている。
【0072】
広角端から望遠端に変倍する際には、第1レンズ群G1は固定で、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間の間隔を一旦は広げ次いで狭めるように物体側へ移動し、望遠端では広角端におけるよりも第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は狭くなっている。
【0073】
実施例2の実像式ファインダー光学系は、図3に示すように、対物レンズ群10は、両凹負単レンズからなる第1レンズ群G1と、両凸正単レンズからなる第2レンズ群G2と、物体側に凹面を向けた正メニスカス単レンズからなる第3レンズ群G3と、凹平負単レンズに相当する構成の第1プリズム21からなる第4レンズ群G4とからなり、接眼レンズ群30は、凸平正単レンズに相当する構成の第2プリズム22からなる第5レンズ群G5と、両凸正単レンズからなる第6レンズ群G6とからなり、第5レンズ群G5の入射側の面位置に視野枠11が配置されている。
【0074】
そして、第1レンズ群G1の入射側の面、第2レンズ群G2の入射側の面、第3レンズ群G2の両面、第4レンズ群G4の入射側の面、第6レンズ群G6の入射側の面の6面に非球面が配置されている。
【0075】
広角端から望遠端に変倍する際には、第1レンズ群G1は固定で、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間の間隔を一旦は広げ次いで狭めるように物体側へ移動し、望遠端では広角端におけるよりも第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は狭くなっている。
【0076】
実施例3の実像式ファインダー光学系は、図4に示すように、対物レンズ群10は、両凹負単レンズからなる第1レンズ群G1と、両凸正単レンズからなる第2レンズ群G2と、物体側に凹面を向けた正メニスカス単レンズからなる第3レンズ群G3と、凹平負単レンズに相当する構成の第1プリズム21からなる第4レンズ群G4とからなり、接眼レンズ群30は、凸平正単レンズに相当する構成の第2プリズム22からなる第5レンズ群G5と、両凸正単レンズからなる第6レンズ群G6とからなり、第5レンズ群G5の入射側の面位置に視野枠11が配置されている。
【0077】
そして、第1レンズ群G1の入射側の面、第2レンズ群G2の入射側の面、第3レンズ群G2の両面、第4レンズ群G4の入射側の面、第6レンズ群G6の入射側の面の6面に非球面が配置されている。
【0078】
広角端から望遠端に変倍する際には、第1レンズ群G1は固定で、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間の間隔を一旦は広げ次いで狭めるように物体側へ移動し、望遠端では広角端におけるよりも第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は広くなっている。
【0079】
実施例4の実像式ファインダー光学系は、図5に示すように、対物レンズ群10は、両凹負単レンズからなる第1レンズ群G1と、両凸正単レンズからなる第2レンズ群G2と、物体側に凹面を向けた正メニスカス単レンズからなる第3レンズ群G3と、凹平負単レンズに相当する構成の第1プリズム21からなる第4レンズ群G4とからなり、接眼レンズ群30は、凸平正単レンズに相当する構成の第2プリズム22からなる第5レンズ群G5と、両凸正単レンズからなる第6レンズ群G6とからなり、第5レンズ群G5の入射側の面位置に視野枠11が配置されている。
【0080】
そして、第1レンズ群G1の入射側の面、第2レンズ群G2の入射側の面、第3レンズ群G2の両面、第4レンズ群G4の入射側の面、第6レンズ群G6の入射側の面の6面に非球面が配置されている。
【0081】
広角端から望遠端に変倍する際には、第1レンズ群G1は固定で、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間の間隔を一旦は広げ次いで狭めるように物体側へ移動し、望遠端では広角端におけるよりも第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は狭くなっている。
【0082】
実施例5の実像式ファインダー光学系は、図6に示すように、対物レンズ群10は、両凹負単レンズからなる第1レンズ群G1と、両凸正単レンズからなる第2レンズ群G2と、物体側に凹面を向けた正メニスカス単レンズからなる第3レンズ群G3と、凹平負単レンズに相当する構成の第1プリズム21からなる第4レンズ群G4とからなり、接眼レンズ群30は、凸平正単レンズに相当する構成の第2プリズム22からなる第5レンズ群G5と、両凸正単レンズからなる第6レンズ群G6とからなり、第5レンズ群G5の入射側の面位置に視野枠11が配置されている。
【0083】
そして、第1レンズ群G1の入射側の面、第2レンズ群G2の入射側の面、第3レンズ群G2の両面、第4レンズ群G4の入射側の面、第6レンズ群G6の入射側の面の6面に非球面が配置されている。
【0084】
広角端から望遠端に変倍する際には、第1レンズ群G1は固定で、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間の間隔を一旦は広げ次いで狭めるように物体側へ移動し、望遠端では広角端におけるよりも第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は狭くなっている。
【0085】
実施例6の実像式ファインダー光学系は、図7に示すように、対物レンズ群10は、両凹負単レンズからなる第1レンズ群G1と、両凸正単レンズからなる第2レンズ群G2と、物体側に凹面を向けた正メニスカス単レンズからなる第3レンズ群G3と、凹平負単レンズに相当する構成の第1プリズム21からなる第4レンズ群G4とからなり、接眼レンズ群30は、凸平正単レンズに相当する構成の第2プリズム22からなる第5レンズ群G5と、両凸正単レンズからなる第6レンズ群G6とからなり、第5レンズ群G5の入射側の面近傍に視野枠11が配置されている。
【0086】
そして、第1レンズ群G1の入射側の面、第2レンズ群G2の入射側の面、第3レンズ群G2の両面、第4レンズ群G4の入射側の面、第6レンズ群G6の入射側の面の6面に非球面が配置されている。
【0087】
広角端から望遠端に変倍する際には、第1レンズ群G1は固定で、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間の間隔を一旦は広げ次いで狭めるように物体側へ移動し、望遠端では広角端におけるよりも第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は狭くなっている。
【0088】
実施例7の実像式ファインダー光学系は、図8に示すように、対物レンズ群10は、両凹負単レンズからなる第1レンズ群G1と、両凸正単レンズからなる第2レンズ群G2と、物体側に凹面を向けた正メニスカス単レンズからなる第3レンズ群G3と、凹平負単レンズに相当する構成の第1プリズム21からなる第4レンズ群G4とからなり、接眼レンズ群30は、凸平正単レンズに相当する構成の第2プリズム22からなる第5レンズ群G5と、両凸正単レンズからなる第6レンズ群G6とからなり、第5レンズ群G5の入射側の面位置に視野枠11が配置されている。
【0089】
そして、第1レンズ群G1の入射側の面、第2レンズ群G2の入射側の面、第3レンズ群G2の両面、第4レンズ群G4の入射側の面、第6レンズ群G6の入射側の面の6面に非球面が配置されている。
【0090】
広角端から望遠端に変倍する際には、第1レンズ群G1は固定で、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間の間隔を広げるように物体側へ移動し、望遠端では広角端におけるよりも第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は広くなっている。
【0091】
実施例8の実像式ファインダー光学系は、図9に示すように、対物レンズ群10は、両凹負単レンズからなる第1レンズ群G1と、両凸正単レンズからなる第2レンズ群G2と、物体側に凹面を向けた正メニスカス単レンズからなる第3レンズ群G3と、凹平負単レンズに相当する構成の第1プリズム21からなる第4レンズ群G4とからなり、接眼レンズ群30は、凸平正単レンズに相当する構成の第2プリズム22からなる第5レンズ群G5と、両凸正単レンズからなる第6レンズ群G6とからなり、第5レンズ群G5の入射側の面位置に視野枠11が配置されている。
【0092】
そして、第1レンズ群G1の入射側の面、第2レンズ群G2の入射側の面、第3レンズ群G2の両面、第4レンズ群G4の入射側の面、第6レンズ群G6の入射側の面の6面に非球面が配置されている。
【0093】
広角端から望遠端に変倍する際には、第1レンズ群G1は固定で、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間の間隔を一旦は広げ次いで狭めるように物体側へ移動し、望遠端では広角端におけるよりも第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は広くなっている。
【0094】
次に、本発明の実施例9の実像式ファインダー光学系の広角端での光路図を図10に、そのの光路展開図を図11に示す。図11の(a)は広角端、(b)は中間状態、(c)は望遠端での光路展開図である。
【0095】
実施例9の実像式ファインダー光学系は、図10に示すように、正屈折力の対物レンズ群10と、正屈折力の接眼レンズ群30とを備えてなり、対物レンズ群10は、単一の負レンズからなる第1レンズ群G1、単一の正レンズからなる第2レンズ群G2、単一の正レンズからなる第3レンズ群G3、像反転光学系20を構成するダハプリズムからなる第1プリズム21であって負屈折力を有する第4レンズ群G4からなり、接眼レンズ群30は、像反転光学系20を構成するペンタプリズムからなる第2プリズム22であって正屈折力を有する第5レンズ群G5、単一の正レンズからなる第6レンズ群G6からなる。第6レンズ群G6の観察側にはカバーガラス12が配置されている。
【0096】
そして、対物レンズ群10による中間像は第2プリズム22の入射面2A’位置近傍に結像され、その入射面2A’近傍に視野枠11が配置されている。
【0097】
対物レンズ群10の第1レンズ群G1、第2レンズ群G2、第3レンズ群G3を順に経た光軸は、第1プリズム21内で光軸が交差しないように入射面1A’から入射して、光学面1B’で反射し、光学面1C’から射出するように第1プリズム21が構成され、第1プリズム21から出た光軸は、第2プリズム22の入射面2Aから入射して、光学面2B’、2C’の各面でこの順に反射し、光学面2B’に向かう光軸と光学面2C’で反射した光軸は第2プリズム22内で交差し、光学面2D’から射出するように第2プリズム22が構成されており、光学面1B’はダハ反射部となっており、光学面2B’、2C’にミラーコートが施されており、全ての屈折面、反射面は平面を含む回転対称な曲率の面となっている。
【0098】
また、光学面1A’に入射する光軸と光学面2D’から出る光軸は平行になるように、第1プリズム21の光学面1A’〜1C’と第2プリズム22の光学面2A’〜2D’の角度が設定されている。
【0099】
対物レンズ群10による変倍は、第1レンズ群G1と第4レンズ群G4を固定して、第2レンズ群G2と第3レンズ群G3を移動させることで、広角端から望遠端への変倍を行っている。
【0100】
なお、図10中、射出瞳(アイポイント)は符号EPで示されている。
【0101】
そして、この実施例9の実像式ファインダー光学系は、図11に示すように、対物レンズ群10は、両凹負単レンズからなる第1レンズ群G1と、両凸正単レンズからなる第2レンズ群G2と、物体側に凹面を向けた正メニスカス単レンズからなる第3レンズ群G3と、凹平負単レンズに相当する構成の第1プリズム21からなる第4レンズ群G4とからなり、接眼レンズ群30は、凸平正単レンズに相当する構成の第2プリズム22からなる第5レンズ群G5と、両凸正単レンズからなる第6レンズ群G6とからなり、第5レンズ群G5の入射側の面位置近傍に視野枠11が配置され、第6レンズ群G6の観察側には平行平板からなるカバーガラス12が配置されている。
【0102】
そして、第1レンズ群G1の入射側の面、第2レンズ群G2の入射側の面、第3レンズ群G2の両面、第4レンズ群G4の入射側の面、第6レンズ群G6の入射側の面の6面に非球面が配置されている。
【0103】
広角端から望遠端に変倍する際には、第1レンズ群G1は固定で、第2レンズ群G2は物体側へ単調に移動し、第3レンズ群G3は第2レンズ群G2との間の間隔を一旦は広げ次いで狭めるように物体側へ移動し、望遠端では広角端におけるよりも第2レンズ群G2と第3レンズ群G3の間隔は狭くなっている。
【0104】
以下に、上記実施例1〜9の数値データを示すが、記号は上記の外、EPはアイポイント、ωは半画角、WEは広角端、STは中間状態、TEは望遠端、r1 、r2 …は各レンズ面の曲率半径、d1 、d2 …は各レンズ面間の間隔、nd1、nd2…は各レンズのd線の屈折率、νd1、νd2…は各レンズのアッベ数である。なお、非球面形状は、xを光の進行方向を正とした光軸とし、yを光軸と直交する方向にとると、下記の式にて表される。
【0105】
x=(y2 /r)/[1+{1−(K+1)(y/r)2 }1/2 ]+A4y4 +A6y6 +A8y8 + A10y10
ただし、rは近軸曲率半径、Kは円錐係数、A4、A6、A8、A10 はそれぞれ4次、6次、8次、10次の非球面係数である。
【0106】
【0107】
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【0114】
【0115】
以上の実施例1〜3の無限遠物点に対する収差図をそれぞれ図12〜図14に示す。これらの収差図において、(a)は広角端、(b)は中間状態、(c)は望遠端における球面収差SA、非点収差AS、歪曲収差DT、倍率色収差CCを示す。なお、これら収差図は、射出瞳EPの位置に無収差の結像レンズを配置したときの収差である。
【0116】
次に、上記各実施例における条件式(1)〜(8)、(11)の値を示す。
【0117】
【0118】
なお、以上の実施例では、第3レンズ群G3は何れも、広角端から望遠端に変倍する際に物体側に繰り出されるものであったが、第3レンズ群G3を一旦眼側へ微動後、物体側へ繰り出すようにすることもできる。
【0119】
以上のような本発明の実像式ファインダー光学系は、例えばレンズシャッターカメラや電子スチルカメラのファインダー光学系として使用することができる。図15は、そのようなレンズシャッターカメラ又は電子スチルカメラ40に組み込んだ場合の一例の透視斜視図であり、カメラ40の前面には撮影用の対物光学系41が配置され、カメラ40内の対物光学系41の像面位置に電子撮像素子あるいは銀塩フィルム42が配置され、撮影光路43を経た光束により被写体の像を電子撮像素子あるいは銀塩フィルム42に撮影記録する。一方、撮影光路43と略平行なファインダー光路44を経て入射する同じ被写体の像は、本発明の実像式ファインダー光学系1を通してカメラ40の背面の接眼開口を通して撮影者の眼E中に結像する。この例のように、本発明の実像式ファインダー光学系1は、第1プリズム21と第2プリズム22からなる像反転光学系20中で光路を水平面あるいは垂直面内で折り曲げて入射光軸と射出光軸を平行になるようにすることにより、ファインダー光学系自身及びカメラのコンパクト化、薄型化を図ることができる。
【0120】
以上の本発明の実像式ファインダー光学系及びそれを備えた撮像装置は例えば次のように構成することができる。
【0121】
〔1〕 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
【0122】
1.60<fb(w)/fw <3.0 ・・・(1)
ただし、fb(w)は第1レンズ群〜第3レンズ群の広角端におけるバックフォーカス、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。
【0123】
〔2〕 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
【0124】
−2.0<(D1w−D1t)/(fw −ft )<−0.7 ・・・(2)
ただし、D1wは広角端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔、D1tは望遠端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離、ft は第1レンズ群〜第4レンズ群の望遠端における合成焦点距離である。
【0125】
〔3〕 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
【0126】
0.89<(D3w−D3t)/(fw −ft )<1.5 ・・・(3)
ただし、D3wは広角端における第3レンズ群と第4レンズ群との光軸上の空気間隔、D3tは望遠端における第3レンズ群と第4レンズ群との光軸上の空気間隔、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離、ft は第1レンズ群〜第4レンズ群の望遠端における合成焦点距離である。
【0127】
〔4〕 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
【0128】
−3.0<f1 /fw <−1.52 ・・・(4)
ただし、f1 は第1レンズ群の焦点距離、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。
【0129】
〔5〕 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
【0130】
2.1<D1w/fw <4.0 ・・・(5)
ただし、D1wは広角端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。
【0131】
〔6〕 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
【0132】
6.1<SDw2/fw <10 ・・・(6)
ただし、SDw2は第1レンズ群の物体側の面から第5レンズ群の物体側の面までの光軸上の距離、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。
【0133】
〔7〕 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
【0134】
0.02<D3w/D1w<0.10 ・・・(7)
ただし、D3wは広角端における第3レンズ群と第4レンズ群との光軸上の空気間隔、D1wは広角端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔である。
【0135】
〔8〕 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
【0136】
0.06<D1t/ft <0.80 ・・・(8)
ただし、D1tは望遠端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔、ft は第1レンズ群〜第4レンズ群の望遠端における合成焦点距離である。
【0137】
〔9〕 上記1から8の何れか1項記載の実像式ファインダー光学系と、該実像式ファインダー光学系とは異なる入射光路を備えると共に、該実像式ファインダー光学系にて観察される被写体の像を結像する結像光学系とを備えたことを特徴とする撮像装置。
【0138】
〔10〕 前記第4レンズ群は3回の反射を行う複数の反射面を有し、前記第5レンズ群はダハ反射面を有することを特徴とする上記1から8の何れか1項記載の実像式ファインダー光学系。
【0139】
〔11〕 前記対物レンズ群による焦点面近傍に観察視野を制限する視野絞りを配すると共に、広角端における最大入射半画角ωw が以下の条件を満足することを特徴とする上記1から8の何れか1項記載の実像式ファインダー光学系。
【0140】
27°<ωw <45° ・・・(9)
〔12〕 前記対物レンズ群による焦点面近傍に観察視野を制限する視野絞りを配すると共に、望遠端における最大入射半画角ωt が以下の条件を満足することを特徴とする上記1から8の何れか1項記載の実像式ファインダー光学系。
【0141】
5°<ωt <18° ・・・(10)
〔13〕 以下の条件を満足することを特徴とする上記1から8の何れか1項記載の実像式ファインダー光学系。
【0142】
1.7<ft /fw <6 ・・・(11)
ただし、ft は第1レンズ群〜第4レンズ群の望遠端における合成焦点距離、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。
【0143】
〔14〕 上記1の条件式(1)を満足することを特徴とする上記2から8の何れか1項記載の実像式ファインダー。
【0144】
〔15〕 上記2の条件式(2)を満足することを特徴とする上記1、3から8の何れか1項記載の実像式ファインダー。
【0145】
〔16〕 上記3の条件式(3)を満足することを特徴とする上記1、2、4から8の何れか1項記載の実像式ファインダー。
【0146】
〔17〕 上記4の条件式(4)を満足することを特徴とする上記1から3、5から8の何れか1項記載の実像式ファインダー。
【0147】
〔18〕 上記5の条件式(5)を満足することを特徴とする上記1から4、6から8の何れか1項記載の実像式ファインダー。
【0148】
〔19〕 上記6の条件式(6)を満足することを特徴とする上記1から5、7、8の何れか1項記載の実像式ファインダー。
【0149】
〔20〕 上記7の条件式(7)を満足することを特徴とする上記1から6、8の何れか1項記載の実像式ファインダー。
【0150】
〔21〕 上記8の条件式(8)を満足することを特徴とする上記1から7の何れか1項記載の実像式ファインダー。
【0151】
〔22〕 上記10から21の何れか1項記載の実像式ファインダー光学系と、該実像式ファインダーとは異なる入射光路を備えると共に、該実像式ファインダー光学系にて観察される被写体の像を結像する結像光学系とを備えたことを特徴とする撮像装置。
【0152】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によると、良好な光学性能を維持しつつカメラの小型化・低コスト化に好適な構成の像正立光学系を備えた実像式ファインダー光学系とそれを備えた撮像装置を提供することができる。本発明の実像式ファインダー光学系は、特に変倍比1.9以上のファインダーに有効であるが、変倍比2.9以上のファインダーに特に効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の実像式ファインダー光学系の光路図である。
【図2】本発明の実施例1の実像式ファインダー光学系の光路展開図である。
【図3】本発明の実施例2の実像式ファインダー光学系の光路展開図である。
【図4】本発明の実施例3の実像式ファインダー光学系の光路展開図である。
【図5】本発明の実施例4の実像式ファインダー光学系の光路展開図である。
【図6】本発明の実施例5の実像式ファインダー光学系の光路展開図である。
【図7】本発明の実施例6の実像式ファインダー光学系の光路展開図である。
【図8】本発明の実施例7の実像式ファインダー光学系の光路展開図である。
【図9】本発明の実施例8の実像式ファインダー光学系の光路展開図である。
【図10】本発明の実施例9の実像式ファインダー光学系の光路図である。
【図11】本発明の実施例9の実像式ファインダー光学系の光路展開図である。
【図12】実施例1の無限遠物点に対する収差図である。
【図13】実施例2の無限遠物点に対する収差図である。
【図14】実施例3の無限遠物点に対する収差図である。
【図15】本発明の実像式ファインダー光学系をレンズシャッターカメラ又は電子スチルカメラに組み込んだ場合の透視斜視図である。
【符号の説明】
1…実像式ファインダー光学系
1A、1B、1C、1D…光学面
1A’、1B’、1C’…光学面
2A、2B、2C…光学面
2A’、2B’、2C’、2D’…光学面
10…対物レンズ群
11…視野枠
12…カバーガラス
20… 像反転光学系
21…第1プリズム
22…第2プリズム
30…接眼レンズ群
40…レンズシャッターカメラ又は電子スチルカメラ
41…対物光学系
42…電子撮像素子又は銀塩フィルム
43…撮影光路
44…ファインダー光路
G1…第1レンズ群
G2…第2レンズ群
G3…第3レンズ群
G4…第4レンズ群
G5…第5レンズ群
G6…第6レンズ群
EP…射出瞳(アイポイント)
E…撮影者の眼
Claims (9)
- 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
1.60<fb(w)/fw <3.0 ・・・(1)
ただし、fb(w)は第1レンズ群〜第3レンズ群の広角端におけるバックフォーカス、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。 - 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
−2.0<(D1w−D1t)/(fw −ft )<−0.7 ・・・(2)
ただし、D1wは広角端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔、D1tは望遠端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離、ft は第1レンズ群〜第4レンズ群の望遠端における合成焦点距離である。 - 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
0.89<(D3w−D3t)/(fw −ft )<1.5 ・・・(3)
ただし、D3wは広角端における第3レンズ群と第4レンズ群との光軸上の空気間隔、D3tは望遠端における第3レンズ群と第4レンズ群との光軸上の空気間隔、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離、ft は第1レンズ群〜第4レンズ群の望遠端における合成焦点距離である。 - 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
−3.0<f1 /fw <−1.52 ・・・(4)
ただし、f1 は第1レンズ群の焦点距離、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。 - 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
2.1<D1w/fw <4.0 ・・・(5)
ただし、D1wは広角端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。 - 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
6.1<SDw2/fw <10 ・・・(6)
ただし、SDw2は第1レンズ群の物体側の面から第5レンズ群の物体側の面までの光軸上の距離、fw は第1レンズ群〜第4レンズ群の広角端における合成焦点距離である。 - 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
0.02<D3w/D1w<0.10 ・・・(7)
ただし、D3wは広角端における第3レンズ群と第4レンズ群との光軸上の空気間隔、D1wは広角端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔である。 - 物体側より順に、正屈折力の対物レンズ群と、正屈折力の接眼レンズ群とを有する実像式ファインダー光学系において、
前記対物レンズ群は、物体側より順に、負レンズからなる第1レンズ群、正レンズからなる第2レンズ群、正レンズからなる第3レンズ群、負屈折力を有し像反転光学系の一部をなす第4レンズ群からなり、広角端から望遠端への変倍に際して、第1レンズ群は固定、第2レンズ群と第3レンズ群が可動、第4レンズ群が固定であり、
前記接眼レンズ群は、物体側より順に、像反転光学系の一部をなす第5レンズ群と、正屈折力の第6レンズ群を有し、さらに、以下の条件を満足することを特徴とする実像式ファインダー光学系。
0.06<D1t/ft <0.80 ・・・(8)
ただし、D1tは望遠端における第1レンズ群と第2レンズ群との光軸上の空気間隔、ft は第1レンズ群〜第4レンズ群の望遠端における合成焦点距離である。 - 請求項1から8の何れか1項記載の実像式ファインダー光学系と、該実像式ファインダー光学系とは異なる入射光路を備えると共に、該実像式ファインダー光学系にて観察される被写体の像を結像する結像光学系とを備えたことを特徴とする撮像装置。
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