JP3799806B2 - 車両の乗員保護装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の衝突時等の外力作用時において乗員の膝等を保護する車両の乗員保護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両の衝突時等の外力作用時において、乗員を保護する手段としシートベルトやエアバック等が使用されている。これ等は比較的大きな外力作用時において乗員の身体全体等に上半身を有効に保護するものであるが、これ等が設けられていても乗員の膝は前方に移動し、前方の固形物に干渉するという恐れがある。
【0003】
図18に示すようにフロントガラス等を支持するフロントパネル43の後方にはブレーキマスタバック44及びクラッチマスタバック45がペダルブラケット46に支持されて配置される。ブレーキマスタバック44及びクラッチマスタバック45の後端側にはブレーキマスタシリンダ27及びクラッチマスタシリンダ47が連結される。
【0004】
一方、図18に示すようにフロントパネル43側には図16に示すインストルメントパネル33が連結される。インストルメントパネル33の開口部41にはメータクラスタパネル32aが図16に示すように連結される。また、インストルメントパネル32aは図15に示すリインフォース37により補強される。
【0005】
メータクラスタパネル32aは図16に示すようにその中央部に空間部42を形成する。その両側には化粧パネル49とスイッチ取り付けパネル50が取り付けられる取り付け部6a等が配置される。なお、空間部42は図17乃至図19に示すようにステアリングカウル48等が通過する空間である。
【0006】
図18に示すように、化粧パネル49の前方側にはブレーキマスタシリンダ27の後端面28がほぼ相対向して配置され、スイッチ取り付けパネル50の前方側にはクラッチマスタシリンダ47の後端面51が相対向して配置される。また、図17,図18に示すように、化粧パネル49及びスイッチ取り付けパネル50の後方には乗員34の膝12がほぼ相対向して配置される。なお、図18に示すように、一般にステアリングカウル48に対してブレーキマスタシリンダ27とクラッチマスタシリンダ47とは均等な位置に配置されず、ブレーキマスタシリンダ27の方が近接して配置される。また、乗員34の膝12はブレーキマスタシリンダ27の後端面28とほぼ相対向して配置されるため、クラッチマスタシリンダ47の後端面51に対しては膝12はややずれた位置に配置される。従って、車両の衝突時等においてはブレーキマスタシリンダ27と膝12との干渉が主に問題となるので、便宜上以下では、ブレーキマスタシリンダ27と膝12との干渉防止についてのみ記載する。勿論、クラッチマスタシリンダ47と膝12との干渉防止についても本発明は適用される。
【0007】
図17に示すように、衝突時においてはフロントパネル43が後退し、ブレーキマスタシリンダ27が後方に押される。一方、図17,図18に示すように乗員34は慣性力により前進し、その膝12が化粧パネル49を介してブレーキマスタシリンダ27の後端面28に近接する。
【0008】
膝12の保護手段として、従来より各種の工夫がされている。例えば、実開平7−31516号公報はその一例を示すものである。この「自動車のニープロテクター」は、ブレーキマスタシリンダやクラッチマスタシリンダのような硬い干渉部材とドライバの脚部との間にニープロテクターを介在せしめたものである。このニープロテクターは弧状のガイドパネル部とこの内側にこれより変形強度の弱い変形パネル部を固着したものからなる。衝突時には、干渉部材の衝撃力を変形パネル部で吸収すると共に、脚部をガイドパネル部のカーブに沿って外方に移動させて脚部と干渉部材との衝突を防止するようにしたものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
図15乃至図19に示した従来技術の場合、衝突時等の外力作用時においてはメータクラスタパネル32a(詳しくは化粧パネル49)の裏面にブレーキマスタシリンダ27の後端面28が当ると共に化粧パネル49の表面には乗員34の膝12が当り、大腿部35にも伝わる。一方、実開平7−31516号公報に示す公知技術の場合は、前記のように脚部が外方にずれて保護されるように思われるが、実際は脚部は外方にずれない。すなわち、ガイドパネル部と変形パネル部とからなるニープロテクターは直接脚部と相対向して配置されるものではなく、その間にはインストルメントパネルが介在する。従って、衝突時に干渉部材によって変形パネル部は変形するが、ガイドパネル部はインストルメントパネルを介して脚部に当る。従って、脚部はガイドパネル部のカーブに沿って外方にずれることはできず、2点鎖線で示すようにインストルメントパネルの表面に沿ってわずかに外方にそのままずれるに過ぎない。従って、脚部は保護は不十分となる。
【0010】
本発明は、以上の事情に鑑みて創案されたものであり、衝突時等の外力作用時において乗員の膝や大腿部を確実に保護すると共に、構造簡単で比較的安価に実施できる車両の乗員保護装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以上の目的を達成するために、ブレーキマスタシリンダ(27)やクラッチマスタシリンダ等の固形物の端部と、この端部から適宜の空間部(7)を隔ててほぼ相対向して配置され、膝(12)の先端より車幅方向の内側において突出形成される突出面(13)とこれから斜め前方に向かって傾斜する傾斜面とを形成するパネル面(5)との間に介設され、外力作用時に乗員の膝(12)を保護するための乗員保護装置(1)であって、該乗員保護装置(1)は、パネル面(5)の前記突出面(13)及び傾斜面の裏側に密接して配置される膝受体(2)と、前記固形物の端部に対し通常は離間すると共に外力作用時にのみ当接し、かつ前記の端部に対して略平行面をなすフランジ面(17)と、前記端部後方において前記フランジ面(17)から膝受体(2)に対して斜め後方に向かって傾斜して延びる平板部(16)を有する第1の補強部材(3)と、外力作用時における前記固形物の移動方向にほぼ沿って配置され、その一端側を前記フランジ面(17)に連結固定すると共に他端側を前記突出面(13)に密接している膝受体(2)の突出部(8)に固定する第2の補強部材(4)とからなり、膝受体(2)と第1の補強部材(3)及び第2の補強部材(4)が鉄材からなることを特徴とする。また、前記膝受体(2)の傾斜角がほぼ35度であることを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の車両の乗員保護装置は前記膝受体の傾斜角がほぼ35度であることを特徴とし、前記パネル面がプラスチック材から形成される場合において、前記膝受体と前記第1及び第2の補強部材がプラスチック材より硬質の部材からなることを特徴とする。また、前記第1の補強部材及び/又は前記第2の補強部材には、その剛性をやや低下させる適宜大きさの空隙部が形成されるものであることを特徴とするものである。
【0013】
衝突時等の外力作用時において、慣性力により乗員は前進し、その膝等がパネル面に当る。このパネル面及びこれを補強する膝受体は斜め前方に向かって傾斜しているため膝等はこの傾斜面に沿って外方に移動する。作用する外力が大きい場合には固形物が大きく後退し第1の補強部材に当接する。この当接位置は前記膝等のパネル面との干渉位置よりも内側寄りのため、前記第1の補強部材の当接面又は当接部を基点としてパネル面や膝受体及び乗員保護装置の全体が大きく前寄りに回動し、膝等は固形物側からますます離れ、傾斜面に沿って大きく外方に移動する。更に大きな外力が加わって固形物と膝等が近接しても乗員保護装置がやや変形しながら更に大きく回動し、膝等は固形物からますます離れる。以上により、膝等と固形物との干渉はなくなり保護される。また、傾斜面の傾斜角度は膝等が円滑に外方に移動し得るものであればよいが、実験的,経験的に35度前後が好ましいことがわかった。また、第1及び第2の補強部材に空隙部を形成することにより、乗員保護装置が適当に変形して膝等との干渉時における衝撃エネルギーを吸収しながら膝等を円滑に回動させることが可能になる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して詳述する。図15及び図16に示したように、リインフォース37により補強されたインストルメントパネル33の開口部41にはメータクラスタパネル32が着脱可能に取り付けられる。本例では図16に示したメータクラスタパネル32aの替りに図1に示すメータクラスタパネル32が適用される。このメータクラスタパネル32の下方側には図略のステアリングカウル等が通過する空間部42とこれを挟んでパネル面5及び取り付け部6が形成される。本例の乗員保護装置1はパネル面5の裏側に配設されるものである。
【0015】
乗員保護装置1が配設されるパネル面5は、本例の場合は乗員保護装置1の膝受体2の表面輪郭形状とほぼ同一の形状のものからなりメータクラスタパネル32の成形時に一体的に形成されるものである。従って、パネル面5の形状は膝受体2の形状の説明によって代行し、重複説明を省略する。なお、パネル面5と前記の固形物の1つであるブレーキマスタシリンダ27の後端面28との間には乗員保護装置1の配設する空間部7が形成されている。乗員保護装置1は図2,図3,図4に示すように大別して膝受体2と、第1の補強部材3及び第2の補強部材4とからなり、これ等を一体構造に組み付けたものからなる。以下、その構造を順次説明する。
【0016】
まず、膝受体2を説明する。図5に示すように、突出部8を基点として側面方向にやや曲面状の傾斜面9が形成され、下方向にやや曲面状の傾斜面10が形成される。特に、図2に示すように傾斜面9の傾斜角は本例では約35度に形成される。傾斜面9は前寄りになだらかに傾斜するが、その傾斜端からは図5等に示すように鍔部11が連続して屈曲形成される。なお、前記したように傾斜面9及び鍔部11の部分と傾斜面10の部分はすべてパネル面5の裏面に密接し、パネル面5の膝12との干渉する部位の全面にわたり配設される。また、突出部8及び突出部8が密接するパネル面5側の突出面13は最も膝12に近接して配置されるが、少なくともこの突出面13と膝12との通常時における関係位置は、膝12が突出面13よりもやや外側に配置されることが望ましい。図5に示すように、膝受体2の傾斜面10には取り付け孔14が設けられ、鍔部11には配線用のクリップの挿通可能な開口部15が形成されているが開口部15は本例では不要部に相当する。膝受体2は本例では鉄材からなり、プラスチックのパネル面5の裏面の全面を補強しパネル面5の変形等を防止している。
【0017】
図6に示すように、鉄材からなる第1の補強部材3は、平板部16と、その両側に折り曲げ形成されるフランジ面17,18と、上方側に突出して形成される取り付け片19,19等とからなる。取り付け片19の先端側には取り付け孔20が穿孔される。なお、図2に示すように、通常時においてフランジ面17はブレーキマスタシリンダ27の後端面28とほぼ平行に配置され、フランジ面17の端部21(図2にB点で示す)に連結する平板部16は後寄りに小さな傾斜角で下り傾斜する形状からなり、平板部16の傾斜端から折れ曲がって形成されているフランジ面18は膝受体2の傾斜面9にほぼ全面に当接する形状のものからなる。また、取り付け片19は、図3に示すように、パネル面5の裏面に突出して一体形成される取り付け座22に当接する形状のものからなる。
【0018】
図7に示すように、第2の補強部材4は平板部23と、その両側に折り曲げ形成されるフランジ面24,25を形成するものからなり、本例では鉄材から形成される。この第2の補強部材4は図2乃至図4等に示すように膝受体2と第1の補強部材3間に架設されるものであり、フランジ面24は第2の補強部材3のフランジ面17に重合する形状からなり、フランジ面25は膝受体2の突出部8と傾斜面10の内端縁に密接する形状のものからなる。
【0019】
以上の構造の膝受体2,第1の補強部材3及び第2の補強部材4を組み付けて固着した状態の図1及び図4等に示されている。すなわち、膝受体2の傾斜面9の外輪縁には第1の補強部材3のフランジ面18が密接し固着される。一方、第1の補強部材3のフランジ面17には第2の補強部材4のフランジ面24が密接して固着される。なお、この固着部の外寄りの端部26を説明の都合上C点とする(図2,図4)。第2の補強部材4のフランジ面25は前記したように膝受体2の突出部8と傾斜面10の内端縁に密接して固着される。図4は膝受体2、第1の補強部材3及び第2の補強部材4の組み付けられた状態を示し、これ等が一体構造となって乗員保護装置1を形成する。
【0020】
図2及び図3は以上の構造の乗員保護装置1をブレーキマスタシリンダ27の後端面28とパネル面5との間の空間部7に配設した状態を示す。なお、乗員保護装置1は、膝受体2の取り付け孔14を通るビス29によりパネル面5側に固定され、第1の補強部材3の取り付け片19の取り付け孔20を通るビス30によりパネル面5側の取り付け座22に固定される。以上により、乗員保護装置1はパネル面5側に固定される。また、図2に示すように、通常時において、乗員保護装置1の膝受体2及びパネル面5はブレーキマスタシリンダ27の後端面28に対して角度35度で前寄りに傾斜して配設され、第2の補強部材3はその平板部16を後端面28に対してやや後寄りに傾斜して配置される。また、第2の補強部材4は後端面28に対し、ほぼ垂直に配置される。前記したように、第1の補強部材3のフランジ面17はブレーキマスタシリンダの後端面28とほぼ平行に配置され、外力作用時には両者は当接するが、その当接面の平板部16寄りの端部21のB点は、外力作用時に膝12とパネル面5に干渉する干渉点31(図2にA点で示す)よりも内寄りに形成される。また、第1の補強部材3のフランジ面17と第2の補強部材4のフランジ面24との固着部の端部26のC点は前記のB点よりも更に内寄りに配置される。
【0021】
図8及び図9は以上の構造の乗員保護装置1を配置したメータクラスタパネル32を有するインストルメントパネル33まわりの車両の主要部の構造と、乗員34との位置関係を示す図面である。前記主要部の構造は図17及び図18の説明と重複するため説明を省略し、乗員保護装置1の周辺のみを説明する。ブレーキマスタシリンダ27の後端面28に対し、乗員34の膝12及び大腿部35はほぼ相対向する位置に配置され、メータクラスタパネル32のパネル面5に取り付けられた乗員保護装置1は図8に示すようにやや右寄り(外寄り)に配置される。また、外力の作用しない通常の状態においては図8,図9に示すように乗員保護装置1とブレーキマスタシリンダ27の後端面28との間には隙間36(δ1で示す)が形成される。また、乗員保護装置1の第1の補強部材3の頂部とリインフォース37との間には図9に示すように大きな隙間38(δ2で示す)が形成され、外力作用時においても干渉等が生じない。
【0022】
次に、本例の乗員保護装置1を配置した車両における外力作用時の固形物と膝との関係を図2,図10,図11,図12等により説明する。図2及び図8,図9は車両外力の作用しない通常の状態を示す。前記したように、乗員保護装置1はブレーキマスタシリンダ27の後端面28から隙間36(δ1)だけ離れて配置され、乗員34の膝12はパネル面5から離れて配置される。
【0023】
車両に外力が作用すると、図2の状態が図10の状態となる。すなわち、外力によりブレーキマスタシリンダ27が後退すると共に慣性力により乗員34が前進する。この結果、図10のようにブレーキマスタシリンダ27の後端面28が乗員保護装置1の第1の補強部材3にフランジ面17に当り、膝12がパネル面5の突出面13の近傍の干渉点31のA点に当る。外力が小さい場合には第1及び第2の補強部材3,4が補強機能を発揮してそれ以上の変形は生じない。但し、膝12の当るA点と第2の補強部材4のブレーキマスタシリンダ27側とに当る端部のC点との間に適宜の距離があり、膝12によりパネル面5に押圧力が作用するため図10において反時計まわりのモーメントが作用し、膝12は外寄りに押されて開き気味になり、乗員保護装置1も反時計まわりに回動し易い状態になる。
【0024】
次に、更に外力が強く作用すると、B点又はC点を基点として図11に示すように第1の補強部材3及び第2の補強部材が折れ曲がり乗員保護装置1はやや変形しながら反時計方向に回動する。一方、膝12は前方向に押されているため、膝12は乗員保護装置1の回動に伴って前膝受体2の傾斜面9に沿って進み、パネル面5に対してはA点から図示のA′点に移動し、図10の状態から外開き状態になる。従って、膝12はブレーキマスタシリンダ27の後端面28から離れる方向に移動し、前進する。なお、膝12は常時、パネル面5や膝受体2に対し傾斜して干渉するため、パネル面5への押圧力は弱く、かつパネル面5は膝受体2により全面補強されているためパネル面の表面傷等が発生しない。そのため、膝12は保護される。
【0025】
更に、外力が加わると、図12に示すように乗員保護装置1の第1の補強部材3のフランジ面17やそれに重合している第2の補強部材4のフランジ面24がブレーキマスタシリンダ27の後端面28から離れ、B点から離れた外側のB′点(図12)を基点として大きく反時計方向に回動する。そのため、膝12はパネル面5や膝受体2の傾斜面9,10に押されて更に外開き方向に移動することになる。以上により、膝12とブレーキマスタシリンダ27側との干渉は完全に防止され、乗員の保護が図れる。なお、本例の乗員保護装置1は、前記のような板材を曲げ成形した膝受体2,第1及び第2の補強部材3,4を組み合わした枠体状の構造体からなり、軽量で、かつ比較的容易に製作できる。よって簡便に実施することができる。
【0026】
図13は第1の補強部材3の平板部16に空隙部39を開口形成した第2の補強部材3aを示し、図4は第2の補強部材4の平板部23に空隙部40を開口形成したものからなる。第1及び第2の補強部材3,4は剛性を有する部材であることが必要であるが、乗員保護装置1の外力作用時における変形形状を図11の点線に示すように適宜変化させて膝12の動きをより自然に外開きさせるためや、パネル面5側と膝12の干渉によっても生ずる衝撃エネルギーを極力吸収させて押圧力を低減させるめたには適宜形状の空隙部39,40を設けた方がよい場合もある。勿論、本発明は空隙部39,40がなくても十分に保護機能を発揮するものである。なお、本発明の乗員保護装置1は以上の構造のものからなるが、全体の輪郭形状はメータクラスタパネル32等の形状に対応して適宜設定されるものであり、細部構造については前記の内容に限定するものではない。
【0027】
【発明の効果】
1)本発明の請求項1に記載の車両の乗員保護装置によれば、外力作用時において膝は傾斜面に沿って固形物から離れる方向に移動し、乗員保護装置は鉄材(硬質材)からなるためほとんど変形しない状態で固形物との当接部を基点として全体として回動し、膝を誘導し、膝のぶつかる位置を制御することができ、これにより衝撃吸収構造を集中することができるため効率的な衝撃吸収ができる。また、乗員保護装置は比較的簡便な構造からなり、容易に実施できると共に、重量増への影響は少ない。
2)本発明の請求項2に記載の車両の乗員保護装置によれば、膝受体の傾斜面の傾斜角を35度前後にすることにより、膝の移動が極めて円滑に行われる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗員保護装置を設けたメータクラスタパネルを示す斜視図。
【図2】図1のA−A線拡大断面図。
【図3】図1のB−B線拡大断面図。
【図4】本発明の車両の乗員保護装置の実施の形態を示す斜視図。
【図5】本発明の乗員保護装置の膝受体の構造を示す斜視図。
【図6】本発明の乗員保護装置の第1の補強部材の構造を示す斜視図。
【図7】本発明の乗員保護装置の第2の補強部材の構造を示す斜視図。
【図8】本発明の乗員保護装置を設けたメータクラスタパネルとブレーキ又はクラッチマスタシリンダと膝との通常時(実線)における位置関係を示す平面図。
【図9】本発明の乗員保護装置を設けたメータクラスタパネルとブレーキマスタシリンダ,膝及びステアリングハンドルまわりとの通常時における位置関係を示す側面図。
【図10】本発明の乗員保護装置の外力作用時の作用を説明するための模式図。
【図11】大きな外力作用時における本発明の乗員保護装置及び膝の動きを説明するための模式図。
【図12】更に大きな外力が作用した場合の本発明の乗員保護装置及び膝の動きを説明するための模式図。
【図13】本発明の乗員保護装置の第1の補強部材の別の実施の形態を示す斜視図。
【図14】本発明の乗員保護装置の第2の補強部材の別の実施の形態を示す斜視図。
【図15】従来のリインフォースの全体構造を示す斜視図。
【図16】従来のインストルメントパネル及びそれに取り付けられるメータクラスタパネルを示す斜視図。
【図17】従来の外力作用時における乗員やその膝の移動状態や固形物との干渉状態を示す側面図。
【図18】従来のメータクラスタパネルとブレーキマスタシリンダ等や膝等との関係位置を示す平面図。
【図19】従来のメータクラスタパネルとブレーキマスタシリンダとの関係位置を示す部分斜視図。
【符号の説明】
1 乗員保護装置
2 膝受体
3 第1の補強部材
4 第2の補強部材
5 パネル面
6 取り付け部
7 空間部
8 突出部
9 傾斜面
10 傾斜面
11 鍔部
12 膝
13 突出面
14 取り付け孔
15 開口部
16 平板部
17 フランジ面
18 フランジ面
19 取り付け片
20 取り付け孔
21 端部(B点)
22 取り付け座
23 平板部
24 フランジ面
25 フランジ面
26 端部(C点)
27 ブレーキマスタシリンダ
28 後端面
29 ビス
30 ビス
31 干渉点(A点)
32 メータクラスタパネル
33 インストルメントパネル
34 乗員
35 大腿部
36 隙間(δ1
37 リインフォース
38 隙間(δ2
39 空隙部
40 空隙部
41 開口部
42 開口部

Claims (2)

  1. ブレーキマスタシリンダ(27)やクラッチマスタシリンダ等の固形物の端部と、この端部から適宜の空間部(7)を隔ててほぼ相対向して配置され、膝(12)の先端より車幅方向の内側において突出形成される突出面(13)とこれから斜め前方に向かって傾斜する傾斜面とを形成するパネル面(5)との間に介設され、外力作用時に乗員の膝(12)を保護するための乗員保護装置(1)であって、該乗員保護装置(1)は、パネル面(5)の前記突出面(13)及び傾斜面の裏側に密接して配置される膝受体(2)と、前記固形物の端部に対し通常は離間すると共に外力作用時にのみ当接し、かつ前記の端部に対して略平行面をなすフランジ面(17)と、前記端部後方において前記フランジ面(17)から膝受体(2)に対して斜め後方に向かって傾斜して延びる平板部(16)を有する第1の補強部材(3)と、外力作用時における前記固形物の移動方向にほぼ沿って配置され、その一端側を前記フランジ面(17)に連結固定すると共に他端側を前記突出面(13)に密接している膝受体(2)の突出部(8)に固定する第2の補強部材(4)とからなり、膝受体(2)と第1の補強部材(3)及び第2の補強部材(4)が鉄材からなることを特徴とする車両の乗員保護装置。
  2. 前記膝受体(2)の傾斜角がほぼ35度である請求項1に記載の車両の乗員保護装置。
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