JP4000445B2 - 車体構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車体構造に係り、詳しくは、インストルメントパネルを補強するとともに車体に支持するリーンフォース構造に関する。
【0002】
【関連する背景技術】
車室内には、乗員の前方に位置して種々の計器類や操作装置を配したインストルメントパネルが設けられている。そして、該インストルメントパネルの背面には、インストルメントパネルを補強するとともに該インストルメントパネルを車体に固定するリーンフォースが設けられている。また、このインストルメントパネルは、通常、乗員の身体の一部が当たった場合であっても乗員を保護可能なよう、柔軟な表皮材の背面にウレタンフォーム等のスポンジ状部材を設けて構成されている。
【0003】
ところで、インストルメントパネルの車両前方側にはブレーキブースタ等の機器類が配設されており、車両が前面衝突したときには、車体部材の前後方向での変形に伴ってこれら機器類が後方に押され、インストルメントパネルがリーンフォースとともに乗員側に押し下げられるおそれがある。
このようにインストルメントパネルが乗員側に押されると、乗員の膝がインストルメントパネルに強く押圧され、上記スポンジ状部材の機能だけでは乗員を十分に保護することができないという問題がある。
【0004】
そこで、例えばインストルメントパネルの一部を乗員側に突出させて膝保護手段を設け、膝保護手段の傾斜面に沿って膝を外方に逃がす構成が特開平10−236252号公報に開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記公報に開示されるように、膝保護手段を設けてインストルメントパネルの一部を乗員側に突出させるようにすると、インストルメントパネルの突出分だけコストアップに繋がり、また、突出した部分については、見栄えも悪く、インストルメントパネルがデザインの制約を受けるという問題がある。
【0006】
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、コストアップ無く且つインストルメントパネルがデザインの制約を受けることなく確実に乗員の膝を保護可能な車体構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1の発明では、車幅方向に延びてインストルメントパネルを補強するとともに両端が車体骨格に固定され、断面形状が略ハット状に形成されたリーンフォースに、乗員側へ張り出すとともに車両上下方向に延出する膝荷重受け部を設け、前記リーンフォースの底面のうち前記膝荷重受け部から車両前方側に延びる略水平部には脆弱部を設けたことを特徴としている。
【0008】
従って、乗員の膝がインストルメントパネルに当たると、膝はインストルメントパネル背面の断面形状が略ハット状に形成されたリーンフォースに乗員側へ張り出すとともに車両上下方向に延出するよう設けられた膝荷重受け部によって確実に受け止められ、リーンフォースの底面のうち膝荷重受け部から車両前方側に延びる略水平部には脆弱部(例えば、開口部)が設けられているので、膝とインストルメントパネルとの衝突により発生する衝撃エネルギがリーンフォースの当該脆弱部の変形によって十分に吸収される。これにより、乗員の膝が確実に保護される。
【0009】
また、膝荷重受け部や脆弱部はインストルメントパネルの外形に影響を与えることなく簡単な構成にしてリーンフォースに設けられるので、コストアップも無く、インストルメントパネルがデザインの制約を受けることもない。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1を参照すると本発明の車体構造に係るインストルメントパネルのリーンフォースの斜視図が示され、図2を参照すると当該インストルメントパネルのリーンフォースの上視図が示され、また図3を参照すると当該リーンフォース単体の斜視図が示されており、以下、これらの図に基づき説明する。
【0011】
車両室内の座席前方に設けられ、各種計器類や操作装置の配設されたインストルメントパネル1は、例えば樹脂製の表皮の裏面に所定肉厚のウレタンフォームを配して一体成形されている。
そして、図1に示すように、インストルメントパネル1は、インストルメントパネル1のうち運転席に対峙する側の部分がステアリングコラム6のコラムカバー8を跨ぐように設置されている。また、車両前後方向で視てインストルメントパネル1の前側(車両前方側)には、図2に示すように、インストルメントパネル1に近接して例えばブレーキブースタ40やクラッチブースタ42等の駆動系装置類が配設されている。
【0012】
インストルメントパネル1の背面側には、図1に示すように、インストルメントパネル1を補強すべく断面ハット状にプレス成形された鋼板製のリーンフォース2が取り付けられている。リーンフォース2の両端は、一対のブラケット4、4を介して図示しない車体骨格(例えば、一対の側面車体部材)にボルト等により固定されており、これによりインストルメントパネル1が車体に固定されている。
【0013】
リーンフォース2は、図2に示すように、運転席に座した乗員(運転者)の膝HR、HLと対峙する部分の奥行き寸法が他の部分と比べて特に大きくなるように構成されている。詳しくは、右膝HRと対峙する部分では、リーンフォース2が運転席側に張り出すようにプレス成形されて張出部10が形成されており、左膝HLと対峙する部分では、張出部材20が運転席側に延びるようにしてリーンフォース2の本体2aにスポット溶接等により取り付けられている。つまり、リーンフォース2は、乗員の膝HR、HLと対峙する部分では、できる限り広範囲に亘り、他の部分に比べてリーンフォース2ができる限り運転席側に大きく張り出すように構成されている。
【0014】
また、図1に示すように、張出部10の運転席側の端部は車両上下方向で視て下方に曲折してフランジ12が形成されており、張出部材20の運転席側の端部についても同様に下方に曲折してフランジ22が形成されている(膝荷重受け部)。つまり、図4を参照すると、図2中のA−A線に沿う断面が示され、図5を参照すると、図2中のB−B線に沿う断面が示されているが、このように、フランジ12及びフランジ22がインストルメントパネル1に沿うようにしてそれぞれ下方に延びている。
【0015】
リーンフォース2の底面14のうち、車両前後方向で視て張出部10の前側に延びる略水平部14aには矩形形状の孔16と孔17とが穿設されている。詳しくは、孔16と孔17は略水平部14aの略全域に亘って広く開口しており、これにより、リーンフォース2のうち略水平部14a、即ち車両前後方向で視て張出部10より前側部分の強度が車両前後方向で低くされている(脆弱部)。
【0016】
同様に、リーンフォース2の底面14のうち、車両前後方向で視て張出部材20の前側に延びる略水平部14bにも矩形形状の孔18が穿設されており、さらに張出部材20の略水平部24にも、当該略水平部24の略全域に亘って広く開口して矩形形状の孔26が穿設されている。これにより、張出部10の前側部分と同様、リーンフォース2のうち車両前後方向で視て張出部材20より前側部分の強度が車両前後方向で低くされている(脆弱部)。
【0017】
以下、このように構成されたリーンフォース2の作用効果について説明する。図6を参照すると、例えば車両が前面衝突したときのリーンフォース2の状態が図示されており、以下同図に基づき説明する。
車両が例えば前面衝突すると、構造上車体部材が車両前後方向で変形し、図中白抜き矢印で示すように、リーンフォース2、即ちインストルメントパネル1がブレーキブースタ40やクラッチブースタ42等の駆動系装置類により運転席側に押し下げられて後退する。
【0018】
このようにインストルメントパネル1が運転席側に押し下げられると、乗員の座席とインストルメントパネル1との距離が狭まり、乗員の膝HR、HLがインストルメントパネル1に当たることになる。詳しくは、上述したように、リーンフォース2には右膝HRと対峙するようにしてできるだけ広範囲に亘り張出部10が形成され、左膝HLと対峙するようにしてできるだけ広範囲に亘り張出部材20が取り付けられているので、インストルメントパネル1が後退すると、右膝HRはインストルメントパネル1を介して張出部10のフランジ12に当たり、左膝HLはインストルメントパネル1を介して張出部材20のフランジ22に当たることになる。つまり、インストルメントパネル1が後退すると、乗員の膝HR、HLが、それぞれ乗員側に張り出した張出部10のフランジ12及び張出部材20のフランジ22によって確実に受け止められることになる。
【0019】
そして、上述したように、車両前後方向で視て張出部10の前側に延びる略水平部14aには孔16と孔17が広く開口し、さらに張出部材20の前側に延びる略水平部14bにも孔18が開口し且つ張出部材20の略水平部24にも孔26が広く開口しているので、膝HR、HLがそれぞれフランジ12、22に当たると、その衝撃力により、図6に示すように、孔16、17、18、26の周縁のうち乗員側の部分がそれぞれ孔16、17、18、26の開口面積を縮小するように潰れ、容易に変形することになる。
【0020】
つまり、乗員の膝HR、HLがインストルメントパネル1を介してフランジ12、22に当たると、当該乗員の膝HR、HLとフランジ12、22との衝突により発生する衝撃エネルギが、強度の低い孔16、17、18、26の周縁部分の変形により良好に吸収されることになる。
これにより、膝HR、HLの受ける衝撃荷重が大幅に低減されることになり、乗員の膝HR、HLが傷害なく確実に保護される。
【0021】
このように、本発明の車体構造では、リーンフォース2に張出部10や張出部材20を設けるとともに孔16、17、18、26を設けるという簡単且つ廉価な構造にして乗員の膝HR、HLの保護を図るようにしている。従って、当該車体構造によれば、上記従来の構造のようにリーンフォース2の外形に影響を与えるようなこともなく、デザイン上の制約を防止しながら、乗員の膝を確実に保護し安全性を向上させることができる。
【0022】
以上で説明を終えるが、本発明の実施形態は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態では、リーンフォース2のうち運転席に対峙する部分に張出部10、張出部材20や孔16、17、18、26を設けて運転者の膝を保護する構成について説明したが、張出部、張出部材及び孔を助手席に対峙するリーンフォース2の部分に設けるようにし、併せて助手席に座した乗員の膝を保護するようにしてもよい。
【0023】
また、上記実施形態では、張出部材20をリーンフォース2の本体2aと別体に構成したが、本体2aと一体に構成してもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明の請求項1の車体構造によれば、車幅方向に延びてインストルメントパネルを補強するとともに両端が車体骨格に固定されて断面形状が略ハット状に形成されたリーンフォースに、乗員側へ張り出すとともに車両上下方向に延出する膝荷重受け部を設け、リーンフォースの底面のうち膝荷重受け部から車両前方側に延びる略水平部には脆弱部を設けるようにしたので、車両の衝突時等に乗員の膝がインストルメントパネルに当たったときには、リーンフォースの膝荷重受け部によって膝を確実に受け止め、衝撃エネルギをリーンフォースの脆弱部の変形によって良好に吸収するようにでき、コストアップやインストルメントパネルのデザイン上の制約を防止しながら、乗員の膝を確実に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車体構造に係るインストルメントパネルのリーンフォースを示す斜視図である。
【図2】本発明の車体構造に係るインストルメントパネルのリーンフォースを示す上視図である。
【図3】リーンフォース単体を示す斜視図である。
【図4】図2中のA−A線に沿う断面図である。
【図5】図2中のB−B線に沿う断面図である。
【図6】例えば車両が前面衝突したときのインストルメントパネルのリーンフォースの状態を示す上視図であって、本発明の作用効果を説明する図である。
【符号の説明】
1 インストルメントパネル
2 リーンフォース
2a 本体
10 張出部
12 フランジ
14 底面
14a、14b 略水平部
16、17、18 孔
20 張出部材
22 フランジ
24 略水平部
26 孔
HR 右膝
HL 左膝
Claims (1)
- 車幅方向に延びてインストルメントパネルを補強するとともに両端が車体骨格に固定され、断面形状が略ハット状に形成されたリーンフォースに、乗員側へ張り出すとともに車両上下方向に延出する膝荷重受け部を設け、前記リーンフォースの底面のうち前記膝荷重受け部から車両前方側に延びる略水平部には脆弱部を設けたことを特徴とする車体構造。
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