JP3653807B2 - 自動車用サイドシル補強構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用サイドシル補強構造に関し、特にサイドシルの内部にブレースを取り付けた構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の自動車用サイドシル補強構造としては、例えば、実開昭61−176072号及び図6に示したものがある。
図6の例で説明すると、1は、車体側面にあって前後方向に伸びるサイドシルであり、サイドシル1は、シルインナパネル2、シルアウタパネル3及びシルインナパネル2とシルアウタパネル3との間に介挿された補強用のシルレインフォースパネル4から構成され、それぞれのパネルの上部フランジ2a、3a、4a及び下部フランジ2b、3b、4bが溶接されることで、閉断面を構成している。サイドシル1の内部には、シルアウタパネル3とシルレインフォースパネル4とによって構成される閉断面を閉塞するブレース5が取り付けられている。
【0003】
このブレース5は、走行時に車体への振動入力等によるサイドシル1の閉断面の変形を抑えると共に、側面衝突時に車幅方向の入力を受けることでサイドシル1の剛性を高めている。
ブレース5を車体前後方向に間隔をおいて複数個取り付ける場合には、ブレース5に入力される力を車室側で受けるためにシートクロスメンバ,セコンドクロスメンバのような強度部材端部近傍に取り付けることが望ましく、また、シートクロスメンバとセコンドクロスメンバとの間としてセンタピラー下端の着座部付近に取り付けることが望ましい。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる従来の自動車用サイドシル補強構造にあっては、走行時の車体への振動入力等の車体の弾性域内での小変形に対しては、ブレースがサイドシルの閉断面の変形を抑える働きをして、車体剛性の向上に寄与するものの、側面衝突時の大入力時でサイドシルが圧壊変形するときに、かえってブレースが強固で変形しにくいために、サイドシルの変形がブレースで抑えられ、結果として狭い範囲でしかエネルギーを吸収することができないという問題がある。
【0005】
また、複数のブレース5を取り付ける場合に、センタピラー下端着座部近傍とシートクロスメンバ端部近傍とにブレースを取り付けるとこれらの2つのブレース間の間隔が短く、且つサイドシルのシートクロスメンバ端部近傍の部分の強度がセンタピラー下端着座部近傍の部分の強度よりも強くブレースがあるとサイドシルが変形しにくいので、側面衝突時に過大な引張応力がサイドシルに作用する恐れがあり、必然的にブレース間の間隔を広げるためにシートクロスメンバ端部近傍よりも後方にブレースを取り付けなければならない。そのため、通常の走行時に望ましい取付位置である強度部材端部近傍にブレースを取り付けられず、設計の自由度が下がるという問題もある。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、衝突エネルギーを有効に吸収できる自動車用サイドシル補強構造を提供することを目的とする。また、他の目的としては、ブレースの取付位置の自由度を増加させることができ、シートクロスメンバ端部近傍にブレースを配置することができる自動車用サイドシル補強構造を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1記載の発明では、車体側面にあって閉断面を構成し車体前後方向に伸びるサイドシルの内部に、該閉断面を略閉塞するブレースを取り付けた自動車用サイドシル補強構造において、
閉断面を構成する複数の部材にそれぞれ固定される一体物である前記ブレースの車幅方向に伸びる面に、他の部分に比べて車幅方向の入力に対して屈曲しやすい上下方向に伸びるビードによる易屈曲部を該ブレースの上端から下端に亘って形成することを特徴とする。
【0008】
側面衝突時の車幅方向の大入力に対して、易屈曲部が屈曲することで、ブレースが車幅方向の面がつぶれるため、衝突エネルギーを有効に吸収できる。
請求項2記載の発明では、車体側面にあって閉断面を構成し車体前後方向に伸びるサイドシルの内部に、該閉断面を略閉塞するブレースを、センタピラー下端後着座部近傍及びシートクロスメンバ端部近傍にそれぞれ車体前後方向に間隔をおいて取り付けた自動車用サイドシル補強構造において、前記ブレースのうちシートクロスメンバ端部近傍に取り付けたブレースにのみ、その車幅方向に伸びる面に、他の部分に比べて車幅方向の入力に対して屈曲しやすい上下方向に伸びるビードによる易屈曲部を該ブレースの上端から下端に亘って形成することを特徴とする。
【0009】
ブレースに易屈曲部を形成することで、ブレースの強度を調整することができる。従って、センタピラー下端後着座部近傍及びシートクロスメンバ端部近傍のように距離が短く、且つシートクロスメンバ端部近傍の強度が強すぎて周囲との強度バランスが悪い場合に、シートクロスメンバ端部近傍に取り付けたブレースに易屈曲部を形成することで、周囲との強度バランスをはかることができる。
【0010】
請求項3記載の発明では、請求項1または2記載の自動車用サイドシル補強構造において、前記易屈曲部を、前記サイドシルの前記閉断面を略閉塞する閉塞面に形成され、上下方向に伸びるビードと、前記サイドシルの上面に接する上部フランジ面と前記サイドシルの下面に接する下部フランジ面とにそれぞれ形成され、前記ビードと車幅方向の位置が一致する切り欠きと、から構成する。
【0011】
ビードと切り欠きで、側面衝突時の車幅方向の大入力に対して屈曲することができ、ブレースが衝突エネルギーを有効に吸収することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。図1は自動車用サイドシル補強構造の斜視図であり、図2はブレースの車体配置例を示す説明図であり、図3は図2矢視A図であり、図4は、図2の矢視B図である。図において、従来例と同一の部材は同一の符号を用いる。
【0013】
図2では、サイドシル1の内部に車体前後方向に間隔をおいて片側4つずつのブレース5、15が配置されており、先頭はセコンドクロスメンバ7端部近傍に、第2番目と第3番目はセンタピラー8下端前着座部と後着座部に、従来と同様のブレース5が取り付けられており、第4番目は、シートクロスメンバ6端部近傍にブレース15が取り付けられている。
【0014】
以下、シートクロスメンバ端部近傍のブレース15を詳細に説明する。
図1に示したように、ブレース15は、シルアウタパネル3とシルレインフォースパネル4とによって構成される閉断面を略閉塞する閉塞面15aと、シルアウタパネル3の上面に接する上部フランジ面15bと、シルアウタパネル3の下面に接する下部フランジ面15cと、シルアウタパネル3の外面に接する外側フランジ面15dと、シルレインフォースパネル4に接する内側フランジ面15eと、から構成される。各フランジ面15b、15c、15d、15eは、それぞれ接する面とスポット溶接されることにより固定されている。尚、閉塞面15aの中央には、ブレース15全体の軽量化のために開口部15fが設けられているが、この開口部15fはなくてもよく、閉塞面15aがシルアウタパネル3とシルレインフォースパネル4とによって構成される閉断面を完全に閉塞するものであってもよい。
【0015】
ブレース15を構成する各面のうち、車幅方向に伸びる閉塞面15a、上部フランジ面15b及び下部フランジ面15cには、ブレース15の上端から下端に亘って他の部分に比べて車幅方向の入力に対して屈曲しやすい易屈曲部16が形成されている。即ち、閉塞面15aには、開口部15fを挟んで上下方向に伸びるビード16aが形成されており、上部フランジ面15bには、ビード16aと車幅方向に一致した位置に切り欠き16bが形成されており、ビード16aの上端と切り欠き16bとの間の部分の幅が狭くなっている。同様に、下部フランジ面15cには、ビード16aと車幅方向に一致した位置に切り欠き16cが形成されており、ビード16aの下端と切り欠き16cとの間の部分の幅が狭くなっている。
【0016】
ブレース15は、図3及び図4に示したように、シートクロスメンバ6の端部近傍に取り付けられており、具体的には、その内側フランジ面15eが、シートクロスメンバ6にその前端が取り付けられるリアフロアパネル10の前側部にあってシルインナパネル2の側面に固定される前側部フランジ面10aに、対向するように取り付けるとよい。尚、9はフロントフロアパネルである。
【0017】
以上のように構成されたブレース15は、通常の走行時にはサイドシル1の閉断面の変形を抑える働きをするが、図5に矢印で示したように側面衝突時に車幅方向の大入力を受けると、易屈曲部16が屈曲し、ブレース15全体として車幅方向の面がつぶれるため、衝突エネルギーを有効に吸収できる。
さらに、センタピラー8下端後着座部近傍及びシートクロスメンバ6端部近傍のように距離が短く、且つ強度バランスがとりにくいシートクロスメンバ端部近傍に取り付けたブレース15に、易屈曲部16を形成することで、周囲との強度バランスをはかることができる。即ち、図5に示したように、側面衝突時にシートクロスメンバ端部近傍に取り付けたブレース15が屈曲することで、過大な引張応力がサイドシル1に作用することがない。
【0018】
但し、この実施の形態では、シートクロスメンバ6端部近傍のみのブレース15について易屈曲部16を設けたが、これに限るものではなく、これ以外の箇所に取り付けたブレースに易屈曲部16を設けてもよい。例えば、車室内のフロアパネルの強度に対してブレースを取り付けたサイドシル1の強度が強くなり過ぎるときには、易屈曲部16を設けて、フロアパネルとの強度バランスを調整することもできる。複数のブレース15が屈曲することで、広い範囲で車体が変形し、安定して大きなエネルギーを吸収することができる。
【0019】
また、この実施の形態では、4つのフランジ面15b,15c,15d,15eでサイドシル1内に固定されるブレースについて説明したが、これに限るものではなく、最低3つのフランジ面でサイドシル1内に固定されればよく、その中の車幅方向に伸びる面に易屈曲部16を形成すればよい。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明によれば、側面衝突時の車幅方向の大入力に対して、易屈曲部が屈曲することで、ブレースが車幅方向の面がつぶれるため、衝突エネルギーを有効に吸収できる。
請求項2記載の発明によれば、ブレースに易屈曲部を形成することで、ブレースの強度を調整することができるので、センタピラー下端後着座部近傍及びシートクロスメンバ端部近傍のように距離が短く、且つ強度バランスがとりにくいシートクロスメンバ端部近傍に取り付けたブレースに、易屈曲部を形成することで、周囲との強度バランスをはかることができる。
【0021】
請求項3記載の発明によれば、ビードと切り欠きで、側面衝突時の車幅方向の大入力に対して屈曲することができ、ブレースが衝撃エネルギーを有効に吸収することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を表す自動車用サイドシル補強構造の斜視図である。
【図2】ブレースの車体配置例を示す説明図である。
【図3】図2の矢視A図である。
【図4】図2の矢視B図である。
【図5】車幅方向の大入力を受けたときの図4相当図である。
【図6】従来の自動車用サイドシル補強構造の斜視図である。
【符号の説明】
1 サイドシル
6 シートクロスメンバ
8 センタピラー
15 ブレース
15a 閉塞面
15b 上部フランジ面
15c 下部フランジ面
16a ビード
16b 切り欠き
16c 切り欠き
Claims (3)
- 車体側面にあって閉断面を構成し車体前後方向に伸びるサイドシルの内部に、該閉断面を略閉塞するブレースを取り付けた自動車用サイドシル補強構造において、
閉断面を構成する複数の部材にそれぞれ固定される一体物である前記ブレースの車幅方向に伸びる面に、他の部分に比べて車幅方向の入力に対して屈曲しやすい上下方向に伸びるビードによる易屈曲部を該ブレースの上端から下端に亘って形成することを特徴とする自動車用サイドシル補強構造。 - 車体側面にあって閉断面を構成し車体前後方向に伸びるサイドシルの内部に、該閉断面を略閉塞するブレースを、センタピラー下端後着座部近傍及びシートクロスメンバ端部近傍にそれぞれ車体前後方向に間隔をおいて取り付けた自動車用サイドシル補強構造において、
前記ブレースのうちシートクロスメンバ端部近傍に取り付けたブレースにのみ、その車幅方向に伸びる面に、他の部分に比べて車幅方向の入力に対して屈曲しやすい上下方向に伸びるビードによる易屈曲部を該ブレースの上端から下端に亘って形成することを特徴とする自動車用サイドシル補強構造。 - 前記易屈曲部は、前記サイドシルの前記閉断面を略閉塞する閉塞面に形成され、上下方向に伸びる前記ビードと、前記サイドシルの上面に接する上部フランジ面と前記サイドシルの下面に接する下部フランジ面とにそれぞれ形成され、前記ビードと車幅方向の位置が一致する切り欠きと、から構成される請求項1または2記載の自動車用サイドシル補強構造。
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