JP3693899B2 - 自動車における車体前部の衝撃力吸収構造 - Google Patents

自動車における車体前部の衝撃力吸収構造 Download PDF

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    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
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Description

【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、車体がフロントピラーと、このフロントピラーから前方に向って突出するエプロンメンバとを備え、自動車の衝突時など、上記エプロンメンバにその前方から衝撃力が与えられたとき、上記エプロンメンバの塑性変形で、上記衝撃力が吸収されるようにした自動車における車体前部の衝撃力吸収構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車の車体前部は、従来、特開2000‐108946号公報で示されるものがある。
【0003】
上記公報のものによれば、上記車体前部は、前車輪をそれぞれ懸架して車体の前後方向に延びる左右一対のサイドメンバと、上下方向に延びてその下端部が上記サイドメンバの長手方向の中途部に支持される左右一対のフロントピラーと、上記各サイドメンバよりも上方に位置して上記各フロントピラーから前方に向って突出する左右一対のエプロンメンバと、車体の各側部で、上記サイドメンバとエプロンメンバとに架設されて上記前車輪をその上方から覆うフロントフェンダエプロンとを備え、上記エプロンメンバの後端部は上記フロントピラーに強固に結合させられている。
【0004】
また、上記構成において、通常、サイドメンバに前車輪を懸架させるサスペンションは上下方向に延びる緩衝器を備えており、上記フロントフェンダエプロンの一部分に上記緩衝器の上端部を支持させる支持部が形成される一方、上記緩衝器の下端部に上記前車輪が支持されている。
【0005】
自動車の走行時、前車輪が走行路面から受ける衝撃力は、上記緩衝器によって吸収される。また、上記支持部は、上記前車輪から緩衝器を介し与えられる大きな負荷に対抗する必要上、大きい強度を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の技術では、次のような問題点がある。
【0007】
即ち、上記エプロンメンバは上記フロントピラーから前方に向って突出し、上記エプロンメンバの後端部は上記フロントピラーに強固に結合させられている。
【0008】
このため、自動車の衝突時など、車体がその前方から大きい衝撃力を受け、この衝撃力が上記エプロンメンバに与えられたときには、上記エプロンメンバの後端部の前方近傍部分に応力集中が生じがちとなって、このエプロンメンバは、その後端部の前方近傍部分だけで単純に屈曲するおそれがある。
【0009】
しかし、上記したように、エプロンメンバが単純に屈曲すると、このエプロンメンバの塑性変形量が少ないことから、車体の塑性変形による衝撃力の吸収が不十分になるおそれがある。
【0010】
本発明は、上記のような事情に注目してなされたもので、自動車の衝突時など、車体がその前方から大きい衝撃力を受けたとき、車体の塑性変形による衝撃力の吸収が、より十分になされるようにすることを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の自動車における車体前部の衝撃力吸収構造は、次の如くである。
【0012】
請求項1の発明は、前車輪3をそれぞれ懸架して車体1の前後方向に延びる左右一対のサイドメンバ9と、上下方向に延びてその下端部が上記サイドメンバ9の長手方向の中途部に支持される左右一対のフロントピラー20と、上記各サイドメンバ9よりも上方に位置して上記各フロントピラー20から前方に向って突出する左右一対のエプロンメンバ28と、車体1の各側部で、上記サイドメンバ9とエプロンメンバ28とに架設されて上記前車輪3をその上方から覆うフロントフェンダエプロン30とを備えた自動車において、
【0013】
車体1の平面視で、上記エプロンメンバ28の両側面のうち、少なくとも一方の側面の前後端部を結ぶ仮想直線48を設定したとき、上記一方の側面における上記エプロンメンバ28の長手方向の中途部を上記仮想直線48よりも凹ませて凹所49を形成し
【0014】
車体1の幅方向に延びて上記各サイドメンバ9の前端部にラジエータサポート12を介し結合されるクロスメンバ13と、車体1の前方に向うに従い内側方に延びて上記各エプロンメンバ28の突出端部を上記クロスメンバ13の各端部に結合させる左右一対のアッパサイドメンバ29とを備え、上記エプロンメンバ28の一方の側面を、車体1の外側方側の側面としたものである。
【0015】
請求項の発明は、請求項1の発明に加えて、上記サイドメンバ9に前車輪3を懸架させるサスペンション2が上下方向に延びる緩衝器32を備え、上記フロントフェンダエプロン30の一部分に上記緩衝器32の上端部を支持させる支持部35を形成する一方、上記緩衝器32の下端部に上記前車輪3を支持させた自動車において、
【0016】
上記凹所49の底部50を、上記支持部35の中心37よりも前側に位置させたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面により説明する。
【0018】
図中符号1は自動車の板金製の車体で、矢印Frはこの車体1の前方を示し、下記する左右とは、上記前方に向っての車体1の幅方向をいうものとする。
【0019】
上記車体1は、その下部を構成して、サスペンション2により懸架した前車輪3と後車輪とを介して走行路面上に支持される車体フレーム4と、この車体フレーム4の上側に配設されてこの車体フレーム4に支持される車体本体5とを備え、上記車体フレーム4と車体本体5とは、車体1の幅方向の中心を通る仮想鉛直面6を基準としてほぼ左右対称形とされている。
【0020】
上記車体フレーム4の前部は、この車体フレーム4の左右各側部を構成し上記各前車輪3をそれぞれ懸架して前後方向に延びる左右一対のサイドメンバ9と、車体1の幅方向に延びてその各端部が上記各サイドメンバ9の前端部に締結具10により締結されて結合させられるフロントクロスメンバ11と、上記車体フレーム4の左右各前側部を構成して上下方向に延びその各下端部が上記各サイドメンバ9の前端部に結合させられる左右一対のラジエータサポート12と、車体1の幅方向に延びてその各端部が上記ラジエータサポート12の上端部に結合させられるアッパクロスメンバ13と、上記クロスメンバ11とアッパクロスメンバ13のそれぞれ長手方向の中途部同士を結合させるセンタメンバ14とを備えている。
【0021】
前記車体本体5は、上記サイドメンバ9の前部の後側に隣接して上記車体本体5の左右各外側部を構成する左右側壁18を備え、これら各側壁18の前部に車体1の幅方向に貫通するドア開口19が形成されている。
【0022】
上記側壁18の前端部である上記ドア開口19の前部開口縁がフロントピラー20とされている。このフロントピラー20は、上下方向に長く延びて十分の強度を有し、このフロントピラー20の下端部は上記サイドメンバ9の長手方向の中途部に支持されている。
【0023】
また、上記車体本体5は、車体1の幅方向に延びてその各端部が上記各フロントピラー20の上下方向の中途部に結合されるフロントカウル22と、このフロントカウル22から下方に延出するダッシュパネル23と、上記左右側壁18の間で、上記サイドメンバ9上に支持され、その前端部が上記ダッシュパネル23の延出端部(下端部)に結合されるフロアパネル24とを備えている。
【0024】
上記左右側壁18、フロントカウル22、ダッシュパネル23およびフロアパネル24で囲まれた車体本体5の内部の空間が車室25とされ、上記ドア開口19は上記車室25の内外を連通させている。
【0025】
また、上記車体本体5は、上記各サイドメンバ9よりも上方、かつ、外側方に位置し、上記フロントカウル22との結合部の近傍である上記フロントピラー20の上下方向の中途部から前方に向ってほぼ水平、かつ、直線的に突出する左右一対のエプロンメンバ28と、車体1の前方に向うに従い内側方に延びて上記各エプロンメンバ28の突出端部を前記アッパクロスメンバ13の各端部に結合させる左右一対のアッパサイドメンバ29と、車体1の各側部で、上記サイドメンバ9とエプロンメンバ28とに架設されて上記前車輪3をその上方から覆うフロントフェンダエプロン30とを備え、上記エプロンメンバ28の後端部は上記フロントピラー20の中途部とフロントカウル22の端部とにそれぞれ強固に結合させられている。
【0026】
上記フロントフェンダエプロン30の下端縁部は上記サイドメンバ9に結合させられ、上端縁部は上記エプロンメンバ28に結合させられ、また、後端縁部は上記ダッシュパネル23に結合させられている。上記各結合はそれぞれ強固になされており、もって、上記のように互いに結合された部材9,23,28,30は互いに補強されてそれぞれ大きい強度を有している。
【0027】
前記各サスペンション2は、上下方向に長く延びてその長手方向で伸縮自在とされる緩衝器32を備え、上記車体1の前後方向で、上記緩衝器32は上記前車輪3の回転中心33とほぼ同じところに位置させられ、かつ、前車輪3とフロントフェンダエプロン30とで挟まれた空間に位置させられている。
【0028】
一方、車体1の前後方向で、上記サスペンション2の緩衝器32とほぼ同じ位置の上記フロントフェンダエプロン30の一部分が上方に膨出させられて膨出部34とされている。この膨出部34の膨出端部(上端部)に、上記緩衝器32の上端部を支持させる支持部35が形成され、上記膨出部34にその下方から嵌入された上記緩衝器32の上端部が上記支持部35に締結などにより支持されている。また、上記緩衝器32の下端部には上記前車輪3の車軸が支承されて支持されている。
【0029】
上記の場合、緩衝器32の軸心36が上記支持部35を貫通した部分が上記支持部35の中心37とされている。また、上記支持部35は、上記緩衝器32を支持するものであることから、上記膨出部34と共に十分に大きい強度と剛性とが与えられている。
【0030】
上記ドア開口19を車体1の外側方から開閉自在に閉じるドア40が設けられている。このドア40は、その後部が車体1の外側方に向って往、復回動自在となるようその前端部が上下一対のヒンジ41,41によって、上記フロントピラー20に枢支されている。上記ドア40の前端縁部は、上記エプロンメンバ28の後端部の後方近傍、かつ、外側方近傍に位置している。
【0031】
上記各エプロンメンバ28は、このエプロンメンバ28の下部を構成して、前後方向に長く延び、かつ、車体1の幅方向でほぼ水平に延びる横向部材43と、この横向部材43における車体1の内側方の端縁部から下方に向って一体的に突出するフランジ44と、上記横向部材43における車体1の外側方の端縁部からほぼ鉛直方の上方に向って一体的に突出する縦向部材45と、この縦向部材45の突出端部から上記外側方に向って一体的に突出するフランジ46とを備え、上記各エプロンメンバ28は板金のプレス加工により成形されている。
【0032】
上記エプロンメンバ28の前後方向の各部断面は、上記横向部材43と縦向部材45とによってほぼL字形状とされ、十分の強度と剛性を有し、上記横向部材43の内側方の端縁部とフランジ44とは上記フロントフェンダエプロン30の上端縁部と互いに結合させられている。
【0033】
車体1の平面視(図1)で、上記エプロンメンバ28の横向部材43、縦向部材45、およびフランジ46のそれぞれ左右両側面のうち、少なくとも一方の各側面(車体1の外側方側の側面)の前、後端部を結ぶ仮想直線48を設定したとき、上記一方の側面における上記エプロンメンバ28の横向部材43、縦向部材45、およびフランジ46のそれぞれ長手方向の中途部が上記仮想直線48よりも凹まされて、凹所49が形成されている。
【0034】
車体1の平面視(図1)で、上記エプロンメンバ28の横向部材43、縦向部材45、およびフランジ46の一方の各側面は、それぞれの前、後端部から上記凹所49の各底部50に向ってそれぞれ仮想直線48から漸次離れるように延び、より具体的には、それぞれほぼ直線的に延びている。
【0035】
上記構成によれば、車体1の平面視で、上記エプロンメンバ28の両側面のうち、少なくとも一方の側面の前後端部を結ぶ仮想直線48を設定したとき、上記一方の側面における上記エプロンメンバ28の長手方向の中途部を上記仮想直線48よりも凹ませて凹所49を形成してある。
【0036】
ここで、上記エプロンメンバ28は上記フロントピラー20から前方に向って突出し、上記エプロンメンバ28の後端部は上記フロントピラー20に強固に結合させられている。このため、自動車の衝突時など、車体1がその前方から大きい衝撃力を受け、この衝撃力が上記エプロンメンバ28に与えられたときには、上記エプロンメンバ28の後端部の前方近傍部分に応力集中が生じがちとなって、このエプロンメンバ28は、その後端部の前方近傍部分だけで単純に屈曲するおそれがある。
【0037】
そこで、上記したように、エプロンメンバ28の中途部を凹ませて凹所49を形成したのであり、このため、上記エプロンメンバ28がその前方から衝撃力を与えられたとき、このエプロンメンバ28が上記したように単純に屈曲するだけでなく、このエプロンメンバ28の中途部にも応力集中が生じがちとなって、このエプロンメンバ28の中途部も屈曲させられる。
【0038】
よって、自動車の衝突時など、車体1がその前方から大きい衝撃力を受けたとき、上記エプロンメンバ28が複数ヵ所で屈曲する分、このエプロンメンバ28の塑性変形量が多くなり、このため、車体1の塑性変形による衝撃力の吸収が、より十分になされる。
【0039】
また、上記エプロンメンバ28の縦向部材45の上下方向の幅寸法は、その前端部から後端部に向うに従いほぼ漸次大きくされている。
【0040】
このため、上記エプロンメンバ28がその前端部から後方に向う衝撃力を与えられたときには、その前端部から後端部側に向って順次座屈が生じがちとなる。
【0041】
よって、上記エプロンメンバ28の塑性変形量がより多くなり、このため、車体1の塑性変形による衝撃力の吸収が更に十分になされる。
【0042】
なお、上記エプロンメンバ28は、その前端部から後端部に亘り、極端な断面係数の変化がないことから、上記凹所49を形成しても、車体1の通常走行時における強度と剛性は良好なままに保たれる。
【0043】
また、上記エプロンメンバ28の一方の側面を、車体1の外側方側の側面としてある。
【0044】
このため、上記したように、エプロンメンバ28がその前方から衝撃力を与えられてその中途部が屈曲するとき、この屈曲の方向は車体1の内側方に向うこととなる(図1中一点鎖線、矢印A)。
【0045】
また、上記エプロンメンバ28の前端部は、車体1の前方に向うに従い内側方に延びる前記アッパサイドメンバ29により前記アッパクロスメンバ13に結合させられているため、上記アッパクロスメンバ13とアッパサイドメンバ29とを介して上記エプロンメンバ28の前端部に衝撃力が与えられるときには、上記エプロンメンバ28の前端部は車体1の外側方に向わされることとなり(図1中一点鎖線、矢印B)、よって、この点でも、上記したエプロンメンバ28の中途部の屈曲の方向は車体1の内側方に向わせられることとなる(矢印A)。
【0046】
そして、上記したように、エプロンメンバ28の中途部が内側方に向って屈曲させられると、これに伴い、上記エプロンメンバ28と互いに結合させられているフロントフェンダエプロン30が圧縮力を与えられて、このフロントフェンダエプロン30も塑性変形することとなる。
【0047】
よって、上記車体1の塑性変形量が多くなって、この塑性変形による衝撃力の吸収が更に十分になされる。
【0048】
また、上記したように、エプロンメンバ28の中途部が内側方に向って屈曲させられると、これに伴い、大きい強度と剛性を有する前記フロントカウル22の端部やフロントフェンダエプロン30の支持部35を中心として、上記エプロンメンバ28の後端部が車体1の外側方に回動させられる(図1中一点鎖線、矢印C)。
【0049】
このため、上記エプロンメンバ28の屈曲時に、このエプロンメンバ28の後端部が車室25の幅寸法を狭めたり、上記ドア40に接触してこのドア40の開扉性を低下させる、ということが防止される。
【0050】
また、上記サイドメンバ9に前車輪3を懸架させるサスペンション2が上下方向に延びる緩衝器32を備え、上記フロントフェンダエプロン30の一部分に上記緩衝器32の上端部を支持させる支持部35を形成する一方、上記緩衝器32の下端部に上記前車輪3を支持させた場合において、上記凹所49の底部50を、上記支持部35の中心37よりも前側に位置させている。
【0051】
ここで、上記フロントフェンダエプロン30の一部分で形成された上記支持部35は緩衝器32を支持するものであって、大きい強度を有する部分である。このため、上記フロントフェンダエプロン30と互いに結合させられた上記エプロンメンバ28の凹所49の底部50を、仮に、車体1の前後方向で上記支持部35の近傍に位置させると、上記凹所49の底部50が上記支持部35で強固に補強されることとなって、前記屈曲が得られなくなる。
【0052】
そこで、上記したように、凹所49の底部50を上記支持部35の中心37よりも前側に位置するよう偏位させたのであり、このため、上記エプロンメンバ28がその前方から衝撃力を与えられたときには、上記支持部35の強度に邪魔されずに、上記エプロンメンバ28の底部50に応力集中が生じがちとなって、まず、このエプロンメンバ28の中途部が屈曲させられ、次いで、このエプロンメンバ28の後端部の前方近傍部分や上記フロントフェンダエプロン30が屈曲させられる。
【0053】
よって、上記した強度の大きい支持部35の存在にかかわらず、上記車体1の塑性変形による衝撃力の吸収が十分になされる。
【0054】
また、上記エプロンメンバ28において、上記膨出部34よりも前側の近傍に位置する部分は上記膨出部34の強度が大きい分、応力集中が生じやすい部分となっている。
【0055】
しかも、上記凹所49の底部50は、上記エプロンメンバ28において上記した応力集中が生じ易い部分に位置させられている。
【0056】
このため、上記エプロンメンバ28がその前方から衝撃力を与えられたときには、上記エプロンメンバ28の上記部分に応力集中がより確実に生じて、屈曲させられる。
【0057】
よって、上記車体1の塑性変形による衝撃力の吸収が、より十分になされる。
【0058】
なお、以上は図示の例によるが、上記凹所49は、上記エプロンメンバ28の車体1の外側方側の側面に加え、もしくはこれに代えて、車体1の内側方側の側面に形成してもよい。また、上記凹所49は車体1の平面視で円弧凹面形状としてもよい。更に、上記凹所49は、エプロンメンバ28の横向部材43、フランジ44、および縦向部材45のうちいずれかだけに形成してもよい。
【0059】
【発明の効果】
本発明による効果は、次の如くである。
【0060】
請求項1の発明は、前車輪をそれぞれ懸架して車体の前後方向に延びる左右一対のサイドメンバと、上下方向に延びてその下端部が上記サイドメンバの長手方向の中途部に支持される左右一対のフロントピラーと、上記各サイドメンバよりも上方に位置して上記各フロントピラーから前方に向って突出する左右一対のエプロンメンバと、車体の各側部で、上記サイドメンバとエプロンメンバとに架設されて上記前車輪をその上方から覆うフロントフェンダエプロンとを備えた自動車において、
【0061】
車体の平面視で、上記エプロンメンバの両側面のうち、少なくとも一方の側面の前後端部を結ぶ仮想直線を設定したとき、上記一方の側面における上記エプロンメンバの長手方向の中途部を上記仮想直線よりも凹ませて凹所を形成してある。
【0062】
ここで、上記エプロンメンバは上記フロントピラーから前方に向って突出し、上記エプロンメンバの後端部は上記フロントピラーに強固に結合させられている。このため、自動車の衝突時など、車体がその前方から大きい衝撃力を受け、この衝撃力が上記エプロンメンバに与えられたときには、上記エプロンメンバの後端部の前方近傍部分に応力集中が生じがちとなって、このエプロンメンバは、その後端部の前方近傍部分だけで単純に屈曲するおそれがある。
【0063】
そこで、上記したように、エプロンメンバの中途部を凹ませて凹所を形成したのであり、このため、上記エプロンメンバがその前方から衝撃力を与えられたとき、このエプロンメンバが上記したように単純に屈曲するだけでなく、このエプロンメンバの中途部にも応力集中が生じがちとなって、このエプロンメンバの中途部も屈曲させられる。
【0064】
よって、自動車の衝突時など、車体がその前方から大きい衝撃力を受けたとき、上記エプロンメンバが複数ヵ所で屈曲する分、このエプロンメンバの塑性変形量が多くなり、このため、車体の塑性変形による衝撃力の吸収が、より十分になされる。
【0065】
また、車体の幅方向に延びて上記各サイドメンバの前端部にラジエータサポートを介し結合されるクロスメンバと、車体の前方に向うに従い内側方に延びて上記各エプロンメンバの突出端部を上記クロスメンバの各端部に結合させる左右一対のアッパサイドメンバとを備え、上記エプロンメンバの一方の側面を、車体の外側方側の側面としてある。
【0066】
このため、上記したように、エプロンメンバがその前方から衝撃力を与えられてその中途部が屈曲するとき、この屈曲の方向は車体の内側方に向うこととなる。
【0067】
また、上記したように、エプロンメンバの前端部は、車体の前方に向うに従い内側方に延びる前記アッパサイドメンバにより上記クロスメンバに結合させられているため、上記クロスメンバとアッパサイドメンバとを介して上記エプロンメンバの前端部に衝撃力が与えられるときには、上記エプロンメンバの前端部は車体の外側方に向わされることとなり 、よって、この点でも、上記したエプロンメンバの中途部の屈曲の方向は車体の内側方に向わせられることとなる。
【0068】
そして、上記したように、エプロンメンバの中途部が内側方に向って屈曲させられると、これに伴い、上記エプロンメンバと互いに結合させられているフロントフェンダエプロンが圧縮力を与えられて、このフロントフェンダエプロンも塑性変形することとなる。
【0069】
よって、上記車体の塑性変形量が多くなって、この塑性変形による衝撃力の吸収が更に十分になされる。
【0070】
請求項の発明は、上記サイドメンバに前車輪を懸架させるサスペンションが上下方向に延びる緩衝器を備え、上記フロントフェンダエプロンの一部分に上記緩衝器の上端部を支持させる支持部を形成する一方、上記緩衝器の下端部に上記前車輪を支持させた自動車において、
【0071】
上記凹所の底部を、上記支持部の中心よりも前側に位置させている。
【0072】
ここで、上記フロントフェンダエプロンの一部分で形成された上記支持部は緩衝器を支持するものであって、大きい強度を有する部分である。このため、上記フロントフェンダエプロンと互いに結合させられた上記エプロンメンバの凹所の底部を、仮に、車体の前後方向で上記支持部の近傍に位置させると、上記凹所の底部が上記支持部で強固に補強されることとなって、前記屈曲が得られなくなる。
【0073】
そこで、上記したように、凹所の底部を上記支持部の中心よりも前側に位置させたのであり、このため、上記エプロンメンバがその前方から衝撃力を与えられたときには、上記支持部の強度に邪魔されずに、上記エプロンメンバの底部に応力集中が生じがちとなって、まず、このエプロンメンバの中途部が屈曲させられ、次いで、このエプロンメンバの後端部や上記フロントフェンダエプロンが屈曲させられる。
【0074】
よって、上記した強度の大きい支持部の存在にかかわらず、上記車体の塑性変形による衝撃力の吸収が十分になされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 車体前部の平面一部破断図である。
【図2】 車体前部の側面一部破断図である。
【図3】 車体前部の正面一部破断図である。
【図4】 エプロンメンバの斜視一部破断図である。
【符号の説明】
1 車体
2 サスペンション
3 前車輪
4 車体フレーム
5 車体本体
9 サイドメンバ
12 ラジエータサポート
13 クロスメンバ
18 側壁
19 ドア開口
20 フロントピラー
22 フロントカウル
28 エプロンメンバ
29 アッパサイドメンバ
30 フロントフェンダエプロン
32 緩衝器
34 膨出部
35 支持部
36 軸心
37 中心
48 仮想直線
49 凹所
50 底部

Claims (2)

  1. 前車輪をそれぞれ懸架して車体の前後方向に延びる左右一対のサイドメンバと、上下方向に延びてその下端部が上記サイドメンバの長手方向の中途部に支持される左右一対のフロントピラーと、上記各サイドメンバよりも上方に位置して上記各フロントピラーから前方に向って突出する左右一対のエプロンメンバと、車体の各側部で、上記サイドメンバとエプロンメンバとに架設されて上記前車輪をその上方から覆うフロントフェンダエプロンとを備えた自動車において、
    車体の平面視で、上記エプロンメンバの両側面のうち、少なくとも一方の側面の前後端部を結ぶ仮想直線を設定したとき、上記一方の側面における上記エプロンメンバの長手方向の中途部を上記仮想直線よりも凹ませて凹所を形成し
    車体の幅方向に延びて上記各サイドメンバの前端部にラジエータサポートを介し結合されるクロスメンバと、車体の前方に向うに従い内側方に延びて上記各エプロンメンバの突出端部を上記クロスメンバの各端部に結合させる左右一対のアッパサイドメンバとを備え、上記エプロンメンバの一方の側面を、車体の外側方側の側面とした自動車における車体前部の衝撃力吸収構造。
  2. 上記サイドメンバに前車輪を懸架させるサスペンションが上下方向に延びる緩衝器を備え、上記フロントフェンダエプロンの一部分に上記緩衝器の上端部を支持させる支持部を形成する一方、上記緩衝器の下端部に上記前車輪を支持させた自動車において、
    上記凹所の底部を、上記支持部の中心よりも前側に位置させた請求項1に記載自動車における車体前部の衝撃力吸収構造。
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