JP4461816B2 - キャブオーバ型車両の車体前部構造 - Google Patents

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本発明は、キャブオーバ型車両の車体前部構造に関するものである。
キャブオーバ型車両は、運転者、或いは助手席の乗員が車両のかなり前方部に設置された座席に着座する構造であるところから、障害物等と前面衝突した場合に、車両最前部が運転席側に侵入し易く、それに伴って運転者や助手席乗員も損傷を受けやすいことが知られている。
これに対し、例えば、下記特許文献1のようなキャブオーバ型自動車の前部フロア構造が提案されている。同文献に開示されている構造は、フロアパネルの前部中央にフロントパネルとフロアパネルの立上がり部とを連結するトンネル状のセンタリインフォースを配設し、最低地上高の高い障害物と衝突した際、ラジエータおよびエンジン等のパワートレイン(不図示)にセンタリインフォース後端が当接してその反力によりフロントパネルの後方移動を阻止して着座姿勢の乗員の足元スペースの減少を小さくおさえることができるようにしたものである(図7参照)。
このような構造は、車両前面衝突のうちの正面衝突(車両の車幅方向略中央付近部における障害物との衝突)時には車幅方向略中央付近部のフロントパネルが運転者に向かって侵入してくるのを抑制する効果があると思われるが、車両前面衝突のうちでもオフセット衝突(車両の前部で且つ車幅方向側端付近部における障害物との衝突)時には、フロントパネルが運転者に向かって侵入してくるのを抑制し、運転者や助手席乗員の損傷を抑制するという効果は殆ど期待できない。
その理由としては、オフセット衝突では、正面衝突よりも衝突面積が小さく、衝突による入力荷重が運転席側、或いは助手席側に集中し、それに伴って運転席、或いは助手席の前方に配設されているフロントパネルが大きく運転室側に侵入し易いためである。
また、下記特許文献1のような構造では、フロアパネル上の車幅方向略中央部付近に前後方向に延びるトンネル状のセンタリインフォースが設けられるため、運転者、助手席乗員共に足元スペースが狭く居住性が悪いという問題もある。
したがって、車両の前面衝突(正面衝突、及びオフセット衝突)時にフロントパネルの運転室内への侵入を抑制して乗員の保護性を向上できるとともに、乗員の足元スペースを広く確保して居住性が向上できる、キャブオーバ型車両の車体前部構造が望まれる。
特開平9−328082号公報
以上より本発明は、キャブオーバ型車両の車体前部構造において、車両の前面衝突(正面衝突、及びオフセット衝突)時にフロントパネルの運転室内への侵入を抑制して乗員の保護性を向上するとともに、乗員の足元スペースを広く確保して居住性を向上させることを課題とする。
本発明に関わるキャブオーバ型車両の車体前部構造の構成は、運転室がエンジンの上方に配置されていると共に、運転室において車幅方向に配設された座席に対面するように車両の前部で車幅方向両端に亘り延設されたフロントパネルの下端面部と、運転室の床部とされるフロアパネルの前端部とが近接して配設され、フロアパネルの下方において車両前後方向に延びる車幅方向左右一対のサイドフレームが配置されたキャブオーバ型車両の車体前部構造において、フロントパネルのうち少なくとも座席に対面する部分の車室内側には、フロントパネルに沿って上下方向に配設され、かつ、乗員前方に対応させて車幅方向に間隔をおいて複数配置された補強部材が配設され、補強部材の上端部は車室内の車幅方向に配置されたクロスメンバに連結される一方、補強部材の下端部はフロントパネルの下方部に連結されるとともにフロアパネル近傍まで延設され、イドフレームと補強部材の下端部とに連結される各ブラケット部材がフロアパネルの下方に設けられ、フロントパネルは車幅方向断面視で車両前方側に突出湾曲した形状とされ、各補強部材はフロントパネルの内面に沿って車両前方側に突出湾曲した形状とされ、各ブラケット部材は車両前後方向に延びるとともに、車両上下方向に配設された板状に構成されているものである。
係る構成によれば、フロントパネルのうち少なくとも座席に対面する部分の車室内側には、フロントパネルに沿って上下方向に配設された補強部材を有している。この補強部材の上端部は車室内の車幅方向に配置されたクロスメンバに連結されているとともに、その下端部はフロントパネルの下方部に連結されている。さらに補強部材の下端部は、ブラケット部材にも連結されている。また、ブラケット部材は、サイドフレームに連結されている。つまり、補強部材は、その上端部と下端部とにおいて、夫々別の車体構造部品に連結されている構造とされるため、前面衝突時(正面衝突時、及びオフセット衝突時)に座席に着座している乗員側に向かってフロントパネルが侵入してくるのを抑制でき、乗員の保護性を向上することができる。しかも乗員前方に対応させて車幅方向に間隔をおいて高い剛性を有する補強部材が複数配置されているところから、前面衝突時において、フロントパネル、及び補強部材自身の運転室内への侵入が抑制でき、乗員の保護性が向上する。なお、補強部材の下端部は、ブラケット部材に直接連結しても良いし、フロアパネルを介してブラケット部材に連結される構造であっても同様の効果が得られる。
また、強部材はフロントパネルに沿ってその車室内側に設けられ、補強部材の下端部はフロアパネルの下方において車両前後方向に延びる車幅方向左右一対のサイドフレームに連結されたブラケット部材に連結される構造であるため、乗員の足元においてフロアパネルから上方に突出する部材(例えば、上記特許文献1のような補強のためのトンネル状のセンタリインフォース)を設ける構造とは異なり、乗員の足元スペースを広く確保して居住性が向上できる。
更に、補強部材とフロントパネルとは車両前方側に突出湾曲した形状とされる。そして、補強部材はフロントパネルの車室内側に沿って上下方向に配設され、且つその上下方向略中央部付近が車両前方側に向かって突出するように湾曲した形状とされ、さらにまた補強部材はその上端部がクロスメンバに、そしてその下端部はフロアパネルを介してブラケット部材とサイドフレームとに連結されているところから、補強部材が配設されている付近のフロントパネルに障害物が衝突することにより、湾曲形状により車両前方に突出した部分の補強部材に対して入力荷重が運転席側に向かって作用しても、その荷重は上端部、及び下端部方向に分散伝達されることになり、その結果、運転席側に向かって侵入しようとするフロントパネルと補強部材の変形が抑制できる。即ち、第一の構成によるフロントパネルの運転室内への侵入を抑制して乗員の保護性を向上するという効果をより一層奏することができる。
加えて、ブラケット部材は複数の補強部材の夫々の下端部に配設され、車両前後方向に延びるとともに、車両上下方向に配設された板状とされているため車両前後方向の剛性が高い構造とされており、前面衝突時において、ブラケット部材によってフロントパネル、及び補強部材自身の運転室内への侵入が抑制でき、乗員の保護性が向上する効果を一層奏することができる。
本発明に関わるの構成は、ブラケット部材は、クロスメンバより車両下方側に配設されると共に一対のサイドフレーム同士を連結する第2のクロスメンバを介してサイドフレームに連結されているものである。
係る構成によれば、ブラケット部材は、フロアパネルの下方において車両前後方向に延びる車幅方向左右一対のサイドフレーム同士を連結する第2のクロスメンバを介して当該サイドフレームに連結されている構造とされる。したがって、補強部材の下端部に配設されるブラケット部材は、正面衝突時のみならず、オフセット衝突時において車両前後方向と車幅方向に入力される荷重に対して、サイドフレームと、その一対のサイドフレームを連結する第2のクロスメンバとに荷重を分散伝達する作用を示し、その結果、補強部材の下端部が、フロントパネル、及び補強部材自身の運転室内への侵入を抑制し、乗員の保護性が向上できる。
本発明に関わるの構成は、補強部材は上下方向視断面略ハット形状とされているものである。
係る構成によれば、補強部材は上下方向視断面略ハット形状であるところから、その3次元構造により、単に平板状の補強部材よりも、極めて高い剛性が得られる。
以上、本発明によれば、キャブオーバ型車両の車体前部構造において、車両の前面衝突(正面衝突、及びオフセット衝突)時にフロントパネルの運転室内への侵入を抑制して乗員の保護性を向上できるとともに、乗員の足元スペースを広く確保して居住性が向上できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本実施の形態に係るキャブオーバ型車両を示す側面図、図2は、図1で示す車両の前面を示す図、図3は、図2で示す補強部材のA−A断面を示す図、図4は、図2のB−B断面を示す図、図5は、図2のC−C断面を示す図、図6はブラケット部材の斜視図である。
図1によれば、キャブオーバ型車両1は、その下方最前部に車幅方向に延びるフロントバンパ3が配設され、そのフロントバンパ3の上部には車幅方向に延びるフロントパネル5が配設されている。また、フロントパネル5の上部にはフロントウインドガラス7が配設固定されている。なお、図1における符号11は左右一対のフロントドアであり、運転室R内部を説明するために仮想線で示している。
そして、フロントパネル5とフロントウインドガラス7に対面するように前部座席9が設けられている。この前部座席9は、運転席と助手席とが車幅方向に並んで設けられているものであり、以下の説明においては、運転席、助手席の区別無く前部座席9と称す。
また、前部座席9である運転席と助手席の略中間の下部にはフロアパネル17を挟んでエンジン13が配設されている。前部座席9よりも前方部のフロアパネル17には前部座席9に着座している乗員の足等が置かれるが、さらにフロアパネル17の前方部は、やや上方に向かいつつ前方に延びてフロアパネル前端部17Fとされ、このフロアパネル前端部17Fはさらにフロントパネル5の下端部5uに沿うように下方に屈曲されて、図4、及び図5に示すように、フロントパネル5の下端部5uと溶接(X印)により接続されている。
さらに、前部座席9の前方には、ステアリング(符号なし)やインストルメントパネル15が配設され、フロントパネル5、フロントウインドガラス7、前部座席9、フロアパネル17、左右一対のフロントドア11、及びルーフ部材(符号なし)で囲まれる空間が運転室Rとされている。
フロントバンパ3の後方内部には車幅方向に延びるバンパレインフォースメント19が配設され、このバンパレインフォースメント19の後部には車両前後方向に延びる衝撃吸収フレーム(所謂、クラッシュ管)21が連結され、さらに、衝撃吸収フレーム21の後端部には車両前後方向に延びるサイドフレーム23が連結されている。
なお、サイドフレーム23は、車幅方向左右一対、設けられているとともに、その前端部は、フロントパネル5の下端部よりもやや車両後方の位置までとされている。
次に、図2を用いて、本発明に係る補強部材の構造について説明する。なお、図2は、前面視で左側のみを示すが、右側にも以下に説明するものと対称の構造が備えられるのが好ましい。また、図2ではフロントバンパ3の後方で且つ、衝撃吸収フレーム21の前部に配設固定されるバンパレインフォースメント19は省略した。
図2によれば、車両1におけるフロントパネル5の運転室R側には、前部座席9に対面するように3本の補強部材25、27、29が、所定の間隔をおいて上下方向に延びている。
これら3本の補強部材25、27、29は夫々、フロントパネル5の形状に沿って上下方向に延びる(図4、図5参照)が、その上下方向視断面は図3に示すように略ハット状の形状に形成されている。なお、図3は図2におけるA−A断面であるところから、補強部材25の上下方向視断面を示すが、他の補強部材27、29も同じように断面略ハット形状とされている。
ここで図3を用いて補強部材25の形状をより詳細に説明すると、補強部材25は前部座席に対面するように車幅方向に延びる平面部25aと、平面部25aの左右端夫々から車両前方に向かって延びる立設面部25b、25cと、立設面部25b、25cから夫々車幅方向外方に延びるように屈曲されるとともに、フロントパネル5の内面25aに沿う形状とされる接合面部25e、25dとを有している。そして、接合面部25e、25dは、フロントパネル5の内面25aにシーラー材31を介して接合されている。
なお、接合面部25e、25dは、その全てがフロントパネル5の内面25aにシーラー材31を介して接合されているのではない。これを別の補強部材27で説明すると、図4に示すようにフロントバンパ3の上端部3aよりも下方部分、即ち、フロントバンパ3により覆われて車両前方から見えない下端部27U近傍は、複数箇所(X印で示す)で溶接により連結されている。
したがって、前面衝突時においてフロントパネル5が車室内側に向かって変形して侵入しようとしても、補強部材25、27、29が上記のような構造を有する断面ハット形状とされ、その補強部材25、27、29の下端部近傍は溶接によりフロントパネル5と連結されているため、変形が生じ難く、乗員の安全性が向上できる。
また、図2によれば、補強部材25の上端部は、車幅方向に延びる上部クロスメンバ33に溶接又は締結部材にて連結されている。補強部材27、29も同様である。なお、上部クロスメンバ33の車幅方向側端部33aはドアヒンジピラーDPに連結されている。
さらにまた、補強部材25、27、29の下端部は、フロアパネル前端部17Fの近傍まで延びている。そして、その下端部(図4では補強部材27の下端部27U、図5では補強部材29の下端部29U)に対応して夫々、フロアパネル17の前端部17Fを挟んでブラケット部材37、39、41が配設されている。そして、本実施の形態においては、補強部材25の下端部(不図示)、補強部材27の下端部27U、及び補強部材29の下端部29Uは夫々、フロアパネル17の前端部17Fを挟んでブラケット部材37、39、及び41に一体的に接合されている。
なお、例えば、補強部材27の下端部27Uは、ブラケット部材39に直接接合されても良い。但しこの場合、フロアパネル17の前端部17Fは部分的に開口部を設けて補強部材27の下端部27Uとブラケット部材39の水平面部39a(図6(ロ)参照)とが直接対面する構造とされる。或いはまた、補強部材27の下端部27Uをフロアパネル17の前端部17Fに接合し、別にフロアパネル17の前端部17Fとブラケット部材39の水平面部39aとを接合することにより、補強部材27の下端部27Uとブラケット部材39とを間接的に接合する構造が採用されても良い。
これらブラケット部材37、39、41のうち、ブラケット部材37は車両前後方向に延びるサイドフレーム23(図1参照)の車幅方向外方面部に溶接又は締結部材にて連結されている。
また、ブラケット部材39は同じサイドフレーム23の車幅方向内方面部に溶接又は締結部材にて連結されている。
さらに、図1で説明したように、車両1には左右一対のサイドフレーム23、23が車両前後方向に配設されているが、それらの前部は、第2のクロスメンバである下部クロスメンバ35で連結されており、ブラケット部材41はこの下部クロスメンバ35に溶接又は締結部材にて連結されている。
したがって、図2に示すように、上記ブラケット部材39は、サイドフレーム23の車幅方向内方面部だけでなく、下部クロスメンバ35にも連結されていることになる。
ここで、これらブラケット部材37、39、41の形状について、それらの斜視図を示す図6を用いて説明しておく。なお、図6の(イ)はブラケット部材37、(ロ)はブラケット部材39、(ハ)はブラケット部材41を示している。
まず、図6(イ)に示すにブラケット部材37は、その上端部には、車体に連結された状態で略水平面となる水平面部37aと、この水平面部37aの車幅方向内方側端部から略直角に屈曲して下方に延びる垂直面部37bとを有している。そして垂直面部37bの車両前後方向長さは水平面部37aのそれよりも長くされており、水平面部37aの後端部からは第一傾斜部37cと第二傾斜部37dとが垂直面部37bの上端面部として形成されている。このうち水平面部37aの上面には、図2に示すように補強部材25の下端部が垂下して対面する構造とされる。
図6(ロ)に示すブラケット部材39は、その上端部に水平面部39aと、この水平面部39aの車幅方向外方側端部から略直角に屈曲して下方に延びる垂直面部39bとを有している。そして垂直面部39bの車両前後方向長さは水平面部39aのそれよりも長くされており、水平面部39aの後端部からは第一傾斜部39cと第二傾斜部39dとが垂直面部39bの上端面部として形成されている。そして垂直面部39bの下端部には略半円状の切欠き部39eが形成されている。なお、このうち水平面部39aの上面には、図2に示すように補強部材27の下端部が垂下して対面する構造とされる。
また、図6(ハ)に示すブラケット部材41は、その上端部に水平面部41aと、この水平面部41aの車幅方向内方側端部から略直角に屈曲して下方に延びる垂直面部41bとを有している。そして垂直面部41bの車両前後方向長さは水平面部41aのそれよりも長くされており、水平面部41aの後端部からは第一傾斜部41cと第二傾斜部41dとが垂直面部41bの上端面部として形成されている。なお、ブラケット部材41は、ブラケット部材37、39とは異なり、垂直面部41bの前端面部が下方に向かうにしたがって後方に傾斜しており、その下端部には略半円状の切欠き部41eが形成されている。また、水平面部41aの上面には、図2に示すように補強部材29の下端部が垂下して対面する構造とされる。
以上、ブラケット部材37、39、41の形状について説明したが、これらと車体部材であるフロントパネル5、フロアパネル17、サイドフレーム23、及び下部クロスメンバ35との連結構造について、図4、及び図5を用いて説明する。なお、補強部材25からブラケット部材37に至る断面は、図面を用いて説明しないが、ブラケット部材37がクロスメンバ35と連結されていない点が補強部材27からブラケット部材39に至る断面と異なり、これは図2及び図6からも理解できる。
図4に示すように、フロントパネル5は運転室R側から車両前方に向かって突出するように湾曲されて形成され、その下端面部5Uは垂直に下方に延びている。補強部材27はフロントパネル5の形状に沿って形成されるとともに、図3で説明したように上下方向視断面略ハット状を成している。また、補強部材27の上端部(符号なし)は上部クロスメンバ33と連結されている。
一方、補強部材27の下端部27Uは略水平面で切断され、フロアパネル17の前端部17Fを挟んで、図6(ロ)で示すブラケット部材39の水平面部39aと溶接により連結されている。
ブラケット部材39は、サイドフレーム23の車幅方向内方面部に連結されているとともに、垂直面部39bの下端部に形成された略半円状の切欠き部39e(図6(ロ)参照)にサイドフレーム23と連結されるクロスメンバ35が収まって、クロスメンバ35とも連結されている。
また、ブラケット部材39には第一傾斜部39cと第二傾斜部39dとが設けられていることを図6(ロ)で説明したが、第一傾斜部39cは補強部材27の下端部27Uと連続するような傾斜角度を有し、第二傾斜部39dは、フロアパネル17が車両前方に向かうにしたがって上方に傾斜しているその角度と同じとされ、第一傾斜部39cと第二傾斜部39dとはフロアパネル27と溶接により連結されている。
また、ブラケット部材39の第一傾斜部39cと第二傾斜部39dとには、その形状に沿うように屈曲した第二補強部材45が配設されている。詳細には、第二補強部材45は、少なくともブラケット部材37と、ブラケット部材39と、ブラケット部材41とに亘って車幅方向に延設された板状部材で、補強部材27における下端部27U近傍の平面部27a(図3における補強部材25の平面部25aに相当する)と、ブラケット部材39の第一傾斜部39cに跨る上部傾斜部45bと、ブラケット部材39の第二傾斜部39d上に設置、連結されているフロアパネル17の傾斜面に設置される下部傾斜部45aとを有している。
このうち、上部傾斜部45bは補強部材27における下端部27U近傍の平面部27aに当接押圧状態とされ、下部傾斜部45aは、フロアパネル17の傾斜面を介して第二傾斜部39dに連結されている。なお、下部傾斜部45aは、例えばブラケット部材39とブラケット部材41の車幅方向中間部付近でフロアパネル17の傾斜面と連結されても良い。
以上の説明のように、ブラケット部材39は、垂直面部39bがサイドフレーム23の車幅方向内方面部に連結され、水平面部39aがフロアパネル17を介して補強部材27の下端部27Uと連結され、切欠き部39eにサイドフレーム23と連結されるクロスメンバ35が収まって連結され、第一傾斜部39cと第二傾斜部39dとにフロアパネル17が連結され、さらに第二補強部材45によって第一傾斜部39cと第二傾斜部39dとが押さえられているので極めて高い強度と剛性が確保された構造となっている。
したがって補強部材27はその上端部と下端部とが連結され、その構造も上下方向断面視略ハット形状であるところから、前面衝突時においてフロントパネル5が運転室R側に侵入してくるのを抑制することができる。
以上、図4を用いて補強部材27の上端部と下端部の連結構造を説明したが、補強部材25も補強部材27と略同等の効果を有している。
次に、図5を用いて補強部材29の上端部と下端部の連結構造を説明する。
図5に示すように、フロントパネル5は運転室R側から車両前方に向かって突出するように湾曲されて形成され、その下端面部5Uはフロアパネル17と溶接により連結されている。補強部材29はフロントパネル5の形状に沿って形成されるとともに、図3で説明したように上下方向視断面略ハット状を成している。また、補強部材29の上端部(符号なし)は上部クロスメンバ33と連結されている。
一方、補強部材29の下端部29Uは略水平面で切断され、フロアパネル17の前端部17Fを挟んで、図6(ハ)で示すブラケット部材41の水平面部41aと溶接により連結されている。
ブラケット部材41は、サイドフレーム23の車幅方向内方に配設されているとともに、垂直面部41bの下端部に形成された略半円状の切欠き部41e(図6(ハ)参照)にサイドフレーム23と連結されるクロスメンバ35が収まって、クロスメンバ35と連結されている。
また、ブラケット部材41には第一傾斜部41cと第二傾斜部41dとが設けられていることを図6(ハ)で説明したが、第一傾斜部41cは補強部材29の下端部29Uと連続するような傾斜角度を有し、第二傾斜部41dは、フロアパネル17が車両前方に向かうにしたがって上方に傾斜しているその角度と同じとされ、第一傾斜部41cと第二傾斜部41dとはフロアパネル17と溶接により連結されている。
また、ブラケット部材41の第一傾斜部41cと第二傾斜部41dとには、その形状に沿うように屈曲した第二補強部材45が配設されている。詳細には、第二補強部材45は、図4で説明したと同じく、少なくともブラケット部材37と、ブラケット部材39と、ブラケット部材41とに亘って車幅方向に延設された板状部材で、補強部材29における下端部29U近傍の平面部29a(図3における補強部材25の平面部25aに相当する)と、ブラケット部材41の第一傾斜部41cに跨る上部傾斜部45bと、ブラケット部材41の第二傾斜部41d上に設置、連結されているフロアパネル17の傾斜面に設置される下部傾斜部45aとを有している。
このうち、上部傾斜部45bは補強部材29における下端部29U近傍の平面部29aに当接押圧状態とされ、下部傾斜部45aは、フロアパネル17の傾斜面を介して第二傾斜部41dに連結されている。なお、下部傾斜部45aは、例えばブラケット部材41よりも車幅方向内方部でフロアパネル17の傾斜面と連結されても良い。
以上の説明のように、ブラケット部材41は、水平面部41aがフロアパネル17を介して補強部材29の下端部と連結され、切欠き部41eにサイドフレーム23と連結されるクロスメンバ35が収まって連結され、第一傾斜部41cと第二傾斜部41dとにフロアパネル17が連結され、さらに第二補強部材45によって第一傾斜部41cと第二傾斜部41dとが押さえられているので、極めて高い強度と剛性が確保された構造となっている。
したがって補強部材29はその上端部と下端部とが連結され、その構造も上下方向断面視略ハット形状であるところから、前面衝突時においてフロントパネル5が運転室R側に侵入してくるのを抑制することができる。
なお、ブラケット部材37も上記ブラケット部材39、41と同様に、その水平面部37a、第一傾斜部37c及び第二傾斜部37dがフロアパネル17と溶接により連結されている。
以上、各ブラケット部材と、車体部材であるフロントパネル5、フロアパネル17、サイドフレーム23、及び下部クロスメンバ35との連結構造について説明したが、これから分かるように、乗員が着座する前部座席の前方に配設されるフロントパネル5は前面衝突時に運転室(R)側に向かって侵入してくるのが抑えられた構造となっているので乗員の保護性が向上できる。
また、上記実施の形態から分かるように、本発明ではフロントパネル5が運転室R側に侵入してくるのを抑制するための構造部材を運転室Rのフロアパネル17上に車両前後方向に延設せずとも良く、足元スペースが広く確保できるという効果も同時に奏することができる。
なお、本発明はキャブオーバ型車両、即ちキャブオーバ型1ボックス車、及びキャブオーバ型トラック等に適用することができる。また、複数の補強部材25、27、29の他に、より車幅方向外方において同形状の補強部材を追加して設ける構造が採用されても良い。
本実施の形態に係るキャブオーバ型車両を示す側面図 図1の車両の前面図 補強部材の上下方向視断面図(図2におけるA−A断面図) 図2におけるB−B断面図 図2におけるC−C断面図 ブラケット部材の斜視図 従来技術を示す図
1・・・キャブオーバ型車両
5・・・フロントパネル
5U・・・フロントパネル下端面部
9・・・前部座席
17・・・フロアパネル
17F・・・フロアパネル前端部
23・・・サイドフレーム
25、27、29・・・補強部材
27U、29U・・・補強部材下端部
33・・・上部クロスメンバ(クロスメンバ)
35・・・下部クロスメンバ(第2のクロスメンバ)
37、39、41・・・ブラケット部材
37a、39a、41a・・・ブラケット部材の水平面部
37b、39b、41b・・・ブラケット部材の垂直面部

Claims (4)

  1. 運転室がエンジンの上方に配置されていると共に、上記運転室において車幅方向に配設された座席に対面するように車両の前部で車幅方向両端に亘り延設されたフロントパネルの下端面部と、上記運転室の床部とされるフロアパネルの前端部とが近接して配設され、該フロアパネルの下方において車両前後方向に延びる車幅方向左右一対のサイドフレームが配置されたキャブオーバ型車両の車体前部構造において、
    上記フロントパネルのうち少なくとも上記座席に対面する部分の車室内側には、該フロントパネルに沿って上下方向に配設され、かつ、乗員前方に対応させて車幅方向に間隔をおいて複数配置された補強部材が配設され、
    上記各補強部材の上端部は車室内の車幅方向に配置されたクロスメンバに連結される一方、上記補強部材の下端部は上記フロントパネルの下方部に連結されるとともに上記フロアパネル近傍まで延設され、
    記サイドフレームと上記補強部材の下端部とに連結される各ブラケット部材が上記フロアパネルの下方に設けられ
    上記フロントパネルは車幅方向断面視で車両前方側に突出湾曲した形状とされ、上記各補強部材は上記フロントパネルの内面に沿って車両前方側に突出湾曲した形状とされ、
    上記各ブラケット部材は車両前後方向に延びるとともに、車両上下方向に配設された板状に構成されていることを特徴とするキャブオーバ型車両の車体前部構造。
  2. 請求項1において、上記ブラケット部材は、上記クロスメンバより車両下方側に配設されると共に上記一対のサイドフレーム同士を連結する第2のクロスメンバを介して上記サイドフレームに連結されていることを特徴とするキャブオーバ型車両の車体前部構造。
  3. 請求項1又は請求項2において、上記補強部材は上下方向視断面略ハット形状とされていることを特徴とするキャブオーバ型車両の車体前部構造。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1つにおいて、上記左右一対のサイドフレームの各前端部に衝撃吸収フレームが連結されていることを特徴とするキャブオーバ型車両の車体前部構造
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