JP7338498B2 - 車両用ピラー構造 - Google Patents
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Description
車両用ピラーが直線部と湾曲部の境で湾曲されている。このため、車両の正突時又は後突時には、当該境に衝突時に入力された荷重による応力負担が集中する。
ここで、車両用ピラーは、直線部と湾曲部との境に、第1柱と第2柱とを連結する第1補強部材が設けられている。このため、車両用ピラーは、車両の正突時又は後突時に応力が集中する部位を第1補強部材によって効果的に補強する構造となっている。これにより、車両の正突時又は後突時における車両用ピラーの変形が抑制される。
また、車両の正突時又は後突時における車両用ピラーの変形を効果的に抑制することができるという優れた効果を有する。
以下、図1~図4を用いて、本実施形態に係る車両用ピラー構造が適用された車両10について説明する。なお、各図に適宜示される矢印FRは車両前方側を示しており、矢印UPは車両上方側を示しており、矢印LHは車両左側を示している。また、以下の説明で特記なく前後、上下、左右の方向を用いる場合は、車両前後方向の前後、車両上下方向の上下、進行方向を向いた場合の左右を示すものとする。
左右一対のピラー30は、延在方向の中間部から上方側が湾曲しており、側面視で車両前方側かつ車用上方側に凸をなすR状に形成されている。ピラー30の下部は、直線部30Aとされている。この直線部30Aは、Frガラス22の車両幅方向外端部に沿って略車両上下方向に延在している。また、ピラー30の上部は、湾曲部30Bとされている。湾曲部30Bは、直線部30Aの上端から緩やかに湾曲して略車両後方側(車両前後方向)に延在している。以下、車両幅方向左側のピラー30について説明するが、車両幅方向右側のピラー30も同様の構成とされている。
図1に示されるように、第1柱32は、延在方向の中間部から上方側が湾曲しており、側面視で車両前方側かつ車両上方側に凸をなすR状に形成されている。この第1柱32は、ピラー30の直線部30Aを構成する部位が柱下部32Aとされ、後述する第1ピラーアウタ34と第2ピラーインナ36で構成されている。また、第1柱32は、ピラー30の湾曲部30Bを構成する部位が柱上部32Bとされ、ルーフ12Cのルーフサイドレール12C2の前端部で構成されている。つまり、ピラー30は、ルーフサイドレール12C2の前端部が第1柱32の一部を兼ねることにより、車両10のルーフサイドレール12C2と一体的に形成されている。
一方、ピラー30の車両後方部分を構成する第2柱40は、第1柱32と同様、側面視で車両前方側かつ車両上方側に凸をなすR状に形成されている。また、第2柱40は、車両幅方向外側に配置される第2ピラーアウタ42と、第2ピラーアウタ42に対して車両幅方向内側に配置される第2ピラーインナ44を備えている。
図1~図3に示されるように、第1柱32及び第2柱40は、第1補強部材52と第2補強部材54を用いて車両前後方向に連結されている。第1補強部材52及び第2補強部材54は、鋼板製の補強部材とされ、車両前後方向を長手方向とする長尺状に形成されている。なお、一例として、第1補強部材52及び第2補強部材54は、縦断面視で略ハット型に形成された図示しないインナパネルとアウタパネルを備えており、これらのインナパネルとアウタパネルとが車両幅方向に重ね合わさり閉断面構造を形成する補強部材とされている。
図1に示されるように、上記構成のピラー30には、第1柱32及び第2柱40の下部、第1補強部材52、第2補強部材54によって略矩形状の開口56が形成されている。当該開口56は、第1柱32と第2柱40に架け渡された透明窓部材60によって覆われている。この透明窓部材60は、ガラス又は透明の樹脂製とされ、車室14の車両幅方向の側部の一部を構成している。これにより、車室14内にいる乗員は、ピラー30の開口56から透明窓部材60を介して車両10の外部を視認することができる。
ところで、図3に示されるように、上記構成のピラー30の上端及び下端は、車両10のボデー12の骨格を構成する骨格部材62によって車両後方側から支持されている。骨格部材62は、左右一対の縦柱部64と、一対の縦柱部64の上端部同士及び下端部同士をそれぞれ車両幅方向に連結するリンフォース部66とを備え、車両前後方向視で環状に形成されている。
一方、縦柱部64の中間部は、第3補強部材70を介して第2柱40の下部と連結されている。この第3補強部材70は、上述した第1補強部材52及び第2補強部材54と同様に、鋼板製の補強部材とされ、車両前後方向を長手方向とする長尺状に形成されている。また、一例として、縦断面視で略ハット型に形成された図示しないインナパネルとアウタパネルを備えており、これらのインナパネルとアウタパネルとが車両幅方向に重ね合わさり閉断面構造を形成する補強部材とされている。
本実施形態に係る車両用ピラー構造では、Frガラス22の車両幅方向外端部に沿って延在された第1柱32と、第1柱32に対して略車両前後方向に所定の間隔を空けて配置された第2柱40とを有するピラー30を備えている。このピラー30には、第1柱32と第2柱40の間に透明窓部材60が架け渡されており、透明窓部材60によって第1柱32と第2柱40による開口56が覆われている。したがって、例えば、車両10の前部又は後部において車室14内にいる乗員がピラー30の開口56から透明窓部材60を介して車両10の外部を視認することができる。これにより、ピラー30による車室14内の乗員の死角が減り、視認性を向上させることができる。
上記実施形態では、第1柱32の柱上部32Bをルーフサイドレール12C2の前端部で構成することにより、ピラー30がルーフサイドレール12C2と一体的に形成される構成とした。しかし、本発明はこれに限らず、第1柱32の柱上部32Bを柱下部32Bを構成する第1ピラーアウタ34と第1ピラーインナ36によって形成し、第1柱32の上端部をルーフサイドレール12C2の前端に結合することによりピラー30がルーフサイドレール12C2と一体的に形成される構成としてもよい。
12C ルーフ
12C1 ルーフヘッダ
12C2 ルーフサイドレール
14 車室
22 Frガラス(ウインドシールドガラス)
30 ピラー(車両用ピラー)
30A 直線部
30B 湾曲部
56 開口
32 第1柱
40 第2柱
52 第1補強部材
54 第2補強部材
60 透明窓部材
70 第3補強部材
62 骨格部材
64 縦柱部
66 リンフォース部
Claims (7)
- ウインドシールドガラスの車両幅方向外端部に沿って延在された第1柱と、前記第1柱に対して略車両前後方向に所定の間隔を空けて配置された第2柱とを含み、側面視で略車両上下方向に延在する直線部と当該直線部の上端部から湾曲して車両前後方向に延在する湾曲部とによってR状に形成された車両用ピラーと、
前記第1柱と前記第2柱の間に架け渡されて前記第1柱と前記第2柱による開口を覆うと共に、車両外部が視認可能な透明窓部材と、を備え、
前記車両用ピラーには、前記直線部と前記湾曲部との境に、前記第1柱と前記第2柱とを連結する第1補強部材が設けられている、
車両用ピラー構造。 - 前記車両用ピラーは、前記湾曲部が、車室の天井部をなすルーフの骨格を構成すると共に当該ルーフの車両幅方向外端部に配置されて車両前後方向に延在するルーフサイドレールと一体的に形成されている、
請求項1に記載の車両用ピラー構造。 - 前記車両用ピラーには、前記直線部と前記湾曲部との境に、車室の天井部をなすルーフの骨格を構成すると共に当該ルーフの車両前後方向外端部に配置されて車両幅方向に延在するルーフヘッダの一端が結合されている、
請求項1又は請求項2に記載の車両用ピラー構造。 - 前記車両用ピラーは、前記第1柱の中間部と前記第2柱の下部が第2補強部材で連結されており、
前記第2柱の下部は、前記第1柱の前記中間部よりも車両幅方向外側にオフセットして配置されている、
請求項1~請求項3の何れか1項に記載の車両用ピラー構造。 - 前記車両用ピラーの車両前後方向の後方側には、車両幅方向の側部を構成すると共に車両上下方向に延在する縦柱部を含む骨格部材が配置されており、
前記車両用ピラーは、前記第1柱及び前記第2柱の上端部が、前記縦柱部に結合されている、
請求項1~請求項4の何れか1項に記載の車両用ピラー構造。 - 前記車両用ピラーは、前記第2柱の下部が、前記骨格部材の前記縦柱部と第3補強部材を介して連結されている、
請求項5に記載の車両用ピラー構造。 - 前記骨格部材は、車両幅方向の側部を構成する一対の前記縦柱部と、当該一対の縦柱部の上端同士及び下端同士をそれぞれ車両幅方向に連結するリンフォース部と、によって車両前後方向視で環状に形成されている、
請求項5又は請求項6に記載の車両用ピラー構造。
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