JPH11245746A - 車両の乗員保護装置 - Google Patents

車両の乗員保護装置

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JPH11245746A
JPH11245746A JP10061964A JP6196498A JPH11245746A JP H11245746 A JPH11245746 A JP H11245746A JP 10061964 A JP10061964 A JP 10061964A JP 6196498 A JP6196498 A JP 6196498A JP H11245746 A JPH11245746 A JP H11245746A
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誠治 小俣
Tsugio Uchiyama
次男 内山
Kazuyoshi Kamio
和良 神尾
Jun Takeshima
潤 竹島
Makoto Inoue
誠 井上
Shigeru Saito
茂 斉藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の衝突時等の外力作用時において、乗員
の特に膝が固形物に干渉するのを防止して乗員の保護を
図ると共に、簡便に実施でき、重量増にほとんど影響し
ない車両の乗員保護装置を提供する。 【解決手段】 メータクラスタパネル32のパネル面5
の裏面のパネル面5とブレーキマスタシリンダ27の後
端面28との間の空間部7内に乗員保護装置1は配設さ
れ、パネル面5側に支持される。外力作用時には固形物
のブレーキマスタシリンダ27の後端面28に乗員保護
装置1に当接するが、その当接部に対し乗員の膝12と
の干渉点が外にずれ、かつ乗員保護装置1の膝受体2が
前寄りに傾斜しているため、膝12は傾斜面9に沿って
進み、乗員保護装置1自体も反時計方向に回動する。そ
のため、膝12は外開き状態となり、ブレーキマスタシ
リンダ27側から離れ、膝12とブレーキマスタシリン
ダ27側との干渉が防止され、乗員34の保護が図れ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の衝突時等の
外力作用時において乗員の膝等を保護する車両の乗員保
護装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の衝突時等の外力作用時において、
乗員を保護する手段としシートベルトやエアバック等が
使用されている。これ等は比較的大きな外力作用時にお
いて乗員の身体全体等に上半身を有効に保護するもので
あるが、これ等が設けられていても乗員の膝は前方に移
動し、前方の固形物に干渉するという恐れがある。
【0003】図18に示すようにフロントガラス等を支
持するフロントパネル43の後方にはブレーキマスタバ
ック44及びクラッチマスタバック45がペダルブラケ
ット46に支持されて配置される。ブレーキマスタバッ
ク44及びクラッチマスタバック45の後端側にはブレ
ーキマスタシリンダ27及びクラッチマスタシリンダ4
7が連結される。
【0004】一方、図18に示すようにフロントパネル
43側には図16に示すインストルメントパネル33が
連結される。インストルメントパネル33の開口部41
にはメータクラスタパネル32aが図16に示すように
連結される。また、インストルメントパネル32aは図
15に示すリインフォース37により補強される。
【0005】メータクラスタパネル32aは図16に示
すようにその中央部に空間部42を形成する。その両側
には化粧パネル49とスイッチ取り付けパネル50が取
り付けられる取り付け部6a等が配置される。なお、空
間部42は図17乃至図19に示すようにステアリング
カウル48等が通過する空間である。
【0006】図18に示すように、化粧パネル49の前
方側にはブレーキマスタシリンダ27の後端面28がほ
ぼ相対向して配置され、スイッチ取り付けパネル50の
前方側にはクラッチマスタシリンダ47の後端面51が
相対向して配置される。また、図17,図18に示すよ
うに、化粧パネル49及びスイッチ取り付けパネル50
の後方には乗員34の膝12がほぼ相対向して配置され
る。なお、図18に示すように、一般にステアリングカ
ウル48に対してブレーキマスタシリンダ27とクラッ
チマスタシリンダ47とは均等な位置に配置されず、ブ
レーキマスタシリンダ27の方が近接して配置される。
また、乗員34の膝12はブレーキマスタシリンダ27
の後端面28とほぼ相対向して配置されるため、クラッ
チマスタシリンダ47の後端面51に対しては膝12は
ややずれた位置に配置される。従って、車両の衝突時等
においてはブレーキマスタシリンダ27と膝12との干
渉が主に問題となるので、便宜上以下では、ブレーキマ
スタシリンダ27と膝12との干渉防止についてのみ記
載する。勿論、クラッチマスタシリンダ47と膝12と
の干渉防止についても本発明は適用される。
【0007】図17に示すように、衝突時においてはフ
ロントパネル43が後退し、ブレーキマスタシリンダ2
7が後方に押される。一方、図17,図18に示すよう
に乗員34は慣性力により前進し、その膝12が化粧パ
ネル49を介してブレーキマスタシリンダ27の後端面
28に近接する。
【0008】膝12の保護手段として、従来より各種の
工夫がされている。例えば、実開平7−31516号公
報はその一例を示すものである。この「自動車のニープ
ロテクター」は、ブレーキマスタシリンダやクラッチマ
スタシリンダのような硬い干渉部材とドライバの脚部と
の間にニープロテクターを介在せしめたものである。こ
のニープロテクターは弧状のガイドパネル部とこの内側
にこれより変形強度の弱い変形パネル部を固着したもの
からなる。衝突時には、干渉部材の衝撃力を変形パネル
部で吸収すると共に、脚部をガイドパネル部のカーブに
沿って外方に移動させて脚部と干渉部材との衝突を防止
するようにしたものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】図15乃至図19に示
した従来技術の場合、衝突時等の外力作用時においては
メータクラスタパネル32a(詳しくは化粧パネル4
9)の裏面にブレーキマスタシリンダ27の後端面28
が当ると共に化粧パネル49の表面には乗員34の膝1
2が当り、大腿部35にも伝わる。一方、実開平7−3
1516号公報に示す公知技術の場合は、前記のように
脚部が外方にずれて保護されるように思われるが、実際
は脚部は外方にずれない。すなわち、ガイドパネル部と
変形パネル部とからなるニープロテクターは直接脚部と
相対向して配置されるものではなく、その間にはインス
トルメントパネルが介在する。従って、衝突時に干渉部
材によって変形パネル部は変形するが、ガイドパネル部
はインストルメントパネルを介して脚部に当る。従っ
て、脚部はガイドパネル部のカーブに沿って外方にずれ
ることはできず、2点鎖線で示すようにインストルメン
トパネルの表面に沿ってわずかに外方にそのままずれる
に過ぎない。従って、脚部は保護は不十分となる。
【0010】本発明は、以上の事情に鑑みて創案された
ものであり、衝突時等の外力作用時において乗員の膝や
大腿部を確実に保護すると共に、構造簡単で比較的安価
に実施できる車両の乗員保護装置を提供することを目的
とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の目的を
達成するために、ブレーキマスタシリンダ及び/又はク
ラッチマスタシリンダ等の固形物の端部と適宜の空間部
を隔ててほぼ相対向して配置されるパネル面側に支持さ
れ乗員の膝等が前記固形物と干渉するのを防止すべく前
記空間分内に配設される乗員保護装置であって、該乗員
保護装置は、前記膝等と干渉する部位における前記パネ
ル面の裏面のほぼ全面に密接して配置される膝受体と、
該膝受体と適宜のギャップを介し前記固形物側に近接し
て配置されその一端側を少なくとも前記膝受体に固着し
て配置される第1の補強部材と、外力作用時における前
記固形物の移動方向にほぼ沿って配置され、前記固形物
側の一端を前記第1の補強部材に固着すると共に他端側
を前記膝受体に固着する第2の補強部材とを有するもの
からなり、前記膝等の干渉する部位における前記パネル
面及びこれに密接する前記膝受体は、斜め前方に向かっ
て傾斜面を形成するものからなり、前記固形物と前記第
1の補強部材の当接時における前記第1の補強部材の当
接位置が少なくとも前記パネル面に干渉する膝等の干渉
位置よりも車両の内側寄りに配置され、前記第1の補強
部材と前記第2の補強部材との固着位置が、前記第1の
補強部材の前記当接位置よりも更に車両の内側寄りの配
置される車両の乗員保護装置を構成するものである。
【0012】また、本発明の車両の乗員保護装置は前記
膝受体の傾斜角がほぼ35度であることを特徴とし、前
記パネル面がプラスチック材から形成される場合におい
て、前記膝受体と前記第1及び第2の補強部材がプラス
チック材より硬質の部材からなることを特徴とする。ま
た、前記第1の補強部材及び/又は前記第2の補強部材
には、その剛性をやや低下させる適宜大きさの空隙部が
形成されるものであることを特徴とするものである。
【0013】衝突時等の外力作用時において、慣性力に
より乗員は前進し、その膝等がパネル面に当る。このパ
ネル面及びこれを補強する膝受体は斜め前方に向かって
傾斜しているため膝等はこの傾斜面に沿って外方に移動
する。作用する外力が大きい場合には固形物が大きく後
退し第1の補強部材に当接する。この当接位置は前記膝
等のパネル面との干渉位置よりも内側寄りのため、前記
第1の補強部材の当接面又は当接部を基点としてパネル
面や膝受体及び乗員保護装置の全体が大きく前寄りに回
動し、膝等は固形物側からますます離れ、傾斜面に沿っ
て大きく外方に移動する。更に大きな外力が加わって固
形物と膝等が近接しても乗員保護装置がやや変形しなが
ら更に大きく回動し、膝等は固形物からますます離れ
る。以上により、膝等と固形物との干渉はなくなり保護
される。また、傾斜面の傾斜角度は膝等が円滑に外方に
移動し得るものであればよいが、実験的,経験的に35
度前後が好ましいことがわかった。また、第1及び第2
の補強部材に空隙部を形成することにより、乗員保護装
置が適当に変形して膝等との干渉時における衝撃エネル
ギーを吸収しながら膝等を円滑に回動させることが可能
になる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳述する。図15及び図16に示したよう
に、リインフォース37により補強されたインストルメ
ントパネル33の開口部41にはメータクラスタパネル
32が着脱可能に取り付けられる。本例では図16に示
したメータクラスタパネル32aの替りに図1に示すメ
ータクラスタパネル32が適用される。このメータクラ
スタパネル32の下方側には図略のステアリングカウル
等が通過する空間部42とこれを挟んでパネル面5及び
取り付け部6が形成される。本例の乗員保護装置1はパ
ネル面5の裏側に配設されるものである。
【0015】乗員保護装置1が配設されるパネル面5
は、本例の場合は乗員保護装置1の膝受体2の表面輪郭
形状とほぼ同一の形状のものからなりメータクラスタパ
ネル32の成形時に一体的に形成されるものである。従
って、パネル面5の形状は膝受体2の形状の説明によっ
て代行し、重複説明を省略する。なお、パネル面5と前
記の固形物の1つであるブレーキマスタシリンダ27の
後端面28との間には乗員保護装置1の配設する空間部
7が形成されている。乗員保護装置1は図2,図3,図
4に示すように大別して膝受体2と、第1の補強部材3
及び第2の補強部材4とからなり、これ等を一体構造に
組み付けたものからなる。以下、その構造を順次説明す
る。
【0016】まず、膝受体2を説明する。図5に示すよ
うに、突出部8を基点として側面方向にやや曲面状の傾
斜面9が形成され、下方向にやや曲面状の傾斜面10が
形成される。特に、図2に示すように傾斜面9の傾斜角
は本例では約35度に形成される。傾斜面9は前寄りに
なだらかに傾斜するが、その傾斜端からは図5等に示す
ように鍔部11が連続して屈曲形成される。なお、前記
したように傾斜面9及び鍔部11の部分と傾斜面10の
部分はすべてパネル面5の裏面に密接し、パネル面5の
膝12との干渉する部位の全面にわたり配設される。ま
た、突出部8及び突出部8が密接するパネル面5側の突
出面13は最も膝12に近接して配置されるが、少なく
ともこの突出面13と膝12との通常時における関係位
置は、膝12が突出面13よりもやや外側に配置される
ことが望ましい。図5に示すように、膝受体2の傾斜面
10には取り付け孔14が設けられ、鍔部11には配線
用のクリップの挿通可能な開口部15が形成されている
が開口部15は本例では不要部に相当する。膝受体2は
本例では鉄材からなり、プラスチックのパネル面5の裏
面の全面を補強しパネル面5の変形等を防止している。
【0017】図6に示すように、鉄材からなる第1の補
強部材3は、平板部16と、その両側に折り曲げ形成さ
れるフランジ面17,18と、上方側に突出して形成さ
れる取り付け片19,19等とからなる。取り付け片1
9の先端側には取り付け孔20が穿孔される。なお、図
2に示すように、通常時においてフランジ面17はブレ
ーキマスタシリンダ27の後端面28とほぼ平行に配置
され、フランジ面17の端部21(図2にB点で示す)
に連結する平板部16は後寄りに小さな傾斜角で下り傾
斜する形状からなり、平板部16の傾斜端から折れ曲が
って形成されているフランジ面18は膝受体2の傾斜面
9にほぼ全面に当接する形状のものからなる。また、取
り付け片19は、図3に示すように、パネル面5の裏面
に突出して一体形成される取り付け座22に当接する形
状のものからなる。
【0018】図7に示すように、第2の補強部材4は平
板部23と、その両側に折り曲げ形成されるフランジ面
24,25を形成するものからなり、本例では鉄材から
形成される。この第2の補強部材4は図2乃至図4等に
示すように膝受体2と第1の補強部材3間に架設される
ものであり、フランジ面24は第2の補強部材3のフラ
ンジ面17に重合する形状からなり、フランジ面25は
膝受体2の突出部8と傾斜面10の内端縁に密接する形
状のものからなる。
【0019】以上の構造の膝受体2,第1の補強部材3
及び第2の補強部材4を組み付けて固着した状態の図1
及び図4等に示されている。すなわち、膝受体2の傾斜
面9の外輪縁には第1の補強部材3のフランジ面18が
密接し固着される。一方、第1の補強部材3のフランジ
面17には第2の補強部材4のフランジ面24が密接し
て固着される。なお、この固着部の外寄りの端部26を
説明の都合上C点とする(図2,図4)。第2の補強部
材4のフランジ面25は前記したように膝受体2の突出
部8と傾斜面10の内端縁に密接して固着される。図4
は膝受体2、第1の補強部材3及び第2の補強部材4の
組み付けられた状態を示し、これ等が一体構造となって
乗員保護装置1を形成する。
【0020】図2及び図3は以上の構造の乗員保護装置
1をブレーキマスタシリンダ27の後端面28とパネル
面5との間の空間部7に配設した状態を示す。なお、乗
員保護装置1は、膝受体2の取り付け孔14を通るビス
29によりパネル面5側に固定され、第1の補強部材3
の取り付け片19の取り付け孔20を通るビス30によ
りパネル面5側の取り付け座22に固定される。以上に
より、乗員保護装置1はパネル面5側に固定される。ま
た、図2に示すように、通常時において、乗員保護装置
1の膝受体2及びパネル面5はブレーキマスタシリンダ
27の後端面28に対して角度35度で前寄りに傾斜し
て配設され、第2の補強部材3はその平板部16を後端
面28に対してやや後寄りに傾斜して配置される。ま
た、第2の補強部材4は後端面28に対し、ほぼ垂直に
配置される。前記したように、第1の補強部材3のフラ
ンジ面17はブレーキマスタシリンダの後端面28とほ
ぼ平行に配置され、外力作用時には両者は当接するが、
その当接面の平板部16寄りの端部21のB点は、外力
作用時に膝12とパネル面5に干渉する干渉点31(図
2にA点で示す)よりも内寄りに形成される。また、第
1の補強部材3のフランジ面17と第2の補強部材4の
フランジ面24との固着部の端部26のC点は前記のB
点よりも更に内寄りに配置される。
【0021】図8及び図9は以上の構造の乗員保護装置
1を配置したメータクラスタパネル32を有するインス
トルメントパネル33まわりの車両の主要部の構造と、
乗員34との位置関係を示す図面である。前記主要部の
構造は図17及び図18の説明と重複するため説明を省
略し、乗員保護装置1の周辺のみを説明する。ブレーキ
マスタシリンダ27の後端面28に対し、乗員34の膝
12及び大腿部35はほぼ相対向する位置に配置され、
メータクラスタパネル32のパネル面5に取り付けられ
た乗員保護装置1は図8に示すようにやや右寄り(外寄
り)に配置される。また、外力の作用しない通常の状態
においては図8,図9に示すように乗員保護装置1とブ
レーキマスタシリンダ27の後端面28との間には隙間
36(δ1で示す)が形成される。また、乗員保護装置
1の第1の補強部材3の頂部とリインフォース37との
間には図9に示すように大きな隙間38(δ2で示す)
が形成され、外力作用時においても干渉等が生じない。
【0022】次に、本例の乗員保護装置1を配置した車
両における外力作用時の固形物と膝との関係を図2,図
10,図11,図12等により説明する。図2及び図
8,図9は車両外力の作用しない通常の状態を示す。前
記したように、乗員保護装置1はブレーキマスタシリン
ダ27の後端面28から隙間36(δ1)だけ離れて配
置され、乗員34の膝12はパネル面5から離れて配置
される。
【0023】車両に外力が作用すると、図2の状態が図
10の状態となる。すなわち、外力によりブレーキマス
タシリンダ27が後退すると共に慣性力により乗員34
が前進する。この結果、図10のようにブレーキマスタ
シリンダ27の後端面28が乗員保護装置1の第1の補
強部材3にフランジ面17に当り、膝12がパネル面5
の突出面13の近傍の干渉点31のA点に当る。外力が
小さい場合には第1及び第2の補強部材3,4が補強機
能を発揮してそれ以上の変形は生じない。但し、膝12
の当るA点と第2の補強部材4のブレーキマスタシリン
ダ27側とに当る端部のC点との間に適宜の距離があ
り、膝12によりパネル面5に押圧力が作用するため図
10において反時計まわりのモーメントが作用し、膝1
2は外寄りに押されて開き気味になり、乗員保護装置1
も反時計まわりに回動し易い状態になる。
【0024】次に、更に外力が強く作用すると、B点又
はC点を基点として図11に示すように第1の補強部材
3及び第2の補強部材が折れ曲がり乗員保護装置1はや
や変形しながら反時計方向に回動する。一方、膝12は
前方向に押されているため、膝12は乗員保護装置1の
回動に伴って前膝受体2の傾斜面9に沿って進み、パネ
ル面5に対してはA点から図示のA′点に移動し、図1
0の状態から外開き状態になる。従って、膝12はブレ
ーキマスタシリンダ27の後端面28から離れる方向に
移動し、前進する。なお、膝12は常時、パネル面5や
膝受体2に対し傾斜して干渉するため、パネル面5への
押圧力は弱く、かつパネル面5は膝受体2により全面補
強されているためパネル面の表面傷等が発生しない。そ
のため、膝12は保護される。
【0025】更に、外力が加わると、図12に示すよう
に乗員保護装置1の第1の補強部材3のフランジ面17
やそれに重合している第2の補強部材4のフランジ面2
4がブレーキマスタシリンダ27の後端面28から離
れ、B点から離れた外側のB′点(図12)を基点とし
て大きく反時計方向に回動する。そのため、膝12はパ
ネル面5や膝受体2の傾斜面9,10に押されて更に外
開き方向に移動することになる。以上により、膝12と
ブレーキマスタシリンダ27側との干渉は完全に防止さ
れ、乗員の保護が図れる。なお、本例の乗員保護装置1
は、前記のような板材を曲げ成形した膝受体2,第1及
び第2の補強部材3,4を組み合わした枠体状の構造体
からなり、軽量で、かつ比較的容易に製作できる。よっ
て簡便に実施することができる。
【0026】図13は第1の補強部材3の平板部16に
空隙部39を開口形成した第2の補強部材3aを示し、
図4は第2の補強部材4の平板部23に空隙部40を開
口形成したものからなる。第1及び第2の補強部材3,
4は剛性を有する部材であることが必要であるが、乗員
保護装置1の外力作用時における変形形状を図11の点
線に示すように適宜変化させて膝12の動きをより自然
に外開きさせるためや、パネル面5側と膝12の干渉に
よっても生ずる衝撃エネルギーを極力吸収させて押圧力
を低減させるめたには適宜形状の空隙部39,40を設
けた方がよい場合もある。勿論、本発明は空隙部39,
40がなくても十分に保護機能を発揮するものである。
なお、本発明の乗員保護装置1は以上の構造のものから
なるが、全体の輪郭形状はメータクラスタパネル32等
の形状に対応して適宜設定されるものであり、細部構造
については前記の内容に限定するものではない。
【0027】
【発明の効果】1)本発明の請求項1に記載の車両の乗
員保護装置によれば、外力作用時において膝は固形物か
ら離れる方向に自然に移動するため、膝と固形物との干
渉が防止され、乗員の保護の完全化が図れる。また、乗
員保護装置は比較的簡便な構造からなり、容易に実施で
きると共に、重量増への影響は少ない。 2)本発明の請求項2に記載の車両の乗員保護装置によ
れば、膝受体の傾斜面の傾斜角を35度前後にすること
により、膝の移動が極めて円滑に行われる。 3)本発明の請求項3に記載の車両の乗員保護装置によ
れば、乗員保護装置はパネル面よりも硬質のものからな
り、補強部材として機能すると共に、小さな外力に対し
てはパネル面を不動状態に保持して膝の不必要移動を防
止できる効果が上げられる。 4)本発明の請求項4に記載の車両の乗員保護装置によ
れば、乗員保護装置の補強部材に空隙部を設けることに
より、乗員保護装置の変形形態を所望の形態に変化させ
ることが可能になり、膝移動の移動パターンを適宜変え
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】乗員保護装置を設けたメータクラスタパネルを
示す斜視図。
【図2】図1のA−A線拡大断面図。
【図3】図1のB−B線拡大断面図。
【図4】本発明の車両の乗員保護装置の実施の形態を示
す斜視図。
【図5】本発明の乗員保護装置の膝受体の構造を示す斜
視図。
【図6】本発明の乗員保護装置の第1の補強部材の構造
を示す斜視図。
【図7】本発明の乗員保護装置の第2の補強部材の構造
を示す斜視図。
【図8】本発明の乗員保護装置を設けたメータクラスタ
パネルとブレーキ又はクラッチマスタシリンダと膝との
通常時(実線)における位置関係を示す平面図。
【図9】本発明の乗員保護装置を設けたメータクラスタ
パネルとブレーキマスタシリンダ,膝及びステアリング
ハンドルまわりとの通常時における位置関係を示す側面
図。
【図10】本発明の乗員保護装置の外力作用時の作用を
説明するための模式図。
【図11】大きな外力作用時における本発明の乗員保護
装置及び膝の動きを説明するための模式図。
【図12】更に大きな外力が作用した場合の本発明の乗
員保護装置及び膝の動きを説明するための模式図。
【図13】本発明の乗員保護装置の第1の補強部材の別
の実施の形態を示す斜視図。
【図14】本発明の乗員保護装置の第2の補強部材の別
の実施の形態を示す斜視図。
【図15】従来のリインフォースの全体構造を示す斜視
図。
【図16】従来のインストルメントパネル及びそれに取
り付けられるメータクラスタパネルを示す斜視図。
【図17】従来の外力作用時における乗員やその膝の移
動状態や固形物との干渉状態を示す側面図。
【図18】従来のメータクラスタパネルとブレーキマス
タシリンダ等や膝等との関係位置を示す平面図。
【図19】従来のメータクラスタパネルとブレーキマス
タシリンダとの関係位置を示す部分斜視図。
【符号の説明】
1 乗員保護装置 2 膝受体 3 第1の補強部材 4 第2の補強部材 5 パネル面 6 取り付け部 7 空間部 8 突出部 9 傾斜面 10 傾斜面 11 鍔部 12 膝 13 突出面 14 取り付け孔 15 開口部 16 平板部 17 フランジ面 18 フランジ面 19 取り付け片 20 取り付け孔 21 端部(B点) 22 取り付け座 23 平板部 24 フランジ面 25 フランジ面 26 端部(C点) 27 ブレーキマスタシリンダ 28 後端面 29 ビス 30 ビス 31 干渉点(A点) 32 メータクラスタパネル 33 インストルメントパネル 34 乗員 35 大腿部 36 隙間(δ1) 37 リインフォース 38 隙間(δ2) 39 空隙部 40 空隙部 41 開口部 42 開口部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神尾 和良 神奈川県藤沢市土棚8番地 いすゞ自動車 株式会社藤沢工場内 (72)発明者 竹島 潤 神奈川県藤沢市遠藤2023番地の18 いすゞ 自動車株式会社湘南開発センター内 (72)発明者 井上 誠 神奈川県藤沢市遠藤2023番地の18 いすゞ 自動車株式会社湘南開発センター内 (72)発明者 斉藤 茂 神奈川県藤沢市土棚8番地 いすゞ自動車 株式会社藤沢工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキマスタシリンダ及び/又はクラ
    ッチマスタシリンダ等の固形物の端部と適宜の空間部を
    隔ててほぼ相対向して配置されるパネル面側に支持され
    乗員の膝等が前記固形物と干渉するのを防止すべく前記
    空間分内に配設される乗員保護装置であって、該乗員保
    護装置は、前記膝等と干渉する部位における前記パネル
    面の裏面のほぼ全面に密接して配置される膝受体と、該
    膝受体と適宜のギャップを介し前記固形物側に近接して
    配置されその一端側を少なくとも前記膝受体に固着して
    配置される第1の補強部材と、外力作用時における前記
    固形物の移動方向にほぼ沿って配置され、前記固形物側
    の一端を前記第1の補強部材に固着すると共に他端側を
    前記膝受体に固着する第2の補強部材とを有するものか
    らなり、前記膝等の干渉する部位における前記パネル面
    及びこれに密接する前記膝受体は、斜め前方に向かって
    傾斜面を形成するものからなり、前記固形物と前記第1
    の補強部材の当接時における前記第1の補強部材の当接
    位置が少なくとも前記パネル面に干渉する膝等の干渉位
    置よりも車両の内側寄りに配置され、前記第1の補強部
    材と前記第2の補強部材との固着位置が、前記第1の補
    強部材の前記当接位置よりも更に車両の内側寄りの配置
    されることを特徴とする車両の乗員保護装置。
  2. 【請求項2】 前記膝受体の傾斜角がほぼ35度である
    請求項1に記載の車両の乗員保護装置。
  3. 【請求項3】 前記パネル面がプラスチック材から形成
    される場合において、前記膝受体と前記第1及び第2の
    補強部材がプラスチック材より硬質の部材からなる請求
    項1に記載の車両の乗員保護装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の補強部材及び/又は前記第2
    の補強部材には、その剛性をやや低下させる適宜大きさ
    の空隙部が形成されるものである請求項1に記載の車両
    の乗員保護装置。
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