JP2004098868A - ニーエアバッグ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成により、低コストで、衝突時におけるブレーキペダルの後退量を低減させるようにしたニーエアバッグ装置を提供する。
【解決手段】自動車の運転席11に関して、ステアリングホイール12aの下方にて、ブレーキペダル15の後方そしてインストルメントパネル13の前方に配置されたニーエアバッグモジュール14を含んでおり、衝突時におけるブレーキペダル15の後方移動を防止するためのブレーキペダル後退防止ブラケット16aを備えたニーエアバッグ装置10であって、ニーエアバッグモジュール14の前側、即ち車両前方側に、衝突時におけるブレーキペダル15の揺動による後方移動を阻止するためのニーパネル17を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】自動車の運転席11に関して、ステアリングホイール12aの下方にて、ブレーキペダル15の後方そしてインストルメントパネル13の前方に配置されたニーエアバッグモジュール14を含んでおり、衝突時におけるブレーキペダル15の後方移動を防止するためのブレーキペダル後退防止ブラケット16aを備えたニーエアバッグ装置10であって、ニーエアバッグモジュール14の前側、即ち車両前方側に、衝突時におけるブレーキペダル15の揺動による後方移動を阻止するためのニーパネル17を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、衝突時における運転席の乗員の膝部を保護するためのニーエアバッグ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の安全性の確保が強く要請されるようになってきており、運転席及び助手席における前方に対する保護のための通常のエアバッグ装置の標準装備に加えて、側面衝突等に対応するためのサイドエアバッグ装置やカーテンシールドエアバッグ装置等が搭載されるようになってきている。
さらに、最近では、運転席の乗員の膝を保護するための、所謂ニーエアバッグ装置も開発され、その自動車への搭載が検討されるようになってきている。
【0003】
ここで、上記ニーエアバッグ装置は例えば図2に示すように構成されている。図2において、ニーエアバッグ装置1は、自動車の運転席2に対応して構成されており、ステアリングホイール3a付近のコラムカバー3の下方にてインストルメントパネル4の前方に配置されたニーエアバッグモジュール5を備える。
【0004】
このニーエアバッグモジュール5に対して、その前方には、ブレーキペダル6が配置されており、衝突時におけるブレーキペダル6の支持部6aの後退を防止するために、インストルメントパネルリインフォース7には、ブレーキペダル後退防止ブラケット7aが取り付けられている。
【0005】
このような構成のニーエアバッグ装置1によれば、自動車の衝突時には、衝突センサによりニーエアバッグ装置1のニーエアバッグモジュール5が作動して、ニーエアバッグ5aを瞬時に膨らませて、運転者の膝部の慣性による前方移動を抑止し、膝部のインストルメントパネル4への衝撃を和らげる。
【0006】
その際、ブレーキペダル6は、衝突時の衝撃によって後方へ移動しようとするが、上記インストルメントパネルリインフォース7に取り付けられたブレーキペダル後退防止ブラケット7aが、ブレーキペダル6の支持部6aの後方への移動を制限することにより、ブレーキペダル6の支持部6aの後方移動を阻止する。これにより、衝突時におけるブレーキペダル6の後方への移動は、図2において点線位置まで後退することになる。
【0007】
しかしながら、このような構成のニーエアバッグ装置1によれば、衝突時におけるブレーキペダル6の後方移動は、支持部6aの後退に関してのみ、ブレーキペダル後退防止ブラケット7aによって抑制されるようになっている。これにより、衝突時におけるブレーキペダル6のペダル部6bの後方移動は、図2において、点線位置までとなり、その後退量A1は、例えば70mm程度となる。
【0008】
これに対して、図3に示すように、インストルメントパネルリインフォース7に、ブレーキペダルストッパ7bを取り付けた構成も知られている。
【0009】
このような構成のニーエアバッグ装置によれば、自動車の衝突時には、衝突センサによりニーエアバッグ装置1のニーエアバッグモジュール5が作動する際、ブレーキペダル6は衝突時の衝撃によって後方へ移動しようとするが、上記インストルメントパネルリインフォース7に取り付けられたブレーキペダル後退防止ブラケット7aがブレーキペダル6の支持部6aの後方への移動を制限すると共に、上記インストルメントパネルリインフォース7に取り付けられたブレーキペダルストッパ7bがブレーキペダル6に設けられたフック部6aに係合することにより、ブレーキペダル6の揺動部分の後方への揺動を阻止する。
【0010】
これにより、衝突時におけるブレーキペダル6のペダル部6bの後方移動は、図3において、点線位置までとなり、その後退量A2は、例えば70mm程度となる。
したがって、ニーエアバッグ装置1のニーエアバッグモジュール5を、比較的ブレーキペダル6に近接して配置することができるので、ステアリングホイール3aの下方にスペースがあまりない場合であっても、ニーエアバッグ装置1を装着することが可能になると共に、ニーエアバッグ装置1のニーエアバッグモジュール5と運転席2との間の距離を比較的大きくとることができるので、ニーエアバッグ装置1の作動時におけるニーエアバッグ5aによる運転席の乗員の膝部への衝撃を軽減することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成のニーエアバッグ装置1においては、衝突時におけるブレーキペダル6の後方移動を、ブレーキペダル後退防止ブラケット7aによって、またブレーキペダル6の揺動による後退に関しては、ブレーキペダルストッパ7bによって抑止するようにしているが、そのためにはブレーキペダルストッパ7bが必要であることから、部品点数が多くなり、部品コスト及び組立コストが高くなってしまう。
【0012】
本発明は、以上の点にかんがみ、簡単な構成により、低コストで、衝突時におけるブレーキペダルの後退量をさらに低減させるようにした、ニーエアバッグ装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明によれば、自動車の運転席に関して、ステアリングホイールの下方にて、ブレーキペダルの後方そしてインストルメントパネルの前方に配置されたニーエアバッグモジュールを含んでおり、衝突時におけるブレーキペダルの支持部の後方移動を防止するためのブレーキペダル後退防止ブラケットを備えたニーエアバッグ装置であって、上記ニーエアバッグモジュールの前側に、衝突時におけるブレーキペダルの揺動による後方移動を阻止するためのニーパネルを備えていることを特徴とするニーエアバッグ装置により、達成される。
【0014】
上記構成によれば、自動車の衝突時には、衝突センサによりニーエアバッグ装置のニーエアバッグモジュールが作動して、ニーエアバッグを瞬時に膨らませて、運転者の膝部の慣性による前方移動を抑止し、膝部のインストルメントパネルへの衝撃を和らげる。
【0015】
その際ブレーキペダルは、衝突時の衝撃によって後方へ移動しようとするが、上記ブレーキペダル後退防止ブラケットが、ブレーキペダルの支持部の後方への移動を制限すると共に、上記ニーパネルが、ブレーキペダルの中間の揺動部分に当接することにより、ブレーキペダルのペダル部は、てこの原理によりブレーキペダルの支持部に対して相対的に前方へ移動することになり、ブレーキペダルのペダル部の後方への移動を阻止することができる。
【0016】
これにより、衝突時におけるブレーキペダルの後方移動は、ブレーキペダル後退防止ブラケット及びニーパネルにより確実に防止されることになり、従来のブレーキペダル後退防止ブラケットのみによるブレーキペダルの後退防止の場合と比較して、その後退量が大幅に、例えば約50%程度低減され得ることになる。したがって、ニーエアバッグ装置のニーエアバッグモジュールを、比較的ブレーキペダルに近接して配置することができるので、ステアリングホイールの下方にスペースがあまりない場合であっても、ニーエアバッグ装置を装着することが可能になると共に、ニーエアバッグ装置のニーエアバッグモジュールと運転席との間の距離を比較的大きくとることができるので、ニーエアバッグ装置の作動時におけるニーエアバッグによる運転席の乗員の膝部への衝撃を容易に軽減することができる。
【0017】
さらに、衝突時におけるブレーキペダルの中間の揺動部分の後方移動を、ニーエアバッグ装置のニーエアバッグモジュールの前側に一体的に配置されたニーパネルで阻止するようにしたので、ブレーキペダルストッパが不要となることから部品点数が少なくて済み、部品コスト及び組立コストが低減される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明によるニーエアバッグ装置の一実施形態の構成を示している。図1において、ニーエアバッグ装置10は、自動車の運転席11に対応して構成されており、ステアリングホイール12a付近のコラムカバー12の下方にて、インストルメントパネル13の前方に配置されたニーエアバッグモジュール14を含んでいる。
【0019】
このニーエアバッグモジュール14に対して、その前方には、ブレーキペダル15が配置されており、衝突時におけるブレーキペダル15の支持部15aの後退を制限するために、インストルメントパネルリインフォース16には、ブレーキペダル後退防止ブラケット16aが取り付けられている。
【0020】
以上の構成は、図2及び図3に示した従来のニーエアバッグ装置1と同様の構成であるが、本発明実施形態によるニーエアバッグ装置10においては、以下の点で異なる構成になっている。即ち、上記ニーエアバッグ装置10は、さらにニーエアバッグモジュール14の前側(車両前方側)に、ニーパネル17を含んでいる。
【0021】
このニーパネル17は、ニーエアバッグモジュール14の前側に配置されるようになっている。そして、上記ニーパネル17は、衝突時にブレーキペダル15が後方移動したとき、インストルメントパネル13内にて、ブレーキペダル15の中間の揺動部分に当接して、ブレーキペダル15の後方移動を抑止するようになっている。
【0022】
本発明実施形態によるニーエアバッグ装置10は、以上のように構成されており、以下のように動作する。
即ち、自動車の衝突時には、衝突センサにより、ニーエアバッグ装置10のニーエアバッグモジュール14が作動する際、ブレーキペダル15は、衝突時の衝撃によって後方へ移動しようとするが、上記インストルメントパネルリインフォース16に取り付けられたブレーキペダル後退防止ブラケット16aが、ブレーキペダル15の支持部15aの後方への移動を制限すると共に、上記ニーエアバッグ装置10の前側に配置されたニーパネル17が、ブレーキペダル15の中間の揺動部分に当接することにより、ブレーキペダル15の揺動部分の後方への揺動を阻止する。
【0023】
これにより、衝突時におけるブレーキペダル15のペダル部15bの後方への移動は、てこの原理により支持部15aに対して相対的に前方へ移動することになるので、図1において点線位置までとなり、その後退量Aは、例えば35mm程度になる。したがって、図2及び図3に示した構成と比較して、ブレーキペダル6のペダル部6bの後退量が約50%程度低減される。
【0024】
したがって、ニーエアバッグ装置1のニーエアバッグモジュール14を、比較的ブレーキペダル15に近接して配置することができるので、ステアリングホイール12aの下方にスペースがあまりない場合であっても、ニーエアバッグ装置10を装着することが可能になると共に、ニーエアバッグ装置10のニーエアバッグモジュール14と運転席11との間の距離を比較的大きくとることができるので、ニーエアバッグの展開性能を十分発揮することができる。これにより、ニーエアバッグ装置10の作動時におけるニーエアバッグ14aによる運転席の乗員の膝部の保護をさらに向上できる。
【0025】
この場合、ニーエアバッグ装置10のニーエアバッグモジュール14の前側に配置されたニーパネル17が、ブレーキペダル15の中間の揺動部分の後方移動を阻止するようになっているので、例えば図3に示した従来のブレーキペダルストッパ7bを備える構成と比較して、部品点数が少なくて済み、部品コスト及び組立コストが低減されることになる。
【0026】
このようにして、本発明実施形態によるニーエアバッグ装置10によれば、ニーエアバッグモジュール14の前側に配置したニーパネル17により、衝突時におけるブレーキペダル15の後退に対して、ブレーキペダル15の中間の揺動部分に当接して後退を阻止することによって、ブレーキペダル15の先端のペダル部15bは、てこの原理によりブレーキペダル15の支持部15aに対して相対的に前方に移動するので、ブレーキペダル15のペダル部15bの後退量が低減されることになる。
さらに、ニーパネル17は、ニーエアバッグ装置10のニーエアバッグモジュール14と一体的に構成されていることにより、部品点数が少なくて済み、部品コスト及び組立コストを低減することができる。
また、本発明の実施形態に係るニーエアバッグ装置10のニーパネル17を、図2に示す従来技術に適用するとブレーキペダル後退防止ブラケット7aを小型化でき、図3に示す従来技術に適用するとブレーキペダルストッパ7bを廃止できる。
【0027】
上述した実施形態においては、ニーパネル17は、ニーエアバッグモジュール14と別体に構成されているが、ニーエアバッグモジュール14のハウジングとして構成されていてもよく、またニーエアバッグモジュール14に対して一体的に取り付けられていてもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、簡単な構成により低コストで衝突時におけるブレーキペダルの後退量を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるニーエアバッグ装置の一実施形態の構成例を示す概略断面図である。
【図2】従来のニーエアバッグ装置の一例の構成を示す概略断面図である。
【図3】従来のニーエアバッグ装置の他の構成の要部を示す部分概略断面図である。
【符号の説明】
10 ニーエアバッグ装置
11 運転席
12 コラムカバー
13 インストルメントパネル
14 ニーエアバッグモジュール
15 ブレーキペダル
15a 支持部
15b ペダル部
16 インストルメントパネルリインフォース
16a ブレーキペダル後退防止ブラケット
17 ニーパネル
【発明の属する技術分野】
本発明は、衝突時における運転席の乗員の膝部を保護するためのニーエアバッグ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、自動車の安全性の確保が強く要請されるようになってきており、運転席及び助手席における前方に対する保護のための通常のエアバッグ装置の標準装備に加えて、側面衝突等に対応するためのサイドエアバッグ装置やカーテンシールドエアバッグ装置等が搭載されるようになってきている。
さらに、最近では、運転席の乗員の膝を保護するための、所謂ニーエアバッグ装置も開発され、その自動車への搭載が検討されるようになってきている。
【0003】
ここで、上記ニーエアバッグ装置は例えば図2に示すように構成されている。図2において、ニーエアバッグ装置1は、自動車の運転席2に対応して構成されており、ステアリングホイール3a付近のコラムカバー3の下方にてインストルメントパネル4の前方に配置されたニーエアバッグモジュール5を備える。
【0004】
このニーエアバッグモジュール5に対して、その前方には、ブレーキペダル6が配置されており、衝突時におけるブレーキペダル6の支持部6aの後退を防止するために、インストルメントパネルリインフォース7には、ブレーキペダル後退防止ブラケット7aが取り付けられている。
【0005】
このような構成のニーエアバッグ装置1によれば、自動車の衝突時には、衝突センサによりニーエアバッグ装置1のニーエアバッグモジュール5が作動して、ニーエアバッグ5aを瞬時に膨らませて、運転者の膝部の慣性による前方移動を抑止し、膝部のインストルメントパネル4への衝撃を和らげる。
【0006】
その際、ブレーキペダル6は、衝突時の衝撃によって後方へ移動しようとするが、上記インストルメントパネルリインフォース7に取り付けられたブレーキペダル後退防止ブラケット7aが、ブレーキペダル6の支持部6aの後方への移動を制限することにより、ブレーキペダル6の支持部6aの後方移動を阻止する。これにより、衝突時におけるブレーキペダル6の後方への移動は、図2において点線位置まで後退することになる。
【0007】
しかしながら、このような構成のニーエアバッグ装置1によれば、衝突時におけるブレーキペダル6の後方移動は、支持部6aの後退に関してのみ、ブレーキペダル後退防止ブラケット7aによって抑制されるようになっている。これにより、衝突時におけるブレーキペダル6のペダル部6bの後方移動は、図2において、点線位置までとなり、その後退量A1は、例えば70mm程度となる。
【0008】
これに対して、図3に示すように、インストルメントパネルリインフォース7に、ブレーキペダルストッパ7bを取り付けた構成も知られている。
【0009】
このような構成のニーエアバッグ装置によれば、自動車の衝突時には、衝突センサによりニーエアバッグ装置1のニーエアバッグモジュール5が作動する際、ブレーキペダル6は衝突時の衝撃によって後方へ移動しようとするが、上記インストルメントパネルリインフォース7に取り付けられたブレーキペダル後退防止ブラケット7aがブレーキペダル6の支持部6aの後方への移動を制限すると共に、上記インストルメントパネルリインフォース7に取り付けられたブレーキペダルストッパ7bがブレーキペダル6に設けられたフック部6aに係合することにより、ブレーキペダル6の揺動部分の後方への揺動を阻止する。
【0010】
これにより、衝突時におけるブレーキペダル6のペダル部6bの後方移動は、図3において、点線位置までとなり、その後退量A2は、例えば70mm程度となる。
したがって、ニーエアバッグ装置1のニーエアバッグモジュール5を、比較的ブレーキペダル6に近接して配置することができるので、ステアリングホイール3aの下方にスペースがあまりない場合であっても、ニーエアバッグ装置1を装着することが可能になると共に、ニーエアバッグ装置1のニーエアバッグモジュール5と運転席2との間の距離を比較的大きくとることができるので、ニーエアバッグ装置1の作動時におけるニーエアバッグ5aによる運転席の乗員の膝部への衝撃を軽減することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成のニーエアバッグ装置1においては、衝突時におけるブレーキペダル6の後方移動を、ブレーキペダル後退防止ブラケット7aによって、またブレーキペダル6の揺動による後退に関しては、ブレーキペダルストッパ7bによって抑止するようにしているが、そのためにはブレーキペダルストッパ7bが必要であることから、部品点数が多くなり、部品コスト及び組立コストが高くなってしまう。
【0012】
本発明は、以上の点にかんがみ、簡単な構成により、低コストで、衝突時におけるブレーキペダルの後退量をさらに低減させるようにした、ニーエアバッグ装置を提供することを目的としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明によれば、自動車の運転席に関して、ステアリングホイールの下方にて、ブレーキペダルの後方そしてインストルメントパネルの前方に配置されたニーエアバッグモジュールを含んでおり、衝突時におけるブレーキペダルの支持部の後方移動を防止するためのブレーキペダル後退防止ブラケットを備えたニーエアバッグ装置であって、上記ニーエアバッグモジュールの前側に、衝突時におけるブレーキペダルの揺動による後方移動を阻止するためのニーパネルを備えていることを特徴とするニーエアバッグ装置により、達成される。
【0014】
上記構成によれば、自動車の衝突時には、衝突センサによりニーエアバッグ装置のニーエアバッグモジュールが作動して、ニーエアバッグを瞬時に膨らませて、運転者の膝部の慣性による前方移動を抑止し、膝部のインストルメントパネルへの衝撃を和らげる。
【0015】
その際ブレーキペダルは、衝突時の衝撃によって後方へ移動しようとするが、上記ブレーキペダル後退防止ブラケットが、ブレーキペダルの支持部の後方への移動を制限すると共に、上記ニーパネルが、ブレーキペダルの中間の揺動部分に当接することにより、ブレーキペダルのペダル部は、てこの原理によりブレーキペダルの支持部に対して相対的に前方へ移動することになり、ブレーキペダルのペダル部の後方への移動を阻止することができる。
【0016】
これにより、衝突時におけるブレーキペダルの後方移動は、ブレーキペダル後退防止ブラケット及びニーパネルにより確実に防止されることになり、従来のブレーキペダル後退防止ブラケットのみによるブレーキペダルの後退防止の場合と比較して、その後退量が大幅に、例えば約50%程度低減され得ることになる。したがって、ニーエアバッグ装置のニーエアバッグモジュールを、比較的ブレーキペダルに近接して配置することができるので、ステアリングホイールの下方にスペースがあまりない場合であっても、ニーエアバッグ装置を装着することが可能になると共に、ニーエアバッグ装置のニーエアバッグモジュールと運転席との間の距離を比較的大きくとることができるので、ニーエアバッグ装置の作動時におけるニーエアバッグによる運転席の乗員の膝部への衝撃を容易に軽減することができる。
【0017】
さらに、衝突時におけるブレーキペダルの中間の揺動部分の後方移動を、ニーエアバッグ装置のニーエアバッグモジュールの前側に一体的に配置されたニーパネルで阻止するようにしたので、ブレーキペダルストッパが不要となることから部品点数が少なくて済み、部品コスト及び組立コストが低減される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明によるニーエアバッグ装置の一実施形態の構成を示している。図1において、ニーエアバッグ装置10は、自動車の運転席11に対応して構成されており、ステアリングホイール12a付近のコラムカバー12の下方にて、インストルメントパネル13の前方に配置されたニーエアバッグモジュール14を含んでいる。
【0019】
このニーエアバッグモジュール14に対して、その前方には、ブレーキペダル15が配置されており、衝突時におけるブレーキペダル15の支持部15aの後退を制限するために、インストルメントパネルリインフォース16には、ブレーキペダル後退防止ブラケット16aが取り付けられている。
【0020】
以上の構成は、図2及び図3に示した従来のニーエアバッグ装置1と同様の構成であるが、本発明実施形態によるニーエアバッグ装置10においては、以下の点で異なる構成になっている。即ち、上記ニーエアバッグ装置10は、さらにニーエアバッグモジュール14の前側(車両前方側)に、ニーパネル17を含んでいる。
【0021】
このニーパネル17は、ニーエアバッグモジュール14の前側に配置されるようになっている。そして、上記ニーパネル17は、衝突時にブレーキペダル15が後方移動したとき、インストルメントパネル13内にて、ブレーキペダル15の中間の揺動部分に当接して、ブレーキペダル15の後方移動を抑止するようになっている。
【0022】
本発明実施形態によるニーエアバッグ装置10は、以上のように構成されており、以下のように動作する。
即ち、自動車の衝突時には、衝突センサにより、ニーエアバッグ装置10のニーエアバッグモジュール14が作動する際、ブレーキペダル15は、衝突時の衝撃によって後方へ移動しようとするが、上記インストルメントパネルリインフォース16に取り付けられたブレーキペダル後退防止ブラケット16aが、ブレーキペダル15の支持部15aの後方への移動を制限すると共に、上記ニーエアバッグ装置10の前側に配置されたニーパネル17が、ブレーキペダル15の中間の揺動部分に当接することにより、ブレーキペダル15の揺動部分の後方への揺動を阻止する。
【0023】
これにより、衝突時におけるブレーキペダル15のペダル部15bの後方への移動は、てこの原理により支持部15aに対して相対的に前方へ移動することになるので、図1において点線位置までとなり、その後退量Aは、例えば35mm程度になる。したがって、図2及び図3に示した構成と比較して、ブレーキペダル6のペダル部6bの後退量が約50%程度低減される。
【0024】
したがって、ニーエアバッグ装置1のニーエアバッグモジュール14を、比較的ブレーキペダル15に近接して配置することができるので、ステアリングホイール12aの下方にスペースがあまりない場合であっても、ニーエアバッグ装置10を装着することが可能になると共に、ニーエアバッグ装置10のニーエアバッグモジュール14と運転席11との間の距離を比較的大きくとることができるので、ニーエアバッグの展開性能を十分発揮することができる。これにより、ニーエアバッグ装置10の作動時におけるニーエアバッグ14aによる運転席の乗員の膝部の保護をさらに向上できる。
【0025】
この場合、ニーエアバッグ装置10のニーエアバッグモジュール14の前側に配置されたニーパネル17が、ブレーキペダル15の中間の揺動部分の後方移動を阻止するようになっているので、例えば図3に示した従来のブレーキペダルストッパ7bを備える構成と比較して、部品点数が少なくて済み、部品コスト及び組立コストが低減されることになる。
【0026】
このようにして、本発明実施形態によるニーエアバッグ装置10によれば、ニーエアバッグモジュール14の前側に配置したニーパネル17により、衝突時におけるブレーキペダル15の後退に対して、ブレーキペダル15の中間の揺動部分に当接して後退を阻止することによって、ブレーキペダル15の先端のペダル部15bは、てこの原理によりブレーキペダル15の支持部15aに対して相対的に前方に移動するので、ブレーキペダル15のペダル部15bの後退量が低減されることになる。
さらに、ニーパネル17は、ニーエアバッグ装置10のニーエアバッグモジュール14と一体的に構成されていることにより、部品点数が少なくて済み、部品コスト及び組立コストを低減することができる。
また、本発明の実施形態に係るニーエアバッグ装置10のニーパネル17を、図2に示す従来技術に適用するとブレーキペダル後退防止ブラケット7aを小型化でき、図3に示す従来技術に適用するとブレーキペダルストッパ7bを廃止できる。
【0027】
上述した実施形態においては、ニーパネル17は、ニーエアバッグモジュール14と別体に構成されているが、ニーエアバッグモジュール14のハウジングとして構成されていてもよく、またニーエアバッグモジュール14に対して一体的に取り付けられていてもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、簡単な構成により低コストで衝突時におけるブレーキペダルの後退量を低減させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるニーエアバッグ装置の一実施形態の構成例を示す概略断面図である。
【図2】従来のニーエアバッグ装置の一例の構成を示す概略断面図である。
【図3】従来のニーエアバッグ装置の他の構成の要部を示す部分概略断面図である。
【符号の説明】
10 ニーエアバッグ装置
11 運転席
12 コラムカバー
13 インストルメントパネル
14 ニーエアバッグモジュール
15 ブレーキペダル
15a 支持部
15b ペダル部
16 インストルメントパネルリインフォース
16a ブレーキペダル後退防止ブラケット
17 ニーパネル
Claims (1)
- 自動車の運転席に関して、ステアリングホイールの下方にて、ブレーキペダルの後方そしてインストルメントパネルの前方に配置されたニーエアバッグモジュールを含んでおり、衝突時等におけるブレーキペダルの後方移動を防止するためのブレーキペダル後退防止ブラケットを備えたニーエアバッグ装置であって、
上記ニーエアバッグモジュールの前側に、衝突時におけるブレーキペダルの揺動による後方移動を阻止するためのニーパネルを備えていることを特徴とする、ニーエアバッグ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002263908A JP2004098868A (ja) | 2002-09-10 | 2002-09-10 | ニーエアバッグ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002263908A JP2004098868A (ja) | 2002-09-10 | 2002-09-10 | ニーエアバッグ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004098868A true JP2004098868A (ja) | 2004-04-02 |
Family
ID=32263489
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002263908A Pending JP2004098868A (ja) | 2002-09-10 | 2002-09-10 | ニーエアバッグ装置 |
Country Status (1)
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---|---|
JP (1) | JP2004098868A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006151106A (ja) * | 2004-11-26 | 2006-06-15 | Daihatsu Motor Co Ltd | 車両のパネル構造 |
WO2012042350A1 (en) * | 2010-09-30 | 2012-04-05 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Rearward pedal movement restraint assembly for vehicle |
JP2020100172A (ja) * | 2018-12-19 | 2020-07-02 | ダイハツ工業株式会社 | 車両構造 |
-
2002
- 2002-09-10 JP JP2002263908A patent/JP2004098868A/ja active Pending
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