WO2006013993A1 - 自動車の衝撃力吸収装置 - Google Patents

Abstract

　乗員２３の膝２３ａの前方に配置されてステアリングコラム１５をその後下方から覆うニープロテクタ２６と、このニープロテクタ２６をステアリングコラム１５に支持させるステー３０とを備える。前方移動する膝２３ａがニープロテクタ２６に衝突したとき、ステー３０が塑性変形してニープロテクタ２６がステアリングコラム１５に向かって移動する。ニープロテクタ２６の各外側方の近傍にそれぞれ配置されて車体前部４に支持されるニーアブソーバ３８と、ステアリングコラム１５に向かってニープロテクタ２６が所定寸法以上に移動することを阻止するストッパー４０とを設ける。このストッパー４０により移動が阻止されたニープロテクタ２６が、前方移動する膝２３ａをニーアブソーバ３８に向けて案内する。

Description

明 細 書 自動車の衝撃力吸収装置 技術分野 本発明は、 走行中の自動車がその前方の何らかの物体に衝突 （前突） したとき、 この前突に基づき乗員の膝に与えられようとする衝撃力が緩 和されるようにした自動車の衝撃力吸収装置に関するものである。 背景技術 上記自動車の衝撃力吸収装置には、 従来、 下記特許文献 1， 2に示さ れるものがある。 上記特許文献 1 によれば、 自動車の衝撃力吸収装置は、 車室の前面側 を形成する車体前部側から後上方に向かって延出しこの車体前部に支持 されるステアリングコラムと、 乗員の膝の前方に配置されて上記ステア リングコラムをその後下方から覆う二一プロテク夕と、 このニープロテ クタを上記ステアリ ングコラムに支持させるステ一とを備えている。 自動車の前突時に、 乗員の膝がその慣性力で前方移動し、 この膝が上 記ニープロテク夕に衝突したとき、 上記ステ一が塑性変形して上記ニー プロテク夕が上記ステアりングコラムに対し前上方に向かって移動する こととされている。 そして、 上記ステ一の塑性変形と、 これに伴うニー プロテク夕の移動とにより、 前突に基づき上記膝に与えられようとする 衝撃力が緩和される。 一方、 上記特許文献 2によれば、 自動車の衝撃力吸収装置は、 乗員の 膝の前方に配置されてステアリ ングコラムをその後下方から覆い、 車体 前部に固定されるコラムブラケッ トと、 このコラムブラケッ トの各外側 方近傍にそれぞれ配置されて上記車体前部に支持されるニーアブソーバ とを備えている。 - 自動車の前突時に、 乗員の膝がその慣性力で前方移動するとき、 この 膝は、 まず、 上記コラムブラケッ トに衝突し、 次に、 このコラムブラケ ッ 卜により、 上記二一アブソ一バに向けて案内される。 これにより、 上 記膝がニーアブソーバに衝突し、 このニーアブソーバが変形する。 そし て、 このニーアブソーバの変形により、 前突に基づき上記膝に与えられ ようとする衝撃力が緩和される。

【特許文献 1】 実開平 1 - 7 3 4 6 4号公報

【特許文献 2】 特開 2 0 0 1 - 1 7 1 4 5 3号公報 ところで、上記特許文献 1 において、一般に、車室の余剰空間は狭い。 このため、 上記ステアリングコラムとニープロテク夕との間に十分な空 間を得ることは困難である。 このため、 前突時に前方移動する膝が上記 ニープロテク夕に衝突して、 この二一プロテク夕が前方移動するとき、 その移動寸法を十分に長くすることは困難である。 この結果、 このニー プロテク夕とステ一とにより、 膝に与えられようとする衝撃力を、 より 十分に緩和するには限度がある。 一方、 上記特許文献 2におけるコラムブラケッ トは、 前記したように 車体前部に固定されている。 このため、 前突時に、 まず、 上記膝がコラ ムブラケッ トに衝突したとき、 上記膝はコラムブラケッ トから大きな衝 撃力を与えられる可能性がある。 そこで、 上記特許文献 2のコラムブラケッ トに代えて、 この特許文献 2に前記特許文献 1のニープロテク夕を適用する、 という組み合わせ構 成が考えられる。 しかし、 上記組み合わせ構成において、 膝の衝突により前方移動する 上記ニープロテク夕は、 この前方移動と共に側方にも移動し、 つまり、 上記ニープロテク夕は斜め前方に移動する （特許文献 1中、 第 4図）。 こ のため、 その後、 上記ニープロテク夕によって上記膝がある方向に案内 されるとしても、 この案内方向と、 上記組み合わせ構成におけるニーア ブソーバとは何ら関連付けられるものではない。 この結果、 このニーア ブソーバによる衝撃力の緩和は、 望めないことから、 上記組み合わせ構 成によっても、 前突時に、 乗員の膝に与えられようとする衝撃力を、 よ り十分に緩和させるということは困難である。 発明の開示 本発明は、 上記のような事情に注目してなされたもので、 本発明の目 的は、 自動車の前突時に、 乗員の膝に与えられようとする衝撃力が、 よ り十分に緩和されるようにすることである。 請求項 1の発明は、 車体前部 4側から後上方に向かって延出しこの車 体前部 4に支持されるステアリングコラム 1 5と、 乗員 2 3の膝 2 3 a の前方に配置されて上記ステアリングコラム 1 5をその後下方から覆う ニープロテク夕 2 6と、 このニープロテク夕 2 6を上記ステアリ ングコ ラム 1 5に支持させるステー 3 0 とを備え、 前方移動する上記膝 2 3 a が上記ニープロテク夕 2 6に衝突したとき、 上記ステー 3 0が塑性変形 して上記二一プロテク夕 2 6が上記ステアリングコラム 1 5に向かって 移動するようにした自動車の衝撃力吸収装置において、

上記ニープロテク夕 2 6の各外側方の近傍にそれぞれ配置されて上記 車体前部 4に支持されるニーアブソーバ 3 8と、 上記ステアリングコラ ム 1 5に向かって上記ニープロテク夕 2 6が所定寸法以上に移動するこ とを阻止するス トッパー 4 0 とを設け、 このス トッパー 4 0により移動 が阻止された上記ニープロテク夕 2 6力 上記前方移動する膝 2 3 aを 上記ニーアブソーバ 3 8に向けて案内するようにしたものである。 なお、 この項において、 上記各用語に付記した符号は、 本発明の技術 的範囲を後述の 「実施例」 の項や図面の内容に限定解釈するものではな い。 本発明による効果は、 次の如くである。 請求項 1の発明は、 車体前部側から後上方に向かって延出しこの車体 前部に支持されるステアリングコラムと、 乗員の膝の前方に配置されて 上記ステアりングコラムをその後下方から覆うニープロテク夕と、 この ニープロテク夕を上記ステアりングコラムに支持させるステ一とを備え、 前方移動する上記膝が上記ニープロテク夕に衝突したとき、 上記ステ一 が塑性変形して上記ニープロテク夕が上記ステアリングコラムに向かつ て移動するようにした自動車の衝撃力吸収装置において、 上記二一プロテク夕の各外側方の近傍にそれぞれ配置されて上記車体 前部に支持されるニーアブソーバと、 上記ステアリングコラムに向かつ て上記ニープロテク夕が所定寸法以上に移動することを阻止するス トツ パーとを設け、 このス トッパーにより移動が阻止された上記ニープロテ クタが、 上記前方移動する膝を上記ニーアブソーバに向けて案内するよ うにしている。 このため、 自動車の前突時に、 乗員の膝がその慣性力で前方移動する とき、 この膝はまず、 上記二一プロテク夕に衝突する。 すると、 上記ス テ一が塑性変形して、 上記ニープロテク夕が上記ステアリングコラムに 向かって移動する。 そして、 上記ステ一の塑性変形と、 これに伴う上記ニープロテク夕の 移動とにより、 前突に基づき乗員の膝に与えられようとする衝撃力が緩 和される。 また、 上記ス トッパーにより所定寸法以上の移動が阻止された上記二 一プロテク夕により、 上記前方移動する膝がニーアブソーバに向かって それぞれ案内される。 これにより、 上記膝は、 上記ニーアブソーバに衝 突し、 このニーアブソーバが変形する。 そして、 このニーアブソーバの 変形により、 前突に基づき上記膝に与えられようとする衝撃力が緩和さ れる。 即ち、 自動車の前突時には、 上記ニープロテク夕、 ステ一、 ニーアブ ソーバ、 およびス トッパーが互いに連関して、 乗員の膝に与えられよう とする衝撃力が、 より十分に緩和される。 図面の簡単な説明

第 1図は、 第 2図の 1 - 1線矢視図である。

第 2図は、 自動車の前部側面図である。

第 3図は、 第 2図の 3 - 3線矢視図である。

第 4図は、 自動車の衝撃力吸収装置の作用を説明するための第 2図 の部分拡大図である。

第 5図は、 自動車の衝撃力吸収装置の作用を説明するための第 1図 の部分拡大図である。 発明を実施するための最良の形態 本発明の自動車の衝撃力吸収装置に関し、 自動車の前突時に、 乗員の 膝に与えられようとする衝撃力が、 より十分に緩和されるようにする、 という目的を実現するため、 本発明を実施するための最良の形態は、 次 の如くである。 即ち、 上記衝撃力吸収装置は、 車室の前面側を形成する車体前部側か ら後上方に向かって延出しこの車体前部に支持されるステアリングコラ ムと、 乗員の膝の前方に配置されて上記ステアリングコラムをその後下 方から覆う二一プロテク夕と、 このニープロテク夕を上記ステアリング コラムに支持させるステ一とを備えている。 自動車の前突時に、 乗員の膝がその慣性力で前方移動し、 この膝が上 記ニープロテク夕に衝突したとき、 上記ステ一が塑性変形して上記ニー プロテク夕が上記ステアリングコラムに対し前上方に向かって移動する こととされている。 上記ニープロテク夕の各外側方の近傍にそれぞれ配置されて上記車体 前部に支持されるニーアブソーバと、 上記ステアリングコラムに対し前 上方に向かって上記ニープロテク夕が所定寸法以上に移動することを阻 止するストッパーとが設けられる。 このス トツバ一により移動が阻止さ れた上記ニープロテク夕が、 上記前方移動する膝を上記ニーアブソーバ に向けて案内する。 本発明をより詳細に説明するために、 その実施例を添付の図に従って 説明する。 図において、 符号 1は自動車で、 矢印 F rは、 この自動車 1の進行方 向の前方を示している。 上記自動車 1の車体 2の内部には車室 3が形成されている。 この車室 3の前部側を形成する上記車体 2の車体前部 4は板金製とされている。 この車体前部 4は、 その左右各側部を構成するフロントピラー 5 と、 自 動車 1の幅方向に延びて上記両フロントピラー 5の長手方向の中途部同 士に架設されるフロントカウル 6 と、 このフロントカウル 6から下方に 向かって延出するダッシュパネル 7 と、 このダッシュパネル 7の下端縁 から後方に向かって延出するフロアパネル 8 とを備えている。 また、 上記車体前部 4は、 自動車 1の幅方向に延びて上記両フロント ピラー 5の上記中途部同士に架設される円形パイプ製のピラーツービラ 一メンバ 1 1 と、 このビラ一ッ一ビラ一メンバ 1 1の長手方向の中途部 を上記フロントカウル 6に支持するブレース 1 2 とを備えている。 上記車体前部 4のダッシュパネル 7側から後上方に向かって延出する ステアリングコラム 1 5が設けられる。 このステアリングコラム 1 5の 前、 後部には、 前、 後ブラケッ ト 1 6 , 1 7が支持されている。 これら 各ブラケッ ト 1 6， 1 7は上記車体前部 4のブレース 1 2に締結具 1 8， 1 9により支持されている。 上記ステアリングコラム 1 5には、 そのス テアリング軸心 2 0上にステアリング軸 2 1が支持されている。 このス テアリング軸 2 1の後上端部は、 上記ステアリングコラム 1 5から後上 方に向かって突出し、この突出端にハンドル 2 2が取り付けられている。 上記ステアリングコラム 1 5とハンドル 2 2の後下方にドライバーで ある乗員 2 3用のシート 2 4が設けられ、 このシート 2 4は上記フロア パネル 8に支持されている。 前方に向かって上記シート 2 4に着座した 乗員 2 3は、 上記ハンドル 2 2を把持して、 操向操作が可能とされてい る。 上記乗員 2 3の膝 2 3 aの前方に配置されて上記ステアリングコラム 1 5をその後下方から覆う板金製のニープロテク夕 2 6が設けられてい る。 この二一プロテク夕 2 6は、 上記ステアリング軸心 2 0に沿った視 線でみて （第 1図）、 U字形状をなしている。 より具体的には、 上記ニー プロテク夕 2 6は、 上記ステアリングコラム 1 5の下方に離れたところ に配置され、 自動車 1の幅方向に延びる底板 2 7と、 この底板 2 7の各 側端部からそれぞれ上方に向かって一体的に延出する左右側板 2 8 , 2 8とを備えている。 上記底板 2 7の各側部の後下面は、 それぞれ上記ス テアリ ングコラム 1 5の外側方に向かうに従い前方に向かって傾斜した 案内面 2 7 aとされている。 上記左右側板 2 8 , 2 8には、 略 U字形状 二一プロテク夕 2 6の左右端部 2 8 a、 2 8 aが設けられている。また、 上記左右側板 2 8 , 2 8の一部であって、 左右端部 2 8 a , 2 8 aの近 傍に位置する部分 2 8 b、 2 8 bは、 ステアリ ングコラム 1 5の軸心 2 0に沿った視線でみて （第 1図）、 内側に傾斜されている。 上記ニープロ テク夕 2 6は、 上記ステアリング軸心 2 0を通る垂線 2 9を中心として ほぼ左右対称形とされている。 上記ニープロテク夕 2 6を上記ステアリングコラム 1 5に支持させる 板金製のステー 3 0が設けられている。 このステー 3 0は上記ステアリ ングコラム 1 5から後下方に向かって突出する前、 後ステ一部材 3 1 , 3 2 と、 これらステ一部材 3 1， 3 2の各突出端部を一体的に結合させ る底ステ一部材 3 3と、 上記前ステ一部材 3 1 を補強する補強材 3 4と を備えている。上記ニープロテク夕 2 6の底板 2 7の幅方向の中途部が、 上記底ステ一部材 3 3に締結具 3 5により固着されている。これにより、 上記二一プロテク夕 2 6がステアリングコラム 1 5に支持される。 上記前、 後ステ一部材 3 1 , 3 2はそれぞれ帯板形状とされ、 その各 断面は、 自動車 1の幅方向に長い矩形状とされている。 これにより、 各 ステ一部材 3 1， 3 2は、 自動車 1の幅方向の外力に対する強度と剛性 が、 自動車 1の長手方向のそれよりも大きくされている。 上記補強材 3 4は、 上記前ステ一部材 3 1の幅方向の各縁部に一体的に形成されてい る。 これにより、 上記前ステ一部材 3 1 は、 自動車 1の長手方向の外力 に対する強度と剛性が上記後ステ一部材 3 2のそれよりも大きくされて いる。 上記ニープロテク夕 2 6の各外側方の近傍にそれぞれ配置されて上記 車体前部 4のピラーツーピラーメンバ 1 1 に支持される左右一対のニー アブソ一バ 3 8が設けられている。 これら各ニーアブソーバ 3 8は板金 製である。 また、 これら各ニーアブソーバ 3 8は、 上記垂線 2 9を中心 としてほぼ左右対称位置に配置されている。 上記ニープロテク夕 2 6は、 上記ステー 3 0の塑性変形を伴って、 上 記ステアリ ングコラム 1 5に対しほぼ真直前方、 かつ、 斜め上方 （前上 方） に向かって相対移動可能とされている。 また、 上記ステアリングコ ラム 1 5に対しニープロテク夕 2 6が所定寸法以上に相対移動しょうと するとき、 二一プロテク夕 2 6の左右端部 2 8 aに当接することで、 そ の移動を阻止する左右一対のス トッパー 4 0が設けられている。 上記各ス トッパー 4 0は、 上記後ブラケッ ト 1 7の各側端部に一体的 に形成されている。 上記各ス トッパー 4 0は、 上記垂線 2 9を中心とし てほぼ左右対称位置に配置されている。 上記したようにニープロテク夕 2 6が所定寸法以上に相対移動しょうとしたとき、 上記ニープロテク夕 2 6の各側板 2 8の延出端部 （左右端部 2 8 a ) が上記各ス トッパー 4 0に当接して、 上記ニープロテク夕 2 6のそれ以上の相対移動が阻止さ れる （第 1図中、 一点鎖線）。 また、 上記ニープロテク夕 2 6の移動が上 記ス トッパー 4 0により阻止されたとき、 上記二一プロテク夕 2 6は、 上記垂線 2 9を中心としてほぼ左右対称形とされる。 なお、 本実施例で は、 左右ス トッパ 4 0の各々は、 第一のス トッパ 4 0 aと、 第二のス ト ツバ 4 0 bとから構成されている。 自動車 1 の前突時に、 乗員 2 3の膝 2 3 aがその慣性力で前方移動す るとき、 この膝 2 3 aは、 まず、 上記二一プロテク夕 2 6の底板 2 7の 各案内面 2 7 aに衝突する （第 1図中、 矢印 A )。 すると、 上記ステー 3 0は塑性変形し、 これに伴い、 上記ニープロテク夕 2 6は、 上記ステア リングコラム 1 5に対して相対移動する。上記ステー 3 0の塑性変形と、 これに伴う上記ニープロテク夕 2 6の移動とにより、 前突に基づき乗員 2 3の膝 2 3 aに与えられようとする衝撃力が緩和される。 特に、 本実施例では、 上記ステー 3 0に、 剛性が高い部位と剛性が低 い部位とを設けて、 上記ステー 3 0の塑性変形の方向を所望の方向とな るように設定している。 具体的には、 補強材 3 4を前ステ一部材 3 1 に 設けているので、 上記ステ一 3 0における前、 後ステ一部材 3 1 , 3 2 のうち、 特に後ステ一部材 3 2がより円滑に塑性変形して、 上記ニーブ ロテク夕 2 6が上記ステアリングコラム 1 5に対し前上方に向かって相 対移動する （第 1 , 4図中、 矢印 B )。 すなわち、 膝 2 3 aが前方移動す るとき、 前ステ一部材 3 1 に対し、 後ステ一部材 3 2をより積極的に塑 性変形させることにより、 ニープロテク夕 2 6に膝 2 3 aの移動方向へ 回動させる動きを加えることができ、 効果的に衝撃力を緩和しつつ、 膝 2 3 aをガイ ドすることができる。 更に、 ニープロテク夕 2 6の前方移 動寸法を十分長くできないようなレイアウト的に不利な場所でも、 ニー プロテク夕 2 6の移動方向（回動方向）を所望の方向に設定できるので、 衝撃力を効果的に緩和することができるとともに、 移動された （回動さ れた） ニープロテク夕 2 6力 膝 2 3 aをガイ ドする効果を発揮できる 必要最小の大きさの二一プロテク夕 2 6 とすることもできる。 そして、 上記ニープロテク夕 2 6が所定寸法以上に相対移動することは、 上記 各ス トッパー 4 0によって阻止される （第 1図中、 一点鎖線）。 すると、 移動が阻止された上記ニープロテク夕 2 6の底板 2 7の各案内面 2 7 a により、 上記前方移動する各膝 2 3 aが各ニーアブソーバ 3 8に向かつ てそれぞれ案内される （第 1 , 4図中、 矢印 C )。 これにより、 上記各膝 2 3 aは、 上記各ニーアブソーバ 3 8に衝突し、 各二一アブソ一バ 3 8 が変形する。 そして、 これら各ニーアブソーバ 3 8の変形により、 前突 に基づき上記各膝 2 3 aに与えられようとする衝撃力が緩和される。 即ち、 自動車 1の前突時には、上記二一プロテク夕 2 6、ステー 3 0、 二一アブソーバ 3 8、 およびス トッパー 4 0が互いに連関して、 乗員 2 3の膝 2 3 aに与えられようとする衝撃力が、 より十分に緩和される。 また、 特に、 本実施例では、 上記ス トッパー 4 0は左右一対設けられ ている。 更に、 ニープロテク夕 2 6は、 ステアリング軸心 2 0に沿った 視点で見て略 U字形状をなし、 上記左右ス トッパ 4 0は、 上記略 U字形 状ニープロテク夕 2 6の左右端部 2 8 aにそれぞれ当接する。 したがつ て、 膝 2 3 aをガイ ドする際に、 一番荷重が掛かる上記略 U字形状ニー プロテク夕 2 6の左右端部 2 8 aを左右ス トッパ 4 0により支持できる ので、 膝 2 3 aを安定して左右ニーアブソーバ 3 8へガイ ドすることが できる。 更に、 本実施例では、 上記略 U字形状二一プロテク夕 2 6の各左右端 部 2 8 aの近傍の上記略 U字状形状ニープロテク夕の部分 2 8 bを、 上 記ステアリング軸心 2 0に沿った視点で見て内側に傾斜させている。 更 に、 上記左右ス トッパー 4 0の各々は、 第一のス トッパ 4 0 aと、 上記 第一のストツパ 4 0 aとステアリング軸心 2 0 との間に配置された第二 のス トツバ 4 0 bとから構成される。 この構成により、 上記ニープロテク夕 2 6が上記ステアリングコラム 1 5に対して相対移動する際に、 二一プロテク夕 2 6の左右端部 2 8 a は、 まず、 第一のス トッパ 4 0 aに当接して、 左右端部 2 8 aの前方向 (矢印 B方向）の動きを規制する。ニープロテク夕 2 6の部分 2 8 bは、 内側に傾斜されているので、 ニープロテク夕 2 6の左右端部 2 8 aは、 第一のストッパ 4 0 aの当接後、 横方向 （矢印 D方向） へ移動して、 第 5図に示すように、 第二のス トッパ 4 0 bに当接する。 したがって、 左 右端部 2 8 aは、 第一のス トツバ 4 0 aに当接後、 ニープロテク夕 2 6 の若千の変形を伴いつつ横方向へ移動することにより、 衝撃力を緩和す ることができる。 更に、 左右端部 2 8 aが横方向へ移動する際は、 左右 端部 2 8 a力 第一のス トッパ 4 0 a上を摺動するので、 左右端部 2 8 aの横方向への移動に制動がかけらる。 したがって、 衝撃力を緩和する ことができる。左右端部 2 8 aは、第一のス トツバ 4 0 a上を摺動して、 最終的に第二のス トツパ 4 0 bに当接ので、 左右端部 2 8 aの移動およ びニープロテク夕 2 6の移動を阻止することができる。 二一プロテク夕 2 6の移動は、 左右端部 2 8 aが、 第一のス トッパ 4 0 aおよび第二の ス トッパ 4 0 bの双方に当接することで、 阻止されるので、 より正確に 安定して膝 2 3 aをニーアブソーバ 3 8へガイ ドすることができる。 これら各ス トッパー 4 0 により上記ステアリ ングコラム 1 5 に対す る相対移動が停止させられたニープロテク夕 2 6と、 上記左右ニーアブ ソ一バ 3 8とは上記ステアリングコラム 1 5のステアリング軸心 2 0を 通る垂線 2 9を中心としてほぼ左右対称とされる。 このため、 前突時に上記ニープロテク夕 2 6に案内される各膝 2 3 a は、 より確実にそれぞれ上記各ニーアブソーバ 3 8に向かわされる。 よ つて、 前突時に、 上記各膝 2 3 aに与えられようとする衝撃力は、 それ ぞれょり確実に緩和される。 なお、 本実施例では、 複数のス トッパー 4 0力 設けられているが、 単一のストッパ 4 0を設けてもよい。 例えば、 第 1図中、 二点鎖線で示 すように、 上記ステアリングコラム 1 5の下部からニープロテク夕 2 6 に向かって （例えば、 ニープロテク夕 2 6の底板 2 7の幅方向の中央部 に向かって） 突出するものでもよい。 この変形例では、 どのようなタイ プのニープロテク夕の動きも、 コンパク トな構成にて、 効果的に抑制す ることができる。 また、 以上は図示の例によるが、 上記ニープロテク夕 2 6は樹脂製で もよい。 また、 上記ニーアブソーバ 3 8は樹脂製でもよい。

また、 本実施例では、 補強材 3 4を前ステ一部材 3 1 に設けることに より、 ステー 3 0に、 剛性が高い部位と剛性が低い部位とを設けている が、 他の方法、 例えば、 厚さを変化させる、 異種部材を利用する等、 に より、 ステー 3 0に、 剛性が高い部分と剛性が低い部分をを設けるよう にしてもよい。 また、 剛性が高い部分と剛性が低い部分は、 ステ一 3 0 の塑性変形方向を考慮した上で、ステ一 3 0の任意の位置に設けてょレ 産業上の利用の可能性

本発明は、 自動車の衝撃力吸収装置に適用でき、 走行中の自動車がそ の前方の何らかの物体に衝突 （前突） したとき、 この前突に基づき乗員 の膝に与えられようとする衝撃力がより十分に緩和できる.。

Claims

請 求 の 範 囲

1 . 車体前部側から後上方に向かって延出しこの車体前部に支持 されるステアリングコラムと、 乗員の膝の前方に配置されて上記ステア リングコラムをその後下方から覆うニープロテク夕と、 この二"プロテ クタを上記ステアリングコラムに支持させるステ一とを備え、 前方移動 する上記膝が上記ニープロテク夕に衝突したとき、 上記ステ一が塑性変 形して上記ニープロテク夕が上記ステアリングコラムに向かって移動す るようにした自動車の衝撃力吸収装置において、

上記ニープロテク夕の各外側方の近傍にそれぞれ配置されて上記車体 前部に支持されるニーアブソーバと、 上記ステアリングコラムに向かつ て上記二一プロテク夕が所定寸法以上に移動することを阻止するス トツ パーとを設け、 このス トッパ一により移動が阻止された上記ニープロテ クタが、 上記前方移動する膝を上記ニーアブソーバに向けて案内するよ うにしたことを特徴とする自動車の衝撃力吸収装置。

2 . 前記ステ一に、 剛性が高い部位と剛性が低い部位を設けるこ とにより、 前記二一プロテク夕がステアリングコラムに対し、 前上方に 向かって相対移動することを特徴とする、 請求項 1 に記載の自動車の衝 撃吸収装置。

3 . 前記二一プロテク夕は前記ステアリングコラム軸線に沿った 視点で見て略 U字形状をなし、 前記ス トッパーは、 前記略 U字形状ニー プロテク夕の左右端部にそれぞれ当接可能な左右ス トッパーを含むこと を特徴とする、 請求項 1 または 2に記載の自動車の衝撃力吸収装置。

4 . 前記略 U字形状ニープロテク夕の各左右端部の近傍の前記略 U字状形状ニープロテク夕の部分を、 前記ステアリングコラム軸線に沿 つた視点で見て内側に傾斜させ、 前記左右ス トッパーの各々は、 前記左 右端部の対応する一つの前方向の動きを規制する第一のス トツパと、 前 記第一のス トツバと前記ステアリングコラム軸線との間に配置されて、 前記左右端部の対応する一つの横方向の動きを規制する第二のス 卜ッパ とを含むことを特徴とする、請求項 3に記載の自動車の衝撃力吸収装置。

5 . 前記ス トッパーは、 前記ステアリングコラム下部より前記二 一プロテク夕に向かって突出して設定されることを特徴とする請求項 1 または 2に記載の自動車の衝撃力吸収装置。